2009/10-12鑑賞
ホーム 映画の感想 最新鑑賞映画 最新DVD/BD 全米ベスト10 劇場/映画館 試写会当選 映画SP-extra 第89回アカデミー賞 第37回ラジー賞 2017年に見たい映画 第74回GG賞

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この期間に鑑賞した映画の本数  
10月:5(3)[2]本、11月:7(3)[2]本、 12月:7(3)[2]本、計:19(9)[6]本 。 ( )は試写会
[ ]は邦画
今年の累計:82(47)[25]本  
1−3月期:17(10)[3]本 、4−6月期:21(14)[9]本、7−9月期:25(14)[7]本、10−12月期:19(9)[6]本  
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 アバター   

あの、ジェームズ・キャメロン監督が、満を持して送るSF3D超大作。

サム・ワーシントン、スティーブン・ラング、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー。

**

宇宙船の中で、6年ほどの冬眠状態にいた男、ジェイク・サリー(サム・ワーシントン)が目覚める。
到着した星はパンドラ。
空気が人間にとっては有毒で、吸えば何秒かで失神、4分ほどで死に至る。
外気に触れる場合は酸素マスクが必須アイテムだ。

この星の原住民、ナビ族は、身長3mほどもある。
身体能力に優れ、力も強く、強靭な体をしている。

グレース・オーガスティン博士(シガニー・ウィーバー)は、この星の生態系の研究者。
ナビ族と人間のDNAを融合して作られたクローン、アバターを精神リンクによって操作するアバタープロジェクトのリーダー。
新たなアバターのドライバーが来るのを楽しみにしていたが、来たのは科学者の双子の弟で海兵隊上がりのジェイクでがっかりする。
グレースはアバターを操り、ナビ族との接触を試みていたが、いまだに彼らの中に入れないでいた。

ジェイクは双子の弟が出発直前に事故死したことで代役に選ばれた。
海兵隊時代の事故で車いす生活だが、このプロジェクトに参加すれば、高額な手術代を捻出でき下半身を回復させることができる。

一方、ジェイクを送り込んだRDA社は、高価なアバターを無駄にすることがない。
また、社は生態系調査など関心がなく、地中に眠る希少鉱物=飛行石の採掘が目的。
そのためには、その鉱脈の上にあるナビ族の居住地を、武力を用いてでも移動させる必要があった。
今までにも学校や英語教育をして融和を図ったがことごとく失敗、現在はナビ族とは敵対関係にあり、
アバタープロジェクトによるナビ族との取引を画策している。

ジェイクは自身のアバターに精神リンクし、歩ける、走れる喜びに浸る。
ジェイクは、グレース博士の護衛として調査に同行することになるが、
RDA社の傭兵のマイルズ・クオリッチ大佐(スティーブン・ラング)にはナビ族に取り入り、その動向を探るよう命令される。

ジェイクはグレース博士の調査に同行するも、大型の肉食獣らしきものに襲われ、寸でのところで逃げ切るが森に迷う。
夜、松明をともしながら逃げ道を探すジェイクに野犬ぽい小型の肉食獣らしき一団が襲いかかる。
それを一人のナビ族の女性、ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)が助ける。

どうせ英語はわからないだろうとしながらも、ジェイクは礼をいうが、女性は英語で答え、スカイ・ピープルは帰れという。
なおも食い下がるジェイクにネイティリはジェイクを殺そうとするが、タンポポの種のような浮遊物がジェイクを包み、
ネイティリの態度は一変する。

ネイティリはジェイクを一族の神「エイラ」の神託を受けるため部族長の妻でネイティリの母、モアトに会わせる。

モアトはジェイクを受け入れ、ネイティリをジェイクの教育係に指名する。
ジェイクはその夜、リンクを外れ、ナビ族に受け入れられたことをグレース博士に報告。
その後もナビと人間の間を行き来して徐々にナビ族に溶け込んでいく。

ジェイクはどんどんナビ族の習慣を吸収し、体力もつき、技も身につける。
やがてグレース博士もナビ族に受け入れられ、部族を訪れることができるようになる。

しかし、グレース博士はRDA社がジェイクから情報を得ていることを知り、研究室を空中の島に移動させる。

ジェイクは、一人前の男になる最後の試練、飛竜ともいうべき鳥、バンシーを手懐けることにも成功する。
クオリッチ大佐はジェイクに報告がないことを問い詰めるが、ジェイクは儀式が終われば説得できると答える。

そしての儀式も無事終わり、ジェイクはナビ族の一員となる。
その夜、ジェイクはネイティリと結ばれる。

翌早朝、リンク前、ジェイクのアバターは死んだように眠るだけ。
そこへブルドーザーで突入してくる兵隊たち。

ジェイクは気づかずアバターとネイティリは危機に陥る。
そしてリンク、危険に気づいたジェイクはプルドーザを破壊。
大佐や会社に裏切り者とされる。

このままでは危ない。
ジェイクはグレース博士ととも、部族に逃げるよう諭しに行くが、ラボにやってきた大佐に無理やりリンクを切られる。

グレース博士は大佐に食って掛かるが、ジェイクがナビは取引に応じず、その居住地も去らないと言っているとして、攻撃を宣告。
居住地は巨木「ホームツリー」の中にあるが、大佐らの攻撃を受けて炎上し倒壊する。

この攻撃で、ネイティリの父の部族長、ネイチュカンが死ぬ。
一族は「魂の木」の下に逃げていた。

兵士の中では、グレース博士に同調するトゥルーディ・チャコン(ミシェル・ロドリゲス)が、
グレース博士、ジェイク、ノームの3人を救出し、空中の島のラボへ連れて行く。

無事逃げおおせたかと思ったが、グレース博士は腹部に銃弾を受けていた。
ジェイクは、いったんは追放された部族に入るための賭けに出る。
それは今まで5人しか操ったことがないという大型の飛竜トルークに乗り「魂の木」の一族のところに乗り込むこと。
伝説の戦士、トルーク・マルトとなったジェイクは、一族に受け入れられ、グレース博士の救助を願い出る。

しかし、時すでに遅くグレース博士は「魂の木」の力をもってしても助からなかった。

ジェイクは、一族、「魂の木」そして、パンドラを守るため、他の部族にも協力を求めてPDA社の兵と戦うことにする。
しかし、兵力の差は歴然、「魂の木」に助けを乞うジェイクだが、ネイティリは木は助けてくれないと言う。
やがて、決戦の時。

総力を挙げてのナビ族の戦いも重火器の前には非力。
劣勢は否めない。
その時、獣たちが陸から空から兵に襲いかかり、劣勢を挽回する。
ジェイクも空から攻撃にかかり、RDA社の兵力は壊滅状態。

大佐は生き残り、パワード・スーツ(ロボット・スーツ)に乗ってジェイクと戦う。
劣勢の大佐だったが、ラボを壊すことでジェイクは呼吸ができなくなり、リンク装置から出て昏倒する。

当然アバターもリンクが切れて昏倒。
あわや大佐の手にかかろうとしたとき、ネイティリが矢を放って大佐を殺害した。
ネイティリはラボで倒れているジェイクを発見、酸素マスクをつけて助ける。

戦いはナビ族の勝利で終わり、ほとんどの人間は地球に送り返された。
ジェイクは魂の木の力によってアバターとリンクし、ナビ族のジェイクとしてよみがえった。

**

はっきり言ってあらすじだけなら、似たような映画はいっぱいあるし、新鮮味はない。
驚愕はパンドラの人物やら自然、動植物の設定とその表現方法。

3Dは、「立体映画」の域を超えているというか、単なる「飛び出す映画」ではない。
超リアル、「観るのではなく、そこにいるのだ」というキャッチコピーはだてではない。
実際、崖の上から下をのぞきこむシーンでは、椅子に座っていながらも足がすくむ。

これこそ、3Dで見るべき映画。

字幕は戸田奈津子。
予告で気になっていた「You should see your faces(驚いた?)」は、「目がテンよ」になっていた。

 

 

 彼岸島    

日韓合作映画、と言っていいんでしょうね。監督は金泰均(キム・テギュン:Kim Tae Kyun)

石黒英雄、渡辺大、水沢あさみ、山本耕史。

**

冒頭は真っ暗な中を逃げる一人の男。
お堂に逃げ込むが、編笠をかぶった男達に襲われる。
物陰から現れた男が彼らを切り殺す。
追われていた男は、いったん息絶え、吸血鬼としてよみがえるが頭をつぶされて死ぬ。

場所は変わってどこかの高校。
不良に呼び出された明(石黒英雄)は、謎の女(冷:水沢あさみ、この時点では正体不明)の助けで逃げ延びる。
翌日、仲間とともにその女を見つけた明。
あとをつけていくと、廃工場で巨漢の男に襲われるが、女の手助けもあってこれを倒す。

女は、ざっくり事情を説明し、行方不明の明の兄、篤(渡辺大)の消息を語る。
明は兄を救出するため、仲間のケンちゃん(弓削智久)、西山(足立理)、加藤(半田昌也)、ポン(森脇史登)、
それに紅一点ユキ(瀧本美織)とともに、女の操船で島に向かう。
目的地はGPSも方位磁石も効かず、携帯も圏外、地図にもない要塞の島、彼岸島。

島に到着してまもなく、真っ暗な集落に到着。
突然明かりがつき、編笠の集団=吸血鬼たちが襲ってきて6人はあっさり捕まる。

冷は、捕まる前に姿をくらます。実は彼女、人間だが、吸血鬼の親玉、雅(山本耕司)の手先だった。

人質となった6人は順番に「餌」にされるという。
最初の一人にポンを出そうとする加藤と西山、ケンちゃんが名乗りを上げて連れて行かれるが、
その際に吸血鬼が落とした鍵で、残りの5人は牢屋を出る。

ユキと明はケンちゃんを助けに行き、西山、加藤は山へ向かう。
ポンは西山と加藤を信用できないとして単独行動をとる。

ユキと明は何とかケンちゃんを助け出し山へ向かう。
途中、武装した篤に遭遇、西山、加藤と合流して旧日本軍の兵器庫へ向かう。
銃は弾がなく使えず、各自日本刀を手にする。

そこへポンがやってきた。
ポンはみんなをなじり、明に襲いかかる。吸血ウィルスに感染、発症していたのだ。
ためらう明に対して、篤はポンを切り捨てる。

その後も襲いくる吸血鬼、みんなは逃げおおせたが、ユキが羽の生えた吸血鬼にさらわれてしまう。
雅は、ユキを明たちをおびき出すためとして殺さずにいる。

明は、助かったもののポンとユキの件で篤をなじる。

篤は涼子との婚約でこの島に来て社の奥に閉じ込められていた雅を助け出してしまったこと、
そのせいで涼子は死に、島の多くの住民が吸血鬼になってしまったこと、
残った何人かがレジスタンスとして吸血鬼退治をしていることなどを話す。

その上でユキを助ける唯一の道だとしてレジスタンスのアジトに連れて行く。
そこには大男の師匠がいて、なんだかんだあって明を鍛えることになり、明はめきめきと腕を上げる。

篤は雅と対決するために吸血鬼のアジトに侵入、明や他のレジスタンスもそれに続く。

総力戦で普通の吸血鬼は倒すものの、雅が繰り出した邪鬼(おに)と呼ばれる巨大怪物にやられる。
その間に逃げた雅を追った篤との対決は雅有利に展開する。

やがて邪鬼(おに)を倒した明も合流して、冷の寝返りもあって、雅の首をはねることに成功する。

吸血鬼のアジトを爆破してめでたしめでたし。
明たちは、冷に送られて本土に帰ることになった。

しかし、雅は絶命しておらず、切り離された首の目がカッと見開くのだった。

***

吸血病ウィルスが血液感染することで吸血鬼になる、との設定は目新しいものではなく、
多くの映画で使われている。

また最初はへたれな主人公が、鍛えられるうちに天性の才能を発揮して最強になるというのもありふれた展開。

人気漫画の実写映画化だが、展開は原作とは多少違うようだ。

見る前は知らなかったが、途中からこりゃ漫画の映画化だなと気がついて、
それ以降はあまり突っ込まずに見ることができた。

ただし、最後の怪獣はちょっといただけない。
原作を知らないので何とも言えないが、別の形の方がよかったかも。

それにあの羽のある吸血鬼もいかん。
造形(特に頭)が全く恐ろしくなく、にやけた表情がさらに恐怖心を削ぐ。

 

 

 カールじいさんの空飛ぶ家  

PIXARの作品、3DCGアニメーション。

**

カール・フレデリクソンは、小さいころから冒険好きだった。
今日も有名な冒険家のチャールズ・マンツが巨大鳥の骨格を持ち帰ったが、専門家から否定され
生きた鳥を持ち帰るために再び冒険の旅に出た、なんてニュース映画を見て大いに興奮していた。
その帰り道、おんぼろの空き家で一人の女の子、エリーが冒険ごっこをしているのに出くわし、友達になる。
エリーもマンツにあこがれ、いつかパラダイス・フォールの崖の頂上に住むことを夢見ていた。

やがて、エリーとカールは結婚し、そのおんぼろ空家を買い改装して住み始めた。
いつかパラダイスフォールへ行く為の貯金も始めたが、いろいろと物入りでなかなか貯金はたまらない。
子供を熱望する二人だったが子供には恵まれず、二人っきりで年を重ねていく。
それでも二人は幸せいっぱいだったが、やがて、年老いたエリーは、一人カールを残して逝ってしまう。

その頃、既に思い出の家の周りは再開発となり、カール・フレデリクソンの家以外は立ち退いてしまった。
ある日、工事車両が、郵便受けを壊し、工事業者と揉めて逆に怪我をさせてしまう。
裁判の結果、カールは移転し、老人ホームへの入居を命令される。

困ったカールは、残された我が家にありったけの風船をつけて、迎えに来た老人ホームの職員をしり目に大空に旅立った。

進路は南。目的地はパラダイス・フォール。

ゆったりとした旅にしようとしたとき、ドアをたたく音が。
昨日、お年寄りに親切にしてバッヂをもらうため、と訪れた子供、ラッセルがデッキに乗り込んでいた。
仕方なく家に入れたもの、どこかで下そうと風船に手をかけたとき、暴風雨に巻き込まれて、翻弄される。

やがて雨も上がり、カールは再びラッセルを下すため、少し風船を切り放して降下を始める。
雲の中、まだ地上まではかなりあるはずなのに、家は岩場のすぐ近くを通過する。
なんと目の前にはパラダイス・フォール。
偶然にもパラダイス・フォールの台地の上に着いていたのだ。

ただし、着地した所は、滝のそばからはかなり離れており、ヘリウムガスが抜ける前に行かねばならない。
カールはラッセルと家を引っ張っていく。

途中、ラッセルは偶然大きい鳥を見つけるが、鳥はラッセルに懐きついてきてしまう。
また途中で二人と一羽は、喋る犬、ダグに出くわす。
ダグは実際に言葉を話すわけではなく、首輪に喋るバウリンガルがついていたのだ。

翌朝起きると鳥はいなくなっていたが、ドーベルマン・ピンシャーをリーダーとする犬の群れが、
カールたちを見つけ、パラダイス・フォールと違う方向に連れて行く。

そこには、一人の男が、、、。
それは年老いたチャールズ・マンツだった。
マンツは彼にあこがれ、パラダイス・フォールに住むため、家を運んできたというカールを信用し、飛行船に乗せる。

犬たちはマンツの飼い犬だった。
やがて話をするうちにあのラッセルについてきた鳥こそマンツが探していたものであり、
横取りに来た(と彼が思いこんだ)冒険家たちを次々と殺すことになった理由の鳥であった。
そして、カールもまた鳥を横取りに来たと思い込んでしまう。

寸でのところで逃げ出すカールとラッセル。
犬のダグに助けられ、ラッセルを慕う鳥にも助けられて何とか逃がれるが、鳥が足にけがをする。
雛(声でいることだけはわかっている)のところに鳥を連れて行くカールとラッセルだったが、
飛行船で追ってきたマンツに家を焼かれそうになり、鳥をさらわれてしまう。

カールは鳥をあきらめ、家をパラダイス・フォールのそばまで運ぶが、ラッセルが風船を一部使って鳥を助けに行ってしまう。
カールは、家具を捨て家を軽くして再び飛び立たせ、飛行船を追う。

カールは、ラッセルを危機一髪で救い、飛行船に乗り込んで鳥を助け出す。
マンツとの攻防。カールは、ついにマンツを倒すが、家を失ってしまう。

飛行船で帰国したカールとラッセル。
ラッセルは念願のバッヂを手に入れ、カールとはまるでじいさんと孫のような穏やかな日々を過ごすのだった。

そうそう、家はどうなったかって。
わずかに残った風船のおかげでうまい具合に念願のパラダイス・フォールの滝のすぐそばに着地していたのでした。

***

さすが、ピクサー。
映像もさることながら、脚本が素晴らしい。
最初の方の回想シーンは映像だけで多くのことを語っている。
ウォーリーもそうだったが、台詞なんかなくてもすべてを語りつくせると思わせるほどの出来だ。

パラダイス・フォールのある台地までの飛行は割とあっさりだが、そこを端折っても余りある内容の濃さ。
細かいエピソードやちょっとした仕草、カット、台詞もほほえましくあり、また興味深い。

残虐シーン、お色気シーンは全くないが、ハラハラドキドキのシーンは満載。
小さい子供にも楽しめるとは思うが、子供だけではもったいない。
かなり高い年齢までの鑑賞に堪えるというか、十分満足させられる出来となっている。

3Dの技術も素晴らしく、ことさらに3Dを強調する(観客に向かって何かを突き出すような)シーンもなく、違和感は全くない。
過去の作品もトイストーリー1・2だけでなく、たとえば「ウォーリー」なども3D化してほしいものです。

 

 

 イングロリアス・バスターズ 

クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット、ダイアン・クルーガー、クリストフ・ヴァルツ。

**

第1章。
1941年、ナチ支配下のフランス農村地帯。
ブドウ園を営むピエール・ラパディティの家にナチの「ユダヤ・ハンター」として恐れられる
ハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)がやってくる。

ランダ大佐はピエールの近くに住んでいた4軒のユダヤ人のうち1軒の家族が行方不明だとして、ピエールを尋問する。
大佐は、途中から英語によってピエールを追い詰め、床下に隠れているドレフュス一家を探り当て、射殺する。
その時、ドレフュスの娘の一人ショシャーナ(メラニー・ロラン)が難を逃れるが、大佐はこれを見逃す。

第2章。
同じ時期のイタリア戦線。
自身をジム・ブリジャーの子孫とするテネシー生まれのアルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)は、
8人のユダヤ系アメリカ人を集め、特殊部隊を組んでいた。
すなわち、彼らの任務はナチを殺すこと。
わざわざ自分たちがやったと分かるように残忍な方法でナチを殺し、ナチを震え上がらせるというのだ。

事実、彼らは殺したナチの頭の皮をはぎ、生き残りも捕虜にはしない。
ナチの情報を聞き、答えない者は殴り殺し、答えた者は逃がした。
しかし、軍服を脱いでも「ナチ兵」と分かるように額に鍵十字のマークを刻んだ。
彼らは「バスターズ」として知られるようになるが、ヒトラーは軍全体に「バスターズ」を話題にすることを禁じる。
「バスターズ」は、ドイツ軍人でありながら将校を惨殺して逮捕されているヒューゴ・スティーグリッツ軍曹
(ティム・シュヴァイガー)を救出し、仲間に加える。

第3章
1944年、パリのとある映画館前。
若くして館のオーナーであるエマニエル・ミミューは、あのショシャーナだった。
看板の架け替えを行っていると、一人の若いドイツ軍人フレデリック・ツォラー(ダニエル・ブリュール)が話しかけてくる。

翌日、喫茶店にいたエマニエルに通りかかったツォラーが再び話しかけてくる。
訝しがるエマニエル。ツォラーに握手を求める軍人が次々に現れ下級兵ながら軍の英雄であることがわかる。
イタリアで、一人で鐘楼に立てこもり300人からの敵兵を射殺したというのだ。

次の日、エマニエルはドイツ軍に連行される。
行った先には宣伝省のゲッペルスと、ツォラーがいた。
ツォラーの栄光をツォラー自身が主演で映画化し、ドイツ栄光映画祭としてプレミア上映するという。
そしてその会場をエマニエルの館に変更するというのだ。

そこへ、あのハンス・ランダ大佐がやってくる。
大佐は警備担当としてエマニエルにいろいろ質問をするが、彼女がショシャーナだったことには気づかない。
ショシャーナは、このプレミア上映を復讐の機会にしようと考える。

第4章
イギリスの軍部。
エド・フェネック将軍(マイク・マイヤーズ)は、ドイツ映画に詳しいアーチー・ヒコックス中尉(マイケル・ファスベンダー)を呼び、
バスターズと合流して、このプレミア上映に乗り込み、会場を爆破する作戦を指令する。

パリ郊外、地下のバーが作戦の会合場所だった。
地下での会合に不安を隠せないレイン中尉。
ドイツ人で連合軍のスパイの女優、ブリジット・フォン・ハマーシュマルク(ダイアン・クルーガー)と落ちあうのは、
先のヒコックス中尉、スティーグリッツ軍曹、ウィッキー伍長の3人。

将校の軍服でバーに入るがそこにはいないはずのドイツ軍人が大勢いた。
その中の一人、ヴィルヘルム軍曹の息子の誕生祝だというのだ。
3人は、ブリジットと話を詰めようとするが、酔っぱらったヴィルヘルムが絡んできて、ヒコックス中尉の訛りに疑問を抱く。

下士官が偉そうに、と押し返すものの、今度は影にいたゲシュタポのディーター・ヘルストーム少佐が割り込んでくる。
いろいろと話し合ううち、ヒコックスの何気ない指のしぐさでドイツ人でないことがヘルストームにばれてしまう。
激しい銃撃戦の末、ナチは全滅、ヒコックスを含むバスターズの3人は死亡、ブリジットも負傷する。
ランダ大佐は、現場でハイヒールの片方などを見つけ、ブリジットの存在を知る。

レイン中尉は、自分とドノウィッツ軍曹、ウルマー一等兵の3人を代わりのイタリア人映画関係者に仕立てて乗り込むことにする。
どうせドイツ人はイタリア語が分からないだろうと。

第5章
プレミア上映界の準備は着々と進む。
会場には、当のゲッペルスのほか、ナチの高官、それにヒトラーまでもがやってくる。
エマニエル、つまりショシャーナは、映画の最後を自分のコメントに置き換え、スクリーンの裏に映画のフィルムを山積みして、
放火の準備を整える。(当時のフィルムはセルロイドで非常に燃えやすい)

レイン中尉とブリジットらも会場に到着する。
ランダ大佐はイタリア語も堪能であっさりばれるが、なぜか大佐はそれを黙って、ドノウィッツとウルマーは席に着かせる。
しかし、ブリジットを別室に呼んで詰問し、絞め殺してしまう。
また、レイン中尉とユティビック一等兵を確保し連れ去る。

ランダ大佐は、計画の全容を知っていて、自分が計画のカギを握っていることを伝え、アメリカ軍に投降折衝をさせろという。
レイン中尉は結局上層部に連絡、上層部はランダ大佐の投降条件、罪を不問にするとか、褒賞を与えるとかを受け入れる。

エマニエルは映写室で待機、映写技師のマルセルは会場を封鎖し、スクリーン裏で待機する。
映画の終わりが近づいたころ、ツォラーは席を抜けて映写室のエマニエルに会いに来てしまう。
押し問答の末、エマニエルはツォラーを撃つが反撃にあい二人とも死ぬ。

ドノウィッツとウルマーは会場を抜け、特別室のゲッペルスとヒトラーを襲撃、
時相前後して、マルセルがフィルムに点火。
ドノウィッツらが会場へ向けて乱射、来場者は逃げ惑うがやがて爆弾が炸裂し、来場者は全滅する。

レイン中尉らはランダ大佐とアメリカ軍支配地域まできて、約束通りランダ大佐は投降するが、
レイン中尉はその場で運転手のハーマンを射殺、ランダ大佐の額に鍵十字を刻むのだった。

**

CGなのか、特殊メイクなのかわからないが、残忍な描写多し。
R15+指定もやむなしだが、ブラピだからと言って女性を連れて行くのは少し考えたほうがいい。

実をいうと、タランティーノ作品は「キル・ビル」「同2」しか見たことがないが、
タイトルからしてタランティーノ流というか、いろんなタイプのフォントを使い、
こだわってないように見せることにこだわっている。
エマニエルの動きを俯瞰で見せるところは「キル・ビル」でも見た。

*

英語、ドイツ語、フランス語をしゃべる人大勢登場。
クリストフ・ヴァルツに至ってはさらにイタリア語までしゃべる。

ゲッペルスの美人通訳は、ジュリー・ドレフュス。
映画では、ドイツ語とフランス語の通訳だが、さらに英語と日本語もしゃべる。
タランティーノ作品では「キル・ビル」にも出ている。

「訛り」が重要な意味を持っているが、アメリカ人は訛っていながら無頓着というか、ぞんざいな設定が面白い。

 

 

 

 パブリック・エネミーズ  

ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール

**

実在のギャング、ジョン・デリンジャーの物語。
ジョン・デリンジャーが愛したビリー・フレシェットにマリオン・コティヤール。
FBIのフーバー長官にはビリー・クラダップ。
FBI捜査官、メルヴィン・バーヴィスにクリスチャン・ベイル。

**

時は大恐慌から4年、1933年。

インディアナ州インディアナポリスの刑務所。
一人の男、ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)が車に乗せられてやってくる。
デリンジャーはこの刑務所に収監されるはずだった。

しかし、刑務所の中では、ハリー・”ピート”・ピアポント(デビット・ウェンハム)らが脱獄の準備をしていた。
デリンジャーは、すきを見てピートらとともに脱獄に成功するが、仲間一人を失う。
一旦は隠れ家に潜むが、デリンジャーは再び銀行強盗を重ねる。

翌年、捜査局(DOIのちのFBI)のフーバー長官(ビリー・クラダップ)は、
ジョン・デリンジャーを社会の敵1号(パブリック・エネミー・ナンバー1)と宣言、
ギャングのプリティ・ボーイ・フロイド(チャニング・テイタム)を射殺した
捜査官、メルヴィン・バーヴィス(クリスチャン・ベイル)をジョン・デリンジャー逮捕チームのリーダーに任命する。

当時、フーバーは、捜査局を連邦捜査局に格上げするために画策していたが、政治家たちからは反発を受けていた。

デリンジャーは指名手配の身でありながら、比較的自由に街中を行き来しており、
たまたま見初めたビリー(マリオン・コティヤール)を強引に自分のものにする。

パーヴィスは、デリンジャーのアジトを突き止めるが、張り込んでいた捜査官のミスでまんまと逃げられてしまう。
パーヴィスは、チャールズ・ウィンステッド(スティーブン・ラング)ら3人の優秀な捜査官をダラスから呼び寄せる。

デリンジャーはビリーとの逃亡中にツーソンのホテルを捜査官に急襲され逮捕される。
裁判の結果、警備の厳しいインディアナポリスではなく、レイク郡の監獄に収容される。

デリンジャーは、黒く塗った木片を銃に見せかけて看守を脅し脱獄するが、いつもの隠れ家の利用をシンジケートから断られる。
当時、ギャングのシンジケートは、フランク・ニティ(ビル・キャンプ)がボスで、
全国を相手にした競馬などのノミ行為で稼いでいて、連邦捜査局の成立を危ぶんでおり、
州をまたがって暗躍するデリンジャーは目障りだった。

大金を稼いで、足を洗おうと考えていたデリンジャーは、ベビー・フェイス・ネルソン(スティーブン・グラハム)を仲間にするが、
大した金は奪えず、肩を撃たれる。

新しい隠れ家のウィスコンシン州のロッジに潜むが、パーヴィスはその場所を突き止め周辺を包囲する。
突入寸前、男3人が車でロッジを離れようとし、パーヴィスは制止しようとして射殺するが無関係の人だった。

ロッジからは、ネルソンらが応戦。
その隙にデリンジャーと、ジョン・”レッド”・ハミルトン(ジェイソン・クラーク)は逃げるが、
気づいた捜査官に追われ、レッドは射殺される。

ネルソンもロッジから脱出。
応援に来た捜査官の車を奪って逃げるが、パーヴィスらに追われ、全員が射殺される。

ほとんどの仲間を失ったデリンジャーは、シカゴのビリーを迎えに行く。
ビリーは監視の目をごまかしてアパートを脱出、デリンジャーと落ち合って、新しい隠れ家の鍵を取りになじみの店に行くが、
待ち伏せた捜査官に逮捕される。

デリンジャーはそこから逃げるが、ビリーはデリンジャーをかくまった罪で懲役2年となる。

1934年7月、デリンジャーは、シカゴの売春宿の女将、アンナ・セージ(ブランカ・カティック)と
その知り合いのポーリー・ハミルトン(リーリー・ソビエスキー)と映画に行く約束をするが、
アンナは、ルーマニアへの強制送還を脅しにして、デリンジャーの行動の密告を強制されていたため、警察に通告する。

そしてその日の昼、デリンジャーはほとんどの捜査官がデリンジャー逮捕のために出払ったシカゴ警察にポーリーを送っていき、
自分の捜査本部を見て回るが誰も気づかない。

捜査官のウィンステッドは、デリンジャーの行動を予測。
クラーク・ゲーブルの「男の世界」(原題:マンハッタン・メロドラマ)をやっている映画館、バイオグラフ・シアターの前で待つ。

その夜、大勢の捜査官がデリンジャーを狙う中、悠然と出てきたデリンジャーに背後から数発の弾丸が撃たれ、
2発が胸部、1発は後頭部から右目の下を貫通、デリンジャーは倒れ、息絶える。

最後の言葉を聞こうとデリンジャーに顔を寄せたウィンステッドは、パーヴィスに聞き取れなかったと答える。

しばらくして、刑務所のビリーを訪ねたウィンステッドは、デリンジャーの最後の言葉、「バイバイ、ブラックバート」を伝える。

***

ちゃんと読む時間はなかったが、エンド・ロールに事実に基づいてはいるがフィクションが入っているみたいなことが書いてあった。
もちろん全部がそうではないだろうが、ポイントポイントはWikiを見る限り、事実のようだ。

大勢の人物が登場し、そして死んでいくので全部は覚えきれない。
初代FBI長官、ジョン・E・フーバーが当時からDOI(捜査局、のちのFBI)の長官だとは知らなかった。

この時代、1933年といえば、大恐慌の嵐吹きやまず、街は失業者であふれ、ギャングが闊歩していた。
しかし、その一方で当時世界一を誇るエンパイヤ・ステートビルが1931年に完成している。
ちなみに、最初の「キングコング」がこのビルに登ったのは1933年である。

1931年にはアル・カポネが逮捕収監され、1932年にアルカトラズ刑務所に送られている。
そのギャングたちを太らせる結果となった国家禁酒法は1933年に廃止され、アルコールの是非は州法に戻されている。

そんな時代だった。

ついでに言うと、エリオット・ネスは当時、酒類取締局(BOP、現在のATF)の捜査官で、FBIとは無縁。
FBIに入りたかったらしいが、フーバー長官から嫌われていたらしい。

**

マリオン・コティヤールは、もともとはフランス出身。
「TAXI」「TAXI2」「ロング・エンゲージメント」にも出ていたらしいが、全く記憶にない。
(「TAXI3」にも出演しているが未見)
ハリウッド作品は、「ビッグ・フィッシュ」が最初。
「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」 では、第80回アカデミー主演女優賞を獲得している。

*

FBI側で最も存在感のあったのは、パーヴィスのクリスチャン・ベイルではなく、ウィンステッドのスティーブン・ラング。

クリスチャン・ベイルは、「ダークナイト」ではヒース・レジャーに食われ、
「ターミネーター4」ではサム・ワーシントンに食われ、この映画ではスティーブン・ラングに食われてよくよくついてない。

 

 

 フォース・カインド   

ミラ・ジョボビッチ主演、オラツンデ・オスンサンミ監督。

**

冒頭、ミラ・ジョボビッチが登場し、自分が臨床心理学者のアビゲイル・タイラー博士を演じること。
実録映像の中には衝撃的なシーンがあることなどを語る。

映画は監督でもあるオスンサンミが、そのタイラー博士と1対1でインタビューする記録映像で始まる。
この時の映像は家庭用ビデオカメラ風の粗さで、実在するチャップマン大のロゴが映っている。

物語の舞台はアラスカ州、ノーム。
ベーリング海峡に近い田舎町で、陸路は整備されておらず、空路(か水路)により入るしかない。

アビゲイル・タイラー博士は、臨床心理学者。

ある晩、就寝中に暴漢が乱入し、博士の横に寝ている旦那のウィルを刺殺してしまう。
しかし、アビゲイルにはその暴漢の顔が思い出せない。

アビゲイルは、旦那の遺志を継いで、旦那の患者でもある睡眠障害の住民のカウンセリングを続ける。
やがて何人かの睡眠障害の住民に共通点があることに気付く。
「夜中の3時ころ目が覚める」「白いフクロウが見ていた」

アビゲイルは、そのフクロウに睡眠障害の原因があるとして、催眠療法によりそれが何かを探ろうとする。

患者の一人、トミーは、睡眠療法中にフクロウについて語ろうとして錯乱状態に陥る。
その夜、トミーは自宅で暴れ、アビゲイルを呼び出す。
警察の見守る中、トミーは「あれはフクロウではない」「もうこれで見なくて済む」と言い残し、
妻と子を撃ち殺し、自分も銃で自殺する。

保安官のオーガスト(ウィル・パットン)は、トミーの自殺が睡眠療法のせいだとしてアビゲイルを責める。
事件を聞きつけた心理学者で友人のアベル(エリアス・コティーズ)もノームにやってくる。

アビゲイルは、意見をテレコに入れ、テープ起しを助手に頼むが、
そこに入っていたのは、誰かに連れ去られる自分の悲鳴とわけのわからない言葉だった。

アビゲイルは、旦那のメモなどから、古代語学者のアウォロワ・オデゥサミ博士にコンタクトし、
テープの言葉が古代シュメール語(?)らしいと分かる。

アビゲイルは、別の患者、ティモシーについて訪問を受ける。
ティモシーはフクロウの正体が頭に引っかかってるといい、催眠療法によってそれがなんなのかを知りたがる。
その結果、ティモシーは錯乱し、激しく暴れ、脊椎を損傷して全身が不随状態に陥る。

オーガスト保安官はアビゲイルを外出禁止にし、24時間監視態勢に入る。
そしてその夜、午前3:33、監視役の警官はアビゲイルの家から人が空中に舞うのを見る。

アビゲイルの娘で、旦那の死を契機に盲目状態になったアシュレイがさらわれた。
オーガスト保安官はそれを信じず、警官の言も不確かで、ビデオは映っていなかったという。

アビゲイルは、異星人のせいだと信じ込み、自分自身を催眠療法によって事態を明らかにすると言い出し、
アベルの手によって睡眠療法を行うが、その最中に錯乱状態となり、昏睡する。

2日後、半身不随のまま、意識を吹き返したアビゲイルに保安官が告げたのは、
すべてアビゲイルの妄想で旦那のウィルの死は自殺だということと、
アシュレイの失踪もアビゲイル自身のせいではないかということだった。

アビゲイルはその後、精神的に不安定となり、療養施設に入り、アシュレイは依然行方不明、
息子のロニーとは疎遠となった。

記録映像のオスンサンミ監督は、すべてアビゲイルの妄想ではないかと尋ねるが、
アビゲイルは自分の見たものを信じるしかないと答える。

エンド・クレジットでは、音楽ではなく、UFOやエイリアンの目撃通報が延々と流れる。

***

一応時系列に物語は進行するが、結論じみたものがあるわけでも、異星人が登場するわけでもない。
どこまで実話に基づいているのか、記録映像、記録音声にしてもどこまでが本当なのか全くわからない。

映像の見せ方は、時々記録映像(音声も)と再現映像(演技)を並列に見せるなど、
面白い手法で、今までのドキュメント風映画ではあまり見たことがない表現方法だった。

 

 

 釣りバカ日誌20ファイナル    

今度の舞台は北海道。

どうせというか、いつも通りの展開。
釣りにまつわるご当地のエピソード有り、恋バナあり。

違うのは、浜崎伝助こと浜ちゃんこと西田敏行と、鈴木建設会長の鈴木一之助ことスーさんこと三国連太郎は、
同じ会社の社長(今は会長)と平。
当初は互いに知らず、釣りで家族ぐるみの付き合いになるが、会社では内緒という設定。

寅さんシリーズと違うのは、この「偉いさんと平」の迷コンビを中心にストーリーが展開されること、
ヒロインは出るが、主人公との恋話はなく、彼氏が必ず出てくる。
そしてお約束の浜ちゃんの活躍で四方丸く収まるという次第。

今回もその定石を一切外していない、違いはスーさんの隠し子騒動が絡んでくるくらいか。

出演は、
浜崎伝助:西田敏行、その妻みち子:浅田美代子、その子鯉太郎:持丸加賀、
社長のち会長の鈴木一之助:三国連太郎、その妻久江:奈良岡萌子、
鈴木の秘書草森:中村梅雀、鈴木の運転手:笹野高史、釣りの太田屋(太田八郎):中本賢、
浜崎の上司の舟木課長:増岡徹、などいつものメンバーがそろい踏み。
なお、もとは浜崎の上司の課長でその後出世して役員にまでなる浜崎の天敵佐々木には谷啓が扮するが、今回は出番なし。

**

さて、物語は建設不況の真っただ中。
鈴木建設もその例外ではなく、営業3課長の舟木は今日も気が気でない。

そんな中、取締役会で鈴木一之助は、報酬の100%減額、つまりタダ働きを自ら提案する。

社員は危機感を募らせるが、浜ちゃんにはどこ吹く風。
しかし、みち子さんの説得もあって、浜ちゃんも営業活動に精を出すべく頑張ろうとする。
でも、それは浜ちゃんには似合わない。
かつてのユーザーの総務部長(岸部一徳)が常務にまで出世していたのを知って出かけるが、仕事とは無縁の話。
ところが、それが縁で浜ちゃんは200億の受注を取り付け、会長賞を受けて「釣り休暇」を申し出る。

スーさんにはいきつけの料亭があり、浜ちゃんは会長賞のご褒美にそこに招待され、
女将、葉子(松坂慶子)とその娘、裕美(吹石一恵)を紹介される。
それはかつてのスーさんの大親友で事業に失敗、自ら命を絶った沢村の娘と孫にあたる。

裕美は北海道の大学を出て中標津で獣医をしていた。
浜ちゃんはスーさんと葉子とともに北海道へ釣り旅行に出かける。

葉子は一人娘のひとり暮らしを心配していたが、裕美は担当でもあった久保農場の一人息子俊介(塚本高史)と同棲していた。
当初は怒り狂う葉子だったが、浜さんやスーさんの説得でこれを許す。

帰京したスーさんは翌朝自宅で倒れ、生死をさまよう。
三途の川で渡し船の料金が払えず、浜ちゃん似の強欲婆あと揉めて三途の川に落ち、息を吹き返す。

これを機にスーさんは会長職も辞し「鈴木建設は永久に不滅です」の台詞を残して会社を去る。

**

フィナーレは、キャストによるカーテンコール。
本編には登場しなかった谷啓も登場する。

最後に大きいくす玉を割って「納竿」の文字が現れ、大団円となる。

 

 

 宇宙戦艦ヤマト復活編    

前作「宇宙戦艦ヤマト 完結編」(1983)から26年。
ストーリー上は、完結編(2203)から17年後(2220)

地球に近づくブラックホール。
まるで意志を持っているかのように太陽系に近づき、そのすべてを飲み込んでしまうことが分かったのが3年前。
地球人たちは巨大な宇宙船を大量に制作し、何億人もの人々をブラックホールの進路からずれた惑星系に送ることに。

その第1次移民船団が、ちょうど目的地までの半分ほどのところで、正体不明の艦隊に襲われ、壊滅的打撃を受ける。
船団の司令官は、かつてのヤマトの乗組員、森雪、今は古代の妻で船団の旗艦艦長、古代雪。
彼女も艦長の帽子を残して行方不明になる。

その頃、辺境の地で貨物船の館長をしていた古代進は、難破船を発見。
それが第1次移民船団の護衛船の1隻であることを知り、地球に帰還することにした。

地球では、宇宙科学局本部長となった真田志郎が、古代進の帰還を待ちわびていた。
真田は前述のブラックホールをカスケード・ブラックホールと呼び、800万秒(約90日)後に地球を飲み込むこと、
そのためにアマール星への移住計画を進めていること、
その第1次移民船団、第2次移民船団とも正体不明の敵に襲われ、壊滅状態となったことを説明。
第3次移民船団の指令として古代進に艦長復帰を要請する。

真田が、古代に提示した艦は、宇宙戦艦ヤマト。
そう、ヤマトは「完結編」でアクエリアスに突っ込み、波動砲で自爆撃沈したはずだった。
しかし、真田はこれを復活させ、強化し、波動エンジンは6つとなり、波動砲も6連発できるようになっていた。

ヤマトは6300隻の移民船とともに地球を出発。
ワープを繰り返しながら目的地のアマール星につくはずが、敵レーダー網を発見。
近くにあったブラックホールを利用してフライ・バイ(スイング・バイ)航法でレーダー網を迂回してロングワープを試みる。

しかし、敵艦隊が3方向から出現。激しい交戦となる。
ヤマトは身を挺して移民船団を守り、何とかすべての移民船を無事にロングワープさせる。
この献身的なヤマトの行動に感動した敵エスト星艦隊司令ゴルイ将軍は、古代に敬意を表しその場を去る。

古代はゴルイ将軍から敵艦隊の攻撃は異星人連合軍の決定ではあるが、武力で各星を強制するSUSの意向だと知る。
移住先のアマール星でも地球に協力することによって異星人連合軍の処罰(実際にはSUSの単独行動)を受ける。

古代はアマール星の危機に手をこまねいていたが、SUSのあまりの非情さに宣戦を布告する。

SUSはシールドされた巨大要塞を取り囲むハイパー何とか砲で攻撃。
本来味方である異星人連合軍の艦船まで破壊、嫌気がさした他の星の艦隊に逃げられる。

ヤマトは重爆信濃の突撃攻撃により副館長の大村を失うが、シールドを破壊に成功、
波動砲で要塞の破壊に成功した、と思ったのもつかの間、要塞は次元の壁を利用してヤマトを攻撃する。
そのエネルギー源が近くにある太陽であると知り、これを波動砲で破壊、要塞の破壊に成功する。

敵艦隊の司令長官、メッツラーは実は異次元人であったことがわかる。

ヤマトはただちに地球に再帰還し、最後の移民船団の移送準備にかかる。
残された時間は3日、既にブラックホールの接近で地球の天候は大荒れ。

佐渡の動物病院で働く、古代進と雪の娘、小雪も最後の移民として脱出を図るものの落雷で移送機が墜落。
移民船に小雪が来ないことを知った古代は、自ら艦載機を操縦して小雪を救出する。(残りの乗員は見捨てる)

いよいよ地球の最後、アマール星への航路についたヤマトだったが、メッツラーが正体を現した異次元人は、
あのブラックホールは次元転移装置であり、資源の乏しい異次元へ地球を送り込む装置であるとばらしてしまう。

古代は、どこかに駆動装置があるとにらみ、ヤマトをブラックホールの中に突入させる。
駆動部を見つけると、波動砲の6連射一括発射によってこれを破壊、自らも破損するが、地球の危機は救われた。

***

良くも悪くも漫画ですが、ヤマトファンにはたまらない作品だろうな、と思われます。
宇宙戦艦ヤマトに思い入れのある人は素直に復活を喜ぶことでしょう。

ヤマトがアクエリアスに沈む手書きのヤマトは、見事に3DCGとなって復活します。
そのほかにも多くのメカが3DCGで登場。
形状の狂いもなく、アップにしても線が目立つこともなく、質感も躍動感もズバリかなりいい線いっています。

ちょっと水しぶきが細かすぎると思う部分もありましたが、水の表現もかなりきれいでした。

時を経て、古代進もアラフォーの38歳。娘も大きくなり、ヤマト乗組員もずっと若返りました。

口の開き方は発音と完全に一致はしませんが、正面からのカットでは顎(あご)だけでなく、
ほほの部分の輪郭もちゃんと動いてましたし、不自然さはあまり感じませんでした。
(眉尻が3つに分かれているのはちょっと不自然)

**

一方、ヤマトに思い入れのない私にとっては、SFアニメとして見てしまいますが、疑問満載です。

とはいえ、波動砲の物理的原理や、ワープのそれがどうなのかなどは全く問題にしていません。
それこそがヤマトがヤマトたる所以であり、その点に突っ込んでいては始まらないからです。

また艦内での重力機構や、無駄に広々とした空間、異常に少ない乗員などにも突っ込みません。
それもTVシリーズからつながるヤマトのアイデンティティであろうと考えています。

私が最も気になるのは、戦闘シーン。
どうして宇宙空間での戦闘で煙がもくもくと出るのでしょうか、こればっかりは理解できません。
そのほかにも明らかに空気と重力があるとしか思えない動き。

いろんなものが爆破され、衝撃を受けた方向とは違う方向へ「落ちる」のは不思議です。

宇宙空間であることを忘れさせるセリフの数々。
艦載機が発進してすぐ「高度9000へ」とはいったいどこへ行けばいいのか。
「反転上昇」「ヤマトに続いて上昇」とはどっちの方向のことか。

それからブラックホールのアニメーションはきれいでわかりやすかったですが、
大方のブラックホールは回転していますので、その点は問題ないのですが、
ブラックホールは「穴」ではありませんので、物質はああいう風には落ち込みません。

カスケード・ブラックホールは別ですよ、あれは物理的なブラックホールではないので、何でも許されます。

結局、SFアニメとみる見方は間違いで、漫画の映画化としてみるべきということでしょう。

 

 

 2012  

ジョン・キューザック、アマンダ・ピート、キウェテル・イジョホー、ウッディ・ハレルソン。

**

オープニングは宇宙。いわゆる惑星直列をイメージさせる映像。

2010年、舞台はインド。
科学者のサトナムの要請で地質学者のエイドリアン・ヘルムズリー(キウェテル・イジョホー)が研究所に来た。
サトナムは太陽のスーパーフレアから放出された大量のニュートリノが、地球内部で物理反応を起こし、
コアを加熱していることを突き止めていた。

ヘルムズリーは焦って帰国、大統領補佐官のカール・アンハウザー(オリバー・プラット)に会い、事態の深刻さを訴える。
アンハウザーは直ちにヘムルズリーを自分の直属の科学官に任命し、大統領トーマス・ウィルソン(ダニー・グローバー)に報告させる。

大統領はG8で各国首脳に「我々の知る世界は間もなく終焉を迎える」と告げるのだった。

2011年、中国内陸部、チベットの山間部に大規模なダムを造るとの触れ込みで大勢の労働者が集められる。
その中には、テンジン(チン・ハン)もいた。

2012年、売れないSF作家のジャクソン・カーティス(ジョン・キューザック)は別れた妻ケイト(アマンダ・ピート)から、
息子ノア(リーアム・ジェームス)、娘リリー(モーガン・リリーを預かり)イエロー・ストーン公園にキャンプに出掛ける。

ケイトにはノアも気に入っている新しい恋人ゴードン・シルバーマン(トーマス・マッカーシー)がいた。

ジャクソンは、ケイトとの思い出の場所を探すが、フェンスの内側に入って、親子3人とも軍に確保される。
それを見ていたチャーリー・フロスト(ウッディ・ハレルソン)は、状況をAMラジオで放送していた。

軍の基地には、ヘルムズリーがいた。
彼はかつてジャクソン・カーティスのSF小説を読んだことがあり、その縁で手厚く扱われた。
立ち入り禁止区域の外に出されたジャクソンは、チャーリーから太陽ニュートリノの影響で地球に異変が生じ、
やがて地球は破滅、政府はそれを隠し、脱出用の宇宙船を作っていると聞かされる。

翌朝、スーパーで買い物中に大地震と地割れに遭遇したケイトとゴードン。
ジャクソンは心配したケイトからの連絡でただちに子供たちを返し、仕事に行く。
それは、ロシア人の大富豪、ユーリ・カルポフ(ツラトコ・ブーリック)の子供たちを迎えに行くことだった。
彼らを空港に送ったとき、一人が「おれたちには乗船券がある、お前は死ぬんだ」と言い放ち、
ジャクソンはチャーリーの言葉が本当だと思うようになる。

ジャクソンがケイトの家に着いたちょうどその時、大地震が起こる。
ジャクソンはしぶるケイトやゴードン、子供たちを連れて車で逃亡、迫りくる地割れから逃れて空港まで逃げる。
先ほど約束していた空港のパイロットは死亡、無理やりゴードンに操縦させて、ぎりぎり離陸する。

倒れるビル、高速道路、地割れ、人や車や電車やあらゆるものが降ってくる中、何とか逃れた一行だが、
後ろに見たものは大地が裂け、海に沈もうとしているロサンゼルスだった。

ワシントンではヘルムズリーの報告をもとに退避計画が実行に移されることとなった。
ヘルムズリーはピアニストで豪華客船で太平洋渡航中の父に連絡し、最後の別れを告げる。
アンハウザーは、認知症で高齢の母を施設に残し、涙ながらにホワイトハウスを去る。
大統領は、各国首脳に退避を通告し、最後に国民に事実を告げるためホワイトハウスに残る。

ヘルムズリー、アンハウザー、大統領の娘で美術品の担当ローラ(タンディ・ニュートン)らが乗ったエアフォースワンは、
一路中国奥地へと向かう。

やがて、ウィルソン大統領は全国民に未曾有の大惨事とそれから逃れられないことを告げる。
そして大地震、世界各地でのカタストロフィーの到来。
ジャクソンは給油とチャーリーが持っているという宇宙船の基地の地図を探しにイエローストーン公園へ行く。
ジャクソンはチャーリーを見つけ、地図が放送中継車の中に地図があると聞く。
やがて火山の大噴火が起こり、噴石の飛び交う中、車で飛行場に戻るジャクソン。
危機一髪で車から脱出し地図を確保したが行く先は中国。
双発機では無理なので、大きい空港に向かう。

そこには空港の閉鎖で足止めを食らっていたカルポフの一行がいた。
ジャクソンは、カルポフと合流、彼のロシア機で管制塔の制止を無視して離陸するが、その直後、空港は噴火の熱風に押しつぶされる。
カルポフらは、ハワイで給油をしようと考えるが、ハワイはすでに火の海だった。
飛行機は飛び続け、東シナ海あたりで不時着水する見込みとになる。
いよいよ燃料切れとなりそうなとき、その場所は地殻変動によって東シナ海ではなくチベットになっていた。
搭載している車を使って機からは脱出できたが、カルポフの部下のサーシャを失う。

そこは基地のすぐ近くだった。
「宇宙船」に多くの動物を運ぶ中国軍のヘリ。
発見されたジャクソンらだったが、中国軍は乗船券を持っているカルポフと双子の息子だけを連れて行く。

チベットの山の寺院では、若い僧が高僧に避難を呼びかけるが、自分は残るという。
若い僧は、最初に出てきたテンジンの弟だった。
高僧の車を借りて村にいた祖父母をつれて工事現場の裏口へ行くことになる。

地殻の大変動はいったん収まるが、その影響で大津波が起こる。津波の高さは何千mとなり、大地を覆う。
太平洋からの大津波はワシントンDCを飲み込み、航行中の豪華客船も飲み込んでいく。

カルポフに置き去りにされたジャクソンらは偶然、テンジンの弟の車に遭遇。
テンジンを説得して全員で「宇宙船」に潜入する。
「どうして宇宙船にスクリューがあるの」「これは宇宙船じゃない、これは方舟だ。」

この時点で準備できている船は4隻。40万人を収容するはずだった。
しかし、地震で3号艇が損傷。その船に乗るはずだった人は締め出される。

ヘルムズリーに最初に出てきたインドの科学者サトナムから電話が入る。
インドの台地へ逃げているが西から大津波が来たという。

予想外の方向からの津波。
再計算すると、津波到来までわずか30分足らず。
船はゲートを閉め、衝撃に備える体勢をとる。

3号艇を締め出された人がゲート前に突進。
ヘルムズリーの説得で各艇はゲートを開け、人々を乗せる。
しかし、その開閉の際に艇尾から潜入しようとしていたジャクソン、テンジン、ゴードンが取り残される。
テンジンは負傷、ゴードンは死亡するが、工具が挟まりゲートが閉まらない。

やがて津波の第1波。
ゲートから大量の水の浸入。
ジャクソンたちの場所も浸水し、隔壁が閉まる。
コントロールを失った艇は漂流し、エベレスト北壁に向かって進む。

ジャクソンが必死になって工具を外し、ゲートが閉鎖されて艇はエンジンを始動、損壊を免れる。

やがて、1か月ほどの漂流ののち、穏やかになった海上を新たな土地を求めて南アフリカに向かう船の姿があった。

***

ディザスター・ムービーの集大成とでも言おうか、2時間40分近い映画の大半が天変地異による大惨劇。
「デイ・アフター・トゥモロー」「ボルケーノ」「ポセイドン」「ディープ・インパクト」「エバン・オールマイティ」
などなどを全部一緒くたにしたような、これでもかとばかりのVFXの連続。
映像技術としては見事です。

途中で荷物である車を捨てれば航続距離が延びるのにと思ったが、シナリオ的には載せておく理由がちゃんとあった。
全体としてシナリオは破綻せず、多くの登場人物の人間関係も絡めて同時進行的に展開する。

人間関係がやや薄いとの指摘がなくはないが、これだけの大災害で多くの関係する人々が出てくれば、
見る側の受け取り方として個々への思い入れが薄くなるのはある程度やむを得ない。
それでもテキトーに描かれているわけではなく、一応ちゃんとフォローされていたように思います。

ただし、科学的な面からの突っ込みどころはいっぱいあって、
これを言ってしまうとなんですが、そもそもニュートリノが急に物理的反応を起こすようになることはあり得ない。
まあ、「天使と悪魔」で輝く反物質を閉じ込めたカプセルなんてものもあり得ないものの代表ですし、
コアが急激に過熱されるための理由づけですから良しとしましょう。

コアが過熱されたかどうかは別として、コア付近の高温のマントルが大規模な上昇流となって地表近くまで上がる、
「スーパープルーム」が地殻の大変動をもたらすことは間違いなく、この際の火山活動も相まって
生物の大量絶滅を引き起こす(過去にも何度もあった)といわれています。
ただし、これは突然起こるものではないし、突然おさまるものでもない。

また、全地球的に活発になる火山活動のせいで「核の冬」のような厚い雲に覆われた時代がやってくるのは間違いなく、
高々1か月程度で、あんなにきれいに晴れ渡ることはないでしょう。

*

劇中「搭乗できる人を抽選で選べば公平だった」というセリフが出てくるが、そもそも60億人もいる人間の中から、
たった数十万人を選別するのに公平も不公平もあったもんじゃない。
外れた人間はほぼ99.99999999%死ぬのに、公平な抽選方法があったとしたら教えてほしいものだ。

動物を乗せるまさしくノアの方舟のごときシーンが出るが、人間が他の生物の種を保存しようなんてこと自体がおこがましい。
これもそもそもどうやって残す種を選ぶのか、つがいを1組残しただけで種が保存できるのかなど無理が多い。
もしやるとしても成体を残すのではなく、卵子(受精卵含む)精子を残すとか、細胞で保存するとかでないと無理でしょう。

海洋生物は残る可能性が高い。あと地中、地下の生物も。
「方舟」に乗り損ねた連中でも、潜水船のようなものを確保できれば残れる可能性はある。
地殻の変動で建造物はすべてダメという設定なので、地下施設もダメなんでしょうね。

 

 

 牛の鈴音    

韓国映画。ドキュメンタリー。
韓国の片田舎に住み、老いた牛とともに農業を営む老夫婦のドキュメンタリー。

韓国では、300万人を動員する大ヒットとなった。

***

冒頭は2007年1月。
どこか韓国の有名らしい寺院を参る老夫婦。
夫人が「牛が死んで哀しいか」と聞くと、夫は「なんでも死んだら哀しいさ」と答える。

時は遡って2005年、春。

ふつうは寿命が15年といわれる牛。

そんな牛を40歳になるまで、農耕牛を30年以上にもわたって使役してきた老夫婦がいる。
牛が突然倒れ、獣医に見てもらうともう寿命、もって1年だ、と言われる。

老人は慌てて、牛市場で若いメス牛を飼ってくる。
そのメス牛は妊娠していてやがてメスの子牛を生む。

老人は老牛にリヤカーを引かせ、毎日、田んぼに畑に野良仕事に出かけていく。
その傍ら、牛のために草を刈り、ワラを切ってやる。

夫人は、夫が自分より牛を大事にするとか、世話ばかりさせられるとか、休まる暇がないとか、
とにかく愚痴ばっかり言っている。

老人は、若いころの針治療のミスで左脚、下肢の筋肉が委縮して、しょっちゅう痛いと言っている。
長年の労働のせいで腰も曲がり、田んぼに畑に靴を脱いで入り、農薬も使わないで野良仕事に余念がない。

そんな毎日が延々と繰り返される。

子牛は、性格が荒く、老夫婦の手に負えなくなり、やがて売り飛ばされる。
1年が過ぎ、老人は体を悪くし、そろそろ仕事は辞めろと言われるが辞めない。
老いた牛はいよいよ動きが鈍くなり、売り払う話になるが、結局売られない。

老人は若い牛に荷物引きの訓練をするが、なかなか思うようにはいかない。
そうしてまた同じような日々が繰り返される。

そしてついに、2006年の12月のある日。
老いた牛はついに立ち上がれなくなり、獣医は老夫婦に覚悟を迫る。
愚痴ってばかりいた夫人は、牛にねぎらいの言葉をかけてやる。
老いた牛は、かぶりを振ってついに動かなくなった。

牛は、重機で穴を掘って埋められ、老人は呆然と過ごすのだった。

**

ナレーションなし。
わずかに音楽が入るものの、実際の会話だけで物語は進行する。

どこか物悲しい。
こういう表現方法のドキュメンタリーは初めて見た。

牛も本当に老いていた。
角は曲り、蹄も反り、黙々と働くものの坂は辛そうだし、若牛にいじめられたりもする。
見ていると何となく牛の感情まで伝わってくるから不思議だ。

チラシの写真は死んだ老いた牛がつけていた鈴。
いわゆるカウベルとは違い、澄んだ高い音がする。

タイトルは「すずね」だと思っていたが、「すずおと」だった。

 

 

 Disney’sクリスマス・キャロル  

ジム・キャリー、ゲーリー・オールドマン、ロビン・ライト・ペン

***

「クリスマス・キャロル」については既にご承知のとおり。

エベニーザ・スクルージという強欲でけちな嫌われ者の高利貸しが、
クリスマス・イブの夜、過去、現在、未来のクリスマスの幽霊につれまわされて改心し、その後は幸せに生きる物語。

スクルージ(ジム・キャリー)は、同僚のジェイコブ・マーレイの死に葬儀代を払ったものの、死人に添えられたコインを剥ぎ取る非情さ。

7年後、スクルージはクリスマス・イブの夜も働いていた。
甥のフレッド(コリン・ファース)のディナーの誘いを断り、寄付の依頼人にはけんもほろろ。

帳簿係のボブ・クラチット(ゲイリー・オールドマン)に1日のクリスマス休暇をやるのも渋々で嫌味たらたら。

店を閉めて家に帰ると、不思議なことが起こり始める。
やがて深夜、マーレイの亡霊が鎖と錘を引きずって現れる。
生前の非情さの業で死後も苛まれているというのだ。
そして、これから3日間、クリスマスの過去、現在、未来の亡霊がクスルージを訪れると言って去る。

最初に現れたのはロウソクの形をした過去のクリスマスの亡霊(Ghost of Christmas Past)
遠い昔、スクルージの子供時代、クリスマス休暇で誰もいない学校に寂しくたたずむ8歳の頃のスクルージ、
そして妹のファン(ロビン・ライト・ペン)が迎えに来てくれたこと。
その後、ファンは甥のフレッドを生んでまもなく死んでしまった。

働きに出てやさしくしてくれたフェジウィッグ(ボブ・ホプキンス)。
クリスマス・パーティでの美しいベル(ロビン・ライト・ペン)との出会い。
独立して拝金的になり、ベルにも捨てられたこと。
絶えられなくなり、過去の亡霊を消し去ったが、反対に飛ばされて落下、、、した先はベッドの脇の床だった。

次に光り輝く部屋に招きいれたのは、現在のクリスマスの幽霊(Ghost of Christmas Present)
薄給でこき使われながらもスクルージに対する感謝の念を表す、ボブ・クラチット。
スクルージ自身はクラチットの家族から良く思われていない。
このままの給料では息子の一人、小さいティムの病気を治してやることは出来ず、いずれ死んでしまうこと。
甥のフレッド宅では、クリスマスディナーに集まった客たちがスクルージを揶揄し、馬鹿にしていること。

気がつくと、現在のクリスマスの亡霊の足元には二人の子供が、、「無知」と「貧困」だ。
二人の子供は成長し、一人は絞首刑になり、一人は精神に異常をきたすが、
現在のクリスマスの亡霊とともに12時の鐘がなると消えていった。

鐘がなり終わる頃、スクルージは弾き飛ばされて、屋外へ。
誰かが死んだことを嘲笑う人。
死神のような衣装の影がスクルージに近づく。
一言も声を発しないが、それが未来のクリスマスの亡霊(Ghost of Christmas Yet to Come)であることは確かだ。
その亡霊に追われ、使用人がスクルージの家から金目の物を持ち出していることを知る。
ティムの死んだことを悲しみ、毎週の墓参りを欠かさないクラチット。
最後には墓場に連れて行かれ、墓標に自分の名前があるのを見る。
「改心する」と叫ぶスクルージ。
墓標の前に開いた穴に落ち、下で待ち受ける棺おけの中に真っ逆さま。

落ちて気がついたのは、ベッドのカーテンに足を絡ませていた自分だった。
生きていたことを素直に喜ぶスクルージ。
外を歩く少年に聞き、今日がクリスマスの日であることに気づく。

そう、すべては一夜の夢の出来事だったのだ。
早速、七面鳥を買い込み、クラチットに贈る。

使用人にはおかしくなったかと思われながらも「メリー・クリスマス」を連発。
町で募金を募る聖歌隊に寄付をし、先日の寄付依頼に来た人には多額の寄付を申し出。
甥のフレッドのディナー・バーティにも出かけていく。
そして翌日には遅刻してきたクラチットに、給料を上げてやり、ティムの援助もする、と言い出す。

やがてティムの病気は治り、心優しいクスルージはティムの第2の父親といわれるようになる。

めでたし、めでたし。

***

ストーリー自体は良く知られたものでひねりがあるわけではない。
クリスマスが題材だが、あまりキリスト教的善悪感を強いるという感じはしない。
スクルージは根っからの悪人ではなく、もともとは心の優しい人間であり、
今もティムの行く末に涙する善良な老人である。
それが長い年月の間にひねくれてしまっただけで、何か切っ掛けがあれば元の善良な自分を取り戻せるものとして描かれる。

この原作が書かれた1843年のイギリスは産業革命の末期。
産業革命は、いわゆる家内制手工業、工場制手工業から工場制機械工業へと進化した時代である。
生産性は飛躍的に向上し、経済的な繁栄をもたらした。
しかし、その一方で、単純労働者を生み、格差と貧困を生んだとも言われる。
この物語はそんな社会環境の中で、富めること自体は悪ではないが、富める者が貧しい者に手を差し伸べるのは当然で、
ある意味社会的義務でもあり、その時期としてクリスマスがもっともふさわしいのだ、としているとされる。

**

3DCGによる。
実際の俳優をベースにCG化したもので、全部が「LOTR」のスメアゴル(アンディ・サーキス)のようなものだ。

ただし、全部をCG化したことで別の利点が生まれる。
それは
セットを作らなくて良い、衣装を作らなくて良い、
一人の俳優がいろんな体格、年格好の役を演じることが出来る、
そして、この映画でもそうなように一人何役も演じることが出来、
演技と声を別の役者にすることも出来る、などなど。

素人目に見ても製作の自由度が増すと思われる。
なお、制作費が安くなるかどうかは別問題で、この作品の2億ドルといわれる制作費が回収できるのかどうかは微妙。

いかにも漫画、コミック風ではなく、実写に近い動き、質感は、表情までも忠実に再現しつつあるようだ。

若干、その他大勢の表情にテクスチャっぽいものを感じることもなくはないし、
動きの中にはやや物理的な違和感を持つこともあったが、
総じて良く出来ていると思った。

3D版は、吹き替えしかなく、鑑賞したのは字幕の2D版。
3Dを意識したシーンがいくつかあるが、移動シーンなどでは2D版でもかなり「揺れる」感じがする。
3D版は「酔う」観客が出るのではないかと心配になった。

 

 

 曲がれ!スプーン    

長澤まさみ。

***

桜井米(長澤まさみ)は幼い頃、海に落下する隕石を見たことがあり、宇宙に憧れを抱く夢多き少女だった。
そんな彼女も今は湾岸TVのAD。
超能力者を発掘する「あすなろサイキック」という番組の担当。
しかし、出てくるのは偽エスパーばかり。

ある日、桜井米はプロデューサー(甲本雅裕)から視聴者からの応募の手紙の山を託され、本物の超常現象を探す旅に出る。
しかし、出会うのは間違い、いんちき、にせものばかり。
彼女のたびは延々と続く。

そして、クリスマスイブの日に着いたとある町。
手紙の主(寺島進)は、毒蜘蛛に噛まれても大丈夫という超能力者。
桜井の前で毒蜘蛛を手に這わせ噛ませると、なんと悶絶、救急車のお世話になることに。

一方、その町の「カフェ・ド・念力」と一風変わった店名の喫茶店。
集まったのは、サイコキネシス(念力)を使う作業員風の河岡(諏訪雅)、エレキネンシス(電子機器操作)の井出(川島潤哉)、
透視の筧(中川春樹)に連れられたやってきたテレパシーの椎名(辻修)。
みんなエスパーなのだ。
しかし、エスパーであることは絶対の秘密。
こうしてお互いの秘密を見せ付けることの出来るこのカフェは心の休まる場所でもあった。
椎名も秘密を打ち明けられてほっとするのだった。

マスターの早乙女(志賀広太郎)は超能力訓練に予断がないが一般人、エスパーに危機を助けられた経験があり、
その人を探すうち、彼ら本物のエスパーに出会うようになった。

マスターは、新しいエスパーが来ると言って、どこかへ出かける。
入れ替わりに、バイクで神田(岩井秀人)がやってきた。
神田がマスターの言っていた新しいエスパーだと思った4人は、超能力の披露合戦を始める。

まずは、井出がTVのスイッチを離れた場所から入れる、次に椎名が神田の朝食を当てる。
続いて筧が神田の着ているTシャツのロゴを透視する。
最後に、河岡が用意されていたシャンパンの栓を開けようとして、すんでのところで失敗、瓶は砕け散る。

いよいよ神田の番。
神田は、ありえないくらい細い隙間を通り抜けることが出来る細男だ、という。
そして店内のちょっと細い隙間をぎりぎり通り抜けた。
戻ってきたマスターも、あんた誰?
そう、神田は超能力者ではなく、言ってみればびっくり人間の類だった。

普通の人間にエスパーだったことがばれると大変だ、とばかりその場を取り繕う5人。
しかし、ごまかしは、テレポーテーション(瞬間移動)の小山(三宅弘城)が、突然現れて水の泡に。

神田は、絶対に喋らないというが、本心でないことは椎名に見透かされてしまう。
そこへ、桜井米がやってきた。
彼女は神田から連絡を受け、この店を待ち合わせ場所にして、取材をする予定だったのだ。
桜井をだしにしてその場から逃げようとする神田、逃がさないエスパーたち。

そのとき、筧が桜井の上着のポケットに入れた名刺入れの中に毒蜘蛛が潜んでいるのを透視してしまう。
何とか桜井を帰さず、毒蜘蛛退治を試みる5人。

もっとすごい能力があると、神田やマスターをけしかけ、その裏でほんとの超能力を駆使して何とか毒蜘蛛をやっつけるが、
それは筧が「米」の字を蜘蛛と見間違っただけだった。

みんなの引きとめもままならず、桜井は失意のうちに帰ろうとする。
最後に桜井の心を知った椎名は何とか超常現象を見せようと、みんなで協力して神田をサンタに見立てて空に飛ばすのだった。

空飛ぶサンタ。
それがみんなの仕業だと気づいた桜井は明るい気持ちで店を去るのだった。

超常現象。それは、信じる人の前に必ず出現する。
夜空に光るUFOのように。

***

ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之助、平田満などが、脇役で登場。

笑いどころは随所に織り込まれ、出演者のコミカルな動きも笑いを誘うが、
全体になんとなく盛り上がりに欠け、淡々と展開する感じ。

場面の少ない映画だと思っていたが、それもこれも、もともとは舞台劇だと知って納得。
展開の仕方や説明的なシーンの挿入もなるほど、という感じでした。

ちょっとVFXやCGのひどい映画があると「だから日本映画は」的発言をする人がいますが、
そんなことはありません。超能力のVFXは違和感まったくなく、非常に良く出来てました。

 

 

 あなたは私の婿になる 

サンドラ・ブロック、ライアン・レイノルズ。メアリー・ステンバーゲン、クレイグ・T・ネルソン、ベティ・ホワイト。

***

マーガレット・テイト(サンドラ・ブロック)は、ブルックリンの高級アパートに住み、
出勤前にエクササイズを欠かさないキャリア・ウーマン。
出版会社の編集長で会社では「悪魔」と呼ばれている。

アンドリュー・パクストン(ライアン・レイノルズ)安アパートで、ぎりぎりまで寝ていて、
スタバに駆け込んで、なんとか会社に滑り込む、編集者希望のマーガレットの専属秘書。

出勤途上で、大物小説家のTV出演交渉をネゴって、会社に到着するや否や「魔女到着」の連絡が回る。

副編のボブに首を言い渡し、上司からの呼び出しには、アンドリューに10分で呼びに来るよう指示する。
その上司からの連絡は、移民局からのビザ延長の拒絶通知だった。

何とかならないかとあせるマーガレット。
そこへ、指示通り緊急の電話が入っていると呼びに来たアンドリュー。
マーガレットは、咄嗟に「皆さんにお伝えしておかねばならないことがあります。」
「私たち、結婚するんです。」
「へっ、誰が。」
「あなたと私よ。」
「僕とあなたが。」
「結婚するんですの。」

「わかった、合法的にやってくれよ。合法的にね。」
アンドリューは、自分を編集者として取り立てることを交換条件にマーガレットの提案に乗る。

移民局に出頭した二人。
審査官に偽装結婚だろうと、ネチネチとやられる。
この週末に二人でアンドリューの両親に挨拶に行くのだという。

その場所は、アラスカのシトカ。
航空機を乗り継いで、海岸沿いの小さい町。
母親(メアリー・ステンバーゲン)と、90歳の誕生日を迎えようとしている祖母(ベティ・ホワイト)の迎えで家に向かう。
街中のほとんどの店は「パクストンのXX」と名がついている。つまり、ほとんどが、パクストン家の経営なのだ。
アンドリューの実家は海岸沿いの大豪邸。
そう、アンドリューは貧乏な家庭ではなく、地元の大富豪の息子だった。

母親と祖母は、アンドリューの婚約に大興奮。
一人父親は、事業の後をついでほしくて、この結婚には反対だし、なんとなく疑問を抱いている。

この後もなんだかんだあって、女性陣はすぐに結婚式を挙げろと申し出る。
「もともと、おばあさんの誕生日パーティなのに」
「わたしはもう何度も祝ってもらったから良いのよ、生きているうちに孫の結婚式が見たい。」

ついに、結婚式を挙げる羽目に。
150年前から伝わる家宝のペンダントを受け取り、マーガレットは良心の呵責に苛まれる。

そして式当日。
ドラッグストアの店長で、島唯一の男性ストリッパーのラモーヌ神父の進行で式が始まった、と思った途端、
マーガレットは、この結婚が偽装であることを白状し、現地への確認に来ていた移民局の審査官に連行されていく。

この時点では、本気でマーガレットとの結婚を考えていたアンドリューは、審査官が父親の差し金だと知って激高。
言い争いになるが、それにショックを受けた祖母が昏倒、救急セスナで病院へ搬送される。
「もう言い争いは止めておくれ。これからは、家族仲良く助け合っていって頂戴。」
祖母の切なる願いに父子は諍いを止めることを誓う。
「さあ、そうとなったら気分が治ったわ、空港へ急ぎましょう。」
祖母の機転でマーガレットを追うも一瞬の差でマーガレットの飛行機は止められなかった。

ニューヨークに戻り、自発的国外退去のためにそそくさと荷物をまとめるマーガレット。
そこへアンドリューが舞い戻り、本気で、結婚してくれ、と懇願するのだった。目出度し、目出度し。

***

ラブコメとしては、まあまあ。
あまりひねりはなく、展開もほぼ予想通り。
どの段階で「本当は好きだった」というかが多少予想より遅かったくらいか。

エンドロールのカットは、付け足し感満載。
改めて結婚式を行うシーンの方がよかった。
どうせ、失敗結婚式のシーンがあるんだから、そこで成功パターンも撮っておけば良いことだから。

アラスカの田舎町を舞台にしたことで、「近距離恋愛」のニューヨークとイギリス(スコットランド)ほどではないにしても
気候天候の違い、文化の違いなどなどから来るてんやわんや。
人物設定や、実家の設定(老舗の大富豪と貴族の旧家)など似たようなシチュエーション。

また、本人の設定は、まるで「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープ。

映画の設定は、40歳と28歳。
実際には二人とも5歳ずつ上だが、年の差はそのまま。

 

 

 This is it 

マイケル・ジャクソン

幻となってしまった、2009年のロンドン公演のリハーサルをドキュメントとして映画化したもの。

コンサートを一緒に作り上げることになったダンサーやプレーヤー、シンガーらのインタビュー、
コンサート会場で流される映像のメイキングなども交えて構成される。

曲の部分的なすりあわせから通しのリハーサル、本番さながらのリハーサル、
全編を通して完璧を期すマイケル・ジャクソンの情熱が伝わってくる。

ともかく超人的、常人ではないというのはこういうことか。
歌、踊り。
マイケル・ジャクソンお得意のユニゾンとも言うべきバック・ダンサーとの連携。
バックのワイドスクリーンを使った映像とのコラボレーションの演出も見事。

マイケル・ジャクソンはもちろんすごいのだが、共演のアーティストたちもすごい。
男性のボーカリスト、アジア人っぽい女性のシンガーもうまい。
フカキョンにも見えるプラチナブロンドのギタリスト、キーボード、ドラム。
マイケル・ジャクソンの微妙な指示に即座に対応していく。

ダンサーたちの個別の踊りもさることながら、振り付けを即座に覚えて寸分違わぬタイミングで再現するのもすごい。

コンサートが単なるライブ演奏ではなく、総合エンターテイメントだということが良くわかる。

今からもうDVD(BD)発売が待ち遠しい。

 

 

 PUSH   

クリス・エバンス、ダコタ・ファニング、ジャイモン・フンスー。

***

冒頭、ダコタ・ファニングのナレーションで、米ソが第2次大戦の頃から超能力、超能力者の研究をして、
それを軍事的に利用しようとしていた、などの説明。
冷戦終結後はアメリカのディビジョンが、超能力研究を管轄、逃げた超能力者を拉致したり泳がせたりしている。

時は10年ほど前。

ニック(コリン・フォード、後のクリス・エバンス)の父親は、
ディビジョンのエージェント、カーバー(ジャイモン・フンスー)の部下に殺され、ニックは間一髪逃れる。

現在、どこかの研究所。
ベッドの若い女性は何かを注射され、心停止する。
外からのぞくカーバー捜査官(ジャイモン・フンスー)がまた失敗か、と思った瞬間、
鼓動が復活、女は、医師を倒して逃走する。

舞台は変わって香港。

ニック(クリス・エバンス)は、念動力を利用して賭けに勝とうとするが、
せいぜいさいころの出目をごまかすくらいで、それもなかなかうまくいかない。

結局、袋叩きにあってアパートに戻ると、暴漢が入ってきて「女はどこだ」と聞く。
わけのわからないニックは暴漢が帰った後逃げようとするが、そこへキャシー(ダコタ・ファニング)が来る。

未来予知(ウォッチャー)だという彼女は「女とスーツケースを探さないと私たちは死ぬ」と告げ、
町では同じく女を探す、香港マフィアの「ブリーダー」に襲われる。

「ブリーダー」とは、音声で強烈な振動を発生させ、物質を破壊、果ては脳に衝撃を与えて殺す超能力者だ。

何とか逃げ切った二人は、その女を捜す。
キャシーの予知にしたがって、ウォーターズ(クリス・カーティス、能力は「シフト」=物の色や形を自在に変える)、
臭いで状況を調べる「スニフ」の一人の占い師などの協力で、埠頭に行けといわれる。

一方、研究所から逃げた女性、キラ(カミーラ・ベル)は、ボートハウスで目覚め、
いったんはエージェントにつかまるが、「プッシュ」(偽の記憶を押し込むこと)で逃れ、ニックと埠頭で出会う。
二人は元の恋人同士だったが、ディビジョンによって引き離されていた。

キラが鍵となるスーツケースを持っているはずだが、彼女は記憶をなくしていた。

いろいろと探るキャシーとニック。
超能力者から姿を隠す「シャドー」のピンキーの力も借りて、みんなでスーツケースの場所を探る。

追い詰められるニックは、カーバーに向かっていくが、キラが注射された増強剤の副作用で、治療しないと死ぬといわれる。
カーバーについていた「ムーブ」念動力者はニックよりはるかに強いが、対抗することでニックの超能力も増幅する。

「ブリーダー」の一味には「ウォッチャー」もいて、キャシーたちの動向を検知していた。
考えることで行動がばれるので、ニックは行動計画を封じ手にして、記憶を消す「ワイプ」に記憶を消してもらう。

それぞれが封筒の指示に沿って行動し、ついにスーツケースを見つけるが、「ブリーダー」の一味にもばれて銃撃戦となる。

作戦で、カーバーに投降したキラだが、カーバーにニックとは無関係との記憶を押し込まれる。
ショックを受けたニックは増強剤を注射して死ぬ、振りをして逃れる。
まんまと増強剤を手に入れたニックは、それを拉致されているキャシーの母親の解放の取引に使うことにする。

一方、ニックとは無関係と思い込まされたキラは、ニックの封筒の中身を見て記憶が戻り、カーバーを倒すことに成功する。

***

「光と闇の能力者」というサブタイトルがついているが、意味不明。
PUSHは念動力のことかと思っていた。

クリス・エバンスがやられっぱなしのだめだめヒーローみたいでちょっともったいないというか、冴えない。

ストーリーは割とわかりやすい展開で、ウォッチャーでなくても先が読める。
敵味方もはっきりしていて、面白いことは面白いんだけど、なんとなく盛り上がりに欠ける。

せっかくの「花」も取ってつけたようで、インパクトがない。

要は政府が軍事目的で超能力者を育成していたが、一部は逃げて、その能力を利用しながら暮らしている。
ひっそりと暮らしているものもいれば、やくざ家業のものもいる。

超能力増強剤をめぐって、政府のエージェント、香港マフィア、逃げている超能力者が三つ巴の奪い合いと化かし合い。
結局は主人公一味が利を得る。

***

最初のダコタ・ファニングのナレーション部分は設定説明だが、別の表現方法のほうが良かった気がする。

ダコタ・ファニングはここ2年ほどですっかり大人びてかわいくなった。
ちょっとセクシーショットっぽいシーンがあるが、申し訳ないが色気はまったく感じない。
映画では13歳の役だが、1994年2月生まれの15歳。
全米公開は2009年1月なので、撮影時は14歳か。

キラのカミーラ・ベルは、良く見ると違うが「ヘルボーイ」のリズのセルマ・ブレアかと思っていた。

 

 

 クヒオ大佐   

実在したらしい結婚詐欺師、クヒオ大佐の物語。

境雅人、松雪泰子、内野聖陽。

***

時は1990年、湾岸戦争の頃。

自称アメリカ海軍の戦闘機パイロット、ハワイ出身の日系人ジョナサン・エリザベス・クヒオ。
日本国内での極秘任務の送迎を婚約者で弁当屋の女社長、永野しのぶ(松雪泰子)に依頼し、活動していた。
(その時点で既に怪しい)

帰り道、しのぶは、クヒオ大佐に言われるまま、少ない収入の中から金を渡していた。
結婚の準備費用だという。

極秘任務のはずの活動地で、クヒオ大佐は博物館の学芸員、浅岡春(満島ひかり)にも声をかけていた。

クヒオ大佐はまた、トレンチコートに身を包み、金持ちそうな女性のあとをつけていた。
骨董屋に入った一人の美女は、銀座のナンバー・ワン・ホステス須藤未知子(中村優子)だった。
通りすがりの車を利用して、金持ちを装い、未知子のバーに通うクヒオ大佐。

一見うまく立ち回り、順調に見えたクヒオ大佐だったが、意外なところからほころびを見せる。

それは、機中からの電話に見せかけてしのぶに電話したときだった。
電話に出たのは、先物取引で穴をあけてしのぶに泣きついてきた弟の達也(新井浩文)だった。
クヒオ大佐よりよほどうまい英語を喋る達也にクヒオ大佐はたじたじ。
あっさりとしのぶから金をせしめていたことがばれてしまう。

翌日、達也に脅されて100万円を要求されるクヒオ大佐。
懲りもせずしのぶから金を引き出そうと電話し、また達也に電話してしまう。

何とか100万円を工面しようと銀座に乗り込むクヒオ大佐の投資話に未知子は逆に金を貸してくれと切り返す。

結局、100万円はしのぶから騙し取り、それを達也に渡すが、給料が払えなくなり困るしのぶに達也は立ち尽くす。

一方、恋人とのトラブルからやけになっていた春は、クヒオ大佐の口車に乗り体を許すが、
軍服がショップで売っていることを知り、だまされたと知る。

のこのこと一人で春に会いに来たクヒオ大佐は、後を追ってきたしのぶに死のうと持ちかけられる。
毒キノコ入りハンバーグをそれと知らず食べるクヒオ大佐。
この期に及んでもでたらめな生い立ちを喋るが、春の襲撃に逃げ出す。

すんでのところでアメリカ軍に救出され、国外に逃亡、と思ったのは妄想で、逮捕されていたのだった。

***

Wikiには、実在の人物でワイドショーでも話題になったとありますがまったく知りません。

もっと、スマートで小気味良い詐欺師。
そう、たとえば「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のデカプリオのような物語を想像していました。

銀座のバーに高級車で乗りつけるところは、なかなか面白かったのに。大ぼら吹きだが、小物でへたれ。
人を騙すのも話の中身も穴だらけで、なんで騙されるかな、というかほとんど騙されてないし。
映画の中で金をふんだくられたのも、結局はしのぶだけでした。

 

 

 私の中のあなた  

キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック

***

物語は、アンナ(アビゲイル・ブレスリン)の語りで始まる。

人はたいていの場合、勢いとか偶然とかで妊娠し誕生する。
しかし、アンナの場合は違った。
姉、ケイト(ソフィア・バシレーバ)のために作られたのだ。

それはケイトがまだ2,3歳くらいの頃。
ケイトの背中に血班を見つけた両親は慌てて病院へ。

検査の結果、何とかという種類の白血病で、骨髄移植やら何やらが必要だが、両親は適合しない。
適合するドナーが現れるのを待つか、適合する「弟妹を作る」か。

こうしてアンナはケイトのために作られた。
臍帯血はもちろん、小さい頃から骨髄や血液やいろんなものをアンナはケイトのために提供してきた。

そして、11歳になったアンナは、TVで有名な弁護士のアレキサンダー(アレック・ボールドウィン)を尋ねる。
アンナはケイトのために腎臓提供を求められていて、これを拒否。
今後一切自分の臓器提供は自分の意思で行うための訴訟を行う、というのだ。

もともと有能な弁護士で、ケイトの発病とともに弁護士を辞めてしまっていたサラ(キャメロン・ディアス)は、
この訴訟を受けて立つが、一家の気持ちはばらばらになってしまう。

ケイトの病魔との闘いや日常の様子が挟み込まれながら物語は進行する。

入退院を繰り返しながらも同じ病気のテイラー(トーマス・デッカー)と出会い、
化学療法の副作用で毛が抜けてしまってからもテイラーと病院内のプロム(舞踏会)に出かけたり、
しかし、テイラーとは悲劇的な別れが待っていた。

病気の進行に伴い、アンナはケイトのドナーとなることを強いられる。
そしてついに腎機能の低下に伴って腎臓の提供を求められた、ということだ。

この訴訟の担当は、最近子供を事故で亡くした辣腕のサルボ判事(ジョン・コーザック)だった。
11歳の少女による訴訟を受けるべきか。
サルボ判事は、アンナにも会い、決断する。

こうして厳格な判事、有能な二人の弁護士によって裁判が進められていく。

裁判を起こしたことによって、腎臓の提供は行われず、ケイトの病状はどんどん進行する。

そしてついに、ケイトの最後が近づいた頃、兄ジェシー(エバン・エリントン)によって、
この裁判がケイト自身の希望によるものだと明かされる。

ケイトは移植が役に立たないことを知っている、もう十分だ、というのだ。
サラはここで初めてケイトのためを思ってしていたことが、必ずしもケイトのためになっていないことを悟るのだった。

最後の夜、ケイトは病床にありながら、ずっと作っていた思い出のアルバムをサラに託し、この世を去った。
そして、裁判は、アンナの勝訴だった。

それから毎年、一家はケイトの命日には、彼女が楽しい思い出としていたモンタナの湖への旅行を続けていた。
そして、数年後、サラは復職、悲しみから立ち直り、家族にも笑顔が戻ってきたのだった。

***

大きく変化するのはケイトの髪くらいですが、登場人物の見かけの変化が乏しく、
時間が交錯して展開するので、やや時系列がわかりにくいところがあります。

いつの世でも、誰であっても死は悲しいものですが、女性陣は号泣必至でしょう。

ただ、どうしてケイトがアンナを使って訴訟を起こしたのかは疑問が残ります。
自身が治療を拒否する権利を訴えても良かったし、アンナより年齢的ハンディは少なかったはずです。
ケイトは体力的にも訴訟に耐えられない? 
それはあるでしょう。
しかし、助けない権利を主張するよりは、助けられない権利を主張するほうが
よりセンセーショナルでよりわかりやすいと思うのは私だけでしょうか。

こういう物語を見ていつも思うのは、クローンの研究をもっと進めないといけないのでは、ということです。
クローン人間を作れ、ということではありません。
クローン技術によって自分自身の細胞から臓器を作れば、他人の体にメスを入れなくても、
それこそ完全に適合する臓器が得られます。

白血病に有効かどうかはわかりませんが、少なくとも腎臓は手に入れられる可能性があります。
今可能な臓器だけではなく、もっと多くの臓器の移植が可能になる可能性もあります。

臓器移植はドナーにも危険がありますし、脳死による臓器提供にもいろいろと問題があります。

研究を進めたとしてもそう簡単ではないでしょうし、一朝一夕に出来るものではないと思います。
もちろんクローン人間を容認するものではありませんが、研究そのものはもっと進めても良いと思います。

 

 

 風が強く吹いている    

小出恵介、林遣都、ダンテ・カーヴァー、斉藤祥太、斉藤慶太

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桜の季節、蔵原走(=くらはらかける、カケル、林遣都)は寛政大学の1年生。
キャンパスで野宿していたところ、4年生の清瀬灰二(=ハイジ、小出恵介)に声をかけられ、食事をおごってもらう。

しかし、ハイジはカケルを連れて店を出て一目散に逃げ出した。
食い逃げだ。
自転車で追いかける店の娘、勝田葉菜子(水沢エレナ)を振り切って、走る、走る。

その後、ハイジはカケルをおんぼろ学生寮、竹青荘、通称「青竹」に連れて行き、強引に住まわせる。
いくらボロとはいえ、賄いつきでつき3万は安いと、カケルは承諾する。

ハイジは、寮の住民にカケルを紹介する。
ヘビー・スモーカーの平田彰宏、通称ニコチャン(川村陽介)。
ちょっと冷めた司法試験合格済みの岩倉雪彦、通称ユキ(森廉)。
外国人留学生のムサ・カマラ、通称ムサ(ダンテ・カーヴァー)。
娯楽室に住み着いている双子の城太郎(ジョータ)と城次郎(ジョージ)=斉藤慶太/祥太。
クイズが得意な坂口洋平、通称キング(内野謙太)。
かつて神童と呼ばれ、通称も神童、杉山高志(橋本淳)。
部屋いっぱいの漫画に囲まれ、やや引きこもり気味の王子こと柏崎茜(中村優一)。

青竹は実は寛政大学陸上部学生寮で、長距離チームの住まい。
青竹に住むことは自動的に陸上部に入部したことになるが、毎日5キロのランニングが義務付けられているだけ。

カケルは高校時代、鳴らした長距離ランナーでトラブルからクラブを離れていたが、
毎日10キロは走るトレーニングを欠かさなかった。

翌日の朝のランニング中に葉菜子に遭遇、昨日の食い逃げ騒ぎはハイジの芝居だったと聞かされる。

その夜、寮のオーナーで陸上部駅伝チーム監督、田崎源一郎(津川雅彦)も含めたカケルの歓迎会の席上、
ハイジはとんでもないことを言い出す。

カケルを入れてちょうど10人。このチームで正月の箱根駅伝を目指すというのだ。
無名の寛政大学が箱根駅伝に出るには、当然ながら予選会で勝ち上がらねばならない。

ハイジが自らの感性でその素質にほれ込んだとはいえ、ハイジとカケル以外はほとんど素人。
カケルには冗談を通り越しておふざけとしか思えなかった。

それでもみんながやる気になり、翌日からのランニングにもそこそこついてくるのを見て、カケルもやる気を出す。
徐々に体力もついてきて、予選会参加資格である記録会での5キロ17分以内を目指す。

一番体力のないのは王子、何回かのチャレンジで、やっと全員が17分の壁をクリアーした。
しかし、予選会で勝ち上がるには、14分台前半の力が必要だ。

ハイジは、チームを上級(ハイジとカケル)初級(王子)中級(その他)に分けて強化を行っていく。
カケルはみんなのやる気を不十分と考えるが、ハイジにたしなめられる。

徐々に支援、後援してくれる人も出て、チームの練習環境は整っていく。

カケルは高校時代の同級生で東京体育大のとの確執、先輩で六道大

やがて予選会当日。
予選会は一斉スタートの20キロ走。

大方の予想を裏切ってカケルがトップ。
ハイジ、ムサ、ユキと次々とゴールするが、全員が一丸となって残りのランナーを励ます。
そして最後の王子までゴールイン。

寛政大は、9位でぎりぎり予選会を突破する。
無名大学の予選会突破。
地元も大騒ぎで人々の期待は高まる。

大会まで3ヶ月足らず、各員の練習にも熱が入る。

そしていよいよ、箱根駅伝当日がやってきた。

(以下、レースの模様、途中の順位は多少違っているかもしれない。)

大手町から鶴見までの1区は、これまで数々のプレッシャーに耐えてがんばってきた王子が17位で入着。
エース級がそろう鶴見−戸塚間「花の2区」は、ムサが6人抜き、区間賞まで2秒の快走。
3区は平塚まで、ジョータが走る。
4区は小田原まで、ジョータからの伝言で「葉菜ちゃんが自分に告った」と勘違いしたジョージが途中までふらつく。
5区、山登り、神童が風邪をおして出場、しかし体調不良で15位、ふらふらになりながらもゴール。
繰上げを免れる10分以内には届かず、トップから11分30秒ほど遅れる。

翌日は、折り返しの復路、繰上げ一斉スタートとなる。
6区、山下りはユキ、下りのスピードにカケルの見る景色と孤独を知るが快走。
7区は、ニコチャン、禁煙して進めたトレーニングのおかげで、好調を維持。
8区はキング、順位は10位だが、繰上げのため、総合では12位。

カケルはハイジのいる横浜のホテルに向かうが、そこで医師がハイジに棄権を進めるのを聞いてしまう。
右ひざの故障が完全に直っておらず、走ることで選手生命に影響があるというのだ。

9区はカケル。
「裏の2区」と呼ばれ、復路のエース区間でもある。
4連覇を目指す六道大のキャプテン藤岡一真(渡辺大)が区間記録を目指して走る。
しかし、カケルも最初から飛ばし、藤岡が打ち立てたばかりの区間記録をさらに1秒上回る快走でハイジにつなぐ。

いよいよラスト、最終の10区。
ハイジは快走。
カケルは9区のゴール地点で確執のあった東京体育大の榊浩介(五十嵐隼士)とも和解したが、
東京体育大は同じ繰上げスタートで寛政大の後を走っているが、総合順位ではシード圏内の10位と寛政大を上回る。

大手町のゴールまであとわずか。
9位まで上がった寛政大だが、ハイジが右足に激痛で走れなくなる。
何度も転びそうになりながらも、そして、監督の制止も振り切って、ハイジはゴールを目指す。

ついにゴール、寛政大はわずか2秒の差でシード権を確保。
ハイジの最後のレースを飾ることが出来た。

こうして箱根は終わった。
カケルはまた新たな目標に向かってトレーニングを続けるのだった。

***

脚本家が監督とあって、演出がくどくなりすぎやしないかと、ちょっと心配したのですが、杞憂でした。

むしろ冒頭のカケルがハイジと出会う部分は、たぶん原作もそうなんでしょうが、端折ってあって訳わかりませんでした。

スポコンものですが、かつてのものと違って悲壮感はそれほどありません。
軋轢や行き違い、ぶつかり合いなどはもちろんありますが、あんまり押し付けがましくないところは好感です。

キャストはずいぶん練習したようです。
林遣都の走りは堂に入っていたし、そのほかのキャストも陸上の素人とは思えない感じでした。
撮影では、おそらく相当の時間、距離走らされたと思いますが、息も上がらず走りきる様子はお見事でした。
むしろ疲れきって倒れこむシーンのほうがわざとらしいくらいでした。

箱根駅伝のシーンは、多くの本物の映像が使われているようです。
キャストが走る場面では、観衆、スタッフ、警察車両など、どれが実写でどれがエキストラなのか区別がつかない。

ただ、これも原作がそうだからでしょうが、ゴール間際とはいえ、止まってしまうほどの足の故障で
ロスが1分ほどというのは少し解せない気がしました。

むしろ2秒届かなかったほうがよかった。

また、最後はカケルが一人だけ走り続けるのではなく、多くの新しい入部希望者が後に続く、終わり方がよかったかも。
仮に2秒届かなかったとしても先々に希望が残るから。

 

 

 エスター   

ピーター・サースガード、ベラ・ファーミガ、イザベル・ファーマン、ジミー・ベネット、アリアナ・エンジニア。

***

ケイト・コールマン(ベラ・ファーミガ)は第3子を死産し、それがトラウマとなって一時期アル中になり、
大学のピアノ教師も辞めて、設計家の旦那ジョン(ピーター・サースガード)、息子のダニエル(ジミー・ベネット)、
娘マックス(アリアナ・エンジニア)と暮らしている。

今は酒を止めたが、時々カウンセリングには通っている。

いろいろと考えた末、死んだ娘ジェシカの代わりに、と養女を貰うことにした。
孤児院で子供たちがはしゃぐ中、別室でたった一人絵を描く少女、エスター(イザベル・ファーマン)。
ジョンもケイトも、このちょっと風変わりではあるがエレガントな少女が気に入り彼女を養女にすることに。

9歳にしては落ち着いたエスター。
夫妻が、エスターを家に連れて帰ると早速小さなマックスとは仲良しに。
マックスは聴覚障害があって、唇を読むことは出来るが補聴器がないとほとんど聞こえない。

小さい妹はなつき、両親は新しい家族に夢中になり、兄貴としてのダニエルは面白くない。

エスターは心配するケイトをよそに、学校へもドレスで通うが、早速からかわれると、その子を睨み返す。

ちょっと変わったところはそれだけではない。
風呂に入るのに浴室の鍵を閉め、古い聖書を持ち歩き、普段は首と手首の布をはずさない。
聖書をからかわれ、布を取られそうになったときは大声で叫ぶ。
ダニエルがペイント弾のエアガンで鳩を打ち落としたときは、苦しんでいるからと石で叩き潰す。

ある日、公園でジョン、マックスと遊んでいたとき、エスターをからかった女の子も遊びに来ていた。
エスターはその子を滑り台の上から突き飛ばし、骨を折る大怪我をさせた。

深夜、台所で夫妻が事に及んだところをエスターに見られ、翌日ケイトが諭そうとすると、
「大人の男女はファックする」と言い放った。

完璧にチャイコフスキーを弾きこなし、ピアノが弾けることを隠していたと訝るケイトに、
「教えたがっていたから」「せっかくのピアノも娘(聴覚障害)も息子も聞く耳持たないのは残念ね」と言ってのける。

暫くして、孤児院のシスター・アビゲイルがコールマン家を尋ねてきた。
以前の引き取り手の家でも怪我や事故や火災があり、エスターがいつも近くにいた、というのだ。
とりあえずもともといたロシアの孤児院に問い合わせしているという。

隠れて聞いていたエスターは、マックスと先回りし、シスターの車の前にマックスを突き飛ばした。
間一髪、マックスを避けたシスターだったが、エスターのシスターの頭をかなづちで一撃、
道路わきに運んで、何度も殴りつけ、川に投げ入れ、トンカチや返り血を浴びた衣服はダニエルのツリーハウスに隠す。

エスターの行動に疑問を感じるケイトだが、ジョンやカウンセラーはケイトのほうがおかしいという。
エスターの素性を調べるうち、ロシアの孤児院ではなく、エストニアの精神病院にいたことがわかる。

マックスはエスターを恐れ、本当のことを言わないでいたが、ダニエルに問い詰められ、シスターを殺して、
凶器をツリーハウスに隠したことをしゃべる。

ツリーハウスに行ったダニエルは、エスターに閉じ込められ、ツリーハウスに放火されて落下、怪我をする。
病院でエスターはダニエルを殺そうとするが失敗、ケイトはエスターの仕業だとして叩き取り押さえられる。

ジョンはエスターとマックスを連れて家に帰る。

エスターは着飾って、混乱するマックスを誘惑しようとして拒絶され、怒り狂ってついにその正体を現す。

ケイトに件の精神病院から電話があり、エスターは9歳の子供ではなく、実は成長の止まる病気で33歳の大人だというのだ。
急いで帰宅するケイト。
しかし、ジョンはエスターに殺され、マックスも襲われそうになるが間一髪逃れる。
帰宅したケイトは奮闘の末、エスターを倒し、警察に保護される。

***

なんでもない場面でわざとらしく観客を驚かそうとする演出はいただけないが、全体としては結構面白かった。

一応ホラーで、結構スプラッターな場面もある。
他人を傷つけるだけでなく、ケイトを陥れるため自分の腕をわざと折るなどの「痛い」シーンも多い。

エスターが異常性格でいろいろと問題行動を起こすことはすぐに明かされる。
その素性や服装などに秘密があることもすぐにわかるが、あの「落ち」には気づかなかった。

エスター役のイザベル・ファーマンは撮影時、10歳から11歳(撮影中に誕生日を迎えた)
最初は清純な装いで徐々に異常が表面に出てくる演技はなかなかよかった。

IMDBでは、彼女を「レオン」のナタリー・ポートマン、
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のキルスティン・ダンストを髣髴とさせるとしている。
しかし、次から次へと抜きん出た芸達者な子役が出てくるものです。

聴覚障害のあるマックス役のアリアナ・エンジニア。
自身と実の母親も本当に聴覚障害があり、母親と手話で会話していたのが縁で、キャスティングされたそうだ。

ダニエル役のジミー・ベネット。
「ホステージ」「ポセイドン」「ファイアウォール」で見たが、
いつもやり込められるというか、苦境に立たされる役回りだ。

 

 

 

 

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