2009/7-9鑑賞
ホーム 映画の感想 最新鑑賞映画 最新DVD/BD 全米ベスト10 劇場/映画館 試写会当選 映画SP-extra 第89回アカデミー賞 第37回ラジー賞 2017年に見たい映画 第74回GG賞

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この期間に鑑賞した映画の本数  
月:7(5)[1]本、8月:8(4)[4]本、 9月:10(5)[2]本、計:25(14)[7]本 。 ( )は試写会
[ ]は邦画
今年の累計:63(38)[19]本  
1−3月期:17(10)[3]本 、4−6月期:21(14)[9]本、7−9月期:25(14)[7]本、10−12月期:0(0)[0]本  
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 マーシャル博士の恐竜ランド 

ウィル・フエレル、アンナ・フリエル、ダニー・マクブライト。

***

天才物理学者リック・マーシャル博士(ウィル・フェレル、劇中の肩書きは量子古生物学者)は、
TV番組「TODAY」でMCのマット・ラウアー(本人)とけんかになり、その後良いとこなし。

4年後(3年後だったかな)子供相手に細々と稼ぐマーシャル博士の下にホリー(アンナ・フリエル)がやってきて、
博士の理論であるタキオン増幅器によるタイムワープの実証を持ちかける。

博士はホリーの檄に促されて、タキオン増幅器を作り、タキオンのたくさんあったという荒野にホリーとともに行く。
そこには怪しげな土産物屋。
二人はオーナーのウィル・スタントン(ダニー・マクブライド)とボートでアトラクションの洞窟に入る。
するとタキオン増幅器が異常反応し、3人とも時空の裂け目からどこか異次元の世界へ落ちてしまった。

単に過去の世界ではなく、3つの巨大な月のある不思議な世界。
過去と現在と未来から時空の裂け目を通っていろんなものが到来している世界だった。

たまたま処刑されようとしている猿人の一人(一頭?)チャカを助け、一緒に行動する。

4人は、T−REXやアロサウルスト遭遇し、洞窟へ逃げ込む。

そこで博士は不思議な光に誘われて洞窟を飛び出し、半魚人っぽいエニックという科学者と意気投合する。

エニックは同じ種族のザザーンがタキオン増幅器を手に入れて地球征服を狙っているとし、
タキオン増幅器を探してもとの世界に帰るよう忠告する。

増幅器を探すうち、アロサウロスに襲われるが、アイスクリーム屋のヘリウムガスボンベを使って退治、
アロサウルスの体内から増幅器が出てくる、しかしすぐにプテラノドンに略奪され、火山までそれをとりに行く羽目に。

結局増幅器は取り戻せるが、タキオンのありかを調べるうち、ホリーが実はエニックが犯罪人で、
ザザーンはエニックに殺害されてしまったことを知るが、後の祭り、逮捕される。

処刑されそうになったところへ、博士とウィルが来て助けるが博士はT−REXに飲み込まれ、
ホーリーとウィルもエニックにつかまる。

いよいよ、エニックがタキオン増幅器を使ってスリースタック(SLEESTACK)を地球に送り込もうとしたとき、
博士がT−REXに乗って登場、スリースタックを撃破してエニックの身柄も確保。
時空の裂け目を作ってもとの世界に戻ろうとするが、ウィルは残ってチャカの部族とともに暮らすことにし、
ウィルはチャカの部族に暖かく迎え入れられる。

一方、理論が正しかったことが証明された博士は、マット・ラウアーの番組で嫌味をかまし、マットを怒らす。

**

殆どの館で吹き替え版を上映、字幕版は、全国120館弱の公開の中でわずか3館にとどまる。

ミキシングがおかしいのか、せりふが大声過ぎて周囲の音から完全に浮いている。
TVで映画を見ているみたいな感じだった。

コメディだが仕草でおかしい部分よりもせりふで笑わせる部分が多い(はず)が、せりふが面白くなく笑えない。

「今日のトゥデイ」とか「私は博士だけど医者じゃない」にしても小笑いのはずだが、まったく面白くない。
そのほか、駄じゃれだと思われる部分もうまい言い回しになっておらず笑いどころが薄れる。

最初に砂漠に落ち込んで「マット・ラウアーのくそったれ〜」と叫ぶが、
それがラストの本のタイトルとつながっているとかの面白みがまったく感じられない。

ケンコバの声は絶叫系のウィル・フェレルと合わない。

**

配給は東宝東和だが、ちゃっかり「俺たちタイムトラベラ〜」と入れている。

ダニー・マクブライトは「トロピック・サンダー」の爆破技師。
アンナ・フリエル、名前だけはしっかり覚えていたが、どの映画で見たのかは定かではなかった。
「タイムライン」のフランス人女性だった。

オリジナルはTVシリーズで、オリジナルではホリーとウィルはマーシャル博士の子供。

 

 

 

 カムイ外伝   

白土三平原作、宮藤官九郎/崔洋一共同脚本、崔洋一監督で描く。
松山ケンイチ、小雪、佐藤浩市、伊藤英明、小林薫

**

冒頭、カムイの生い立ちや境遇がコミックの絵を使って説明される。

カムイ幼少の頃、抜け忍となったくノ一、スガル(小雪)がいた。
追うカムイと大頭(鄭伊健=チェン・イーキン)、スガルはがけから海に転落。抜け忍の末路だった。

14年後、自身が抜け忍となって逃げるカムイ。数人の追い忍を一人ずつ倒していく。
ここで「変移抜刀霞切り」や「飯綱落とし」などの技が紹介される。

一段落したところで、その地の領主、水谷軍兵衛(佐藤浩市)の愛馬一白(イチジロ)を狙う男を目撃する。
男は半兵衛(小林薫)、一白の右足を切り落として取り、逃走する。

カムイはこの男に接近し、身代わりとなって逃げ、変わり身の術で追っ手を巻く。
半兵衛は荒海に船を出し、カムイを突き落として去っていく。

カムイは奇ヶ島と呼ばれる島に流れ着く。
瀕死のカムイを半兵衛一家、特に娘のサヤカ(大後寿々花)は熱心に介抱して助け、思いを寄せる。

半兵衛の妻、お鹿は実はスガルだった。
カムイもスガルに気づくが、スガルはカムイを忍びと見抜き、自らを追ってきたと考える。

半兵衛は、一白の蹄で疑似餌を作り、カムイをつれて漁に出る。
カムイはこの猟師の集落に住み着き、安寧の日々を送るが、半兵衛はスガルの素性もカムイの素性もわかっていた。

一方、一白を殺され憤怒する領主軍兵衛は、(文字通り)馬方役の首を切り、半兵衛の追撃を命じる。

カムイの出現で面白くない若者、吉人(金井勇太)は、町の立て札で半兵衛が指名手配であることを知って密告。
半兵衛は逮捕され、磔(はりつけ)にされる。

通常であればやりで刺し殺すところ、軍兵衛は妻のアユ(土屋アンナ)の入れ知恵で、半兵衛に矢を射かけ苦しませる。
そこへ、スガルとカムイが馬に乗って乱入し、半兵衛を救出する。

半兵衛一家とカムイは、元の島にいられず、船で逃げる。
幸島(さちしま)迄、あと少しのとき、鮫の大群に襲われるが「渡り衆」なる船乗りの一群に助けられる。
渡り衆は頭、不動(伊藤英明)の下、鮫退治を生業としており、この島でも鮫退治に居残る。
カムイもこれに同調し、不動とも親しくなる。

ある日、船から見た島の様子がおかしいのに気づいたカムイが戻ると、人は血反吐をはいて息絶えていた。

半兵衛もサヤカも。
怒り狂うカムイに絶命寸前のスガルは水に毒が入れられたと言い残す。

果たして、犯人の正体は不動と追い忍だった。
島の住民の死体に隠れたほかの追い忍も正体を現し、カムイとの戦いとなる。

不動は霞切りが使え、カムイとの戦いは熾烈を極めるが、最後はカムイが不動を倒す。

一方、実は大頭だった島にいた謎の絵師が一連の騒動を屏風絵にして軍兵衛に差し出す。
軍兵衛は半兵衛の死亡のニュースに耳も貸さず絵に見入るのだった。

カムイは追っ手を恐れ、孤独な逃走を続けるのだった。

***

うーん、面白かったんですが、ちょこちょこっと残念な部分も。

「カムイ」
記憶の中では「カムイ伝」も「カムイ外伝」も「サスケ」も「忍者武芸帳」もごっちゃになってしまっているので、
原作との違いについては、まったく意見を持ちません。

ただ、いわゆる「草」でもないのに、渡り衆にあそこまで村人に取り入る必要はあったのか。
相手を信用して隙だらけに見えるのカムイを殺すチャンスはいくらでもあったろうし、
みんなが一斉に毒を盛られてしまうのも不自然でした。
村人はともかく、抜け忍にしては脇が甘すぎる。

また、カムイの苦悩があまり感じられなかった。
特に不動の言う、カムイのせいで罪のない人たちが死ぬことの苦悩は表現できてないように思います。
半兵衛一家とともに暮らす覚悟もあまり感じられなかったし。

映像的には、CGがちょっと、、、でした。

ワイヤーアクションはいいのですが、大きくジャンプするシーンはかなり違和感。
魚は良いんだけど鮫はちょっと、とか、それから鮫は死んだら浮かないで沈みます。

最後に「追忍」は「ついにん」ではなく「おいにん」だと思ってました。

 

 

 ドゥームズデイ   

ローナ・ミトラ。

***

2008年、スコットランド。
「死神ウィルス」(原文ではReaper Virus、Grim Reaper=死神からきた訳か)と呼ばれる致死率100%のウィルスが蔓延。
イギリス政府はスコットランド全域に高い壁を設置し、救助を待つよう指示したが救助はやってこなかった。
逃げ惑う人々、母親の努力で何とか脱出できた一人の女の子にエデンがいた。

35年後、エデン(ローナ・ミトラ)は、イギリス軍特殊部隊少佐になっていた。
スコットランド脱出時の負傷で右目を失い、リモコン操作の義眼で物陰の様子を伺う能力を持っていた。

そんな中、ロンドンで地下組織操作中に殺人ウィルス感染者が発見され、政府はロンドンの一角の閉鎖を画策する。
実は政府はスコットランドの衛星による監視を行っており、3年ほど前から隔離地域に生存者がいることを確認していた。
ワクチンがあるのかもしれない、
当時グラスゴーでワクチンを研究していたケイン博士(マルコム・マクドウェル)の所在とワクチンを探索するチームが編成され、
その隊長にエデン・シンクレア少佐が選ばれた。

医師や研究者を加えた6名(だったかな)が装甲車2台に分乗。
壁を一時的に開けて中に入り、グラスゴーの研究所に到着。
ドライバーを残して内部探査に入る。

1台のドライバーが外に女性を発見、救護し装甲車内に入れるが、これは罠だった。
女性はドライバーに襲い掛かり、ドライバーはやられるが車内で手りゅう弾が爆破して、装甲車ごと破壊してしまう。

一方研究所内では、パンク風の一味が、釘バットなどで攻撃してくる。
一人がやられ、応戦するが多勢に無勢、圧倒的に不利で地下駐車場へ装甲車を回して脱出。
逃げ切れたかに見えたが、ドライバーが弓矢に倒れ、装甲車は転倒、2名は脱出、エデンはつかまってしまう。

エデンは町のボス、ソル(クレイグ・コンウェイ)のところへ連れて行かれる。
ソルはエデンが壁の向こうから来たことを知り、壁の向こうへ行く道を教えろと迫る。

また、捕獲した隊員の一人を火あぶりにしてばらばらに切り刻み、町のみんなで食人する。
エデンは隙を突いて牢を破り、看守役とソルの女、顔中刺青のバイパー(リー=アン・リーゼンバーグ)を倒し、
ケイン博士の娘だというカーリー(マイアンナ・バーニング)を連れ出して、先に脱出していた二人と合流して、
反る一味からぎりぎりのところで逃れて機関車でケイン博士のいる地域へ向かう。

途中、地下倉庫のようなトンネルを通るが出たところで馬に乗った処刑人(グラディエーター)に捕まる。
ケイン博士は古い城に住み、中世のような格好で王として君臨していた。
ワクチン開発はやめてしまい、自然に獲得した免疫で生きながらえていた。

エデンはグラディエーターと素手で戦いこれを倒して脱出。
隊員二人とカーリーと地下倉庫で車と携帯を調達するが、隊員一人(エイドリアン・レスター)はやられる。

なんとか逃れたエデンたちに今度はソル一味が追ってくる。
エデンはこれも倒し、首相の後釜として幅を利かすカナリス(デビッド・オハラ)カーリーを引き渡し居残る。
そしてまたグラスゴーに戻り(多分)ソルの後釜に入ろうとする。

***

ゾンビ系映画だと思ってたのですが、違いました。

けっこうグロ。
イギリス人てのは、削いだりもいだりするのは割りと平気なんでしょうか。

他の隊員は容赦なく殺すのに何で主人公だけ助かるのかとか、機関銃も恐れず飛び込んでくるのに何で車は避けるのかとか
細かい話はなしにしましょう。

ウィルス蔓延で一地域全滅といえば、「ウルトラ・バイオレット」「イーオン・フラックス」 「アイ・アム・レジェンド」「28日後」
これに「タイムライン」に「マッドマックス/サンダーストーム」の味付けをした、みたいな、ごった煮系バイオレンス映画でした。

 

 

 ウルヴァリン X−MEN ZERO 

X−MENのスピンアウト、ヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンの生い立ちからX−MENに入るまでを描く

**

1845年、病弱な幼少のジェームズは、庭師の息子ドッグに看護されていた。

ある夜、庭師のトーマス・ローガンが屋敷に乱入、父親のジョンを射殺してしまう。
ジェームズは怒りで指の間から鉤爪が出現、トーマスを刺殺するが、彼の最後の言葉は「俺はお前の父親だ」だった。
ジェームズは母親のエリザベスにも見放され、ドッグとともに逃げる。

ドッグは、ビクター・クリード(リーブ・シュライバー)として、ジェームズ(ヒュー・ジャックマン)とともに生き延び、
多くの戦争を体験する。(二人とも年を取らない)

やがてベトナム戦争で、ビクターは非戦闘員の村人に乱暴し、制止する上官を殺してしまう。
かばったジェームズともども逮捕され、銃殺刑に処せられるが、驚異的な治癒能力で回復し収監される。

そこへ、ストライカー(ダニー・ヒューストン)が現れ、二人を自身が率いる「チームX」に勧誘する。
「チームX」は、ある隕石の捜索を行っていたが、やり方があまりにも非人道的で、ジェームズは脱退してしまう。

数年後、カナダの山中。
ジェームス・ローガンは、幼稚園教師のケイラ・シルバー・フォックス(リン・コリンズ)とともに尾根に住み、
林業で働いていた。
そこに、ストライカーが、エージェント・ゼロ(ダニエル・ヘニー)とともに登場し、
「チームX」メンバーが殺されていると知らせる。

やがてそれはビクターの仕業だとわかり、ケイラもビクターに殺されてしまう。
ローガンは怒り狂い、ビクターに復讐しようとするが、返り討ちに逢い、重傷を負う。
しかし、搬送先の病院では回復しており、ストライカーの誘いに乗って、研究所に行く。

そこでは例の隕石を基に合成した「アダマンチウム」を全身骨格に注入し強化するという。
ローガンは、ケイラの語ってくれた月の寓話から自身の新しい名前を「ウルヴァリン」とする。

しかし、そのプロジェクトはローガンの記憶を消し、殺人兵器とする「ウェポンX」計画だった。
手術中にそのことを知ったローガンは、怒り狂って研究所を脱走。

裸のまま、老夫婦の住む家に隠れ、そこで親切にされるが、老夫婦がエージェント・ゼロに殺されて激怒。
アマダンチウム製の爪で、ヘリを撃墜しエージェント・ゼロを殺す。

ローガンは、ストライカーを倒すため、ジョン・レイス(ウィル・アイ・アム)とともに研究所の所在を探り、
ガンビット(テイラー・キッシュ)に会うが、ビクターに行動がばれ、ジョン・レイスは死ぬ。
ガンビットはローガンを敵だと思って攻撃したため、ビクターには逃げられる。
しかし、ガンビットはローガンがミュータントであると知り、研究所のあるスリーマイル島にローガンを連れて行く。

そこではストライカーが「ウェポンXI(イレブン)」を作り上げていた。
ローガンがストライカーやビクターと対峙したとき、ケイラが現れ、死が偽装であったこと、
もともと超能力でローガンに近づき、愛していた振りをしていたと告白する。

ローガンは、捕らわれていたミュータントたちを逃がすが、日本刀の二刀流の使い手ウェイド(ライアン・レイノルズ)ベースで、
サイクロップス(今映画では、ティム・ポコック)など、いろんなミュータントの能力を合成した「ウェポンXI」と対決する。

ローガン危うし!そこへビクターが加勢に入り、ついにウェポンXIを倒すが、
ローガン自身はストライカーの放つアダマンチウムの銃弾に倒れ、死にはしないが記憶を失ってしまう。

ケイラは、逃走途中に銃で撃たれ、ストライカーにマインド・コントロールで歩き続けるよう指示して死んでしまう。
意識が戻ったローガンは、ガンビットもケイラも誰かわからず、ただその場から立ち去るだけだった。

なお、脱出ミュータントたちは、エグゼビア(=プロフェッサーX、パトリック・スチュアート)に救出される。
ストライカーは、その後、将軍殺害の罪で逮捕される。

**

まずまず。

映画を見る前は、骨をアダマンチウムで置き換えたら、 骨髄の造血機能が損なわれてしまうのにどうするのか、
と思っていたが、 液状の合金で骨を強化することになっていた。

と、すれば、折れた骨も自己回復機能で元通りになっているとしても
竹の穂先のような節くれがどうしてシャープなナイフ状になるのかは不明。

とはいえ、もともとコミックだし、ミュータントの物語だから多少の無理は承知。

X−MENの他のミュータントのアクティブな能力に比べ、 パッシブな能力が売りのウルヴァリンは
どちらかと言うとやや地味だが、 ヒュー・ジャックマンのおかげで魅力たっぷりになっている。

**

コミックの設定とは、多少違うようだが、 もともとコミックも生い立ちや経緯が後付けの部分もあるようだから、
これもまたそのバイオグラフィーのひとつといっていいのかもしれない。

ケイラのほか、デッドプール(ウェイド)、ガンビット、エマ・フロストなど、
従来のX−MEN映画では、知られていないミュータントもたくさん出ている。

なお、続編が2011年公開で計画されている。
また、「デッドプール」(ウェイド・ウィルソン)が、 ライアン・レイノルズ主演で2011年公開で計画されている。
また、「マグニートー」もキャンセルされていないようだ。
 

 

 

 

 トランスポーター3 アンリミテッド  

トランスポーター・シリーズ第3弾。
配給元はかなり力が入っていると見えて、ご丁寧に第1作、第2作のダイジェストでフランク・マーチンがどんな男かを説明。

ジェイソン・ステイサム、フランソワ・ベルシャン、ナタリア・ルダコワ

**

1作目では闇家業の運び屋フランク・マーチンと、その闇の部分に肉薄する刑事タルコーニ。
2作目は誘拐犯を追うフランク・マーチンに協力するアメリカに休暇で来た刑事タルコーニ。
今作ではもう完全に友人となってまた南フランスでのんびり釣りをする二人。

そこへ、マルセイユでアウディが検問を突破して逃げたとの連絡。
真っ先に疑われたのはフランク・マーチン(ジェイソン・ステイサム)だが、ここでタルコーニ(フランソワ・ベルシャン)と釣り。

助手席の女性とアウディを駆って検問を突破し、逃げようとしたのは、フランク・マーチンの友人、マルコム・マンビーユだった。

その夜、TVを見ているマーチンの自宅にアウディが突っ込んでくる。
マルコムは銃で撃たれ重態。腕には変な金属のブレスレット。
フランクは救急車を呼ぶが、マルコムは薄れいく意識の中で車から降りることを嫌がる。
フランクは同乗していた女性もつけていたブレスレットの危険に気づき、救急車を追うが爆発してしまう。

マルコムは、以前フランクが仕事を断ったときに紹介した男だった。

フランクは再度の依頼を断るが拉致され、腕にブレスレットをはめられる。
それは車に取り付けた発信機と距離を測っており、75ft(約22m)はなれると爆破する仕掛けだった。
責任を取って女と一緒に荷物を運ぶことになった。

行く先はブタペスト、ブカレスト、ウクライナと次々と指定される。
最初はフランクを毛嫌いしていた女だったが、徐々に打ち解けバレンティナと名乗る。

実はウクライナの環境大臣の娘で、エココープという産廃処理業者が汚染物質をウクライナに持ち込むのをOKさせるため、
犯罪組織のジョンソン(ロバート・ネッパー)に娘バレンティナの誘拐を依頼したのだった。

フランクは、爆弾をはずそうとして整備工場で格闘したり、車を乗り逃げされそうになったのを奪取したり、
大臣が手配した追っ手とのカーチェイスなどをかいくぐって、ついにジョンソンにバレンティナを引き渡す。

そして自身は車ごと湖に突っ込み、奇抜なアイデアで車から離れずに脱出する。
一方、フランクが死んだと思い込んだジョンソンは、環境大臣に身元がばれたことから車ではなく列車で移動を試みる。

フランクは、車で列車を追い、橋の上から列車の上に飛び乗ってジョンソンを追う。
フランクは一味の大半を倒すが、ジョンソンは75ft以上離れていて手が出せない。
ジョンソンは列車を切り離して逃げようとする。

フランクは、車に戻って切り離された先の車両に突っ込みジョンソンを倒し、ブレスレットの鍵を奪う。
逆にブレスレットをつけられたジョンソンは爆死、バレンティナの救出を知った大臣はエココープの犯罪を暴露、
汚染物質を乗せた船は逮捕されて一件落着。
バレンティナもマルセイユでフランクとタルコーニと一緒に休暇を過ごす、めでたし、めでたし。

***

森の中のカーチェイスもすごいが、カーアクションは単なるカーチェイスにとどまらない。

橋の上から下を走るトラックに飛び乗る、ビルからビルへ飛び移るなどはすでにこなした。
今回は、橋の上から列車、列車から列車、橋から湖にダイブ、とこれでもかのカーアクション。

ナタリア・ルダコワは、ロシア人。17歳のときに両親とともにニューヨークに移住。
美容師として働いていたが、道路横断中にリュック・ベッソンが見つけ出し、抜擢されたという嘘のようなお話。
もし、次作があるとして、出るんですかね。
それとも、ボーンのマリーみたいな運命をたどるんでしょうか。

 

 

 アドレナリン ハイ・ボルテージ   

ジェイソン・ステイサム、エイミー・スマート、エフレン・ラミレス、ドゥワィト・ヨーカム。

**

シリーズ第2弾、というより、前作「アドレナリン」の続き。

前作は未見だが、かいつまんで言うと、中国人マフィアに「中国毒」を注射されたシェブ・シェリオス(チェブ・チェリオス)が、
毒を押さえるために「アドレナリン」を出しまくるという設定。
最後には敵兄弟の一人と格闘になってヘリから落下、路上の車のうえに激突して地面に落ちるところまで。

今回はまったくその続き。

地面に落下したシェリオスだが、実は死んでいなかった。
直後、中国人マフィア軍団が、瀕死のシェリオスを連れ去り、治療する。
しかし、それは回復させるためではなく、臓器を摘出するためだった。

最初に取り出されたのは心臓。
代わりにバッテリー駆動の人工心臓が埋め込まれる。

次に彼らが狙ったのはシェリオスの股間。
それに気がついた彼は、医者連中をなぎ倒して脱出する。

しかし、体に巻きつけられたバッテリー。暫くすると電池が切れそうになる。
前作にも登場した医者のマイルズに電話、人工心臓の正体がはっきりする。

暫くは車の電源から充電するが、悪がきに競争しようとあおられて、コンクリートに激突し、バッテリーが破損してしまう。
マイルズ医師によれば、内蔵電池は1時間しか持たず、体外からも充電可能だという。

シェリオスは途中で昔の恋人イブ(エイミー・スマート)に出会ったり、
前作で死んだカイロとそつくりの双子の弟ビーナス(エフレン・ラミレス)とも遭遇。
心臓を盗んだと思われる中国人を追う。

途中途中でいろいろと充電方法を駆使しながら、挙句の果ては競馬場でセックスしたり。
結局、追っていた中国人はシェリオスの心臓を持っておらず、そのボスに移植されてしまった後だった。

マイルズ医師はダーク・チョコ(前作のチョコレートとは別人)を使って、ボスのプーン・ドンを拉致する。

一方のシェリオスは、シェリオスの臓器を売ったエル・ウロン(=フェレット、クリフトン・コリンズJr.)に拉致される。
エル・ウロンは、前作でシェリオスにやられたベロナの兄弟だった。

シェリオスを助けに来た仲間とエル・ウロンの一味との壮絶な銃撃戦の中、シェリオスは電柱から直接高圧を体に取り込み、
炎に包まれながらエル・ウロンを倒す。
しかし、自身も火だるまの全身やけどで倒れてしまう。

シェリオスは、マイルズ医師の手によって、心臓と人工心臓を取り替えてもらうが、
その後の電気ショックにも心臓は動かず、マイルズ医師やイブは失意のうちに病室を出る。

しかし、シェリオスは生きていた!

**

カメラワークや編集の仕方は実験的というのか監督/編集者の趣味というのか、やりたい放題。
好き嫌いの分かれるところだとは思うが、かなりはじけている。

ハチャメチャといっても良いかもしれない。
ひょっとしてB級アクション・コメディ。

前作、「アドレナリン」(原題:Crank、全米公開2006/9/1、日本公開2007/7/7)から2年半、
(2009/4/17全米公開、日本は2009/9/26)経過しているにもかかわらず、話は「続き」で、
劇中、シェリオスが昏睡状態にあった時間を加味しても4ヶ月ほど後のことである。

多くの人物が前作のままのキャスティングで、ほとんど説明もなく話が展開するため、
前作未見の者にとって、人物関係はちんぷんかんぷんである。

多分に「トランスポーター3」を意識していると思われる。
パロっていると思われるシーンもいくつか出てくる。

**

エイミー・スマートは「バタフライ・エフェクト」のケイリー。

いかれた中国人娼婦の役でバイ・リン(パイ・リン、白霊)が出ている。
どっかで見たと思ったら「ワイルド・ワイルド・ウエスト」に出ていた。

 

 

 くもりときどきミートボール     

ソニー・ピクチャーズ・アニメーションの3Dアニメ。
RealD−3Dの吹き替え版にて鑑賞。

**

大西洋に浮かぶ小さい島「スワロー・フォールズ」
いわしが特産だが、人々に飽きられて人気が落ちてしまった。
市長は「いわしランド」なるアミューズメント施設で町の復興を目指している。

フリント・ロックウッドは、小さいころからいろんなものを発明していたが、ちょっとずつ欠陥品。
大人になった今も自宅の庭の研究室で発明に励んでいる。

フリントは水から食べ物をなんでも合成する機械「食べ物製造マシン」を発明。
実験もあと少しでうまくいきそうなところまでこぎつけるが、電力不足で失敗する。

サムは、TVの天気予報担当を目指す見習いだが、なかなかチャンスがやってこない。

そんなある日、スワローフォールズから「いわしランド」開場のニュースが入り、サムが特派員として送り込まれた。
市長がセレモニーを進める中、フリントは発電所からの大電力を直接「食べ物製造マシン」につないだ途端、
機械は大暴走し、セレモニーをぶち壊した挙句、大空高く舞い上がってしまった。

失意で落ち込むフリント、中継失敗したサムとけんかになるが、そのとき空から降ってきたのはハンバーガー。
空に舞い上がったマシンが雨雲をひきつけてハンバーガーを作り、降らせたのだ。

次々とメニューコマンドを打ち込むフリント。
町中の人々からリクエストを受けて食べ物を降らせる。
サムも食べ物の雨のレポートで大忙し。

市長も世界中から観光客を呼び寄せる方針に変更。
フリントを巻き込んで盛大な開会式を催すが、マシンが過負荷で暴走を始める。

フリントは早速、空飛ぶ車を作り、サムとTVクルーのマニー、それにオイル・サーディンのCMタレントだったブレントと、
巨大要塞化した「食べ物製造マシン」に乗り込んでいく。

マシンは自己防衛反応でフリントたちを撃退しようとするが、ついにフリントはマシンまで到達。
しかし、マシン停止コマンドを入れ込んだUSBメモリを落としてしまい、
IT音痴のパパに研究所へ行って停止コマンドの入ったファイルを携帯に送信させるが、
送られてきたのは猫の画像だった。

一方地上では次々と降る巨大食べ物から逃れるため人々が食べ物で組み立てた船を出そうとしていたが、
余った食べ物の山が決壊して人々に襲い掛かるが、間一髪で助かる。

危機一髪でフリントはマシンを破壊し、大空に散る。
戻ったサムたちが悲しみにくれているとき、昔発明したねずみ鳥に助けられたフリントが無事帰還した。

めでたし、めでたし。

***

どうも食べ物を粗末にする設定が子供向けとしてもよろしくない気がしました。
だって、空から降ってくる食べ物の大半は、地面に落ちてごみとなるし、食べ残しのごみに対する反省もない。

それを気にしなければ、ストーリーは他愛もない子供だましだが、時々ププッと吹くような場面もあった。
原題は「Cloudy with a chance of meatballs」同名の子供向け小説があるが、
ある村では食べ物が空から降ってくるが、だんだんとひどくなり、とうとう人々はパンの船で村を脱出する、
というような展開らしい。

一応、原作本になっているが、その話に尾ひれはひれくっ付けて作ったストーリーのようだ。

***

日本公開はすべて3Dの吹き替え版。

最近の技術を使った3Dは初体験。
いくつか方式があるようだが、見たのは円偏光を使ったRealD方式だった。
めがねも軽くかけて負担にはならないし、顔を傾けても立体視がずれるようなことはない。

 

 

 アンを探して    

穂のか、吉行和子、ロザンナ、ダニエル・ピロン

**

カナダ、プリンス・エドワード島。
「赤毛のアン」の舞台となり、その作者のL.M.モンゴメリーが住んだ島でもある。
いつか孫娘が大きくなったら、一緒にこの島を訪れたい、そんな願いが書かれたノート。

その島に一人の日本人少女、杏里(アンリ、穂のか)が到着した。
出迎えに来たのはイタリア生まれ、日本育ちと語る佐藤マリ(ロザンナ)。
のどかな田園地帯の中で、Mrs.SugerのB&B(Bed&Breakfast、朝食付きの民宿)を営んでいる。

この時点ではなぜ、杏里がこの島に単身やってきたのかは語られない。
わかるのは彼女が祖母、静香(吉行和子)からの動画メールを大事に取っていることくらいだ。

マリの隣家にはちょっと変わったジェフ(ダニエル・ピロン)が一人で暮らしている。
嫌がらせをしたり嫌味を言うわけでもないが、マリには少し煙たがられている。

杏里は、翌日から一人で灯台めぐりをするという。

あらかじめ持参した写真と同じ形の灯台を見つけ、近くに住むはずの元軍人の消息を尋ねるが、
その付近は新興住宅ばかりだという。

マリに聞くと、似たような灯台が島中に50はあるという。
杏里はそれを出来るだけ多く回りたいと言った。

物語が進むにつれ、徐々に杏里の境遇が明らかになってくる。
祖母の静香は、マリらと旧知の友人で、杏里とPEI(プリンス・エドワード島)を訪れるのを楽しみにしていたが、
その目前に交通事故でなくなってしまい、悲しみから抜けきれない杏里は、心を閉ざしてしまっている。

何かと心配して杏里の世話を焼くマリだが、近所の人々は逆に男っ気のないマリの身を心配している。
ジェフが、マリの気を引く役回りを買って出るがマリは相変わらずそっけない。

杏里が灯台をめぐる目的はこうだ。
1946年、日本に派遣されたカナダ兵、当時17歳の静香に「赤毛のアン」を教え、1年ほどで去っていった男。
静香と男性はアンとギルバートと呼び合っていたらしい。
ほかにはPEIの灯台の近くに住んでいたことと、ピースローズを愛しバラに詳しいことくらいしか手がかりがない。
杏里はその男性を探し出し、帰国した真意を確かめ、静香のラブレターを渡したいと考えている。

何日か後、杏里が夜遅くまで帰ってこない。
心配したマリは、ジェフに助けを求め、ジェフの(義理の)息子ライアンが、怪我した杏里を見つける。

翌日、ライアンからの電話で杏里の本当に目的を知ったマリは、杏里が水臭いとなじる。
逆に、祖母の静香のことを何も知らなかった自分を責める杏里、ここで初めて杏里とマリは心を通わせることが出来る。

ライアンは、友人で地元ラジオ局のDJに人探しを手伝ってもらおうと提案するが、杏里は断る。

翌日から、マリも加わって「ギルバート」探しが始まるが、進展が見られない。
そしてついに杏里の帰国の日が近づいてくる。

マリは友人たちを招待して、杏里のさよならパーティを開く。
そこで杏里は、本当は「ギルバート」に密かに渡したいと思っていた静香のラブレターをPEIの人々に呼んで聞かせる。
パーティに来ていた友人のDJは、杏里のスピーチとラブレターの物語をラジオに乗せて協力を要請した。

ついに、連絡の電話がマリ宅に入り、マリ、ジェフも伴って杏里は灯台近くのバラ園を訪ねる。

ジルベルト、バラのエキスパートで1946年に日本に行っていたカナダ兵。
彼の写真は一枚も残っていなかった。
赴任地の広島で被爆し障害を起こしたため、鏡すら置いていなかったという。

ジルベルトはフランス系の名前で英語ではギルバートになる。
ほとんどの状況証拠は彼こそが本人だと告げていた。
しかし、いまひとつ確信が持てない杏里。
彼女は本当にギルバートが静香を愛してくれていたかどうかがわからない。

ギルバートの墓。
そこにはバラが植えられていたが、それはピースローズではなかった。

彼の遺言によってそこに植えられたバラ、
ギルバート自身によって品種改良されたその花の名は「ビューティフル・シズカ」だった。

***

口幅ったい言い方ですが、なかなかよかったです。
序盤は事情が飲み込めず、杏里の境遇については疑問でしたが、余計な説明シーンがなく、
徐々に分かっていく展開はそれで十分でした。

また、吉行和子の登場が携帯の中に限られ、杏里との絡みがないのも印象的でした。

途中、宿に来る日本人姉妹のエピソードがあるのですが、感想では端折りました。
よくあるシチュエーションでしたが、けして無駄なエピソードではありませんでした。

主演の穂のかは、ぱっと見の印象は松たか子を若くしたような感じです。
えっ、松たか子、今でも若い?
もちろん、それに異論はありませんが、実年齢は一回り違うので。

最初は演出でしょうが、優柔不断でうじうじしているように見えて、真逆の姉妹の妹の美花とともに
日本人がみんなこんなだと思われたら嫌だなと思ってましたが、だんだんと強くなっていく感じでした。

祖母が亡くなったとはいえ一人でカナダまで、は疑問でしたが、終盤に祖母が唯一の肉親だったと語られます。
日本に帰ってからのこの未成年の行く末を心配するのは余計なお世話でしょうか。

ギルバートとは結局会えなかったわけですが、彼は1920−2005と長生きでした。
一度くらいは静香を探そうとしたのでしょうか。

ロザンナは「ヒデとロザンナ」のロザンナ。
最愛の日本人の旦那を亡くし一人で健気に生きて来た設定が、本人の実生活とダブって見え、ちょっと物悲しい。

 

 

 正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官    

ハリソン・フォード、クリス・カーティス、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド、アリス・イブ

***

チラシや予告からは、不法移民とそれに絡む移民局の不正をハリソン・フォードが暴くサスペンス、
なんて思ってましたが、まったく違いました。

いくつかの国からいろんな事情でアメリカにやってきた不法/合法移民たちの抱える矛盾、
自由の国、移民の国アメリカの非情、無情、矛盾を暴露するオムニバス映画、でした。

最初に少し整理しておきましょう。

どこの国でも無条件に外国人労働者を受け入れ、自由に仕事をさせているわけではありません。
逆に言うと、どこの国へ行っても、無条件に就業できるわけではありません。
不法入国はもちろん、入国査証(ビザ)の許す範囲を逸脱して就労することは禁じられています。

アメリカも同様で、いくつかレベルというか、種類があるようで、
短期の就労ビザから、永住許可、帰化などがあります。

この映画では、永住許可=グリーン・カード、と帰化=アメリカ国民になる事例を扱っています。

国民、といえば国籍ですが、アメリカは生地主義を取っており、
アメリカ国内で生まれた人は、親が国民であるなしにかかわらず、アメリカ国籍となります。

日本は血統主義を取っているので、原則日本人の子は日本人です。
ですから、日本人が旅行中にアメリカで出産したような場合は、二重国籍となることがあります。

**

移民局のベテラン捜査官、マックス・ブローガンと相棒のハミード・バラヘリ(クリス・カーティス)が主たる役割を果たす。

ハーミッド自身がイランからの帰化移民、家族には帰化宣誓式を間近に控えた父、すでに帰化した弟、アメリカ生まれの妹などがいる。
その妹、ザーラ(メロディ・カザエ)は、コピーセンターで働いている。
店長は妻子がありながらザーラと不倫している。また、裏ではグリーン・カードや身分証の偽造を行っている。
その客、グリーン・カードの偽造を依頼した一人にオーストラリアからの旅行者で不法滞在のクレア(アリス・イブ)がいる。
その恋人、ギャビン(ジム・スタージェス)は南アフリカからの移民ユダヤ人、音楽の才能はあるがユダヤ教については良く知らない。
クレアはグリーンカードの判定官コール・フランクル(レイ・リオッタ)と不倫関係に陥る。
コールの妻、デニス(アシュレイ・ジャッド)は、移民関係のトラブルを扱う弁護士で、ナイジェリア人の孤児の担当。
バングラデシュ移民のタズリマ(サマー・ビシール)のトラブル相談にも乗っている。
タズリマはムスリムで、父母と自分は不法滞在、弟と妹はアメリカで生まれた。

このほかに韓国からの移民でやはり帰化宣誓式を待っているキム一家とその長男キム・ヨン(ダスティン・チョン)。
メキシコから幼い息子ホアンを連れて密入国しているメキシコ人のミレア(アリス・バラーガ)も話に加わってくる。

**

以下、映画進行のシーケンスとは異なります。

マックスとハミードは、移民局の捜査官。密入国、不法就労、不法滞在などの摘発を行っている。

ある日、縫製工場への立ち入りで、逃げ惑う不法就労者を摘発する。多くはメキシコからの密入国者。
その中の一人、ミレア・サンチェスは、マックスにつかまり、息子を預けていると嘆願するが、無視される。
しかし、マックスはその言葉が気に係って寝られず、結局は借金の肩代わりまでして息子のホアンを引き取り、
仕事を休んでメキシコの実家に連れて行く。
実家には年老いた父と母、一旦は強制送還になったミレアだが、子供が心配だとして再び越境して行ったと言い、
それ以降の足取りはマックスにもつかめない。

ハミードは妹のザーラを勤め先のコピーセンターに尋ねる。
イラン人の父がやっと帰化申請をして、帰化宣誓式を記念してのホームパーティに連れ帰るためだった。
パーティでは、妹は奔放でイラン人の一家からは恥さらしだと思われている。
ハミード自身と弁護士の弟はすでに帰化しているが、アメリカを嫌っていた父がやっと帰化することになったというのだ。

ザーラはコピーセンターの店長と不倫していた。
また店長は、裏でグリーン・カードなどの偽造を行っていた。

偽造を依頼に来たクレア・シェパードはオーストラリアから観光ビザで入国し、女優を目指していた。
TVのレギュラーをつかめそうになった今、グリーンカードがどうしても必要だった。

クレアの恋人、ギャビン・コゼフは南アフリカからの移民。
音楽で身を立てたいと思っているが、グリーンカード取得のために友人の紹介でユダヤ人学校でバイトしようとしている。
丸暗記のヘブライ語の歌を聞かせ、先生や生徒の人気は得るが、実はユダヤ教もヘブライ語もチンプンカンだった。
夜はバーで弾き語り、クレアが役をもらえそうなことは素直に喜ぶが、グリーンカードの偽造には憤慨する。

クレアは滞在許可の延長申請の審査状況を聞きに移民局へ行くが、申請した証拠の書類がなく対応してもらえない。
頭にきて車を出そうとして、移民判定官のコール・フランクルの車にぶつけてしまう。
コールはクレアが不法就労だということを見抜き、グリーンカード判定合格させることを条件にクレアの体を要求する。
若い女性の体に狂喜するコールだが、クレアはただ我慢するだけだ。

コールの妻、デニスは移民トラブル関係の弁護士。
今はナイジェリア人の孤児アリーク(と入っても母親はエイズで瀕死、父は認知拒否)を担当している。
デニスは、里親の見つからないアリークを心底心配し、幼女にしたいと言い出す。

そのデニスにバングラデシュ人、ジャハンギール夫妻が相談に来る。
ジャハンギール一家は15歳の娘タズリマが3歳のときに夫妻でアメリカにやってきた。
その後アメリカで弟と妹が生まれたが、タズリマと両親は不法滞在のままだ。
そのタズリマが、学校で9.11テロ犯の心情が理解できると発表し、総スカンを食らう。
そして、彼女の意思、意図に関係なく、学校関係者からの通報でテロを容認する危険人物としてFBIに拘束される。
FBIはタズリマとその両親が不法滞在であることを知っており、それを口実にタズリマを拘束したのだった。
FBIは、デニスの訪問を受けるが、断固たる態度を変えない。
そしてこう提案した。
ジャハンギール一家全員が自発的に国外退去すること、あるいは裁判で争い強制的に国外退去になること、
そして、夫妻のどちらかがタズリマとともに国外退去し、アメリカ国民である妹と弟は残す。
最後の場合、残った親の不法滞在には目をつぶる、というのだ。

韓国系移民のキム・ヨン(ダスティン・チョン)は18歳。
間近に帰化宣誓式を控えているが、斜に構えて帰化なんかしたくなかったと言って両親を怒らせる。
不良4人組に強盗に誘われ、金曜に酒屋を襲う計画の下見に行く。

これでやっと登場人物が出揃った。

ここからは彼らの物語が交錯していく。

工場で、不法就労を検査していたマックスとハミード。

ハミードに妹死亡の連絡が入る。
死体安置所で身元確認をするハミード。ザーラはコピー店店長と一緒に額を撃ち抜かれていた。
パーティでザーラに冷たくしたことを気にするハミードだったが、マックスは特に気にしていなかった。

ハミードは死体安置所のにおいが取れない、と上着をマックスの車に置き去りにする。
マックスは、その上着を韓国人キムのクリーニング屋で洗濯とにおい抜きを依頼する。
しかし、そのとき、上着から出てきたのは前日のパーティでザーラがしていたブレスレットだった。

ザーラの葬儀、涙を流すハミードにマックスはブレスレットを渡すが、ハミードは数日前に預かったと嘘をつく。

マックスは、ザーラと店長の不倫現場近くの監視カメラの映像をチェック。
毎回、同じ車が監視していることに気づき、それがハミードの弟の車だと突き止める。

ザーラの死に気持ちの休まらないハミードは酒をあおり、帰宅途中たまたま見かけた酒屋に入る。
そこはキムとその不良の友人が襲おうとしていた酒屋だった。
一味5人は、銃を持って酒屋に押し入り、店主に金庫の鍵を出せと迫り、射殺してしまう。
銃は撃たない約束だったのに、と焦るキム・ヨン。
ハミードと一味は銃撃戦になり、キム以外の4人は撃ち殺される。
ハミードはキムと対峙するが、キムが明日帰化宣誓式を控えていることを知り逃がす。
店主の妻は強盗が5人組だったというが、一部始終を見ていた客の一人が強盗は4人だったと証言し、ことは納まる。

クレアはギャビンにグリーンカードの代償に体を出していることがばれ、仲たがいする。
コールは、デニスと離婚し、クレアとちゃんと付き合いたいと言い出すが、体だけの相手だといわれて愕然とし、
グリーンカードの許可は約束して去っていく。

クレアは殺されたコピー店店長に依頼した偽造グリーンカードから本物のグリーンカードの申請事項の嘘までばれてしまい、
当局に追及され自主退去となるが、コールの不正を白状したため、コールは逮捕される。

帰化宣誓式の日、参列するハミードにマックスは妹殺害の嫌疑をかけ追及する。
ハミードは弁護士の弟がザーラを監視していて、不倫現場に乗り込み、度が過ぎて射殺してしまったと告白、弟は逮捕される。

タズリマと母は国外退去を選び、父と弟妹を残してアメリカを去る。
一方、デニスはアリークを引き取る。

暫くして、新しい相棒と立ち入り現場で待機していたマックスに、国境付近でミレアの死体が発見されたことが伝わる。
マックスはミレアの残した財布を持って、実家に慰めに行くのだった。

**

 

 

 96時間  

リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイス。

**

ブライアン(リーアム・ニーソン)は、一人暮らしでつつましい生活をしている。
一人娘の夢を見たり、アルバムを見て暮らす毎日だが、ビヨンセって誰?というくらいの世間知らず。

何度も通った電気屋でやっと買った小型のカラオケプレーヤーを持って、娘の17歳の誕生パーティに出かける。
そこは大金持ちの家。
元妻のレノア(ファムケ・ヤンセン)に疎ましがられながらも、娘のキム(マギー・グレイス)にプレゼントを渡す。
父を暖かく向かえ、プレゼントに素直に喜んでくれる娘。
しかし、今の父親、スチュアートの誕生日プレゼントはなんと本物の馬。

帰宅すると、サムたち友人が訪ねてくる。
政府機関のエージェントとして家庭をないがしろにし、妻と娘に捨てられたブライアン。
娘の信頼を取り戻すため、仕事を辞め娘の家の近くに住んでいる。
サムは、ブライアンに人気歌手サラ(ホーリー・バランス)の警護の仕事に誘う。
それは一人悶々としているブライアンの気を紛らわせるためでもあった。

翌日、サラの警護。
娘が歌手を希望しているというブライアンの言葉にそっけない返事を返すサラだったが、
変質的なファンの攻撃から守ってくれたブライアンに感謝の意味をこめて、娘の歌唱レッスンを提供すると言ってくれた。

翌日、キムから食事の誘いがあり、サラの提案を教えて娘を喜ばせようとするが、レノアを引き連れてキムがやってきた。
パリへ旅行に行くので実父の許可が要るというのだ。
同行するのは友人のアマンダ、19歳で、パリ在住の彼女の従妹宅に滞在するという。
承諾書にサインを渋るブライアンに、その場を立ち去ってしまうキム。

翌日、サインをした承諾書を持ってキムを尋ねるブライアンは、電話をすること、連絡先を知らせることなど、
いくつかの条件を出してOKする。
そこでも、昨日サインすべきだったといやみを言うレノアに、事前に相談すべきだったと切り返すブライアン。

空港まで送っていったブライアンは、娘の「パリ滞在の美術館めぐり」が嘘で「ヨーロッパツアーの追っかけ」が目的だと知る。

ブライアンはレノアを責めるが心配しすぎと相手にされない。ブライアンはキムに電話を念押しして空港を離れる。

パリに着いたアマンダとキム。
空港でのタクシー待ちで、タクシー代節約のためとピーターという青年と同乗する。
従妹のアパートは空(一家はスペイン旅行中)で、夜の誘いも軽くOKするアマンダにキムは不安を感じる。

一方、一向に電話のかかってこないキムに業を煮やしたブライアンは何度もキムに電話をかける。
やっと電話に出たキム、静かな部屋に移ってブライアンに話しをしていたとき、暴漢が侵入してアマンダを拉致する。

その様子を見てしまったキムは突然のことで驚きながら、ブライアンの指示通りに隠れる。
しかし、ブライアンはお前も捕まる、と言い放つのだった。
果たして、キムは発見され、「180センチ、ひげ、右手首に星と月の刺青」と言い残して拉致される。

「お前が誰かは知らないし、目的もわからない。娘を放せば忘れてやるが、そうでなければ必ず探し出して殺す。」
と言うと、電話を拾った男は「GoodLuck」と言い残して電話を壊す。
ブライアンは録音した内容の解析をサムに依頼する。

そして、レノアの家を訪ね、キムが誘拐されたことと、一味がアルバニア人犯罪組織で人身売買が目的で、
猶予が96時間しかないことを告げ、スチュアートのプライベート・ジェットでパリに行く。

パリではまず拉致現場のアパートに行き、状況を確認。
壊された携帯のSIMカードを確保、写メデータから空港で会った男、ピーターの顔を知り、探す。
空港でピーターは見つけたものの逃し、ピーターは逃走中にトラックにはねられて死ぬ。

手がかりをなくしたブライアンはフランス当局の友人、ジャン・クロードにアルバニア人犯罪グループの状況を聞くが要領を得ない。
ジャン・クロードは逆に部下にブライアンを尾行、監視させる。

ブライアンは、一味の目的が売春にもあることから、いわゆる立ちんぼの監視役に目をつけ、
アルバニア人通訳を雇って会話を訳させる。

「建設現場で新商品がトラブルを起こしている」
監視役の後を追ったブライアンは建設現場の掘立小屋に売春組織を発見。
娘のジャケットを持っていた薬漬けにされた売春婦の一人を助け出し、監視役らをブチ殺す。

ジャン・クロードは建設現場の事件をもみ消す代わりにブライアンをアメリカに帰すというが、彼は姿を消す。

ブライアンは助け出した女性を解毒し、連れ込まれた家を聞きだす。
「パラダイスの赤い扉の家」それはつまり「パラディ通り」(Le Paradis)
ジャン・クロードの名刺を使って組織の家に乗り込んだブライアンは、ハッタリをかまして一味が警察と癒着していることを知る。
そして、アルバニア語で書いたメモを見せ、一味の一人、マルコに訳させる。
「GoodLuck」その声は紛れもなく、ICレコーダーで何度も聞いて覚えた声だった。

大乱闘と銃撃戦の末、一味を皆殺しにし、現場にいた男、マルコを拉致したブライアンは、
マルコを拷問し、キムを売り飛ばした相手、サンクレアの名前を知る。

ジャン・クロードのアパートを訪れたブライアンは、何も知らない彼の妻、イザベルの前で、警察の不正を罵り、
イザベルを撃って脅し、ジャン・クロードからサンクレアの正体を聞き出す。

警官の身分証を偽造して、サンクレアのパーティにもぐりこんだブライアンは、そこで人身売買の現場に遭遇、
娘が競りにかけられるのを見て、客の一人に競り落とさせる。
しかし、娘を連れ戻そうとした瞬間、サンクレアの部下に捕まる。

サンクレアは娘を返せと言うブライアンを無視して殺せと命令するが、ブライアンは逆襲して部下を皆殺し、
サンクレアに娘の居場所をはかせる。

買い手はセーヌ川沿いの大型ヨットにいる。
ブライアンは一味の車を奪って、道を逆送しながらもヨットに追いつき、橋から飛び乗って一味と銃撃戦になる。
ほとんどの敵を倒し、負傷しながらナイフの使い手も倒したブライアンは、ついに富豪のキャビンに到達。
取引を申し出る富豪をあっさり射殺して娘を奪還した。

無事アメリカに帰還したブライアンとキム。
レノアにも感謝はされながら、なぜか釈然としないブライアン。

後日、キムを最初の方に出てきたサラに引き合わせて、娘の喜ぶ顔にご満悦になるのだった。

***

いわゆるジェットコースタームービー。
さすが、リュック・ベッソン、息つく暇も与えない。

どこかのサイトに「究極の親ばか」みたいなことが書いてあったけども、愛情が行き過ぎて過激なまでに非情な父親。

あれで普通の人間なら、単なる子離れの出来ない親ばかだが、エージェント時代の能力を生かして、難問を解いていく。
次々にヒントを解いて、核心に迫っていく手法はありきたりではあるが、優しい顔してやることはひどいところが斬新。

人を殺すことも躊躇せず、現場を収拾することもしないので、犯行もばればれ。
良くアメリカに帰れたものですが、娘の解放のためとはいえ、結果的に犯罪組織を壊滅させた「闇の処刑人」といったところだから、
超法規的措置があったのだろうか。

 

 

 20世紀少年−最終章− ぼくらの旗  

本編の開始前に数分にまとめられた、第1章第2章のダイジェストが流れる。

ケンヂたちは、小学生だった1969年、原っぱに秘密基地を作り、「よげんの書」を書き上げた。
30年後「ともだち」と名乗る教祖によって予言の書と同じ出来事が引き起こされ、
2000年12月
31日、後に「血のおおみそか」と呼ばれるウィルスによるテロが発生する。
ケンヂは、仲間とともに「ともだち」を倒そうとするが、テロリストの烙印を押されてしまう。

2015年、ケンヂの姉、貴理子の娘だったカンナは高校生に成長していた。
「ともだち」の秘密を探るためともだちランドに潜入し、理科室の謎に触れる。
ケンヂは「血のおおみそか」で死んだと思われ、仲間もバラバラになっていた。
そんな中「しんよげんの書」の存在が明らかになり、新宿でともだちはヤマネに射殺されるが、
万博会場で復活し「神」とあがめられる。
しかし、再びウィルスによる殺戮が行われ、人類の半数が死んでしまった。

***

ここで、本題に入る前にケンヂの仲間についておさらいしておこう。

ケンヂ(遠藤健児):唐沢寿明
オッチョ(落合長治):豊川悦司
ユキジ(瀬戸口雪路):常盤貴子
ヨシツネ(皆本剛):香川照之
マルオ(丸尾道浩):石塚英彦
ケロヨン(福田啓太郎):宮迫博之
コンチ(今野裕一):山寺宏一
モンちゃん(子門真明):宇梶剛士
ドンキー(木戸三郎):生瀬勝久
フクベエ(服部哲也):佐々木蔵之介

ヤマネ(山根昭夫):小日向文世
サダキヨ(佐田清志):ユースケ・サンタマリア
ヤン坊・マー坊:佐野史郎

これまでに何人かが死んでいる。

ドンキーは物語の中では最初に「ともだち」に「絶交」される。
フクベエは「血のおおみそか」の混乱の中で墜落死する。
モンちゃんは「しんよげんの書」を見つけるが、刺殺される。
サダキヨはともだち
ヤマネは、新宿でともだちを射殺するが、13番に狙撃されて死ぬ。

***

そして、第3章、ともだち暦3年(2017年)
ともだちは、ウィルス対策のため東京に巨大な壁を設置、世界大統領として君臨していた。

オッチョと漫画家(森山未来)はその壁を越え、東京に侵入した。
しかし、発見され地球防衛軍に追われているところを姉(福田麻由子)と弟に助けられる。

そこでオッチョはこの2年間に起きたことを聞き、「ともだち」が8月20日に人類が滅亡することと、
自分を信ずる者だけが助かることを宣言していたこと、
それに対決する「氷の女王」ことカンナ(平愛梨)の蜂起呼びかけを知る。

オッチョは、新宿の教会の隣のボウリング場に神様(中村嘉葏雄)、神父(六平直政)らに会い、
反政府組織の「ゲンジ一派」を率いるヨシツネ(香川照之)が、
蜂起を止めるためカンナに会おうとしていることを知り、反対する。

「ヨシツネがともだちかも知れない。」

オッチョは単身「氷の女王」のアジトに潜入し、ラジオからかすかに流れるケンヂ(唐沢寿明)の歌声を聞かせ、
8月20日の武装蜂起中止を説得する。
その曲は、遠く北海道でコンチ(山寺宏一)がケンヂの曲と知らずにかけていたものだ。

そして、そのケンヂはバイクを駆って東京の関所近くにやってきた。
ケンヂは、漫画家うじきうじおに手形(通行証)を偽造させ、関所を突破する。
そこの事務所では、万丈目(石橋蓮司)が飲んだくれ所長となっていた。

万丈目はともだちに関所に追いやられたことを愚痴るが、ケンヂはそれを甘えと糾弾し、
自身は「血の大みそか」以降、記憶喪失となって放蕩、記憶が戻ってからは北海道をさまよい、
コンチの放送局にカセットテープを投稿したことなどを話す。

国民的歌手の波春夫(古田新太)と行動を共にしていたマルオ(石塚英彦)は、
カンナの母でケンヂの姉、貴理子(黒木瞳)の行方を見つけ、会いに行く。
そこはケヨロン帝国、ケロヨン(宮迫博之)が仕切っていた。
細菌防護服に身を包み、実験室に行くと、そこでは貴理子が新型ウィルスのワクチン製造と、
自分を利用した効果テストをおこない、その効果が確かめられた。

地球防衛軍は、カンナのアジトを発見して突入してくる。
カンナはオッチョのアドバイスを受け入れ、仲間を逃がし、自分は地球防衛軍に投降する。
カンナはともだちと会い、高須(小池栄子)がひそかにカンナに渡した銃でともだちを拉致する。
しかし、それは罠で空の銃だった。
ともだちはカンナを解放するが、同時に絶交を宣言する。

徐々に8月20日が近づいてくる。
ユキジは、オッチョ、ヨシツネとともにともだちの研究所に潜入、
ヤン坊・マー坊(佐野史郎)や敷島博士(北村総一郎)の協力を得てともだちの計画を知り、ロケットランチャーを入手する。

ともだちは、「血のおおみそか」や2015年のウィルスが自分の仕業であり、
8月20日の人類滅亡も自分の仕組んだことであると飛行船を通じて放送するが、多くの人は信じない。

カンナは、8月20日の武装蜂起を断念するが、多くの都民を救うため、友達の言葉をヒントに万博会場での音楽コンサートを計画する。
コンチ、チャーリーこと波春雄、ビリー(高橋幸宏)、エロイムエッサイムズなどの参加を得て、大勢の都民が万博会場に集結する。

そして、ともだちはついに巨大ロボットとウィルスを撒き散らす空飛ぶ円盤を発進させる。
都内のあちこちに円盤から撒かれたウィルスで多くの人々が死んでいくが、
マルオはケロヨンと協力してワクチンを運搬し、多くの人に接種を行う。
巨大ロボットはあたりを踏み散らかしながら新宿に向かう。巨体ロボットには中性子爆弾が仕込まれており、
ともだちのリモコンで爆破できるようになっていた。

オッチョは敷島博士のロケットランチャーで、円盤を攻撃、1機は撃墜するが1機は逃す。
そこへ、13番こと田村マサオ(ARATA)がヘリで突っ込み、円盤を撃墜する。
ケンヂは巨大ロボットを追い、決死の覚悟でそれに乗り込み、操縦室まで行く。

そこにはともだちの姿が。

ケンヂはともだちを倒し、巨大ロボットを転倒させる。
ともだちはロボットから脱出するが、オッチョに確保され、ついにその仮面を取られる。

その友達の正体は、

それはなんとヨシツネだった。

怒るオッチョにケンヂはヨシツネはともだちじゃないと告げる。
そこへもう一人のともだちが現れる。
ヨシツネはともだちを阻止しようとして、逆にともだちの振りをさせられていたのだ。
果たして本当の友達の正体は。

お面を取ったその顔は、フクベエ(佐々木蔵之助)だった。

ケンヂはともだちに、フクベエのまねはやめろといい、謝ろうとする。
謝るな、というともだち。
再び巨大ロボットを操作して起動しようとしたそのとき、万丈目がともだちを射殺する。
万丈目は、巨大ロボットに押しつぶされて死ぬ。

ともだちがフクベエでないとすると、いったい誰なのか。

ケンヂはフクベエは5年のときに突然死んでしまっていた、
同窓会でフクベエだと思ったのは勘違いで彼も否定しなかっただけだといい、正体については濁す。

万博会場では大勢の人はケンヂの登場を待っていたが現れず、苛立ちが募っていた。
みんなが解散しようとしていたとき、ケンヂが登場し、人類滅亡の阻止を宣言、シンボルとなっていた歌を歌いあげる。

 **

物語はここで終わったかに思える。
しかし、最大の謎、ともだちはいったい誰だったのかは疑問のままだ。
ケンヂによれば、ともだちと思っていたフクベエは5年のときに突然死んでしまっていたはず。
ともだちがフクベエではありえないのだ。

では、いったい誰なのか。答えはケンヂの記憶のなかにあった。

**

ともだちランドに行ったケンヂは1969年にさかのぼることにした。
そこにともだちの正体と、じつはともだちを作ったのは自分たちの責任ではないのかという疑問があったからだ。

1969年、お面をかぶっていたのはフクベエではなくカツマタ君だった。
ジジババ(研ナオコ)に地球防衛軍バッヂの万引きで捕まった彼は、フクベエらに死刑だと罵られた。
しかし、それはちゃんと当たりくじと引き換えにしたものだった。
バッヂを盗んだのはケンヂだった。
大人のケンヂに促されたケンヂはバッヂを返し、ジジババとカツマタに謝った。

しかし、死刑で死んでしまったといわれたカツマタはクラスで徹底的に無視され、
いつしか友人の記憶に中で本当に死んでしまったことになっていた。

やがて高校生になったカツマタは、自分が要らない人間だと思って屋上から飛び降りようとした。
そのとき、放送室を占拠したケンヂのかけたレコード、T−レックスの「20世紀少年」が聞こえてきた。
カツマタは飛び降りをやめ、屋上に来たケンヂに話しかけるがお面を取れと言われてその場を去る。

大人になったケンヂは、すごすごと去るカツマタにお面を取ってケンヂに会えという。
カツマタ(神木隆之介)は再び屋上に向かい、ケンヂと話す。
曲は出来たが、歌詞が思いつかないというケンヂにカツマタは「グーダララ、スーダララ」と伝え、ケンヂは賛同。
ここで初めてカツマタに友達ができた瞬間だった。

 

 

 アマルフィ 女神の報酬  

織田裕二、天海祐希、佐藤浩市、戸田恵梨香、佐野史郎、福山雅治、小野寺昭、平田満。

**

クリスマス直前のローマ。
1台の車がホテルのフロントに着く。
降りてきた男女(織田裕二と天海裕希)はチェックインするもなぜか余所余所しい。

部屋でも会話を交わさず、男はTVの日本の外務大臣がG8でローマ入りするニュースに聞き入る。

話は12/21にさかのぼる。
ローマの日本大使館は菊原大使(小野寺昭)、西野参事官(佐野史郎)を筆頭に川越外務大臣(平田満)の受け入れ準備に余念がない。
新人(研修生)の安達(戸田恵梨香)は新任の事務官黒田(織田裕二)を空港に迎えに行くのを忘れていた。
迎えに遅れたことを散々黒田に嫌味を言われる安達。
黒田は翌日の会議でも川越大臣の警護に苦言を呈し、参事官以下、大使館の職員に嫌がられる。

黒田はテロ対策スペシャリスト。
本国から指示を出す外務官僚の片岡(中井貴一、声だけ)がいたが、それは大使館のみんなには秘密だった。

黒田と同じころ、1組の母娘(天海裕希と大森綾音)がローマに着いていた。
翌日、その母の矢上紗江子(天海裕希)から娘のまどか(大森綾音)が美術館で行方不明になったとの連絡が入る。

西野参事官は、安達を美術館に行かせようとするが、言葉の不安を感じ、黒田にも同行を命じる。
美術館で狼狽する矢上にきつい言葉を浴びせながら、監視カメラの映像を確認する黒田。
そこにはトイレに入ったまま忽然と姿を消したまどかの姿。

そこへ、まどかの携帯から母への電話。
イタリア語のわからない矢上に代わって電話に出た黒田。
相手の問いかけに「娘の父だ」と答える。
「娘は預かった、10万ユーロ用意しろ。警察には届けるな。」電話は切れた。
「お嬢さんは誘拐されました。」冷たく言い放つ黒田。

イタリアでは、誘拐犯との交渉は法律で禁止されている、金品の提供も禁止行為だ。
すぐさま警察に連絡した黒田だったが、黒田への警察の指示は「夫婦の振りをして」矢上と行動を共にすることだった。

ここで冒頭のシーンに戻る。

娘の身を案じ、警察に連絡した黒田を罵る矢上は、黒田を信用せずロンドン在住の知人、藤井昌樹(佐藤浩市)に連絡する。

翌日、警察はダミーの身代金とGPS通信機を仕込んだブローチを用意していた。
犯人からの電話があり、10分で何とか駅の3番線ホームまで来い、との連絡。
矢上と黒田は急いでそこへ行くが、今度は15分でサンタンジェロ城へ来い、との電話。
そこへ行くと今度はスペイン広場のトリニタ・デイ・モンティ教会へ来いと連絡が入る。

矢上はスペイン階段の上でもたつく間に引ったくりにかばんを奪われる。
すぐさま警察が突入し引ったくり犯を逮捕するが、そこに犯人から警察を呼んだため交渉中止だとの連絡が入る。

失意の矢上はホテルに戻り、黒田をなじるが、緊張のあまり昏倒する。
そこへ藤井がやってきた。矢上の身を案じてロンドンから急行したという。
やがて矢上は落ち着きを取り戻し、藤井はロンドンに戻る。

翌日、黒田は監視カメラに犯人のヒントを見つけるべく、教会の監視カメラを見せてもらう。
誘拐犯から引ったくりを頼まれたという男が教会で誰かと話しをしている様子が映っていたが、相手の姿は映っていなかった。

監視カメラの映像が改ざんされているのか。
黒田は警備会社のミネルバを調べるよう安達に指示するが、大使館は川崎大臣とロシアの大臣の会談キャンセルに伴う
スケジュール変更の調整でてんてこ舞いだった。

黒田の動きは通常の外交官の動きを超えているとして、イタリア内務省から日本外務省にクレームが入り、黒田は西野に叱責される。
矢上は、初めて黒田の熱心さに気づかされる。

翌日、犯人から再び電話。
それは、ローマから200キロ南、アマルフィの中央広場まで矢上一人で来い、というものだった。
黒田はアマルフィまで矢上を連れて行き、本物の現金を渡して一人で行かせる。
ローマ市警は、送られてきたまどかの写メからアマルフィ内のアジトを探す。

結局、犯人は現れなかった。
ローマ市警は現地警察とともにアジトを発見、まどかの遺留品を見つけるが犯人はいなかった。

翌日、アマルフィのホテルに藤井が現れ、矢上と二人きりで話がしたいという。
黒田は外で待つが藤井の車が汚れていないことに気づく。
ちょうど前日、20年ぶりの積雪で、ローマ市内を走ってきた車は汚れているはずだった。

監視カメラの改ざんが疑われたため、監視カメラのオリジナルを確認するためミネルバ入りした黒田、矢上、そしてローマ市警。
中央制御室でオリジナルデータを確認する。
するとそこには、トイレから連れ出されるまどかの映像が。
やはり映像は改ざんされていた。

そのとき、矢上が非常ロックボタンを押し、拳銃を取り出してメモをオペレーターに渡す。
そこには、イタリア大統領がサラ・ブライトマン(本人)の歌声を聴いているガゼルタ王宮の警備システムを止めろとあった。
それは藤井がまどかを人質に矢上に指示したことだった。

非常ロックを解除するため、外部からシステムを停止させるミネルバの社員。
いったんシステムが停止し、警備員が乱入し、矢上を確保する。
しかし、システム再起動までのわずか30秒の間にハッキングされ、警備システムはコントロール不能に陥る。

黒田は警部を捕らえて、矢上と安達とともに逃げる。
しかし、道路は交通システムを混乱させられたため、大渋滞となっていた。
車を乗り捨てて進む黒田、矢上、安達。

藤井が矢上に指示した際の言葉「クリスマスに間に合わなくてごめんね」が、時間稼ぎであり、
それが川越大臣のスケジュール変更のせいだと気づいた黒田は、フリーライターの佐伯(福山雅治)からの情報も合わせ、
ターゲットが川越大臣、場所は日本大使館だと知る。

そのとき、藤井とその仲間は、日本大使館に突入していた。
7年前、川越の強力な後押しで日本からの援助を受けた軍事政権によって、ボランティアグループの大勢が死に、
生き残りのグループメンバーが、川越に復讐を計画していたのだ。

公の前で、当時の内幕を暴露させられた川越。
川越を殺して死のうとした藤井らを説得に成功した黒田は川越を救出、藤井らは逮捕された。

黒田はイタリアから飛ばされ、菊原大使は行き過ぎが原因と語るが、西野参事官は飛ばされたのではなく呼ばれたのかも、とつぶやく。
矢上に別れを告げた黒田は、一人片岡からの指示で南米に飛ぶのだった。

**

警備システムへのハッキングがあんなに簡単かとか、信号システムまで同時に混乱させられるなんて本当か、などは
比較的テンポがいいため、見ている時は気にならない。

多少展開でもたつく場面はあるが、総じてテンポ良く、間合いも適度でだらだら感は少ない。

乱闘シーンもなく、銃撃戦にもならないし、死亡者が出るような場面もないが、結構緊迫感はあった。

 

 

 火天の城   

西田敏行、椎名桔平、大竹しのぶ、福田沙紀、寺島進、水野美紀、笹野高史、山本太郎、夏八木勲、緒方直人、西岡徳馬、石田卓也。

有名俳優人がいっぱい出ているし、ところどころお笑い(マエケンこと前田健、次長課長河本、ココリコ遠藤)も出ている。

**

冒頭字幕の説明があって、謎に包まれた信長の安土桃山城の築城にまつわる物語だと知らされる。
時は1500年代後半、群雄割拠の時代。

熱田の宮番匠、岡部又右エ門(西田敏行)の仕事場に、織田信長(椎名桔平)が現れ、安土に5重の天守閣を持つ城を造るという。
そしてそれを5重の天守閣はできると明言した岡部又右エ門に託す、というのだ。

冷ややかな目で見る城奉行らをよそに、又右エ門は神社仏閣などを見て設計に取り組む。
また、安土の城建設予定地で信長の大構想を知り、驚愕する。

信長は、5層の4層目までを吹き抜けにせよと命じるが、又右エ門は首を縦に振らない。
突如、信長は指図較べ(設計コンペ)にすると言い出した。
対抗馬は金閣の設計者池上五郎右衛門(石橋蓮司)と東大寺の設計者一族の中井孫太夫(内田朝陽)。

コンペには図面と雛形が提示され、5層6階地下1階で、唯一吹き抜けを造らなかった又右エ門は打ち首になりかけるが、
雛形に火を放ち、吹き抜けは火の通り道となるからだめだとして信長を説得、3年の工期で築城を命じられる。

大挙して建設現場に赴いた岡部衆、石工の戸波清兵衛(夏八木勲)らの協力もあって、順調に進んでいるかに見えた。
しかし、心柱にする巨大なヒノキが見つからず、又右エ門は当時、武田の配下にあった木曽でのヒノキ調達を目指す。

木曽の領主義昌(笹野高史)は、又右エ門を手ぶらで帰そうとするが、その心意気にほだされた大庄屋甚兵衛(緒方直人)が、
雨季に入ってからの提供を約束する。

なかなか雨が降らずやきもきしていたところ、大雨が降り、羽柴秀吉(河本準一)が大木を運んでくる。
安土城にはやっと心柱ができたが、領主の意に反して木を提供した甚兵衛は、斬首される。

また、ずっと感情を押し殺して夫を支え、工事の完成を願っていた妻、田鶴(大竹しのぶ)が病死する。

安土山にはご神体にも等しい蛇岩があり、城壁に使うため信長は石工らの反対を押し切って、天守まで運ぼうとする。
そのとき、作業員に紛れ込んでいた隠密が信長を襲おうとするが失敗して殺害され、蛇石は落下して大勢の人が死ぬ。
うね(水野美紀)と熊蔵(山本太郎)の悲劇のプチロマンスがある。

事故による工事中断を許さない信長だったが、又右エ門はこれを拒否、しかし、礎石の沈下による柱組みのずれを検知し、
心柱を4寸切るという荒療治を行う。

そのためには一時的に骨組みを持ち上げる必要があり、女性も含めて全作業員が協力して無事に心柱の調整に成功する。

この後は順調に進み、安土城は1579年5月に完成、信長の居城となった。
信長は完成を祝い、城下をかがり火で照らし城をライトアップする演出とした。

***

長い。

全体に盛り上がりに欠け、それぞれのシーンがやや冗長というか緩慢。
もう少しテンポよく進行してもらえると良かった。

熟年向けには、大竹しのぶと西田敏行の夫婦愛、もう少し若い世代には、水野美紀と山本太郎、
さらに若い世代には福田沙紀と石田卓也、と各年代層に受けるようなエピソードを混ぜたのも長くなった要因か?

ほかにもエピソードが展開上無意味とはいわないが、他のシーンとつながらない部分もあって、
2時間20分にする必要があったのか疑問だ。

 

 

 グッド・バッド・ウィアード   

映画のタイトルに合わせて主役の3人を紹介しておく。

チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホ。
つまり、この順に、良いやつ、悪いやつ、変なやつ、というわけ。

物語は1930年代の満州。
当時、日本による傀儡政権の満州国には、中国人、韓国人、日本人が入り乱れていた。

**

なにやら怪しい地図。
黒幕らしき男は、その地図を日本の金丸さんに渡し金をもらってくるよう手下に言いつける。
その地図の意味するところは聞かないことにして。

一方、満州に跋扈するギャングのボス、パク・チャンイ(イ・ビョンホン)は、その地図を奪ってくるよう指令される。
金丸の乗る満州鉄道の列車を止めてでも。

そしてその満州鉄道の列車内。

「飴はいかが、餅はいかが」と車内を練り歩く男は、注文に目もくれずVIP車両に急ぐ。
そして荷物を投げ捨てると、銃をぶっ放し、警護兵を倒しながら、日本兵と金丸のいる客室に乗り込む。
男の名は、ユン・テグ(ソン・ガンホ)女性を人質に金目のものを奪い取る。

そのころ、パク・チャンイは鉄道に火を仕掛け、列車を急停車させる。
その混乱に乗じて、ユン・テグは偶然にも件の地図を見つける。

パク・チャンイの一味は、金丸を探して地図を奪取しようとするが、金丸はすでに死亡、地図も見当たらない。
ユン・テグを見つけて地図を奪おうとするが、通りかかったなぞの男、パク・ドウォン(チョン・ウソン)が列車に乗り込み、
パク・チャンイらと銃撃になる。

おかげでユン・テグは逃げおおせるが、それを遠くから見ていた馬賊が(地図のことは知っている)追ってくる。

ユン・テグは、実家のある闇市の近くで弟と会い、地図がどうやら「満州国に隠された清国の宝の地図らしい」と知る。

危ないから地図は売ってしまえという弟、ユン・テグは宝が何なのか確かめたい、という。
この後、闇市で地図を追ってきたパク・チャンイ一味、パク・チャンイを追うパク・ドウォン、
それに馬賊らも加わって、地図の争奪戦、銃撃戦となる。

パク・ドウォンは、賞金稼ぎ。
指切り魔と呼ばれているパク・チャンイを追っているが、賞金のかかったユン・テグを捕まえる。

ユン・テグは、パク・ドゥオンを仲間にして宝を山分けしようとする。
相変わらず追ってくるパク・チャンイと馬賊。

それに地図をユン・テグにとられたと知った関東軍まで加わって追走劇が始まる。

なんだかんだ、すったもんだあった挙句、すべての敵を振り切って、ユン・テグはついに宝の場所にたどり着く。

そこは、空っぽの大きい穴を板張りで隠してあるようなところだった。

追いついたパク・ドウォンとパク・チャンイ、3人は一触即発の状態。
ここでパク・チャンイが衝撃の事実を語る。

すなわち、宝の地図はユン・テグを誘い出すための罠だったこと、
指切り魔とはパク・チャンイてはなく、彼の指を切り落としたユン・テグのことであること。
そして、この場所でパク・ドウォンを含め、誰が1番か決着を受けようとしていること。

パク・ドウォンは当初ユン・テグにそれほど興味はなかったが、彼が指切り魔と知って対決心を燃やす。

そして、静寂の後、3人の撃ち合い、互いが互いに致命傷を与えるべく、撃たれても倒れてもなお撃ち返そうとする。

最初にユン・テグが倒れ、瀕死のパク・チャンイが止めを刺そうとするが、逆にパク・ドウォンに止めを刺される。
そして、パク・ドウォンも倒れる。

穴から噴出した石油が3人をあざ笑うかのようだった。

ここでいったん物語は終わる。
気の早い観客は、3人の差し違えで決着したと思って席を立つ。

しかし、タイトル表示の後、指名手配掲示板が現れる。
係員によって、手配書の似顔絵に「死」と書かれるパク・チャンイ。
ユン・テグは、手配書をはずされ、賞金額がアップした新しい手配書が貼られる。
そしてそれを見て、その場を立ち去る男こそ、パク・ドウォンなのだった。

**

なかなか面白かった。
銃撃、爆破、馬、バイク、車、鉄道などもスピード感ある展開に一役買っていた。

中国語、韓国語、日本語が入り乱れる。
字幕では、中国語には<>を付けて、何も付けない韓国語と識別していた。
最後のほうに出てくる日本軍(関東軍)は日本語をしゃべるが、(当然字幕なし)これも当然といえば当然だが良かった。

 

 

 ナイトミュージアム2 

ベン・スティラー、エイミー・アダムス、オーウェン・ウィルソン、ロビン・ウィリアムスなど。

**

前作では発明家で企業家ながら大したものは作れず、かみさんにも愛想をつかれ離婚したラリー(ベン・スティラー)、
やっとのことで見つけた就職先が、「アメリカ自然史博物館」の夜警だった。

かみさんのエリカ(キム・レイバー)とのよりは戻らないものの、息子のニック(ジェイク・チェリー)の信頼を回復し、
博物館も人気が戻り、学芸員のレベッカ(カーラ・グギーノ)とも良い仲になりそうな雰囲気で終わったと思ったが、
今回はその2年後のお話。

今回はそのかみさんと学芸員のレベッカは出ません。

**

その後、前作での失敗を糧にした発明品が大当たりして、一躍大金持ちのCEOとなったラリー。
久しぶりにアメリカ自然史博物館を訪ねてみると、改装中となっていた。

館長のマクフィー(リッキー・ガービス)によれば、ラリーが辞めてから入場者も減ってしまい、
古い展示物をスミソニアン博物館の保管庫に永久保管されると言う。

夜まで待って動き出した展示物に事情を聞くが、らちが明かない。

あきらめて一旦帰るものの、夜ジェデッドアイア・スミス(オーウェン・ウィルソン)から電話があり、
(つづりは、Jedediahですが、カタカナ表記としては、ジェデダイア、ジェデディアではなく、ジェデッドアイアが一般的なようです)
カームンラー(ハンク・アザリア)が暴れていて困っている、とのこと。

翌日、スミソニアン博物館に駆けつけるラリーだが、何せここは19もある博物館群で、貯蔵庫/保管庫がどこにあるかすらわからない。
息子のニックが電話でラリーにヒントを与えて目的地に誘導する。

ラリーは博物館間を行き来しながら、カームンラーに遭遇。
カームンラーは、自然史博物館にいたアクメンラーの兄で自分が王位継承者だと主張、
自然史博物館から移送された仲間をとらえ、例の石板を使って古代の鳥人軍団を復活させ、世界征服をもくろんでいた。

ところが石板の暗号(字幕ではパスワード)が変わってしまっていたものだから、ジェデッドアイア・スミスを人質に、
アル・カポネ、ナポレオン・ボナパルト、イワン雷帝(英語では、Ivan the Terrible)などを従えて
ラリーにそれを解くように命令。
ラリーはアメリア・イアハート(エイミー・アダムス)と一緒に暗号を解くカギを探す。

バブルヘッド・アインシュタインの力を借りて暗号を解くと、何とかの門の中、黄泉の国から鳥人軍団が到来するが、
リンカーン座像が動き出してこれを蹴散らし、カーマンラーも黄泉の国に送り返して一件落着。

ラリーは、アメリア・エアハートの協力を得て、移送されたものをアメリカ自然史博物館に戻した。
ラリーは会社を売って「展示はもとのまま」の条件で匿名で寄付し、博物館の展示物に夜間の案内や解説をさせ、
博物館は活況を取り戻し、大勢の来館者でにぎわう。めでたしめでたし。

***

展示物が動き出すのは既知となっているので、よりすごいアイデアが必要となるのは宿命。

人物像だけでなく、絵画や写真も動き、その中に入ったり出たりもできる。
飛行機も飛ぶし、ロケットも飛びそうになる(って、燃料はどこから湧いた)

一応ストーリーはあるし、各人物像も多様に描かれてはいるのだが、
終わった直後は、ああ、面白かった、で、どんな映画だったっけ?みたいな感じ。

なお、3人の天使の像はジョナス・ブラザーズ。

アメリア・イアハートは、大西洋横断単独飛行を女性として初めて成し遂げた飛行家。
世界一周の途中、南太平洋で行方不明になった。
そのため、何度も「道を間違う」系のセリフが出てくる。
また最後のほうで出てくるセリフの「カナダへ向かった」は大西洋横断の出発地を示している。

 

 

 宇宙(そら)へ

ソニー・ピクチャーズの配給。

「宇宙へ」と書いて「そらへ」と読ませるが、「空へ」とは何の関係もない。
原題は、「Rocket Men」

BBCの製作なので、EARTH(Gyao)、Home(アスミック・エース)のような映画かと思っていたが、違った。
一言で言うと、NASAの宇宙開発の歴史をかいつまんで100分にまとめたドキュメンタリー番組。
ただし、宇宙飛行士も含め、開発者や技術者のインタビューは交えず、実際の映像だけで構成されている。
また「NASAのドキュメント」であってソ連の話は一切出てこない。
以下のソ連の記述部分は、筆者が書いたもので、映画と直接は関係ない。

実際の映像のフィルム、NASAが所有しているものも含めてだが、歓喜のシーンだけではなく、事故のフィルムもある。

他に公表されない事故があったのかどうかは分からないが、大きな3つの死亡事故、すなわち、
アポロ計画で初の有人飛行予定のアポロ1号のカプセル火災で死亡した3人、
1986年のスペースシャトル、チャレンジャーの爆発事故で7人、
2003年大気圏再突入で空中分解したスペースシャトル、コロンビア号で7人。
これらの事故は映画に登場する。

**

1960年初頭、米ソの宇宙開発競争は、大陸間弾道弾開発の延長線上だった。

映画には出てこないが、1961年、ソ連はボストーク1号(ガガーリン少佐)による有人宇宙飛行(地球周回)に成功している。
NASAは、それに対抗して翌月に有人の大気圏外弾道飛行を成功させる。

これに感激したのか、当時のジョン・F・ケネディ大統領が、1960年代に人間を月に送る、と宣言した。

しかし、地球周回に成功したのはソ連に遅れること10カ月の1962年だった。

宇宙開発は一人乗りのマーキュリー計画から2人乗りのジェミニ計画に移るが、それらは月旅行のためのステップだった。

ケネディは1963年に暗殺され、ジェミニ計画の宇宙飛行士の歓迎でオープンカーに同乗していたのは、
その次の大統領、ジョンソンである。

ジェミニ計画によって、月旅行への基本的な課題をクリアし、計画は3人乗りのアポロ計画へと引き継がれた。

ここで1967年にアポロ1号の火災事故が起こる。
そのためアポロによる有人飛行は当初予定よりおよそ1年8カ月遅れ、1968年10月のアポロ7号だった。

続くアポロ8号は1968年のクリスマス、月着陸船を搭載せずに月を周回して帰還。
アポロ9号は月着陸船を地球周回軌道でテスト、
アポロ10号は月周回軌道で着陸船のテストを行い帰還、
いよいよアポロ11号が、月面着陸を成し遂げる。
時に1969年7月、故ケネディ元大統領の公約が果たされた瞬間であった。

その後、アポロ17号まで6回の月面着陸に成功している。
ただし、映画の中では、あの「アポロ13号」の事故については触れられない。

アポロ計画は1972年で終わってしまうが、その後の有人宇宙開発はスペースシャトルに委ねられた。

1977年の何度かのテスト飛行を経て、1981年大気圏外飛行が開始された。
1986年初めまでに24回のミッションをこなし、
1986年1月下旬、あの「チャレンジャーの爆発事故」が起きた。
2年半間があいて1988年9月から再開、
1990年にはハッブル宇宙望遠鏡を軌道に乗せることに成功。

その後も功績をあげたが、2003年1月、コロンビア帰還時に空中爆発を起こし、またも2年半のブランクののち、
2005年7月に再開となったが、現在の計画では、あと数回、来年9月で終了となる。

**

ナレーションは、宮迫博之。
なかなか良かった。
ある動物映画のナレーションだったどなたかよりはかなり良い。
オープニングタイトルのナレーターは違っていたが、
英文のエンドロールにも宮迫博之の名前は(ローマ字で)出ていたし、
最後の方の地球のショットで日本が中央に来るのは日本版だけのアレンジなのだろうか。

**

スペースシャトルの終了で国際宇宙ステーションへの対応も懸念されている。
次期宇宙開発計画はどうなるのだろうか。
ブッシュ前大統領が有人月探査の再開、火星への有人飛行までぶち上げたが、技術面、資金面、そう簡単なものではない。

とはいえ、弾道飛行で高々200キロ弱の高度に達することができた段階で、10年以内に38万キロのかなたへ行って帰るなんて、
当のNASAにとってすら、それこそ途方もない大ぼらだったはずだから、近い将来には火星旅行ができっこないなんて誰にも言えない。
問題はお金だけかも。

 

 

 G.I.ジョー 

デニス・クエイド、チャニング・テイタム、マーロン・ウェイアンズ、ジョセフ・ゴードン=レビット、イ・ビョンホン

***

軍事物資を牛耳るMARS社が新規開発したナノマイト。
金属を「食べ」、人をコントロールする最強の兵器で最強の薬物。
放っておくと金属を食べつくしてしまうので、作動を停止さる「キル・スイッチ」も用意してある。

そんな最終兵器にも思えるナノマイトのたっぷり詰まったカプセルが4つ。
試作品として、NATOに納品される。
その輸送を担当するのが、デューク(チャニング・テイタム)とリップコード(愛称リップ、マーロン・ウェイアンズ)のチーム。

しかし、ヘリに守られての移送中に、正体不明の敵に襲われる。
圧倒的兵力で、使う武器も電磁兵器っぽく、通常火器よりはるかに強力で広範な破壊力がある。

敵の一人に、デュークのかつての恋人、アナ(通称バロネス=男爵夫人、シエナ・ミラー)がいた。
アナは、デュークを殺さずにナノマイトの弾頭の入ったケースを持ち去ろうとするが、突然現れた正体不明の一隊に阻止される。

その一隊は、NATOの司令官ホーク(デニス・クエイド)の率いる精鋭部隊だった。
デュークとリップコードは、彼らに連れられてエジプトの秘密基地に入る。

彼らはホーク司令官の秘密部隊、G.I.ジョーの一員だった。
デュークとリップコードは、G.I.ジョーへの参加を志願し、訓練ののち(一時的)入隊を許可される。

ナノマイトの弾頭は、MARS社のCEOマッカラン(クリストファー・エクレストン)の陰謀によって、
所在が一味にばれ、アナとストーム・シャドー(イ・ビョンホン)らが、NATO基地を攻撃する。
そしてナノマイトを奪い取り、アナの今の旦那のフランスの研究所でアクティベイトに成功する。

ストームシャドーは、G.I.ジョー軍団を振り切って、ナノマイトをエッフェル塔に向かって発射。
エッフェル塔は倒壊し、デュークは拉致される。

MARS社の科学者コブラは、一味のザルタン(アーノルド・ヴァスルー)に整形手術を施す。
これは後に大きい意味が出てくる。

デュークの活躍で、一味のアジトが北極の海底にあることを突き止めたG.I.ジョー。
敵基地に侵入するが、ナノマイトを積んだミサイルは発射されてしまう。

悪の科学者コブラは、実はアナの弟のレックス(ジョセフ・ゴードン=レビット)だった。
アフガンでの作戦で死んだと思われていた。
そしてそれがアナとデュークが不仲になった原因でもあった。

しかし、レックスは生き延びて悪の科学者コブラとなっていたのだ。
レックスは自身をコマンダーと呼び、マッカランを改造してデストロと呼ぶ。

アナとデュークに因縁があるように、ストーム・シャドーとスネーク・アイズ(レイ・パーク)にも確執があった。
幼少時代からの争い、スネーク・アイズはついにストーム・シャドーを倒す。

逃走劇と追走劇。
激しいバトルの末に、リップはミサイルを撃墜、デュークは、レックスとマッカランを逮捕する。
アナに仕込まれたナノマイトも時間をかけて取り出されることが決まり、これで、一件落着?

しかし、みんなが知らないところで、ザルタンはアメリカ大統領になりすまし、起死回生を目論んでいるのだった。

***

特撮はすごいし、パワード・スーツ(チラシではハイパー・スーツ)など各種新兵器もすごい。

ただ、訓練場所があああちこちにあっては整備もままなるまい。

現実離れした設定をうんぬんするのは趣旨ではないが、アナが髪をなびかせての登場とか、
いかにもコミック風というか、見せるアクションもの。

また、ここで組織論をぶつつもりはないが、任務遂行中に襲われ、NATO軍に助けられたとはいえ、あっさり移籍はないでしょう。
我々は存在しないことになっているとか何とかだから、移籍ではなく所属部隊から見れば脱走だよね。
死んでしまったことにすればいいけど。

まあ、このままでは終わらんぞって感じのエンディングで、続編の臭いぷんぷんでした。

 

 

 ホッタラケの島     

フジテレビ50周年記念事業、フルCGアニメ。

綾瀬はるか、沢城みゆき、戸田菜穂、大森南朋、谷村美月。

***

昔話。
大切にしていたはずなのに、いつの間にかなくなってしまった大事なもの。
あるお百姓さんは、妻の形見の櫛をなくしてしまった。
大事にしないもの、ホッタラケにしたものはキツネがさらっていくという言い伝えに従って、
毎日祠に卵を備えて「櫛を返してください」とお百姓さん。

ずっと祈り続けたある日、夜中に誰かがそっと櫛を返しに来た。
それ以来その祠は、亡くしたものを返してもらいたい人が祈りに来るようになった。

遥(綾瀬はるか)は小さい頃、母を病で亡くす。
母からもらった大事にしていた手鏡もいつの間にかなくなってしまった。

高校生になった今は、男手ひとつで遥を育てている父(大森南朋)を毛嫌いしている。
神社の裏の小さい祠に卵を供えて手鏡の戻るのを祈った後、つい転寝してしまった。

するとそこへ「キツネ」が現れ、遥の置いた鍵を取って、祠の奥へ消えていった。
後を追い、水たまりで卵の殻を見つけ手を伸ばすと、あっと吸い込まれ不思議なところへ迷い込んだ。

先ほどのキツネは「キツネ」の面をかぶった不思議な生き物だった。
人間がいるとまずい、「キツネ」のテオ(沢城みゆき)は、遥にキツネの面をかぶせてその場を取り繕う。

その面は、人間界へほったらかしになったものを取りに行く時の扮装だった。
そこが「ほったらかしになったもの」でできた島だと知った遥は、なくしてしまったお母さんの手鏡を探すことにした。

その世界では鏡は不思議な力を持っていた。
島に君臨する支配者の男爵は、鏡を集めて何かを企んでいた。
遥とテオが訪ねた鏡屋は、お母さんの手鏡は男爵が持っていたが、地底人に盗まれたと語る。
そして、その裏で男爵に手鏡を探しに来た人間がいると通告する。

男爵はテオに遥に手鏡を探させ、取りあげて自分に渡すよう命令する。

遥はテオをバカにする3人組からのがれる途中、迷い込んでかつて大事にしていたぬいぐるみのコットンに出会う。
コットンは鏡のかけらを仕込まれて意思を持ち自分で動くことができるようになっていた。

遥は手鏡を地底人から取り返すが、男爵に取り上げられ、自分も捕まってしまう。

テオは自戒の念にとらわれるが、ついに意を決して遥を助けに行く。

男爵は遥に「物忘れの飴」ですべてを忘れさせ、奴隷にしようとするが、間一髪、コットンが助けに来る。
テオも加わって遥を救いだし、男爵に集められた多くの鏡、そしてお母さんの手鏡を取り返すことに成功。

男爵の飛行船を破壊して、傷ついたコットンとお母さんの手鏡を取り返した遥。
テオは喜びもつかの間、遥を人間の世界に押し返すのだった。

人間界に戻った遥、ホッタラケの島で見た手鏡の記憶に家族の愛を思い起こすのだった。

**

フルCG、オリジナル・ストーリーのジェット・コースター・ムービー。

本当にフルCGで輪郭線のない造形で、顔の輪郭は動かず、口だけパクパクのTVアニメ風とは一線を画す。
とはいっても、人物(テオの一族も含め)やわらかな線で温かみのある映像。

どっちがいい悪いではなく、単に好みの問題だが、手書きのアニメより、こっちのほうが好き。

観ているときはとても面白いし、目まぐるしく変わる展開に目を奪われるが、終わるとちょっと印象が薄れる。
でも、話はとてもわかりやすいし、きれいで楽しい。

最初の現実の世界の背景はおそらく3Dモデリングされていない手書き風。
3DCGでできたホッタラケの島との対比が際立っていた。

 

 

 コネクテッド   

2005年のハリウッド映画「セルラー」の香港リメイク。
人物設定などは変えてあるが、大筋の展開はオリジナルと同じ。

***

ルイス・クー(古天楽)、ハービー・スー(徐熙媛)、ニック・チョン(張家輝)、リュウ・イエ(劉Y)

**

グレイス(ハービー・スー)はシングル・マザーでロボット設計技術者。
家でも深夜まで仕事をしている。
裕福な家で、高級外車に乗り、家にはプール、家政婦までいる。

ある日、いつものように娘を小学校に送り、帰宅する途中、横から出てきた車と衝突する。
事故? いや、それは故意だった。
車から降りてきた男たちは、グレイスを拉致、自宅に連れて行き「やつはどこだ、あれを出せ」と命ずるのだった。
何のことかわからないグレイスの目の前で男たちは家政婦を刺殺、グレイスを再び連れ去ると、どこかのあばら家に閉じ込めた。

一方、街中を急ぐアボン(ルイス・クー)、仕事は経理関係となっているがサラ金取り立て屋の一味。
息子が海外留学に行くのを送っていく約束が守れていない。
姉から叱責の電話、息子を連れて先に空港に行くという、すぐに来るように言い残して。
アボンは仲間が高飛びするというので、その車を借りて空港へ向かうことにした。

グレイスは、部屋にあった電話を使おうとするが一味に壊される。
何とか配線をつないで適当にかけた電話が、アボンにつなかった。

グレイスは誘拐された、電話を切らないでと懇願。
アボンはたまたま見かけた白バイ警官のファイ(ニック・チョン)に通報しようとするが、タイミング悪く信じてもらえない。

グレイスの元に一味が弟の友人を連れてきた。
「弟はどこだ、物を渡せ。」知らないと答えるグレイスの目の前で、弟の友人は射殺される。
一味は、娘を誘拐するという。
グレイスからそれを聞いたアボンは娘の小学校へ急ぐが、間一髪で誘拐されてしまう。
追うアボン、とんでもないカーフェイスの果てに、アボンは事故り、車は大破、電話の電池も切れそうになる。

元の車にあった拳銃でその場をしのぎ、車を乗り換えて今度は居場所のわかった弟を助けに行く。
しかし、一味は実は国際警察(ICPO)の刑事達で、アボンのミスもあって弟はさらわれる。

どうやら、弟の持ち物が狙われている。
アボンは後をつけ、隙を見て探しものであったリュックを奪って逃げる。

ここで逃げる追うが逆転のカーチェイス。
何とか逃げおおせたアポンがリュックに見つけたのは、ビデオカメラ。
一味が誰かを捕まえて射殺する現場が写っていた。
アボンは、息子の見送りにも間に合わせるため、空港を取引場所に指定して犯人と人質の引き渡しを交渉する。

一方、ファイは、グレイスの電話が気になって、その家を調べに行くが本人(という女)が出てくる。
しかし、その女は一味の仲間、荒らされた部屋、家政婦の死体、撃ち合いの末、犯人(ICPOの一人)を射殺するが、
香港警察の刑事(元ファイの部下、今は刑事部長クラス?)は信じない。

しかし、女の持っていた携帯に空港へ集合のメールが入り、ファイは警察に連絡、刑事も空港へ急行する。

空港で、アボンは息子に会う一歩手前で犯人一味に遭遇。
グレイスらを助けるために奔走するが、ついに刑事たちが到着してICPOの面々を逮捕して一件落着、かにみえた。

実はその刑事とICPO刑事らがつるんで、ヤクの横流しをしていた。
アボンから受け取ったビデオを消去、アボン自身を消去にかかる。

アボンを始末しているので集合せよ、とのメールがファイに届いて裏を知ったファイ、
アボンを助けるが、倉庫で一味との対決となる。

激しい格闘、最後の瞬間にアボンはケータイにコピーした殺人現場の動画を警察に送信するも高所から転落。
しかし、逆転で助かり、犯人は死亡、グレイス達も急行した警察に救助された。
グレイスは、誰がアボンかもわからずそのまま去る。

アボンがTVに映ったのを見て、まだ出発していなかった息子がやってくる。
グレイスもアボンが誰かを知り、礼を言いにやってくる。
めでたし、めでたし。

***

オリジナルは旦那が生きているし、娘でなく息子だとか、アボン役のクリス・エバンスは息子でなく、
ジェシカ・ビールとの約束をすっぽかして云々などなど、細かい設定は違いますが、大まかな流れは一緒。

ただ、オリジナルの犯人の目的は忘れてしまいました。

派手派手アクションはこちらが上。というか、さすが香港アクション、というか、
あまりにもあり得ないので思わず笑ってしまうくらいすごい。(誉めてます)

カーフェイスの途中もさることながら、最後は大笑いするほどすごかったし、
山の上の逃走シーン、車で逃げるシーン、空港内の格闘シーンもすごかった。
まるでジャッキー・チェン映画。
香港の俳優がみんなこれくらいできないと、務まらないならとても日本では太刀打ちできません。

 

 

 HACHI 約束の犬    

リチャード・ギア、ジョアン・アレン、サラ・ローマー、エリック・アバリ、ケイリー=ヒロユキ・タガワ

***

冒頭はどこかの小学校で、生徒たちが「MY HERO」について語るシーン。
他の子が歴史上の有名人などを語るところ、一人の男子が「HACHIKO」という犬について語る。

「ハチ公はおじいさんの飼っていた犬です。」
「ハチ公はどこからやってきたのかよくわかりません。」

山形県のどこかのお寺、子犬が籐のケースに入れられ航空便でアメリカに送られる。
届け先は、ロードアイランド州、ベッドリッヂ。
配送中のミスでケースは壊れ、宛先が分からなくなり、子犬は迷子になる。

旅行からの帰り、偶然そこを通りかかった大学で音楽を教えるパーカー教授(リチャード・ギア)が取りあげ、
駅に託そうとするが断られて自宅に連れ帰る。

自宅では、最近犬を亡くしたばかりで妻のケイト(ジョアン・アレン)は、飼うことに反対する。

翌日、駅員の目を盗んで大学に犬を連れていったパーカーは、友人のケン(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)に、
その犬が秋田犬で、タグに「八」と書かれていると教わる。

本来の持ち主(=送り先)は分からず、新しい飼い主が見つかりかけるが、ケイトはハチを飼うことを許す。
パーカーに連れ添うハチだが、ボール取りなどの芸はまったくしない。

やがて、ハチも大きくなり、パーカーとの結束はいよいよ強まる。
あるひ、パーカーの出勤時に塀を越えて駅まで来てしまった。
結局遅刻してハチを家に戻したパーカーだが、夕方列車の汽笛でハチはまた塀を越えて駅までパーカーを迎えに来た。

翌日はパーカーと連れだって駅まで来たハチ、パーカーの指示で素直に家に戻り、夕方また迎えに来た。
こうして、毎日のハチの送り迎えが始まった。

ある日、いつも見送りに行くハチが、頑として行こうとしない。
仕方なく一人で出かけるパーカー、ところがハチはボールを持って遅れて駅にやってきた。
そしてそのとき初めてボール取りの芸をして見せたのだった。

その日の大学での授業。
いつものように講義をするパーカー。
話をするうち、急に息苦しくなり、立ち上がろうとして倒れそのまま帰らぬ人となってしまった。

パーカーが死んだことが分からないハチ。
いつものように駅に迎えに行くが、パーカーは帰ってこないので、終電まで待ってすごすごと帰る。
これが繰り返されるようになる。

ケイトはロードアイランドの家を売り、ハチは娘のアンディ(サラ・ローマー)夫婦の家で飼うことになった。
しかし、汽笛に触発されたハチは家を飛び出し、ベッドリッヂ駅を目指した。
ハチは旧家に戻るもそこに家族の姿はなく、夜は操車場で過ごすことに。

一旦は、アンディが連れ戻しに来るが、覇気なく再びベッドリッヂ駅へ。
周辺の人々が見守る中、地元新聞がうわさを聞いて取材に来る。

それでもハチは毎日毎日駅と操車場の往復を繰り返す。

パーカーが死んで10年後、再びベッドリッヂを訪れたケイトの前には老犬となったハチ。
それでもハチは毎日迎えを欠かさない。

やがて、操車場でパーカーとの楽しい思い出に浸りながら、ハチは息を引き取るのだった。

***

成犬は秋田犬だが、子犬のハチは柴犬。
本来は子犬でも見栄えは多少違うが、演技の面ではやむなし。

とにかく犬が見事です。
本当にリチャード・ギアの犬みたいでした。

ストーリーは、さして盛り上がる場もなく、感動する場面もないのですが、なぜか涙が止まりません。
こんなに平然と涙が出たのは久しぶりというか不思議でした。

もちろん、設定は変えてありますが、基本オリジナルの「ハチ公物語」に忠実です。
さすがに犬と風呂に入るのは不自然だと思ったのでしょうか、どうしても風呂が必要になるようしてありました。

**

ジョアン・アレンは、ご存じ「ジェイソン・ボーン」シリーズのパメラ・ランディ。
娘役のサラ・ローマーは、「ディスターピア」のアシュレー

 

 

 サマーウォーズ     

神木髞V介、桜庭ななみ、富司純子、谷村美月

***

冒頭は、OZと呼ぶバーチャル・コミュニティの紹介。
OZ内でのアバターが、現実の世界とリンクしており、リアルの世界での手続きや操作などがOZ内のアバターを通じて行える。

そのOZのメンテナンスをしている2人のアバター。
その実体は、東京は久遠寺高校PC部の2年生、小磯健二(声:神木髞V介)、佐久間敬(横川貴大)二人だった。
そこへ飛び込んできたのは、学内のアイドルで3年生の篠原夏希(桜庭ななみ)、
長野県上田市への帰省に同行する「バイト」を健二に頼む。

上田市の夏希の曾祖母、陣内栄(じんのうちさかえ、声:富司純子)の誕生日祝いに親戚一同が集まるのだ。
陣内家は、数百年続く旧家で4世代の大家族。
健二は4日間だけのウソとして、あろうことか夏希に自分のフィアンセだとして栄に紹介される。

その夜、寝付けない健二に意味不明の数字メールが送られてくる。
暗号? 何かのクイズ?
夜明かししてそのコードを解いた健二だったが、翌日とんでもないことが報道されていた。
それは、OZのセキュリティを解除して中枢部に侵入、他人のアバターを乗っ取り、そのアカウントの権限を利用して
OZ混乱に陥れている、その張本人が健二(のアバター)だというのだ。

あのメールが、そのセキュリティ・コードだったのか?
焦る健二、OZ内の健二のアバターはリアル世界を次々と混乱に陥れる。

やがて、夏希の嘘はばれ、健二も一族の警官、翔太に逮捕されかけるが、陣内家で偽健二と戦うことに。
陣内家には、一人風変りな引きこもり風のゲーマーがいた、池沢佳主馬(いけざわかずま、声:谷村美月)
OZ内ではキングカズマなる格闘アバターを使う有名人だった。

佐久間、健二、佳主馬の連携で、OZ内で暴れ現実世界を混乱に陥れているのは「ラブマシン」と言うAIだとわかる。
乗っ取ったアカウントの権限でリアル世界の混乱はますます増大する。

その「ラブマシン」を作ったのは、陣内侘助、大おじいちゃんの隠し子で、陣内家の養子。
アカウント乗っ取り用のAIで、米軍への売り込みで実証実験のため、国防総省がOZ内に放っていた。
侘助は10年前、陣内家の財産を持ち逃げして渡米、本人は隠していたが栄の誕生日に合わせて10年ぶりに帰国していた。
(大おじいちゃんの隠し子、41歳という設定はやや無理があるか、これについては別掲)

栄は怒りまくり、侘助を追いだす。
そして、その夜、健二の嘘を認めたうえで、健二に夏希の将来を託す。

翌日、突然、栄が亡くなる。
心筋梗塞気味で、栄の三男で医師でもある万作が、常に遠隔でモニターをしていたが、OZの混乱で通信が途絶え
警告が上がらなったことも災いした。

ラブマシンは、ますます強大化し、ついには日本の衛星のコントロールも奪取。
世界中のどこかの原発に墜落させるカウントダウンを始めた。

いったんは陣内家を出た侘助だが、栄の死にOZの混乱が影響したことを聞き陣内家に戻る。

栄の孫に当たる太助が、大学へ納める予定のスパコンを持ち込み、その父でイカ漁を営む万助がイカ釣り船の発電機を持ち込み、
栄の孫の理一が、自衛隊のミリ波通信機を持ち込んで、佳主馬のキングカズマをラブマシンと対決させる。

戦国時代の戦略を利用して、ラブマシンを封じ込めたかにみえたが、敵はさらに強大化してキングカズマは敗れる。
もうなす術がない?
ラブマシンにとって、世界を混乱させるのはゲームだ、だから、とカジノステージに誘い込み、
夏希をプレーヤーに陣内家のアカウントを賭けて花札(コイコイ)による対決を行う。

勝ち続ける夏希だが、ラブマシンの勝ち逃げで、手持ちアカウントが不足して負け必至に。
ところが世界中からアカウントを夏希に託すアバターが続出、競技は続行され、
大逆転でラブマシーンのアカウントは2つだけに。

しかし、その2つは、ラブマシーン本体と衛星コントロールのアカウントだった。
ラブマシーンは衛星の落下先を陣内家に変更。
本体をセキュリティコントロールに充てて、健二の侵入を阻止する。
次々と書きかえられるセキュリティコード。
健二はそれを次々と解いていくが、きりがない

侘助はラブマシーンのプロパティを弱体化させ、佳主馬が攻撃してラブマシーンを撃破。
そのすきにセキュリティを解いた健二が、衛星コントロールを狂わせ、間一髪陣内家への墜落は避けることができた。

侘助はラブマシンをOZ内に潜入させたのは国防総省だったと暴露、夏希と健二はいい仲になりめでたしめでたし。

**

話としては面白いし、アニメとしてもよくできていたとは思う。

しかし、いくらOZが現実世界とリンクしていたとしても、あれだけの世界的大混乱が起こるべくもないし、
仮に起こったとして、あれだけの大混乱で死者ゼロというのはおとぎ話としてもあり得ない。

栄もOZ混乱の余波で亡くなったわけで、それはOZのせいではなく寿命だったことにしたとしても、
OZの混乱による障害で直接間接に亡くなった人がゼロであり得るはずがない。

ラブマシーンも勝ち目のないコイコイを延々とやり続ける理由が分からない、というか負け続ける理由が分からない。
コイコイの名人は夏希以外にも世の中いくらもいるはずだから、そいつらのアバターの能力を使えばいい。
夏希が世界一強いとは思えない。
それに、AIなんだから、最初は負けてもやるうちにどんどん強くなるはずだ。

なによりも現実世界のほとんどすべてがOZによってコントロールできるという発想がもう駄目。
バーチャルとリアルがつながっていて、ある範囲では、バーチャル世界が現実をコントロールすることは可能としても、
それはある限定的範囲にとどまるはず。

また、衛星サイズくらいではそのまま地上に落下することはないらしい。
じゃ、どうなるかというと、空中爆発して砕け散り、さながらクラスター爆弾のようになるようだ。

**

なお侘助はいくら弁解しても重罪で、許されるべきではない。

**

・親への約束から恋人や婚約者の偽物を用意するがばれる。しかし、結局は本当の恋人になってしまう。
・普段はアナクロだと思われていた人物が、デジタルな危機に際して、アナログ力を駆使して危機を乗り切る。
うーん、何度も見たような気がしました。

栄、89歳、侘助41歳だから、大おじいさんの隠し子だとすると、大体50歳くらいの時の子になる。
それ自体は不自然、不可能ではないが、長女万里子71歳、二男万助70歳、三男万作68歳。

万助の息子が45歳、娘が42歳と40歳、万作の息子が、それぞれ45歳42歳40歳で、
一族が若くして子を持つ家系でいわゆる年子に近く、年の離れた兄弟はほぼいない。

つまり、大家族を演出するために、年の近い親子関係を設定し、これだけの大家族なら、
自分より若いおじさんとか、子供と孫が同い年などはもっとたくさんあってしかるべきなのに
そういう年齢の齟齬は極力回避したとしか思えない。

そんな中で、孫より若い隠し子を持つか?
もしそうだとすると、侘助は夏希から見れば大伯父さんだ。

 

 

 ハリー ・ポッターと謎のプリンス 

前作「不死鳥の騎士団」で、シリウス・ブラックを失い、ヴォルデモートの復活も明らかになったため、
ハリー・ポッターは一躍全国の有名人となっていた。

休暇を楽しむハリーには、データを申し込む女性もいたが、ダンブルドア校長が現れ、
ハリーをスラグホーン(ジム・ブロードペンド)のもとへ連れて行く。

スラグホーンは、ダンブルドアの思惑通り、ボグワーツに復職する。

一方、ベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム・カーター)をはじめとする死食い人3人は、
ダイアゴン横丁のオリバンダー杖店を襲う。

また、ドラコ・マルフォイの母、ナルシッサ( ヘレン・マックロリー)とその姉でもあるベラトリックスとともに、
スネイプ(アラン・リックマン)に対してドラコのサポートを依頼し「破れぬ誓い」を立てさせる。

その後、ハリーとロン(ルパート・グリント)ハーマイオニー(エマ・ワトソン)は、
ダイアゴン横丁で、ロンの兄の双子が経営するウィズリー悪戯道具専門店を訪れた際、
ドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)を発見し、後をつける。
ドラコとその母や死食い人たちは「ボージン&バークス」で何かを調べていることはわかるが詳細は分からない。

ボグワーツに戻る車中、ドラコを死食い人になったとにらむハリー。
ハーマイオニーとロンの忠告も無視して、ドラコの近くに潜むがばれて石にされ、ロンドンに送り返されそうになるが、
ルーナ・ラブグッド(イヴァナ・リンチ)が見つけて助け、無事にホグワーツに入る。

スラグホーンは「魔法薬学」を教え、スネイプは念願の「防衛魔法」を教えることとなった。
担当が変わったことで、受講資格が下げられ、スネイプの時は授業が受けられなかったハリーとロンも授業に行く。
2人は教科書を争って取るが、きれいなものはロンがとり、ボロボロのものをハリーが取る。
そのボロボロの教科書には「混血のプリンス」と書かれており、教科書の間違いを訂正したり、補足説明がしてあった。

(half blood 字幕では半純血。英語の意味には「混血」の他、いわゆる「腹違い」=片親だけ同じの意味もある)

ハリーはその訂正補足のおかげで、難しい薬をクラスでただ一人作ることができ(歴代でも二人目)
スラグホーンから「幸運の薬」を手に入れることができた。

ハリーは、ダンブルドアから、記憶を見せてもらう。
その一つは、ダンブルドアが初めてトム・リドル、すなわち、ヴォルデモートと出合った時のものがあった。
他人とは違う能力に悩んでいたトム・リドル(ヒーロー・ファインズ=ティフィン)、
まだ素直で真剣に良い魔術師になろうとしていた。

学園内で一人の女生徒がネックレスを預かってダンブルドアに届ける途中、それに触れて意識不明になる。

ダンブルドアは、ハリーにスラグホーンの記憶を見せる。
16歳になったトム・リドル(フランク・ディレイン)は、スラグホーンに古い書物に書かれていた魔法の意味を聞く。
スラグホーンは、それには答えず、トム・リドルを叱り飛ばす。

ダンブルドアは、その記憶がスラグホーン自身によって改ざんされていると言い、
真実を知ることでヴォルデモートの秘密、弱点を知ることができる、という。

そしてそのために、スラグホーンに取り入れと命令する。
ハリーは、首尾よくスラグホーンのお気に入りとなるが、トム・リドルのことを聞こうとして怒りを買う。

部屋に戻ったハリーだが、ロミルダ・ベインの作った惚れ薬入りのチョコをロンが食べて気が変になり、
スラグホーンに薬で助けてもらう。
正気に戻ったロンとハリーそしてスラグホーンは乾杯するが、ロンが昏倒してしまう。

治療を受けて何とか回復したロン、ハリーは薬学の授業で手に入れた「幸運の薬」を飲んで何とかしようとする。
しかし、急にハグリッド(ロビー・コルトレーン)に会いたくなり、ハグリッドの家に行く途中
「偶然にも」スラグホーンに会い、一緒に行くことになる。
スラグホーンはハグリッドの家でハリーに説得されて本当の記憶をハリーに渡す。
本当の記憶によれば、トム・リドルが聞いたのは「ホークラックス」という魂を引き裂いて別々に保存し、
肉体が滅びても死なないようにする魔法だった。

トム・リドルはさらに魂を7つに分けて「分霊箱」に納める方法を聞いたが、スラグホーンはそれに答えなかった。

7つ、想像以上に手ごわい。
ダンブルドアはすでに2つの分霊箱を破壊していた。
その一つは、「秘密の部屋」で出てきた、トム・リドルの日記だった。
残りの分霊箱を探して学園を留守にしていたことも明らかにした。

ダンブルドアは一人では破壊できない3つ目の分霊箱があると思われる荒海の断崖下にある洞穴にハリーを連れていく。
結界を解き、奥に入る二人。
洞穴の中の湖に浮かんだ小さい島。
そこに分霊箱が隠されていた。

ただし、それを取り出すには、そこにある毒を飲み干さねばならない。
何があっても飲まし続けよ、と厳命するダンブルドア。
しかし飲んでいる途中で、許してくれ、助けてくれ、殺してくれ、と叫ぶのだった。

ハリーはダンブルドアに毒を飲まし続け、ついに分霊箱の入ったペンダントを手に入れる。
ダンブルドアは水を欲したが、ハリーが魔法で出した水は掬えず、
もたもたしているうちに湖からゴーレムの群れが出てきて、ハリーを水に引きずり込む。
すんでのところで、タンブルドアが立ち上がり、ハリーを救う。

ホグワーツに戻ったダンブルドアは、ハリーにスネイプを呼びに行き、隠れているように言う。
そこへ入れ替わりにドラコ・マルフォイがやってくる。

ドラコはダンブルドアを殺そうとするが、ビビって手を出せない。
ドラコの手引きでやってきた死食い人も現れて、ドラコをけしかける。

やきもきするハリーを制して、スネイプが現れ、ダンブルドアのいる最上階に上がる。
しかし、スネイプはダンブルドアと一言二言かわすと「絶命せよ」の魔法をかけたのだ。

ダンブルドアは、塔から落下して死んでしまう。

ハリーはスネイプを追うが、あっさりと跳ね返される。
ハリーが例の本で読んだ攻撃魔法をかけると、「私の発明した魔法を私にかけるとは、」と言い放つ。
そして「そうだ、私が混血のプリンスなのだ」と言って立ち去る。

ホグワーツは悲しみに包まれ、ハリーはダンブルドアの遺志をついで分霊箱を探す決意をする。
しかし、ハーマイオニーはロンと3人で探さないと無理だとして、同行の決意を示すのだった。

***

スネイプはダンブルドアの信頼を得ていながらも、ダンブルドアを殺害する。
しかし、死の直前にダンブルドアとスネイプが交わした短い会話は、今回語られなかった二人のもっと複雑な関係を予感させる。

この辺りは最終話(2部作)に解決が委ねられたのだろう。
最終話では、さらに重要な人物が死ぬことになっている。
一部では、J.K.ローリング氏の「2人が死ぬ」との告白にロンとハーマイオニーが死ぬと取りざたされたこともある。

 

 

 ノウイング 

ニコラス・ケイジ、チャンドラー・カンタベリー、ローズ・バーン、ララ・ロビンソン

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1949年、ウィリアム・ドウズ小学校。
ルシンダ・エンブリー(ララ・ロビンソン)の提案で開校記念行事となったのは、50年後の世界を描いてタイムカプセルに入れること。

先生はみんなに絵をかかせるが、当のルシンダ・エンブリー(ララ・ロビンソン)は絵ではなく数字の羅列を書きなぐる。
時間が来て紙を取り上げられたルシンダは、タイムカプセル行事の当日、ジムの物置に隠れてドアをかきむしっていた。

50年後、聴覚に障害のある少年、ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)は、ルシンダと同じ小学校に通っていた。
そしていよいよ、タイムカプセルを開ける日がやってきた。

ケイレブが受け取ったのは、ルシンダの書いた数字の羅列。
その「絵」が気になったケイレブは、家に持ち帰り、MITの物理学者の父のジョン(ニコラス・ケイジ)に叱られる。
妻が出張先で火事で亡くなって以来、シングル・ファーザーとしてケイレブを厳しくしつけていたが、
実は妻を亡くした悲しみから抜け出せないでいた。

偶然、その紙の数字の一部が目にとまった。
「911012996」それはすなわち、2001/9/11、2996人が犠牲になったあの事件だ。

調べてみると、1949年以降の世界中で起きた大惨事の日付と犠牲者数が時系列順に書かれているではないか。
早速、MITにそれを持ち込み、同僚のフィル・ベックマン(ベン・メンデルスゾーン)にそのことを話すが信じてもらえない。

「じゃ、その日付と日付の間の数字はなんだ。」
「よくわからない。」
「そらみろ、意味があると思うからそう見えるだけだ、意味がないんだ。」

「まだ起こっていない事件が3つ書かれている。」
それからというもの、ジョンは世界中で起こったかもしれない大惨事が気になって、TVに釘付けだ。

そしてまだ起こっていない事件の最初の事件、81人が死ぬと予告された日、ジョンは寝過してケイレブの迎えに遅れる。
雨、そして渋滞、カーナビが示した現在地の緯度経度、それは日付と犠牲者数の後に書かれた数字とぴたり一致した。
場所を示していたんだ。
この渋滞の中で大勢が死ぬのか。

ジョン「Is evertything OK?」
警 官「I'm sorry, sir. But you need to get back to your car.」
ジョン「Anybody hurt?」
警 官「Couple of injury , but nothing serious.」

しかし、次の瞬間、航空機が現場付近に墜落炎上して爆発。
必死に人々を助けようとするジョンをあざ笑うかのように、81人が犠牲となった。

その夜、妹のグレース・ケスラー(ナディア・タウンゼント)の家にケイレブを迎えに行ったジョン、
数字の秘密を知るためには、ルシンダ・エンブリーについて聞くべきと考え、かつての教師から伝って、
ダイアナ・ウェイランド(ローズ・バーン)に行きつく。
偶然を装ってダイアナに近づいたジョンは、わけを話そうとするが、気味悪がられて逃げられてしまう。

意味不明の数字が、位置情報だと知ったジョンは、2つ目の事件の場所を突き止め、警察に警告するが、
それはまるでテロリストの犯行予告だった。

当日、ケイレブをグレースに預けて現場に向かい、封鎖されていないことを知ったジョンだが、
自身がテロ予告者だと思われて警察に追われる。
そして偶然逃げ込んだ地下鉄構内で怪しい男を発見して追うが、それは単なる万引き犯だった。

そこへ対向電車が入ってくる。
ちょうど運悪くポイントが異常を起こして電車は脱線、停車車両の線路に突っ込んでくる。
まさにジョンがいる車両そしてそのホーム。
車両は停車車両に追突、横倒しになってホームに乗り上げ、逃げ惑う人々を跳ね飛ばし、なぎ倒しながらホームを滑走、
まさしく大惨事となった。

結局2つ目の惨事もどうすることもできず失意のうちに家に帰るジョン。

そこには、ダイアナとその娘のアビー・ウェイランド(ララ・ロビンソン、二役)が待っていた。
3つ目の事件が起こると言われた10/19は、ダイアナの母、ルシンダがお前が死ぬ日だと告げていたのだ。

3つ目の数字は、ヨヨで終わっていた。
ダイアナは、これがEEの逆さ文字だと考え、謎を解くため、ルシンダが最期を過ごした田舎の小屋へ行く。
森の奥深く、掘立小屋のような小さい家、何も見つからず帰ろうとしたとき、
以前、怪しい人物がケイレブに渡したのと同じ黒い石を見つける。

そして、ベッドの裏に書かれた文字を見つける。そこにはEverybody Elseと書かれていた。
つまり、EEとはEverybody Elseだったのだ。

10/18、予言の前日、MITに調べ物に行ったジョン。
自身の太陽のスーパーフレアの理論を確認した結果、近々スーパーフレアが起こることがわかったのだ。
大惨事の原因は、太陽のスーパーフレアの前兆だった。
このところの暑さも、飛行機の計器異常も地下鉄のポイント異常も、そして携帯もつながらなくなり、TVも映らなくなる。

NASAも政府も知っているはずだ、避けることはできない。
フィルに最後の時を静かに過ごすように勧めるジョン。

地下に潜れば、助かるかもしれない。ダイアナはジョンに故郷の洞穴に行くことを勧める。
いったんは同意したジョンだが、ルシンダが物置のドアをかきむしっていたことを思い出し、そのドアを引きちぎってくる。
ダイアナは業を煮やし、ジョンを残して洞穴に向かう。

ジョンはドアに書かれた数字がルシンダのいた森の小屋だったことを突き止め、
電話でダイアナに告げるが、ダイアナはそれを信じない。

ダイアナが電話している間に、以前も登場した怪しい人物が、ケイレブとアビーを連れて立ち去る。
狂ったように車で後を追うダイアナ。
信号を無視して走行、トラックに激突して死亡する。
くしくも10/19になったばかり、深夜0時のことだった。

ダイアナの死を知ったジョンは、ケイレブとアビーを追って、ルシンダの小屋へ行く。
そこからさらに奥、あの黒い石が敷き詰められた広場に、怪しい男たちとケイレブ、アビーがいた。

そう、怪しい男たちは宇宙人で、ケイレブやアビーなど男たちのささやき(テレパシー)を感じる人間を選別していたのだ。
ジョンは連れて行けない、と「ささやく」宇宙人たち。
一緒に行けなくても、いつも一緒だよと答えて、2人を送り出すジョン。
宇宙船は二人を乗せ、どこかへ飛んでいく。地球全体ではいつもの宇宙船が、、、。

父母の待つ街へ取って返し、妹と4人でスーパーフレアの時を待つのだった。
そしてその時、地球上の生命は絶滅する。

***

オーストラリア出身のキャストが多く出ているが、ロケ地はメルボルンとなっていたのである程度納得。

チラシでは、ディザスター・ムービーとなっているが、SFと言っていいだろう。
多くの謎の理由は説明されないままで、宇宙人と言えば常に「フォーガットン」の影がちらついてしまう。
さすがにそこまでひどくはなかった。

すべての事故が予測できる理由は不明だが、スーパーフレアならある程度予測できてもおかしくはない気もする。

 

 

 クヌート    

  
ベルリン動物園で、親の育児放棄に遭って人工哺育により育てられたホッキョクグマ、クヌートのドキュメンタリー。
また、北極に住む自然のホッキョクグマの親子、ベラルーシの親を失ったヒグマの兄弟と同時並行にその成長を追っている。

ナレーションは、藤井フミヤ。

クヌートは、双子として生まれたが、母親が育児放棄、人工哺育に切り替えられたものの、兄弟は4日で死亡している。

誕生まもないころから、飼育係のトーマス・デルフラインが中心となって、クヌートを愛情深く育てていく様子や、
一般公開で大人気になったことや、クマ舎に単独で飼育されるようになるまでが描かれる。

自然界のホッキョクグマの親子は、内陸部(海岸から60キロ)の雪原で三つ子として生まれたが、
最も小さい1頭は巣穴では育ったものの、海を目指して出発後、早々と死亡、残り2頭が母親とともに育ち、
やがて海に出て暮すようになるまで1年余の出来事が綴られる。

ベラルーシのヒグマは、生後4か月ほどで母親を亡くし(ナレーションでは人間に殺された)自分たちで健気に生き、
やがて、生まれた巣穴に戻って冬を越すまでのやはり1年余が綴られていた。

最後に飼育係のトーマス・デルフラインが、2008年9月に亡くなったこともテロップが出て映画は終わる。

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トーマス・デルフラインは2008/9/22に死亡している。ご冥福をお祈りする。
通常、ホッキョクグマが親離れをするのは2歳だそうで、クヌートにとっても大変残念な出来事であったろうと推察する。

冒頭から自然界のホッキョクグマが温暖化による絶滅危惧種であると語られる。
それは事実だが、映画からは自然のクマでさえ危機感は感じられないし、
ましてやクヌートが地球温暖化の犠牲になっている感は全くない。
もともとそういうナレーションがあったのか疑問にさえ思う。
原題は「Knut und seine Freunde」(クヌートと彼の友達)

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クヌートの母親は元サーカスに在籍していたホッキョクグマで、過去にも育児放棄があったらしい。

クヌートは2006/12/5に誕生、映画の公開はドイツでは2008/3だから、 映画の中身はせいぜい1年分だ。
公式HPによれば、生後半年間の物語だそうだ。

自然界のホッキョクグマやヒグマに比べ、あまり大きくなってない気がしたのはそのせいか。

さて、人工哺育のホッキョクグマと言えば何といっても、愛媛県立とべ動物園(愛媛県砥部町)のピース。
ピースは1999年12月2日に生まれている。
2頭生まれ、1頭は母親に咬まれた傷がもとで死亡、ピースが生き残った。

まだ、目の開かないうちから、飼育係の高市さんが親代わりを務め、9歳を過ぎた現在も元気だ。
TVでもドキュメンタリーが放送されたこともあり、そちらの方が人工哺育についての突っ込みは鋭かったように思う。

ベルリン動物園にも、とべ動物園の人工哺育のニュースは伝わっているだろうし、
コンタクトを取ったことも考えられるが、映画の中では一切触れられない。

「アース」のときも感じたことだが、温暖化云々はどうも取ってつけたような感があった。
しかも「アース」では本当に氷がなくて困っている(風な)ホッキョクグマが登場したが、
この映画のホッキョクグマは、何をどう困っているのかさっぱり分からなかったし、
クヌートに至ってはぬくぬくと丸々と育ち、ナレーションとのミスマッチというか違和感があった。

 

 

 セントアンナの奇跡   

スパイク・リー監督の戦争映画。

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安アパートでジョン・ウェインの戦争映画を見る黒人男性。
「おれたちもあそこで戦ったんだ」とつぶやく。

1983年12月、ニューヨークの郵便局。
窓口の黒人男性は、切手を買いにきた客の男性をにらみつけると、その男も驚く。
次の瞬間、窓口の男はルガーを取り出し、その客に向って引き金を引いた。

客の男性は即死、窓口の男、ヘクター・ネグロン(ラズ・アロンソ)は逮捕される。
遅れてきた新聞記者(ジョセフ・ゴードン=レビット)は、刑事(ジョン・タトゥーロ)に食い下がり、
犯人宅の捜索に同行する。
そこで発見されたものは、大理石の彫像の頭。
研究者の鑑識によれば、それは第2次大戦中にナチによる橋の爆破で崩壊し、
行方不明になっていた四季を示す彫刻のひとつ、プリマベーラ(春)の頭部だった。

それはスクープとして新聞に載り、イタリアでも英字新聞に載った。
たまたまカフェテラスでコーヒーを飲んでいた紳士がその記事を読み驚く。

記者はヘクターとの面会で殺害の理由を聞くが、ヘクターは答えず、「眠る男」を知っているとつぶやくのみ。

舞台は第2次大戦末期の1944年、イタリア戦線。
トスカーナ地方でナチを追撃する黒人兵のみで構成されるバッファロー部隊は、セルチオ川に進行中だった。
対岸からは、ナチの宣伝放送が流れているが、ドイツ兵ですら忌々しいと感じていた。

突然、ドイツ軍の銃撃が始まり、中隊のほとんどはやられる。
かろうじて対岸にたどりついたのは、2等軍曹のスタンプス(デレク・ルーク)、3等軍曹のビショップ(マイケル・アーリー)、
通信士で伍長のヘクター(ラス・アロンソ)、上等兵のトレイン(オマール・ベンソン・ミラー)4人だけ。

ここで4人の性格を少し解説しておく。
スタンプスは、まじめでアメリカに忠誠をつくし、自分たちが頑張ることで黒人差別がなくなることを信じている。
ビショップはもともと聖職に就いていながら、戦争の理不尽さに神を忘れかけている。
ヘクターとトレインは敬虔なキリスト教徒だが、トレインは図体がでかくちょっと頭が弱い。

スタンプスは無線で援護の砲撃を要請するが、ノークス大尉は無視する。
ビショップとトレインは先へ進み、小屋を発見、干し草が動くのを見てビショップはトレインに偵察させる。
干し草には男の子アンジェロ(マッテオ・シャボルディ)が隠れていた。
小屋は砲撃されて崩れ、トレインは男の子を見つけて助けるが、更なる砲撃があり、ビショップはトレインが死んだと思う。
ビショップは少し戻ってヘクターとスタンプスと合流、その後3人はトレインを見つけるが、帰還せず合流して先へ進む。

ナチの軍勢が食料を強奪し、去ったばかりの村に4人は子供を連れて転がり込んだ。
イタリア語が話せるのはヘクターだけ。村で英語が話せるのはレナータ(バレンティナ・セルビ)だけ。

アンジェロはトレインをチョコレートの巨人(ギガンテ・ディ・ショコラーテ)と呼び、
みんなには見えない「アルトゥーロ」と会話しながら、トレインたちにとっての小さい奇跡を起こす。

アンジェロとトレインは言葉が通じないながら、気持は通じ合う。
簡単な合図で危険や眠いなどを知らせあうことにした。

無線で救援を要請したスタンプス一行は、ノークス大尉よりドイツ兵を捕虜にしろとの命令を受ける。

一方ドイツ軍では、警備隊に対して脱走兵を探すよう厳命が下る。

また、この村出身で「蝶」と通称されるパルチザンのペッピ(ピエールフランチェスコ・ファビーノ)は、
仲間のロドルフォ(セルジオ・アルベリ)らとともにドイツ兵と戦っていたが、
森で一人はぐれたドイツ兵(=これがその脱走兵)を確保し、村へ戻ってきた。

アンジェロは怯え、危険をトレインに伝える。

ここで、脱走兵をめぐって、ドイツ軍、パルチザン、アメリカ軍の綱引きが始まる。
そして不思議なことに、その脱走ドイツ兵は、アンジェロを知っており、逃げるんだと諭すのだった。

しかし、村にもアメリカ兵の中にもドイツ語の分かる者はいなかった。

ペッピは母親に「サンタンナ・ディ・スタッツェーマの大虐殺」(=「サンタンナの虐殺」、サンタンナ=セントアンナ)の
真相を語り始める。

それによれば、ペッピはサンタンナでロドルフォと合流する予定だったが、天候が悪く移動できなかった。
サンタンナ・ディ・スタッツェーマ村では、ナチがペッピの居場所を住民に聞き、誰も答えない(知らない)からとして、
全員を射殺してしまった。

しかし、一人のドイツ兵が2人の少年、アルトゥーロとアンジェロを逃がそうとしていた。
アルトゥーロは発見されて射殺され、アンジェロとそのドイツ兵は逃げた。

その時、アンジェロの見たものは、ナチの将校と会話するロドルフォだった。

ロドルフォは、ドイツ兵の大群が村に近づいて来るのを知っていたが、黙っていた。
そして隙を見て、ドイツ兵を殺し、ヘクターにも切りつけて逃げた。

ロドルフォはペッピのところへ行き、ドイツ兵はアメリカ兵が連れて行ったと嘘を言った。
ペッピはロドルフォの兄でファシスト党員だったマルコを戦闘で殺していた。
罪の意識からか、マルコの話ばかりするペッピは、ロドルフォにとって疎ましい存在だった。
口論から、ロドルフォはペッピを射殺して逃亡する。

やがてドイツ兵を確保にノークス大尉が村にやってきた。
ドイツ兵が死んでいたことと、アンジェロの件で、大尉はスタンプスたちと口論になり、4人を置いて戻ろうとする。
そこへ到着したドイツ兵の攻撃があり、ノークス大尉の一行は爆死。
村人を犠牲にしながらの銃撃戦となる。
スタンプスたちは村人を逃れさせようとするが、所詮多勢に無勢。
アンジェロも撃たれ、レナータもその父も撃ち殺される。
そして、スタンプスら4人も一人また一人と銃弾に倒れていく。

ヘクターも背後から撃たれたが、無線機のおかげで死なずにはすんだ。
しかし、怪我で動きが取れず、万事休す。
ドイツ兵の銃口がヘクターの頭を撃ち抜く、と思ったその時、ドイツ軍将校がそれを静止、
負傷兵の介護、死亡兵の埋葬を命じる。
そして、ヘクターに自分のルガーP08を渡し、「自分の身を守れ(Defend yourself)」と言って立ち去る。

そこへ死んだはずのアルトゥーロがやってきて、アンジェロにお前は死んでいないと告げ、起こしてやる。
アンジェロはトレインが持っていた彫像の頭部をヘクターに預け、ヘクターは自分の十字架ネックレスをアンジェロにやる。
アンジェロはアルトゥーロとともに立ち去るが、途中で消えてしまう。

やがて、アメリカ軍が村に進攻してヘクターを救出。
ヘクターは帰国し、叙勲される。

再び、1983年、一言も弁解しないまま裁判になるヘクターだったが、
「友達の友達」だという辣腕女性弁護士が、ヘクターを弁護、大金を積んで、あっさりと保釈させる。

すべての「友達」は死んでしまったというヘクター。
ヘクターを保釈させ、助けたのは安全装置などで戦後大成功した富豪だという。

ヘクターの前に現れたその「友達」とは、冒頭に新聞を読んでコーヒーをこぼした男、
それは、40年前にヘクターが十字架をあげたアンジェロだった。
あれは幻ではなく、奇跡だったのだ。

***

160分と長い上に、複雑な相関関係の中で物語が展開する。
主人公である4人の黒人兵だけに識別眼を集中すると、ドイツ兵の違いがわからなくなる。

鑑賞時はなぜドイツ兵がさっさと撤退したのかよくわからなかったが、脚本上はちゃんと筋が通っていた。

*

当たり前といえば当たり前だが、アメリカ兵は英語で、ドイツ兵はドイツ語だし、イタリア人はイタリア語。
時々バイリンガルな人もいて、リアリティは増す。

ナチ=悪、アメリカ=善といった単純な構図ではなく、ドイツ兵もイタリア人もアメリカ軍も末端は同じように苦しみ、
100%善も100%悪もなく、やなやつはどこにでもいるし、いい人もいる。

 

 

   
   
   

 

 

 

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