2011/4-6鑑賞
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今年の累計:33(20)[9] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:17(12)[2]本 、4−6月期:16(8)[7]本、7−9月期:0(0)[0]本、10−12月期:0(0)[0]本  
4月:5(3)[3]本、5月:5(2)[2]本、6月:6(3)[2]本、
4−6月期:16(8)[7]本
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 SUPER8/スーパーエイト 

S.スピルバーグ製作、JJ.エイブラムス監督。
ジョエル・コートニー、エル・ファニング、カイル・チャンドラー。

1979年、オハイオ州、リリアン。
鉄鋼工場で事故があり従業員が死ぬ。
それは保安官助手ジャクソン(カイル・チャンドラー)の妻で、ジョー(ジョエル・コートニー)の母だった。
葬儀にやってきたルイス・デナード(ロン・エルダード)は、ジャクソンに追い返される。

それから4か月。
ジョーは仲間とともに文化祭に出す映画のスタッフに加わっていた。

仲間は監督兼脚本家で大家族のカズニック家のチャールズ(ライリー・グリフィス)、
パニクるとすぐゲロを吐く主演刑事役のマーチン(ガブリエル・マッソ)、
火薬が趣味のゾンビ役のケリー(ライアン・リー)、
冷静な照明や機材担当のプレストン(ザック・ミルズ)。
ジョーはメイク担当だ。

チャールズは、刑事の妻役にアリス・デナード(エル・ファニング)を誘ったと言う。
そして深夜の駅のホームで、殺人事件を捜査している刑事が妻と別れるシーンを撮るという。

アリスは父の車でやってきたが、ジョーの姿を見て捕まると言い出す。
ジョーが保安官助手の息子と知っていて、自分の無免許運転がばれると言うのだ。
ジョーは口外しないことを約束し、撮影が始まった。

刑事と妻の別れのシーン、アリスの熱演に一同言葉を失うが、それはリハーサル。
そこへ丁度列車が通りかかる。
この機を逃すまいとチャールズは本番を指示。

列車がホームを駆け抜けていく間に撮影は行われた。
しかし、ジョーが列車の過ぎ去った方に目をやると、1台の車が暴走して列車にぶつかってしまった。

激しくぶつかり脱線する列車。
車両が飛び、爆発炎上する中、一同は逃げ惑う、カメラをその場に残したまま。

やがて、転覆は治まるが、ジョーのすぐそばにひっくりかえった車両からは
大きな音がして貨物室のドアが吹き飛んだ。

子供たちは全員無事だったが、ジョーは車が列車にわざとぶつかったと言い、
車を見に行くとそこには血まみれの生物教師、ウッドワード先生がいた。
彼は「みんな逃げろ、ここにいると全員、親も兄弟も殺される」と言って銃を取り出した。
遠くからは軍と思われる一団が近づいてくる。

全員逃げ、何とかカメラだけは確保してその場を立ち去った。
ショーは列車から散乱したキューブを一つだけ持って。

翌日、近所は事故のニュースでもちきり。
ジャクソンは事故現場の捜索をしようとするが軍のネレック将軍は取り合わない。

一方、チャールズはフィルムの現像を頼むが、カメラは修理するより買った方が安いと言われる。

ジョーは渋るチャールズを説得して映画の続きを取ろうと言い出し、アリスにも頼みに行く。
そこへルイスが帰ってきて激しくチャールズを叱責、アリスは逆に出演をOKする。

ジョーは家からカメラを持ち出し、列車事故現場の近くで撮影を続ける。
軍はウッドワードを確保、現場のタイヤ痕を調べるなど何かを突き止めようとしていた。

その夜から不思議なことが起こる。
犬が次々と逃げ出し、保安官が行方不明になり、GSのコンビニが襲われ、店員がさらわれる。

停電、家電の盗難、人々の行方不明、次々と起こる事態に、ジャクソンは謎を感じる。
そして住民の一人の情報から軍の無線通信を傍受、スクランブルを解除
「ウォーキング・ディスタンス作戦」の存在を知る。

翌日ジョーは軍が捜索しているウッドワード先生宅近くで兵隊役で映画を撮影していたところ、
ジャクソンがやってきてカメラを取り上げる。
そして、ネレック将軍に「ウォーキング・ディスタンス作戦」を問い詰めると将軍は別の場所で話をすると言う。

ジャクソンはジョーにアリスと付き合うなと指示し、軍の基地へ向かい、そこで逮捕監禁されてしまう。
ジョーは失意のまま母の墓へ行き、倉庫で何かが暴れているのを感じる。

ジョーが家に帰るとアリスが訪ねてくる。
アリスはジョーの母の事故はルイスが酒を飲んで仕事を休み、ジョーの母が代わりに出勤したせいだとして、
自分も父も悔やんでいると伝える。
その時突然キューブが動きだし、猛烈な勢いで壁を突き破ってどこかへ飛んで行ってしまう。

アリスは家に帰るが、ルイスに叱責されて家を出てしまう。
車で追いかけるルイスだが、事故を起こし、その間にアリスは何者かにさらわれてしまう。

翌日、チャールズはフィルムを取りに行ったが映画はもうどうでもいいと言い出す。
アリスを誘ったのは自分がアリスが好きだったから、なのにアリスはジョーが好きだから腹が立つという。
そしてフィルムをかけたまま口論し、そこに映っていた何か得体のしれないものを見てしまう。

その頃、事故現場付近で山火事が起こり、町全体が軍施設に退去させられることになった。
ジョーやチャールズも軍の施設に移る。
そこでルイスを見つけ、アリスが何かにさらわれたと聞く。

ジョーはウッドワード先生の物置に秘密を知るものがあると考え、みんなで探しに行く。
プレストンは残るが、チャールズの姉ちゃんに子守の取引を持ちかけ、
カメラ屋のドニー(デビッド・ギャラガー)をだまして残りの4人は車で学校に向かう。

ジャクソンは、監禁されていたが、うまく脱出し、プレストンを問い詰めてジョーの行動を知り、
ルイスを見つけて二人で軍施設から出る。

一方、ウッドワード先生の物置にはいろんな資料があった。
そしてフィルムにはかつて先生がエリア51で働いていた時「あれ」が暴れだした事件の記録もあった。

そこへ軍が乗り込んできて、全員軍のバスに乗せられる。
ところが基地への移送中に「あれ」が襲ってきて、バスは大破、4人は何とか逃れるが兵隊は死ぬ。

街では戦車やミサイルが制御が効かず、誤射誤爆、撃ちあいになっていた。
4人の近くで爆裂が起こり、マーチンは大けがしてチャールズが付添い、
ケリーとジョーは「あれ」が地下に潜る性質との先生の資料を思い出し、墓地へ向かう。

はたして墓地の倉庫の中には、大きい穴が開いていた。
その地下に忍び込むと、天井から吊るされた保安官を含む行方不明の人々。
機材が置かれ、何かが組み立てられようとしていた。
そこへあの怪物が現れ、人を食べていたのだ。

ジョーは怪物の注意をそらすため、ケリーに火薬の爆破を頼み、その隙にアリスを助ける。
何とかアリスを助け、気が付いた保安官や町の人も加えて脱出を図るが、
怪物に見つかり、次々と殺される。

そしてついにジョーも怪物につかまるが、なんと感情が通じたのか怪物はジョーを放して去っていく。

ジョー、ケリー、アリスが地上に出ると、そこでは例のキューブが集まって何かを形作っていた。
やがてそれは宇宙船となり、例の怪物が乗り込んで大空に舞いあがっていった。

ジョーたちを見つけたジャクソンとルイスも親子の再会を果たし、物語は終焉を迎えた。

**

エンドロールの最中、ジョーたちが撮影していたショートフィルムの全編が流される。

いやいや、なかなかどうして面白かった。
物語の展開はそれほど複雑ではないけど、台詞が面白かった。
特に子供たちがてんでんばらばらに喋りまくり、ちゃんと会話が成立しているところはさすがでした。

怪物は実は宇宙人ですが、クローバーフィールドの怪物を小さくしたような感じでした、
そこはやはり、JJ.エイブラムスの思考の中なんでしょうか。

まあ、何で移送されようとしていたのかは不明ですが、エリア51に確保されていたとしても
何で怪物はいつも裸なんでしょうか、謎です。

子役はみんなうまい。
恐るべしハリウッドの子供たち。

エル・ファニングはダコタ・ファニングの妹。
駅での別れのシーンは彼女の演技力の見せ場。
「ベンジャミン・バトン」の時は一瞬ダコタ・ファニングかと思う位雰囲気が似ていたが、
かなり違う感じになってきた。このまま演技派として育ってほしい。

ジョエル・コートナーとライリー・グリフィスはどこかで見た感じだが、実は映画初出演。

ザック・ミルズは「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」で変な子供。

時代はスリーマイル島事故が出てくるので1979年だと分かる。

スーパーエイトは8mmフィルムの規格の一種。
1軸式のカセットタイプのフィルムで、それまでに比べフィルムの装填/交換が容易になった。
日本では2軸式のカセットを使うシングルエイトが有名で一世を風靡した。
しかし、いずれにしてもカメラ本体もさることながらフィルムが高額で
今のビデオカメラの様に気軽に撮影することはできなかった。
 

 

 

 大鹿村騒動記    

原田義雄、大楠道代、岸部一徳、三國連太郎、佐藤浩市、石橋蓮司、松たか子、瑛太。

**

長野県の山間、大鹿村。
バスが終点に着くと、一人の若者(冨浦智嗣)と一組の男女が降りた。
運転手は「治さん?貴子さん?」と呼びかけるが二人は答えない。

若者は風祭善(原田義雄)の営む食堂「ディア・イーター」のスタッフ募集に応募しに来たのだ。

大鹿村はリニア新幹線の経路にあたるため、村役場で説明会があったり、
村人も良いの悪いのと意見が分かれているが、目下の最大関心事は5日後に迫った「大鹿歌舞伎」だ。

説明会もそこそこにみんな稽古に夢中だが、ちょっとした行き違いは絶えない。
(小倉一郎)は(でんでん)とくだらない言い争いの末、芝居を降りると言い出す。

そこへ、18年前に駆け落ちした能村治(岸部一徳)と善の妻、貴子(大楠道代)がやってきた。
治は、貴子が痴呆気味になったため、返しに来たと言う。
当然怒り狂う善とケンカになるが、そこは幼馴染、血を見るようなことはない。

いろいろあって治は文無し、村から出るに出られず、旅館の手伝いなどをして過ごす。
貴子は「ディア・イーター」を手伝い、生気を取り戻したように見えた。
しかし、ちょっと目を離すとその辺のものを生のまま食べたり、
よその店から品物を勝手に持ち出し、しかも何も覚えていないと言った有様。

善は(小倉一郎)とでんでんの仲を取り持ったり、芝居の稽古にも注力し、
しかも貴子の面倒を看なければならないことに疲れ果て、芝居を降りるとまで言い出す。

大鹿歌舞伎保存会会長(三國連太郎)に謝りに行くが、
会長が実の娘である貴子を芝居が終わるまで預かることになった。

台風が村に接近。
18年前の貴子と治が村を出た日のような暴風雨となった。
貴子は不意にそのことを思い出し、正気を取り戻して会長の家を出てしまう。

善と治、(冨浦智嗣)らが貴子を探し見つけるが、もう一つ大変な事件が起こる。
それは芝居で女形(おやま)を演じる(佐藤浩市)が車ごと崖下に転落、大けがをしてしまう。

佐藤浩市のやっていた役は、かつて貴子の役だった。
善や他のメンバーに諭され、貴子は(佐藤浩市)の代役としてその役に挑む。

大鹿歌舞伎当日。
貴子の熱演もあって、芝居は成功裏に終わり、すべては万々歳となった、
かに見えたが、貴子の気の迷いは再び現れ、善と治の区別もつかなくなるしまつだった。

**

村の誰もが互いの名前も素性も知っているようなところ。
妻を連れ去られた善ですらその相手と「治ちゃん」「善ちゃん」と呼び合うような環境。

歌舞伎という村の伝統を守り、営々と伝えていく中、他愛もないような出来事に一喜一憂。

そんな中で駆け落ちと出戻りという村人にとっては一大事が、
これまた大鹿歌舞伎という大事な出来事と重なって、紆余曲折を紡いでいく。

ハラハラドキドキではないけれど、ドキュメントをみているかのようだった。
各キャストが本当に自然で情景に溶け込んでいた。
「奇跡」の大人部分の演出とどこか似ているものを感じた。

大鹿歌舞伎は、実在する伝統芸能で300年以上の歴史を持ち、
1996年には国選択無形民俗文化財に指定されている。
劇中使われる舞台も本物。観客もほぼ現地人。

 

 

 

 スカイライン   

エリック・バルフォー、スコッティ・トンプソン、ドナルド・フェイソン、デビッド・ザヤス

ジャロッド(エリック・バルフォー)とエレイン(スコッテイ・トンプソン)は、
リッチな友人のテリー(ドナルド・フェイソン)の誕生パーティに出席するため、
NYからLAに向かう。

テリーは高層マンションの最上階(ペントハウス)に住み、豪勢な生活をしていた。
パーティで大騒ぎした翌日の早朝、異変が起こる。

空から青白い光が降ってきて、それを見た人間は血管が浮き出て青あざの様になり、
魅入られたように光の方へ向かっていく。
そして、突然どこかへ吸い込まれてしまう。

テリーの家で最初に犠牲になったのはレイ(ニール・ホプキンス)
ジャロッドも危うく光にのまれそうになるが、テリーのおかげで助かる。

テリーとジャロッドは事態を把握しようと屋上へ向かう。
テリーは銃、ジャロッドはカメラを持って。

ジャロッドが屋上のオートロックをうっかり閉めてしまい、二人は屋上に取り残される。
そしてそこで見たものは、雲の中から現れた巨大母船群とそれに吸い込まれる人々の姿だった。

母船からは、小型の飛行物体が放たれ、こちらに向かってきた。
テリーとジャロッドはドアを破って必死で部屋に戻る。

とにかくここにいては危ない。
二人は女性陣も一緒に連れて逃げることに。
ここで若干のゴタゴタがあり、テリーとデニスはフェラーリーに乗って先にマンションを出た。
その瞬間、フェラーリは巨大な歩行物体に踏みつぶされ、
テリーは一旦逃れるが、ジャロッドの助けもむなしく物体の餌食に。

もう1台の車のメンバーも逃げるが、飛行物体に追いかけられ絶体絶命。
そこへRUVが突っ込んできて、乗っていたオリバー(デビッド・ザヤス)とともに逃げる。
一行はぎりぎりでオリバーのマンションに逃げ込む。

2日目。
飛行物体と巨大歩行物体は街中をうろつき、人を探している。

ジャロッドは海へ逃げようと言うが、オリバー、エレイン、キャンディスは反対する。
明りがあると発見されるので、部屋を暗くして外をうかがう。
少しの間つけたTVのスタジオは空っぽ、外は今見ているのと同じような光景を映し出していた。

3日目。
外から今までと違う音が聞こえてくる。
無人ステルス機、無人爆撃機などの攻撃だった。

巨大母船からも反撃の飛行物体が次々と繰り出される。
味方の攻撃機は次々つ破壊されるが、ついに超強力ミサイルが母船に命中し、撃墜に成功する。

しかし、ジャロッドにはそれが宇宙船の怒りを誘っているとしか思えなかった。
いや、怒っていると感じられた。実際宇宙船は自動修復を始め、攻撃はより過酷になる。

そして、ヘリで屋上に下りた兵隊に助けを求めるため、ジャロッドはついにエレインを連れて部屋を出る。
屋上でヘリを待つが、ヘリは、攻撃を受けて墜落、兵隊もやられてしまう。

部屋に残ったキャンディスも光にやられて吸い込まれる。
オリバーも覚悟を決めてガスを放出、自爆する。

ジャロッドはついには光線に確保され、母船に飲み込まれてしまう。

母船内で、生物とも機械ともつかない物体が人を仕分けし、
普通の人は脳と脊髄を取り出されてロボットとも生物ともつかないものに移植されるが、
エレインは妊娠していたため別室に送られる。

そして別の生物/機械がエレインを分解しようとしたとき、
移植された物体の一つが生物/機会に対抗してエレインを助ける。
果たしてそれはジャロッドのなれの果てなのか。
映画は謎を残したまま突然終わる。

**

キャストの誰も知らなかった。TVの出演が多いようだ。
唯一見たことがあるのはオリバー役のデビッド・ザヤス、「エクスペンダブルズ」のガルザ将軍。

台詞が短い。
語りで見せる映画ではないのでしょうがないと言えばしょうがないが、稚拙な感じ。

人物の感情描写も浅く、あれだけ反対してたのに結局行くのかよ、とか、
恐怖の中揺れ動く心理、葛藤といった感じは薄い。

とはいえ、特撮はすごいので、ストーリーではなく映像を楽しむのなら十分。

 

 

 127時間   

ジェームズ・フランコのほぼ一人芝居。

**

アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)は、登山家、と言ってもいわゆるトレッキングに近い。
今週の週末も用意をして出かける。
この時、ケータイとスイス製アーミーナイフは気づかずに残してしまう。

目的地はユタ州、ブルージョン・キャニオン。
夜を徹して車を飛ばしキャンプ場で仮眠。
朝になると、今度はマウンテンバイクを駆って、大平原を行く。

そして、マウンテン・バイクはチェーンでロックして置き去りにし、歩きで先へ進む。
途中、道に迷った若い女性二人に出会う。

アーロンは二人を目的地の洞窟に案内、地底湖へのジャンプを楽しみ、二人とは別れる。

ここからは大自然の中でたった一人。
いつものように大胆に、しかし慎重に、浮石になっていないか確認しながら足を進める。
そして、確認したはずの石を掴んで体を預けた瞬間、石は反転し、アーロンは岩の割れ目に滑落する。

足があと少しで底に着く寸前、アーロンの体は右腕を挟んだ岩によって固定され、宙づりになる。
がっしりと食い込んだ岩、わずかに親指が見えているものの、肘から先はピクリとも動かない。

岩は大きく重くがっしりと食い込んで、全く動かすことができない。
アーロンは落ち着いて装備を岩の上に並べ、対応を考えていく。

まずはアーミーナイフで岩を削ろうとするが、ほとんど歯が立たない。
また、宙づりのままではもたないので、上の方のでっぱりにロープをかけ、体をローブで支える。

ビデオで状態を録画したり、遺言のようなものを残したり、前に撮った映像を見たりして気を持たせ、
岩を削ろうとする。

誰にも行き先を告げず、連絡手段も持たずに来たことを後悔するが、それもこれもあとの祭り。

かなり早い段階で、腕を切ってしまおうと考えるが、中国製のへなちょこナイフでは皮膚も切れやしない。

食べ物はすぐに底を突き、水も残り少ない。
尿を取ってそれを飲み渇きを凌ぐ。

岩はわずかに削れるが、腕は岩の間に挟まれていると言うより岩の下にあるので、
削れるとかえって腕を圧迫する。

夜は思いのほか寒く、装備品やロープを体中に巻いて寒さを凌ぐ。
わずかに差し込む朝日が体を温める唯一の手段。

またもアーロンは腕を切る覚悟をし、腕にナイフを突き立てる。
切ろうとするも骨が邪魔をしてそれ以上は切れない。

そうこうするうちに幻聴、幻覚も出てくる。
一時の雨が水分を提供してくれたりもしたが、驟雨となって岩の割れ目を川と化し、
急流となって岩を動かし体を外し、と思ったのは錯覚だった。

このまま死んでしまうのか、とほぼ諦めかけた頃、子供の頃のことを思い出し、
「立ち上がれば、またチャンスがある」と思い直して、いよいよ覚悟を決める。

ナイフで骨は切れなかったので、自ら骨を折り、ナイフで腕を切り裂いていく。
指先は死んでいても腕は生きている。
血だらけになって肉を切っても神経を切るのは激痛が走る。

そして、気を失いかけながらもついに、ついについに、ついに、
アーロンは自分の右腕を残したまま、岩から離れることに成功した。

止血措置、サブバッグを利用して腕を吊り、リュックに装備品を詰めて外へ向かう。
左腕だけでロープを使い崖を降り、平原に出てただひたすら歩く。
朦朧としながら時間もわからずただ歩き、陽炎の向こうにかすかに見えた人影に思い切り「助けて」と叫ぶ。

幸い、その人たちが気付き、水をくれた。

しかし、ケータイは圏外。腕の治療を急ぐため、一行は休むのももどかしく先を急ぐ。
そしてさらに別の人を見つけ、救助隊に連絡してもらえ、ヘリが救助に来てくれた。
そして病院へ急行。アーロンは奇跡の生還を果たした。

アーロン・ラルストンはその後結婚し、今も懲りずに山を登っている。
右腕には指の代わりに義手のピッケルやマジックハンドを付けながら。
そして、今度は行き先をちゃんとメモに残して。

**

アーロン・ラルストンは実在の人物で、この物語は実話。

と、言うことで助かることは判っているし、多くのアメリカ人はどうやって助かったかも知っているし、
日本の映画サイトでもかなりの部分で結末を書いている。

ただ、だからと言ってこの映画の面白みがなくなるわけでもないし、
ジェームズ・フランコの演技が損なわれるわけでもない。

映画で意外だったのは、物語のかなり早い段階で滑落したこと。
そして、腕を捨てる判断をかなり早い時期にしていたこと。

人間死ぬ気になれば何でもできるんだな、というのが正直なところ。
とはいえ、到底真似は出来そうもありませんが。

決断もさることながら、懲りないところはすごいのか、おかしいのか。
鮫に左腕を食いちぎられたべサニー・ハミルトンとかも信じられないし、
それが(これも)映画になっちゃうところがまたすごい。

かなり前だが、似たような話のドキュメントを見たことがある。
その人は登山で遭難して凍傷になり、両足の指をすべて失った。
しかし足先を金属製のツールに付け替えることによってその後も岩登りを続けている。
生身の足が入らないような狭い隙間も薄いツールを使えば足場に出来て便利なんだ、
とか言いながらね。(ちょっと違うけど、根っこは同じような感じ)

 

 

 アジャストメント  

マット・デーモン、エミリー・ブラント、テレンス・スタンプ、アンソニー・マッキー、マイケル・ケーリー。

デビッド・ノリス(マット・デーモン)はかつて最年少で下院に当選した若手議員。
今度はニューヨーク州の上院議員選挙に立候補して、古参議員を相手にリードしていた。

しかし、後援者とのパーティで下半身を露出したとのニュースが広まり、任期が急降下、
結局は選挙戦に敗北する。

敗北宣言のスピーチを無人のトイレで練習していたところ、
(男性トイレの)個室に隠れていたエリーゼ(エミリー・ブラント)に聞かれる。

エリーゼは、ノリスにもっとホントの気持ちを喋った方が良いと伝え、
自分はウェディング・クラッシャー(注)なので、とその場を離れる。

ノリスは、敗北宣言であらかじめ用意されたスピーチの他に素直な心情を吐露し、
民衆から大きな共感を得る。

選挙から3か月、ノリスは選挙参謀でもあったチャーリー・トレイナー(マイケル・ケーリー)
の会社に重役として勤務することになった。

その初出勤の日、公園ではなにやら怪しい二人組が7時5分にコーヒーをこぼすんだ、と話をしていた。
ノリスは6時に起床、7時前には家を出て、コーヒーを買い、バスに乗ろうとしていた。
先ほどの二人組の一人、ハリー(アンソニー・マッキー)は、本を読んでいて時間に気付かず、
ノリスを見つけて追いかけるが、バスに乗り遅れる。

ハリーは高速疾走でバスを追いかけ、タクシーに跳ねられても平気で追い続ける。
ノリスは偶然バスの中でエリーゼを見つけその隣に座る。
バスに追いつけないと見たハリーが指を鳴らすと、ノリスはコーヒーをこぼし、エリーゼにかかる。
ノリスはクリーニング代を出すと言ってエリーゼの連絡先を聞く。

そして会社に着くと、会議室ではチャーリーが固まっていて先ほどの二人組の片割れと何人かが何かをしていた。
びっくりするノリスは、咄嗟に逃げるが結局追いつかれ捕まる。
男たちは、計画が狂ったと言い、すべてを口外しないこと、エリーゼとは二度と会わないことを約束させる。
そして、エリーゼの電話メモを焼き捨て、ノリスをチャーリーの会社へ戻す。

チャーリーは会議で気のない返事をするノリスを問い詰め、ノリスはエリーゼに会ったことを告げる。

納得いかないノリスはエリーゼの居場所を探そうとするが、ハリーは密かにノリスに会い、
エリーゼとの出会いは運命から外れている、我々はそれを運命通りになるように
「調整(アジャスト)」する部門だ、と告げる。
ノリスはハリーを天使か?と聞き、ハリーは否定しない。

それから3年間、毎日同じ時間にバスに乗り、エリーゼを探し続けるノリスは、
ついに歩いていたエリーゼを見つけ、バスを降りて追いかける。
そして、電話番号を失くしたと言ってエリーゼに謝り、許してもらう。

エリーゼは前衛ダンスのプリマだった。
ノリスは、再び上院議員に挑戦することになっていたが、エリーゼが気になって
出馬宣言の演説も断ろうとする。

調整局の連中は小細工をして、ノリスをエリーゼから引き離すが、演説後、再びノリスはエリーゼを探しに行く。

あまりにも頑固なノリスの動きにハリーの上司は大物調整員トンプソン(テレンス・スタンプ)を駆り出す。
追う「調整局」の連中とエリーゼのもとに急ぐノリス。
タッチの差でエリーゼの練習場所に着いたノリスだが、調整局の連中はノリスに衝撃的なことを告げる。
それは、ノリスが上院議員に当選し、やがて大統領になり、世の中を変える運命にあるということ。
そして、エリーゼと会うことはその夢を捨てること、そして同時にエリーゼの夢を壊すこと。
ノリスと別れたエリーゼはやがて世界的ダンサーとなり、大勢の優秀な弟子を育てるが、
ノリスと結ばれれば、幼児ダンス教室の講師になる運命だということ。

そしてノリスの目の前でエリーゼは足をくじく。
エリーゼを病院へ担ぎ込んだノリスは単なる捻挫に安心し、エリーゼを置き去りにして去る。

ノリスは優勢に選挙戦を進めるが、エリーゼは別の男性と婚約、近々結婚することになる、という。
エリーゼは結婚を控え、練習に打ち込むがなぜか心は晴れない。
ハリーは元々はノリスとエリーゼが結ばれる運命であったのが「運命が書き換えられた」ことを知り、
ノリスに加勢してしまう。

すなわち、エリーゼとの運命が再び書き換えられる可能性もあることを示唆し、結婚妨害を教唆、
式場への近道を教え、それを通過させる鍵である帽子を貸す。

ノリスは、雨に紛れて式場に接近。
事情が分からず混乱するエリーゼ。

ノリスはエリーゼに調整局の話をして、運命の書き換えを頼むため調整局に乗り込んでいく。
そしていろいろと追いつ追われつがあり、ついに袋小路に追い込まれた二人。
そこへハリーが来て運命が書き換えられたことを告げる。

調整局員はすべてを理解し、その場から立ち去り、二人はめでたく結ばれる運命となった。

**

「フォーガットン」「運命のボタン」ほどではないが、それに抗う男女の物語と言ったらいいか。
CGやVFXは見事だが、ストーリーに共感するものはない。

敢えて言うなら、
「運命には逆らえないとは限らない。未来を切り開くのは自分たちの強い意志である」
が教訓か。

調整局員の中に一瞬、松崎悠希の姿を見たと思ったが、勘違いだったようだ。

最後のハリーの台詞、字幕では「君らは自由だ」だったと思うが、言ってたのは
「君らは階段で行け」だった。

 

 

 

 プリンセストヨトミ   

万城目学(まきめまなぶ)の同名小説の映画化。
堤真一、中井貴一、綾瀬はるか、岡田将生、和久井映見、笹野高史。

**

冒頭はキャッチコピーにも書かれている大阪が全停止したシーン。
忽然と人がいなくなった商店街を綾瀬はるかが、胸を揺らしながらかけるシーンだ。

松平元(堤真一)、鳥居忠子(綾瀬はるか)、ゲインズブール旭(岡田将生)は会計検査院の検査官。
主に外郭団体への補助金についての監査をしている。

副長の松平は厳正な検査を行い、細かな不実も見逃さない。
鳥居忠子は大食で天然。ときどき思わぬことから嘘を見抜いて「ミラクル鳥居」と呼ばれている。
ゲインズブール旭は、もいかにもエリート然とした青年で、副長に心酔しているが、鳥居には好感を持っていない。

さて、3人は大阪にある外郭団体を検査することになり、新幹線で大阪に向かう。
途中車内でちょっとしたエピソードがあり、それは帰路になる物語の最後にも現れるのだがここでは略す。

7月4日、月曜日。
大阪で最初の団体を検査して3人は、またしても鳥居の偶然小耳にはさんだ話から不正を発見する。

7月5日、火曜日。
続いての検査対象は、年間5億円の補助金を受けるOJO、大阪城址整備機構である。
通天閣の見える空堀商店街の一角にそのビルはあった。
暫くして応対に出た長宗我部(笹野高史)の案内で3人は書類の検査に入った。
書類上の問題はなく、反面調査でも問題は見つからなかった。

OJOから補助金を受ける研究者に大阪城や豊臣家を調査する漆原修三(江守徹)なる人物がいる。
 

3人は、午前中に検査を終え、ビルの正面にあるお好み焼き屋「太閤」で食事を摂る。
携帯を忘れた松平はOJOに戻るが、事務所には人っ子一人いなかった。
怪訝に思いながらも、松平はその場を去る。

7月6日、水曜日。
空堀中学に出向いた3人は、いじめに遭う女子中学生に出会う。
いじめていたのは暴力団組長の息子、蜂須賀。
いじめられていたのは実は男の子で、お好み焼き屋「太閤」の息子、真田大輔(森永悠希)、
それを助けたのは正真正銘の女子中学生、橋場茶子(沢木ルカ)。

空堀中学の一角にある祠のような開かずの扉。
どこかで見た、と思った松平は再びOJOを訪れる。

昨日の不思議(職員がいなかったこと)を問いただすが、長宗我部は言い逃れる。
再び太閤、正面からビルを見据えていた松平。
人の出入りした様子はなく、長宗我部の反論は不可解だった。

7月7日、木曜日。
蜂須賀のいじめはエスカレートし、大輔は丸坊主にされてしまうが、それでもセーラー服での通学を止めない。
大輔は自分を助ける茶子に迄、いじめが及ぶことを恐れ、蜂須賀に嘆願するが、
茶子をいじめないことの代償として、組の代紋を取ってこいと言われる。
松平は、長宗我部の言葉が信じられず、空堀中の祠の扉と同じ模様のあるOJOの扉を開けさせようとする。
拒絶する長宗我部にも引き下がらない松平。
そこに「太閤」の主人真田幸一(中井貴一)が登場し、扉の向こうに案内する。
そこには赤じゅうたんの敷かれた長い長い地下廊下が続いていた。

その先には、国会の総理執務室を模した部屋があり、そこで真田は大阪国総理大臣と名乗る。
そして大阪国が、もともとは徳川家康による大阪夏の陣とその後の豊臣家の断絶に反発し、
かろうじて難を逃れた豊臣国松とその子孫を守り続けるために作られたと説明した。

そして明治維新の際、時の明治政府に大阪が財政支援をする見返りに
豊臣家の末裔を守る「大阪国」の存在を認め、後にその存続のために
補助金を出すことになったと言うものだ。

そして、OJOとは大阪国が守るべきもの、そのものつまり、王女である、と告げる。

唐突な話にも冷静さを失わない松平だったが、過去の検査報告を調べるよう旭に指示、
鳥居には「太閤」に詰める様指示する。

7月8日、金曜日。
旭は過去の検査報告に問題はないが、1点だけ、30年ほど前の検査報告がない、という。
松平は、真田に夕刻大阪府庁で検査結果を通知すると連絡する。

午後、帰宅した大輔を連れて真田はOJOの地下通路を通って大阪国に大輔を連れて行き、その由来を伝える。
そして、守るべきものOJO(王女)こそ、橋場茶子であると告げる。

大輔は茶子を蜂須賀から守るために、単身蜂須賀組に乗り込んでいく。
一方、茶子も蜂須賀組に殴り込みをかけようとするが、寸でのところで鳥居に阻止され、連れ去られる。

これを会計検査院による王女の拉致と捉えた真田は、決起を呼びかけるヒョウタンを掲示、
大阪城は赤く染まり、午後4時、大阪は全停止する。

松平は状況がよく呑み込めないまま、大阪府庁前で真田と対峙する。
大阪国国民がその場に集結し、真田と松平の、いや、大阪国と会計検査院の対決を注視する。

いろいろ議論のやり取りのあと、会計検査院は補助金が不正であると断じ、大阪国の存在を明らかにすると公言、
それを阻止しようとする大阪国民の非難を受ける。
そして群衆の中から放たれた一発の銃弾が松平の左胸を撃ち、松平は倒れる。

幸い命に別条のなかった松平はかつて大阪に住んでいて、自堕落な生活を送っていた父が、
死期を悟り大阪国の秘密を息子に伝えようとしたが無視したことを思い出していた。

そして、真田にはOJOの検査は問題なし、大阪国の存在は見たことも聞いたこともないと告げる。
真田はそれを大阪国民に報告、こうして大阪国の秘密は守られることとなった。

帰路。
新幹線の中から、冒頭に鳥居が行っていた不思議な現象を目撃する松平だったが、後の二人は夢の中だった。

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万城目学は「まんじょうめ」ではなく「まきめ」。
別人で万城目と書いて「まんじょうめ」と読む人物も存在します。
なお同じ「まんじょうめ」でも「20世紀少年」に出てくるのは万丈目胤舟。

まずまず面白い。
父と息子の関係などもうまく取り入れられていたし、漆原修三の存在も効いていた。
余談だが彼と北大、いやH大獣医学部の漆原信教授との縁戚関係はないと思われる。

勿論、突拍子もない話なんだけど「鴨川ホルモー」に比べるとややインパクトに欠ける、かな。
ごく一部の人しか知らないが世の中には連綿と続く事実が存在するのは面白いが、
大阪国の発起で全停止するのはやや無理があった。
真田の説明を聞く限り、全停止しないから。

笹野高史は淡路島出身。関西弁はうまいはずだ。
沢木ルカは神戸出身、森永悠希は大阪出身。
関西テレビの名物アナウンサー山本浩之と村西理恵が関西テレビのアナウンサー役で登場。
ヤマヒロは大阪府庁前にも登場する。

大輔の母は和久井映見、空堀中の先生に宇梶剛士、別の外郭の経理担当に甲本雅裕、
大阪城公園のたこ焼き屋に玉木宏など。

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冒頭、大坂夏の陣が描かれる。
国松とともに逃げる菊池桃子は母とされているが、史実(Wiki)によれば同行していたのは乳母夫妻である。
また、菊池桃子を斬り捨て、国松を逃がす武士ははっきりしないが堤真一のようだ。

 

 

 パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉   

ジョニー・デップ、ジェフリー・ラッシュ、ペネロペ・クルス、キース・リチャーズ、イアン・マクシェーン

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前作で、命の泉(Fountain of youth)への地図を手に小舟で大海原へ漕ぎ出したジャック・スパロウ船長。

物語は一応その続きである。

スペイン沖で漁船が救い上げた男の手帳から「生命の泉」の情報を手に入れたスペイン国王は艦隊に探索を命じる。

一方、同じころのロンドン、一人の男が法廷に引きずり出された。
ジャック・スパロウ船長と呼ばれたその男は、ジョシャミー・ギブス(ケビン・マクナリー)だった。
裁判長に扮したジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)によって絞首刑を免れ、ロンドン塔に移送される。
途中、脱出を計画していたジャック・スパロウに対し、
ジャック・スパロウがロンドンのバー「船長の娘」で乗組員を募集しているとの噂を聞いたと告げる。

この脱出計画は失敗。
ジャック・スパロウは、軍に同行して「生命の泉」をスペインより先に見つけるようジョージ2世に命令される。
そして、その隊の船長は、英国王から海賊を認可されているバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)だった。

ジャック・スパロウは一瞬のすきをついて脱出。追手をまいて偶然「船長の娘」に入り込む。
そこには、ジャック・スパロウに雇われたと言う荒くれどもがたむろしていた。
ジャック・スパロウは、奥にいた偽ジャック・スパロウと対決するが、
それはかつての彼の恋人アンジェリカ(ペネロペ・クルス)だった。

そこに衛兵が襲ってくる。
ジャック・スパロウとアンジェリカはうまく逃げるが、ジャック・スパロウは何物かに倒される。
次に気づいたときは、どこかの船だった。
水夫としてこき使われるジャックが知ったことは、アンジェリカがその船の一等航海士であること、
この船が「アン女王の復習」号、つまり黒ひげ(Blackbeard)こと、エドワード・ティーチの船であることだった。

アンジェリカは、ジャックに自分は黒ひげの娘で、黒ひげの命が2週間と予言されたこと、
そしてそれを救うため「生命の泉」を探していることを告げる。
ただし、「生命の泉」は無限の命を与えるものではなく、生贄となる人物の命を横取りするものだった。

しかし、乗組員の誰も黒ひげを見たことがないことから、
黒ひげは船に乗っていないと考えたジャックは反乱を企てるが、
現れた黒ひげ(イアン・マクシェーン)によって反乱はあっさり阻止される。

一方、ギブスはジャックから「生命の泉」の地図を盗んでいたが、
バルボッサに殺されるのを阻むため、地図を覚えて焼き捨て、バルボッサに同行する。

こうして、スペイン艦隊、英国艦隊(バルボッサ)、そして「アン女王の復習」(黒ひげ)は、
「生命の泉」へと向かう。

途中、生命を得るための儀式に必要なもの、2つの聖杯、人魚の涙を手に入れながら進む。
人魚の涙は、水夫たちを囮にして美しくも恐ろしい人魚の生け捕りを試み、
ついに1尾(1人、シレーナ、アストリッド・ベルジェ=フリスベ)を捕える。
黒ひげはなかなか泣かない人魚を宣教師フィリップ(サム・クラフリン)を使って泣かせ、涙を手に入れる。

聖杯は崖の上に打ち上げられた海賊船の宝物の中にあるはずだった。
しかし、それはスペイン軍に先を越されていた。
バルボッサと敵対しながらも協力してスペインの野営地から聖杯を盗み出したジャックは、
再び黒ひげと合流し「生命の泉」へ向かう。

一行はコンパスに導かれ、ついに命の泉を発見する。
そして、儀式を開始しようとした瞬間、バルボッサとイギリス軍が現れて、対決となる。

形勢は海賊の優勢の中、現れたスペイン軍により、一気に海賊は不利となり、
聖杯はスペインの手に、と思ったら、スペイン軍は異教徒の邪教のシンボルだとして、
聖杯を踏みつけて捨て、泉を破壊する。

呆気にとられる黒ひげを、バルボッサの毒を塗った刃が貫く。
片足の男に命を奪われると言う予言は的中した。
助けようとしたアンジェリカも傷を負い、毒が回る。

ジャックは、聖杯を見つけ出して水を汲み、アンジェリカを助けようとする。
だが、助かる方の聖杯を飲み乾したのは黒ひげ、
アンジェリカは父を助けようとして犠牲となる方の聖杯を飲む。

しかし、それはジャックの策略、犠牲となったのは黒ひげだった。
ジャックはアンジェリカを島に置き去りにして、ギブスが黒ひげの船から盗み出した
ボトルシップの「ブラック・パール」号とともにいずこかへ去って行った。

バルボッサは、黒ひげの魔の剣を手に「アン女王の復習」号の船長として再び航海に出るのだった。

シリーズも4作目で軽妙さ、軽快さは監督が代わっても生きているが、お馬鹿度は若干減ったようにも思う。
その分、展開はわかりやすいし、登場人物の相関もわかりやすい。

いわゆる娯楽大作としては文句なし。
次作は「ブラック・パール」号が復活するだろうし、何を追い求めていくのかが気になるところだ。

新キャラで、次回作にもつながるのはペネロペだけ。
前作からの続投のサブキャラはかなり減ったが、逆にギブス、バルボッサが大きくなりすぎたかも。

ロンドンでジョニー・デップが逃走中に乗り込む馬車にジュディ・ディンチが乗っている。
最初に水から顔を出す人魚でアマンダ・サイフリッドに似ている女性はスーパーモデルのジェマ・ワード。
海賊の一人(ガーヘン)に松崎悠希がキャスティングされている。

予告からずっと気になっていたペネロペの台詞「ステアシゴー」(予告の字幕は「旅の始まりね」)
本編での字幕は忘れたが「進路はそのまま」だったかな。
いずれにしてもそれは「Steady as she goes」だった。

 

 

 奇跡    

まえだまえだ(前田航基、前田旺志郎)、オダギリ・ジョー、大塚寧々、樹木希林、橋爪功、
他に、長澤まさみ、阿部寛、原田芳雄、夏川結衣らの名優と、子役たくさん。

まず、人物の相関関係を書いておこう。
航一(前田航基)と龍之介(前田旺志郎)は兄弟。
大阪で両親と4人暮らしだったが今は両親が別居している。

兄の航一は、母(大塚寧々)と鹿児島で祖母(樹木希林)と祖父(橋爪功)の実家にいる。
実家は元和菓子屋で名物のかるかんを作っていた。

航一は桜島の降灰に愚痴をこぼし、いっそ桜島が噴火して鹿児島に住めなくなれば、
また4人で暮らせると考えている。
太田真(永吉星之助)、福元佑(林凌雅)とは親友だ。

弟の龍之介は父(オダギリ・ジョー)と一緒で福岡に住んでいる。
父はかつてバンドのギタリスト兼ボーカルで、
なんとかガテン系の仕事で食いつないでいるが、今もバンドが辞められない。

龍之介は毎日元気に丘の上の学校に通っていた。
同級生の有吉恵美(内田伽羅)、早見かんな(橋本環奈)、磯部蓮登(磯部蓮登)とは親友だ。

別居中の両親の狭間で揺れ動く兄弟だけではなく、
みんながそれぞれに夢や希望やコンプレックスを持っている。

そして親や祖父母たちもそれぞれに苦労を抱えている。
そんな日常。

九州新幹線全線開業に向けて、ある噂が小学生の間で広まる。
それは、全線開業の新幹線の博多、鹿児島それぞれから発車した始発列車が、
すれ違う時に「奇跡」が起こると言うもの。

航一はその噂を信じ、すれ違う新幹線にまた家族4人で暮らせるよう願いたいと思う。
そして、真と佑を誘い、弟の龍之介と一緒に奇跡を実現したいと考える。
佑は図書の三村幸知先生(長澤まさみ)と結婚したいなんて夢を、
チワワのマーブルを飼っている真は野球がうまくなりたいと思っている。

龍之介の思いは航一と同じものともう一つ、父のバンド、曲がヒットすること、
恵美は女優になること、かんなは(努力しないで)絵がうまくなること、
蓮登は足が速くなることを願っている。

航一は、列車がすれ違う地点を予測、3人で往復の電車賃は1万2千円強、
宿泊代や食事代を合わせたお金の工面は、本やフィギュアを売り、
スイミング・スクールの月謝を流用する。
決行当日は気分が悪くなったと嘘を言い、祖父の協力を得て学校を早退した。

龍之介は、父から子ども手当をせしめた。
その日は短縮授業で早退する必要はなかった。
皆は友達の家で勉強会と嘘をついて家を出た。

それぞれの思いを胸に。
そうそう、真の夢は野球から、突然死んでしまったマーブルを生き返らせることに変更。

そして、7人は新幹線が出会う駅で待ち合わせ(駅名失念したが、川尻あたりか)
新幹線が見える場所を探す。

しかし、いい場所がなく、警察官にも怪しまれ、咄嗟に関係ない家に転がり込み、
その家の老夫婦の優しさに触れることに。

翌日、老夫婦に送ってもらい、九州新幹線を見下ろすトンネルの上から、
すれ違う新幹線に向かって旗を振り、大声で願いを叫んだ。

しかし、航一は桜島の噴火は願わなかったし、龍之介も家族の再会より父の成功を祈った。
マーブルは生き返ることはなかったし、みんなの願いもすぐには叶うものではなかった。

それでも、恵美は東京でのオーディションに出ることを決意したし、
龍之介の父は地元の番組への出演が決まったなど、徐々に変化は起こりつつあった。

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正直もっと子供だましの映画かと思ってました。

子供たちには子供たちの思いがあり、一方大人には大人の事情があり、葛藤があり、
子供たちとは違う現実が夢を阻んでいる。
それが日常だし、大人と子供はお互いを理解しあったり、しあえなかったりする。

それぞれの立場が見えるところが、浮ついた夢物語ではなく、しっかりと描かれている。

自分たちの大冒険に向かって一歩を踏み出す子供たちと、
心配しながらもそれを見守る大人たちの優しさにあふれた物語で、
子供向けではなく、小学生の子供を持つ親や、孫を持つ祖父母の年代の人向けに見えた。

この年頃の小学生にはありがちだが、同じ学年でも大きい子、小さい子、太い子、細い子、差は大きい。
航基の友達はまずまずバランスが取れていたが、旺志郎の友人は大きすぎる感があった。
特に内田伽羅(本木雅弘、内田也哉子夫妻の娘)は、同じ10歳でも特に大きく感じた。
また、磯部蓮登は最後まで女の子だと思っていた。

 

 

 

 パラダイス・キス    

向井理、北川景子、山本裕典、加藤夏希。
矢沢あいのコミックの映画化。

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まず登場人物の関係を整理しておこう。
主人公は早坂紫(ゆかり、北川景子)と彼女が思いを寄せる同級生、徳森浩行(山本裕典)。
服飾学院の同級生でチームを組む4人組、デザイナー:小泉譲二(向井理)、
型紙担当:山本大助(イザベラ、五十嵐隼士)、縫製担当:櫻田実和子(大牧絢)と永瀬嵐(賀来賢人)
そして、ライバルチームのデザイナー麻生香(加藤夏希)

早坂紫は、幼稚園のお受験に失敗してから教育ママの気に入られようとがり勉に。
その甲斐あって、有名進学高校に入れ、片思いの彼とも同級に。
しかし、いよいよ受験も近い3年になって、頑張ってはいるものの成績はじり貧の一途。

ある日道を歩いていると、パンク風の男性(永瀬嵐)に声をかけられ、逃げる途中貧血で倒れる。
気が付くとそこは、永瀬嵐、櫻田実和子、そして女装男子のイザベラのいるアトリエ、ParadiseKiss。
実は嵐は卒業制作ファッションショーのモデルを探していて、紫に声をかけたのだった。
啖呵を切って帰ろうとする紫の前に遅れて入ってきたのが、ジョージこと小泉譲二。

翌日、紫の学校に乗り込んできたジョージは紫を連れ出す。翌々日はイザベラ。
3日目には、ついに自らアトリエを訪ねて、採寸したり、試着したりするが、結局はモデルを断る。
そして送ってもらう途中、やられそうになり拒絶すると、何でも人のせいだと罵られ、
売り言葉に買い言葉でモデルくらいやってやると啖呵を切る。

しかし、成績が下がったことで、母が家庭教師をつけると言い出して喧嘩になり、
紫は家出、アトリエで皆に相談、ジョージのマンションに転がり込む。

ジョージは高級マンションに一人住まい。
自分はある金持ちが愛人に産ませた子で、時々両親が様子を見に来ると言う。

その間に、実和子と嵐と徳森浩行の3人が幼馴染で、嵐と徳森は恋敵だと分かる。

ジョージには入学以来のライバル麻生香がいた。
天才型のジョージに対し、香は努力型と言われた。

紫は学校にも行かず、住まいは確保したものの金がなくバイトをすることに。
高校中退(在学中)では良い仕事がなく、服飾学院の先生の紹介で雑誌のモデルを受ける。

最初はビビッていたが、ジョージに諭され覚悟を決めて仕事に精を出す。
やがて、卒業制作もいろいろあって完成に近づく。

紫は、母と徳森にファッションショーに来るように連絡する。
そして、ファッションショー当日、リハーサルで初めてランウェイを歩く紫はうまくできず、
全てをなめてましたと初めて気が付く。
そして、本番までのわずかの間に練習して、本番では見事なモデル・ウォークを決める。

しかし、優勝は、ジョージのチームではなく、香のチームだった。
ジョージのデザインは一般受けせず、チームは解散、ジョージはパリに修行に出てしまう。
落胆する紫のもとにフランスから鍵が送られてきた。
それはジョージが作り溜めた「売る気のない」ドレスたちの置かれた倉庫のカギだった。

それから3年。
紫は売れっ子モデルになったが、消息のつかめないジョージのことが忘れられない。
ある仕事でニューヨークに飛び、オフにブロードウェイでたまたまジョージの作った衣装を発見、
イザベラを見つけてジョージのスタジオへ向かう。

そして感激の再会を果たすのだった。おしまい。

**

なんともはや。
恋に恋する苦労を知らないうら若き女性が好きそうな物語。
性的な関心もそこここに入れているところがリアリズムか。

いや、努力もせずに巨万の富を手に入れる話なら、ハリウッドにだって山ほどあるし、
「拾ったお金でチョコを買ってくじを当て、挙句工場までもらっちゃう少年のお話し」は大好きだ。

偶然が重なり合ってあれよあれよという間に大成功することが悪いことではないし、
努力せずにできちゃう人は現実にいくらでもいるので、突拍子がないわけでもない。

でもなんだか都合がよすぎると言うか、世間知らずな物語にしか思えない。

最も気になってたのは、ショーのリハーサルまで一切ウォーキング練習をしてないこと。
さんざんウォーキングもやっていたけど、いざリハーサルで本物のランウェイを見てびびり、
うまくいかないのなら理解するけど、やらせてなかったチームが悪い。
それまで基礎もやったことない素人なのに30分で一流モデル並みに歩けるものなのか。

いくら初めての仕事でうまくいったからって、それまで一切モデルの仕事もしてないのに、
こういうと申し訳ないけど、たかが服飾学院の卒業制作のモデルが、そこでいくら良くたって、
3年でトップモデルになれるのか。
まあ、この3年間に死ぬほど努力したのかもしれないけどね。

ジョージの生い立ちもよく理解できない。
愛人の子供がどうこうと言うつもりはない、別に素性はどうでもいいのだ。
5歳からドレスのデザインを手がけ、金に糸目を付けないで英才教育を施されてきたはずなのに、
その結果があれかよって感じです。

悪いけど18歳のぽっと出が、どういう伝手だかフランスで2年修行して、
それから1年で、アメリカのブロードウェイに掛かる芝居のメインのデザイナー。

相当才能があるのか、よほどの幸運に恵まれたのか、よくわかりません。

 

 

 ブラック・スワン  

ナタリー・ポートマン、ミラ・クーニス、バンサン・カッスル、ウノナ・ライダー、バーバラ・ハーシー。

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ニューヨークのバレエ団のバレリーナ、ニナ・セイヤーズ(ナタリー・ポートマン)は、
元バレリーナの母エリカ(バーバラ・ハーシー)とともに、主役を夢見る一人だった。

ある日、バレエ団ではトマスの指導の下、「白鳥の湖」を演じることとなった。

正確無比なバレエを踊るニナだが、色気が足りないとトマスに叱咤される。

バレエ団には古参のプリマ、ベス(ウノナ・ライダー)がいた。
団員はそろそろ新しいプリマが必要だと思っており、白鳥の湖の主役がそうなると考えていた。
ベスは、トマスと衝突、楽屋で大暴れして去ってしまう。
ニナはたまたまそれを目撃し、ベスの完璧なバレエにあこがれて彼女のメイク道具を盗んでしまう。

バレエ団に新しいメンバーが加わった。
それは、リリー(ミラ・クーニス)。
ニナほど完璧ではないが官能的で魅惑的なバレエを踊ることができる。
たまたま地下鉄でリリーを見かけたときからニナは彼女が気になるのだった。

メンバーの中から、主役が選考される。
白鳥の湖は、白鳥(ホワイト・スワン、オデット)と、黒鳥(ブラック・スワン、オディール)という、
相反する性格の両方が表現できないといけない。

テストをリリーのせいで失敗したと思い込んだニナは、意を決してトマスに主役をもらえるよう頼みに行くが、
トマスはニナに完璧ではあるが魅力がないと切り捨て、ヴェロニカがプリマだと告げる。

しかし、キャスト発表当日、ヴェロニカにお祝いを言うニナが見たものは、
自分が主役となっているメンバー表だった。
喜ぶニナ、その頃から少しずつ他のメンバーの嫌味が見えてくる。

ニナは後援者のパーティに出席。
会場でトマスは、ベスの引退と新しいプリマの誕生を宣言したが、それはベスの憎悪を増しただけだった。

トマスの指導は厳しく、いまだに黒鳥の妖艶さが足りないとOKはもらえない。

ニナには心配事があった。
それは不安になると知らないうちに自分で自分の体を傷つけてしまうのだ。
自分の背中を傷つけ、指からも血を出すほどの傷だ。
しかしその半分は気のせいだった。
母は心配しますますニナにしつこく世話を焼くようになる。

そんな中、ベスが事故に遭ったとの連絡が入る。
自暴自棄になって車に跳ねられたらしい。
見まいに行ったニナは、ベスのもう二度とバレリーナとして立つことのできない足を見て驚愕する。

ある日、余りにも練習がうまくいかないことで気が滅入っていたニナをリリーが慰める。
翌日の練習時、トマスにリリーとの会話を叱責され、ニナはリリーとも反目する。

しかし、リリーがニナのアパートに謝りに来て、ニナは母の制止も聞かず出かけてしまう。
ニナはリリーの持つ怪しげな薬を一旦は断りながら飲んで酩酊状態となり、ニナをアパートに連れ帰る。
そして母の制止も聞かず、部屋に閉じこもりリリーとの享楽に耽る。

翌日、寝過ごして練習に遅れたニナが見たものは、オデットを踊るリリーだった。
リリーは単なる代役だと言い、ニナの家には行っていないと言う。

リリーを恐れるニナは代役の変更を申し出るがトマスにあっさり却下される。
そして、稽古ではいまだに妖艶さが足りないと叱咤し、ニナを邪魔するものはニナ自身だと言う。

いよいよ初演の日。
第2幕のオデットと王子の絡みのシーンで、ニナは動揺して転倒し、トマスを激怒させる。
幕間に楽屋に戻るとリリーが黒鳥の衣装で代役を務めると言う。
ニナはリリーと揉みあいになり、ガラスの破片でリリーを刺してしまう。
リリーをトイレに隠し、ニナは第3幕に向かう。

吹っ切れたのか、ニナの黒鳥は見事だった。
まるで本当に黒鳥が踊っているかのように観客を魅了し、万雷の拍手を受けるのだった。

そして再び幕間。
楽屋に戻ると、トイレからリリーの血が流れて出ていた。
ニナはタオルでそれを隠し、再び白鳥の衣装に着替えていると、楽屋をたたく音が。
そこにはニナを絶賛するリリーの姿があった。
実はトイレから血は流れ出ていなかった。血を流していたのはニナ自身だったのだ。

第4幕、ニナの白鳥は見事だった。
感情の高ぶりは見る者を惹きつけ、ラストの投身のシーンも見事、
鳴り止まぬ拍手の中、団員のみんなとトマスが駆け寄り、カーテンコールを促すが、
そこには、自身のバレエに満足しつつも血まみれのニナが横たわっているのだった。

**

ナタリー・ポートマンの演技が光る。
周りにも十分うまいキャストが配されているにもかかわらず、まるでナタリー・ポートマンの一人芝居。
時々加えられる誇張されたCGの効果も相まって、狂気に落ちていく姿が痛々しい。

主人公はプレッシャーのあまり、現実と妄想が入り混じって区別がつかなくなり混乱する。
良くあるパターンと言えばそうだが、最近特に多い気がする。
「シャッター・アイランド」「インセプション」「エンジェル・ウォーズ」

完璧を求めるあまり、自分を追い詰め、狂気の領域に足を踏み込んでしまった、
うまくいかないことで、周りのすべてが自分に対する憎悪に満ちていると感じる。
努力型の末路というか突き抜けた先に待つものは決して幸せではない。

それはそれで良いとして、では、努力しても満たされるほどの才能のない我々はどうすればいいのか。

欲をかかず、上を見ず、地道に底辺を彷徨っていればいいのだろうか。

 

 

 ガリバー旅行記   

ジャック・ブラック、アマンダ・ピート、エミリー・ブラント、ジェイソン・シーゲル。

レミュエル・ガリバー(ジャック・ブラック)は、出版社で郵便物係を10年しているしがない男。
編集者のダーシー(アマンダ・ピート)に惚れてるけど、気弱で誘うこともできない。

後輩にもバカにされてしょげ帰るとき、たまたま残業で残っていたダーシーを見かけて声をかけ、
行きがかり上、旅行記が書けるとでたらめを言う。
結局何も書けず、ネットからの丸写しをダーシーに見せるが、多彩な文章能力だと勘違いされ、
バミューダ・トライアングルの謎を探る旅に出ることに。

ところが、ボートはナビ任せで寝ていたら、荒海に迷い込み、巨大な水柱に飲み込まれる。

気が付くと、ガリバーはどこかの海岸で、体中を縛り付けられていた。

そこは小人の国リリパット王国。
王女メアリー(エミリー・ブラント)は、ガリバーに同情的だが、
エドワード将軍(クリス・オダウド)はガリバーを海岸の岩屋に投獄。
ガリバーはそこで、平民で王女に恋するホレイショ(ジェイソン・シーゲル)と出会う。

ガリバーは器具を取り付けられて農作業をさせられているときに、隣国が襲ってきて、
王宮が危険にさらされるが、ガリバーの機転で、王女だけでなく、国王(ビル・コノリー)も救出、
一転してガリバーは英雄扱いとなる。

アバターやタイタニックやいろんな映画の内容を自分の伝記だとして再現させ、
ガリバーは将軍に任命される。

そんなガリバーが面白くないエドワード"副"将軍は、自衛装置を停止して敵国に襲わせるが、
ガリバーが結果として敵国艦隊を撃退してしまう。

この件で、ガリバーはますます図に乗り、激高したエドワードは敵国に寝返り、
ガリバーの難破船で発見したR2D2の図面から巨大ロボットを作り、ガリバーに挑む。

ガリバーはあっさり負け、今までのウソも認め、逮捕されて「忌み嫌われ島」に流される。

そこは巨人の島。
ガリバーは女の子にとらわれて、ドールハウスに囲われる。
一方、リリパットでは、エドワードが国王一家を捕える。
また、ガリバーがいなくなったので自分で取材旅行に来て、嵐に巻き込まれたダーシーが流れ着いていた。
ホレイショは、メアリーと逃げる予定で用意していた船で忌み嫌われ島まで行き、ガリバーに事情を告げる。
ガリバーは女の子の目を盗んで脱出、リリパットの島に戻る。
そして再びエドワードの巨大ロボットと戦い、ついにこれを撃破する。

再び開戦しようとするリリパットと隣国はガリバーの説得で平和に暮らすことを約束、
ホレイショとメアリーもいい仲になって、ガリバーとダーシーはNYに帰っていく。

ガリバーとダーシーは出版社に戻り、ガリバーの旅行記は大当たり、二人は出世して、
メールボーイは出世コースと思われるようになる。

**

もったいぶった駆け引きがなく、話がどんどん進むので、85分の割にはエピソードは多い。
ただし、大したストーリーではなく深みもひねりも無く、全員の思考が短絡気味で葛藤がない。
それはそれとして、ジャック・ブラックのテキトーぶりを愉しむにはちょうど良い。

エミリー・ブラントはこういう映画にも出るんですね。
アマンダ・ピートは「2012」でジョン・キューザックと一緒に逃げる元妻。
ジェイソン・シーゲルは、ああ見えてもまだ30歳。
「寝取られ男のラブ♂バカンス」など、コメディに出ているが、日本ではあまり知られていないかも。

ビル・コノリーは、重要な脇役が多い。
「ラストサムライ」では、軍事訓練する軍曹、「タイムライン」ではSOSを送ってくる教授。

 

 

 エンジェル・ウォーズ 

エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ジェナ・マローン、バネッサ・ハジェンス、
ジェイミー・チャン、カーラ・グギーノ。

監督は「300」や「ウォッチメン」も監督しているザック・スナイダー。
次回作は「スーパーマン」の新作「Man of Steel」(鋼鉄の男)

**

母の死、その遺言は全財産を二人の娘に譲ると言うものだった。
義父は怒り狂い、娘たちを手にかけようとする。
姉(エミリー・ブラウニング)は、妹を助けようと銃を持ち出し、
父を撃とうとして、妹を射殺してしまう。

姉は逮捕されたものの、精神に異常をきたしたとして病院に入れられてしまう。
父は凶暴性があるとして院長にロボトミー手術を依頼する。

そこでは治療の一環として、ゴルスキー(カーラ・グギーノ)による芝居療法などが行われていた。
芝居の主役を張るスイートピー(アビー・コーニッシュ)は、姉(ベビードールと呼ばれる)を見て、
分かるか、と聞かれ、神父が新入りを連れてきたと答える。

この先は、夢か幻か現実化が交錯する空想世界。

そこは市長や金持ち相手にダンスショウを見せ相手をする館。
ベビードールも5日後には金持ちの相手をさせられることに。

しかし、強要されたダンスでベビードールは才能を発揮する。
そして踊りの夢想の中で、ベビードールは賢者(スコツト・グレン)に出会う。
賢者は自由になりたければ、地図、炎、ナイフ、鍵、そしてもう一つのアイテムを
手に入れよと言い、刀と拳銃を渡してくれる。
ベビードールは刀と拳銃で巨人の侍を倒して、現実に戻る。
そこでは歓喜の拍手が待っていた。

ベビードールは4つのアイテムを集めてここを脱出しようとみんなに持ちかける。
ロケット(ジェナ・マローン)、ブロンディ(バネッサ・ハジェンス)、
アンバー(ジエイミー・チャン)、そしてスイートピーが仲間に加わる。

まずは院長、ブルーの部屋にかけられた地図をコピーすること。
ベビードールがダンスを披露する間にスイートピーが地図をコピーする。
(夢想世界では機械兵と戦い地図を手に入れる)

続いて市長がダンスを見にやってきた。
アンバーは相手をするふりをして市長からライターを抜き取る。
夢想世界では、ドラゴンの子供ののどからクリスタルを抜き取り、親ドラゴンを倒す。

しかし、ブルーは地図のずれ、ライター紛失を知ってみんなの計画を疑う。
弱気になったスイートピーは一旦計画を断念しようと言うが、みんなに押し切られる。

次はナイフ。
コックからナイフを奪う計画だったが、弱気になったブロンディが計画を
ゴルスキーとブルーにばらしてしまう。

テレコ(ブロンディ担当)のない中、スイートピーが参加、
ラジオから流れる音楽を頼りにダンスを踊り、コックからナイフを奪おうとする。
夢想世界では、爆弾の乗った列車から武器を奪い、爆弾を停止させる。

しかし、床にこぼれた水でラジオがショート、
コックにばれてロケットが刺され、スイートピーは監禁される。
夢想世界では、爆弾解除に失敗、ロケットが爆死する。

ついに金持ちがやってきてショーが始まる時間になった。
ブルーは、ブロンディから計画を聞いたとして、アンバーとブロンディを射殺、
ベビードールも襲おうとするが、ベビードールは隠していたナイフでブルーを刺す。

そして、ブルーからカギを奪い、スイートピーを救出、火炎瓶で放火して脱出する。
ゲート直前まで来たが警備がたくさんいて、脱出はほぼ不可能。
ベビードールは最後のアイテムが自分だと思い、囮になってスイートピーを逃がす。

そして自身は捕まる。

金持ちだと思ったのはロボトミー手術の医師だった。
ゴルスキーはロボトミー手術は依頼してないと言う。

全ては所長のブルーの仕業だった。
ロボトミー手術をされたベビードールを襲おうとするが、
ゴルスキーの通報でやってきた警察に逮捕される。

しかし、すでにベビードールは手術で「腑抜け」になってしまっていた。

その頃、スイートピーは、家に帰るバスに乗ろうとしていた。
警察に呼び止められそうになったが、賢者そっくりのバスドライバーに助けられる。
スイートピーは故郷に向かうバスの中で一人ベビードールを想うのだった。

ストーリーはあってなきがごとし。
ある意味予想通り、ある意味予想外。
一応「そういう」落ちでしたが、落ちがどうこういうタイプの映画ではありません。

女版で「300」「ウォッチメン」よりすごいことをやりたいって感じでしょうか。
しかもオリジナル・ストーリーで。

そこまでやれる、そういう風に見せられる。
まるでもう一人のウォシャウスキーみたいだった。

**

どっかで見た俳優がわんさか。

カーラ・グギーノは「スパイ・キッズ」のお母さん、「ナイト・ミュージアム」の受付の学芸員。
アビー・コーニッシュは「エリザベス:ゴールデン・エイジ」で女王の侍女の一人で妊娠して首になる。
もっとぽっちゃりしてたと思ったけど。
ジェナ・マローンは「コンタクト」でジョディ・フォスター(エリー、エレノア)の子供時代。
バネッサ・ハジェンスは「サンダーバード(実写版)」のミンミン。
シェイミー・チャンは、TVにたくさん出てる俳優さんで、
「ハングオーバー2」でスチュー(エド・ヘルムス)の婚約者。

そして何より驚いたのは、エミリー・ブラウニング。
際物っぽい映画にたくさん出ているんだけど、
なんと「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」の長女バイオレット。

 

 

 アンノウン   

リーアム・ニーソン、ダイアン・クルーガー、ジャニアリー・ジョーンズ、フランク・ランジェラ。

マーチン・ハリスと妻エリザベス(リズ)は空路、ベルリンに入る。
入国審査を通過し、雪の中、タクシーを拾ってホテルに向かうが、ブリーフケースを一つ積み忘れる。

ホテルに着いて妻がチェックインしている間に、カバンを一つ忘れたことに気付いたマーチンは、
慌てて空港に戻ろうと、タクシーを拾う。
途中、前のトラックが荷物(冷蔵庫?)を路上に落下させ、それを避けようとして運転を誤り、
車は橋の欄干を突き破って極寒の川に転落する。
ドライバー(ダイアン・クルーガー)は、脱出しマーチンを引き上げて消える。
マーチンは心肺停止となり、病院に運ばれる。

彼が病院のベッドの上で気が付いた時、医師から4日間昏睡していたと伝えられる。
身元を証明するものは何もないが、妻が心配しているだろうと、無理やり退院してホテルに向かう。
ホテルではレセプションが開かれる予定で、事前のパーティが開かれていた。
マーチンは、警備主任に事情を説明し、妻、リズに会いに行く。
ところが、彼女の言葉は意外なものだった。「どちら様ですか(Do I know you?)」
彼女が連絡しなかったことを怒っていると思ったマーチンは謝り、夫だよと言うが、
彼女は、別の男、マーチン・ハリス博士を呼んだのだ。
「マーチン・ハリス博士ですか」警備主任の言葉に、男は「そうだ」と答える。

警備員室に連れて行かれたマーチン。
監視カメラの記録には、リズの姿は映っていたが、自身の姿はない。
(外で荷物を確認していたから当然)
危うく逮捕されそうになり、事故で記憶が混乱していたので病院に戻ると言い逃れる。
一旦はタクシーに乗ったが途中で降り、町をうろついていると何者かに追われる。

マーチンはそれを交わして、かすかな記憶からタクシードライバーを探すことに。
しかし、彼女は違法移民、免許証も持っておらずタクシー会社を首になっていた。
マーチンは元同僚のビーコから彼女(ジーナ)の働くレストランを探すが、協力を断られる。

マーチンは自分が自分であることを証明してもらうため、同じ研究所のコール博士に留守録を入れる。
そして、訪独の目的であるブレスラー教授の研究室を訪ねるが、
そこには、既に例のもう一人の「マーチン・ハリス」がいた。

自分が本物であることを示そうとするマーチン・ハリス。
しかし、もう一人のマーチン・ハリスも自分と同じ記憶を持っていた。
そして、ついに相手が示したものは、マーチン・ハリスの免許証と妻リズとの2ショット写真だった。

混乱するマーチンは昏倒し、再び病院に運ばれる。
担当医師ファーゴは、MRI検査をすると言う。
看護婦はなにかの力になれば、とユルゲン(ブルーノ・ガンツ)の事務所を教える。
麻酔を打たれたマーチンは、地下鉄構内で追ってきた男に縛られ、毒とおぼしきものを点滴される。
別の病院に移送するという男を疑った看護婦はあっさり殺され、マーチンは隙を見て逃げる。

マーチンは自分が混乱していると思いかけたが、襲われたことで自分は正しかったと思い直し、
看護婦から紹介されたユルゲンを訪ねる。
元東ドイツ秘密警察のエージェントだったユルゲンはマーチンを信じ、協力を約束する。

謎は、何故妻リズが知らないふりをしているか、それがなんの役に立つのか、
つまり、代わりのマーチン・ハリスを立てる必要は何なのか、である。

ユルゲンは調査を開始、そして目的がハリスやブレスラーのスポンサーである
シャーダ王子(ミド・ハマダ)の暗殺にあるらしいことを突き止め、
そして、ハリス夫妻の入国時の写真を手に入れる。(奥さんの髪に注目)

マーチンは、再びジーナを訪ね、ユルゲンとの調査に協力するよう依頼する。
しぶしぶOKさせ、泊まらせてくれるよう頼む。
ジーナはビーコのタクシーを借りて違法営業をしていた。
車のカギを貸しにビーコが来て、その直後にハリスを狙う二人の男が乱入、
ジーナも危うく薬で殺されそうになる。
マーチンは逃げたふりをして一人を交わし、ジーナを助けるが逆にやられそうになり、
最後はジーナが一人を毒殺、二人でビーコの車で逃げる。
しかし、追手の二人のうちの一人に発見されカーチェイスの末、事故に紛れて逃げおおせる。

マーチンはリズに会うため約束の美術館に向かう。
そこには残った男がいてリズの周りを警戒していた。
リズは、最初知らないふりをしていたが、マーチンの説得に応え、
空港に忘れたトランクに秘密がある、取りに行けば後で行く、と伝える。

その頃、ベルリンにコール博士が到着した。
博士は、ユルゲンからの電話に応じ、証明するため訪独したことを連絡する。
しかし、そこから何かを感じ取ったユルゲンは毒薬の用意をする。
ユルゲンを訪ねたコール博士はハリスについて知っていることを吐くよう迫るが、
ユルゲンは、コール博士こそ暗殺組織の一味であると見抜き、服毒自殺する。

空港で忘れ物のブリーフケースを前に鍵番号を示し、係員に開けさせると、
そこには自分の写真の載ったマーチン・ハリスのパスポート、免許証などが入っていた。

無事に自分を取り戻したマーチンはとりあえず、ジーナにお礼の金を渡し別れる。
そこにコール博士がやってきて、マーチンを証明するために来たと告げる。
マーチンはコール博士とともに移動しようとするが、待っていたのは追手の男。
電撃を食らって気絶、車で連れ去られる。

たまたまそれを目撃することになったジーナは、タクシーを強奪して後を追う。
コール博士は駐車場ビルにマーチンを連れて行き、驚愕の事実を語る。

「マーチン・ハリスは実在しない。すべてお前が考えた設定なんだ。
 今回の事故で混乱したお前が、自分をマーチン・ハリスだと思い込み、
 せっかく代わりのエージェントを用意したのに、作戦がダメになりかけた。
 証拠のブリーフケースを回収してくれて助かったよ。
 リズが、お前の異変に気づいて連絡くれたからよかったものの、
 いまから、無名のヤク中の死体として転がってもらうことになる。」

そこへジーナがタクシーで乱入、男を轢殺、コール博士も車ごと墜落死させた。

マーチンがブリーフケースを引っ張ると、二重になったケースの内側から、
複数のパスポート、運転免許証、現金、写真のないパスポートまで出てきた。
そして、マーチンは、3か月ほど前、別名で入国したこと、
今日のパーティ会場であるスイートルームに爆弾を仕掛けたことなどを思い出した。

マーチンはジーナに説得されて、王子暗殺阻止に向かう。
その頃会場には、マーチン・ハリスの研究仲間であるブレスラー教授も到着した。
大事な鞄をいったん預けるが、リズはそれに無線の装置を仕掛け、別室でデータコピーを始める。
そしてそれが終わると、時限装置のスイッチを入れ、
無線装置を外して鞄を気にするブレスラー博士に鞄を戻す。

ハリス夫妻は、会場を後に逃げようとする。
その頃、マ−チンは、警備主任に王子暗殺計画を説明、
8月の来訪の際のビデオを確認させて信用させ、全員をビルから退避させる。

ハリス夫妻は、脱出を止め、ターゲット暗殺と爆破停止に別れる。
ターゲットは王子ではなくブレスラー教授だった。
マーチンが先に解読した2つの草の学名は、教授の双子の娘、ローレルとリリー、
を示し、それはすなわちファイルのパスワードであり、
目的は教授が開発している新種のトウモロコシの研究データだと気づく。

マーチンは、マーチン・ハリスの教授暗殺を阻止、マーチン・ハリスと対峙する。
その頃、リズは事件装置解除に失敗、スイートルームは木端微塵。
瓦礫の崩落する中、マーチンはマーチン・ハリスを倒し、ジーナと逃げる。

マーチン・ハリスは、パスポートの一つをジーナ用に偽造。
自身も新しい人物として旅立っていくのだった。

**

途中までは謎の連続。
いろいろ憶測/推測をさせるが、そのトリックは、なるほど、そう来たか、って感じでした。
自分だけがおかしいんじゃないか、と思い込む映画は多々ありますが、
最初の頃はリーアム・ニーソンが気の毒になるくらいでした。

結末を知ってしまうと、途端に色あせる映画と、
もう一度見なおしてみたくなる映画がありますが、
この場合はどっちともいえません。

未見の方にはトリックは伏せておいた方がいいし、見た人はあそこがああだったんだ、と
もう一度確認したくなる映画です。

**

予告のミスリードはいつもながらですが、ストーリがわからないようにはなってますが、
そのシーンまでやるかって感じもします。

また予告の字幕がいい加減なの(わざと?)もミスリード。
もしかしたら展開を予想させないためかもしれませんが。

「お前こそ誰なんだ」=>「ほんとに何も覚えてないんだな」

「どう証明するんだ」=>「何故彼らがあなたの立場になりたがるのかだ。」

「思い出したぞ」=>「全部忘れたわけじゃない。」

 

 

 阪急電車−片道15分の奇跡−

阪急今津線、西宮北口〜宝塚間の8駅を15分で結ぶローカル線。
沿線には、宝塚歌劇団の宝塚大劇場、宝塚ゴルフクラブ、阪神競馬場、関西学院大学などがある。

この映画はその阪急今津線を利用する人々の群像劇、あるいはオムニバス映画である。

**

登場人物は、OL(中谷美紀)、祖母(宮本信子)と孫(芦田愛菜)、大学生(勝地涼、谷村美月)
DV学生と女子学生(戸田恵梨香)、女子高生と会社員(玉山鉄二)、主婦(南果歩)など。

OL翔子(中谷美紀)は3年間付き合った彼氏から破局と後輩(安めぐみ)の妊娠を告げられる。

女子大生ミサ(戸田恵梨香)は同じ大学のカツヤ(小柳友)と恋仲だが、カツヤは当初の優しさをなくしDV男に。

関学生、小阪圭一(勝地涼)は、軍オタ(ミリオタ)で同窓生となじめない。
権田原美帆(谷村美月)は名前にコンプレックスを持ち、田舎育ちで同窓生となじめなかった。

息子のママ友からセレブ気取りのお誘いを受ける主婦康江(南果歩)。
嫌々ながら高級な昼食のお誘いに付き合う羽目に。

女子高生悦子(有村架純)は社会人の彼竜太(玉山鉄二)と付き合いながら、関学を目指す。

小学生の翔子は同級生からのいじめに遭っている。

祖母時江は物語の要役。孫の亜美を甘やかさず、しつけを怠らない。

OL翔子は後輩に婚約者を取られ、結婚式に呼ぶことを別れる条件にし、
その結婚式にウェディング・ドレスで参列する。
途中退席し、その姿のまま、帰りの電車で偶然、時江と亜美に遭遇する。
ひょんなことから時江に声をかけられた翔子は、苦しい胸の内を吐露、
途中駅で降りて気を落ち着かせ、普通の服に着替えて自分を取り戻す。

女子学生ミサは、カツヤに声をかけられ、当初は周りもうらやむ仲だったが、
徐々にカツヤのDVに悩む日々。それでもやっと同居するアパートを探しに行くことに。
ミサは偶然同じ電車で翔子を見かけ、カツヤと言い争いになり、
カツヤに突き飛ばされて怪我をする。
時江はミサを介抱し、言外に自分の意思で別れる決断をするよう言い残して去る。
結局ミサは幼馴染みの相武紗季の助けも借りてカツヤと別れる。

悦子は同級生と周りの目も気にせず、彼氏、竜太の話に夢中。
関学受験を希望しているが、彼女の実力では合格にほど遠い。
進路指導で「ダメ元」と言われた悦子は、捨て鉢になって竜太に体を許そうとするが、
竜太に諭されて、吹っ切れる。

その関学。
パンク風のファッションで周りからキモがられている圭一は、軍オタで軍用ヘリに興味津々。
偶然、電車内で美帆が同じテキストを持っているのに気付いた圭一は、
ちょっとしたことから、軍オタを嫌がらない美帆に関心を寄せたが、
名前を聞いて怪訝な顔をされる。
でもそれは「権田原」をバカにされると思ったからで、
それを気にせず「美帆」と呼ぶ圭一と付き合うことになった。

時江は、あんなに嫌がっていた犬(ミニチュアダックス)を飼うこととなった。
かつて恋人が家に挨拶に来たとき、あろうことか飼い犬の芝犬が彼の尻に噛みついたのだ。
犬嫌いの彼(後の旦那?)のために犬は飼わないと決めていたのに、
偶然乗り合わせた電車で席を譲ってくれた竜太がその彼に似ていて、
しかも小さいとき犬に尻をかまれたことがあると聞き、急に親近感がわき、
気持ちを変えたのだった。

主婦の康江は、息子のPTA仲間から高級料理に誘われる。
気のいい夫と息子は気持ちよく康江を送り出すが、康江はおばちゃん軍団の中で浮いていた。
夫と息子の気遣いに心を痛め、胃が痛くなり、途中で仲間ら分かれて帰ることに。
たまたま居合わせたミサは、康江を介抱し、あんなのはほんとの友達じゃないと諭す。
康江は自分を取り戻し、胃痛も治って家路につく。

そのおばちゃん連中は相変わらず車内で大声で騒ぎ立て、
乗り合わせた亜美にうるさいと言われて逆切れし、ついにキレた時江にこんこんと諭される。
たまたま乗っていた圭一と美帆は、時江に拍手を送る。

翔子は、会社を辞め転居して沿線沿いに移っていた。
たまたま駅で小学生が仲間からいじめられているのに遭遇。
気丈に強がる女の子に共感し、同じ名前だと知ってさらに親しみを寄せる。
小学生の翔子は気を取り直し、健気にも強く自分を見つめ直す。

そして、駅で偶然出会った翔子とミサは新しい友情をはぐくむのだった。

阪急今津線を利用する登場人物のそれぞれの物語が少しずつ関係を持ちながら展開していくが、
その関係は希薄、偶然であり、特に何らかの方向性を持ったものではない。
私がこの映画をオムニバスと感じる所以(ゆえん)である。

エピソードの一つ一つを丁寧に描いていたと思うし、展開を端折り過ぎないのもよかった。
しかし、いかんせん全体に詰め込み過ぎで、シリアスな演出と、
CGで感情表現する部分などやや方向性がばらつく感があった。

一つか二つ物語を減らして短くした方がよかったかも。

阪急電車。
一般にも阪急電車と呼ばれることが多いと思うが、正式社名は阪急電鉄である。
わたしの知る限り、車両の型番、製造時期にかかわらず、車両本体は全てチョコレート色の塗色で、
もう何十年も変わらない。

 

 

 八日目の蝉    

永作博美、井上真央、小池栄子、劇団ひとり、森口瑤子、田中哲司。

**

冒頭はある裁判の1シーン。
被害者である秋山恵津子(森口瑤子)の証言、犯人である野々宮希和子(永作博美)の証言。
被告は懲役6年の実刑となる。

事件は21年前。
不倫相手の秋山丈博(田中哲司)の子供を堕し、妊娠できない体となった野々宮希和子は、
秋山の妻、恵津子から散々罵られた挙句、夫妻の不在時に秋山家に忍び込み、
生まれたばかりの子供を誘拐してしまう。

元々つけようと思っていた「薫」という名でその子を呼び、ミルクや哺乳瓶や育児本を買い、
育てていこうと考える。

しかし、すぐに「赤ちゃん連れ去り」はメディアの話題となり、希和子は赤ん坊を連れて逃走する。
DV旦那から逃げたとか、旦那に追い出されたとか、適当なことを言って友達の家を転々とし、
新興宗教とも、駆け込み寺ともつかない「エンゼルホーム」に転がり込む。

そこでは、エンゼル(余貴美子)を代表とし、虐げられていたであろう女性たちが共同生活をしていた。
希和子と薫は過去を問われずにそこで親子として暮らしていく。

現代。
21歳になった恵理菜(井上真央)は、一人暮らしでバイトに精を出し、
サラリーマンの原田(劇団ひとり)と不倫関係にあった。

自称ルポライターの安藤千草(小池栄子)は、恵理菜がかつての誘拐被害者「薫」と知っていて、
事件の記事を江里菜に渡し、インタビューを申し出てくる。
最初は渋っていた恵理菜だったが、千草の馴れ馴れしさにほだされていく。

やがて、恵理菜は原田の子を妊娠する。
恵理菜は本当のことを言わずに原田の反応を探るが、原田はあやふやな態度を取る。
恵理菜は原田と別れることを決意、両親に産むことを告げるが、母、恵津子は反対する。
恵理菜はかつて恵津子が堕胎した希和子を罵ったことを知っていて母を責める。

再び、過去。
3歳になった薫と希和子はエンゼルホームで暮らしていたが、エンゼルホームへの風当たりが強くなり、
当局が調査に入ることになった。

希和子は正体がばれることを恐れ、薫を連れてエンゼルホームを出る。
友達になった沢田久美(市川実和子)から当座の金を受け取り、小豆島の沢田の実家を訪ねる。
行く当てのない希和子に同情した久美の両親、雄三(平田満)と昌江(風吹ジュン)は、
経営する素麺工場で希和子を雇い、離れに住まわせる。

恵理菜は千草の熱心な誘いに過去の自分を探す旅に出る。
最初は訝しがっていた恵理菜だったが、実は千草が恵理菜と同じ時期にエンゼルホームにいて、
一緒に遊んだ仲だと知って驚く。
千草はエンゼルホームでの経験がトラウマとなり、男性恐怖症となって、
かつての友、恵理菜を探していたのだった。

そして、恵理菜は、旅を続けるうちに、実家に戻されて薫から恵理菜となっても
それを受け入れられず、実の両親を知らないおじさん叔母さんだと言い張った幼少期、
希和子と一緒にいた楽しかった日々を思い出していった。

そして思い出の地、小豆島のフェリー乗り場で、あの決定的な場面を思い出した。

4歳の時、小豆島では松明を持って行列する「稲虫送り」が行われた。
希和子と薫も参加したが、松明行列の美しさに見とれる姿を撮影され、
あろうことか写真コンテストの入選作として全国紙に掲載されてしまった。

嫌がる薫を説き伏せて島からの脱出を図る希和子。
しかし、時すでに遅く、フェリー乗り場には捜査員の待ち伏せが。
覚悟を決めて薫を手放した希和子は捜査員に逮捕されてしまった。

逮捕の直前、半ば行く末を感じ取った希和子は最後の思い出に、
写真館で二人だけの家族写真を撮っていた。
焼かれた写真は既に出所した希和子が持ち帰っていたが、
再び写真館の主人(田中泯)が、ネガから焼いた写真の中には幸せな親子が写っていた。

恵理菜は自分の過去をすべて認め、まだ見ぬわが子を愛する自分を感じるのだった。

**

キャッチコピーに惑わされ、サスペンス映画かと思っていたが、
途中からは自分探しのロードムービーかと思う場面もあったが、
家族愛と親子とは何かを問う人間ドラマだった。

展開や心理描写は、男性には書けないストーリーだなとも思った。

小池栄子が、いい味を出している。
最初の登場からちょっと変わった性格を醸し出していた。
子役が赤ん坊からしてすごい演技をしていて、演技がそのままトラウマになるんじゃないかと

ところでタイトルの「八日目の蝉」は、羽化して七日で死んでしまうと言われる蝉が、
八日目まで生きていたら、独りぼっちになって寂しいのか、
他の蝉が見ることのできなかった素晴らしい体験ができるのか、
を観客に問うもので、物事の幸不幸が表裏一体であることと、
絶望の中にも必ず一筋の希望があると教えてくれるものだと感じた。

 

 

  SP 革命編   

岡田准一、堤真一、真木よう子、神尾佑、松尾諭、香川照之、堀部圭亮、など、主要キャストは続投。

前作、野望編では官房長官襲撃を阻止した井上薫(岡田准一)をはじめとするSPのチーム。
傷も癒え、日常の任務に就いていた。

一方で、尾形総一郎(堤真一)は、与党幹事長の伊達國雄(香川照之)と結託して、
ことを起こす準備を進めていた。

伊達の秘書、横溝(堀部圭亮)警視庁警護課の(伊達)らも仲間だ。

衆議院本会議が開かれ、総理の不信任案が採決される予定の日、ついに計画が開始される。
井上らは、本会議に出席する主要閣僚や幹事長、与野党党首を警護して国会に赴く。

テロリストの一団はエアコンの修理に見せかけたバンで、参議院議員会館に入り、
衛視らを倒して爆弾を仕掛ける。
そして、地下通路から国会に入り、出入り口の封鎖、参議院との廊下に爆弾を仕掛け、
衆議院を孤立させる。

本会議場では、動議が提出され、総理不信任案の趣旨説明が始まった。
尾形はトイレに行くふりをして井上らを議場の警護から引き離し、控室の捜索を命じる。

テロに加担する雄翔会メンバーの若き官僚たちは、これから起こる事件を待ちわびていた。
そしてついに、幕は切って落とされた。

警護するはずのSPは議場を封鎖、各階の廊下の見張りに立つ。
そして尾形以下数名が議場に乱入、衛視を倒して議場を制圧する。

何人かの議員に爆弾ベストを着用させ、議員会館に仕掛けた爆弾を爆破、
一部始終をTVで中継させる。

異変に気付いた井上は、井上らを確保に来たテロリスト側のSPを倒し、
議場への接近を図る。
そして、ついに議場外の全員を排除、議場への突入を画策する。

国会の外では、周辺道路の封鎖と警備、ヘリによる偵察、SATチームの配備等々が
着々とおこなわれていたが、議員が人質になっているため手が出せないでいた。

議場ではテロリストメンバーが主要閣僚の不正を次々と暴いていた。
尾形は、最後に首相を問い詰め、かつての秘書に罪を着せ自殺に追いやったこと、
その追及を逃れるため、テロを装い自分を暴漢に襲わせ、
一般人を死傷させたことなどを暴露しようしていた。

しかし、麻田総理(山本学)は頑として罪を認めない。
尾形が麻田を射殺するかもしない、と思われた瞬間、伊達が立ち上がった。
伊達のシナリオは、ここで事態を収拾して次期総理に納まることだった。
尾形以外のテロリストも尾形に銃口を向ける。

その時、井上らが議場に突入。
次々とテロリストを撃ち倒して議場の制圧に成功する。

首相はその間隙をついて、速記者席の後ろの非常口から地下避難通路に逃げる。
尾形はそれを追い、地下通路で誘導していた首相秘書官を射殺、首相に怪我を負わせ、
自分自身も向かってきた警官に足を撃たれるが、これを排除して首相を追う。

井上は尾形を追うが、地下通路で格闘の末、尾形を取り逃がす。

地下通路は首相官邸に通じていた。
尾形は首相官邸屋上でついに麻田に過去の罪を認めさせ、追ってきた井上と対峙する。
そして、押し問答の末、井上は尾形を確保する。

雄翔会を内偵していた公安部は若きエリート官僚逮捕に向かうが、
一部は逃走、一部は自爆して、事件の幕引きとなる。

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野望編もそうだったが少ないエピを引っ張り過ぎ。
過去作の知識前提で作られている割には、全体に個々の展開がとろい。

その割には、その後尾形以外の関係者がどうなったのかは、端折られていて、
伊達や横溝、雄翔会のメンバーの行く末は釈然としない。

前作が97分、今作が128分、そのまま足せば3時間半超の大作だが、
1時間分くらい大胆に切って、合わせて1本にしても良かったかも。

格闘シーンはなかなかで、岡田准一の気合の入り方はよくわかる。
ちょっと殴られ過ぎか。

セットは見事。
特に衆議院本会議場はセットということのようだが、よくぞあそこまで作りこんだ。

 

 

 

 

 

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