2013/01-03鑑賞
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01〜03月期:14(4)[3]本
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 ジャンゴ 繋がれざる者 

ジェイミー・フォックス、クリストフ・バルツ、レオナルド・デカプリオ。

クエンティン・タランティーノ監督作品。

南北戦争の起こる数年前。
足首を鎖でつながれた黒人奴隷数名を引き連れて馬で行く2人のカウボーイ。
長旅の途中、暗い森の中で1台の馬車と出会う。
馬車には歯医者シュルツ(クリストフ・バルツ)が乗っていた。
シュルツは奴隷を特定すると、カウボーイを撃ち、無理やり金を払って、
ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を解放して連れて行く。

シュルツはジャンゴを馬に乗せて近くの町へ行き、酒場へ入る。
「ニガー」が入ってきたと驚く店主に保安官(シェリフ)を呼べ、と言うシュルツ。
しかし、シュルツはやってきたシェリフを撃ち殺して、今度は連邦保安官(マーシャル)を呼べ、と言う。
マーシャルが来ると、シュルツはあっさり降伏するが、実は撃ち殺した保安官はお尋ね者で
自分は手配書を持っている公認の賞金稼ぎだと言う。
かくして連邦保安官に賞金を払わせたシュルツは、ジャンゴを連れて町を去る。

シュルツがジャンゴを仲間にしたのはお尋ね者のブリトル3兄弟の顔を知っているからだった。
シュルツはジャンゴを侍従として、大農園を探し、ブリトル兄弟を見つけるがジャンゴが撃ち殺してしまう。

偽名を使っていたブリトル兄弟だがお尋ね者に違いはなく、農場主(ドン・ジョンソン)は手が出せない。
しかし、黒人好きを嫌悪する農場主は夜、仲間を連れてシュルツを襲うが、
シュルツが1枚上手でカウボーイ連を一蹴、農場主も倒す。

ジャンゴの銃の腕前に感心したシュルツは、冬の間ジャンゴを雇い、春になれば
生き別れになっている妻ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を探すのを手伝うと言う。

そして、二人は賞金稼ぎとして大勢のお尋ね者を片づけていく。

やがて季節が巡り、二人はミシシッピの奴隷売り場で、ブルームヒルダが売られた先を調べ、
大農場主のカルビン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)に近づく。

キャンディは黒人同士の素手の殺し合い、マンディンゴに入れあげており、
シュルツはジャンゴを助手にマンディンゴのファイターを買う金持ちの設定だ。
シュルツは例によって旨口でキャンディの関心を引き、黒人の選別のためキャンディの農場に向かう。

その途中、シュルツはドイツ語を話す黒人女性がいると聞きブルームヒルダの存在を確信する。

屋敷には古くからキャンディに仕える黒人の執事頭スティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)がおり、
何かにつけジャンゴに食って掛かる。

シュルツの作戦はほぼ成功、エスキモー・ジョーと呼ばれる黒人ファイターの売買が決まる。
しかし、事の次第を見ていたスティーブンは二人の本当の目的はブルームヒルダだと見抜き、
キャンディはブルームヒルダを高額で買い取らせる。
金は掛かったものの当初目的のブルームヒルダの買い取りに成功したシュルツだったが、
何度も握手を強要するキャンディの態度に怒り、ついに隠し持ったデリンジャーでキャンディを撃ち殺す。

シュルツはキャンディの部下に撃ち殺され、ジャンゴとキャンディの部下の壮絶な撃ち合いとなるが、
ブルームヒルダが捕ってしまいジャンゴは降伏して捕まり、奴隷として鉱山主に売られることとなった。

鉱山へ連れて行かれる途中、ジャンゴは鉱山のカウボーイに自分は賞金稼ぎで、
キャンディの農場にいるお尋ね者を追っていて濡れ衣を着せられたと騙し、
彼らを殺して葬儀を終えたばかりのキャンディの農場に乗り込む。

ジャンゴはブルームヒルダを救い出した後、キャンディの側近や姉を撃ち殺し、
スティーブンの足を撃って屋敷を爆破、ブルームヒルダといずこかへ去って行った。

**

2時間45分の長編。
間合いがやや間延びしたやくざ映画チックなところはあるが、話が詰まっておりだらだら感はない。
「ドイツ人」であるシュルツを使うことで、奴隷制に対する嫌悪感を第3者的に見せている。
黒人奴隷たちが反発する意識すら持ちえなかった様に描き、ジャンゴとの対比を鮮明に描く。

撃ち合いや殴り合いなどの暴力シーンは、タランティーノ流。
そのタランティーノは、鉱山へ奴隷を連れていく3人のカウボーイの一人として登場する。

また、シュルツを襲う覆面一味の頭格(農場主の息子?)にジョナ・ヒルが出ている。

クリストフ・バルツはうまい。長台詞、多国語でその本領発揮。
「イングロリアス・バスターズ」と言い、タランティーノとの相性は抜群。
サミュエル・L・ジャクソン、ディカプリオもちょっと際立った性格がよく似合っていた。

 

 

  

 オズ 始まりの戦い   

ジェームズ・フランコ、ミラ・クーニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ。

時は1905年。
オズ(ジェームズ・フランコ)は移動サーカスのマジシャン。
助手のフランク(ザック・ブラフ)をこき使いながら、ショウをやっている。

マジックはうまいが、信じ込んだ車いすの女の子(ジョーイ・キング)に歩かせてくれと言われて困窮し、
女性にはだらしなく、すぐに祖母の形見とか言って安物のオルゴールを渡すようなやつ。

半年ぶりのカンザスでアニー(ミシェル・ウィリアムズ)に会っているとき、
サーカスでのトラブルが発覚、オズは気球に乗って逃げ出そうとするが、
運悪く竜巻に巻き込まれてしまう。

竜巻に翻弄され、やがて見知らぬ土地に舞い込み、気球は池に墜落する。

そこに現れた美女(ミラ・クーニス)に預言の通り、空からオズがやってきたと言われる。
美女の名はセオドラ。死んだ王の3人娘の一人。
王は姉妹の一人、西の魔女グリンダに殺されたと言う。

途中羽の生えた猿、フィンリー(声:ザック・ブラフ)を供に、エメラルド・シティに向かう。
エメラルド・シティでは長女エバノラ(レイチェル・ワイズ)が西の魔女の魔法の杖を折って殺せば
オズが国王となり、財宝はすべて手に入ると言い、調子に乗ったオズは西の魔女を殺しに行く。

途中、陶器の町が破壊されつくされ、足が折れた陶器の少女(声:ジョーイ・キング)に出会う。
オズを伝説の魔法使いだと信じる陶器の少女の足を糊(接着剤)でくっつけて助ける。

ほぼ力にならない猿と陶器の少女を供に、オズは暗い森に向かう。
墓場で西の魔女に出会い、隙を見て魔法の杖を奪うが魔女はアニーそっくりだった。

本当はエバノラが父を殺し、グリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)を城から追い出していた。
すべてがばれたことを知ったエバノラは、セオドラに毒りんごを食べさせ醜い魔女に変身させる。
グリンダの家臣は農民や、鍛冶屋や大工や縫製士たちで、とても戦いには向いていない。

オズは、人々の前では予言の魔法使いの振りをするがグリンダには本当のことを言う。
グリンダはオズを許し、一緒にエバノラと戦うことを約束させる。

セオドラはグリンダの城に乗り込んで暴れ、オズを倒すと宣言して去る。
オズは作戦を練って民に用意をさせ、エバノラの城に進軍する。
作戦はことごとく成功、エバノラの軍勢を倒すが、グリンダがさらわれる。

エバノラとセオドラが人々の前でグリンダを処刑しようとしていると、
オズは財宝をかっさらって熱気球で逃げようとし、セオドラの魔力で気球は燃え落ちる。

万事休す、と思ったその瞬間、燃え落ちた気球から炎が立ち上り、煙の中にオズの姿が浮かぶ。
煙をスクリーンにし、オズ自身の姿を投影したものだが、エバノラとセオドラはすっかり騙される。

攻撃はオズには効かず、セオドラは箒でその場から飛び去る。
エバノラは城の中に逃げるがグリンダとの格闘で魔力のエメラルドをもぎ取られ、
急激に年老いてしまうが、部下の飛行ヒヒが助け出してどこかへ飛び去る。

オズはグリンダと仲睦まじく、物語はハッピーエンドとなる。

**

ジェームズ・フランコは女にはだらしない役で言ってみればそのしっぺ返しを食うが、
男の目から見ても恨まれてもしょうがない感じ。

ミシェル・ウィリアムズは「シャッター・アイランド」のドロレス、
「マリリン 7日間の恋」ではマリリン・モンロー。
髪型でずいぶん感じが変わる。

ディズニー風エンターテイメント。
ライド形式の新しいアトラクションになりそうだし、なると面白いな、と思いつつ見てました。

特に複雑な背景でもなし「オズの魔法使い」とストーリー的な関連があるわけでもなし、
ただ、細かい点では「オズの魔法使い」へのオマージュに満ち溢れていると言ってもいいかもしれない。

最初はモノクロで竜巻に巻き込まれて途中からカラーになる展開。
何より物語の始まりがカンザスだと言うことや、案山子やライオンも登場する。

一応物語は大団円となっていますが、次回作がいくらでも作れそうな終わり方で、
しかも本当に続編の企画があるようだ。

続編となれば、レイチェル・ワイズとミラ・クーニスはどういう顔(特殊メイク)で出るんだろうか。
できればきれいな顔でお願いしたい。

 

 

 

  フライト 

デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ブルース・グリーンウッド

ウィップ・ウィテカー(デンゼル・ワシントン)は航空機パイロット。
搭乗前夜も酒を飲んでCAのカトリーナ(ナディン・ベラスケス)とベッドの中。
朝早くから別れた女房から金の無心の電話に切れていた。

その日はあいにくの天候。
二日酔いをコカインでごまかし、激しい雨の中、副操縦士のケン・エバンスとともに飛び立つこととなった。
乗員乗客合わせて102名の機は、離陸上昇中も乱気流に巻き込まれ大きく揺れる。
副操縦士が心配する中、ウィップは雲の切れ目をうまく利用して、機を安定させる。

揺れているからと乗客にはドリンクサービスを止め、自身は飛行中にもかかわらず、
ジュースにアルコールを混ぜて飲む。

1時間の行程。
機が安定した後は、操縦を副操縦士に任せ、眠るウィップ。
そろそろ着陸準備をと思ったその時、機は大きく揺れ、制御不能となり急降下を始める。

焦る副操縦士をなだめつつ、次々と手を打つウィップだが、機は墜落の危機に陥る。
ウィップは落下を防ぐため、機を反転、背面飛行を行う。

墜落は免れ、ウィップは機を元に戻すが、エンジンから出火してストール、
最寄りの空港までは持たないと見たウィップは近くの空地に着陸を試みる。

やがて、胴体着陸。
激しい衝撃とともにウィップは失神する。

気付いた時は病室。
元パイロットのチャーリー(ブルース・グリーンウッド)が付き添ってくれていた。
体中に包帯を巻かれているもののそれほど大きな怪我にはならずに済み、
航空機事故調査委員会の面々の最初の質問も少しで済んだ。

102名のうち、死亡は乗員2名、乗客4名。
死んだ乗員の一人はカトリーナ。乗客を手助けしていてシートベルトをしていなかった。

見舞いに来たハーリン(ジョン・グッドマン)は、マスコミが奇跡の着陸を成した英雄と
騒ぎたてていることを知らせ、ウィップにコカインとタバコを渡す。

ここで、ウィップの人生に絡んでくる一人の女性がいる。
カメラマンでヤク中のニコル(ケリー・ライリー)は、ヤクが止められず、
強力な薬を打って昏倒。ウィップと同じ病院に担ぎ込まれていた。

隠れタバコの縁でウィップとニコルは知りあう。

ウィップは間もなく退院、ハーリンに頼んで自宅ではなく親父の農場に移動する。
そこにあったすべてのアルコールを捨て、断酒を誓う。

程なくチャーリーからの呼出しがあり、ウィップは弁護士のヒュー(ドン・チードル)と会う。
訝しがるウィップに事故直後に採取した血液からアルコールが検出されたこと、
場合によっては終身刑になる可能性があることが告げられる。

チャーリーとヒューは、ウィップのおかげで大勢が助かったことを讃え、
機体の不具合が原因だとして、ウィップの無罪を勝ち取ることを約束する。

気が滅入るウィップは再び酒を飲み、帰る途中ニコルのアパートに立ち寄り、
彼女をトラブルから救い、農場に連れて行く。

ウィップは酒を飲んでは荒れ、反省して断酒を誓うことの繰り返し。
この間、チャーリーとヒューは調査報告書からウィップのアルコールの件を削除させ、
事故原因に不可抗力を追加させることに成功。

後は調査委員会の査問をクリアーすればいいだけに。

しかし、副操縦士の見舞いに行き、事故は神の思し召しだと言われ気が滅入る。
ころるのアル中毒克服の会も気が滅入る。

さらに、カトリーナの葬儀に出て、参列者で古参のマーガレットに
前夜カトリーナと少しだけ酒を飲んだと言うが信用されない。
無理やり普通通りだったと証言するよう約束させる。

ニコルにも逃げられ、気を紛らわせるため判れた女房の家に行くが
女房にも息子にも追い返される。

マスコミからは好意的に報道されるが、その実不安でしょうがない。
チャーリーの家に転がり込んで査問委員会までの間断酒する。

査問委員会前日、ホテルに缶詰めにされるウィップ。
ドアにはガードマン、冷蔵庫は清涼飲料水だけ。

翌日の査問に備え、体調も万全で床に就く。
夜中、続きの部屋の鍵かけ違いの物音に目覚め、隣室に行くと
冷蔵庫にはぎっしりとアルコールが。

一旦は我慢したものの手を出してしまう。
翌朝、チャーリーとヒューが部屋に迎えに来たときは、ウィップは泥酔状態で転がっていた。
時間がない、打つ手がないと嘆くチャーリーにハーリンを呼べとウィップがつぶやく。
ハーリンがコカインを吸わせ、ウィップは気を取り直して査問に臨む。

すべてが機体の不良による事故であったと結論付けられようとしていた時、
最後の質問がウィップに問いかけられる。

アルコールのサービスが中止された機内で発見されたウォッカの空き小瓶。
検査した搭乗員のうち、3人は白、一人は検査不能、アルコールが検出されたのは一人。
そして、それはカトリーナだった。
「機内で酒を飲んだのはカトリーナだと思いますか」

カトリーナにすべての罪をかぶせればそれで終わる。
しかし、ウィップはこう答えた。
「カトリーナは飲んでいない。飲んだのは私だ。なぜなら私はアル中だからだ。」

ウィップは刑に服することとなった。
刑務所では反省の日々。
しかし、息子からは尊敬できる父としての信頼を取り戻すことができた。

**

飛行機の事故シーンは圧巻。
最初にあの背面飛行から墜落に至るシーンを持ってきて、
その後は精神的に追い詰められていく様子。

デンゼル・ワシントンが出ずっぱりで、自分自身と向き合うまでの葛藤が描かれる。
ただのダメな奴と切り捨てられない感情の起伏と焦燥感、
ほんとの依存症ってあんな感じかな、と思わせる。

ニコルのケリー・ライリーは、「ザ・タウン」のクリスタ(ブレーキ・リブリー)と勘違いしたが、
実はロバート・ダウニーJr版「シャーロック・ホームズ」のワトソン君の妻だった。

ひとつ気になったこと。
どう聞いても「カトリーナ」と言っているように聞こえたのだが、字幕は「トリーナ」。
鑑賞中は自分の耳がおかしいのかと思っていたが、IMDBでは役名はKaterina Marquez。

 

 

                     

 

  ダイ・ハード/ラスト・デイ  

ダイ・ハード・シリーズ最新作。
ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー、セバスチャン・コッホ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド

物語の構図を最初に示しておく。
ロシアの2大悪、チャガーリンとコマロフ(セバスチャン・コッホ)
ともに政治家で、かつては組んで悪をやっていたが、その後対立、コマロフは投獄され、
裁判でチャガーリンの不正を暴くと言っている。

ジャック・マクレーン(ジェイ・コートニー)は、ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)の息子。
長らく父子の音信は途絶えていたが、ジャックがロシアで逮捕されたとの知らせにジョンがロシアへ向かう。

ジョンはジャックが悪さでもしたと思っていたが、実はジャックはCIAのエージェントで、
コマロフがチャガーリンへの反撃のために持っているはずのファイルを狙っている。
そして、わざと殺しに失敗、コマロフの指示だと証言するとしてコマロフの裁判に同席するよう仕組む。

そして、裁判を傍聴するためにジョンがロシアにやってくる。
ところが裁判開始直前、チャガーリンの手下、アリクが爆弾テロを仕掛け、コマロフ暗殺をもくろむ。
しかし、ジャックがコマロフを連れて脱出し、逃亡開始するもののジョンと出会ったせいで時間がずれ込み、
CIAは救出作戦を断念、プランBに変更してジャックをCIAの隠れ家に移動させる。

その間、激しいカーチェイスと傍若無人の破壊ぶりでアリクがジャックを追う。
ジョンも加わってジャックに加勢、無茶苦茶な破壊の末、
何とかジャックはコマロフとジョンを連れて隠れ家(セイフ・ハウス)に着く。

しかし、そこは全く安全ではなく、アリクの手下に襲われ、逃げる羽目に。
ロシア国内での味方をすべて失ったものの、ジャックはコマロフを連れての国外脱出を目指すと、
コマロフは娘のイリーナを連れていくことを条件にファイルを引き渡す約束をする。

コマロフの指定するホテルへ行くとイリーナはいたが、それはジョンの直観通り罠で、
アリクが登場、イリーナも裏切ってコマロフとともに去る。

残されたジョンとジャックはアリクに痛めつけられながらも危機を回避、
ぼろぼろになりつつ、逃亡に成功する。

ジャックは例のファイルがチェルノブイリ原発にあると言って、コマロフらを追う。
アリクは、コマロフにファイルのある金庫まで案内させるが、
そこはファイル庫ではなく、濃縮ウラン燃料の貯蔵庫だった。

コマロフはイリーナと組んで芝居を打って、アリクをだましてチェルノブイリまで誘導、
ウラン燃料の持ち出し、転売を狙っていた。

コマロフはアリクを殺害、遠隔指示していたチャガーリンも殺害してウランを運び出す。

その頃、追いついたジャックとジョンは、コマロフの策略に気づき、一味を殺しつつコマロフに迫る。

ジャックはコマロフと対峙、ジョンはウランを積んだヘリを攻略。
結局コマロフはヘリに切り刻まれ、イリーナも自爆、ジョンとジャックは敵の殲滅に成功、
ウランの持ち出しは失敗に終わる。

無事にジャックとジョンは帰国、ジョンの娘、ルーシーと親子、兄弟が再会を果たす。

**

よくまああそこまで無茶苦茶できるもんだと思いますが、あそこまでやれば、
それはそれで清々しいと言うか、潔いと言うか、超絶してます。

こういう映画ですから、特に突っ込みはしませんが、敵の構図は良いとして、
部下の設定はいい加減というかご都合主義というか、
コマロフにあそこまで指揮命令系統がチキンとしている部下がいるのであれば、
あれだけ複雑なあやふやな仕掛け、策を弄するまでもなく反撃できるだろうと
思うのは私だけでしょうか。

一応どんでん返しというか「実は」の連続。
味方と思ったら敵だった、敵同士も対立していると思ったらグルだったみたいな展開で、
最後まで意外性を保とうとするのはいいけど、
後になるほど組織の設定がテキトーになってしまうのはやむを得ないのでしょうか。

まあ、複雑な中にも破綻の無いサスペンスチックな展開を期待する映画ではないので、
それはそれで良しとしてみるのが楽しいと思います。

果たして次はあるんでしょうか。

 

 

                     

  ゼロ・ダーク・サーティ  

キャスリン・ビグロー監督、ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、カイル・チャンドラー。

***

2001/9/11。
アメリカを襲った同時多発テロ。

アメリカは犯行の首謀者をアル・カイーダのウサマ・ビン・ラディンと断定、その行方を追った。
しかし、所在はつかめず、悪戯に時だけが過ぎて行った。

CIAは911の送金係を確保、拷問を行ってビン・ラディンにつながる情報を得ようとしていた。
そんな中、CIAの秘密基地に新しく赴任したのがマヤ(ジェシカ・チャステイン)だった。

先輩CIAエージェントのダン(ジェイソン・クラーク)が行う
911テロの一味で送金係のアマール(レダ・カテブ)への拷問は熾烈を極めた。

信憑性のある情報は得られず、ビン・ラディンの情報を追うマヤやダンに対し、
支局長のブラッドリー(カイル・チャンドラー)は否定的な態度を取り続けた。
彼にとっては、確証の低いビン・ラディンにつながる情報より、次のテロを阻止する方が大事だった。

そして、2005年7月、ロンドンで同時爆破テロが起こる。
マヤはアマールが拷問に屈してロンドンテロを暴露、大勢の市民が助かったと騙し、情報を引き出す。
そのほかの捕虜からも聞いていたアブ・アフメド(アフメドの息子)と呼ばれる人物が連絡係であり、
ビン・ラディンに近い重要人物だと目星を付ける。

しかし、情報は交錯し、確証は得られず、ブラッドリーはマヤに対し、捜査を止めるよう指示する。
やがて、ダンは拷問に嫌気がさし、前線を離れる。
同時期、捕虜に対する拷問が議会で問題視され、CIAは活動を制限されるようになる。

相変わらず自爆テロは散発的に起こり、マヤやジェシカ(ジェニファー・イーリー)にも攻撃が加えられる。
そんな中、ジェシカはついにビン・ラディンの担当医だとする男への接触に成功。
金を餌にパキスタンの秘密基地での面会にこぎつける。
しかし、それは罠だった。
男は基地に乗り込んで自爆、ジェシカも吹き飛んだ。

捜査を続ける中、アブ・アハメドは死んでいるとの情報が入る。
落胆するマヤだったが、後輩が調べた資料の中にアブ・アハメドを示すものがあった。
つまり、アブ・アハメド(アハメドの息子)は8人おり、死んだのは兄弟。
ビン・ラディンの連絡役は別人だった。

本国に戻っていたダンはマヤからの情報をもとにクウェートに飛び、
パキスタンにあるアハメドの母の自宅を突き止める。

そしてアブ・アハメドからの電話を探知、ついにアブ・アハメドが連絡時に使う車を特定。
アブ・アハメドがパキスタン郊外の豪邸に出入りしていることを突き止める。

衛星写真等の情報からこの家には3組の夫婦と何人かの子供たちがおり、
姿を見せない3人目の男がかなりの重要人物だと分かる。

マヤはこの男こそビン・ラディンだと確信、上層部に掛け合うが
上司(マーク・ストロング)は首を縦に振らない。

いや、上司は大統領側近に掛け合ってはいたが、
イラクの失敗がトラウマとなっている政府はGOを出さない。

こうしてアジトが特定されてから日だけが過ぎて行った。
そして2011年に入り、マヤはCIA長官への報告にも立ち会うが作戦の許可は出ない。

追加調査の後、マヤ他CIA幹部はCIA長官に報告。
ビン・ラディンの可能性はと問う長官にビビッて60%〜70%と答えるCIA幹部たち。
意見を聞かれたマヤは、可能性は100%だが、言い過ぎだとしても95%だと答える。

長官は食堂で独りマヤに会い、更に意見を求める。

その頃、ネイビー・シールズの基地ではステルスヘリ2機と特別編成部隊が用意されていた。
ビン・ラディンでない可能性も含め、ミサイル攻撃ではなく突入作戦が予定された。

アフガンの基地で待機するシールズの部隊、通称カナリア。
ついに作戦のGOが指令される。

その夜、アフガニスタンからカナリアを乗せたステルスヘリが飛び立ち、
山岳地帯を抜けてパキスタンに入った。
そしてビン・ラディンのアジトと思われる家に突入を開始した。

着陸寸前、ヘリ1機がコントロールを失い不時着したものの兵員は無事。
暗視ゴーグルを付けて屋敷に侵入した。

ビン・ラディン側の攻撃に応戦し、入り口で男女2人を射殺、2階への階段で1名を射殺。
3階の寝室で1名を射殺、これこそがターゲットのジェロニモ(ビン・ラディンの暗号)だった。

ジェロニモの遺体は袋に格納して運びだし、各階にあった書類やPCのHDDを確保、
墜落したステルスヘリは爆破、代替の攻撃ヘリ(ステルスでないタイプ)の援軍を得て
兵員全員が脱出した。

基地で待ち受けるマヤは死体袋に入った男がまさしく、
UBL(ウサマ・ビン・ラディン)本人であることを確認、ここに作戦は成功裏に終結した。

作戦は成功したものの、多くの仲間を失い失意のうちに帰国するマヤであった。

***

多分に脚色はされているとは思うものの、実話に基づき淡々と展開する。
かなりの長尺がゆっくり進行するにも関わらず、だらだら感はない。

途中の緩さは、最後の襲撃にクライマックスを持っていくための演出と思っていたが、
最後まで静かに進行する。
襲撃も良くある派手な撃ち合いではなく淡々と進み、実際にはこうだったんだろうなと思わせる。

一瞬一瞬は緩急があり、自爆テロのシーンなどは突然の切り替えを見せるものの、
全体の流れは静かに展開する。
「ハートロッカー」でもそうだったが、この監督は過剰な演出を嫌うようだ。
改めて「ハートロッカー」を見返してみたくなった。

設定はかなり真実味があるようで、政府が情報をリークしたと言う噂まで流れたようだ。
ウサマ・ビン・ラディンはUBLと呼ばれていたようだ。
作戦中、ターゲットはジェロニモと呼ばれ、これは現実社会では後に物議をかもした。

ビン・ラディンのアジトは当時報道などでも流されたものそのまま。
衛星写真などは本物と思われる。
アジトそのものは、その後、聖地化するのを防ぐため、取り壊されたと聞く。

こういう映画を見ると、良し悪しは別として戦争はホントに嫌だなと思うし、
娯楽大作は良いとして、昔の戦争映画はお気楽だなと感じる。

 

 

                    

 すーちゃん まいちゃん さわ子さん    

柴崎コウ、真木よう子、寺島しのぶ、井浦新。

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すーちゃん、こと森本好子(柴崎コウ)は34歳、カフェの店員。
嫌な仕事を押し付ける同僚や、テキトーなバイトたちに囲まれて仕事している。
オーナーの木庭葉子(木野花)はきつい。
「とりあえず」中田地域マネジャー(井浦新)には何となく好意を寄せている。

まいちゃん、こと岡村まい子(真木よう子)は34歳、営業職。
30は過ぎたが美貌ではまだ若い子に負けない自信がある。
仕事は忙しく、取引先への謝罪に付き合わされることが多い。
不倫相手からは都合のいい女として扱われている。

さわ子さん、こと林さわ子(寺島しのぶ)は、39歳、ウェブデザイナーで自宅でお仕事。
認知症で寝たきりに近い祖母と母との3人暮らし。
40過ぎて結婚願望は捨ててないが、家を出たら後が心配。

3人はかつて同じコンビニでバイトした仲間。
それぞれの道に進んでも時々集まってピクニックに出かけたりお食事会をしたり。

そんな3人に少しずつ転機が訪れる。

すーちゃんはそれとなく好意を寄せていた中田マネジャーは、
同僚の岩井美香(佐藤めぐみ)と結婚することになり、ちょっとがっかり。
その後、オーナーから店長を打診されて受けることになる。
バイト募集では応募してきた男性の態度に腹を立てて怒鳴ってオーナーに叱らたり。

まいちゃんは気疲れから肌荒れ。頑張りすぎと言われて不倫相手と手を切る。
仕事にも意欲を失いつつあり、その後、結婚相談所に登録してお見合い相手を探す。

さわ子さんは、サラリーマンを辞めて実家の蕎麦屋を継ぐことになった幼馴染みと
なんだかんだでお近づきになるものの、妊娠可能の検査をしろと言われて激怒、破局。

忙しくて誰かが欠けても時々はお食事会を開いていた。
ある時はさわ子さんの家で鍋パーティ。
遊びに来た長男も面倒くさがったのに、すーちゃんが祖母にあいさつすると言いだし、
ぼけててわからないだろうと思った祖母がしっかり受答えしたのに喜んだり驚いたり。

そして、まいちゃんは結婚、妊娠し、記念撮影にすーちゃんを誘う。
結婚、妊娠と引き換えに捨てた人生、本当にこれでよかったのか、
母になると自分が自分で無くなってしまうとの思いもあったり。

すーちゃんはみんなで乗りたいねと言っていたヘリクルーズに一人で乗ってみたり、
バイトの千葉君(染谷将太)とちょっと良い感じになったり。

更に時が経ち、子供連れでピクニックに来たまいちゃんとさわ子さん。
間に合わないと思ったすーちゃんもギリギリで到着し、
3人の仲は相変わらず続くのだった。

***

益田ミリの四コマ漫画を映画化したもの。
前半は「OLあるある」
中堅どころの店員、総合職OL、個人で仕事をしている3人。
何気ない一言に傷ついたり、若い子に気を遣ったり、繕い笑いの日々。
がんばってるんだけど、なかなか思うようにはいかないんだよね。

細かいエピの一つ一つが女性陣には大変共感が得られたようで、かなり受けてました。

後半はそれぞれの道を歩み始めた3人。
そのまま進むのか、別の道を行くのか、いずれにしても他の選択肢を捨てていくわけで、
本当にこれでよかったのか、人生って選択と決断、そして悩むことの連続です。

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設定は東京近辺。
浦安から出るヘリクルーズ。
15分1万円と言っていたが、調べたところ、平日23000円、土日26000円だった。

実在のカフェ・フロイラインもあるようだが、関東近辺では見つからなかった。

 

 

    

 かぞくのくに    

井浦新、安藤サクラ、京野ことみ、宮崎美子、津嘉山正種

北朝鮮への帰国事業で当時16歳のユン・ソンホが一家の中でただ一人、北朝鮮への帰国を果たした。
しかし、最近脳腫瘍の診断を受け、治療目的で一時帰国(入国、来日)することとなった。

北京経由で25年ぶりに家族の住む日本にやってくるソンホ(井浦新)、
妹のリエ(安藤サクラ)、母(宮崎美子)、父(津嘉山正種)は首を長くして帰国を待っていた。

申請から5年かけて許された滞在期間は3か月。

父は朝鮮系団体の東京支部の副支部長。
母は喫茶店を経営して家計を支えている。
妹は日本語学校で講師をしている。

千住界隈の下町に住む一家の下に帰ってきたソンホ。
ただ、北朝鮮から監視役のヤン同志も同行、東京都の外には出ないことなどを申し渡し、
実家近くで監視活動を続ける。

父は負い目を感じながらも北朝鮮への忠誠を忘れない。
妹は北朝鮮に対する反発を隠さない。
母はただ息子の身を案じるだけだ。

学生時代の仲間とも再会し、思い出話に花が咲くが、ソンホは北朝鮮のことは一切喋らない。

ソンホは病院でCT検査を受け、処置については3日後に相談することとなった。
わずかな滞在期間を精一杯楽しもうとする家族。
行く先々に影のように付きまとうヤン同志。

一緒に一時帰国した他の北朝鮮人の中にはやけど跡の整形を目指す者もいた。
手術後の経過観察などで3カ月の滞在を伸ばしてほしいとの希望、
父はソンホの滞在延長と合わせて希望を出そうと考えていた。

その夜、ソンホはリエにあることを申し出る。
それは連絡役をやらないか、というもの。
スパイ?工作員?
リエはソンホに危害が及ばないか聞きながらも、即座に断る。

その話を立ち聞きした父はソンホに話をしようとするが、
ソンホは父のことを何もわかっていないと切り捨てる。

3日後、診断した病院の医師の返答はつれないものだった。
腫瘍はリスクはあるものの手術可能。
しかし、3カ月では術後の継続治療ができないため、手術そのものを断ると言うのだ。
滞在を伸ばすよう本国に交渉すると言う家族に、医師は首を縦に振らない。

失意に打ちひしがれる一家。
叔父(父の弟)のテジョ(諏訪太朗)は、帰国事業に参加させたことを悔い、父を責める。

そんな矢先、ヤン同志に本国から電話が入る。
全員2日後に帰国させよ、というものだった。

ヤンから連絡を貰ったソンホは母と妹に帰国を告げ、理解できないでいる二人を残し、
子供との約束のサッカーボールとサッカーシューズを買いに出る。

そして同窓会で再会したスニ(京野ことみ)を呼び出して帰国を告げる。

スニの夫は医師で、リエから連絡を貰って別の病院を手配してくれていたが、
その労は無駄になった。

支部では、帰国命令を告げられた父やたの帰国者の家族が激怒するが、命令は絶対。
母はせめてもの思いで、ヤン同志に洋服一式を贈り、気分良く帰国するよう計らう。

すがるリエを振り切り、ソンホはヤン同志らとともに千住の町を後にする。

リエは自由に生きろ、どこへでも行きたいところへ行けと言う兄の言葉を胸に、
兄が欲しがっていたが高くて買えなかったスーツケースを手にするのだった。

**

ヤン・ヨンヒ(梁英姫)監督の実体験をもとにしたストーリーとなっている。

ソンホは帰国(入国、来日、再会)を喜びつつも心からは喜んでいない。
表面上は穏やかに感情を抑えながら父にはわだかまりを持っている。

日本に残った家族も本国の理不尽さには反感を持ちながらも反発することはできない。

物語は淡々と進み、すべての人に苦悩だけが残り、だれも救われない。

井浦新は芸名をARATAから2012年に本名の井浦新に戻した。
安藤サクラは奥田瑛二/安藤和津夫妻の娘、夫の柄本佑は柄本明の息子。

いまだに理解できない部分の多い隣国ではあるが、考えてみれば、ほんの70年程前の日本も同様で
国家批判、体制批判など到底許されない時代であったし、御真影に対する扱いなども大差ない。

望む望まないにかかわらず、国が変わるには相当大きい外圧か、長い時間が必要なのかもしれない。

 

 

     

 ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀   

マキシミリアン・ジモニシェック、ローレン・リー・スミス、グレタ・スカッキ、ステーシー・キーチ。

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1937年5月6日。
前日にドイツ、フランクフルトを出発し、アメリカ、ニュージャージー、レークハースト基地に到着した
世界最大の飛行船、ツェッペリン号は着陸直前機体後部から爆発炎上し、墜落。
乗員乗客97名のうち35名と地上作業員1名が死亡する大惨事を起こした。
当時、多くの報道関係者が見守っており、惨事の模様が実写フィルムや実況中継の録音として残っている。

事故の四日前。
ドイツの高原でグライダー飛行に興じていたツェッペリン社の飛行船設計技師、
マーチン・クリューガー(マキシミリアン・ジモニシェック)は、
鳥の一群と衝突してコントロールを失い、近くの湖に墜落する。
たまたま近くで写真撮影していたジェニファー・バン・ザント(ローレン・リー・スミス)が、
水に飛び込んでマーチンを助け上げる。

マーチンはお礼にジェニファーを領事館でのパーティに誘うが、ジェニファーは黙って立ち去る。
その領事館でのパーティ、ジェニファーは招待客として参加していた。
当時、アメリカはドイツに対する軍事物資の禁輸を行っており、ヘリウムもその一つだった。
ジェニファーの父の会社はヘリウム生産の大手会社であり、禁輸措置によって窮地に陥っていた。

パーティのさなか、父エドワード(ステーシー・キーチ)が倒れたとの報が入り、
ジェニファーと母ヘレン(グレタ・スカッチ)は急遽ヒンデンブルグで帰国することとなった。

しかし、そのことを聞いたエドワードはツェッペリン社のエッケナー社長に連絡し、
ヘレンとジェニファーをヒンデンブルグに乗せないように依頼した。

エッケナーはそのことをマーチンに指示したが、それを聞いたジェニファーの婚約者の
フリッツ・アイヒホルツ(アンドレアス・ピエッシュマン)が突然マーチンを襲い、
争いとなり、マーチンが誤ってフリッツを殺してしまう。
フリッツの最後の言葉は「ヒンデンブルグ号に爆弾が。仕掛けたのはジェニファー。」

そのことは知らずにヒンデンブルグ号に乗り込むヘレンとジェニファー。
マーチンはフリッツ殺しがばれてナチに追われるが、作業員に化けてヒンデンブルグ号に乗り込む。

マーチンは飛行船の作業区域で何者かに襲われ拘束されるが逃げる。
マーチンはジェニファーに会い、爆弾のことを問い詰めるがジェニファーは知らないと言う。
フリッツの部屋を探っていてごたごたあり、結局マーチンはゲシュタポに捕まって拷問される。

ゲシュタポは、マーチンがフリッツの持つ機密文書を盗んで殺したと見ており、爆弾の話を信用しない。
結局なんだかんだあってジェニファーがフリッツの持ち込んだ葉巻にダイナマイトが隠されていたことを発見、
爆弾があることが分かって、マーチンは釈放される。

その後、船内でもごたごたがあって、
へレンとエドワードがヒンデンブルグ号を爆破して禁輸措置解除を狙っていること、
禁輸措置解除でヘリウムではなく「テトラエチル鉛」(=TEL)の輸出をしようとしていること、
TELは航空機用ガソリンに添加するとエンジン性能が上がり、
これを得ることでナチが戦争準備をしていることなどが判明する。

ヒンデンブルグ号は悪天候によりアメリカ到着が遅れることになり、ヘレンの部下の爆弾犯は
時限装置の再セットに向かうところをマーチンに見つかって、格闘となって飛行船から墜落する。

マーチンはその後も仲間と一緒に爆弾を探すが、刻一刻と時刻が迫ってくる。
やがてヒンデンブルグ号は着陸態勢に入るが、焦るあまりの操船で船体に無理がかかり、
ワイヤーが切れて水素嚢に亀裂が入り水素が漏れる。

爆弾は船外に取り付けられており、マーチンの決死の作業で何とか時限装置の解除に成功するが、
船内に発生したセントエルモの火によって水素に引火、大爆発を起こす。

爆破炎上によって墜落するヒンデンブルグ号。
ジェニファーやマーチンはかろうじて助かるがヘレンは死ぬ。

失意のうちにすべてを暴露する気でいたエドワードだがジェニファーがゲシュタポに誘拐され、
やむなくマスコミに禁輸解除を訴える。

その後、マーチンは手に入れていた機密書類とジェニファーの交換に成功するが、
エドワードはゲシュタポの幹部を射殺して自殺し、事件は闇に葬られる。

マーチンはドイツに戻らずジェニファーと一緒になって幸せに暮らす。

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どうも話がちぐはぐで、多くの訳有り乗客の描き方も中途半端。
アルゼンチン移住を目指すユダヤ人一家も適当だし、
もったいぶったマジシャン(ハンス・じゃニッケ)もただのやなやつ。

無線技士の行動もよくわからんし、船長もゲシュタポも真相との関与があいまい。

いくら禁輸解除が目的だとしても、ゲーリングやヒトラーがわざわざアメリカで
自らハーケンクロイツに泥を塗るようなことを画策するか。

確かにゲーリングはこの後、全飛行船の解体を命じているらしいし、
エッケナーとゲーリングは不仲だったとされるが、それにしても不可解。
誰がどこまで真相を知っていたのかもやや不十分で、
いずれにしても人物の描き方が浅い。

さらに追い打ちをかけるのがアフレコ。
音声がはっきりしすぎていて臨場感に乏しく、BGMも如何にもと言った感じで大仰。

調べたところ元々は、TV用の映画で、ランタイムは180分だったようだ。
いくらなんでもこの内容で3時間はないだろうと切りまくった結果、
110分に縮まったのは良いがこの体たらくとなったと思われる。

いまだ爆発の真の原因は特定されていないようだ。
近年の研究では、ヒンデンブルグの外皮に使われた塗料に問題があり、
静電気によって発火した説が有力とみられている。
この場合、外皮が直接燃えるので、水素ガスでなくヘリウムを使っていても火災は起こる。

ただ、外皮が火を起こしただけでは爆発には至らない。
内部まで火が侵入し、何らかの理由で漏れだした水素ガス(と酸素の混合気)に引火しないと爆発はしない。

可燃性のガスには引火爆発する最低の濃度(爆発下限界)と
これ以上濃いと引火しない最大の濃度(爆発上限界)があり、
水素の場合、下限が4%、75%が上限となっている。

つまり、如何に水素といえども、ある程度酸素と混ざらないと爆発しないわけで、
ガス嚢が破れて水素が漏れていたとする今回の説には説得力がある。

ヒンデンブルグを扱った映画には1975年の「ヒンデンブルグ」がある。
反ナチの乗員の一人(ウィリアム・アザートン)が爆弾を仕掛け、
爆弾は発見されるものの、解除は間に合わず爆発してしまうと言うものだった。
ラストの炎上シーンは当時の実写、ナレーションはラジオ放送の録音。

今回はカラー映像となっているが、おそらく実写をカラー化してリファインしたものと思われる。
hinfenburgの文字が燃え上がる瞬間は今見てもセンセーション、カタストロフィである。

 

 

    

 アウトロー  

トム・クルーズ、ロザムンド・パイク、リチャード・ジェンキンス、ロバート・デュバル。

ペンシルバニア州、ピッツバーグ。
大リーグ、パイレーツの本拠地、PNCパークの近く、アラゲイニー川を挟んだ対岸の駐車場ビル。
一人の男が1台の車を止めメーターにコインを入れ、ライフルを持って隠れる。

対岸を歩く人をスコープで眺めながら、やがて座っていた一人の男を撃ち、
次々と連射して1発は外すが、5人を死に追いやる。

男はすぐに逃げるが、警察は現場を捜索、空薬莢、パーキングメーターのコインなどを採取。
指紋などから犯人はジェームズ・バーと断定された。
バーは逮捕され、尋問を受けるが黙秘し「GET JACK REACHER」とだけ書き記した。

エマーソン警部(デビッド・オイェロウォ)とアレックス・ロディン検事(リチャード・ジェンキンス)は、
ジャック・リーチャーを探す。元陸軍の捜査官であることは分かったが行方は分からない。

その頃、ジャック・リーチャーはTVでバーのニュースを見て自らやってくる。
驚くエマーソンとロディンをよそにリーチャーはバーに面会を要請する。
しかし、バーは護送中に同乗していた容疑者らにタコ殴りされ昏睡状態にあった。

すぐ立ち去ろうとするリーチャー。
現れたバーの弁護士のヘレン・ロディン=検事の娘(ロザムンド・パイク)は、
リーチャーを説得して協力させ、弁護に有利な情報を引き出そうとする。

かつて陸軍狙撃兵として参戦しながら一発も撃たずに撤退時期を迎えたバーは、
陸軍の中で札付きの悪を4人射殺して証拠を残さず憂さ晴らしをしたが、
リーチャーにはばれて逮捕され、次は容赦しないと言い渡されていたのだった。

当初はバーの犯行だと決めつけたリーチャーだったが、不審な点がいくつかあった。
なぜ逃げやすい橋の上ではなく、照り返しが気になる対岸のビルを選んだのか。
なぜ外した弾丸は屋台のジュースのプラケースに当たったのか。
そして何より、なぜわざわざパーキングメーターにコインを入れたのか。

リーチャーの動きをずっとつけている車があった。
リーチャーがバーで飲んでいるとサンディ(アレクシア・ファースト)が絡んできて、
その兄だと言うジェブ(ジョシュ・ヘルマン)らがいちゃもんをつける。

あっという間に3人を倒したリーチャーは直後に駆けつけたパトカーに逮捕される。

釈放されたリーチャーはヘレンの助手として捜査資料を閲覧し、被害者の調査をヘレンに指示する。

一方、リーチャーを付けていたリンスキーはジェブらを使って失敗したことを責められ、
黒幕ザック(ベルナー・ヘルツォク)の指示で真犯人のチャーリー(ジェイ・コートニー)に殺される。

リーチャーはバーでのやり取りからサンディの居場所を突き止め、ジェブの家に向かう。
ジェブはおらず、始末されたものと思われた。
リーチャーを襲ったジェブの仲間を逆に倒し、サンディを訪ねようとしたリーチャーだが、
サンディは既にチャーリーに始末され、リーチャーがエマーソンに疑われる。

リーチャーは警察から逃げながらチャーリーを追うが、結局は見失い、車を捨ててバスで包囲網を脱出する。

リーチャーはバーが練習に使っていた射撃場を突き止め、支配人のキャッシュ(ロバート・デュバル)の
信用を得てチャーリーのことを突き止めた。

ヘレンの調査からリーチャーの得た結論は、被害者5人のうちの一人、女性社長のアーチャーがターゲット。
目的は会社買収に反対する社長のアーチャーを排除すること。
残り4人の被害者は目的を紛らわすためのカムフラージュ。
そしてエマーソン警部かロディン検事のいずれかが黒幕と通じていること。

ヘレンは意を決して証拠を並べ、アレックス・ロディン検事と対峙する。
しかし、その帰り、エマーソン警部に拉致され人質にされる。

チャーリーはヘレンを人質にリーチャーをおびき寄せようとするが、
リーチャーの怒りを買い、良いようにあしらわれる。

そしてリーチャーはキャッシュの応援を得てチャーリーらのアジトへ乗り込んでいく。
激しい銃撃戦の後、チャーリー、エマーソンを含む悪どもを一掃したリーチャー。
ついにヘレンを助け、ザックと対決。
しかし、ザックが無関係と証言するとうそぶいたため、リーチャーはあっさりザックを撃ち殺してしまう。
すべての証人がいなくなったと怒り狂うヘレン。

意識が回復したバーは当日の記憶をなくしていたが、自分の犯行を疑わない。
犯行の計画を考えてみろとヘレンに言われたバーは、もしバーならこうするはずだと
リーチャーが言った通りの計画を喋るのだった。

その頃リーチャーはバスでピッツバーグを後にしていた。
バス内の乱暴者に業を煮やしたリーチャーが注意するために立ち上がったところだった。

**

なかなか面白かった。
硬派でシリアスなトム・クルーズ。
新シリーズになりえるかどうかは興収次第。

痕跡を残さないのが主義なので、携帯も車も拳銃も持ってない。
必要なものは都度手に入れる、武闘派のシャーロック・ホームズっぽい。
「96時間」のリーアム・ニーソンも冷静沈着で鋭い観察力/記憶力/洞察力を誇るが、
その行動は後先考えない無茶苦茶ぶりだった。

ジャック・リーチャーの行動パターンは「ナイト&デイ」のロイに近い。
あちらは軟派でコメディタッチ、コミカルな演出だが、こちらはシリアスなだけだ。

 

 

                   

  ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日   

スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、レイフ・スポール

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ある時、カナダ人ライターが小説のネタにパイ(イルファン・カーン)の体験談を聞きに来た。

パイは、自身の体験を語るのだった。

インドのフランス領地区の富豪の息子として生まれたパイ。
両親は動物園を経営していた。
フランス語のプールであるピシン(piscine)と名付けられたが、
小さいころからおしっこする(pissin' )とからかわれ、自らPiと名乗るようになった。

しかし、フランスがインドを返還してからは家業は傾き、パイが16歳の頃、
一家は動物を売ってカナダへ引っ越しすることになった。動物の売り先もカナダ。

父母と兄、そしてパイは動物たちと一緒に貨物船でインドを出発した。
そして太平洋のど真ん中で大嵐に遭遇。
船は浸水し、沈没。
パイはかろうじて救命ボートに乗ることができた。

やがて嵐は去り、パイは一人ボートに残された。

いや一人ではなく救命ボートには足を骨折したシマウマ、ハイエナ、
バナナに乗って浮かんでいたオランウータン、それにベンガルトラが乗っていた。

ハイエナはシマウマを襲い、オランウータンはそれを阻止しようとしたが、
結局はハイエナに殺され、シマウマも死んでしまう。

ハイエナはパイにも立ち向かってきたが、ベンガルトラがハイエナを倒し、シマウマも手に入れた。

パイは自分が最後の虎の餌にならないよう、救命具やオールロープなどを使っていかだを組み、
ボートから離れて過ごしていた。

パイは自分が食べられないよう、虎に魚を与えていたが、
空腹のあまり魚を追って海に飛び込んだ虎はボートに戻れず、
パイには虎を見捨てることもできたが結局は助ける。

満天の星、海ほたるや発光するクラゲ、輝く海から飛び出すクジラ。
そしてクジラの躍動は水や食料を一瞬にして奪う。

やがて、嵐がボートを襲い、疲れ果てた虎とパイとの間に奇妙な連帯感が生じる。

長い長い漂流の後、ボートはマングローブの島に漂着する。
おそらくは浮島。
ミーア・キャットの群れ。
パイは海藻やマングローブを食べ、虎はミーアキャットも食べた。

しかし、夜になるとミーアキャットは森の樹に上がり、虎はボートに戻った。
木の上で眠ろうとしたパイが見たものは真水のはずの水たまりに死んだ魚と木の実に包まれた人の歯。

そこは夜になると豹変し、食虫草のような食肉の島だったのだ。

翌日、パイは虎と島を離れ再び漂流、やがてボートはメキシコに流れ着いた。
虎はボートを降り、そのまま森の中に消え、パイはしばらくして地元漁師に助けられた。

カナダ人ライターはにわかには信じがたいと言い、パイは話を続ける。
暫くして日本人の保険会社の調査員がパイを訪ねてきた。

パイは今の話をしたが調査員は信じない。
パイは救命ボートには、母とコック、仏教徒に自分の4人が乗り、
結局みんなが殺し合って自分だけが助かったと話した、というのだ。

すべてが妄想? 作り話? 訝るカナダ人ライターは保険会社の調査報告書を見た。
そこには、パイが長期間の漂流の後、助かったのは驚くべき凄いことだ、
成長したベンガルトラと一緒にいたのに、とあった。

**

最初のプールのシーン、海に落ちて沈む船を見つめるシーンなど、空中に浮いているようだ。

海に出るまではたるいが、とにかく映像はきれい。
どこまでも続く海原、輝く夜空、光る海、数多くの海洋生物。

数々の賞レースで評価されるのも妥当なところだろう。

虎もすごいが、実は実在しないらしいからさらにすごい。

パイの記憶の再現、という形で物語が進行するので、記憶があいまいだとするのか、
話に齟齬があったとするのかはわからないが、いくつかのおかしい点はある。

最初はまだ動物園にいた虎(リチャード・パーカー)が羊を殺すところ。
鉄柵の外に繋がれた羊を虎が襲うのは良いとして、どうやって柵の中に引きずり込んだのか。

またハイエナやシマウマを虎が確保するのは良いとして、全部は食べきれないから、
すぐに腐るというか、ボートの中で残りが腐ったら大変なことになるが、
あの状態で(嵐などが来る前に)ボートをどうやってきれいにしたのか。

ボートのキャンバス地は丈夫だとは思うが、虎の爪が立たないとは到底思えない。
すぐに破れると言うか裂かれると思うがどうか。

なお、赤道無風帯では海面は「油を流したように」波もなく、鏡のようになり、
空が写り込むそうだから、映画は多少誇張があるにせよ、嘘っぱちとは言えない。

 

 

                  

 草原の椅子    

佐藤浩市、吉瀬美智子、西村雅彦、貞光奏風、黒木華、小池栄子、AKIRA。

キャストは最初の3人だけ分かれば十分。
尚4人目は子供。

遠間(とうま)憲太郎(佐藤浩市)はカメラメーカーの営業部次長。
中間管理職の悲哀で、上から締め付けられ、下にもきつく当たらないといけない。

バツイチで女医の元妻(若村麻由美)との間に女子大生の弥生(黒木華)がいる。

不倫トラブルを手助けしたことから親友になった取引先の大型カメラ店の社長、富樫重蔵(西村雅彦)。
部下の見舞いの帰りにふと立ち寄った陶器店のバツイチ店主、篠原貴志子(吉瀬美智子)。
そして娘のバイト先上の司でDV妻、祐未(小池栄子)に逃げられた喜多川秋春(中村靖日)。

娘の弥生のおせっかいがきっかけで、祐未の連れ子で残された自閉症の4歳の圭輔(貞光奏風)。
当初期間限定で、遠間は無理やり圭輔の世話をさせられる。

一方で遠間はご多分に漏れず、同じバツイチの篠原貴志子に少しずつ惹かれていく。
遠間は祐未や秋春の自分勝手の影響で徐々に圭輔への関与を強めていくが、
引き取って一人で育てることも叶わず、ついに施設へ預けることを決意する。

遠間は写真家になった知人、鍵山(AKIRA)の写真集がもとで、
圭輔との最後の旅にパキスタン、フンザを訪れることにした。

旅行には、リストラを言い渡す悲哀につぶれそうになっている富樫、
辛い過去に自分を見つけなおそうと考える篠原も同行する。

鍵山の写真集通りのフンザの大自然。雪山、人々、そして砂漠。
写真集に出てきた老人にも出会い、一行の心は安らぐ。

帰国すれば、圭輔は施設に送られる。
篠原は遠間と一緒になって圭輔の面倒を見たいと言いだし、遠間も承諾する。
遠間、篠原、圭輔は新たな親子としての人生を始めることになる。

**

物語は淡々と進むし、展開も予想通り。
チラシはネタバレだし、冒頭がパキスタンでのシーンなので8割がた先が読める。

私生活では関わりの無かった3人が出会い、徐々に親しくなり、
圭輔を軸に、悩みや辛さを打ち明け分かち合うようになっていく。

ある意味丁寧に描かれているとは思うが、如何せん緩い。
じっくり描くのは良いというかむしろ好感触だが、
静止、個別ショットのカット割りが多く、展開がとろい感が一杯。

またそれまでじっくりとした展開だったのに、最後の方はとんとん拍子で唐突に終わる。
圭輔とのもう一段の親密さをセリフではなく、シーンで示してほしかった。

更にはあの後どうなっていくのか、帰国後の4人に待ち受ける運命やいかに、と気になる。

娘の弥生は親父の憲太郎と違ってしっかり者、の設定だろうが、
あんなダメ男に引っかかるうえに、子供の面倒見るとか言いだして先行き心配。

タイトルは、元々は富樫の父が身障者用の手作りの椅子を作っており、
それを草むらにおいて撮った写真が、大草原の中にある椅子のように見えるところから。

フンザでも類似のセリフは出てくるが、草原の中の椅子ではない。
もっともあのシーンは大草原である必然性はないのかもしれない。

チラシを見て、AKIRAって誰?と思ったら、EXILEのAKIRAだった。
意外とうまい。

小池栄子は突出した性格の役が多いと言うか似合う。
変貌ぶりが面白い。

ところで、「引き取って」育てることはそう簡単ではない。
圭輔は4歳の設定なので、法的に実子として扱う特別養子にすることができるが、
裁判に訴える必要がある。

裕未も秋春も育児放棄で祐未は虐待もしていたから、特別養子にすることは可能と思われるが、
貴志子の言う通り二人が両親とならなければ(憲太郎だけで)引き取ることはできない。

あのセリフは単に「二人ならば子供の面倒が見れる」程度の軽いものではなく、
「法的に特別養子(=実子として養子)にすることができる」意味合いを持っている。

まずは憲太郎が貴志子と結婚して、それから圭輔の養子縁組を申請することになる。
理由が虐待や育児放棄であれば、元の両親の同意は不要のはずだが、
祐未が圭輔を取り返しに来ないよう措置を取っておく必要がある。

ただ当初は「思い付きや軽い気持ちで言わないでほしい」と言っていたので、
憲太郎には優秀な弁護士の友人がいるので、
当然相談もした(する)だろうし、普通養子を考えていたのかもしれない。

圭輔が喜多川圭輔になっていることから、秋春が祐未との結婚で圭輔を養子にしていた可能性は高い。
しかし、祐未の戻ってくるのを期待していたこと、祐未が喜多川と名乗っていたことなどを考えると、
法的手続きに疎いか、法律上は離婚していなかったことも考えられるが、どういう設定かは不明。

法的な部分はあえて取り上げなかったとも思える。

いずれにしても、
きちんと(=法的に、正式に)親子関係が成立したところまで見せてほしかったなぁと思う。

 

 

    

 

 ルーパー  

ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン・レビット、エミリー・ブラント、ポール・ダノ

2044年、30年後から送られてくるターゲットを始末する「ルーパー」という職業があった。
ジョー(ジョセフ・ゴードン・レビット)もその一人。
指定時刻ピッタリに表れるターゲットをラッパ銃で射殺、報酬はターゲットが背負っている銀の延べ棒。
それを換金するもよし、密かに隠し持つもよし。

ルーパーにはいくつかの約束事があったが、その一つ。
将来自分がタイムマシンで30年前に送られて、過去の自分に始末される羽目になる。
これをループが閉じると言い、始末された未来の自分が背負っている金塊がその目印なのだ。

ターゲットが未来の自分だった時、30年間の余命を宣言されたことになる。
ある時から、どういうわけかループを閉じる事が頻発するようになり、
ルーパーの仲間内でも話題になっていた。

そんなある日、ルーパー仲間のセス(ポール・ダノ)がジョーのアパートにやってくる。
ループを閉じ損ねたというのだ。

いつものようにターゲットを射殺しようとしたが、覆われた顔が気になり見てしまったら未来の自分だった。
躊躇しているすきに逃がしてしまったという。
未来では、レインメーカーという謎の支配者がルーパーを根絶させようとしているのだと言う。

ジョーは、セスを床下の金庫に隠すが、ルーパーの元締めエイブ(ジェフ・ダニエルス)にばれてしまう。

未来のセスは逃亡を図るが次々と体に異変が起こる。
腕にすぐに指定の場所に来いとの傷がつき、指が無くなって行き、足が無くなり、
それらはすべて今のセスに起こっていることだった。
指定の場所に着いた時、未来のセスは始末された。

ジョーは自己嫌悪に陥りながらも仕事を続ける。
ある日、指示時刻より1分ほど遅れて到着したターゲットは顔を覆っていない未来の自分(ブルース・ウィリス)だった。
一瞬の躊躇、未来のジョーは身をひるがえして背負った金塊で弾を受けて凌ぎ、ジョーを殴り倒して逃げた。

ジョーの胸には列車に乗って逃げろとのメモがあった。
ジョーは逃げずに自分のアパートに戻る。
金庫は荒らされ、隠していた大量の銀の延べ棒は持ち出されていた。
エイブの部下に襲われ、ジョーは窓から墜落する。

ある日、指示時刻より1分ほど遅れて到着したターゲットを始末したジョーはそれが未来の自分だったと気づく。

ジョーは金塊を元手にエイブの指示通り中国に移り住み、最初はのんびり暮らしていたが、金が底を突き、
悪事に手を染めるようになる。
そして、女性と出会い結婚し、平和に暮らすようになって30年後を迎えた。
そして、レインメーカーの部下に捕まり金塊を背負わされることとなった。

今まさに袋をかぶされ、過去に送られようとしたその時、ジョーはレインメーカーの部下を倒し、
自らタイムマシンに乗り込んで30年前に戻り、30年前の自分と対峙、難を逃れて逃亡した。

未来のジョーはコンピュータで何かを調べ、地図に印をつけて持ち出す。

その間、ジョーは逃げずにアパートに戻り、エイブの部下に追い詰められる。
未来のジョーにはジョーの行動が記憶として反映されるので、
アパートに行ってエイブの部下を倒し、ジョーを助ける。

未来のジョーは逃げるが、ジョーは自らに傷をつけて場所を指定、未来のジョーを呼び出す。
そこへエイブの部下が登場し射撃戦となる。
未来のジョーは、エイブと過去の自分から狙われ、ジョーもエイブの部下から狙われることになる。

ジョーは、未来のジョーの持っていた地図の一部に秘密の鍵があると考え、そこに向かう。
そこには、サラ(エミリー・ブラント)と5歳くらいの男の子、シド(ピアース・ギャノン)が住んでいた。

ジョーが持っていた地図から、未来のジョーは30年前のレインメーカーを子供のうちに始末し、
自分の妻がレインメーカーの部下に殺されるのを防ごうとしていると気づく。

地図には、レインメーカーと同じ日に同じ病院で生まれた3人の子供の家が記されていたのだ。
ジョーは未来のジョーがサラの家に必ず来ると信じ、そこにとどまる。

やがて、ルーパーの一人、ジェシ(ギャレット・ディラハント)がサラの家にやってきて、
一旦はうまくごまかしたもののジョーのいるのがばれる。
サラの危機に、シドは階段から落ちそうになり恐怖と怒りでTK(テレキネシス)のパワーがさく裂。
ジェシは破裂して死ぬ。

そう、シドこそがTKの化け物、未来のレインメーカーだった。
サラは自身もTK能力を持つが、うまく育てればシドのTKもコントロールできるようになると言う。
ジョーはサラとシドに逃げるよう指示、未来のジョーを待つ。

未来のジョーは子供の家を探すうちにエイブの部下に見つかって捕まる。
エイブのアジトに連れて行かれた未来のジョーは隙を見て反撃、
エイブを含めた一味をほぼ皆殺しにし、ジョーの金を持ってサラの家に向かう。

最後に残って追いかけてきたキッド・ブルー(ノア・セーガン)も倒したジョーだが、
未来のジョーはシドを撃って傷つけ、シドの怒りは再び爆発、サラがなだめて逃がす。

尚もシドを狙う未来のジョーと立ちはだかるサラ。
ジョーは自らを撃ち、未来のジョーを消し去って、サラとシドを救う。

**

ジョーが主人公だが、未来のジョーが激しく強く、存在感も半端じゃないのでなかなか面白い。

過去の経験の変化が未来の自分の過去に反映されるのはなかなかアイデアでもあった。

名前は忘れたが、Beatrixじゃなくてもっと短い名前のウェイトレスもいる、
にはちょっとくすっと来た。

未来のジョーが現れたときは何ともなかった右耳が、ジョーがアパートで撃たれて
怪我した後は未来のジョーの右耳が欠けているなど細かい点にもこだわっていた。

タイムトラベルものだとどうしても避けられないのがタイム・パラドックス。
この映画でもそれは当然存在するが、当然のように2通りの流れを見せ、
複雑な話は抜きだ、として、その部分のつじつま合わせは回避している。

それでも若干の疑問はある。
未来のジョーは、30年後の自分の運命を知っているのに、
どうしてそれまでの間にレインメーカーを殺そうとしなかったのか。

愛妻の敵討ちはいいとして、自分が生き延びようとする行動は見られなかった。

また、殺人が難しい未来だからこそ過去に送り込んで始末しようとしている設定なのに、
妻があっさり殺されるようではまずいんじゃないか。

ラストも疑問。
あの場面でジョーがシドを救えたとしても未来のシドが魔物にならない保証はない。
レインメーカーの正体を知ろうとする者は未来のジョーだけではないのだから、
サラが先々危険な目に遭う可能性は高く、シドが曲がる確率は高い。

私的には、ジョーが事態を終結させるためにシドを撃ち、レインメーカーは存在せず、
従って未来のジョーが30年前に送り込まれることはなく、未来のジョーは消え去る、
しかし、本当に未来のジョーが未来に戻ったのか(過去に来なかったのか)は不明で、
未来は誰にもわからないのだ、みたいな結末がよかったかな。

 

 

    

 96時間 リベンジ  

リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレース。

**

前作で外国人旅行者誘拐の人身売買組織を壊滅させたブライアン(リーアム・ニーソン)。
組織仲間の遺体はアルバニアに運ばれ、葬儀が行われる。
前作で電気拷問を受けて死んだマルコの父ムラド(ラデ・シェルベッジア)は復讐を誓う。

そう、リベンジをたくらむのは、犯罪組織の方なのだ。

一方、前作でとりあえず娘のキム(マギー・グレース)からの信頼は得たものの、
自動車免許の件などで相変わらずの過干渉で嫌がられているブライアン。
娘の彼氏の登場にも機嫌が悪い。

ある日、前妻のレノア(ファムケ・ヤンセン)と再婚相手のスチュアートの仲が悪くなり、
楽しみにしていた中国への家族旅行がキャンセルされてがっかりしていることに気づき、
ブライアンはレノアにイスタンブールでの仕事が終われば一緒に観光しようと誘う。

ブライアンのイスタンブールでの要人警護の仕事は無事に終わり、キムとレノアがやってきた。
部屋は別々だが、その日はキムと、そして次の日はレノアとの観光を楽しむことに。

しかし、翌日、レノアとバザールに向かう途中。
何者かに追跡されていることに気づく。
レノアを車から降ろしてホテルに帰るよう指示し、自身は車で爆走して追手を振りまこうとするが、
ついに挟まれて、徒歩で逃げる。

イスタンブールの狭い街中で、追手を倒しながら進むが、ついにレノアが捕まる。
ブライアンは電話でキムに逃げるよう指示した後、敵に捕まる。

連れ去られる途中、道の右左折、時間、車速、周囲の音などを記憶していくブライアンだったが、
最後は敵のアジトで手を縛られている状態で気が付く。
隠し持った小型の携帯で、キムに連絡、アメリカ大使館へ行けと言うが、キムは拒否。
ブライアンの手助けをすると言う。
ブライアンは記憶から自分のいる場所を特定しようとするがうまく行かず、
キムに手榴弾を投げさせてその爆発音からホテルからの位置を推定、武器を持ってくるよう指示する。

暫くしてムラドが登場、ブライアンへの復讐を宣言する。
そこへ、レノアが連れてこられ、傷つけられ吊るされる。
レノアが失血死する前にブライアンは結束を解いて、レノアを降ろす。
やがてキムがアジトに近づき、ブライアンの目印を頼りに武器を投げ入れて逃げる。

ブライアンは、その武器を手にアジトの敵を次々と倒していく。
そして敵に追われていたキムを助け、タクシーを盗んでレノアを連れ戻しに行くが、
タッチの差でレノアは連れ去られてしまう。
しかも目の前にはアルバニア組織と通じたトルコ警察の汚職刑事が。
ブライアンはその刑事を射殺、トルコ警察とカーチェイスの末、アメリカ大使館に車で突入。
車内から前作でも出たサム(リーランド・オーサー)に事情を説明してもらい、難を逃れる。

ブライアンは単身レノア救出に向かう。
拉致され移送された時の記憶をもとに監禁されていた場所に行く。
次々と敵を倒し、ついにレノアを発見、ムラドを追い詰め、復讐は終わりだと言って立ち去ろうとする。
しかし、復讐は止めると言っておきながら、残された銃でブライアンを撃とうとしたムラドをブライアンは殺害。
傷ついたレノアを助けてブライアンはイスタンブールを後にする。

再び、アメリカに戻りレノア、キムと仲良くなったブライアン。
一応はキムのボーイフレンドにも良い顔をして、ハッピーエンド。

**

前作でブライアンに壊滅させられた一味がブライアンに復讐するストーリー。
前作は「誘拐されてから96時間(4日間)のうちに救出しないと助からない」
のセリフから「96時間」のタイトルとしたと思うが、今作は96時間の数字すら出てこない。

しかもリベンジを画策するのは敵組織であり、「96時間 リベンジ」はダブルミスリード。

前作で散々ブライアンから痛めつけられたフランスのエージェント、ジャン・クロードが
今度はアルバニア組織からボコられ、ブライアンの所在を吐いてしまうという損な役回り。

このジャン・クロードにしろ、サムにしろ、マルコにしろ、
前作を見ている前提で一切説明がないので初見の人にはわかりにくい。

しかし、元エージェントとはいえ、一民間人がよその国でこれだけおおっぴらに無茶苦茶やって外交問題にもならず、
いくら組織相手とはいえ、あれだけ冷酷に大量殺人をやってもお咎めなしとは、映画とはいえすごいですな。

Mですら議会で弁解させられていたのに。

リュック・ベッソンの無法っぷり、展開の無茶度はジェリー・ブラッカイマー並みの唐突さ。

まあそれが楽しいと言えば楽しい。

TAKEN3があるかもしれないらしい。
あるとすれば今度は単純な家族の誘拐では済まない。

 

 

   

 

  レ・ミゼラブル 

ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハザウェイ、アマンダ・サイフリッド、エディ・レッドメイン。

**

フランス革命から20余年の1815年。
パンを盗んだ罪で19年もの間、懲役に処せられていたジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)、
ついにジャベール警部から(ラッセル・クロウ)仮釈放の通知を受ける。

世間の目は冷たく、路地裏で眠るジャン・パルジャンに救いの手を差し伸べたのは
司教(コルム・ウィルキンソン)だった。

しかし、ジャン・パルジャンは一宿一飯の恩を顧みず、銀の食器を盗んで逃げ逮捕されるが、
司教は食器は上げたものだとしてジャン・バルジャンを許す。

自らを恥じ、過去を捨て新たな人生を歩む決意をするジャン・パルジャン。
8年後、ジャン・バルジャンは名前を替え過去を隠して成功し、
市長として、そして工場を経営する資産家としてパリで暮らしていた。

彼の工場で従業員同士のトラブルからフォンテーヌ(アン・ハザウェイ)が解雇されてしまう。
フォンテーヌは幼い子、コゼット(イザベル・アレン)を旅館の主人夫婦に預けていたが、
解雇されて収入が無くなり、仕送りのためにアクセサリーを売り、髪を売り、歯を売り、
ついには体まで売るようになってしまう。

ジャン・バルジャンはフォンテーヌの落ちぶれた原因が自分にあると知り、
病気のフォンテーヌを入院させる。

一方でジャベール警部はパリに赴任。
市長である(元)ジャン・バルジャンの行動を見て仮釈放から逃亡したジャン・バルジャンだと思い、
警察本部に訴えるが、ジャン・バルジャン逮捕の通知を受けて、市長に謝罪する。

ジャン・バルジャンは悩んだ末、逮捕された偽ジャン・バルジャンを救うため法廷で過去を暴露、
逮捕を避けて病院に行き、フォンテーヌの死に際に、コゼットの面倒を見る約束をする。

そしてコゼットを強欲のテナルディエ夫婦(サシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム・カーター)から貰い受ける。

数年後、フランスの民主化を望む血気盛んな学生たちの中に裕福な家庭の子息、マリウス(エディ・レッドメイン)は、
施しをするジャン・バルジャンと一緒にいる美しく成長したコゼット(アマンダ・サイフリッド)に一目ぼれ。

強欲夫婦の娘でかつてコゼットと一緒に暮らしていたエポニーヌ(サマンサ・パークス)から、
コゼットの家を聞いて、会いに行き恋に落ちる。

一方で強欲なテナルディエ夫婦とのトラブルでジャベールに遭遇したジャン・バルジャンは、
パリを離れる決意をする。

マリウスはコゼットを追うか決起に参加するか迷うが、結局は学生たちの蜂起に参加、
街中にバリケードを築いて立てこもる。

しかし、政府は軍を出して学生たちを排除することを決意、
コゼット宛てのマリウスの手紙を読んだジャン・バルジャンは志願兵として学生の中に入り込む。

ジャベールも志願兵として学生の中に入り込んでいたが、正体がばれて拘束される。
ジャン・バルジャンはジャベールを許し、殺すふりをして逃がす。

やがて政府軍の反撃が始まり、学生たちは次々と倒れ、マリウスも銃弾に倒れる。
ジャン・バルジャンは決死の覚悟でマリウスを担ぎ上げて下水を伝って逃亡。
ジャベールに見つかるがマリウスを抱いたまま逃亡する。

ジャベールは迷いが生じ、自信を無くし、ついにはセーヌ川に身を投げて死ぬ。

ジャン・パルジャンに助けられたマリウスは回復し、実家に戻り、コゼットとの結婚を決意、
ジャン・バルジャンは結婚を許したものの自身の過去をマリウスにだけ話して去る。

マリウスはコゼットとの婚儀に紛れ込んだテナルディエ夫婦からジャン・バルジャンの消息を聞き、
自分を助けたのがジャン・バルジャンだと知るとともに、コゼットと一緒に修道院へ行く。

そこで二人は神に召されようとするジャン・バルジャンと会うことができたが、
程なくジャン・バルジャンは神の国へ旅立っていく。

**

ビクトル・ユーゴーの長編小説「ああ無情」を映画化したものというよりは、
ミュージカル「レ・ミゼラブル」の映画化なので、内容は小説とは細部が異なる。

ミュージカルと言えば突然歌いだすことに違和感があるが、
この映画は逆にむしろ普通の語りはごく少なく、歌が殆どなので逆に違和感は少ない。
突然歌いだすと言うより歌の前後にわずかに台詞が入ると言った感じ。

台詞(歌)のハーモニーも見事だが、複数の人間が異なる感情を同時に歌い上げる所も良い。

ラッセル・クロウ、ヒュー・ジャックマンの歌のうまいのにはびっくり。
「マンマ・ミーヤ」ではあまり気にしなかったが、アマンダ・サイフリッドの澄んだ高音域も美しい。
エディ・レッドメインが歌えるとは思わなかった。

子供時代のコゼット、ガブローシュ役の子供もうまい。

かわいらしさや知名度(メディア露出度)だけで売れるどこかの国のアイドルとは違って、
米英のアクターの実力には恐れ入るしかない。
まあ、ピアーズ・ブロスナンのような例もなくはないが。

 

 

                 

   

 

 

 

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