2013/10-12鑑賞
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[ ]は邦画
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10月:4(1)[1]本、11月:6(1)[2]本、12月:5(1)[1]本、
01〜03月期:14(4)[3]本、04〜06期:16(4)[4]本、07〜09期:16(1)[4]本、10〜12期:15(3)[4]
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 永遠のゼロ   

岡田准一、三浦春馬、吹石一恵、夏八木勲、井上真央、風吹ジュン、平幹二郎、浜田岳。

祖母、松乃の死、葬儀で泣き崩れる祖父、賢一郎(夏八木勲)。
健太郎(三浦春馬)は控室で母、清子(風吹ジュン)と姉、慶子(吹石一恵)から
祖父は祖母の再婚相手で、実の祖父は宮部久蔵で特攻で戦死したと聞かされてびっくりする。

司法試験に何度も落ちてやけになっていた健太郎は、慶子の宮部久蔵について調べる話しに乗る。

慶子はあらかじめ特攻隊の資料から、宮部久蔵を知ると思われる人物に連絡し、
話しをしても良いと言う返事をいくつも貰っていた。

最初に会った男、長谷川(平幹二郎)は宮部を臆病者と罵る。

腕は立つのに空中戦に関わらない卑怯者、死にたくないと逃げ回る臆病者、
聞こえてくるのは悪い話ばかり。

しかし、何人目かに会ったやくざの親分と思われる景浦(田中泯)は、
宮部が臆病者だったのかと聞く健太郎に激怒し追い返してしまう。

病床にある井崎(橋爪功)は、自分が宮部の小隊にいたときの話を語り、
宮部が臆病者ではなく、国に残した妻と子のために絶対に生きて帰ると考えていたことを語る。

ある大企業の社長、武田(山本学)は、宮部が教官として特攻隊員を育成していたころの士官だった。
ある出来事をきっかけに武田は命を賭して宮部を助けようと考えたことを語る。

合コンの席で特攻隊を自爆テロと罵られた健太郎は席を蹴って帰るが、気を取り直して景浦に会う。
景浦は宮部が特攻隊の支援機として飛行していたころの話を語る。
自分よりもはるかに技量に長ける宮部に対し、ある事件以後自分が盾になってでも
宮部を助けると誓ったことを語る。

そして、宮部自身が特攻に出る日、同じ特攻に出た別の機が機関不調で不時着したことを語る。
その不時着機の搭乗員こそ、大石賢一郎、すなわち、健太郎と慶子の祖父であった。

賢一郎は孫たちの問いに残された謎の部分を語った。
大石は景浦とともに、宮部の支援する特攻隊基地に赴任。
かつて絶対に死なないと語った宮部の姿はそこになく、
配下を特攻で死に追いやる無念でおかしくなりかけていた。

そしてついに宮部は特攻に志願。
大石とともに出撃することとなったが、自身が乗る予定の52型を
初めて乗ったゼロ戦だからと大石の乗る21型と機を交換した。
宮部は自身の機の不調に気づき、大石の生き残りに賭けた。
そして、52型の操縦席に妻、松乃と娘、清子の行く末を託したのだ。

戦後、松乃を探し出し、何年も通いつめ、徐々に松乃も心を開き、
ついには大石を宮部の生まれ変わりとして受け入れたのだった。

現代に生きる人たちの戦闘機乗りの時代をつなぎ合わせて構成。

宮部久蔵(岡田准一)の小隊の部下、井崎(浜田岳=>橋詰功)
宮部教官時代の武田(三浦貴大=>山本学)
特攻隊支援部隊での景浦(新井浩文=>田中泯)と大石(染谷将太=>夏八木勲)

百田尚樹による同名小説の映画化だが、脚本が「謎解き」を重視するあまり、全体を台無しにしている。

映画では姉の慶子が実の祖父、宮部久蔵のことを調べ始めるきっかけも緩いが、
何よりくの生き残り隊員からの連絡を貰って会いに行くのに、
彼らが宮部に対しどういう感情を抱いているのかが会って初めて分かると言うお粗末さ。
あれだけ手紙を貰って中身を読んでないのか。

姉弟がいろいろ調べて、無理やり話を聞いたらぼろくそに言われた、のなら判るが、
話しをしますと言ってきた相手が祖父とどういう関係でどういう気持ちを持っているのか、
手紙を読めば、あらかたわかりそうなものだ。

そして最後に祖父が久蔵の最後にまつわる話と戦後の祖母との関わりについて語るが、
突然、ベラベラ喋るのは合点がいかない。
「いつか話そうと思っていた」のはいいとして、あれだけ思い入れのある人物について
「お前たちの本当のおじいさんは本当にすごい人だった」と言って聞かせていて然るべき。

最初に調べると言った時にぜひ調べてほしいと言っていたのに、
なぜ自分の持つ情報を一切与えなかったのか。

一番重要な特攻志願の根幹にかかわり、祖父の最後の直前を知る人物。
意外性を際立たせるため最後まで隠したのは製作者の意図だと思うが、それはないよ感で一杯だった。

また、絶対に生きて帰ると言っていた人物がなぜ特攻隊に志願し死んでいったのかを
わかりやすくするためだろうが、謎解きを時系列に追い過ぎる。

エンディングの街中を飛ぶシーンはまだいいとして、インタビューなどの回想シーンはなぜ繰り返したのかは意図不明。

空母の航行シーンでウエーキ(航跡)や舳など若干違和感のある所があった。

ゼロ戦の造形はさすがというか、しっかりしている。
当初は21型、最後の方は52型も出てくる。
どこまでが実物大模型で、どこからがミニチュア、あるいはCGなのか見分けがつかない。

とある映画でエンディング近くに大量のゼロ戦が飛ぶシーンがあるがあれよりはずっと実機に近い。

映画については戦争賛美、特攻隊美化ともいわれるが必ずしもそうは思わなかった。

 

 

      

  ゼロ・グラビティ    

ジョージ・クルーニー、サンドラ・ブロック

地上600km、スペース・シャトル。
アームの先で船外活動中のミッション・スペシャリストのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)、
ベテラン飛行士でミッション・コマンダーのマット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)は、
新型のジェットパックでその周りを飛び回っている。

ヒューストンから緊急の連絡が入る。
ロシアがミサイルで破壊した自国の衛星の破片が他の衛星に衝突、
さらに多数の破片となってスペース・シャトルに近づいていると言う。

ヒューストンからは直ちに船外活動を止めてシャトルに戻るよう指令が出るが、
破片が他の宇宙飛行士にヒットし、スペース・シャトルにも衝突。
さらにはストーン博士の付いているアームを破壊し、博士はアームとともに飛ばされる。

激しく回転しながらなんとかアームからは離脱したものの、ヒューストンとの交信は途絶え、
ストーン博士は宇宙空間に取り残される。

暫くのち、コワルスキーから無線が入る。
ライトで合図を送るストーンにジェットパックで接近し、合流したコワルスキー。
二人をつなぐものはロープ1本。

コワルスキーは最初に破片が当たって死んだ宇宙飛行士を連れてシャトルに戻ろうとするが、
死んだ宇宙飛行士の頭は空っぽ、シャトルの中も破壊され、乗組員は全員死亡。

生存者は、コワルスキーとストーンの二人だけとなってしまった。
コワルスキーは、ジェットパックを使ってISS(国際宇宙ステーション)への退避を開始する。

二人に残された時間は、破片が軌道を一周してくるまでの間の90分。

ストーンの宇宙服の酸素は徐々に減り、警告レベルに近づく。
コワルスキーのジェットパックの燃料も空に近づき、ISSへの安全な接近は難しくなる。

ISSにドッキングしていたソユーズの1機は既に離脱。
残った1機も着陸装置が破壊されパラシュートが飛び出していた。
これでは地球に帰還はできない。
コワルスキーはそれでも残されたソユーズ宇宙船を使って中国の宇宙ステーションに行き、
中国の宇宙船で帰還することを目指す。

コワルスキーは最後の噴射でISSに向かって突進する。
しかし、うまくつかまれない。

ストーンはかろうじてパラシュートのひもに引っかかり、コワルスキーの手を掴むことができた。
しかし、惰性(慣性)でコワルスキーの方に引っ張られるストーン。
コワルスキーは自らロープのフックを外し、離脱。
反動でストーンはISSに押し戻される。

既にストーンの酸素ボンベは空。残るのは宇宙服内の酸素。
CO2濃度が警告レベルに達し、時間の余裕はない。

ストーンは何とかISS内に入ることができた。
一瞬の安息。
しかし、コワルスキーは遠ざかり、ストーンは一人きりになってしまった。

暫くするとけたたましい警報音。火災の発生。
ストーンには手が付けられず、ソユーズに逃げ込む。
迫りくる破片の雨の中、マニュアルの手順に従ってISSから離脱。

中国のステーションに向かって発信しようとするも燃料は空。
死亡を覚悟したストーンは酸素を切ろうとする。

その時、ソユーズの外に人影が。
コワルスキーがハッチを開けて入ってきた。
予備のバッテリーがあってここまで来れたと言うコワルスキー。
燃料切れを告げるストーンに着陸の逆噴射がある、諦めちゃだめだと諭す。
気を取り直すストーン。
しかし、そこにコワルスキーの姿はなかった。
ストーンの妄想だったのだ。

ストーンはソユーズの着陸船部分を分離。
計器をごまかして着陸の逆噴射を敢行する。

ソユーズは中国のステーションに向かって進むが、制御はできず軟着陸はできない。
さらに中国のステーションは徐々に高度を落とし、わずかな空気の抵抗を受け始めていた。
中国のステーションに近づいたところで、ストーンは消火器を抱えてソユーズから脱出。
消火器の噴射の反動を利用して中国のステーション到達、中に入る。

ステーションは既にもぬけの殻。
ストーンは急いで着陸船に入り、中国語が分からないながらも操作してステーションから離脱。
着陸船を分離して大気圏突入。

大気との摩擦で熱に包まれながらもなんとか着陸船はパラシュートを開き、
着陸の逆噴射も自動で行われ、どこかの湖に着水する。
その直前にはNASAの無線も入るが応答する余裕はなかった。

ハッチを開けたものの水が入って着陸船は水没。
脱出したストーンは宇宙服を脱いで何とか浮上し、泳いで陸地まで到達。

空には多くの破片が大気圏で燃えながら落下する様子が見て取れた。

二人芝居。
単なるパニック映画ではなく、人間性や感情の起伏を盛り込み、
緊迫と緊張の中で観客を惹きつけつづける演技力に注目。

かなりのリアリティ。
本当に無重力状態で撮影したかのよう。
特に反動と言うか作用/反作用の描写は細かく、おそらく殆どは物理的にも完璧に正しい。

無重力でも質量が無くなるわけではないので、動かすには力がいるし、その力に応じた加速度しか与えられない。
質量の大きいものを足場もなく押そうとしても自分が跳ね返されるだけ。

弾き飛ばされたり、急に加速度が加えられたり、回転や進行が止まらなかったりと、
地上とは違う動きもリアル。涙や火もリアルだった。

恐らくは宇宙船の造形や機材、操作パネルなども練りに練って作ってあると思われる。
かなり実物に近いのではないか。

宇宙空間でモクモクと煙をたなびかせたり、母艦からの離脱に一旦下降するような動きを見せる、
どこかのSFとは違って、無重力、真空とはこういうことなんだよね、と実感。

全く切れ目のない映像。
どこまで続くのかのロングテイク(に見える編集)。
超望遠から超クローズアップまでを1カットに収めるなどの技法もすごい。

視点が宇宙服を着たサンドラ・ブロックの顔に近づいて、
そのままヘルメットの中に入り、ヘルメットの内側に表示される各種情報を映し出しながら、
またヘルメットの外に出るなど、全くスムーズで違和感がない。

また宇宙飛行士はアメリカの宇宙船だけでなく、ロシアの宇宙船の訓練も行うようだし、
少なくとも英語とロシア語は喋れるらしい。

中国の宇宙船も「操作はソユーズと同じ」はどこまで実態に近いか分からないが、説得力はあった。

いくつか実際と違う点もあって、重力による歪みが起こらないだけで、
太陽電池パネルなどはかなり薄っぺらいらしい。
手で引っかいたら簡単に破れるんじゃないか。

宇宙飛行士が下着だけで宇宙服を着ることはないし、長時間宇宙服を着る場合「おむつ」をするらしいので、
ストーンがしていてもおかしくはないがしているようには見えなかった。

大気圏再突入の突入角度は実際にはかなり微妙らしく、下手な角度で入ると弾き飛ばされるらしい。
また予定の場所への着陸も難易度が高い様だが、この映画の場合はそれどころではないので該当しない。

心配だったのは結末。
一応、無線で救助に向かう旨の呼びかけはあったようだが、これで助かったわけではなく、
どこに落ちたのか、周りに危険な動物/人物はいないのか等々は気になった。

 

 

 

 グォさんの仮装大賞   

シュー・ホアンシャン(許還山)、ウー・ティエンミン(呉天明)、リー・ビン(李賓)、
イエン・ビンイエン(顔丙燕)、ガオ・グー(高歌)。

グォさん(葛、シュイ・ホァンシャン)は妻を亡くし、義理の息子夫婦から妻の遺産分けに20万元を貰って家を出る。

孫(ガオ・グー)の結婚式に行き、祝いだと言ってその20万元を渡すが、息子にはけんもほろろで追い出される。

行くあてもなく旧友のチョウさん(周、ウー・ティエンミン)を訪ねて、関山老人院へ。
院長(イエン・ビンイエン)には満床だとして断られるが、チョウさんの助けもあって、
なんとか院に住むことができる。

しかし、実の家族が分からなかったり、奇声を上げる認知症患者、気力もなくただ生きるだけの老人たち。
グォさんの息子はかつてのグォさんの言動を許しておらず、金を突き返しに来た。

夜中に失禁してシーツを洗うグォさんは生きる希望を失って首を吊ろうとしてチョウさんに止められる。

チョウさんは、院の仲間にかつてテレビで見た「仮装大賞」のネタを見せ、みんなで出場しようと計画していた。
チョウさんはグォさんも仲間に入れて練習を開始する。

出し物は麻雀。
14人が麻雀牌の被り物をして、洗牌、聴牌、自摸、和了を演じるものだった。
当初は健康のためになると許していた院長だったが、みんなが「仮装大賞」の行われる天津へ行くことには反対。

老人たちの熱意に負け、家族がOKしたらの条件を出し、家族を呼んで演目を披露することに。
しかし、演技の最中に転倒者が出て救急車を呼ぶ騒ぎとなってしまう。
当然ながら家族は反対。みんなの天津行きは許可されなかった。

大いに落胆するみんな、食事の途中でチョウさんは嘔吐し、がっかりして体調を崩したと言うが、
実は末期の膀胱がんで余命いくばくもないとグォさんにだけは白状する。

どうしても仮装大賞に出たい、そして、死ぬ前に一度海が見たい。
チョウさんの秘密を知ったグォさんは、仲間に問いかける。「まだみんな仮装大賞に出たいか」
新しい演目を考え、院長に内緒で密かに練習を開始。
今度の演目はチョウさんを含めた6人で行う。

だが、天津行きは許されない。
グォさんは最低限の人数で院を脱走することにした。

そこで、グォさんとチョウさんは孫との面会にかこつけて、脱出用のおんぼろバスの下見に行く。
グォさんとチョウさんはかつてバスの運転手をしていた同僚だった。

グォさんは孫に息子との確執のいきさつを語る。
グォさんの最初の妻、息子の母が死に、グォさんは再婚を考えるが息子は反対、再婚は失敗した。
しかし、息子は結婚すると今度はグォさんに再婚を勧め、家から追い出そうとした。
グォさんは再婚して家を出たが、その後息子は足を怪我して失職、
新しい商売を始める資金をグォさんに借りに来たが、グォさんは貸さなかった。

20年経った今、グォさんは悪いことをしたと思っているが、息子はそれを恨んでいる。
グォさんは息子との関係修復はあきらめたが、孫に経緯だけは知っておいてほしいと思っていた。
孫は家に帰って父に不満をぶちまける。何とか祖父と父が仲直りしてほしいのだ。

一方、麻雀牌の被り物はチョウさんらが始末することで院長に許可を貰い、
おんぼろバスを院に引き入れ、残る仲間の嘘喧嘩で看守の目を盗んで次々とバスに乗り込む。

そしてそのまま、脱走。
と思いきや、チョウさんを旦那と思い込んでいる認知症のリーさん(リー・ビン)が付いてくるし、
車いすの老人も抜け出してきた。
こうして演者役6人と合わせて8人の逃避行、いや天津への飛越の旅が始まる。

翌日、脱走はあっさりばれる(そりゃそうだよね)
院長は、グォさんの孫と別の老人の息子の車で一行を追う。

途中、トラブルになりかけながらも、なんとか和気あいあいと路程を進める一行だが、
ついに院長らに追いつかれる。

しかし、一行は頑として言うことを聞かない。
ついに院長も折れ、グォさんの孫とともに同行することになった。

途中、ついにチョウさんが倒れ、病院に担ぎ込まれる。
医師の話は手遅れ、努力はするが覚悟してほしいとのことだった。
しかし、チョウさんはここまで来て諦めるわけにはいかないと仮装大賞に出る。

いよいよ大会当日。
6人合わせて500歳の出し物は三面鏡。
鏡の前のチョウさんにコミカルな動きに合わせて、三面鏡に写ったみんなが動きをまねると言うもの。
最後に女房役が(鏡1枚に写った人物を合わせて2人で)みんなを引き戻す。
得点は、ピロピロピロ、満点!

司会者に感想を聞かれたチョウさんは、この大会で3位以内に入れば本選である日本に行ける。
そうすれば、日本に行って8年間音信不通、生き別れたままの娘が見てくれる、
その思いでここまで来た、と吐露するのだった。

袖に引っ込んだ一行だが、チョウさんはもう立つこともできない。
グォさんらは、チョウさんを浜辺に連れて行き、東の海から昇る朝日を見せる。
この海の向こうに娘がいる。もう思い残すことはない、と静かに息を引き取るチョウさん。

やがて院に戻った一行は、グォさんの息子の力も借りてチョウさんの遺骨遺影に向かって、
死に際に見た景色、すなわち青々とした海がやがて朝日を浴びて金色に輝く様を仮装で演じてみせるのだった。

**

「仮装大賞」名前だけのものかと思ったら、日テレの仮装大賞そっくりの演出。
パクリ?と思ったら「天津の予選で好成績だったら日本の本選に行ける」とのまさかの設定。

本家の許諾を得ているのかどうか知らないけど、納得してしまう展開でした。

コミカルな中にも切ない物語。
泣ける。
くどすぎず端折りすぎない説明シーン、飛躍しすぎずそこそこ緩急のある展開。
カメラワークも落ち着いて違和感なく、ゆったりとみていられる。

社会性を盛り込んではいるが、イデオロギーや政治は全く出てこない。
多分に日本的感覚に一致した感情の起伏など、宣伝が良ければ、ヒットしてもおかしくない良作。

配給はシネマセブン(C7)
全国わずか5館(東京、大阪、名古屋、京都、神戸各1館)はもったいない。

監督はチャン・ヤン(張楊)
2012年の第25回東京国際映画祭上映作品。
当時の邦題は「老人ホームを飛び出して」、原題「飛越老人院」の直訳に近い。
尚、英題は「Full Circle」、いわゆる「全円」で原題との関連性は不明。

残念だったのは私自身が中国語が全く分からないこと。
判ったのは麻雀牌の名前と数字くらいだった。

 

 

     

 ザ・コール 緊急通報司令室  

ハル・ベリー、アビゲイル・ブレスリン、モーリス・チェスナット。

ジョーダン・ターナー(ハル・ベリー)は911の対応オペレーター。
911は日本の110番+119番に相当。

電話を受けたオペレーターの第一声は「What's your emergency?」
火事、事件、事故、救急。
状況を聞き、即座に判断し、警察や救急車や消防車を現場に向かわせる。
中には緊急の用事ではなく、コウモリが家の中に入ってきたとか、飲んだくれの通報常連もいる。

ジョーダンは警官のポール・フィリップス(モーリス・チェスナット)と恋仲で、約束にウキウキ気分。
気を取り直して電話に向かうと、若い女性、レア・テンプルトン(エビー・トンプソン)から
誰かが家に侵入してきたとの連絡が入る。

ジョーダンは、レアに身を隠し、侵入者を交わす方策を指示する。
ジョーダンの指示はうまく行き、侵入者はレアに気づかず家を出ていこうとする。
その時、レアの電話が切れ、ジョーダンは咄嗟にリダイアルする。

呼び出し音に気づいた侵入者は再びレアのいる部屋に戻り、レアを見つけ殴りつける。
ジョーダンは侵入者に呼びかけるが「It's already done.」と言ってレアを殴りつけ電話を切る。

ジョーダンは上司のマディ(モナ・マフィア)にリダイヤルしたことを叱責される。
翌日、レアの遺体が発見され他とのニュースが流れ、ジョーダンはポールに慰められるも激しく落ち込む。

半年後。
ジョーダンは研修生の教育係となっていた。
一通りの座学の後、研修生をオペレーター室に連れて行き、経験半年の新人の話を聞かせたりしていた。

その頃、ケイシー・ウェルソン(アビゲイル・ブレスリン)は、友人とショッピング・モールに来ていた。
生真面目一本のケイシーに友人はテキトーな性格で、弟の迎えを忘れていたと言って帰ってしまう。
彼から渡されたと言うプリペイド携帯を忘れて。

ケイシーは帰ろうとして駐車場でサングラスの男に拉致されてしまい、自分の携帯はその際に壊れてしまう。

ケイシーが気付いた時は車のトランクの中だった。
ケイシーは友達の携帯で911に電話。
たまたまそれを受けたのは、今まさにジョーダンが聞いていた新人オペレーターだった。

パニくるケイシーとのやり取りを聞いていたジョーダンは、
新人オペレーターが「プリペイド携帯は位置探査に時間がかかる」と言ったのを制して交替する。

ジョーダンはケイシーをなだめ、周囲に知らせるべく行動を指示する。
ケイシーはやや落ち着き、ジョーダンの指示に従う。

まずはトランクの中からテールライトを叩き落とし、そこから手を出して振る。
気付いた後続の車が911に電話、位置が分かるが、気付いた車がオペレーターの指示を無視して並走、
犯人に悟られてしまう。

高速を降りた車、ケイシーはジョーダンの指示通り、トランクにあったペンキをテールライトの穴から流す。
しかし、それに気づいた後続車があろうことか、犯人に教えてしまう。

犯人は近くの駐車場で車を止め、トランクを開けてケイシーを脅す。
後続車が様子を窺いに来て、犯人はごまかすが不審に思い、警察に電話しようとして犯人に叩きのめされる。

その際、犯人はケイシーを眠らせたクロロホルムのビンを落とす。

指紋を拭きとって車を乗り換えた犯人。
ポールら警察が駐車場に着いた時は逃げた後だった。

しかし、ビンから指紋が検出され、拉致犯はマイケル・フォスター(マイケル・エクランド)と判明。

次にケイシーが気付いた時、後続車の男とともにトランクに入れられていた。
死んだと思った男は気付き大声を上げる。

車を止めたマイケルは、トランクを開けて男を何度も刺し死なせる。
やがてガソリンが底をつきマイケルはガソリンスタンドに車を入れる。

給油している間にケイシーはトランクスルーから後部座席に逃げようとするが抜けられない。
スタンドの店員に大声で助けを呼ぶが、マイケルは店員にガソリンを浴びせて火をつけケイシーを殴りつける。

再び車は走りだし、ケイシーはジョーダンとの通話が命綱だが携帯の電池がなくなりつつあった。

スタンドの事件は連絡が入るがマイケルの手がかりはつかめない。

マイケルの自宅に踏み込んだポールは怒り狂うマイケルの妻に詰問し、農場だった実家と離れの場所を知る。
そして、幼いころ仲のよかったマイケルの姉が金髪美人であり、何らかの病気(癌かエイズか)で髪を失い、
徐々にやつれ、そして死んでしまっていたことを知る。

マイケルはどこかにケイシーを連れて行き車から降ろし、殴りつけて気絶させる。
その際、携帯を見つけ、ケイシーが911と電話していたことにきづく。

ジョーダンは「正体はばれているのよ、マイケル・フォスター」と呼びかけるが、
マイケルは「It's already done.」と答え、電話を壊す。
ジョーダンはマイケルがレア・テンプルトンの殺害犯だと確信するが、
それを聞いたマディは「あなたは間違いなくよくやった、後は警察に任せて帰って休め」と指示する。

警察はマイケルの実家に踏み込むが、誰もおらず依然ケイシーは見つからなかった。

マイケルはケイシーを監禁、椅子にしばりつけていた。
一旦は逃げようとするが再び捕まってしまう。

ジョーダンはケイシーとの通話を何度も何度も聞き返していた。
周辺の物音に聞き耳を立てたものの所在が分かるほどではなかった。

ジョーダンはあきらめきれず、警察も調べたマイケルの実家へ車を走らせる。
当然ながら誰もいない。
しかし、通話の中で聞こえていた何かを叩くような物音。
それはまさしく、そこにあった旗竿ポールを滑車が叩く音だった。

ジョーダンは壊された携帯を見つけ、現場が近いことを確信。
そして、そのすぐ下に地下室への入り口を発見する。

ジョーダンは911に通報しようとして携帯を落とす。

携帯を取りに地下におりるとそこは圏外。
マイケルの姿を確認したものの逃げそびれ、別の部屋のワードローブに隠れる。
そこにマイケルが入ってきて電気を点けると、おぞましい光景が広がった。
すなわち、血だらけのベッドと壁。
そしてマネキンの頭につけられた金髪の頭の皮。

髪の臭いを嗅いだマイケルは、これじゃないと言って髪を引き出しに入れる。
そこにはいくつもの金髪の頭の皮があった。

マイケルは部屋を出るとしばりつけたケイシーの頭にメスを入れようとする。
「殺して」との問い掛けには「死んでしまうと髪もダメになる」と答え、
「止めて」の叫びには「止められないんだ」と答える。

そして額を切り始めたところにジョーダンが後ろからマイケルを殴りつけ、格闘となる。
ジョーダンはやられそうになるが、ケイシーが加勢し、マイケルを刺す。
格闘の末、何とかギリギリで二人とも地下から脱出。

追ってくるマイケルは地下室に落ちて気絶する。

ケイシーは911に電話しようとするジョーダンを制し、二人は再び地下におりて
マイケルを椅子にしばりつける。

警察はいつ来る?と聞くマイケル。
ケイシーは「私は逃げて、ジョーダンに見つけられた。あなたはどこかにいなくなった。」と告げる。
そんなことをしていいのか、と問うマイケルにジョーダンは「It's already done.」と答え、二人は去っていく。

**

単に犯人を捕まえるだけでなく、復讐を果たす。
アマンダ・サイフリッドの「ファインド・アウト」の結末に類似。
あれは妄想癖と思われていたアマンダ・サイフリッドが犯人を焼き殺して逃げかえり、
犯人のことを警察に聞かれて「犯人なんかいない、だって私の妄想でしょ。」と返す。

「ファインド・アウト」は地下の穴があったのは森の中。
同じ農場の中の地下室と言う点では、シアーシャ・ローナンの「ラブリー・ボーン」がある。
あれはシアーシャ・ローナンが殺されてしまい、マーク・ウォルバーグも復讐を果たせず、
スタンリー・トッツィーには逃げられてしまうが、最後は自業自得、事故死する。

被害者が直接復讐を果たすと言う点は最近のはやりか。

犯人が普段からの異常者ではなく普通に見え、仕事もちゃんとしてるし、
奥さんも可愛い子供もいて、と言うところが怖い。

半年前のテルブルトン事件の際、被害者は頭の皮をはがれてなかったのか。
もし、当時は髪を切った(剃った)だけだとすれば、その際よりもエスカレートしていたことになる。

姉の病気をどうしようもなかったことが幼い弟のトラウマとなり、医療関係へ進んだとすればよい展開だったが、
髪を失った姉へのレクイエムとしての皮剥ぎだとすればパラノイア。
ありえそうで怖い。

ただ、複数の失踪、あるいは殺人事件を起こしているのだから、それはそれとして捜査がされているはずで、
これによって一気に解決すべきであって、一つの事件の復讐劇で完結させてはいけない。

ハル・ベリーは劇中にもあったが思ったより小柄。
「007ダイ・アナザー・デイ」では結構タッバがあるように見えた。
「Xメン」シリーズでもそこそこ大きく見えたが、エレン・ペイジらもっと小さい子が出てたから。

アビゲイル・ブレスリンは1996年4月生まれ、今作の撮影時は16歳くらい。
「サイン」では5,6歳だったが、すごい子役がいる、と思ったものだ。

キーワードになる「It's already done.」直訳すれば「既にされています」「すでに完了です」だが、
「既にやっちゃった」「もう、やっちまった」って感じ。
字幕は「もう手遅れだ」となかなかうまい。

 

 

     

 REDリターンズ 

ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、イ・ビョンホン、メアリー・ルイーズ・パーカー、
アンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ

**

フランク(ブルース・ウィリス)はすっかりマイホーム親父となって、
サラ(メアリー・ルイーズ・パーカー)とのんびり買い物をしていると、
マービン(ジョン・マルコビッチ)がやってきて、狙われていると告げる。

フランクは相手にせず店を出るが、直後マービンの乗っていた車が爆破され哀れマービンは爆死。
葬儀でマービンの死が信じられないフランクは遺体にピンを刺したりするが反応なく、
次は自分たちが危ないと考えるフランクだった。

しかし、時すでに遅く、フランクはFBIに逮捕されてしまう。
ところが、FBIの尋問場所をCIAエージェントのジャック・ホートン(ニール・マクドノー)が襲撃、
フランクは隙を見て逃げるが、CIAの武装部隊に追われ危機一髪の時、
マービンが突入してきて難を逃れる。そう、やはりマービンは死んだふりだった。

マービンはサラも連れてきていて怒るフランクを余所に3人は車で逃走。
ところが車のトランクには軍の幹部が監禁されており、
その男によればフランクが「ナイトシェード」を利用するとのリーク情報があったと言うのだ。

CIAは軍やFBIを出し抜いてフランクを追うことにし、ハン(イ・ビョンホン)に殺害を依頼する。
その情報はイギリスにも漏れ、MI6はビクトリア(ヘレン・ミレン)にフランク殺害を依頼する。

フランク、マービン、サラの3人はリーク情報からフロッグ(蛙)と呼ばれる情報屋を探す。

フランスでフランクは元KGBで現在もロシアのエージェント、カーチャ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に再会、
ロシアもナイトシェードの情報を追っていた。

4人はフロッグ(デビッド・シューリス)の居場所を突き止めるが、
サラがドジを踏んでフランクらの存在がばれ逃げられる。

バイクで逃げるフロッグ、ポルシェで追うフランクとカーチャ、小型車で追うサラとマービン。

結局は捕まったフロッグだがなかなか口を割らない。
しかし、サラの泣き落としに参って貸金庫の鍵を渡す。

その夜、カーチャは情報があると言ってフランクを誘い出し、睡眠薬の入ったワインでだまし鍵を盗む。
しかし、そのカギはマービンが別のものとすり替えていた。
別の犯罪者の仲間だと思われて逮捕されたカーチャを余所に、貸金庫を調べたフランクらは
ナイトシェードの秘密を知る者が32年間MI6に監禁されている人物だと知る。

その人物はベイリー博士。
ナイトシェード計画の発明者でクレムリン爆破を試みたが失敗、殺害されたはずの人物だった。

一方フランクを追うハンは街中でガトリングガンをぶっ放し追い詰めるも逃げられ、
挙句自家用ジェットを乗り逃げされ怒り狂う始末。

イギリスで博士が監禁されている精神病棟へ向かうフランクらの前に武装したビクトリアが現れる。
敵か?と思いきや、ビクトリアはフランクらの死を偽装して病棟への侵入を手助け、
ベイリー博士(アンソニー・ホプキンス)を助け出す。

博士は長い監禁生活で精神に異常をきたし記憶もあいまいだが、一行はロシアに向かう。
博士は徐々に記憶を取り戻し、クレムリンへの秘密通路を思い出した。
しかし、通路の先はサーバー室。
室内に人が入らないようサラに見張りをさせ、さらに探索してついに「ナイトシェード」を見つける。
カーチャに見つかるが、フランクが説得して味方に引き入れる。

ロンドンではビクトリアが逮捕され、ナイトシェードが核爆弾であることを知らされる。
ビクトリアは監視を倒して脱出、逃亡する。

一方、ナイトシェードを手に入れたベイリー博士はCIAと合流、カーチャを撃って逃亡する。
フランクらはロシア警察に逮捕され、即刻銃殺されそうになるが、
ロシア密入国を手助けしたイワン(ブライアン・コックス)の手引きでやってきたビクトリアが攻撃、
フランクらは逃げおおせる。

CIAはベイリー博士を逮捕監禁、ナイトシェードを持って飛行機でアメリカに向かおうとする。
しかし、ベイリー博士は隠し持っていた毒ガスでCIAエージェントらを倒し、ロンドンに向かう。

博士はナイトシェードを持ってロンドンのイラン大使館に逃げ込む。

フランクはサラと芝居を打ってサラをイラン大使館に潜り込ませる。
亡命者に化けてイラン大使館にもぐりこんだマービンはトイレを爆破、水道屋に化けたフランクらが潜入、
しかし、ベイリー博士はナイトシェードを起動してサラを人質に逃げてしまう。

度々フランクらに出し抜かれているハンはビクトリアと一緒に大使館の追手を撃破しつつフランクを追う。

フランクはマービンはナイトシェードの解除を試みるが失敗。
むしろタイマーの進行を速めてしまう。

空港でハンのジェット機で逃げようとするベイリー博士。
阻止しようとするフランクに追いついたハンはフランクと格闘になるが結局は説得されて協力する。

フランクは解除できないままのナイトシェードを持ってジェット機に乗り込むが、
ベイリー博士に阻止され、サラと一緒にナイトシェードを持って機を降りる。

ベイリー博士の最終目的は自分を長期間監禁していたイギリスへの復讐だった。
やがてタイマーが0を指すと、フランクの持っていたナイトシェードは爆発せず、中身は空。
ベイリー博士の乗った機が海上で爆裂を起こして、ジ・エンドで一件落着となった。

**

MI6やCIAから暗殺を依頼されたり、個人的感情や正義より命令が優先すると言っている割には、
依頼や命令を簡単に裏切ってフランクに味方するなんてなんて良い人たちなんだろう。

ハンもビクトリアも最初から敵対は格好だけだったと思えば、
わざと死なないように攻撃していたと取れなくもない。

フランクやマービンが何をしたと思われて追われているのか、と言う肝心の部分が判然としなかった。
「ナイトシェード」に絡んでいることは分かるが、それをどうしようとしているのかが曖昧だった。

日本の宣伝では最初から「核爆弾」と言っちゃってるので、
核爆弾よりもっとすごいものがあるのかと思ってしまった。

あんな小さい核爆弾があるのかと思う方もおられるだろうが、今は本当にスーツケース核爆弾があるらしい。

映画にも何度も登場しているはずで、目新しいものではない。
「あんな核爆弾があれば、どこにでも持ち込める」と驚くのはいまさら感がある。

ウラン単体は銀白色の金属だが、反応性が高く、水や空気中の酸素と反応する。
安定な水溶液は黄色か緑色である。
赤紫色の溶液も作れるが、水と反応して水素を出し、緑色に変化する。

従って、パイプに詰められた液体がウランの溶液だとすれば緑色か黄色であるべきだった。

しかし、あの程度(片手で容易に持ち運べるほど)の重さの核爆弾であれば、
プルトニウム型原爆である可能性が高い。

プルトニウムの水溶液であれば、赤紫色であってもおかしくない。

ただ、プルトニウム原爆の構造としてはインブロージョン型と呼ぶ爆縮レンズを構成する必要がある。
すなわち、プルトニウムの周りを通常爆薬で囲み、周辺から点火し、火薬の爆圧でプルトニウムを圧縮、
一気に超臨界状態にするので、プルトニウムが裸で外から見えることはありえない。

従って、あの装置は素人目には核爆弾とはかけ離れたもの、例えば化学兵器などに見えた。
もしそうであれば、32年もの間、無造作に置かれていたことを考えると空恐ろしい。

そういったことは実は些細なことで、筋書きはむしろどうでもいいのかも。

 

 

    

 麦子さんと    

堀北真希、松田龍平、余貴美子、温水洋平、麻生祐未

麦子(堀北真希)は、白布に包まれた骨壺を持ってとある田舎町の駅に降り立つ。
駅員にどこかで見たことがあると言われながら、駅前でタクシーを拾い旅館に向かう。

タクシーの運転手、井本まなぶ(温水洋一)は麦子を見ると動転してわき見、
警官をはねるがそこは田舎町のテキトーさ、謝りながらも先へ進む。

場面は変わって何か月か前。
3年前に父が他界、兄、憲男(松田龍平)と二人暮らしの麦子。
今はアニメ/漫画専門店でバイトしながら声優学校に入るのが夢だ。

そんな二人の下を離婚した母、彩子(余貴美子)が訪ねてきた。
もう何年も音信不通だったのに、突然同居したいとの話を持ちかけてきた。

結局は反発する麦子を余所に憲男は同居を承諾する。
父が死んでから母が毎月憲男に仕送りをしてくれていたことを麦子は知らなかった。
憲男は経済的な面からも母の申し出を断れないと言う。
ただ、麦子は生活環境も年代も違う母とは何かとトラブルを起こしてしまう。

そうこうするうち、憲男は彼女と同棲すると言ってアパートを出てしまう。
麦子と母の二人暮らしもトラブル続きだが、徐々に麦子は母を受け入れ始める。

そんなある日、突然母は死んでしまう。末期がんだった。

淡々と葬儀をこなす兄妹。
母を毛嫌いして強がりを見せていた兄は骨上げの後、声を上げて泣き崩れていた。

49日が近付き、仕事を外せない兄に替わり、麦子は一人で母の故郷に納骨に行くことになった。

そして冒頭のタクシーの場面に戻る。
タクシーは予約していた八幡浜旅館に着く。
旅館の主人、春男(ガダルカナル・タカ)、夏枝(ふせえり)はまなぶと同じように驚く。
麦子が若いころの彩子に瓜二つだと言うのだ。

彩子の面影を麦子に見た同級生たちが集まり旅館は大宴会となる。

翌日、墓園を訪れた麦子は埋葬許可証を忘れたことに気づく。
アパートに置き忘れてないか、兄に探してもらう間、
麦子は墓園の管理人、古里ミチル(麻生祐未)の家に泊めてもらうこととなった。

村のほとんどの人が母の彩子を知っていた。
麦子はミチルやまなぶと観光したりして時間を過ごす。

埋葬許可証はアパートにもなく、再発行されるまで滞在が伸びることとなった。

麦子はその間、人々の「事情」にも入り込んでいく。
麦子はミチルがバツイチで子供を父方に預け会っていないことに、自分と母の姿を重ね、なじる。
しかし、それは母に会いたかったと言う気持ちの裏返しだった。

ミチルをなじった麦子は自責の念もあって旅館に戻る。
やがて、埋葬許可証が届き、麦子は墓園を訪れ、ミチルに謝罪、無事納骨は終わるが
麦子は本当の母への思いを吐露、ミチルにも子供に会うよう言って東京へ帰る。

「親の心、子知らず」と言うことわざがありますが、それを具現化した映画でした。
世代によって感じ方が違うと思う。

この親子ほどではなくても、自分と親との関係を映画の中に写し鏡としてみた場合に、
共感を持つのか、反発を持つのか、あるいは単に変わった(興味ある)話しとしてとらえるのか、
監督は自分の人生観、感覚を提示してはいるが、それがどう受け取られるのかはかなり微妙。
ちなみのうちのかみさんには大不評でした。

子供にとって親は選べない。
だとすれば子供を慈しみ育てるのは親の責務でもあり本能でもある。
いろいろ事情があるにせよ、親に捨てられた(と思った)子供の心の傷を癒すのは何なんだろう。

子供が本当の親の姿、親がすごしてきた子供時代や青春時代を知ることがその手助けになるのだろうか。

母に対する反発をもっているが、母の人となりを知り許す、あるいは愛おしく思うようになる。
それをどうやって表わすか。

納骨をチャッチャッと済ませてしまえば母を知る時間は取れない。

反発はあるが、母の過去を知る人たちとの接触の時間をどうやって長く取るか。
そのために「埋葬許可証を無くした」ことにし、再発行することで時間を稼ぎ出した。

別に納骨はいつでもできるので、一旦帰ってしまってもいいところだが、
とどまらざるを得ない必然性の設定には無理がない。

チラシの写真は堀北真希に見えない。
余貴美子との類似性を強調するために、わざと余貴美子似のものを使ったのかもしれないが、
あまり効果的とは思えない。

各人の年齢設定などに無理があるようには見えなかったが、堀北真希はかなり若く見えた。

「埋葬許可証」ってあったっけ、と気になった。
母の死で納骨時に持っていったのは「火葬許可証」だったはずだ、と思ったからだ。
調べたところ、「火葬許可証」に火葬したことが証印されたものが「埋葬許可証」となるそうだ。

死亡届(あるいは死体検案書)−>火葬許可証=>埋葬許可証となる。

(以下、うろ覚えなので正確ではありません)

仏教では死後あの世(極楽浄土)へ行くまでに7日ごとに審判を受ける。
生前の罪が重くても遺族によって法要が行われれば、赦しを乞うことができる。

そのために、7日毎に法要を行うがその最初のものが「初七日」の法要である。
審判は7回繰り返され、7回目、つまり七七日=四十九日(7日×7回=49日)で、
死者はやっと赦されてあの世に向かうことができる。

この49日間を中陰と言い、七七日=四十九日を満中陰と言う。

骨はこの後、墓に埋葬=納骨されるが、必ずしも七七日ピッタリに納骨する必要はないし、
最近では散骨や遺骨を(粉末にした後)加工して記念のものを作ることもあるようだ。

使者が死んですぐに天国なり極楽なり、場合によっては地獄なりに行かず、
現世と来世の狭間にいると言う考えは東洋独特のものではないようだ。

「ラブリー・ボーン」では死んだ娘(シアーシャ・ローナン)がこの狭間におり、
暫くの間、嘆き悲しむ父(マーク・ウォールバーグ)に会いに行ったりして悶々とする。

「ヒアアフター」ではマリー(セシル・ド・フランス)は臨死体験でこの狭間に落ちるし、
死んだ双子の兄も暫くこの狭間にいて弟とコンタクトした後、あの世に行ってしまう。

 

 

 

 

 悪の法則   

マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、キャメロン・ディアス、ブラッド・ピット

メキシコ国境に近い南部の町。
高速で突っ走るバイクが見える部屋で弁護士の男(以下、カウンセラー、マイケル・ファスベンダー)と
ローラ(ペネロペ・クルス)が乳繰り合っている。

カウンセラーは、悪い奴とつるんでいる。
悪い奴とは麻薬ビジネスのディーラーであるライナー(ハビエル・バルデム)とウェストリー(ブラッド・ピット)。
ライナーは美女マルキナ(キャネロン・ディアス)をはべらせ、豪邸に贅沢三昧。
ウェストリーはどちらかと言うと目立たない生活ぶり。

カウンセラーは3.9カラットものアッシャーカットダイヤを買い込み、ローラに求婚する。
ローラの婚約指輪を見たマルキナはサイズやグレードを言い当てるが、価格はローラが聞きたがらなかった。

二人の度重なる忠告にもかかわらず、カウンセラーは悪事に一枚かむことを決める。
特にウェストリーは組織の容赦ない殺戮方法を言って聞かせ、覚悟が必要だと伝える。

その悪事とは、3本のドラム缶一杯に詰め込んだ麻薬をバキュームカーに隠し、
汚物処理に見せかけてメキシコからアメリカ国内に運び、シカゴで捌くと言うものだった。

ライナーはカウンセラーにも金を出させてクラブを開店するつもりだった。
ウェストリーは稼いだ金を投資に回していると言うことだった。

メキシコで処理されたバキュームカーは難なく国境を越え、アメリカ国内に運び込まれる。

カウンセラーは国選弁護人としてかかわった一人の女性服役囚から呼び出しを食らう。
面会に行くと、彼女は息子が時速206マイルのスピード違反で捕まったと言い、助けてくれるようカウンセラーに頼む。

罰金は400ドル、息子が持っていた1万2千ドルは警察に没収されたらしい。
カウンセラーはしぶしぶ罰金の肩代わりを約束する。

その息子はみどりのライダースーツで相変わらずメキシコ国境付近を猛スピードで飛ばしていた。
途中のドライブインで別の男から何かを受け取り、ヘルメットに隠して猛スピードで立ち去るが、
その一部始終は謎の男女に遠くから見られていた。

バキュームカーはアメリカ南部の処理場に止められ、運転手はボンネットを開けて何やら部品を取り出し、
金を受け取って去って行った。どうやらその部品はエンジンをコントロールするものらしい。

謎の男が、ヤマハのバイクの販売店に立ち寄ってバイクのサイズを計る。
男は道路にワイヤを仕掛け、スピードバイクの男が通るのを待っていた。
そして、夜になって猛スピードバイクの男はワイヤに首を落とされる。

ヘルメットから首を外し隠していたパーツを取った謎の男は、例のバキュームカーの保管されている場所へ行き、
そのパーツをエンジンルーム内に取り付け、バキュームカーを盗んでいく。

カウンセラーはウェストリーからまずいことになったとの連絡を受ける。
行ってみると、バイク男の首なし死体の記事が載った新聞を見せられる。

死んだ男は運び屋でグリーン・ホーネットと呼ばれていたこと。
カウンセラーが罰金を肩代わりして釈放させた男であること。
バキュームカー、つまり2千万ドルもの誰かに麻薬が盗まれたこと。
それはグリーン・ホーネットを釈放させたカウンセラーの仕業と思われること。
そして組織は容赦ないということ。

巻き込まれたくないとウェストリーは言い、高跳びすることを告げて去る。

カウンセラーはライナーに相談するが、ライナーはつれない返事だった。
カウンセラーは身を隠し、ローラにも注意するように言う。

その頃、盗まれたバキュームカーは警官に化けた男に襲われ、銃撃戦の後、偽警官に奪われる。
偽警官は偽パトカーと死体をその場に残し、バキュームカーの傷跡を修理させ、再びどこかに持っていく。

実は最初にバキュームカーを盗んだのはマルキナの配下だった。
マルキナは誰かにブツはあきらめていないと電話するも、
ライナーにはそれを隠し、冷酷に「あんたはまずいことになっている」と告げる。

ライナーはあきらめつつも逃げる算段をする。
しかし、組織はライナーを追い詰め、確保しようとして撃ち殺してしまう。

ウェストリーは、動きの遅いカウンセラーに忠告しつつも、自分はロンドンに逃げていた。

周りに注意しながら行動していたが、一瞬のすきを突かれ、マルキナの手配した殺し屋に殺され、
金の在処を記したパソコンを盗まれてしまう。

カウンセラーはローラと落ち合う約束をして逃げるが、ローラは逃亡先で組織に捕まり殺されてしまう。
カウンセラーはメキシコに逃げメキシコの弁護士に助けを求め、組織の親玉に連絡するが、
覚悟するよう諭され、ローラ殺しのビデオを送りつけられる。

マルキナは、また別の謎の男と会い、香港に逃げる計画をしていると話しているところで物語は終わる。

**

悪い奴ばっかりの中で、最も悪い奴はキャメロン・ディアスだったと言う落ちだが、
下手に悪い奴の世界に飛び込むととんでもない目に遭うよ、と言う教訓か。

「悪の法則」と言う邦題は意味不明。
原題は「ザ・カウンセラー」カウンセラーはCounselorが正しいと思うのだが、
クレジットは「The Counsellor」となっている。(Web辞書には両方あり)

悪い奴ばっかでペネロペ・クルスが一番割り食った形だが、マイケル・ファスベンダーも小悪人で
「アウトレイジ」ほど、全員悪人って感じはない。
ただ「凶悪」よりさらに救いのない映画に思えた。

なにより判らないのは、悪事の構図が全く見えないことだ。
メキシコから大量の麻薬をアメリカに密輸する話は分かるが、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピットが
そこにどう絡んでいるのか、マイケル・ファスベンダーはこの件で何をしたのか、あるいはしようとしていたのか。

判りやすい構図としては、2人は麻薬ディーラーであり、密輸後の麻薬販売に手を染めていた。
マイケル・ファスベンダーはディーラーとして弁護士の経歴を生かした販売ルートを開拓すべく麻薬に手をだした。

そしてディーラーとして絡むつもりが密輸組織の裏をかいて麻薬をかすめ取ったと思われてしまった、ということで、
そういう男を麻薬密売の中に組み込んだ2人も同罪だとみなされたこと。

とすれば、3人がディーラーとしての具体的な行動を起こす前に強奪事件が起こったとの理解ができるが、
組織がどうやって密輸しているか3人にばらすはずもなく、
単にグリーン・ホーネットを助けただけで組織の密輸の構造を分析し、
バキュームカーを強奪するに至ったと考えるのは無理がある。

原題や途中で絡んできた元依頼人の意味合いから考えて、犯罪の構図が映画のテーマではなく、
善と悪の狭間の言わばタイトロープ上、あるいは切り立った稜線上にいる弁護士が、
一歩足を踏み外すと一気に転落、あるいはどこまでも滑落するしかない、ということなのか。

結局、麻薬は組織の元に戻ったのではないのか。
麻薬を取り出した男(ジョン・レグイサモ)と受け取りに来た男は組織側ではないのか。
組織は麻薬が戻ったから許すほど甘いものではないんでしょうけど。
クライムサスペンスとは言い難い、なんかよくわからない映画でした。

 

 

 

 マラヴィータ  

ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ、

冒頭は南フランス。
一家4人が食事しているところに訪問者。
旦那が出ると突然の爆破。
入ってきた男は、妻、娘、息子を次々と射殺、旦那の指を切り取って去る。

ジョバンニ・マンツォーニ(ロバート・デ・ニーロ)の一家4人とシェパードのマラヴィータは、
ノルマンディの小さい町に越してきた。今回の名前はブレイクとして。

ジョバンニの今回の名前はフレッド。
夜中に庭に穴を掘って車に積んでいた死体を埋める。

実は、フレッドはニューヨーク・マフィアで、仲間を裏切って証言しボスを監獄送りにした見返りに
証人保護プログラムによってスタンスフィールド捜査官(トミー・リー・ジョーンズ)の指揮の元、
2人の捜査官に監視保護されている毎日だった。

今回は南フランスで問題を起こし、ノルマンディに引っ越してきたのだった。

翌日、娘のベル(ディアナ・アグロン)と息子のウォーレン(ジョン・ディレオ)は学校に。
妻のマギー(ミシェル・ファイファー)は近くのスーパーへ買い物に。

マギーはスーパーでピーナッツバターを買おうとするもなく、
居合わせたフランス人と店員にフランス語で判らないと思ってさんざん悪口を言われる。
むかついたマギーは、燃料系の商品を撒いて店を爆発させてしまう。

ウォーレンは、学校内の生徒の行状を調べていたが、悪い上級生にタコ殴りにされる。

ベルは学校からの帰り、道に迷い同窓生の車に乗せてもらうが、無理やりのナンパに激怒、
一人をボコボコにして、車を奪って帰る。

冒頭の切り取られた指は偽装して監獄に持ち込まれたが、マフィアのボスにジョバンニではないと分かり、
部下に引き続きジョバンニを探すよう指示する。

ウォーレンは翌日、悪い上級生連中の弱みを調べ、他の生徒を手懐け、ついには仕返しをする。
ベルは数学の臨時講師(教員試験勉強中)に猛烈アタックしてものにする。

4人が食事を摂っているとスタンスフィールド捜査官がやってきてフレッドにいろいろ注文を付ける。
スタンスフィールドはプロバンスで魚屋がいなくなったのを知らないかと聞くが、
フレッドは腐ったカニを売りつけたやつなら知らないと返す。(序盤で埋めた死体の主)
フレッドはまた近所の手前、作家だと言ってしまっていたので、スタンスフィールドは辻褄合わせも指示する。

家では水道水が茶色く濁っているが、電話した配管工はなかなか来ず、やっと来ても全配管をとっかえろと言うので、
切れたフレッドは、配管工をボコボコに殴り病院へ連れて行く。

隣の家で監視する捜査官の元へ行っていたマギーは、フレッドが配管工を殺したと思って焦るが、
フレッドは実際には重傷を負わせただけだと言い、水道水は何とかすると言いだす。

フレッドは裏切りの報酬としてマフィア仲間から命を狙われる悪夢にさいなまれ、
自白にも似た自伝を書きはじめる。

一家はホームパーティを開き近隣の住民を招待するが、ベルの招待した数学講師は来なかった。

フレッドは監視する捜査官の目を盗んで、市長、浄水場の責任者らと会い、
ついには化学肥料会社が問題だと判明し、社長に面会するも軽くあしらわれて激怒。
社長を車で引きずり回して事故に見せかけ、汚染の原因をゲロさせる。

ベルは講師からの電話を待っていたが、掛かってきた電話はフレッドが作家と知ったご近所からで、
映画上映会にぜひ出席し討論会に参加してほしいと言うことだった。

フレッドは出席を約束してしまい、反対するスタンスフィールド捜査官の同行を要請する。

一方、学校で学校新聞に載せる英語のダジャレを考えるよう言われたウォーレンは、
つい幼少のころに聞いてたマフィアのボスの口癖を書いてしまう。
この学校新聞が回りまわって収監されているボスの元に届いて、一家の所在がばれる。

上映会当日、化学肥料会社のタンクに時限爆弾を仕掛けたフレッドはスタンスフィールドと上映会に向かう。
ところが、予定していた映画が届かず届いたのは、なんとマーチン・スコセッシの「グッドフェローズ」。
帰ろうとするスタンスフィールドを制し、フレッドは映画を見続ける。

一方、学校での悪事が先生連にばれたウォーレンは、FBIにばれることを恐れて家出を決意。
荷造りをして駅に向かう。

ウォーレンが駅で列車を待っていると、降りてきたのはニューヨークのマフィア連中。
焦るウォーレンは家に電話するが誰もいない。
やっとマギーが帰ってきたが電話に出る前に切れてしまった。

数学講師に振られたベルはこの世を儚み、講師に電話しつつビルの屋上から飛び降りようとする。
ところがマフィア連中が現れたのを見てビルから降りて家に向かう。
マフィア連中は警察と消防署を襲い、全署員を射殺してフレッドの家に向かう。

上映会での映画終了後、フレッドは意見を求められ、ついギャングの実態みたいなことを延々としゃべりだす。
フレッドのトークは大うけで拍手喝采となり、いずれマフィアにばれると思ったスタンスフィールドは
一家を逃がすよう捜査官に指示する。
ちょうどお開きとなった12時、フレッドが仕掛けた爆弾が爆破、タンクが爆裂。

マギーは荷物を用意するため、家に帰ろうとして街中をうろつくマフィアに気づき、捜査官の家に戻ってくる。
捜査官からの連絡を受けたスタンスフィールドは警察に向かい、射殺された署員を発見する。

マギーは丁度家に戻ったフレッドに電話するも出ず、マフィアはロケット弾を家に打ち込んで爆破。
マフィアは騒ぎを聞きつけた近所の人間も射殺するが、ウォーレンとベルがマフィアの車から取った銃で応戦。

フレッドはマラヴィータが吠えたのを機に裏から逃げて助かっていた。

捜査官はマギーを連れて脱出しようとするが待ち構えていたマフィアに射殺され、マギーも絶体絶命。
そこへフレッドが襲いかかり最後はマギーも加勢して倒す。

ベルは弾を撃ちつくし、最後のマフィアに追われるが、現場に急行したスタンスフィールドがマフィアを撥ね殺してしまう。

こうして一家はマフィアを撃退、全員結束を強めつつも、またどこか新しい土地への転居を余儀なくされたのだった。

マラヴィータが犬の名前とは知らなかった。
原作小説のタイトルから取ったのかと思っていたが、訳本のタイトルは「隣のマフィア」

他の国も「マラヴィータ」が多いし、米国版のワーキングタイトルも「マラヴィータ」だったので、
米国版が後から変わったようだ。

既に腐りつつある死体を庭に埋めても、夜間に人力で埋められる程度の深さでは
すぐに悪臭が立ちはじめて近隣にばれてしまうとか、設定には若干無理があるが、
そこはそれ、親父の異常さ加減の表現なのでいいとして、
リュック・ベッソンには珍しく、カーチェイスもカースタントもなかった。

姉のベル役のディアナ・アグロンはグリー(Glee)のクィン・ファブレイ。

ミシェル・ファイファーはマイケル・キートン版バットマンのキャット・ウーマンが印象深いが、
最近では「ダーク・シャドウ」の館の主人エリザベスだった。

「グッドフェローズ」は本作のプロデューサーでもあるマーチン・スコセッシの1990年の作品で、
実際のギャングの実話を映画化したもので、レイ・リオッタの出世作。
ロバート・デ・ニーロが準主役で出ている。

マフィアの口癖でもあるダジャレは「It's good enough for me, Godonov to see.」だったと思う。
良くあるフレーズの変形のようでもあるが、良くわからない。

なお、good enough の発音は、グッド・イナッフというより、グドナフに近い。

 

 

   

 清須会議  

役所広司、大泉洋、佐藤浩市、小日向文世、中谷美紀、鈴木京香、浅野忠信、でんでん。

物語は本能寺の変から始まる。
大勢が出てくる上に人物が入り組んでいるので、まず整理しておこう。

織田信長(篠井英助)、妹:お市(鈴木京香)、弟:織田信包(のぶかね:伊勢谷友介)
織田信長の息子たちは長男:信忠(中村勘九郎)、二男:信雄(のぶかつ:妻夫木聡)、三男:信孝(坂東巳之助)

信長の重臣、五宿老。
柴田勝家(役所広司)、丹羽長秀(小日向文世)、滝川一益(かずます:阿南健治)、羽柴秀吉(大泉洋)、明智光秀(浅野和之)

本能寺の変によって、織田信長と長男信忠が死去。
織田家の跡継ぎを巡って、三男信孝を担ぐ柴田勝家、丹羽長政と、二男信雄を担ぐ羽柴秀吉が清須会議で対決する。

信長の妹お市は浅井長政に嫁いでいたが、織田家と浅井家が対立、信長の命により秀吉によって、
夫長政と長男の万福丸が殺されたため、秀吉を憎んでいる。

信長の弟信包は表向き跡目相続にはあまり興味を示していない。

長男信忠は聡明で人望もあったが、本能寺の変の際、本能寺へ向かおうとするものの二条城で自害。
妻で武田信玄の娘松姫(剛力彩芽)と長男の三法師(後の秀信)を前田玄以(でんでん)に託し、清洲へ逃がす。

二男信雄は嫡子、能天気でうつけ者と呼ばれている。人望も実力もない。
三男信孝は側室の子で信雄より数日先に生まれたものの信長により三男とされた。聡明だが気弱。

さて、信長を討った光秀だが、備中高松より転進した羽柴秀吉に討たれる。(山崎の戦)
秀吉の台頭を危惧した丹羽長秀は盟友で宿老筆頭の柴田勝家とともに織田家跡目相続に信孝を担ぐ算段をし、
清須城で会議を開く段取りをする。

柴田勝家は戦には長けているものの、やや能天気な性格で策略、策謀には疎いため、丹羽長秀の指示に沿って動く。
しかし、お市様の魅力に取りつかれ、時々思慮を欠いた動きをして長秀を呆れさせる。

柴田勝家と丹羽長秀は、信孝に跡目を継ぐよう説得し、承諾させる。

羽柴秀吉は信孝が柴田勝家側となったため、黒田官兵衛(寺島進)とも相談二男の信雄を担ぐことにした。
慎重な信孝に対し、信雄は秀吉の進言を軽く引き受ける。

お市の方は勝家を田舎者と蔑んでいるが「秀吉憎し」の一念で勝家を篭絡する。
勝家はお市の方が自分に脈があると勘違いし甘言に乗る。

秀吉もお市の方に横恋慕していたが、お市は秀吉を憎んでいたので秀吉のなすことにはすべて反対する。

清須城では、勝家は信孝と、秀吉は信雄とそれぞれ行動を共にし、自軍優勢をアピールする。

秀吉は家臣の人心を掌握するため、実家から妻の寧(ねい:中谷美紀)を呼び寄せ、宴席を設けて下級武士をもてなす。

時間がかかると不利になると見た丹羽長秀は、跡目相続決定を急ぐため、織田家家臣全体の会議ではなく、
五宿老と信雄、信孝による合議で決めようと提案する。
その頃北条氏と戦っていて清須についていない滝川一益を待つかどうかで秀吉と勝家がもめるが、
信包が会議を急がせたため、代わりの宿老を選ぶことになる。

秀吉は勝家とも親しいながら損得勘定で動く池田恒興(つねおき:佐藤浩市)を宿老に推挙、
領地を餌に自軍に引き入れようとする。
一方の勝家も池田恒興を味方にしようとして懐柔、恒興は大いに悩む。

もう一人勝家と秀吉のはざまで悩むものがいた。
それは勝家の家臣で秀吉の幼馴染み、前田利家(浅野忠信)。

会議を前に自軍有利をアピールするため、旗取り合戦が行われることになった。
(恒興、秀吉、信雄)対(利家、勝家、信孝)は2対1で信孝側の勝利となった。

寧は清須城で松姫と再会を喜び、三法師を連れて3人で河原へ散策に出ることにした。

勝利して意気揚々と帰る信孝軍。
敗北しても空気の読めない信雄を見限りたい秀吉は、河原で寧を見かけ、松姫とも再会。
自分に懐く三法師を担ぎ上げてあるアイデアを思いつく。

その頃、滝川一益は更科六兵衛(西田敏行)の急襲を交わし清須へ急いでいた。
果たして間に合うのか。

翌日の会議を前に秀吉は丹羽長秀に三法師を推すよう持ちかける。
領地配分では長秀に有利なように計らうとの話に長秀は悩む。

翌日、いよいよ会議の日。
四宿老(勝家、長秀、秀吉、恒興)に信雄、信孝が一堂に会し、前田玄以を書記として会議が始まる。
冒頭、秀吉は信雄と信孝がいては互いにやりづらいとして両者を外すよう提案しそのようになる。

勝家は当然のごとく信孝を推し、恒興に同意を求める。

秀吉は突然、信雄ではなく三法師を推すと言いだし、会議は天下人を選ぶのではなく織田家の跡目相続。

既に織田家の家督は信長から信忠に移っており、その家督は信忠の嫡男に移るべきであると主張する。
恒興はその案に乗るが、長秀はなかなか意見を言わない。

痺れを切らした秀吉が退席。
勝家は自分と長秀、それに滝川一益で3票。3対2で信孝に決まりと宣言するが、
長秀が三法師を推すと言いだし、会議は3対1で跡目は三法師と決まる。

ただ、三法師はあまりにも幼少であり信孝を後見人とすることを長秀が提案し、
恒興が賛成して秀吉も渋々納得、勝家も賛同する。

滝川一益はようやく清須城に到着するが時すでに遅し、会議は決着していた。

長秀の報告に信雄と信孝は激怒するもどうしようもなく、信孝は後見を引き受ける。
一方、お市は勝家に秀吉を殺すよう指示し、勝家は一益の手の忍者を呼び寄せ秀吉を謀殺しようとする。

忍者の動きを察した前田利家は秀吉に進言。
第一波攻撃を黒田官兵衛の活躍で回避した秀吉は、勝家に庇護を求めると言う手に出て勝家を懐柔する。

翌日一同の前に三法師を連れ出そうとするが、駄々をこねる三法師は信孝の手におえない。
あらかじめ、堀秀政(松山ケンイチ)に小さい子の扱いを聞いていた秀吉は、三法師をあっさりなだめ、
三法師を担いで登場、実質的後見人の立場を一同に示すこととなった。

お市は秀吉を呼びつけ、勝家と結婚すると告げる。
清須会議で敗れ、暗殺にも失敗した今、秀吉に対する嫌がらせは好きでも無いが
秀吉が最も嫌う勝家との結婚しかないと伝える。

信包は秀吉こそ天下を狙い織田家を滅ぼす張本人だと決めつけるが、
それを阻止するでもなく放置する。

利家も秀吉の天下人狙いを聞いて激怒はするが、他に天下平定の適任者はいないと感じ、放置する。

松姫は寧の誘いに川は嫌いだと応え、前回河原へ行ったのは、三法師を跡継ぎにする策略のためで、
それは織田家のためではなく武田の血を絶やさないためだと寧に告げる。

秀吉は国に帰る勝家を煽てて見送り、天下統一への思いを強める。

**

各シーンの動きが若干たるい気もしたが、邦画としてはテンポ良く面白かった。
セリフ回しや動作など多少大げさな部分もあって、やや舞台的な感じがした。

所作や難波走りなどの動きや衣装髪形なども細かく考証してあるらしい。
現代の動きと異なる立ったり座ったりの所作はさぞ大変だろうと思える。

登場人物が多く、一人の人物がいくつもの呼び方で呼ばれるのでややこしい。

中谷美紀は見違えた。いつもの線の細い硬いイメージが柔らかく穏やかに見えた。
眉だけであんなにも違って見えるものか。

三谷幸喜によれば、織田家の一族は皆鼻が高い設定で、メイクで付け鼻をしていたらしいが、
伊勢谷友介だけはつけなくてよかったそうだ。

同様に大泉洋の耳はつけ耳である。

明智光秀の浅野和之は「ステキな金縛り」ではしかばね荘の親父。
ついでに言うと大泉洋は「ステキな金縛り」ではエンドロールで「勝訴(の紙)を持つ男」として出演。

戦で会議に遅れる滝川一益が北条家家臣、更科六兵衛が対峙するシーンが出てくる。

劇中では、滝川一益は小田原での戦いに手間取り、清須会議に遅れることになっているが、
実際には一益は上野国(かみつけのくに:今の群馬県辺り)にいて、
本能寺の変に便乗した小田原の北条氏の攻撃を受けて戦っており、諸々あって敗走、
何とか清須までたどり着いたと言うところが真相のようだ。

勿論、織田家重臣が劇中のように一人で奔走するはずはなく、家臣を伴っての移動であった。

尚、更科六兵衛(モデルは笠原新六郎政晴、笠原政尭=まさたか)は
その8年後の秀吉の小田原攻めで豊臣側(堀秀政)に内通したとして処刑され、
これが冤罪であったとして亡霊となった更科六兵衛が化けて出るのが「ステキな金縛り」である。

また、その際北条家の家臣、成田氏長の居城、忍城を石田三成が攻めたが、
氏長の従兄弟で城代家老の長親が反発して、北条家陥落まで城を守りぬく物語が「のぼうの城」である。

映画では三法師、後の秀信の母は武田信玄の娘、松姫となっていて
それが重要なキーでもあるが、実際には諸説あるらしい。

原作の「清須会議」作者は監督自身。

 

 

   

 セブン・サイコパス  

コリン・ファレル、サム・ロックウェル、クリストファー・ウォーケン、ウディ・ハレルソン

冒頭は、トミー(マイケル・ストールバーグ)とラリー(マイケル・ピット)が
ある女を殺そうと橋の上で待ち構えているシーン。

無駄話をしながら女を待っている二人に、背後から近づいた覆面の男がいきなり発砲して射殺、
ダイヤのジャックのカードをその場において去る。

マーティ(コリン・ファレル)は映画の脚本家。
最新作「セブン・サイコパス」は締め切りを過ぎていると言うのに手つかずで焦っている。
妻のカイヤ(アービー・コーニッシュ)ともぎくしゃくしている。

マーティの友人のビリー(サム・ロックウェル)は犬の誘拐で生計を立てているクズ男。
飼い主の目を盗んで犬を誘拐、ハンス(クリストファー・ウォーケン)の家に預ける。

やがて飼い主が賞金付きで犬を探し始めるとハンスが偶然を装って飼い主の家に行き金をせしめる。

ハンスには療養中の妻、マイラ(リンダ・ブライト・クレイ)がいた。
見舞いに行ったハンスは犬の誘拐で得た金をマイラに渡すが、マイラは犯罪をたしなめる。

マーティはネタがなく悩み、酒浸りの毎日。
酔って、カイヤに暴言を吐き、家を追い出されてビリーのアパートに転がり込む。
ビリーはマーティの脚本の手助けしようとテキトーなネタをマーティに語る。

例えば・・・
ある時、娘を殺された男がいた。
犯人はその後、良心の呵責に耐えかねて自首し服役する。
監獄でも真面目に過ごした犯人は出所したが、被害者の父である男は犯人を許さなかった。
犯人に常に付きまとい、精神的に追い詰めていた。
そして、犯人はついに地獄までは追ってこれないだろうと、付きまとう男が見ている前でのどをかき切った。
しかし、薄れゆく意識の中で犯人が見たのは、男がナイフを取り出し、自分の喉をかき切るシーンだった、なんてことを。

また、新聞に載っていたマフィア殺しから、現場にダイヤのジャックを置き、
イタリアン・マフィアの中堅幹部だけを狙う連続射殺犯のネタとか。

その頃、黒人家政婦(ガボレー・シデベ)は、やくざのボス、チャーリー(ウディ・ハレルソン)の
愛犬のシーズー、ボニーを見失ったことから叱責されるが、部下が犬泥棒の可能性を言い、犯人を捜すことに。

案の定、ボニーはビリーにさらわれていたが、あまりに可愛いので、ハンスには預けず自分で飼っていた。

ビリーはマーティに内緒で雑誌に「サイコパス募集」記事を出してしまう。
応募してきた男(トム・ウェイツ)はウサギを連れた変人でだったが、その遍歴は壮絶で、
ある事件で助けた女性とともに「連続殺人犯殺し=シリアルキラー・キラー」をし続けていたが、
ある時、ウサギを助けたことがもとで女性と分かれ分かれになり、探していると言うのだ。
マーティは映画のエンドクレジットに男の連絡先を載せる約束で、話を採用する。

やがて、チャーリーの部下はハンスに気づき、彼のアジトを襲う。
マーティとハンスの危機、そこにジャック・オ・キラーが現れ、チャーリーの部下を殺して去る。

チャーリーはハンスの妻が入院していることを突き止め、病院に向かう。
マイラはチャーリーをごまかすがばれ、射殺されてしまう。

その頃ビリーはチャーリーの情婦、アンジェラ(オルガ・キュリレンコ)と一緒にいた。
会話するうちにボニーを盗んだことがばれ、アンジェラがチクルと言いだしたため、
ビリーはアンジェラを撃ち、ダイヤのジャックを残して去る。

ビリーは急いで戻り、マーティ、ハンスとボニーを連れ一足早く逃げる。
チャーリーはビリーの家でダイヤのジャックの無いトランプを見つけ、ビリーの正体を知る。

逃げる途中、マーティはハンスに対し、ビリーから聞いた犯人を追いつめた男の話をする。
ビリーは止めるがマーティは結末まで喋る。
その時、ハンスが見せたのは首に着いた一筋の切り傷跡だった。
そしてこう語る、ビリーの話には事実と違うところがいくつかある。
一つは、殺されたのは黒人の娘だったこと、
そして男一人で犯人を追い詰めたのではなく、妻と二人だったことだ。

3人と1匹は砂漠に野営。ビリーはマーティの脚本を手助けするためとして好き勝手言い始める。
派手な撃ち合いや殺し合い、ジャック・オ・キラーの登場などデタラメを言い、
話しの展開の中で、ビリー自身がジャック・オ・キラーだとばれるがマーティのためだと言って呆れさせる。

ハンスも幻覚サボテンのせいで死んだ妻の声が聞こえたと思い込むが、ビリーの声色だったと知り怒り狂う。

ビリーは車を燃やしそれを目印にチャーリーを呼び寄せ、最後の対決をすると言う。

あきれ果てたハンスはビリーを残して去る。

やがてチャーリーがやってくる、ビリーの言うとおり一人で丸腰で。
ビリーは信じず、銃をチェックすると言ってチャーリーを後ろから撃つ。

マーティはチャーリーを助けるため、一人でチャーリーを車で運ぼうとする。

その頃ハンスは歩いてふもとまで行き、チャーリーの部下に遭遇、やり取りの末、射殺される。

チャーリーの部下はチャーリーと遭遇し、引き返してビリーと対決する。
やり取りの末、マーティは逃げ、ビリーは撃たれ、チャーリーと部下は警察に逮捕される。

ボニーは結局マーティが飼うことになった。
マーティはハンスの残したベトナム人僧侶のアイデアも参考に遂に原稿を書き上げる。

おしまい。

と、思ったら、例の兎を連れた男がマーティに電話してきて、映画のエンドロールに連絡先がないと怒るが、
マーティの気迫の無い返事に人違いだったと電話を切る。

大勢が死に、脚本は書き上げたものの結局マーティも幸せになれないと言う結末。

じゃ、重い話かと言うと、サイコスリラー的展開、グロいシーンの中に笑えるシーン満載。
コリン・ファレルのおどおどした目、サム・ロックウェルのぶっ飛んだ表情に加え、
クリストファー・ウォーケンの一風変わった人格もシリアスなのに笑えてしまう。

ウディ・ハレルソンもおかしい(可笑しい、変の両方)

冒頭殺される男の一人、マイケル・スタールバーグは「リンカーン」では説得される議員の一人、
ジョージ・イェーマンを演じたが、全米の公開はこの映画の方が先。

一つだけ気になる点。
ハリウッド映画の大体の演出がそうだが、頭を撃たれたらもっと激しく出血するはずと思うがどうか。

頭はちょっとした傷でも激しく出血すると聞くし、頭蓋内は血液の中に脳が浮いているような状態とも聞く。
とすれば、傷口からたらーっと流れるって程度ではなく、どばーッと吹き出すように流れ出るのではないか。

ベトナム人僧侶の話は何の意味があるのか、よくわからなかった。
ああいう結末なら、あの人はサイコパスじゃないよね。
それに他のサイコパスと違い、映画内に実在する話でもない気がした。

 

 

   

 2GUNS  

デンゼル・ワシントン、マーク・ウォルバーグ、ポーラ・パットン、ジェームズ・マーズデン。

とある田舎町の銀行前のカフェ。
1台の車に乗って2人の男(デンゼル・ワシントンとマーク・ウォルバーグ)がやってくる。
一人(デンゼル・ワシントン)は銀行へ行き、貸金庫を借りながら辺りを伺う。
やがて、カフェに戻り、もう一人と散々揉めた後、トイレに行ってライターで火災報知機を鳴らす。
店員も客も店外に避難、男(マーク・ウォルバーグ)は、厨房にライターを投げ込んで爆発させる。

一週間前。
ロバート・トレンチ、通称ボビー(デンセル・ワシントン)と
マイケル・スティグマン、通称スティッグ(マーク・ウォルバーグ)は、
メキシカン・マフィアのパピ・グレコ(エドワルド・ハメス・オルモス)の資金を強奪する計画を立てていた。

ボビーはパピに偽造したパスポートと引き換えに麻薬を貰う約束をしていたが、
パピが渡したのは麻薬ではなく現金。
ボビーは麻薬は貸しだとしてその場を去り、スティッグとともにアメリカに戻るが、国境で逮捕されてしまう。

ボビーは実はDEA(麻薬取締局)の秘密捜査官。
麻薬組織のパピの資金、300万ドルを強奪することで組織をつぶす狙いで、
DEAの捜査官でボビーの元カノのデブ(ポーラ・パットン)やジェサップ(ロバート・ジョン・バーク)と密談を交わす。

一方、スティッグは海軍の武官で、上官の指令によって麻薬組織壊滅に動いていた。
そして、二人ともこの時点ではお互いの正体を知らない。

シーンは冒頭に戻り、カフェに火をつけたボビーとスティッグは火事で混乱する中、
フランケンシュタインとピエロのマスクをつけて銀行に強盗に入る。

そしてまんまと金庫室に入って貸金庫の中身を取り出すが、
入っていたのは目論見の300万ドルではなく、どの箱にも金がぎっしり。

二人は4千万ドルを超える現金を車に積んで逃げるが揉め、スティッグはボビーの肩を撃って金を持ち逃げする。

スティッグは上官のクインス(ジェームズ・マーズデン)に事の顛末を報告するが、
クインスは金を受け取るだけで詳しい説明はしない。
しかし、スティッグはクインスが金を自分のものにしようとして、
スティッグを始末しようとしていることに気づき逃げてしまう。

一方のボビーは、何とか砂漠地帯から脱し、獣医に弾を抜いてもらい逃亡する。

その頃、奪われた4千万ドルを追っている男たちがいた。
各方面に手を伸ばし、ボビーとスティッグに迫る。

男はアール(ビル・パクストン)、後に判明するがCIAのエージェントで
金はCIAへのマフィアからの上納金だった。

アールはDEAの上官ジェサップを襲い、ボビーの目の前で射殺し、ボビーに金を持ってくるよう迫る。

ボビーはスティッグと合流し、お互いの正体を知る。
パピは、ボビーの元カノのデブを拉致、ボビーに金を持ってくるよう迫る。
ここまでのいきさつから、デブがボビーへの腹いせに、クインズと結託して、
パピの金を奪うよう工作したことが分かる。
ただ、デブはCIAのことまでは知らなかった。

スティッグは海軍の上官にクインスの陰謀を暴露、ボビーはクインズ脅して彼の事務所から金を奪い返す作戦。
しかし、スティッグの訴えは無視され、クインズの金庫には金はなかった。

ボビーの工作も虚しく、デブは射殺されてしまう。
ボビーは激しく落胆するが、デブの指輪を使ったダイイングメッセージから金の在処を突き止め、
車に積んでパピのアジトへ向かう。

そして、CIAも絡んでくる中、車を爆破、舞い散る札束の中で、関係者を皆殺しにしてしまう。

事件は一件落着となったが、ボビーは仕返しにスティッグの脚を撃ち、これでおあいことなって大団円。

**

テンポよく、みんな悪い奴ではあるが、適度に悪党で適度にお間抜けであるところも見ていてお気楽。
有名どころが適度に絡んで、みんなが適度に裏を知っていたり知っていなかったりの設定もまずまず。

マーク・ウォルバーグもデンゼル・ワシントンも適度に堅物で、適度におまぬけ、多分にお気楽な設定。
駆け引きも面白かった。

ポーラ・パットンのお色気シーンもある。

短銃であんな至近距離から撃たれたら、いくら命に別状ないとしてもおあいこってわけにはいかんでしょ。
ハリウッド映画の常なのであまり突っ込まないけど、筋肉がかなり損傷し、後遺症が残る可能性が高い。
日常生活に支障ないレベルにはなれても、エージェントとしての活動はできまい。

今回の軍、CIA、DEA以外にも、FBI、NSA、ATF、DIAなど多くの国家機関が存在、
それぞれが諜報活動を行っており、武装部隊を持っているようだ。

ちなみに「アンタッチャブル」のエリオット・ネスはFBIと勘違いされることが多いが、
所属組織はATFの前身で一時FBI傘下に入っていたこともあるが、ネス当時は非FBIだった。
現在は財務省の管轄組織である。

 

 

  

 

 ブロークン・シティ 

マーク・ウォルバーグ、ラッセル・クロウ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、

NYPDの刑事、ビリー・タガート(マーク・ウォルバーグ)はレイプ犯の捜査中に容疑者を射殺してしまう。
激しい責任追及デモの中、タガートは予備審で不起訴の審決を受ける。
市長のニコラス・ホステラー(ラッセル・クロウ)はタガートを讃えるが、同時に世間の手前、退職するよう勧告する。

7年後、タガートは探偵事務所を開いていたが、仕事は少なく資金繰りに汲々としていた。
助手のケイティ(アロナ・タル)は私用電話ばかりしていてタガートを悩ませている。

そんなタガートに市長から連絡が入る。
依頼は市長夫人キャサリン(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の浮気調査。
報酬は5万ドル。市長選の投票日前に調べ上げてくれとのことだった。

タガートは早速夫人の周辺を探る。
誰かと密会を重ねているようだが、確認はできない。
タガートはケイティも同行させていろいろ策を練り、ついに相手と思われる男の電話番号を手に入れる。
それは、市長の対立候補、バリアント(バリー・ペッパー)の片腕で選挙参謀のアンドリュース(カイル・チャンドラー)だった。

タガートはアンドリュースを追い、モントール行きの列車に乗る。
アンドリュースとの会話、後を追い、タガートはついにキャサリンとアンドリュースの密会を写真に収める。

ホステラーの資金調達パーティ。
タガートはキャサリンに呼び出され、手を引くよう言われるが契約は契約だと言って断る。
ホステラーは強引にタガートを呼びつけ、証拠の写真と引き換えに残金を渡して仕事は終わりだと告げる。

タガートは冒頭のレイプ殺人の被害者の姉のナタリー・バーロー(ナタリー・マルチネス)と付き合っていた。
彼女の主演映画の試写会に行ったが、あまりにも激しいラブシーンに嫌悪し、
二次会で暴言を吐いてナタリーと喧嘩別れしてしまう。

やけ酒を飲んで帰る途中、アンドリュースが撃たれたとの連絡が入る。
現場にはNYPD時代の上司、フェアバンクス(ジェフリー・ライト)がいて、タガートを責める。
そして、タガートをバリアントの家に連れて行き、うろたえているバリアントを詰問する。

バリアントとアンドリュースがゲイであること、アンドリュースが会っていたのは
ホステラーの支援者、サム・ランカスター(グリフィン・ダン)の息子のトッド(ジェームズ・ランソン)で、
ホステラーとランカスターの密約の証拠を握っていたと言うのだ。

バリアントは荒れていたが、気を取り直してホステラーとのTV公開討論に向かう。
バリアントは市長の再開発計画を責めたてるがなかなか最後の一撃は与えられない。

キャサリンはタガートを責め、事の真相をばらす。
タガートはホステラーにうまく利用されたと知り、市長の失脚を画策する。
タガートはトッド・ランカスターの事務所を探り、ホステラーとランカスターが組んで再開発計画で儲ける証拠をつかむ。
そして、バリアント殺人犯で旧知のマードックと対決しこれを倒す。

タガートはホステラーに秘密を暴露すると脅しに行くが、ホステラーが7年前の犯人射殺で、
タガートが違法行為をしていた証拠を見せ、逆にタガートを脅す。

タガートは意を決してホステラーを告発し、自身は収監されることを選択する。
ナタリーには愛想を尽かされたタガートだが、助手のケイティは面会を約束して映画は終わる。

「ブロークン・シティ」はホステラーがTV討論でNYを指して言う言葉。

現職市長と元警官では、失うものの大きさが違う。
それぞれがお互いの秘密を握ったとしても、開き直り(窮鼠猫を噛む)のし易さも違う。

劇中では対等でも実際には影響力も説得力も格段の差がある。
追い詰めすぎてタガートに開き直られて困るのはむしろ市長で、
脅しを受け入れたふりをして潰すこともできたはずだ。

何せ、タガートの決定的な証拠も握りつぶしたくらいですから。

タガートとナタリーの関係が7年前の事件後だったと説明があったと思うが、
事件以前からだった方がタガートの7年前の行動に説得力を与えたように思う。


キャサリン・ゼタ・ジョーンズの行動はあまり理解できない、というか現実的ではない。
現役首長の妻が旦那を見限る(政治家の妻を嫌って別れる)例は現実にあるからだ。

ラッセル・クロウはさすが。
公開討論でのディベート合戦などは迫力満点だった。

 

 

   

 グランド・イルージョン 

ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、アイラ・フィッシャー、デイブ・フランコ、
モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、メラニー・ロラン。

アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)はクローズアップ・マジックの天才。
近づけば近づくほど真実が見えなくなる、とはアトラスの決め台詞。

メリット(ウッディ・ハレルソン)はメンタリスト・マジックで小銭を稼ぐ。
ヘンリー(アイラ・フィッシャー)は脱出マジックの天才。
ジャック(デイブ・フランコ)はカードを操り、人の財布をかすめ取る。

そんな4人に近づく一人の男。姿を見せずに4人にタロットカードを託し、一か所に集める。
そこにあった仕掛けはあるマジックのトリックを示したものだった。

1年後、4人は「フォア・ホースメン」としてラスベガスの舞台にいた。

スポンサーであるトレスラー(マイケル・ケイン)を紹介し、
これから銀行強盗をやると宣言して、4人は舞台上に大掛かりな機械を登場させる。
ランダムに選んだボールの示す座席にいた男性を舞台に呼び寄せる。

男性はフランス人でたまたま自分の取引のあるフランスの銀行を指定。
機械に乗せられた次の瞬間、男性の姿は消失。
男性はどこかの金庫室に出現、目の前の札束の山の間にサインしたカードを放り込むと
札束が舞い上がって換気口に吸い込まれ、ラスベガスの舞台に降ってきた。

フランスのその銀行では実際に札束が消失し、サインされたカードが残っていた。

銀行強盗として捜査が開始される。
担当刑事のローズ(マーク・ラファロ)は全く気乗りがしないうえに
インターポールから来たアルマ・ドレイ(メラニー・ロラン)がチームに入ったことも気に入らない。

ローズは4人を逮捕し尋問するが証拠はないし、何より数秒でラスベガスからパリに行ったことが証明できない。
4人はあっさりと釈放される。

会場で密かにショウの模様を撮影していた男、サディウス・ブラッドリー(モーガン・フリーマン)がいた。
ブラッドリーは元マジシャンでネタばらしを商売にしていた。

かつてブラッドリーが次々とネタばらしをしたため、ばらされたマジシャンがより危険な脱出マジックを試み、
失敗して死んだことがあると言ういわくつきの人物だった。

ローズは今回のトリック解明をブラッドリーに依頼する。
ブラッドリーはあらかじめパリの銀行と取引がある男を選出し、ラスベガスに行くよう暗示をかけ、
ボールをすり替えて会場で指名したと言う。

消失は簡単なトリックで、舞台の地下には銀行の金庫を模した部屋があり、あたかも瞬間移動したように装っていた。
実際の金はあらかじめ現金輸送車を騙し、フラッシュペーパーによる偽札と入れ替え、焼失させたと言う。

勿論サインしたカードもあらかじめ用意したものだと言う。

フォア・フォースメンの次の大掛かりな舞台はニューオーリンズ。
トレスラーのプライベートジェットで移動中、4人は軽い言い争いになり、
アトラスはトレスラーにメンタリズムを仕掛けるがことごとく外れる。

さて、ニューオーリンズの会場で、観客は休憩時間中に銀行の残高を調べ用紙に書いて席に戻った。
何人かが指名され、預金残高を言い当てられる。
壇上にはいつものようにトレスラーが呼ばれ、彼の1億ドルにも上る預金残高も表示されていた。

しかし、4人が何やら細工をすると、トレスラーの預金残高表示が少し減り、
指名された誰かの数字が同額分増えていた。

更にトレスラーの数字が減り、また別の観客の数字が同額増える。
この繰り返しでトレスラーの資産がどんどん減っていく。

数字が増えた観客は台風カトリーナにより被害を受けた人で、保険金を申請しながらも断られた人、
そしてその保険会社のオーナーこそトレスラーだと言うのだ。

会場に隠れていたローズは4人を逮捕しようと「フリーズ」と叫びながら舞台に上がるが、
メリットが掛けた催眠術でローズはアメフトのディフェンスエンドになりきった観客にタックルされてしまう。
怒り狂うトレスラーを余所に4人はどこかへ消えていく。

トレスラーはブラッドリーを仲間に引き入れ、4人をつぶしてしまえと指示し、ブラッドリーは軽く引き受ける。

ローズとドレイは4人の捜査を続け、アジトを突き止める。
4人は何かの書類をシュレッダーあるいは焼却して逃げようとする。

ローズと武装警官がアジトに迫り、ジャックに書類の処理を頼んで3人はビルを脱出する。
ローズと同僚のフューラー(マイケル・ケーリー)が踏み込んでジャックとの格闘になる。
最後の書類を握ってジャックが逃げ、ローズが追う。

しかし、ジャックは車を強奪して逃げてしまう。
外で待機していたドレイはFBIの車を駆ってローズに先回りし、ジャックを追うことになった。

一般車両を巻き込んだ激しいカーチェイス。
ローズとドレイはジャックになかなか追いつけない。
ところがジャックは運転を誤り、中央分離帯に激突、横転してしまう。

助けようと駆け寄るローズ、しかし、ジャックを助ける間もなく車は炎上、爆発。
ローズはジャックが持っていた書類を掴みだすのがやっとだった。

それによれば、次回の犯行は脱税の疑いのある警備会社の金庫。
ローズやドレイが金庫室に入ったところ、そこはもぬけの殻。
指示があって運び出したと言う金庫を乗せたトラックが出ていくところだった。

ローズたちはトラックを追い、確保に成功する。
ブラッドリーも現場に到着するが、金庫の中身は金ではなく風船だった。

ブラッドリーは今回の手口を鏡を使ったトリックだと見破る。
そして、ジャックも死んでいないこと。
メリットらが協力して病院から盗んだ死体を乗せた車をすり替えたと考えた。

その頃、3人のホースメンはロングアイランドの倉庫街のあるビルの上にいた。
大勢の観衆が見守る中、3人は次々と場所を瞬間移動し、迫りくるローズたちを交わす。

そしてビルの屋上から飛び降りたその瞬間、3人の姿は大量の札束と化し、周辺に降り注いだ。
舞い散る札束に狂喜する人々。
しかし、ローズの手元に届いたその札にはワシントンではなく、アトラスやヘンリーの顔が書かれていた。

トリックは見破ったものの3人(4人)をつぶすことができなかったブラッドリーが、
自分の車に戻ると車から大量の札があふれ出てきた。

ブラッドリーは駆けつけたパトカーに包囲され逮捕される。

投獄されたブラッドリーをローズが面会に来る。
ローズは今回の一連の犯行はブラッドリーをつぶすためだったと言う。

かつてブラッドリーにネタばらしをされ、危険な脱出マジックに挑んで死んだ伝説のマジシャン、シュライク。
その人こそローズの父だった。

父が死んだ時、トレスラーの保険会社は保険金支払いを拒否、トレスラーと結託していたのがパリの銀行だった。
そして、シュライクが脱出に使った金庫が粗悪品で歪んでしまったことが脱出失敗の要因、
その金庫を作ったのが件の警備会社だったのだ。

ブラッドリーの読み通り、死んでいなかったジャックは残り3人とシュライクの伝説のある公園で再会。
伝説の木に隠されたスイッチを押すとメリーゴーラウンドが動き、ローズが現れた。

4人はマジシャンの秘密結社「ジ・アイ」の入会資格を得て、ローズとともに姿を消した。

何か月か後のパリ。
フランスに戻ったドレイを訪ねたローズ。
すべてのネタばらしをして秘密を鍵に託し、橋に掛けるのだった。

**

細かい点では展開に無理もある(偶然性が強すぎる)が、スピーディで、
やや反則気味だが誰が黒幕か分かりにくい点で最後まで面白かった。

マジックのネタは観客からは見えないが、マジシャンの後ろから見ればバレバレとなるものも多い。
騙される観客をローズやドレイだとしても、一般人、一般車、は観客の反対側にいるのだから仕掛けとしてはまずい。

全部のマジックのネタばらしをやる必要はないにしても疑問は残る。
最初の金庫泥棒にしても、どうやってあの観客を舞台に戻したのか、
そのまま(彼にはネタをバラし)舞台に戻さなかったのかもしれない。

鏡のトリックはアトラスの言う「近づけば近づくほど真実が見えなくなる」のではなく、近づけばばれる。

当初の計画では4人はもっと年配の役者の予定だったらしい。(しかも女性なし)

ジェシー・アイゼンバーグはものすごい早口だった。
「ソーシャル・ネットワーク」の時はマーク・ザッカーバーグの真似だと思っていたが、素だった。

デイブ・フランコ。
ジェームズ・フランコの弟だったりしてね、と冗談めかして言っていたら本当にそうだった。

メラニー・ロランは「イングロリアス・バスターズ」のヒロイン、ショシャーナ。

冒頭4人を招聘する4枚のタロットカードは、
アトラス:恋人=LOVERS、メリット:隠者=HERMIT、
ヘンリー:女教皇=PRIESTESS、ジャック:死神=DEATH

 

 

  

 人類資金 

佐藤浩市、森山未來、岸部一徳、香取慎吾、仲代達也、観月ありさ。

終戦間際。
日銀に貯蔵されていた大量の金塊を軍が持ち出し、どこかへ移送しようとしていた。
しかし、憲兵の一軍がそれを阻止し、どこかへ持ち去ってしまう。

現代。
真舟雄一(佐藤浩市)はM資金をネタに架空融資詐欺を行う常習犯。
いまもどこかの金融機関幹部を前にM資金詐欺を画策していた。
しかし、張り込んでいた顔見知りの刑事に阻止されてしまう。

帰り道、真舟は「M資金を管理している団体」の関係者と名乗る男(森山未來)に行く手を阻まれる。
男は真舟を上野近くの古いビルに連れて行くが、そこには女(観月ありさ)と見知らぬ男たちが待ち伏せしていた。

困惑する真舟を余所に格闘となり、真舟は最初の男について抜け穴から地下道に入る。
「あいつらは?」「市ヶ谷だ」
抜けた先は地下鉄のトンネルだったが、女が先回りしていた。
真舟と最初の男は何とかその場を逃れる。

連れて行かれた先で真舟は本庄(岸部一徳)に引合される。
本庄は電話/ネット機能のあるPDAを見せる。

やがて現れた男は自らをM(香取慎吾)と名乗り、M資金の秘密を語る。
それによれば、憲兵により強奪された金塊は10兆円、戦後アメリカ軍と日本政府によって管理され、
戦後復興の資金として使われていた。

その管理団体はやがて変質し、現在はマネーゲームに投資するようになってしまったと言う。

最初の男(森山未來)は石(セキ・ユーキット)と言い、アジアの最貧国、カペラ共和国の出だったが、
Mが助け、現在は学識豊かになり、6か国語を操ることができると言う。
MはM資金を使いPDAをその国に展開し、世界を変えるのだと言う。

Mは真舟に50億円の報酬でM資金10兆円の詐取を依頼する。

真舟は

真舟はロシアのM資金運用財団に赴き、M資金の運用監査だと称して、
運用マネージャーの鵠沼英司(オダギリ・ジョー)に会う。
真舟は鵠沼が運用に失敗して穴をあけていることを指摘、北方領土開発への投資で回収するため、
ロシアの金融機関にM資金を担保に500億円の融資依頼をするよう指示する。

鵠沼は真舟を信用し、500億円の融資依頼を作成するが、真舟の不用意な発言から嘘を見抜く。
しかし、そこにMが現れ、北方領土への投資は本当だとして鵠沼を信用させる。

500億円の融資依頼はコピーされて200通にされ各金融機関に送られる。
500億×200=10兆円もの大金がM資金の財団に振り込まれ、
そしてMの口座へと転送される。

日本でM資金を管理している団体の長は笹倉暢彦(仲代達也)。
終戦間際に金塊を強奪した憲兵、笹倉雅実の長男である。

元々M資金の元である金塊は東南アジアに侵攻した日本軍が列強の資金を強奪したものだった。
そして表向きの本土決戦に備えた軍資金ではなく、人類の未来のために使うよう考えたものだった。

世界は変えられないとする笹倉暢彦、世界を変えるとするM、つまり暢彦の息子、笹倉暢人。
表向き対立はしつつも密かに暢人を支える暢彦。

ただM資金の運用については日本だけではできずアメリカの運用財団との協調が必要。
アメリカ側財団のマネジャーハロルド・マーカス(ビンセント・ギャロ)は暢人確保にうごく。

10兆円を手にしたM、つまり暢人と真舟、石はロシアから脱出するが、
途中でマーカスの手のものに見つかり暢人が確保される。

石と真舟はカペラ共和国の故郷の村に帰り、日本から学習品に偽装して送られてきたPDAを手に
知識と学習の機会を住民たちに与え、この国に投資を呼びかけようと考えていた。

マーカスはこれを阻止すべく、カペラ共和国がテロリストの巣窟であり、アメリカ軍が掃討作戦に出るとリークする。

この件で、本庄は激しく暢彦と対立し、暢人を助けるべきだと力説するが、
マーカスの手のものに薬殺されてしまう。

日本に戻った真舟は、冒頭出てきた女、高遠(観月ありさ)に拘束されるが、
移送中に石と仲間の酒田(寺島進)が奪還し、高遠も行動を共にする。

真舟は酒田の配下を集め、50億円の報酬と坂田の配下の顧客の投資家を利用して、
カペラ共和国でかつて石油採掘を行っていた「グローバル・オイル社」に仕手戦を仕掛ける。

カペラ共和国への国際的な投資を呼び込むためだった。
しかし、マーカスのリークで株は下がり始めるが、暢彦が財団を使って買い支える。
再び株価が上がり、真舟たちの思惑は成功したかに見えた。

カペラ共和国はテロの巣窟のニュースに対し、国連本部で発言をすることになった。
そしてその場を利用して石にカペラの現状を訴えることにした。

しかし、マーカスは殺し屋を送って石を殺そうとする。
高遠と真舟はそれを阻止、石は国連本部にたどり着く。

石が本会議で演説しようとすると、多くの国の代表が離席し始める。
アメリカの圧力によるものだった。

石は咄嗟にPDAでカペラ本国に呼びかけ、多くの反応があった。
石は「我が国に援助は要らない。ただ、これからこのPDAなどを使って教育し自立していく。」
「我が国は決してテロの本拠地ではない。」と訴え、石の演説は多くの国を引き付ける。
こうしてマーカスの目論見は崩れ、真舟、暢人、高遠は解放される。

石はカペラ共和国に戻り、真舟は遠く日本を離れアフリカをさまよう。
真舟は少年の親切に触れ、世の中金じゃないと改めて思い知る。

エンドロール後に1シーン。
株の値上がりにほくそえんでいるひとがいる、ところで映画は終わる。

**

「M資金詐欺」は実在する(した)
戦後処理に伴って秘密裏に保管されている巨額なM資金を運用させるので、保証金を出してほしいとか、
運用に適するかどうかの審査費用や国会議員、官僚に対する賄賂用資金を用意してほしいと言った手口で
金を詐取するもののようだ。

いずれも実体のない架空のM資金をネタにしているわけだが、M資金そのものの実在を信じている人、
あるいは信じ込まされてしまう人は少なからずいるわけで、事案が繰り返しているようだ。

この映画では「M資金が実在」し、その10兆円にも上る現金を香取慎吾と佐藤浩市が結託して強奪する物語で、
如何にして相手をだまし、現金を用意させ、それを奪うのかと思っていた。

しかし、映画では10兆円が、電子的にあっさりと詐取されてしまうのでいささか拍子抜け。

M資金の強奪がテーマではなく、それを使って世界的な格差の是正によって世の中、世界を
変えようとしていくことが主眼だった。

こうやってあらすじを書いていると、本来大きなテーマ、壮大な物語であることが分かるが、
鑑賞中は何が言いたいのかよくわからなかった。

また、これから10兆円を使ってどうしていくつもりなんだろう。
マネーゲームへの批判はあったが、世界経済を動かすのに10兆円は少ない。

日本の株式だけでも毎日2兆円からの資金が動いているのが現実。
10兆円で世界は変わるのだろうか。

細かい数字は忘れたので、テキトーだが、仮にパメラ共和国の国民が5千万人いたとして、
あのPDAが2万円/台なら総額1兆円だ。
あの国のあの現状で1兆円つぎ込むならPDAを媒介にした教育よりも社会インフラだろう。
教育はもちろん大事だが、電気、ガス、上下水道、道路、交通、そして、食料、医療。
いずれにしても教育、PDAが最初に手を付ける場所とは思えない。

まあそれは百歩譲っていいとして、いろいろ考えても何か物足りない感は拭い去れない。

そしてある一つの結論に至った。
詰まる所、暢人自身のその人となりに魅力が乏しい。
この人の思う理想社会を信じ、この人のために自分の人生を賭けて理想実現に邁進する、
そういう気になれない、あるいはそういう気になっている人に思い入れを感じられない。

アメリカの財団もなんかちっせー感じですしね。

 

 

   

 天使の処刑人 バイオレット&デイジー 

シアーシャ・ローナン、アレクシス・ブレデル、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ダニー・トレホ。

バイオレット(アレクシス・ブレデル)とデイジー(シアーシャ・ローナン)は二人組の殺し屋。
修道女の衣装に身を包み、ピザの箱を持って、とあるアパートに入り込み、あるドアの前でノック。
開けられたドアの中に向かって容赦なく銃をぶっ放す。

部屋に入って一人の男を助け出すと、追ってきた男たちに向かってさらに銃を撃ち、皆殺しにして、
衣装を脱ぎ捨てて裏口から逃げる。
けたたましくサイレンを鳴らしてパトカーが到来、駆け寄る警察官は誰も二人を気に止めない。

殺し屋とはいえ、二人はまだ19歳。
アイドルのバービー・サンデーのコンサート中止を嘆き、新作ドレスに興味津々。

暫く「殺し」はしないと決めていたが、ドレス欲しさにボスのラスのオファーを受ける。

ボスのラス(ダニー・トレホ)は、簡単で割のいい依頼だと告げる。
ターゲットはやくざのトラックを襲い、積み荷と金を奪って、何を思ったか連絡をよこし、住所まで吐いてきた男。
一人暮らしでアパート住まい、アパートの管理人とも話がついていると言う。

バイオレットとデイジーは工事業者に化け、男のアパートに出向く。
部屋で銃を構えて男の帰りを待っているうちに、間抜けなことに二人とも寝てしまう。
やがて帰ってた来た男(ジェームズ・ガンドルフィーニ)は二人に毛布を掛け、
逃げるでもなく、椅子に座って新聞を読みだす始末。

目が覚めた二人は意外な展開に戸惑う。
一旦は二人で目をつぶって銃を撃ちまくろうと決めるが、実際に撃ちまくったら男は台所から戻ってきて、
自分が焼いたクッキーを勧めるのだった。

男は早く始末してほしい、さもないと別の殺し屋がやってくる、と言う。
その殺し屋とはラスの対立組織で残忍、かつてバイオレットを監禁して泣かせたことのある連中だった。

手持ちの銃弾を撃ち尽くしていたため、男から売っている店(非合法)を聞き、
バイオレットが銃弾を買いに行くことになった。

途中、話に出てきた別の4人の殺し屋に遭遇。
やり過ごして何とか銃弾を手に入れる。

一方、男の見張りで残ったデイジーは男と話しするうちに打ち解けてしまい、殺し屋に気づかない。
乗り込んできた4人の殺し屋に出まかせを言って時間を稼いでいると、
バイオレットが戻ってきて殺し屋を皆殺しにする。

再び弾を撃ちつくし、バイオレットは殺し屋らの銃で撃とうと言うがデイジーが説得して止めさせる。

バイオレットはまた弾を買いに行く。
先ほどの店は強盗が入り、警察との銃撃戦になったため近寄れず、別の店まで探しに行く。

その間に部屋の外でデイジーは伝説のナンバー1殺し屋アイリスに出会う。
商売敵を撃ち殺したことで抗争になる可能性があると言い、バイオレットを殺すかもしれないと言う。

デイジーは部屋に戻り、男に殺すときはデイジーがやるよう約束させられ、娘に用意したはずのドレスを貰う。
戻ってきたバイオレットはデイジーのドレスに怒るが、自分はカメラを貰って機嫌が直る。

男は娘エイプリルに最後の手紙を書きたいと言い、バイオレットが代筆。
そして、ついにデイジーは男を撃ち殺す。

近所のおせっかいが物音を不審に思い警察に連絡、バイオレットとデイジーは裏窓から逃げる。

バイオレットとデイジーはあこがれのバービー・サンデーの新作ドレスを手に入れ、意気揚々と別々に帰る。
デイジーはたまたま休んだ校舎の傍で、男の部屋にあった写真のエイプリルに出会い、
バービー・サンデーのドレスを男からだと言ってあげてしまう。

デイジーはなぜか晴れ晴れとした気分でその場を去る。

**

女子高生が作ったような脚本で、かなり残念な作品。
笑えないだけのコメディなのか。シアーシャ・ローナンのファンなら満足か。

プロの殺し屋(だと自分らで言っていたが)にしては、殺しのシーンはお粗末。
冒頭の事件はデイジーの行動に対する「伏線」になっているにしても撃ちまくりすぎ。

鑑識の話も適当すぎるし、それで説得されてしまうのも変。

仕事に失敗して撃たれて死んでいたバイオレットの前のパートナーはローズ。
バイオレット、デイジー、アイリス、すべて花の名。

ラスの配下はデイジーまでで9人、衣装に番号が振ってある。
デイジーはナンバー9、バイオレットはナンバー8。
ラストではバイオレットはナンバー7になっていた、何か意味があるのか。

ナンバー1の存在も結末もある意味不可解。

シアーシャは Saoirse とつづる、知らないと到底読めない。

アレクシス・ブレデルは「プライドと偏見」、シアーシャ・ローナンは「つぐない」で
キーラ・ナイトレイつながり。

ラス(ダニー・トレホ)は、マチェーテ。

ジェームズ・ガンドルフィーニは「ジャッキー・コーガン」では使えない殺し屋。
名脇役ではあるが、2013/6に51歳で急逝している


 

 

    

 

 

 

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