2018/01-03鑑賞
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今年の累計:16(1)[2] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:16(1)[2]本 、4−6月期:0(0)[0]本、7−9月期:0(0)[0]本、10−12月期:0(0)[0]本  
1月:4(0)[0]本、2月:5(1)[2]本、3月:7(0)[0]本    (本数は短編を除く)  
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 トゥームレイダー ファースト・ミッション   

アリシア・ビカンダー、ドミニク・ウェスト、ダニエル・ウー、ウォルトン・ゴギンズ

冒頭はララ・クロフト(アリシア・ビカンダー)が、格闘技の練習をしているシーン。
押され気味で結局はギブアップしてしまう。
ジムのオーナーらしき男性には代金を払うよう督促される。

ララ・クロフトは自転車による配送の仕事をしているが金回りは苦しい。
自転車仲間が「キツネ狩り」のキツネ役を探していることを知り、金のために引き受ける。
ペンキ缶に穴をあけて、空になるまで逃げおおせればララの勝ち。
レースがスタートし中盤までは小気味よく逃げ回るが、パトカーに衝突して転倒、仲間は逃げる。

警察で(多分たっぷり説教され)アナ・ミラー(クリステン・スコット・トーマス)が引取りにやってくる。
ここで、父リチャードが失踪して7年になること、父の会社の資産を引き継ぐために父の死亡認定が必要だが、
ララがサインしていないことなどが分かる。

このまま放置すると、資産が全部相続放棄になり競売に掛けられる、と告げられる。
ララは父の会社、クロフト社を訪ね、弁護士(デレク・ジャコビ)から書類と共に「からくり」を渡される。

ララがからくり仕掛けを解くと中から父と一緒の写真と鍵と「first letter of final destination 」と書かれた紙がでてくる。
弁護士は手紙(LETTER)は預かっていないと言うが、ララはクロフト家の屋敷に行き、
先祖の霊廟から父リチャーズの石棺の最初の文字(first letter)Rを押すと鍵穴が現れ、
鍵を回すと秘密の扉が開いて地下室に続いていた。

そこにはビデオカメラがあり、父の自撮りで「卑弥呼の資料を全て焼くように」との言葉が残っていた。
資料を調べると、卑弥呼と邪馬台国について調べた克明な手帳があり、香港でルー・レンに代金2万ドルを払う、
などと書かれていた。

ララは父の形見の勾玉を質屋(ニック・フロスト)に質入れし、香港に向かう。
香港で、悪ガキとトラブルになりながらもルー・レン(ダニエル・ウー)を探し当てる。
しかし、それは同名のルー・レンの父だった。
ララは、賭博で負けて金欠のルーを金で釣って日本の南の太平洋にある「ヤマタイ(邪馬台)」に向かわせる。
船内でのララは父の手帳を熟読し内容を覚える。

ララが父との夢を見ていて飛び起きると嵐の真っただ中で、船はヤマタイのすぐ近くまで来ていたが、
コントロールを失い、船は難破寸前。
ララは船を捨てて何とか岸に泳ぎ着くが、何者かに殴られて気絶する。

目が覚めた時には、マシアス・ボーグル(ウォルトン・ゴギンズ)がいて、ここは父リチャーズもいた島だ。
ずっと探していた秘密(手帳)を持ってきてくれてありがとう、リチャーズは俺が殺した、と言う。

ボーグルは今まで無駄な探索をしていたと言って、ララを無理矢理働かされていた男らとともに別の場所に移動させる。
ルー・レンもその中にいて、やはり父が殺されていたと言う。

途中、弱った男性を容赦なく撃ち殺すボーグル。
このままでは危ないと感じたルーは隙を見て監視役を殴りララを逃がす。
ララは逃げる途中川に落ち、流されながら輸送機の残骸に捕まり、滝からの墜落は回避するが、結局落ち、わき腹を負傷する。
何とか海岸まで逃げ延びたものの、追っ手に襲われ、これを倒しますが、何者かに覗かれており、
後を追うと崖の上の洞穴に隠れたその男はなんと行方不明になっていた父リチャード(ドミニク・ウェスト)だった。

一旦はララを妄想、幻覚だと思うリチャードだが、現実だと分かり、ララのわき腹のけがを縫合して助ける。

ララが手帳をボーグルに取られたと言うと父は怒ったものの放っておけと言うが、ララは島から脱出するためにも
ボーグルの衛星電話を盗むために洞穴を出る。

ボーグルは手帳を手掛かりに卑弥呼の墓の入り口を探し当てるが、巨大なからくり仕掛けにになっており、開けられない。
リチャードがのこのこやってきたボーグルに捕まり、ララは自分がからくりを解いてみせると言う。

ララがからくり仕掛けを解くと、入り口は瓦解し中への穴が開く。
洞穴を慎重に奥へ進んでいくが、いくつか仕掛けがあってボーグルの手下が少しずつ死んでいく。

ララは仕掛けが侵入を防ぐためではなく、脱出を阻止するためではないかと疑う。
やがて洞穴の奥に卑弥呼の石棺を発見。
蓋を開けると美しい卑弥呼の姿は空気に触れてあっという間に醜い姿に。
ララは壁画から卑弥呼が島流しに遭って幽閉されて死んだのではなく、自らの意思で島に来たのではないかと考えた。

卑弥呼の遺体を持ち出そうと触った男の一人の手がみるみる腐り、全身に広がって死亡。
卑弥呼は疫病に感染しており、その蔓延を防ぐため自ら孤島に移ったのだった。

ボーグルは卑弥呼の指の一部を取って持ち出そうとした。
リチャードとララがボーグルの手下を倒しボーグルを追おうとしたが、
リチャードは怪我をして逃げられず、病原を破壊するため洞穴を爆破すると言う。

父と別れてボーグルを追うララ。
追いついて、病原の指をボーグルの口にねじ込み、爆破で崩壊する洞窟から何とか逃げだす。

その頃、リーもボーグルの手下に反撃して倒し、ララを助けにやってきた。
みんなはボーグルを連れ出しに来た大型ヘリを奪取して同乗し、ロンドンに戻った。

ララは父の死の認定書にサインし、資産を相続。
ただし、クロフト社の実質的運営はアナ・ミラーに託した。

しかし、いろいろ相続した遺産の資料を調べてみると、父が阻止しようとしていた組織「トリニティ」は、
アナ・ミラーと関係が深いのではないかと思えた。

ララは勾玉を買い戻し、ついでにそこにあったハンドガンを2丁購入する。

物語の展開は早く、アクションシーンもダラダラせずに進行するのはある意味小気味よい。

ただ、脚本が粗いのか、敵は間抜けで、都合よく進み過ぎる間はある。

父の死を受け入れられないのは良いとして、遺産が売り払われてなくなってしまうなど、
娘の存在もはっきりしているのにあり得るのか。
遺産相続の覚悟を決めたんだから、形見の勾玉を質入れしなくとも、さっさとサインして金を使えばいいだろう。
資産の大半が企業や物だったとしても、生活のための現金もあっただろうから金には困らないはずだ、と思ってしまった。

父の失踪から7年。
その間ずっと放置されていたビデオカメラやテープレコーダーが何も苦も無く作動することはあり得ない。
最低でも電池はダメになっているので、取り出してすぐスイッチを入れて動くはずはない。

わき腹に鉄か木が刺さってそのまま抜いたら大出血で失血死。
傷ついたのが表面近くだけだったとしても泥んこまみれで格闘したら大変なことになるし、
薬剤もなく、そのまま縫合したら化膿してしまう。

肩を撃たれたレンにしてもかすり傷だったかのようだ。

基本的な展開は2013年に配牌されたリブート版のゲーム「トゥームレイダー」をベースにしているようだが、
仲間がいないなどの点はゲームと異なる。

リブート版ゲームでは開始当初は弱く、ゲームを進める中で経験値をあげて強くなるとともに武器も強化されていく。
その点では映画とイメージは同じだが、既に一端のトレジャーハンターとなっていたアンジー版とはかなり印象が異なる。

ゲームは2015年に続編が発売され、さらにリブート版3作目の開発がリークされたらしい。

トゥームレイダーは直訳すれば「墓荒らし」

 

 

                        

  ボス・ベイビー    

アレック・ボールドウィン、トビー・マグガイア。
吹き替え:ムロツヨシ、宮野真守、芳根京子、乙葉、石田明(ノンスタイル)

そもそも赤ん坊はどこからやってくるのか。
コウノトリが連れてくると思うのはもう古い。
赤ん坊カンパニーで生まれた赤ん坊は、生まれてすぐに適性をチェックされ、家庭向けは普通の赤ん坊として各家庭に、
仕事に適性のある子は仕事をし、トップを目指す。
一部は任務をもって各家庭に向かうのだ。
いつまでも赤ん坊の姿でいるためには特別なベイビー・ミルクの服用が不可欠。

さて、メインの物語は大人のティム(声:宮野真守)のナレーションで始まる。
両親(声:乙葉と石田明)の愛を一身に受けて育っていたティム(声:芳根京子)。

その愛情を奪い取る存在、赤ん坊(声:ムロツヨシ)がやってきたのだ。
それもアタッシュケースを持ち、黒いスーツを着た。

両親は全く違和感を持たないが、ティムにとって赤ん坊はライバルそのものだった。
しかも、赤ん坊はわがまま放題、やりたい放題で両親は赤ん坊に付きっ切り。
そう、赤ん坊がボス、ボス・ベイビーなのだ。

ある夜、ティムがボス・ベイビーの様子を探りに行くと、彼はどこかに電話をしていた。
喋れる、しかも秘密の会話。

怪しいとにらんだティムは証拠を掴もうとする。
ティムはボス・ベイビーが近所にいる同じエージェントの赤ん坊仲間と相談しているのを録音してしまう。
証拠のカセットテ―プの奪い合い、結局、証拠のカセットは壊れてしまう。

両親はティムが乱暴したと思い、外出禁止にしてしまう。

しょぼくれるティムにボス・ベイビーは相談を持ち掛ける。
自分はある使命をもってやってきた、それは、ワンコの人気が高まり、赤ん坊の人気を脅かしている、
さらには両親の働くワンコ・カンパニーが永遠に子犬のままのワンコを作り出し、まもなく発売開始すると言うのだ。
自分の使命はそのワンコの正体を探り、その発売を阻止することにある。

もし失敗したら、自分はずっとこの家にいて、ずっとティムの弟として一生暮らさなければならない。
任務がうまくいけば、自分は赤ん坊カンパニーに帰り二度と現れないのだと言う。

ティムはボス・ベイビーに協力する約束をする。
そのためにはまず仲良しになったふりをしなければならない。

なんとかかんとかいやいやながら仲良くなったふりをするが、任務は一向にはかどらない。
まもなくワンコカンパニーが新種の犬の発表会をラスベガスで行うことになり、両親は会社の命令でラスベガスに向かう。

ティムとボス・ベイビーの世話はワンコカンパニーの社長、フランシス・フランシス(声:山寺宏一)の差し向けた
部下が化けたナニーがすることになっていた。

ティムとボス・ベイビーの制止もむなしく両親はラスベガスに旅立つ。
ティムはナニーの目を盗んで家を脱出。エージェント赤ん坊連中と共にラスベガスへ向かう。

ラスベガスでいよいよニューワンコの発表が近づいてきた。
ティムとボス・ベイビーは会場に潜入するが、それはフランシス・フランシスの罠だった。
ボス・ベイビーが持っている赤ん坊のままでいられる特殊ミルクを手に入れるための作戦だった。

ボス・ベイビーは特殊ミルクが切れかかり、ただの赤ん坊になったり、大人に戻ったりし始め、
フランシス・フランシスに追い詰められる。

しかし、遂にフランシス・フランシスを倒しニューワンコが世界中にばらまかれるのを阻止することに成功する。
実はフランシス・フランシスはボス・ベイビーがあこがれていた歴代の赤ん坊カンパニーのトップの一人だった。

トップに立ったもののミルクに耐性がなく、特殊ミルクが遂に切れてしまい、普通の赤ん坊になり、そして大人になった。
ニューワンコ計画は赤ん坊カンパニーへの復讐だった。

ともあれ、ミッションは成功し、ボス・ベイビーは赤ん坊カンパニーに帰ることになった。
赤ん坊に関するものは全て片付けられ、両親はボス・ベイビーの記憶を完全に消し去られた。
ティムは特別に記憶を残してもらうことにした。

赤ん坊カンパニーで、ボス・ベイビーは念願のトップに立つことができた。
しかし、何か満たされない気分で、遂にはトップの座を捨てて再度適性チェックに向かう。

そして、家庭向けの適性になるようにして、普通の赤ん坊としてティムの家庭にやってきた。
ティムはボス・ベイビーの到着を喜ぶのだった。

ティムの目線で物語が進行するが、両親目線では普通の赤ん坊と兄弟の会話や喧嘩であり、
見ようによっては、ティムの妄想だと考えてもよさそう。

いずれにせよ、弟や妹ができた兄、姉が感じるであろう疎外感。
当事者にとってはおそらくすごく深刻なんだろうけど、親にはあまり感じてもらえない焦燥感と
その裏返しでもある新参者に対する嫌悪感が、いつしか愛情に変わっていくというごく普通の出来事を
ティムの妄想で膨らませてエンターテイメントに仕立てた、といったところか。

キャスティングがなかなかしびれる。

 

 

                      

  リメンバー・ミー    

吹き替えの声:石橋陽彩、藤木直人、松雪泰子、橋本さとし

メキシコのとある村。
ミゲルのひいひいじいちゃん、つまり、おじいちゃんのおじいちゃんは、音楽の夢を捨てきれず、
幼い娘ココと妻イメルダを残し、家を出て行って二度と戻らなかった。

イメルダは、靴づくりを始め、ココを育てた。
やがてイメルダの靴は評判となり店は繁盛し、ココからその娘、つまりミゲルのおばあちゃんエレナ、
そして、おじ、おば、パパ、ママと一族はずっと靴職人として育ってきた。

そして、ひいひいじいちゃんが家族を捨てたことを恨み、音楽禁止を家訓としていた。
メキシコには珍しい音楽を毛嫌いする一家なのだ。

村は、英雄視されるほどの偉大な音楽家、今は亡きエルネスト・デ・ラ・クルスの出身地で、
特に「リメンバー・ミー」は彼の代表曲であった。

エルネスト・デ・ラ・クルスは歌に映画に大活躍したが、演奏中に大鐘の下敷きになり、死亡している。

死人祭り(日本で言うお盆)が近づいたある日のこと。
祭壇にご先祖らの写真を飾り、死者の魂を迎える準備に忙しいミゲル一家。
ミゲル(声:石橋陽彩)は、靴磨きに村の広場に行き、客のマリアッチの奏者の一人にギターを弾くよう勧められたが、
エレナばあちゃんに見つかり、こっぴどく怒られる。

ミゲルは屋根裏にギターを隠しており、エルネスト・デ・ラ・クルスのビデオに合わせてギターを弾くのが常だった。
いつも会う野良犬のダンテとともにギターの練習をしてから祭壇に行き、誤ってママ・イメルダの写真を落とす。
そこには、折り込まれた部分があり、顔の部分を切り取られたひいひいじいちゃんの左には、
エルネスト・デ・ラ・クルスのギターが写っていた。
ミゲルはひいひいじいちゃんこそがエルネスト・デ・ラ・クルス(声:橋本さとし)だと確信する。

ミゲルは、その夜広場で行われる音楽コンテストに出ようとしたが、エレナばあちゃんにばれ、ギターを壊されてしまう。
家を飛び出したミゲルはエルネスト・デ・ラ・クルスの霊廟に行き、写真と同じ遺品のギターを借りようとする。
そして、それを弾いたとたん、ミゲルは亡霊となり死者の姿が見えるようになる。

墓の近くには、ミゲルの先祖たち(死者、骸骨)が集まっていた。
ミゲルが亡霊になってしまったので、先祖らはミゲルを連れて死者の国に戻ることにした。
(死者の国に行かないと生者の世界に戻れない)

花びらの橋を渡り死者の国に戻ると、そこには現世に向かう出口があり、子孫が写真を飾っているかどうかチェックしていた。
フリーダ・カーロに扮したヘクター(声:藤木直人)は、写真がない、と出国を拒否され、強引にゲートから出たものの、
花びらに沈み、足を取られて先へ進めず、連れ戻される。

入り口では現世から持ち帰ったものを申告する。
ミゲルの先祖らはミゲルを申告、出入国管理事務所で事情を聞かれることに。
そこには、ひいひいばあちゃんのママ・イメルダ(声:松雪泰子)が、現世に戻れず怒り狂っていた。
それもそのはず、祭壇に飾られていた写真はミゲルが持っていたのだから。
しかもそのせいでミゲルは呪われ、亡霊になっていた。
日の出までに現世に戻らないとミゲルは死者の世界から出られなくなる。
また戻るには家族の赦しが必要で、ママ・イメルダが花びらを使ってミゲルを赦すとミゲルは現世に戻ることができた。

しかし、赦しの際、二度と音楽をしないことと言われたのに、戻ったとたんエルネスト・デ・ラ・クルスのギターを弾いてしまい、
再び、死者の国に戻されたミゲル。

音楽を赦しの条件としないよう、ひいひいじいちゃんであるはずのエルネスト・デ・ラ・クルスに赦しをもらおうと、
ミゲルはその場を逃げ出す。

一方、ヘクターは出入国管理事務所で警告を受けて解放され、ミゲルと会い、ミゲルがエルネスト・デ・ラ・クルスの子孫だと知る。
ヘクターはエルネスト・デ・ラ・クルスの知り合いだと言い、ミゲルに死者の化粧をして生者であることをごまかし、
自分の写真を祭壇に飾る約束をする代わりにミゲルをエルネスト・デ・ラ・クルスに会わせるという。

ヘクターはエルネスト・デ・ラ・クルスがリハーサルしている場所に連れていくが、そこではフリーダ・カーロ(声:渡辺直美)が
リハーサルしており、エルネスト・デ・ラ・クルスは遠く離れたタワーの上のパーティ会場にいると言う。

音楽コンテストで優勝すればパーティに招待されるので、ヘクターは知り合いのチャチャロンにギターを借りに行く。
そこで、チャチャロンは家族に忘れられてミゲルとヘクターの前で消滅してしまう。「2度目の死」。
チャチャロンのギタ―を借り、コンテストに出たミゲル。
ヘクターの助けもあり見事な歌で観衆を魅了するが、ママ・イメルダらが探しに来たため、その場を逃げ出す。
ヘクターはミゲルが他に家族がいないと嘘をついたと喧嘩になり、ミゲルは逃げる。

エルネスト・デ・ラ・クルスのパーティには入り口でチェックがあり、ミゲルははじかれるが、
コンテストで会ったマリアッチに紛れて会場に入り込み、ヘクターも会場に入り込む。

ミゲルはエルネスト・デ・ラ・クルスに孫の孫だと言って会うことができ、音楽をやれる条件で赦しを請おうとする。
そこにヘクターが現れ、いろいろやり取りし、ミゲルはエルネスト・デ・ラ・クルスの言葉が映画に出てきたものと同じだと気づく。
それは、エルネスト・デ・ラ・クルスが毒を盛られるシーンだった。
現実にはエルネスト・デ・ラ・クルスがヘクターに毒を盛ったのだった。
そして、リメンバー・ミーをはじめとするヘクターの書いた歌までも奪い取っていたのだった。

エルネスト・デ・ラ・クルスは、ヘクターを捕え、ミゲルを地下の洞穴に幽閉してしまう。
地下で一緒になった二人、ミゲルを探しに来たママ・イメルダに救出され、ヘクターがイメルダの夫、
つまりヘクターこそがひいひいじいちゃんだったのだ。

ママ・イメルダはヘクターへの怒りが収まらないものの、エルネスト・デ・ラ・クルスの悪事の被害に遭っていたことを知る。
ヘクターに2度目の死を迎えさせないためには、エルネスト・デ・ラ・クルスに奪われたヘクターの写真を取り返して
夜明けまでに現世に戻らないといけない。

ママ・イメルダも協力してエルネスト・デ・ラ・クルスのサンライズコンサート会場に入り、何とか写真を取り返そうとする。
写真を取り返したものの落としてしまい、写真は水没する。

一方、ママ・イメルダとヘクターがエルネスト・デ・ラ・クルスの悪事を暴き、それが会場に放送され、みんなにもばれる。
ママ・イメルダはミゲルに無条件での赦しを与え、ミゲルは現世に戻る。

家族が心配する中、ミゲルはココひいばあちゃんにギターを弾き、ヘクターが娘ココのために書いたリメンバー・ミーを聴かせる。
認知症で全く反応のなかったココひいばあちゃんだが、ミゲルのリメンバー・ミーを聴いて目を輝かせて一緒に歌う。
そして引き出しから出した切れ端は、写真の破れたひいひいじいちゃんの顔の部分、まぎれもなくヘクターの顔だった。

1年後、ココひいばあちゃんが持っていたヘクターのノートからエルネスト・デ・ラ・クルスの曲はヘクターのものだと分かり、
ヘクターは称賛を受け、一方、エルネスト・デ・ラ・クルスは非難されていた。

死者の日、ココひいばあちゃんと再会を果たしたヘクターはママ・イメルダらとともに、花びらの橋を渡って現世に向かうのだった。

ストーリー展開が実に見事。
予告からして観客をうまくミスリ―ドし、途中まで予想通りと思わせながら、最後はどんでん返し。
たまには外れもなくはないが、いつもながらPIXARには感心させられる。

設定となる「死者の日」は「お盆」との共通性、類似性が感じられ、感情移入がしやすい。
死者(先祖)が、現世に帰ってきてまた黄泉の国に帰るところなども分かりやすい。

黄泉の国の遠景の街並みは色彩の違いこそあれ「鎌倉ものがたり」の雰囲気に似ていた。

吹き替え版の主要な部分の表示は例によって日本語で描かれている。

藤木直人、松雪泰子、橋本さとしなど主要キャストの歌はうまい。

さらに、メインキャストのミゲルの声は石橋陽彩、とにかく、歌がうまい。
最初はあまり歌がうまいので、歌だけ吹き替えかと思ったぐらい。
歌うま小学生(現在は中学生)だったとは後で知った。

若干都合のいいシーンもなくはない。
ミゲルが最初に亡霊になったのは、エルネスト・デ・ラ・クルスの霊廟の中で、黄泉の国には花びらの橋を渡っていく。
しかし、一旦、現世に戻ってすぐに亡霊となって黄泉の国に直行するのは、説明不足。

エルネスト・デ・ラ・クルスがヘクターのノートを奪ったはずなのに、どうしてココがそれを持っていたのかは不思議だ。
エルネスト・デ・ラ・クルスが悪行を反省してココにヘクターのノートを送ったのであれば別だが、そういう展開ではなかった。

ただ、それらも枝葉末節、大したことではないと思えるほど全体の流れはよくできていた。

 

 

   

 

 アナと雪の女王 家族の思い出     

「リメンバー・ミー」の同時上映作品。
松たか子、神田沙也加、ピエール瀧。

クリスマスが近づいたシーズン。
アナ(声:神田沙也加)とエルサ(声:松たか子)は城で開くパーティの準備に余念がなかった。

クリスマスには、城の中庭に吊り下げられた大鐘を鳴らすのが恒例行事だった。
アレンデールの住民が大勢やってきて、アナとエルサがクリスマスを告げる鐘を鳴らすのを今や遅しと待っている。

いよいよ鐘が鳴らされ、アナとエルサは、サプライズパーティが開かれる大広間の扉を開ける。
しかし、人々はパーティには見向きもせず家路につくのだった。

焦ったエルサが人々に理由を聞くとそれぞれの家庭ではそれぞれのクリスマスの伝統行事があると言うのだ。
そして、王家の伝統行事を邪魔しないためにもパーティは遠慮すると言うことだった。

幼いころから部屋にこもりきりだったエルサにはクリスマスの思い出がなく、ついアナにきつい言葉を言う。
暫くしてアナに謝りに行ったエルサ。
アナは屋根裏で荷物の箱を開けていた。
クリスマスの思い出が詰まった箱、しかしエルサのそれはサテンの手袋でいっぱいだった。
しかし、その箱の中に小さな箱があり、中には驚く物が入っていた。

一方、各家庭のクリスマスの伝統行事を調べようと各家庭を回ることにしたオラフ(声:ピエール瀧)、
トナカイのスヴェンにそりを曳かせ、各家庭を回っていく。

お菓子やケーキや手作りのプレゼント、クリスマスツリー用の木やホームサウナまで馬車に積んで城への帰路につく。
しかし、途中でサウナの石炭からもらったものに火がついてそりが暴走し、谷底に落ちてしまう。
幸いオラフは無事だったが、最後に残ったパウンドケーキも鳥にさらわれてしまう。

がっかりして城に戻ろうと森を通るとオオカミの群れが襲ってくる。
危機を感じたスヴェンは一目散に城に戻り、ジェスチャーでクリストフ(声:原慎一郎)に説明するがわかってもらえない。
アナとエルサが気付いて、町の人々に協力を求め、大勢でオラフを探しに行く。

ようやくオラフを見つけたアナとエルサ。
せっかく集めたクリスマスの伝統を全て無くしてしまったと嘆くオラフ。
アナとエルサが屋根裏で見つけた箱の中には、クリスマスの旅にアナが書いて、そして作ってエルサにあげた
オラフの絵や人形が詰まっていた。

そう、アナとエルサにとってクリスマスの伝統はオラフそのものだった。
エルサはその場に氷のクリスマスツリーを建て、テーブルを作って料理を用意、
集まってくれた町の人々と共にクリスマスを祝うのだった。

**

「アナと雪の女王」のシリーズとしては、長編の1作目、短編の「エルサのサプライズ」(8分)に続く3作目。
長編の2作目が2019/11/27全米公開予定となっている。

従来、PIXARアニメの同時上映作品は、同じくPIXARによるものだったが、本作はディズニーアニメの製作による。
PIXARとディズニーを同時上映するのは初らしい。

また、通常の同時上映作は上映時間が6、7分であるのに対し、本作は22分と長く、物語の展開もしっかりと作られている。
もともと同時上映用の短編として作られたものではないそうで、出来上がってから同時上映に決まったらしい。

神田沙也加、歌がうまい。
松たか子とのデュエットも非常にきれい。
神田沙也加が高音側にハーモニーをつけていて映える。

 

 
 15時17分、パリ行き 

スペンサー・ストーン、アレック・スカーラトス、アンソニー・サドラー、ジュディ・グリア―。

幼友達の、スペンサー、アレック、アンソニー。

3人の出会いは10歳のころに遡る。

何かと問題児扱いされていたスペンサーとアレック。
学習障害だと決めつけられ、母親たちはキリスト教系の学校に転校させる。

しかし、そこでは規則、規則。
些細なことで校長室に呼び出される日々。
成績は良いが何かと口答えが多く、同じように好調から叱られているアンソニーと友達になる。

しかし、アンソニーは学校にプロム(卒業パーティ)もホームカミングデイ(学校主催の同窓会)もないのが嫌で、
転校してしまう。

アレックの母は校長に父親が必要だと言われ、母はアレックを父の下に引っ越しさせてしまう。

スペンサーは小さいころから敬虔なクリスチャンではあったが、成績は上がらず、高校卒業後、軍隊に入隊する。
体を絞り、自力で訓練して体力をつけ、入隊審査には合格するが、希望していたパラレスキューには入れない。
配属先の新兵訓練でも失敗を重ねて不合格となり、落第新兵の掃きだめのような部署に配属される。

一方のアレックは、陸軍兵としてアフガニスタンに配属されるが、意外と安全な生活だった。

アンソニーは米国に残り、大学に進学しており、3人は今でも親友だった。

スペンサーとアレックは休暇を利用してヨーロッパ旅行を計画していた。
アンソニーは貧乏学生だったが、二人と一緒に旅行することに賛同する。

スペンサーとアンソニーはイタリアで合流。
トレビの泉やスペイン広場など観光地巡りをする。

アレックは先にアメリカで仲良くなったドイツ人ガールフレンドの実家に行き暫くゆっくり過ごす。
そして、スペンサーとアンソニーと合流する。

ドイツのバーでゆっくりしていると、たまたま出会った老人にアムステルダムへ行けと薦められる。
3人はアムステルダムに行き、大いに羽目を外す。

翌日、ひどい二日酔いのまま、3人はパリに行くべきかどうか相談する。
出会う人みんながあまりパリはお勧めでない、というからだ。
話し合いの結果、結局パリに行くことになり、15:17発の特急タリス号に乗った。

途中、のんびりした列車の旅が続く。

17時50分頃、途中駅から乗った一人の男は、トランクを持ったままトイレに籠り、武装し始めた。
2人の乗客が長々とトイレから出てこない男が気になり、トイレに向かう。
すると、自動小銃AK47を持ってトレイから出てきた。

1人が銃に手をかけ、男ともみ合いになる。
もう1人は他の乗客に逃げるよう声をかける。
男からAK47を奪って持って逃げようとしたところ、男は拳銃を発射、撃たれた乗客は負傷して転倒。
様子を見ていたアンソニーは、男がAK47を拾って構えたのに構わず突進する。

たまたま、銃は不発(ジャム:弾詰まり?)アンソニーは男を羽交い絞めにする。
アレックも加勢し男からAK47を遠ざけ、拳銃も奪い取ることに成功する。
しかし、男はナイフを取り出してスペンサーの首と手に切りつける。
負傷しながらも男の首を絞め続けたスペンサーに男はついに失神した。

3人は急いで男を後ろ手に縛りあげる。

そして、たまたま居合わせた医師(多分)と協力して負傷したアメリカ人り.の救護を続けた。

やがて、連絡を受けた救急と警察が待機する駅に列車が停車。
拘束されたままの犯人を連行し、重症だった乗客も救急搬送。
負傷したスペンサーも病院に送られた。

フランス政府は(3人と医師の)4人の活躍に感謝し、オランド大統領直々に勲章が贈られた。
3人の英雄的行動はアメリカでも高く評価され、それぞれに勲章が贈られた。

2015/8/21に発生した「タリス銃乱射事件」を基に構成された映画で、
事件当時の3人の役を本人が演じている。
劇中で負傷者の治療に協力し、勲章をもらった4人目(多分医師)は本人かどうか不明。

事実そのままではなく映画的に脚色もされているとは思うが、事件そのものの描写は短く、
はっきり言って中身は薄い。

事件をクライマックスに持っていくために幼友達だった3人の生い立ちや、この列車に乗ることになった経緯を
丁寧に組み上げてはいるが、それを知ってもあまり感情移入にはつながらない。

脚本がダメと言うことではなく、これが精いっぱいだったのかなと言う印象。

何故、クリント・イーストウッド監督がこの映画を作ろうと思ったのかは気になる。

フランスでの表彰式の映像は、実際のものと芝居(再現)をうまく混在させている。
オランド大統領の演説や、記念撮影の場面は本物でオランド大統領が後ろ向きに映っているシーンは俳優による演技。
アメリカでのパレードもたぶん本物だろう。

 

 

                       

  ブラックパンサー 

チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピータ・ニョンゴ、アンジェラ・バセット

アフリカ中部。
かつて5つの部族が覇権を争っていた地に超金属ヴィブラニウム
巨大な隕石が墜落した。
隕石の後に生まれたハーブの力を得た部族長が初代ブラックパンサーとなり、部族統一を図るが、
山の民、ジャバリ族は山深くへと立ち去る。

ヴィブラニウムの力を利用して科学的発展を遂げたワカンダ王国は、その力を外に漏らさない政策を取り、
外界からはただの後進国の様に見せていた。

今から25年ほど前、ワカンダ王国のティチャカ王は、海外に派遣されていたスパイの一人で王の弟、ンジョブが
虐げられた黒人を救うためとして武装蜂起を準備していることを知り、止めに行くが反発されて殺してしまう。

現在。
前作「シビル・ウォー」でティチャカ王が爆死、息子のティチャラ(チャドウィック・ボーズマン)が跡を継ぐことになり、
ワカンダ王国で世継ぎの儀式が行われることになった。

儀式では、ティチャラの即位に異論のある部族長は、ティチャラとタイマン決闘をすることができる。
3つの部族は賛同したが、ジャバリ族の長、ムバクが挑戦。
格闘の末、ティチャラが勝利し、正式に国王となった。

その頃、大英博物館を訪れたエリック・スティーブンス(マイケル・B・ジョーダン)は、
武器商人のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)と組んで、ヴィブラニウム製の斧を盗み出し、
釜山で売ろうとしているとのニュースがワカンダ王国にも知らされる。

ティチャラは、スパイのナキア(ルピータ・ニョンゴ)、護衛兵のオコエ(ダナイ・グリラ)らとともに
釜山へ飛び、取引場所の闇カジノに入る。

そこに、ユリシーズ・クロウが配下を連れて入ってくる。
バイヤーはなんとCIAエージェントのエベレット・ロス(マーチン・フリーマン)。
ティチャラらがいることはすぐにばれ、大騒動となり、クロウらは逃げる。
ティチャラはブラックパンサーに変身してクロウらを追う。

この時、ティチャラの妹のシュリ(レティーシャ・ライト)はVR遠隔操作でレクサスを駆って、
ブラックパンサーを助ける。

結局、ユリシーズ・クロウを逮捕し、ロスが尋問。
クロウはワカンダ王国がヴィブラニウムのおかげで超技術国であり、武器もすごいなどと語る。

マジックミラーで尋問の様子を見ていたティチャラは敵の接近を検知したとの報告を受けたが間に合わず、
エリック・スティーブンスの襲撃を受けて、クロウを奪還されてしまう。

その際、ロスはナキアをかばって脊椎に損傷を受け重体となってしまう。
ティチャラはナキアらの反対を押し切ってロスをワカンダへ運び、シュリに治療をさせる。

一方、ティチャラはエリック・スティーブンスが王位継承者であるリングを持っていたことに気づき、
ズリ(フォレスト・ウィテカー)に理由を訪ねる。

ズリはかつて自分がスパイであったころ、前王のティチャカの弟のンジョブの武装蜂起を暴露し、
ティチャカが阻止しようとしたが、ンジョブがズリを殺そうとしたためティチャカがンジョブを射殺、
その子であるンジャダカを置き去りにした、と告白する。

ンジャダカは成長してエリック・スティーブンスとなり、今まさにティチャラに復讐しようとしている。

エリック・スティーブンスは、ユリシーズ・クロウと揉め、逃げるクロウを射殺してしまう。
そしてその遺体をワカンダに運び、クロウを憎んでいるウカビ(ダニエル・カルーヤ)に渡してわざと捕まる。

エリック・スティーブンスは部族長の集まる席で身分を明かし、ンジョブの息子である自分にも王位継承権があるとして
ティチャラに決闘を挑む。それは正式の決闘となり、ティチャラと戦うが熱湯の末、ティチャラは負けて川に突き落とされる。
ズリも殺されてしまう。
ティチャラの母(ティチャカの妻)のラモンダ(アンジェラ・バセット)、妹のシュリ、ロスは逃げる。
ナキアはエリック・スティーブンス(ンジャダカ)がマジックハーブをすべて焼き払うよう命じたのを聞き、
ハーブを一つだけ持って逃げる。

ラモンダ、シュリ、ナキア、ロスはティチャラに敗れたムバクのもとを訪ね、ンジャダカを倒すよう頼む。
当初は断るムバクだが、実は川から助けられた瀕死のティチャラを匿っていた。
ティチャラは、ハーブの力でよみがえった。

ちょうどその頃、ヴィブラニウムで作った武器を世界の勢力に与えて武装蜂起させるため、
輸送機を発進させようとしていたンジャダカらを阻止すべくティチャラが攻撃を仕掛ける。

うまい具合にシュリは自分の研究室に入り込み、ロスにVR戦闘機の操縦を任せて輸送機を撃墜させ、自ら戦闘に参加する。

当初は「王」に忠誠を誓うとしていたオコエもンジャダカには反抗するが、次第に劣勢となる。
しかし、協力を拒否していたはずのムバクがジャバリ族を引き連れてティチャラに加担、形勢逆転となる。

ンジャダカは傷ついて敗れティチャラは降伏を促すが、降伏するなら死んだほうがましとして治療を拒否して死ぬ。
ティチャラは自国の技術を悪用されることを恐れ、傍観を決め込んだ先祖代々の国王の遺志に反し、
世界平和のために技術移転をする事を決める。

ナキアはスパイとして再び世界に出ることを止め、ティチャラのパートナーとしてワカンダに留まることを決意する。

国連総会で、これからはワカンダが積極的に世界に技術を提供すると宣言するティチャラ。
しかし、会場の各国は農業国であるはずのワカンダが何を提供できるのか、と訝し気だった。

一方その頃、ナキアが密かに治療をしていた白人男性は、バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)。
ウィンター・ソルジャーその人であるが、子供たちからはホワイト・ウルフと呼ばれていた。

**

例によってスタン・リーが登場。
今回は釜山の闇カジノで、ティチャラにチップを預かっていてやると語るジジイ。

アンディ・サーキス、あっさり退場で出番少なっ、と思ったものの、忘れてしまっていたが、実は初登場ではなく、
「エイジ・オブ・ウルトロン」でもヴィブラニウムの闇取引に加担していた。

今回は切り落とされた腕にヴィブラニウムのプラズマブラスターを装着して登場。
その威力はすさまじい。

黒人が物語の中心ではあるが、いわゆるブラック・ムービーではない。
物語は王道で、跡目争いや兄弟の行き違いと親子2代にわたる確執と和解(はしないけど)
親子2代の確執と言えば「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」を思い起こすが、
マイケル・B・ジョーダンが単なる悪とも言い切れない感があってなかなか良かった。

この設定や展開が万人に受け入れられ、全米史上ベスト10に入る大ヒットにつながったものと思われる。

マイケル・B・ジョーダンと言えば、未見だが「フルートベール駅で」が良かったらしい。
「ファンタスティック・フォー」はひどかったが、「クロニクル」と「クリード」は良かった。
なお、「クリード2」は全米で2018/11公開の予定。

ブラックパンサーは「インフィニティ・ウォー」で再び登場する。
同作はアベンジャーズのレギュラーメンバーの他、予告でも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の面々が出てくるが、
これに加え、本作からはブラックパンサーだけでなく、シュリ、オコエ、ムバク、ラモンダも出演予定。
(オコエは「インフィニティ・ウォー」予告のラストシーンにも出てる)
主要キャラばっかりで展開がカオス状態になりそうな4/27公開が待ち遠しい。

 

 

                       

   空海 美しき王妃の謎  

染谷翔太、阿部寛、松坂慶子、火野正平、黄軒(ホアン・シュアン)、張榕容(チャン・ロンロン)、張魯一(チャン・ルーイ―)、
辛柏青(シン・パイチン)、秦昊(チン・ハオ)、劉昊然(リウ・ハオラン)、欧豪(オウ・ハオ)、成泰燊(チエン・タイシエン)。

**

冒頭は絵巻風に時代背景が語られる。(多分日本版のみ)

舞台は9世紀初頭の長安。
陳雲樵
秦昊=チン・ハオ)の屋敷で妻の春琴が瓜を食べていると、黒猫がくれと言ってくる。
春琴が言葉をしゃべる黒猫に気味悪がりながらも瓜をやると、礼だと言って木の下に金が埋まっていると教える。
帰宅した陳雲樵は春琴からその話を聞き、掘り出された金に驚く。

遣唐使の一員として長安に滞在していた空海(染谷翔太)は、皇帝(おそらく徳宗)の病気を祈祷するために、
王宮に呼ばれるが、祈祷する間もなく皇帝は苦しんで死ぬ。

王宮の係官は、空海に他言無用、記録係の白楽天(黄軒=ホアン・シュアン、声:高橋一生)には、皇帝は風邪で死んだと書けと指示する。
白楽天はそれに反発し、記録係を辞する。

当時、白楽天は「長恨歌」を書きあげたばかりだったが、いまいち内容に確信が持てないでいた。

空海は、宮廷内で猫の毛を発見、左後ろ足に傷を持っているらしい猫の足跡の先をたどると、
「皇帝は死んだ、次はXX(多分、李誦)だ」と書かれた木片を発見。(李誦は徳宗の息子で当時の次期皇帝)

陳雲樵の屋敷に喋る猫が出たとの噂を聞いて、二人で探す途中、幻術師、瓜翁(成泰燊=チエン・タイシエン、声:山寺宏一)に遭遇する。
感心する白楽天に空海は本物のスイカは一つだけと見破って見せる。

二人は陳雲樵を追って、大規模遊郭の胡玉楼へ向かう。
陳雲樵が胡玉楼で散在しつくすと、黒猫が現れて「借りを返せ」と言いつつ、陳雲樵に襲い掛かり、配下の多くが猫にやられて死ぬ。
その様子を見ていた空海と白楽天が、黒猫の呪いを解くために陳雲樵の屋敷へ行くと、春琴が屋根の上で李白の詩の一節を読む。

空海は春琴に憑りついた猫を祓うことに成功するが、礼の祝宴で陳雲樵は春琴を絞め殺しそうになり空海が助ける。

空海は李白の詩に謎を解くカギがあると思い、白楽天と共に李白の詩について調べる。
その詩(清平調詞)の出だしは「雲には衣装を想い、花には容を想う」
李白が「極楽の宴」で楊貴妃を詠ったものだった。

空海は妖怪(妖猫、幻術使い)のことは幻術師に聞くのが良いと思い、瓜翁に会い、再び陳雲樵の屋敷に向かう。
屋敷で春琴に憑りついていた黒猫が「生き埋めにされた復讐」で命令した皇帝と生き埋めにした役人の子孫を襲っていると知る。

楊貴妃の死のいきさつに鍵があると考えた空海と白楽天は関係者の資料を調べ、阿倍仲麻呂に行きつく。
阿倍仲麻呂の資料は残っていなかったが、その側室の白玲(松坂慶子)を訪ねると、阿倍仲麻呂の日記を持っていた。

それによると、阿倍仲麻呂は楊貴妃の美しさに魅了され、「極楽の宴」に招かれた際の様子を書き残していた。
猫が言ったように李白が清平調詞を書いたのは、楊貴妃に会う前だったが、決して嘘を書いたわけではない。

宴には幻術師の黄鶴(劉佩g=リュウ・ペイチー)とその息子(と養子)の白龍(劉昊然=リウ・ハオラン、声:東出昌大)、
丹龍(欧豪=オウ・ハオ、声:寛一郎)がいた。

やがて、安禄山が玄宗皇帝(張魯一=チャン・ルーイ―、声:イッセー尾形)に反旗を翻す安史の乱が起こり、
玄宗は長安を逃げようとするが、反乱軍は楊貴妃の処刑を要求。
困り果てた玄宗は黄鶴の進言に従って楊貴妃を尸解(しかい、尸はしかばねの意)の法によって、心停止状態にし、
後に蘇生する術を施す。
その死は陳雲樵の父によって確認され、石棺に入れられて廟に収められる。
そして、愛猫の黒猫も廟に閉じ込められた。

阿倍仲麻呂の日記には楊貴妃の廟の場所も書かれていた。
空海と白楽天はその廟を訪ね、石棺を開けると中身は空、しかし石棺の裏には楊貴妃がひっかいた跡が無数についていた。
黒猫が現れ、いきさつを語る。
楊貴妃にかけられた「尸解の法」は2日ほどした持たず、蘇生した楊貴妃は石棺を押しのけようともがいた。
白龍と丹龍は楊貴妃を蘇生させるために棺から出したが、時すでに遅し。
丹龍は蘇生を諦めその場を去り、白龍は楊貴妃に解毒を施したが、その分白龍が死に至ることになった。
そして、白龍の楊貴妃の傍にいたいという思いが猫に乗り移った。
白龍は復讐のために猫の姿で関係者を追っていた。

楊貴妃との思い出の「極楽の宴」が開かれた沈香亭で往時の宴が幻術によってあらわされる。
現れた瓜翁こそが丹龍だった。
丹龍にも復讐しようとする黒猫(白龍)だったが、丹龍は楊貴妃の遺体とともに白龍の遺体も保存しており、
それを見た黒猫(白龍)は全てを悟り死んでしまう。

空海は猫の死骸を楊貴妃の傍に置いてその場を去る。

白楽天は長恨歌の内容が正しいと確信でき、そのままで世に出すことにした。

後に白居易と呼ばれるようになる白楽天に対し、空海は李白を超えたと褒めたたえる。

空海は、それまで散々断られていた青龍寺への入門を許される。
出迎えた恵果上人こそが、丹龍その人であった。

**

空海の伝記、成長物語、あるいは空海と中国の関わりについての映画だと思ったら大間違い。
この点、邦題はずるい。
しかも、当初の邦題は「空海」だけだったようで、最初のチラシに副題の「美しき王妃の謎」の文字はない

 


さすがにカドカワもそれじゃまずいと思ったのか、キャッチコピーだった「史上空前の超天才が」「美しき王妃の謎に挑む」の一部を
副題に付け加えたようだ。

それでも「思ったのと違った」観客が多くいたことは想像に難くない。
このやり口は「怪盗グルーのミニオン大脱走」と同じ。

原題は「妖猫伝」、英語のタイトルは「Legend of the Demon Cat」

原作は夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」
2004年に完結した17年にもわたる連載物で、単行本は2004年から2011年にかけて何度も出版されている。
2004年の徳間書店版では全4巻1893ページ、2007年のトクマノベルズ版は全4巻1253ページ、
2010年の徳間文庫版は同2144ページ、2011年の角川文庫版は同2040ページと異なるが、
いずれにしても超大作である。

原作は空海と橘逸勢が協力して謎解きするらしいが、映画では空海の相手役が白楽天に変更されている。

*

真言宗開祖の空海の半生を描く物語ではなく、空海と白楽天が協力して皇帝の連続死の謎を解き明かす物語。
夢枕獏原作は知っていたが、「陰陽師」と同じ原作者と言うことには全く思い至らなかった。
監督も違う、キャストも違う、設定も展開も違うのに、どこか「陰陽師、中国版」と感じたのは間違いではなかった。

17年も続いた連載で、2000ページにもなる長い物語を2時間15分にまとめ上げるのだから、何を端折って何を盛るか、
脚本家と監督、それに編集の腕の見せどころではあろうが、それにしても雑い。

CGはすごいし、セットもすごい。出演者も豪華で、衣装も豪華絢爛。
衣装の美しさは「ヒーロー 英雄」、物量は「王妃の紋章」を思い起こした。

どこまでが実写でどこからがCGなのか、どれが実在のもので、どれがセットで、どれがミニチュアか、まったくわからない。
せっかく作ったセット、全部見せなきゃもったいないとばかり、空海と白楽天が歩く、歩く、歩く、歩く。

その割に建物などへの移動シーンは極力カット、いつの間にそこまで行った的な展開多し。

予告で空海が雪の中荷物を背負って旅立つシーン、断崖絶壁の細い道を行くシーン、荒海に翻弄されるシーンは、
本編とは一切関係ない。

 

 

       

  

 シェイプ・オブ・ウォーター   

ギレルモ・デル・トロ監督、サリー・ホーキンス、リチャード・ジェンキンス、オクタビア・スペンサー、
マイケル・シャノン、マイケル・スタールバーグ、ダグ・ジョーンズ

時は1962年。
米ソ冷戦の真っただ中、ソ連に宇宙ロケットの有人飛行で後れを取ったアメリカが焦っているような時代。

オープニングは水中を進む不思議な映像、そこにリチャード・ジェンキンスの声が被る。

目覚ましで目が覚めたエリザ・エスポジート(サリー・ホーキンス)は、食事をし、身支度をし、弁当を作り、
隣のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)に食事を渡して、バスで出かける。
エリザは聴力に問題はないが、声が出せない。

行く先は政府のオッカム航空宇宙研究センターで、エリザはそこで夜勤の掃除婦をしている。
同僚のゼルダ(オクタビア・スペンサー)はいつも旦那の愚痴ばかり言っているが、エリザの唯一の友達。

そんな毎日のある日、二人が清掃中の部屋に大きなタンクと共にストリックランド(マイケル・シャノン)が乗り込んできた。
ストリックランドは責任者のホフステットラー博士(マイケル・スタールバーグ)を呼んで、これからは自分が責任者だと名乗る。
タンクにはなにやら水棲生物が入れられていたが、それに近づいたゼルダとエリザは部屋を追い出される。

ストリックランドは、スタンガン警棒を所持しており、トイレでエリザが見たとき、それには血がついていた。

ある日、部屋から銃声と悲鳴が聞こえ、手を血だらけにしたストリックランドが出てきた。
その後、エリザとゼルダはホフステットラ―博士に呼ばれ、部屋の床を清掃するが、エリザは2本の指を見つけ届け出る。

エリザは度々一人でその部屋に入り、水槽内の生物の姿を見る。
それはまさに半魚人。エリザは生物に茹で卵を与え、音楽を聴かせるなどして警戒心を解いていく。

ある日、エリザはホフステットラー博士の制止にもかかわらずストリックランドがスタンガン警棒で半魚人を虐待しているのを目撃する。
半魚人はエラ呼吸だけでなく肺呼吸もできるようだった。
アマゾンでは現地人に「神」として崇められていたらしい。

ストリックランドの上司、ホイト将軍は宇宙開発などに役立てるため、半魚人の体の構造を探るよう指示していた。

一方、ホフステットラ―博士は実はソ連のスパイで、やはり半魚人の秘密を探るよう指示されていた。

半魚人の体の構造が分析できないストリックランドは半魚人の解剖を進言し、ホイト将軍の許可を得る。
ホフステットラ―博士は、半魚人の解剖を阻止するか、さもなくば殺せ、と命令されていた。

半魚人が解剖されると知ったエリザは、意を決して半魚人を救う(連れ出す)事を計画し、下準備を始め、
ジャイルズに協力を求める。

ジャイルズは首になった美術館の依頼で絵を描いていたが、美術館の責任者は何かと言い訳をしつつ、
ジャイルズの絵を買い取ろうとはしなかった。

絵の仕事を諦めたジャイルズはエリザの計画に同意し、バンにクリーニング屋の偽装をして、身分証などを偽造する。

一方、エリザの不穏な動きを察したホフステットラ―博士は、エリザに協力することを考える。
いよいよ、半魚人救出決行の日。
退所しないで隠れていたエリザは半魚人を連れ出しに行く。
ホフステットラ―博士はエリザの行動に気づくが半魚人をつなぐ鎖の鍵を渡し、水の塩分濃度や食事などの情報を与える。

エリザがいないことに気づいたゼルダは、エリザのタイムカードを押して退所を偽装し、エリザを探す。

ジャイルズは偽装したバンで研究センターに向かうが入り口の守衛に止められる。
ストリックランドは不審なバンに気づいて守衛に連絡しようとしたが、ホフステットラ―博士が守衛を毒で殺し、
ジャイルズを中に入れる。

当初反対していたゼルダもエリザに加担して半魚人をジャイルズの車に乗せて逃がす。
ホフステットラ―博士は爆弾で停電を起こし、混乱させる。
ギリギリで現場に着いたストリックランドだったが、ジャイルズには逃げられる。

エリザは半魚人を自宅の浴槽に入れるが元気がない。ホフステットラ―博士の指示通りの塩を足して事なきを得る。
こうして、しばし半魚人とエリザとの奇妙な同居生活、同棲生活が始まる。

ジャイルズも半魚人の美しさに魅入られて協力する。
しかし、ジャイルズが居眠りをした隙に半魚人は浴槽を抜け出し、飼っている猫を食べてしまう。
気づいたジャイルズを押し倒して外に逃げた半魚人だが、エリザのアパートの階下の映画館で一人立ち尽くしていた。

半魚人の奪取は、その手際の良さなどから、複数の特殊部隊による犯行とみなされていた。
エリザとゼルダもストリックランドからの尋問を受けるが、何も知らないと言い逃れることができた。

半魚人が日に日に弱っていくので、海に帰さなければならないと考えたエリザは、
大雨で川の水位が上がれば、海への水門が開くことを知り、天気予報に合わせて雨の日を待つ。

ホイト将軍に叱責され、後がなくなったストリックランドはホフステットラ―博士が怪しいとにらみ、張り込む。

半魚人を海に逃がす雨の日、連絡を受けたホフステットラ―博士はソ連のスパイと落ち合う場所に行く。
現れたのはいつもの連絡相手とは別のスパイ2人。
彼らは、ホフステットラ―博士を撃ち、殺害しようとしたが、追ってきたストリックランドに射殺される。

ストリックランドは、傷ついたホフステットラ―博士を痛めつけ、掃除婦が犯人だ、と知る。
ゼルダの家に行ったストリックランド、ゼルダの旦那がエリザが犯人とばらしてしまう。
ゼルダは旦那を罵りながら、エリザに急を告げる。

ストリックランドに一足早く、半魚人を連れて出たエリザとジャイルズ。
日めくりに書かれたメモで居場所を知ったストリックランドが追ってくる。

埠頭で別れを惜しむ半魚人とエリザ。
追いついたストリックランドはジャイルズを突き飛ばして、半魚人とエリザに銃を放ち、二人は倒れる。
ジャイルズは止めを刺そうと近づくストリックランドに近づいて一撃を食らわす。

倒れていた半魚人は立ち上がって、銃創をあっという間に治し、ストリックランドに一撃を食らわし喉を引き裂く。
そして、エリザを抱きかかえたまま海に帰る。

ジャイルズはそんな二人を見つめる。
海に沈んだ半魚人とエリザ。
半魚人がエリザの首に切り傷を入れるとそれはエラに変化し、二人は水中で抱き合うのだった。

**

ギレルモ・デル・トロ監督お得意のダーク・ファンタジー。
主人公とその相手役がともにセリフがない異色作。

異端、異形、異文化などへの偏見に対する皮肉も交えており、けっして若い女性受けを狙った作品ではない。
シリアスな場面だけでなく、そこここに笑えるシーンがあるが、現実にもありそうなもので違和感はない。

半魚人が単なる異形の半魚人ではなく、治癒力などを持った超人的存在として描かれる。
時々体の模様が青く光り、姿にビビるリチャード・ジェンキンスにも「美しい」と言わしめる。

演じるダグ・ジョーンズはギレルモ・デル・トロ監督の「パンズ・ラビリンス」でも異形の怪物を演じているほか、
同監督の「ヘルボーイ」でも半魚人のエイブ・サピアンを演じている。192cmの長身。

人の良い店員が、黒人にあからさまな差別をしたり、ホモっ気に嫌悪感を示したり、当時のアメリカの気質と言うか、
差別や偏見がごく普通に存在していたことを示す場面もあったり。

マイケル・スタールバーグはホアキン・フェニックスに似ている。
「メッセージ」や「ドクター・ストレンジ」にも出ていた。

サリー・ホーキンスの出演作は何本か見ているが出演の記憶がない。
ハリウッド版(渡辺謙版)の「ゴジラ」に出ているし、その続編にも同じ役で出ているので
それなりに重要な役だと思うが、全く覚えてない。

アマゾンで捕獲したと言う割には塩水に棲むのはどういうことか。
「海に帰す」ことと「未開の地で現地人に崇められている」ことの辻褄合わせにしてはきつい。

猫のようにいざと言うときに爪が出る方が、半魚人の感情がわかりやすくなって良かったかなとも思う。

 

 

                      

  グレイテスト・ショーマン 

ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズ、ザック・エフロン、ゼンデイヤ。

19世紀前半、PT(フィニアス・テイラー)バーナムは、仕立て屋の息子で父を手伝っていた。
金持ちの令嬢、チャリティと知り合うが、チャリティの両親は彼女を寄宿学校にいれてしまう。
PTバーナムはチャリティと文通を続けるものの、父の死で孤児となって非常に苦労しながら育つ。

そしてついに大人になったバーナム(ヒュー・ジャックマン)はチャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚。
ただ、チャリティを迎えに行った時には彼女の父に激しい嫌味を言われる。

ボロアパートに住みながらも、バーナムはチャリティとの間にキャロラインとヘレンの二人の娘を授かる。
しかし、勤めていた商社が台風で船を失い倒産、解雇されてしまうが、その際(沈没した)船舶の登録証を勝手に持ち帰る。

旦那が首になっても明るいチャリティ。
バーナムは「珍しいもの」を展示する博物館を思いつき、船舶登録証を担保に銀行から金を借りる。
しかし、宣伝空しく、「バーナムのアメリカ博物館」に客はほとんど入らない。
娘の「生きたもの、動くものじゃないとだめ」の言葉にヒントを得て「珍しい人」を募集する。

他人と違う容姿、風体(ふうてい)で、引きこもりなどになっている、小人や歌のうまいひげもじゃ女をスカウト、
体中毛むくじゃら、のっぽやデブッチョを採用しては、特徴を盛って宣伝。

空中ブランコのウィーラー兄妹(妹=アン、ゼンデイヤ)らも雇って、博物館でショウを始める。
宣伝のうまさと物珍しさで客入りは上々。
舞台演出家のフィリップ・カーライル(ザック・エフロン)を雇い、さらに人気が上がる。

どんどん人気が上がり、バーナムは金回りが良くなり、豪邸を買い、娘たちを上流家庭の子女が通う学校に入れる。

しかし、金持ち連からは成り上がり、成金と煙たがれる。
また、批評家からは詐欺師、ペテン師と酷評され、一部の民衆からは反対デモを掛けられる。
バーナム一座の面々をフリーク、サーカスと軽蔑していたが、バーナムは気にせず、逆に自ら一座をサーカスと呼ぶ。

カーライルが手をまわして、バーナム一座はビクトリア女王に謁見することになった。
親指トム将軍(サム・ハンフリー)が失言するが女王が笑って事なきを得る。

その後のパーティでバーナムは、スウェーデンの歌姫、ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を口説き落とし、
アメリカで公演させることに成功する。

公園は大成功し、上流階級の仲間入りができたと喜ぶバーナムは、従来の仲間に冷たくし、
さらには、リンドの全米ツアーを計画し、チャリティやカーライルの忠告を無視して、リンドに同行する。

公演が終盤に差し掛かった時、リンドはすっかりバーナムに心を奪われていたが、
バーナムはそれまでないがしろにしていた妻や子供のことが気になり、ツアーを途中で抜けて帰郷する。
リンドはバーナムに落胆して講演を打ち切って帰国してしまう。

その頃、一部の反対勢力はバーナムの一座の客に紛れ込んで観客席から罵声を浴びせ、喧嘩となり、
遂には火をつけて逃げる。

バーナムはリンドの公演の同行を止めて帰省したが、ちょうど火事に遭遇し、劇場に急ぐ。
アンの行方が分からないことに焦ったカーライルが火の中に飛び込んで戻ってこない。
バーナムが後を追って助けたものの、カーライルは大けがをする。

カーライルは入院、アンは看病につく。

劇場が焼け落ちてしまったうえにリンドが公演を止めてしまったせいでバーナムは借金を抱え、
家も差し押さえられ、妻と子は実家に戻ってしまう。

団員も雇い続けられないと失意のバーナムに対し、団員はみんな家族だとバーナムを励まし、
一緒に焼跡の整理を始める。

やがてカーライルは、意識が戻り、元気を取り戻す。
カーライルはバーナムに自分の貯金を提供してサーカスの再建を申し出る。
バーナムは、建物の再建は止め、広場にテントを張ってサーカスを再開する。

バーナムは妻と娘たちを連れ戻し、幸せな生活が戻る。

**

ミュージカル。
はっきり言ってストーリーに大きなひねりはない。
栄光、挫折、復活のハッピーエンドの王道ストーリー。
残酷なシーンや暴力シーンもなく安心して見られる万人向けの映画。

おそらくはほとんどンのキャストが本当に歌っている。
ただ、レベッカ・ファーガソンの歌声は、ローレン・オールレッドの吹き替えと思われる。

ひげもじゃ女役は、ケアラ・セトル(Keala Settle)。
空中ブランコの女性はゼンデイヤ(Zendaya)。
178cmの長身で、本作では空中ブランコの特訓を行ったらしい。

バーナムはショーマンと言うよりプロモーター。
宣伝がうまく、今なら「誇大広告」になるようなものらしいが人気を博したらしい。

バーナムがジェニー・リンドの全米公演を成功させたのは事実で、途中で手を引いたのも事実らしいが、
リンドはバーナムとは円満に手を切り、その後もアメリカ公演を続けたらしい。
帰国後、公演中にピアニストだった男性と結婚、アメリカ公演で稼いだ金で慈善事業も行い名声を博したようだ。

 

 

                     

  

 マンハント 

福山雅治、桜庭ななみ、竹中直人、張涵予(チャン・ハンユー)、国村隼、池内博之、チー・ウェイ、アンジェルス・ウー、
河智苑(ハ・ジオン)、戚薇(チー・ウェイ)。

演歌流れる中、一人の男(チャン・ハンユー)が居酒屋に入る。
女性店員の一人(アルジェルス・ウー)は店じまいだと言うが、もう一人(ハ・ジオン)が男を店に入れる。

暫くするとやくざの集団が店に入り、一悶着あって男は追い出される。
女性店員は着物を脱ぎ棄てるとやくざの集団を皆殺しにして店を出る。

何処かの地下駐車場でタンクローリーに爆薬を仕掛け、社長の息子を人質にした男二人が要求を出す。
TVカメラマン(福山雅治)が近づき、男の一人(斎藤工)が油断した瞬間、男をねじ伏せて逮捕する。

あべのハルカスの高層階で天神製薬のパーティが行われていた。
社長の酒井義広(国村隼)は、謝辞を述べた後、顧問弁護士のドゥチウ(チャン・ハンユー)の転属と
息子の宏(池内博之)の次期社長就任を発表する。

会場にいた田中希子(TAO、岡本多緒)は、ドゥチウに合図を送って先に会場を離れる。

ドゥチウは、会場で会った遠波真由美(チー・ウェイ)に家まで送ってもらうが、翌朝目が覚めるとベッドの隣で田中希子が死んでいた。
すぐに警察を呼ぶが、お手伝いさんはドゥチウが殺したと言って聞かない。

大阪府警の浅野(トクナガ・クニハル)は、マスコミを避けると言ってドゥチウを裏口から連れ出し、
同僚刑事を撃ち殺して、ドゥチウも殺そうとする。
ドゥチウは逃げ、逃げ、逃げ、ホームレスらが集まって暮らす集落に入り込み、中国人だと言う坂口秀夫(倉田保昭)に匿われる。
しかし、警察の捜査の手が伸び、再び逃げ、逃げ、逃げる。

一方、矢村聡(福山雅治)刑事と新米部下の百田里香(桜庭ななみ)は、あまりにもできすぎた事件に疑問を抱き、
独自に捜査を始める。

ドゥチウは天神製薬社長に連絡を取り助けてもらおうとするが、やってきた青木弁護士(ジョー・ナカムラ)は、
ドゥチウを狙う殺し屋(居酒屋の女たち)のドーン(アルジェルス・ウー)とレイン(ハ・ジオン)に撃たれて死ぬ。

ドゥチウは逃げるが、捜査中の矢村に見つかり、ジェットスキー(水上バイク)の追いつ追われつとなって逃げ、
遠波真由美に助けられ、新幹線で逃亡する。

実は遠波真由美のフィアンセだった北川正樹(田中圭)は、天神製薬から新薬の企業秘密を盗んだとして訴えられ
敗訴して自殺していたが、その裁判の天神製薬側の弁護士がドゥチウだった。

矢村は遠波真由美が事件に関わっているとみて彼女の牧場を訪ね、遂にはドゥチウと自分を手錠でつなぐ。
しかし、レインやドーンをはじめとするバイク軍団が牧場を襲い、激しい銃撃戦の末、敵の大半を倒して
ドゥチウと矢村、遠波真由美は逃げる。
この際、負傷したドーンは天神製薬の新薬を打って痛みに耐えようとするが、副作用で死んでしまう。

途中、矢村は重傷を負ってしまい、ドゥチウを解放して逃がす。

一方、浅野はドゥチウの殺人容疑は、自分が社長の息子の宏の犯行を隠ぺい工作したものだとばらし、
金を要求するがレインに殺されてしまう。

ドゥチウは遠波真由美から天神製薬が痛み軽減の新薬の人体実験をしていると聞き、大阪のホームレスに紛れて
臨床試験のモニターとして入り込む。

天神製薬の実験で新薬を注射された坂口は痛みを感じず、狂暴な怪力の持ち主となる。
ドゥチウも実験に使われて新薬を注射される。

新薬はスーパー兵士を求める組織に高く売りつけるために開発されていた。

入院中の矢村は怪我を押して天神製薬の研究所に乗り込み、新薬開発コードと引き換えにドゥチウに会うが、
既に狂暴化していたドゥチウに痛めつけられる。

しかし、それはドゥチウの芝居で、二人で協力して天神製薬のガードマンを倒し、遂には宏を倒す。
社長の義広は息子の死で自暴自棄となり、自殺してしまう。

こうして事件は解決し、街には平和が戻る。

映画終了後に、福山雅治とジョン・ウー監督の対談(数分)の様子が上映され、
映画の制作秘話みたいな話が語られる。

**

途中で開いた口が塞がらない、というか物語はものすごく薄っぺらい。
アクションはなかなか見ごたえがあったと言えなくもないが、
そもそもの殺人動機、張涵予に罪をなすり付けなければならない理由、
戚薇が張涵予に肩入れする理由、河智苑が福山雅治を想う理由も安直で、
国村隼の悪行にしても取って付けたようで、展開の全体、すべてが浅い。

桜庭ななみの設定も薄っぺらく、福山雅治との関係も浅いし、彼女の成長物語にもなっていない。
竹中直人や斎藤工も無駄遣い。

TVの2時間ドラマでもまだましと言えるかもしれない。

原題は「追捕」。
「君よ憤怒の河を渉れ」の中国公開時のタイトルと同じ。
中身はかなり違うようだ。

未見だが名作と言われる高倉健の「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイクとはちゃんちゃらおかしい。
もっともオリジナルも展開は相当適当だとの意見もなくはない。

テキトーと言えば、昔の映画は結構テキトーでギターを背負って馬に乗って登場する元刑事など、
現実世界では絶対にありえない突拍子もない設定の映画もあったりする。

ところで「君よ憤怒の河を渉れ」は1976年の映画。
日本ではロッキード事件が発覚し、ピンクレディがデビューした年。
日本でヒットした映画には「ジョーズ」「オーメン」「犬神家の一族」などがある。

オープニングは古い昭和演歌風。
ひょっとしたら「君よ憤怒の河を渉れ」のコピーかオマージュかも。

多くの人が言及しているが、セリフは明らかにアフレコ。
時々口と音声が合っていない場面がある。

以前は中国語のセリフの場合、正確に発音するため中国人で吹き替えているのかもしれないと思っていたが、
どうもそうではなさそうだ。

中国製映画では「広東語」と「北京語」の2種類を作るため、どうせアフレコが必要になるので、
セリフはアフレコが一般的、なんて話(都市伝説?)を聞いたこともある。
そういえば「カンフーヨガ」もアフレコだった。

ただ、「セルラー」の香港リメイクである「コネクティッド」(保持通話)では、北京語と広東語の違いが
重要なキーになっており、必ずしも北京語版と広東語版があるとは言えないし、この映画でも日本語、英語、中国語が飛び交い、
同じ人が複数言語を操っているので、アフレコだとしても別人を割り振る配音演員(吹き替えキャスト)だとばれるはずだが、
そのようには感じなかった。

監督は、ジョン・ウー(呉宇森、吴宇森)で、暗殺者の太いほう、ドーン役のアンジェラス・ウーは監督の娘。
こういう合作映画の場合、邦画とするのか洋画とするのか迷う。
邦画、洋画のそれぞれをどう定義するのかにもよると思うが、自分の記録上は「邦画」か「邦画ではない」かを区別しており、
今作は「邦画ではない」としておく。

 

 

       

 

 不能犯   

松坂桃李、沢尻エリカ、新田真剣祐、間宮祥太朗、小林稔侍、芦名星、安田顕、矢田亜希子。

通称、電話ボックスの男。
殺したい人物を殺してくれる、でも、その理由が不純だったら・・・・

喫茶店で取り立て電話を掛ける闇金の木島。
電話を切った木島の前に立つ「電話ボックスの男」(松坂桃李)は水にガムシロを入れ、蜂がいっぱい入った瓶のふたを開ける。
蜂に襲われた木島がのたうち回るのを横目に男は立ち去った。

男の死因は心筋梗塞、まるでハチに刺されたような体中の腫れは原因不明。
このところ、原因不明の死亡事故が続いている。

多田友子(沢尻エリカ)と新人刑事、百瀬麻雄(新田真剣祐)は、その現場で目撃された黒服の男が
喫茶店の防犯カメラにも写っているのに気が付いた。

サラリーマンの羽根田健(忍成修吾)とその妻、桃香(水上京香)は、近所の町会長、鳥森広志(小林稔侍)に悩まされていた。
外から家の中をのぞいたり、家から出したゴミを探ったり、そしてついには健の留守に桃香が鳥森に襲われたのだ。
怒りに鳥森に問い詰める健に、すべて警察に明らかになるぞ、それは桃香さんにも都合が悪いのでは、とうそぶく。

健はついに「電話ボックスの男」に鳥森の殺害を依頼する。

鳥森が公園で寛いでいると「電話ボックスの男」が、鳥森が吸っているのたばこに毒が入っていると言う。
鳥森が焦って飲んだ水はたばこの灰汁入りだった、鳥森はのたうち回って死ぬ。

「電話ボックスの男」は、健に鳥森が死んだことを伝える。
男は「今日からの出張は止めて家に戻ったらどうですか、鳥森がごみから盗んだものをお返しします」と言って封筒を渡して去る。
健が封筒の中身を確認すると、鳥森の日記と麻薬の注射器が入っていた。
日記には桃香が麻薬をやっていてその証拠をつかんだ、止めるよう説得したが拒絶された、とあった。

家に入った健が見たものは麻薬で意識朦朧となっている女性と男性とそして桃香。
健は怒り狂って男性と女性を殴り殺し、そして桃香は健を刺すが健に殴り殺されてしまう。

現場に来た多田友子と百瀬麻雄が現場検証をしていると、野次馬の中にあの男の姿があった。
任意同行に素直に応じた男は宇相吹正と名乗った。

尋問には夜目美冬(矢田亜希子)が当たる。
夜目の問いに宇相吹が「僕はやってません」と答えると夜目は狼狽える。
さらに「虫が刺した」と言って宇相吹が夜目の腕を舐めると赤く腫れあがったが、害になるようなものは検出されない。

心理学を専攻していた百瀬はマインドコントロールによるプラシーボ効果ではないかと推理するが、
仮にそうであっても、それが人を死に至らしめることはあり得ない。
例え殺害を意図していたとしても、実現不可能な方法で実施しようとするのであればそれは「不能犯」

その夜、夜目は入浴中に手首を切って死んでしまう。
かつて夜目が痴漢の疑いで捕まえた高校生が尋問中に「僕はやってません」と答え、その夜留置場で
「僕はやってません」のダイイングメッセージを残して首をつって死んでしまっていた。

その高校生は鑑識の河津村宏(安田顕)の息子だった。
当時、一切夜目を責めなかった河津村宏だが、実は夜目を憎んでおり宇相吹に殺しを依頼したのだったが、
同僚の目の前ですべてを白状してしまい、逃げる途中階段から落ちて首が折れて死ぬ。

宇相吹を捕まえられないもどかしさに多田友子はかつて自分が補導した川端タケル(間宮将太朗)の働く居酒屋で憂さを晴らす。

その頃、宇相吹の事件とは別に世間を騒がしている連続爆弾事件があった。
百瀬麻雄はいつものラーメン屋で食事しているときに店が爆破され、重傷を負ってしまう。

デリヘル嬢の木村優(真野恵里菜)は両親の離婚で別れた姉の夢原理沙(芦名星)を憎んでいた。
父の連れ子となった優は借金苦から風俗に身を落とし、母の連れ子だった理沙は今は有名ジュエリーデザイナーで、
近々大病院の次期院長と結婚する予定だった。
優が理沙のジュエリーショップを訪れた際には無視され恨みが募った。

優の依頼を受けた宇相吹は理沙と接触。油まみれの手で理沙を触る。
怯えた理沙は運転中にブレーキが利かず衝突事故を起こす。

理沙は婚約者の病院に入院したが、多田は理沙がなぜ死ななかったのか不思議だった。
理沙は入院中に婚約者の不義を疑うようになり、遂には婚約者を刺し殺してしまう。

依頼実行の連絡を受けた優は喜ぶが、理沙宛の荷物を届けたと言う。
そこには、理沙の結婚式の招待状と、以前優が店を訪れた際に狼狽えて無視してしまったことの詫びが書かれていた。
姉の人生をぶち壊してしまった優は首を吊って死んでしまう。

全て宇相吹のせいだと感じた理沙は、多田のコンビとなった若松亮平(菅谷哲也)を人質にして宇相吹のアジトに行くよう指示。
宇相吹の目の前で自ら首を切り凶器を宇相吹に握らせた理沙は絶命。
理沙に切られていた若松も死ぬ。

宇相吹は逮捕されるが、結局は多田が理沙は自殺だと証言して宇相吹は釈放される。
宇相吹は多田友子にはマインドコントロールが効かないこと、自分を止めるには殺すしかないと言う。

相変わらず昏睡状態の百瀬を見舞う多田に川端タケルが、差し入れを持ってくるが、
差し入れを食べた多田は眠ってしまう。
多田が気が付くとタケルは病院と幼稚園に爆弾をセットし、どちらかを爆破しろと迫る。
そこに宇相吹が現れ、居酒屋の先輩、桜井俊雄(今野浩喜)にタケルの殺害を依頼されたと言う。

タケルをコントロールする宇相吹を刺した多田はタケルに手錠を掛けて爆弾を探しに行く。
病院と幼稚園を非難させ、百瀬の病室から持ち出した爆弾は屋上で爆破させて被害を回避。
幼稚園の爆弾も処理されて事なきを得た。

タケルは手錠を外して逃げようとしたが傷を負った宇相吹がタケルの作った爆弾が足元にあると思わせて爆死させる。

爆弾事件は解決したが、宇相吹は相変わらず自由。
宇相吹に再会した多田が「私は希望であんたを殺す」と言い放ったところで映画は終わる。

映画全体はあまり気分のいいものではなく、クズばかりが出てくる。
全体としては「因果応報」「人を呪わば穴2つ」と言ったもの。

同様の印象を持った人も多いと思うが、エピソードが多過ぎる。
微妙に展開を被せてはいるが、おそらく元々は別々の物語を1本の映画にしているからだろう、
起伏が少なくクライマックスの盛り上がりがいまいち。
というか、どこを中心に据えようとしたのかわかりにくい。

タケルの物語をメインにしてもう少し膨らませ、後は軽く流すか端折っても良かったのでは。

マインドコントロールに落ちるシーンのCGはなかなか面白い。

「不能犯」と言う言葉は原作マンガの造語ではなく、実際に刑法学上の概念としてあるものらしい。
不能犯の分かりやすい例としては、呪い殺すための「呪いの儀式」で、それで相手が死んでも罪にはならない。

ネットには他にもいろいろと不能犯とされる事例が書かれているが、殺人罪にはならないかもしれないが、
犯罪として成立しないのかは疑問が残るものが多い。

ただ、マインドコントロールが全て不能犯かと言うと必ずしもそうではない気がする。
相手が自分で(妄想で)外傷を負ったり、死んでしまっても罪には問えないかもしれないが、
第3者に危害を加えた場合は違うのではないか。
本人は自分の意志でやったと思っていても、傍から見て他人に支配されて犯罪を起こしたとされるなら、
罪に問われる可能性はあるのではないか。

少なくとも死にかけの人物を前にして、どこにも通報しない、救護の要請もしないのはまずくないか。
さらに言えば、一般人の被害もさることながら、刑事が2人死んでいる事案で警察が放っておくのかは疑問。

 

 

                      

  祈りの幕が下りる時   

阿部寛、溝端淳平、松嶋菜々子、小日向文世、及川光博、伊藤蘭、山崎努、田中麗奈、キムラ緑子

葛飾区小菅。
アパートの住民から通報があり、警察が駆け付けたところ、女性の絞殺腐乱死体が発見される。
被害者は滋賀県の老人介護施設で働く押谷道子。
部屋の借主は越川睦夫だが、行方不明。

現場を確認した松宮修平(溝端淳平)は何もない部屋に違和感を感じる。
それは、まるでホームレスの部屋のようだった。

実はつい先日、ホームレスの焼死体が発見されていたが、その死因も絞殺。
松宮は焼死したホームレスと越川睦夫が同一人物ではないかと考えるがDNA鑑定の結果は別人。

それでも気になる松宮は、従兄妹で日本橋署刑事の加賀恭一郎(阿部寛)に相談。
DNA鑑定の対象となった遺留品が偽装されている可能性を示唆し、再鑑定の結果、DNAはずばり一致した。
しかし、ホームレスが本当に越川睦夫なのか、作成された似顔絵が越川なのかは疑問が残った。

押谷道子の足取りを調べると、老人介護施設に居座る通称201号さん(キムラ緑子)という素性不明の女性が
幼馴染で演出家の浅居博美(松嶋菜々子)の母だと気づいた押谷が、浅居に母を引き取るように
話すため上京したまま、行方不明になっていることが判明。

加賀と松宮は浅居博美に話を聞きに行く。
実は加賀は浅居に面識があった。
何年か前に舞台の殺陣の演出の参考にと浅井が若手俳優を連れて加賀に剣道の指導を受けに来たことがある。
その時、浅居は加賀に自分は人殺しで女優として芽が出始めた頃に子供を堕したことがあると言った。

浅井によれば、押谷は浅居の母を引き取るよう依頼に来たが、浅居は男と逃げた母の借金のせいで夜逃げ、
父は自殺に追い込まれ、自分は養護施設で過ごしたため、母を引き取るつもりはないと断ったとのこと。
その後、押谷は舞台を見たいと言い出したが、初日直前で空きがないと断ったとのことだった。

暫くして常盤橋で松宮と会った加賀は、越川の部屋のカレンダーの4月に常盤橋とあったと聞き、
1月柳橋、2月浅草橋、3月左衛門橋、そして、5月一石橋、6月西河岸橋、7月日本橋、8月江戸橋、
9月鎧橋、10月茅場橋、11月湊橋、12月豊海橋とすべて言い当てる。

加賀の母、田島百合子(伊藤蘭)は幼かった恭一郎を残して失踪、恭一郎は家庭を顧みない父、隆正(山崎努)のせいだと考えた。
田島百合子は仙台でスナックに勤め、港の見えるアパートで独り暮らししていたが、16年前に突然死。
田島百合子と内縁関係にあったと言う綿部俊一から連絡先を聞いたアパートのオーナーから連絡を受けた加賀恭一郎が、
母の遺品を引き取りに行き、その中にあったカレンダーに同じ筆跡で、同じ橋の名が書かれていた。

加賀は母の様子を聞きたいと考え、綿部がよく行っていたと言う日本橋界隈を探すため、日本橋署にいるのだった。

加賀と松宮は川から橋を調べるが、7月は日本橋の橋洗いで大勢の人が集まると聞く。

加賀と松宮は越川と渡部が同一人物ではないかと考える。
加賀は「日本橋の橋洗い」の写真から似顔絵の男を探し始める。

一方、松宮は浅居の中学時代を調べ、当時の担任の苗村誠三(及川光博)が、浅居に紡績のペンダントを贈り、
それを浅居がしていることを突き止め、苗村が似顔絵の男ではないかと睨むが、全くの別人とわかる。

加賀は膨大な写真の中から浅居が橋洗いの当日、橋の上で電話を掛けている様子が写っているのに気づく。
加賀は浅居が何年か前に自分を訪ねてきたことが偶然ではないと考えて推理を進める。

加賀は浅居の素性を調べ直し、父が投身自殺したとされる地元の商業ビルには自殺の記録はなく、
実際には福井県で崖から飛び降りていたことが分かる。

さらに、焼死体の越川/綿部と浅居のDNA鑑定をした結果、99.9%親子であると判断された。
死んだはずの父と焼死体が同一人物とは。

問い詰める加賀に浅居はいきさつを話す。
それは、浅居が14歳(桜田ひより)のころ、借金を残して失踪した浅居の母のせいで、借金取りに責められ、父子で夜逃げ。
父の忠雄(小日向文世)が金もないのに高級旅館に泊まり死ぬ覚悟だと感じた博美は、
途中で出会った横山と言う原発作業員に体を売る覚悟をするが、結局、横山を刺し殺してしまう。
父、忠雄は横山に自分の衣服を着せて崖から落とし、自分は横山に成りすまして原発を転々として働いていた。
博美には父はいなくなったと言わせて自殺と断定させ、養護施設に入った博美はその後女優、そして演出家として脚光を浴びる。
明治座での演出の初舞台を客席から見ていた忠雄を見かけた押谷が声をかけたため、自分が生きていることがばれれば
すべてパーと考えた忠雄が押谷を絞め殺して放置したのだった。

忠雄は、以前にも博美と会うために泊まったホテルの近くで苗村に偶然会い、同じように殺してしまっていた。
忠雄は押谷を殺した後、灯油をかぶって焼身自殺しようとしたが、以前「焼け死ぬのはいやだ」と言っていた父の言葉を
思いだした博美が首を絞めて殺し、火をつけたのだった。

博美が加賀を訪ねたのは、偶然ではなくかつて父が愛した人、田島百合子の子供に会ってみたいと考えたから。

忠雄が偽名を使って恭一郎に遺した手紙には、母の生前の様子や、博美も見た加賀が表紙になった剣道雑誌が同封されていた。

母の生前の様子がわかり、後年愛した相手のことや、父とのわだかまりも解消し、加賀はついに本庁への異動を受け入れ、
松宮と同僚になることが決まったところで映画は終わる。

**

エンドロールで映画本編には出てこなかった人物がカメオ出演。
恵俊彰、杏、香川照之、他にもいたような気が。

時系列的にも長く、複数の家族関係を絡め、人物の相関が結構ややこしいがまったく破綻せずに展開、うまくまとめた。
家族、親子が重要なテーマであるのは、前作の「麒麟の翼」も同様だが、今作は加賀恭一郎自身の家族関係が大きい。

最後は、松嶋菜々子の自白で解決するわけだが、自白以外の証拠がないように思える。
小日向文世の過去についても、既に20年以上前に処理されてしまっているわけで、今更法的にどうにかできるのか。
つまり、この後、仮に松嶋菜々子が否認に転じたら(あれは全部嘘、妄想でした、演出家なのでとでも言うとしたら)
検察は起訴し、公判維持できるのか疑問に思った。

事件解決の急展開となる常盤橋。
今、常盤橋界隈は再開発工事で、常盤橋時代も幕で覆われているはずで、撮影がいつだったのかは気になった。

なお、「ときわばし」には「常盤橋」と「常磐橋」があり、「常磐橋」は人道橋で東日本大震災の影響もあって、
現在改修工事により、解体復元中。

映画に出てくる「ときわばし」は「常盤橋」の方で、背後に日銀の本館(旧館)が見えるので、
橋の南側、日本ビルの東側から撮ったものと思われる。
蛇足だが、日本ビルも建て替え工事中だそうだ。

「常盤橋」の他「日本橋」「江戸橋」はよく通る。
新大橋通りから昭和通りに抜けるのに、蛎殻町で右折して東京証券取引所方向へ向かうのが「鎧橋」
ここは何度となく通っているが、橋の名前は知らなかった。
蛎殻町で右折せず、斜め左に進むと茅場橋。その先は永代通り。

豊海橋は永代橋のすぐそばなので近くはよく通るけど、橋は知らなかった。

混雑する日本橋では身バレはしないだろうが物のやり取りは難しい。
終盤の電話シーンは柳橋らしいが、あれだけ人通りが少ないとかえって目立つ。
撮影のために人を止めたのか、いつもあんな調子なのかは気になるところ

原作者が東野東吾なのでもちろんよく調べてあることだとは思うが、何故これらの橋なのかは聞いてみたい。

 

 

                     

 

 ジオストーム  

ジェラルド・バトラー、ジム・スタージェス、アービー・コーニッシュ、エド・ハリス、アンディ・ガルシア、
アレキサンドラ・マリア・ララ。

**

地球温暖化、異常気象。
人類は国際宇宙ステーションと1270基の気象コントロール衛星を組合せ、悪天候などを完全に制御することに成功した。
しかし、その開発責任者で、運用の責任者であったジェイク・ローソン(ジェラルド・バトラー)は、
独断で気象を操作したことにより査問委員会にかけられ、さらに委員会の議長に反抗的な態度を取ったため、
責任者を解任され、後任には弟で大統領補佐官のマックス(ジム・スタージェス)が指名された。

それから3年。
酷暑のアフガニスタンの砂漠のど真ん中で、局所的に極低温が発生し、数百人の住民が氷漬けとなって凍死する事件が起きた。
事件は極秘とされ、対策会議がアメリカ大統領パルマ(アンディ・ガルシア)の主催で行われた。
マックスの進言により、技術者を1人だけ宇宙ステーションに送り込み、アフガニスタン向けの気象コントロール衛星を調査することとなった。
マックスは国務長官のデッカム(エド・ハリス)の指示により、不本意ながら兄のジェイクの説得に向かう。

ジェイクは解任されマックスが後任になったことを未だに根に持っており、一旦は反発するが、
自分が衛星システムの細部に一番詳しいことを自覚しており、娘ハンナ(タリサ・ベイトマン)に反対されながらも
宇宙に行く決意をする。

その頃、国際宇宙ステーションでは、回収され交換されたアフガニスタン用の気象コントロール衛星からデータを抜き取った隊員が、
気密扉の不具合により宇宙に投げ出されて死亡する事故が起こっていた。

ジェイクは一人スペースシャトルに乗って宇宙ステーションに入る。
現在の宇宙ステーションの女性指揮官のファスビンダーとともに、原因究明にあたる。
主要な技術者はみなジェイクに懐疑的で怪しかった。

その頃、香港では地下埋設ガス管が次々と破裂し大火災を起こしていた。
破裂火災の直前、異常な高温になっていたことに気づいたチェン・ロン(ダニエル・ウー)は原因分析しようとしたが、
香港用気象コントロール衛星にアクセスできないことに気づいた。

チェンを妨害しようとする勢力がいることも分かった。
チェンはさらに調査を進め、アメリカに入ってマックスに会う約束をする。

その頃、国際宇宙ステーションでは香港用の気象コントロール衛星を回収し分析しようとしたところ、
ロボットアームが暴走して衛星や周辺機材を破壊、データも消失してしまう。

一連の事故の唯一の手掛かりは、死んだ隊員が投げ出されたときにパネルの一部が国際宇宙ステーションの外壁に引っかかっていたこと。
これを回収に向かったジェイクとファスビンダーだが、宇宙服のジェットが暴走し、ジェイクが危うく死にそうになる。
隊員にはパネルを喪失したと嘘を言い、回収したドライブを検査したが問題はなかった。

続いてジェイクは死んだ隊員がアフガニスタン用衛星からデータを抜いていたことを監視カメラのビデオから知り、
ロッカーに行き、データを見つけ、気象コントロール衛星にウィルスが仕込まれていたことが分かる。

一方、マックスと会うためワシントンに来たチェンはその直前何者かによって突き飛ばされて車に跳ねられ、
「ゼウス」と言い残して死ぬ。

マックスは部下のダーナ(ザジー・ビーツ)に情報を探らせる。
しかし「ゼウス計画」ば極秘扱いとなっていてダーナにもマックスにもアクセスできない。
マックスは恋人でシークレット・サービスのサラ・ウィルソン(アービー・コーニッシュ)に規律違反承知で
ホワイトハウスのデータにアクセスさせ「ゼウス計画」が気象コントロール衛星を兵器として使うシミュレーションだと知る。

いくつかのシミュレーションのうち、アフガニスタン、香港、リオと破壊するケースでは次は東京だった。
そしてその次は、党大会が開催され、大統領の演説が行われるオーランドだった。

ある程度の異常気象が連続して起こると、後は連鎖反応で地球規模の異常気象=ジオストームが発生する。

一方、ジェイクは一連の事件は大統領の命令で行われた陰謀であると結論付け、
マックスに暗号で気象コントロール衛星を停止させる命令(キルコード)を大統領に内緒で探るよう指示する。

マックスは大統領に同行してオーランド入りするが、デッカム国務長官に嘘を見抜かれる。
マックスはデッカムに大統領が仕組んだ陰謀だと告げるが、実は犯人はデッカムだった。
マックスはサラと共謀してテロをでっちあげ、大統領を誘拐して逃げる。

その頃には気象コントロール衛星の暴走は手が付けられず、ムンバイ、ドバイ、モスクワと異常気象が連続して起こる。
ジェイクは暴走している気象コントロール衛星に代替機を打ちつけて壊す事に成功したものの
国際宇宙ステーションの自爆プログラムが開始してしまう。

次々とシャトルで退避する隊員たち。
ジェイクはダンカン・テイラー(ロバート・シーハン)がウィルスを仕込んだ犯人だと見破る。
テイラーは、ジェイクと格闘の末宇宙に放り出される。

地上では、デッカムを逮捕、大統領の生体認証でキルコードが国際宇宙ステーションに送られる。

ジェイクとファスビンダー以外の隊員は全員退避。
何とかキルコードの投入に成功したジェイクだったが、自爆プログラムは停止できない。
交換用衛星の内部に乗り込んだジェイクとファスビンダーは姿勢制御用のジェットでSOSを送り、
退避中のシャトルに拾われて助かる。

気象コントロール衛星網は再構築され、地球に平和が戻る。

カタストロフィー・ムービー。

異常気象の表現はすごいと言うしかないが、もし現実に起こったとしたら後始末はどうするのだろうか。

人為的に天候をコントロールしようとすることで起こる天変地異。
ラストはハッピーエンドだが、そもそも科学の力を過信した人間の傲慢の結果ではないのか。
雨を降らせたり、超高温や極低温をコントールできればハッピーだが、すべての気象をコントロールしようとするのはおこがましい。

最後はどうするのかな、と思った。
死んでしまえば「アルマゲドン」のブルース・ウィリスだな、なんて思って見ていた。

最近は最愛の妻や恋人との別れよりも幼い娘との別れが多いのは流行か。
離婚しても娘は娘。会うプログラムが用意されているところは日本とアメリカとの違いを感じる。

アービー・コーニッシュは、よく見た記憶があるが、出演映画を見てみると、実は「エリザベス・ゴールデンエイジ」
「エンジェル・ウォーズ」「セブン・サイコバス」「ロボコップ」ぐらいだった。
いずれもあまり前面に出る役柄ではなかったので、今作が最も活躍しているように見える。

よく考えると「そりゃないよ」と言うこと満載だが、見ているうちは、次々と起こる異変に目を奪われそれに気づかない。

気象コントロール衛星群は有線でネット状につながっているように見えたが、物理的に不可能。
費用が高すぎるとか、そんな長いケーブルが用意できないとかではなく、緯度によって重力も違えば、
衛星の地球公転速度が違うため、有線でつなぐことはできない。
有線でつなげていたら、個別の衛星の姿勢制御や位置の微調整もできなくなるし、無数にある他の衛星との衝突の危険もある。
第一、全地球をカバーするにしても、千を超えるような衛星が要るのか。

ひとつの気象コントロール衛星が一つの地域を制御するからには静止衛星だろう。
しかし、静止衛星にするためには1万数千kmの高度に置く必要があり、高々400kmの国際宇宙ステーションと同一高度には置けない。

また、異常気象が連鎖してジオストームになると言っているので、あそこまで進んでしまったら、
気象コントロール衛星を停止/リブートしても手遅れだろう。

 

 

                      

 KUBO クボ 二本の弦の秘密   

ストップモーションアニメ。

声にアート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、レイフ・ファインズ、ルーニー・マーラ。

荒海を一人の女性が小舟に乗って進んでいる。
目の前に大波が襲い掛かるが、女性が三味線を奏でると、波は二つに割れ、舟はまっすぐに進む。

しかし、背後からまた大波が襲い、油断した女性の舟は転覆、女性は海底の岩に頭をぶつけるが、岸に流れ着く。
目の前には女性が背負っていた布にくるまれた隻眼の赤ん坊が泣いていた。

それから何年かが経ち、赤ん坊は少年となった。名前はクボ(声:アート・パーキンソン)。
朝起きると散らかった折り紙を片付けて、朝食の支度をし、母を起こし、食事を手伝う。
暫くすると、クボは三味線を背負って崖の洞穴の住居を出て村に向かう。

村では、クボの三味線の弾き語りが魔法となって折り紙を操り、月の帝と半蔵と3つの武具の話を展開する。
話がいよいよクライマックスに差し掛かった時、夕刻を告げる鐘が鳴り、クボは話を止めて、急いで崖の家に戻る。

母はクボに、暗くなる前に必ず帰り決して外に出ないことと、木彫りの猿を離さず持ち歩くことを約束させていた。
クボの左目は赤ん坊の時に祖父にえぐり取られた、そして、右目を狙って今もクボを探しているのだと言う。
クボは弾き語りの物語の結末を母に問うが、母も記憶が釈然とせず、父の記憶もあやふやになっている。

ある日、いつものように村に向かうと、顔なじみのおばあさんが、たまには夜までいたら、と言ってくる。
その日はお盆の灯篭流しの日で、村はずれの墓地にみんなが集まって先祖の魂と会い、そして黄泉の国に送り返す。

クボは父に会いたいと思い、墓地の片隅の石の上に折り紙の灯篭を置いて祈る。
人々はそれぞれの墓に灯篭を供え、祈り、そして川に灯篭を流す。

クボの祈りは通じず、父の魂は一向に現れない。クボはしびれを切らして折り紙の灯篭を壊してしまう。
程なく日が沈み、気づいたクボは焦って帰ろうとする。
すると川面の向こうから闇が迫り、黒ずくめの姉妹(声:ルーニー・マーラ)がやってくる。
二人は月の帝の娘、つまり母の妹で祖父のためにクボの目が要ると言って連れ去ろうと迫り、逃げるクボを追う。

捕まりそうになったその時、母が現れて三味線を奏でて姉妹を吹き飛ばす。
母の手のパワーはクボの着物の背中のクワガタに羽を生やし、空へ飛び立たせた。

*

クボが目覚めるとそこは吹雪の雪原だった。
目の前には白毛の猿(声:シャーリーズ・セロン)がいて、母は死んだ、村は破壊された。
月の帝に立ち向かうために弾き語りの物語に出てくる3つの武具を捜すように言うが、
猿はそのありかを知らず、とりあえずクボを安全な場所に連れていく、と言う。
近くにあるクジラの死体の中に身を潜める二人(一人と一匹)、翌朝目が覚めると、クボの寝言で折り紙の侍が折られており、
それは物語の主人公の半蔵であり、何やら行き先を示している。

暫く行くと猿が目を離したすきにクボが何者かに連れ去られる。
急いで猿が追うとそこには手足が6本のクワガタの形をした侍(声:マシュー・マコノヒー)がいた。
クワガタは名前も過去も忘れてしまっていたが、クボの作った半蔵の折り紙を見て自分の主人だと言い出す。
猿は記憶をなくしているはずのクワガタが半蔵を覚えていることが不可解で信用できないが、一緒に連れていくことに。

折り紙半蔵が示す方向に進んでいくと、岩の割れ目の先に骸骨の形の洞穴を発見。
進むと手の骨に刺さった刀を見つける。
3つの武具の一つ「折れずの刀」に違いないとクワガタが刀を抜くと、骨が舞い上がり、骸骨が蘇って襲ってくる。
折れずの刀だと思った県はあっさり折れ、頭蓋骨に刺さった多くの刀の中に折れずの刀があると思われた。
猿、クワガタ、クボが骸骨と戦い、ようやく「折れずの刀」を抜くと骸骨は崩れ落ちた。

さらに進むと目の前に湖が現れる。
進み方で猿とクワガタが揉めている間に、クボは三味線で落ち葉を集め帆掛け船を作り、全員でそれに乗って進む。

湖の中に「負けずの鎧」があることに気づいた一行。
クワガタが潜って取ってくると言い出すが、言い伝えでは水中に真実の目玉がありそれに魅入られると死んでしまうらしい。
構わず、クワガタが潜るがなかなか上がってこない。
しびれを切らしたクボが湖に潜り、鎧は見つけたものの、目玉に見つめられて意識を失う。

船上では追ってきた闇の姉妹の一人と猿の戦いとなる。
闇の姉妹はクボの母が半蔵と恋に落ち、月の帝を裏切ったと罵り、猿を激しく攻める。
寸でのところで、猿は闇の姉妹を倒す。

一方、目玉の主に食べられそうになっていたクボは、再び潜ってきたクワガタに助けられる。
クボが壊れた船に戻ると、船は復活し、一行は先へ進む。

クボは水中で見た真実を語る。
それは猿が実は母の化身であったと言うこと。
母は、月の帝の命を受け、父半蔵を殺すために地上にやってきたが、父と恋に落ちクボが生まれたのだった。
しかし、月の帝の怒りを買い闇の姉妹に終われ、逃げ出した。
母は猿に姿を変え(魂を憑依させ)クボを助けていたのだった。

クボは夢の中で盲目の老人に会い、半蔵の屋敷に最後の「破れずの兜」があると知る。
一行は半蔵の元屋敷に向かう。

荒れ果てた屋敷、その奥に兜があるはず、と進むクボ。
文書を調べていた猿が何かに気づく。罠だ。
その時、闇の姉妹のもう一人が現れ、戦いとなる。
先の闇の姉妹との戦いで深手を負っていた猿は劣勢を強いられる。
闇の姉妹は、クワガタは記憶を消された半造、その人だと明かす。

一旦は闇の姉妹を倒し、瀕死の猿(実は母)にクボを頼む、と頼まれるクワガタ(実は父)。
しかし、直後に背後から闇の姉妹に刺され、絶命する。
クボは怒りに任せて三味線を奏で、2本の弦が切れてその衝撃が闇の姉妹を撃破する。

猿は、村に帰れ、と言い残して絶命する。
猿が示した巻物には「破れずの兜」が村の半鐘としてぶら下がっていることが描かれていた。

クボが三味線を奏でると、最後の弦が切れ、クボは一人村に舞い戻った。
焼け落ち荒れ果てた村。
半鐘になっていたかぶとを手に入れたクボ。

そこへ月の帝(声:レイフ・ファインズ)が現れる。
両眼が見えない月の帝は、クボに目を捨てて天上界で生きようと言うがクボは拒絶する。
人間の世界は素晴らしい愛情がある、と。

怒り狂った月の帝は、竜魚に姿を変え、クボを襲う。
逃げながら墓場まで行ったクボ。
持っていた母の形見の髪の毛、父の弓の弦、そして自らの髪の毛を3本の糸にして三味線を奏で、
村人の先祖の魂を呼び出し、全体をシールドで覆い、竜魚の攻撃をかわす。
そして、三味線のパワーで反撃し、遂に竜魚を撃破した。

そこには、左目だけが見える記憶を亡くした老人、月の帝が立ち尽くしていた。
自分が誰かもわからない月の帝。

村人は、村一番の易しいおじいさんで、クボのたった一人の祖父だ、と言って聞かせ、
月の帝だった老人は安堵に包まれる。

クボは2つの灯篭に祈りをささげると、父と母の魂が現れる。
クボが灯篭を川に流すと、それは鷺となって大空に舞うのだった。

お終い。

**

ライカ、さすが。
膨大な時間と労力を掛けて完成したストップモーションアニメの技術的な素晴らしさもさることながら、
ストーリー展開が秀逸。

グタグタした説明は省き、展開ですべてを知らしめる。
猿とクワガタの正体も意外といえば意外。

ラストもほんわかとした終わり方で、異論のある人もあろうが、単なる勧善懲悪でないところが良い。

音楽も良い。
三味線、太鼓、素晴らしい出来だった。

2017年2月の第89回アカデミー賞では長編アニメ賞と視覚効果賞にノミネートされた。
この時の長編アニメ賞はディズニーの「ズートピア」だったが優るとも劣らない出来に思える。

吊り目が気になる人もいるようだが、全く気にならない。
ライカの描くキャラはいつも癖があり、特別変なものではない。

製作はライカ・エンターテイメント。
アメリカでの配給はフォーカス・フィーチャーズ。
ヨーロッパなどの海外の配給はユニバーサルが中心で、本作のオープニングにもユニバーサルのクレジットが出るが、
日本での配給はGAGA。

残念なのは、製作費のわりに興収がいまいちなところで、ライカの次回作が心配になる。

 

 

   

 

  キングスマン ゴールデン・サークル  

タロン・エガートン、コリン・ファース、マーク・ストロング、ジュリアン・ムーア、
チャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジス、ハル・ベリー、ペドロ・パスカル。

キングスマンの一員となったエグジー(タロン・エガートン)は、ハリー(コリン・ファース)のコード名、
ガラハットを引き継ぎ、前作でバレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)に囚われていたスウェーデン王女、
ティルダ(アンナ・ハルストレーム)と同棲していた。
エグジーがテイラー・キングスマンに出勤すると、前作で死んだはずのチャーリー(エドワード・ホルクロフト)が襲ってくる。
エグジーはキングスマン仕様のタクシーで逃げようとするが、チャーリーに乗り込まれ車内で格闘となる。
エグジーはチャーリーの機械の右腕を引き抜いて反撃し、チャーリーを撃退する。
車が壊れ、エグジーは下水管を通って帰宅、急いで着替えてティルダの両親との食事会に向かう。

ティルダの両親であるスウェーデン国王夫妻との食事会。
国王はエグジーを試そうといろいろな質問を浴びせるが、前作でランスロットとなっていたロキシー(ソフィー・クックソン)が、
遠隔でエグジーに答えを教えていた。

そんな中、留守中にJB(パグ犬)の面倒を頼んでいた友人が、秘密の部屋に入って危ないものを触り、エグジーを混乱させる。
その頃、キングスマン仕様タクシーの中に残されていたチャーリーの右腕が、車をハッキングし、キングスマンの情報を盗む。

それを基にどこからかミサイルが撃ち込まれ、エグジーの家はJB、友人もろとも破壊。
続いて各エージェントの住所が破壊され、ロキシーも爆死。
遂にはテイラー・キングスマンが新リーダーのアーサー(マイケル・ガンボン)ともども破壊される。

破壊された場所に立ち尽くすエグジー。
現れたマーリン(マーク・ストロング)は雑魚キャラと思われ破壊を免れたと言う。

マーリンとエグジーはもしもの時のための秘密の金庫を開けるが、入っていたのはステイツマン・ウィスキーのボトル。
二人で飲みかわすうち、ボトルのステイツマンの住所ケンタッキーのKがキングスマンのマークになっていたのを見つける。

マーリンとエグジーはステイツマンのウィスキー工場に行き、熟成庫に侵入するが、男(チャニング・テイタム)に捕まる。
二人は話を信じてもらえず拷問されそうになるが、女(ハル・ベリー)がキングスマンのSが
ステイツマンのロゴになっているのに気づき、助かる。

ステイツマンも独立した諜報機関で、ボスはチャンプ(ジェフ・ブリッジス)、先ほどの男はテキーラ、
女はジンジャー、他にウィスキー(ペドロ・パスカル)がいた。

また、そこにはハリー(コリン・ファース)が匿われていた。
ハリーはステイツマンに救助されて一命をとりとめてはいたが、記憶喪失になっていた。
回復の見込みがないと思われたが、エグジーがハリーが飼っていたのと同じ犬種の子犬を持ってきて脅したことで記憶がよみがえる。

さて、キングスマンを破壊した組織はゴールデン・サークルで、一味は皆、金の輪の入れ墨をしていた。
ゴールデン・サークルはカンボジアの密林の中に隠れ家を持つ麻薬組織でポピー(ジュリアン・ムーア)がボス。
ヘマした人間はミンチにしてしまう非情のサイコパス。
厳重な警護とロボットドーベルマンなどに守られて、エルトン・ジョン(本人)を誘拐しライブをやらせたりしている。
しかし、どれだけ稼いでの裏の商売の為、無名なことを悔しがっていた。

エグジーとウィスキーはチャーリーの彼女のクララ(ポピー・デルビーニュ)に近づき、チャーリーの居場所を探ろうとしていた。
エグジーは作戦のやり方でティルダと喧嘩するが、なんとかティルダにトラッキング装置をつけることに成功する。
ただ、仕掛けの場所のコンサート会場ではやたら青筋のメイクが流行っているのが気になった。

突然、ポピーは電波ジャックして、TVに登場。
あらゆる麻薬に致死性のウィルスを仕込んでおり、その第1段階の症状として青い筋が現れると明かす。
第2段階では躁状態になり、第3段階では硬直し、全身から出血して死ぬ、が、解毒剤も持っており、
アメリカ大統領が麻薬の合法化とポピーの免罪に同意すれば世界各地から解毒剤を配布する、という。

この事態に米大統領(ブルース・グリーンウッド)はポピーの要求を呑むふりをして油断させて叩き潰すとともに、
麻薬患者も見殺しにして、供給源と患者を全世界から一掃しようと考えた。

世界中のメディアは大統領も悪だくみを知らずにポピーの要求を受け入れることを大歓迎した。

エグジーの友人や最愛のティルダにも症状が現れ、テキーラにも症状が出ていた。
テキーラはステイツマンの冬眠装置で症状の進行を抑えられたが、一般市民は収容施設に送られた。
大統領主席補佐官(エミリー・ワトソン)も施設に送られた。

ステイツマンの追跡により、クララはイタリアのスキー場の施設にいることが分かり、
エグジーとウィスキーが乗り込む。
解毒剤のサンプルを手にしたエグジーだが、チャーリーに見つかり、ロープウェイ操作室を乗っ取っていたハリーと共に逃げる。
山小屋に隠れる時に解毒剤サンプルを落として割ってしまう。
その後、ウィスキーが敵を一掃するが、ハリーはウィスキーは裏切り者だとして銃を放つ。
エグジーが応急処置をして命は助かるが、エグジーはハリーがおかしくなったと思う。

イタリアの施設はチャーリーが破壊してしまうが、その後の探索でカンボジアのポピーの基地を突き止める。
エグジー、ハリー、マーリンで基地に侵入しようとするが、地雷を踏んでしまい、マーリンが爆死。
エグジーとハリーが乗り込んで雑魚キャラを一掃し、チャーリーも倒して、ポピーと対峙する。
エグジーはポピーにヘロインを打って解毒剤配布のパスワードを聞き出すことに成功。
ポピーが死に、解毒剤配布指示のパスワードを打とうとしたとき、復活したウィスキーが乱入して阻止しようとする。
ウィスキーはポピーの仲間でも大統領のエージェントでもなく、麻薬患者に恋人を殺された復習に麻薬患者を一掃しようとしていた。
結局ウィスキーはハリーとエグジーに殺されて、パスワードは無事に投入され、解毒剤がいきわたって、大勢が助かる。

大統領は国民をだましたことで解任逮捕され、エグジーの友人も大統領補佐官も、そしてもちろんティルダも助かる。

チャンプはキングスマン再建のためにスコットランドの酒造メーカーを買収し、キングスマンの組織に加える。
エグジーは無事にティルダとの結婚式を行うことができ、王族の一員となる。

じゃ、ロンドンのテイラー・キングスマンに出勤したのは誰か?
それはなんとテキーラだった。
おしまい。

3作目があるらしい。最終作になるようだ。
一部には前後2部作になりそうだとの話もある。

噂では、マーリンは脚を無くしたものの、命は無事で再登場するらしい。
エグジー、ハリーも登場し、ウィスキーがより重要な役割を果たすらしい。
また次回の敵はドゥエイン・ジョンソンになるらしい。

ロキシーはあっさりで可哀想だが、こちらの再登場はないのかな。

キングスマンのシリーズは3作(4本)で終わりらしいが,監督は「ステイツマン」をやりたいらしい。

イギリス映画らしく、グロいシーンが割と平気で使われる。
ミンチのセンスは理解できん。

Manner maketh men、行儀作法が人を作る、( maketh は makes の古語体)古くからあることわざらしい。

前作では、エグジーが選抜されるまでのシーンが長く、多少だれた。
今回はそういった前置きがなく、テンポが良かった。

前作で懇ろ(ねんごろ)になったスウェーデン王女が再登場し、エグジーと良い仲になるとは思わなかった。

チャーリーの彼女のクララ役のポピー・デルビーニュ。
聞いた苗字だと思ったら、本当にカーラ・デルビーニュのお姉さんだった。

前作でリーダーのアーサー(マイケル・ケイン)が死んだが、新アーサーのマイケル・ガンボンは、
ハリポタの2代目ダンブルドア(「アズカバンの囚人」以降)、次は誰か?

 

 

                     

 

 カンフー・ヨガ  

ジャッキー・チェン、ディシャ・パタニ、ソヌ・スード、アミラ・ダスツール
ムチミヤ(ミヤ・ムクィ)、アーリフ・リー(アーリフ・ラーマン)、レイ(チャン・イーシン)

昔々(西暦647年)、マガダ国(インド北部)で反乱がおき、マガダ国から唐への献上品が襲われる。
中国から天竺(インド)に向かっていた王玄策の加勢によって、反乱軍は排除されるが、一行は唐へ向かう途中、
チベット山中で財宝と共に行方不明になる。

時代は現代。
平安で考古学を教えているジャック(ジャッキー・チェン、成龍)をインドの美人考古学者
アスミタ(ディシャ・バタニ)が訪れ、ジャックにマガダ国の失われた財宝の捜索を依頼する。
アスミタが持参した古地図を元に、ジャックは研究助手の小光(シャオグァン、レイ=張芸興=チャン・イーシン)、
諾敏(ヌォミン、ムチミヤ=母其弥雅)、それに友人の息子でトレジャーハンターの
李琼斯(リー・ジョーンズ、アーリフ・リー=李治廷)を仲間にチベットの山中に向かう。

マガダ国の一行は結氷した湖の近くで雪崩に巻き込まれたと思われた。
ジャックはジャングオ(エリック・ツォン)の助けも借り、湖の地下につながる洞窟を発見、
マガダ軍のミイラと共に財宝を見つけるが、財宝を狙う反乱軍のアルジュナの子孫ランドル(ソヌ・スード)が襲撃、
ごたごたの最中にジョーンズがダイヤがはめ込まれた金細工を持って逃げてしまう。

ランドルは、ジャックらを置き去りにして逃げるが、アスミタの手助けもあって何とか脱出に成功する。

2週間ほどのち、ダイヤがドバイのオークションにかけられたことを知ったジャックはドバイに向かい、
既知のジョナサンの助けを借りて、何とかダイヤの落札に成功するが、ランドルに襲われる。
カーチェイスの後、結局ダイヤはアスミタに持ち去られてしまう。

ジャックは、インドに向かい、考古学者のアスミタを訪ねるが、別人だった。
実はアスミタはマガダ国の子孫でダイヤは杖の一部で真の財宝のありかを示すものだと言う。

古文書を調べたジャックは、マガダ国時代の27寺院の一つに財宝が隠されているとにらむ。

しかし、途中のマーケットでヌォミンとジョーンズがランドルに捕まってしまう。
ランドルの要求で、ジャックはアスミタと共に狙いをつけた寺院に向かう。

インディ・ジョーンズ宜しくダイヤの杖を利用して地下に至るスイッチを発見、
落とし穴で奈落に落ちそうになりながらもなんとか助かる。
ランドルも現れた階段で仲間と共に地下に入り、ジャックと合流。
黄金のお堂を発見する。宝物箱に収められていたのは金銀財宝ではなく、医学や科学知識を記した古文書だった。
お堂の先に金色の仏像を発見した一行だが、ランドルとジャックらが口論となり、激しい格闘が始まる。

なかなか決着がつかない中、寺院の僧侶らが大挙して地下に降りてきて、ランドルやジャックに感謝する。
ランドルもジャックも戦う気力が失せ、僧侶らとともに歓喜のダンスを踊り大団円となる。

最後にダンスで終わってしまうところは、インド映画の定番。
ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ版の「白雪姫と鏡の女王」(監督がインド人)では
エンディングで唐突にダンスが始まってびっくりしたが、今回はその経験があったので驚かなかった。

ディシャ・バタニ登場時、口とセリフがほんのわずかだが合っていないことが気になった。
一瞬、セリフを別人でアテレコしたのかと思ったが、どうもアフレコのようだ。
中国映画はアフレコが多いらしい。
一説には中国では北京語版と広東語版を作る必要があるので、同時録音してもどうせアフレコせざるを得ないからだと言う。

「セルラー」の香港リメイク版「コネクティッド」では、広東語と北京語の違いを利用した謎解きが行われていたので、
北京語版と広東語版はなかったと思われる。

ジャッキー・チェンのアクションはさすがだと思うが、以前に比べると若干動きが少なくなり、
やや切れもスピードもなくなったように思う。

ライオンはCGではなく本物らしい。
スーパーカーも本当にぶっ壊したらしいが、ドバイの王族が映画のために、と提供したものだと言う。

地下寺院はスタジオセット、チベットの氷の世界はアイスランドでのロケのようだ。

ジャッキー・チェンに中国、チベット、ドバイ、インドと一帯一路(One Belt One Road)経済圏を
縦横無尽に行き交う中国の姿を見た、と考えるのはうがち過ぎだろうか。

「中国人とインド人、23億人がぶったまげた」とは映画のキャッチコピーだが、両国の人口を合わせると、
23億人どころか、26億人を超える。残りの3億人は特に驚かなかったと言うことか。

興収の99%は中国本土でのもの。
アメリカでの公開は最大でも27館で際物扱い。
累計36万ドルで美女、イケメン連発でも在米中国人や中国系アメリカ人には刺さらなかったようだ。

 

 

 

 

 

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