2015/01-03鑑賞
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今年の累計:12(0)[3] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:12(0)[3]本 、4−6月期:0(0)[0]本、7−9月期:0(0)[0]本、10−12月期:0(0)[0]本  
1月:4(0)[1]本、2月:4(0)[1]本、3月:4(0)[1]本  
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  ナイトミュージアム エジプト王の秘密   

ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムス、オーウェン・ウィルソン、スティーブ・クーガン

冒頭は1938年のエジプト。
探査チームのリーダー、フレデリックの息子、CJが偶然落ちた穴に新しい墓を発見。
地元民が死を招くと反対する中、フレデリックは石板を含めたお宝を搬出する。

時は現代。
ラリー・デイリー(ベン・スティラー)が夜警を務める自然史博物館では、
大型のプラネタリウムのお披露目パーティが行われようとしていた。

ラリーは、例によって動き回る展示物(人物ら)にパーティの余興の段取りを念押ししていた。
そして、パーティ開始。
当初は台本通り進んでいた余興だが、突然セオドア・ルーズベルト(ロビン・ウィリアムス)が乱れ、
その他の展示物たちも暴れはじめる。
パーティは大混乱となり、招待客は逃げまどうことになった。

アクメンラー(ラミー・マレック)はラリーに異変を伝える。
全ての展示物に命を与えていた石板(タブレット)が錆びかけており、
それによってみんなが精気を失い始めていた。
アクメンラーは石板については父王マレンカレに聞かないと分からないと言う。

このまま錆が進行すれば展示物の命は尽き、ただの蝋人形や化石やミイラに戻ってしまう。
ラリーは図書室に行って石板を治す方法がないかを調べる。

そして、発掘当時の写真を見つけ、それら人物を探そうとするが、みんなもう死んでいると言われる。
しかし、子供、CJフレデリックは生きているはず。
実はCJとは「ナイト・ミュージアム」でラリーの前の守衛だった
セシル(ディック・バン・ダイク)
ラリーは老人ホームにセシルを訪ね、事情を聴くと、当時は米英エジプトの合同調査チームで、
発掘した遺物はそれぞれの国に分配されたとのこと。
アクメンラーと石板はアメリカ、父王マレンカレと妻シェプスハレットはイギリス、と言うように。

ラリーは修理のためと称して大英博物館への展示物の輸送許可をマクフィー館長(リッキー・ガービス)に求める。
館長はラリーのせいで首になり、権限がないと一旦は断るが、結局は説得されてイギリスに連絡する。

ラリーの息子、ニック(スカイラー・ギソンド)は、高校を卒業し、大学入試を控えているが、
大学へはいかずDJになると言ってラリーと衝突する。

ラリーはそんな息子も連れて、自ら大英博物館へ展示品を持ち込む。
大英博物館の夜間守衛ティリー(レベル・ウィルソン)をごまかして、ラリーとニックは館内に居残る。
運んできた展示物にはアクメンラーの他、ルーズベルト大統領、サカジャウイ(ミズオ・ペック)、
アッティラ・フン(パトリック・ギャラハー)、猿のデクスター、ジュディッドアイア(オーウェン・ウィルソン)
オクタビアス(スティーブ・クーガン)らお馴染みのメンバー。
館長がラリーに似せて作ったと言うネアンデルタール人のラー(ベン・スティラー、二役)も。

早速全員で館内を捜索する。
石板の力で展示物が動きだし、トリケラトプスに追われるが、
ランスロット卿(ダン・スティーブンス)が仲間に加わり、助かる。
その騒ぎでジュディダイアとオクタビアスが換気口に落ち、デクスターが探しに行く。

一行は九頭の蛇と戦ったりして、遂にはマレンカレ(ベン・キングスレイ)に会う。
当初は石板の秘密を渋って話さないマレンカレもアクメンラーに説得されて秘密を語る。
石板はアクメンラーの誕生の際に造らせたもので、月の光を浴びて魔力を蓄え、
永遠の命を与えるものだが、長い間月の光を浴びていないために力を失っているのだという。
月の光を当てないとみんな死んでしまう。

しかし、石板をランスロットに奪われてしまう。
ランスロットはキャメロット城をめざし、勘違いして「キャメロット」の舞台劇に乱入。
アーサー王役のヒュー・ジャックマンをヒュージ・アックマンと聞き間違ったり。

ラリーに追われたランスロットは屋上に逃げるが、松明の熱で鼻が融ける。
石板の錆はますます進行し、ルーズベルトは蝋化、アクメンラーもミイラ化してくる。
ランスロットは観念して石板を返し、月明りで魔力の戻った石板によって全員が助かる。

ラリーは、石板をアクメンラーとマレンカレ親子に返し、家族は一緒にいるべきとして、
大英博物館に残すことを決意する。

夜のうちにニューヨークに戻った展示物たち。
石板をイギリスに置いてきたため、夜明けとともに展示品に戻り二度と命を持つことはなかった。

ラリーは館を辞め、ニックはまずは大学に行くことに決めて、物語は終わる。

マクフィーはラリーのおかげと言っていたが、館長に復帰。
3年後、自然史博物館で大英博物館展が行われることになり、ティリーが石板を持ってやってくる。
その夜、石板の魔力で展示物が動きだし、自然史博物館は大賑わいとなる。

**

最後は含みを持たせているように見えなくもないが、一応これで終わり。
石板の秘密は若干、いまさらとってつけた感が無きにしも非ずだが、まずまずの大団円。

別れた妻もいい感じになりかけた学芸員も出てこず、ニューヒロインとの接点もなく、
ラリーにとって良いんだか悪いんだがの終わり方となった。

「2」では、第2次大戦後のモノクロ写真の中に入るシーンがあったが、
今作では「Relativity」と題されるエッシャーのだまし絵の中に入る。

アクメンラーとマレンカレは架空のファラオ。
アクメンラーが付けている冠は、デシュレトと呼ばれる下エジプト(ナイル川下流域、地中海側)の王の王冠。
映画では金の王冠だが、デシュレトは赤冠と呼ばれる。

父王マレンカレはそのデシュレトに黒い冠が重なっているものをつけていた。
黒い冠はヘジェトで上エジプト(ナイル川上流域、南側)の王冠で、実際には白冠とされる。

マレンカレはデシュレトとヘジェトを重ねたプスケント(二重冠、紅白冠)と呼ばれる王冠を付けており、
上下エジプトの王、つまりエジプト統一王を示す。

大英博物館の職員は守衛のティリーのみ登場。
ラーと絶妙な掛け合いを見せる。
キャストのレベル・ウィルソンはIMDBによれば164cm、HealthyCeleb.comによれば160cm、132kg。
(BMI:49.1〜51.6)いくらなんでもそこまでには見えない。

数字が正しいとすればメリッサ・マッカーシー(157cm、88kg、BMI:35.7)よりもはるかにおデブちゃんだ。
もっともメリッサ・マッカーシーは昨年20kg痩せたことが話題になったようで、
88kgが痩せた後だとしても、108kgでBMI:43.8だからレベル・ウィルソンより痩身。

ロビン・ウィリアムスが2014年に亡くなったことはよく知られていると思うが、エンドロールにもあったように
前の守衛で老人ホームにいたガス役のミッキー・ルーニーも2014/4に亡くなっている。

 

 

   

   イントゥ・ザ・ウッズ  

メリル・ストリープ、アナ・ケンドリック、エミリー・ブラント、ジェームズ・コーデン、クリス・パイン

物語は日頃の生活に何らかの不満を抱いている人たちの歌で始まる。

シンデレラ(アナ・ケンドリック)は、継母(クリスティン・バランスキ)や二人の姉にこき使われ、
3日間にわたって行われるお城の舞踏会に行けないのを嘆いている。

ジャック(ダニエル・ハトゥルストン)は、牛が乳を出さずミルクが絞れないのを嘆いている。
ジャックの母(トレーシー・ウルマン)は、ジャックがバカで、家が貧乏なのを嘆いている。

パン屋の夫婦(ジェームズ・コーデンとエミリー・ブラント)は子供ができないのを嘆いている。

そこへやってきた赤ずきん(リラ・クロフォード)は森のおばあさんを訪ねるのにパンを買うお金がないと嘆いている。

もっとも赤ずきんの願いはすぐにかなう。
赤ずきんが好きなだけパンを取っていくのに、パン屋の妻が赤ずきんに代金を請求しなかったから。
赤ずきんは、パンを篭にいっぱい抱えて森に向かう。

次にパン屋にやってた来たのは隣の魔女(メリル・ストリープ)
パン屋に子供ができないのはパン屋の両親のせいだと言う。

かつてパン屋の母が妊娠し、野菜(ラプンツェル)を食べたいと言った。
野菜を買う金がないパン屋の父が隣の魔女の庭に忍び込み、野菜をたっぷり盗んで妻に食べさせた。

気づいた魔女は、両親に対し、罰を与える代わりに生まれた子供(娘)を貰うと言い、その通りにした。
魔女は娘にラプンツェルと名付け森の奥の塔に監禁するとともに、パン屋の息子に子供が生まれないよう呪ったのだ。

しかし、100年に一度のブルームーンが起こる3日目の夜までに4つの品物を揃えれば呪いが解けると言う。
それは、血のように赤いマント、雪のように白い牝牛、金色に輝く靴、トウモロコシのように黄色い髪。
全ては森で揃う、と言う。

パン屋は意を決して一人で森に向かう。
妻が差し出したパン屋の父のマントは拒否するが、中から出てきた6粒の豆は持っていく。

シンデレラは舞踏会に行こうと亡き母の残したドレスに身を包むが、継母に破られてしまう。
そして母は豆をこぼし、これを全部拾えれば行ってもいいよ、と言う。
シンデレラは魔法で小鳥たちに手伝ってもらい豆をあっという間に拾い上げてしまうが、
継母はドレスもないシンデレラは連れて行かないと吐き捨てて舞踏会に向かう。

途方に暮れたシンデレラは家を抜け出し森にある母の墓の前に行き、祈りをささげる。
シンデレラの祈りは通じ、豪華なドレスに金色の靴、髪も整い、化粧もされてシンデレラは城に向かう。

ジャックの母は、牝牛(ミルキー・ホワイト号)を乳の良く出る牛だと嘘をついて売ることにした。
近くではばれるので森を抜けて隣町まで売りに行くようジャックを指示する。
5ポンド以下では売らないように念を押して。

赤ずきんは道中パンを食べ続け、大半を食べてしまう。
森の狼(ジョニー・デッブ)は赤ずきんに近づいて、どこへ行くのかなどを聞き、
先回りしておばあさんを食べた後、赤ずきんを食べようと目論む。

赤ずきんはパンが殆どなくなったので花を摘んでごまかそうとしていると、パン屋に遭遇する。
パン屋は赤ずきんの赤いマントを無理やり引っ剥がすが、赤ずきんが大きい悲鳴を上げ続けたため、
諦めてマントを赤ずきんに返す。

パン屋は混乱して困惑していると後を追ってきた妻と出会う。
二人が言い争っているところにジャックが牛を連れて現れる。

パン屋の妻は1つ1ポンドの「魔法の豆」5個と交換だと言って牛を手に入れる。
ジャックはお金が入ったら牛を買い戻す約束で豆と交換する。
パン屋は妻に牛を連れて帰るよう言い、自分は先に進む。

ジャックは意気揚々と帰宅するが、母に叱られ、豆は投げ捨てられてしまう。

その頃、おばあさんの家に着いた赤ずきんはおばあさんを飲み込んだ狼に食べられてしまう。
赤ずきんを探していたパン屋がおばあさんの家に入ると、満腹でぐっすり寝込んだ狼の腹の中から
「助けて」の声が聞こえ、パン屋は持っていたナイフで狼の腹を切り裂いて赤ずきんを助ける。

赤ずきんは、狼の皮でマントを作ってもらうから、と、お礼に赤いマントをパン屋に渡す。

その頃、森の奥の塔から聞こえる美しい歌声に魅せられた弟王子(ビリー・マグヌッセン)は、
塔の下からラプンツェルと声をかけた魔女が、金髪を使って塔によじ登っていくのが見る。
やがて夜になり、弟王子は魔女が出かけるのを待って、ラプンツェルに声をかけ塔をよじ登っていった。

その頃シンデレラは城を抜け出して逃げかえろうとしていた。
シンデレラとばかり踊っていた兄王子(クリス・パイン)は後を追う。

森の中で偶然シンデレラと会ったパン屋の妻はシンデレラの金色の靴を狙うが交わされ、
牛にも逃げられてしまう。
こうして1日目の夜が過ぎた。

翌日、ジャックの家の庭には巨大な豆の木が生えていた。
ジャックはそれをよじ登っていき、雲の上の巨人の家から金貨を盗んできた。

ジャックは森に向かい、パン屋に金貨5枚を渡して牛を返してくれと頼むがパン屋はできないと言う。
ジャックはもっとお宝を取ってくると言って立ち去る。

パン屋は妻と再会するが牛を逃がしたことで喧嘩になる。
パン屋の妻は村に帰ろうとして王子らが歌っているところに遭遇、ラプンツェルの秘密を聞く。

そして自分自身が塔の下で声をかけ、おりてきた髪を思い切り引っ張る。
髪は抜けないが、パン屋の妻が横に引っ張ったせいで塔の鋭利なでっぱりで髪が切れる。

パン屋はシンデレラの母娘の馬車に出会い、髪の毛を調べさせてくれと言って突き落される。
そしてたまたま寝ていたミルキーホワイトにぶつかって、捕まえることができた。
パン屋夫妻は再会し、これで3つが揃った。

ジャックは巨人の家から金の卵を盗んできた。
これで牛を返せ、返さないと揉めていると牛は突然倒れ、死んでしまう。

夜、シンデレラは再び逃げ、パン屋の妻はまたも金色の靴を取り損ねる。
こうして2日目の夜が過ぎた。

3日目。
弟王子がラプンツェルの塔に忍び込んだのが魔女にばれてしまう。
逃げる弟王子は魔女が魔法で作ったイバラに突っ込んで失明してしまう。
魔女は怒り狂ってラプンツェルの髪を切り、湖の小島に放逐する。

ジャックは狼のマントの赤ずきんと出会い、金の卵を見せて天空の話をする。
赤ずきんは信用せず、本当なら天使のハープを持って来いと言う。

ジャックはまた天空へと登っていき、ハープを盗んでくるが、怒る巨人が後を追ってくる。
ジャックは焦って豆の木を切り倒し、巨人は墜落して死ぬ。

パン屋が金貨を持っていることに気づいた妻は、白い牛を買いに行くよう指示、
パン屋は隣町に行くが、白い牛がいなかったので普通の牛を粉で真っ白にして連れてくる。

夜、シンデレラは三度、舞踏会から逃げるが兄王子が階段にタールを撒いていたため
靴を取られ、結局片足の金の靴を残して逃げる。

逃げるシンデレラ、片足裸足では走りづらく、パン屋の妻に足を掴まれ、靴を取られてしまう。
パン屋の妻は魔法の豆と交換すると言うがシンデレラは信じず、豆を放り捨てる。

兄王子が追ってきたので、シンデレラはパン屋と靴を交換して逃げていく。
兄王子の部下はパン屋の妻から金の靴を取り上げようとするが、
兄王子は片方あれば十分だとして靴を取り上げない。

兄王子は金色の靴を手掛かりに村中の家を訪ね歩き、ぴったりの女性を探し始める。
シンデレラの家では、姉らがかかとやつま先を切り落として、無理やり靴を履くが、すぐにばれる。
靴は呼びつけられたシンデレラの足にはぴったりでその顔を見た兄王子は運命の女性だと確信する。
幸せなシンデレラとは対照に、姉たちはこれまでの仕打ちの報いで鳥に目を突かれて失明する。

彷徨っていた弟王子は、湖のラプンツェルを見つける。
弟王子に駆け寄ったラプンツェルは悲しみ、流した涙が弟王子の目に入ると目は癒されて見えるようになる。

こうして4つの品物が揃った。
魔女が現れ、4つの品を見るが牛が偽物だとすぐに見破ってしまう。
パン屋の妻は白い牛はいたが死んだというと、魔女はその場所へ行き牛を生き返らせる。

やがて深夜、ブルームーンが現れ、みんなは魔女の指示に従って牛に3つの品物を食べさせる。
すると牛は乳を出す・・・はずが、全く出ない。
何が悪かったのか、そう、ラプンツェルの髪は魔女が散々触っていたから。

焦るパン屋はジャックらの意見に従って、持っていたトウモロコシのひげを牛に与える。
すると、牛は乳をだし、魔女がグラスに取った乳を飲み干すと、辺りは光に包まれて、
魔女は若返り、パン屋の妻の腹がみるみる膨らみ、すぐに子供を産む。

ジャックは金の卵を売って裕福になり、ラプンツェルと弟王子も城に戻る。
こうしてすべての願いは叶い、民衆の前でシンデレラと兄王子の結婚が発表される。

しかし、めでたしめでたしとはならなかった。
その時大地震が起こり、城は崩れ、家は壊れ、森の木々は倒れる。
人々は逃げまどい、パン屋夫妻は森に逃げる。

そこには家がつぶれて母親が死んでしまったジャックもいた。
同じく家がつぶれておばあちゃんが死んだ赤ずきんもいた。

ラプンツェルと弟王子は森の塔の傍にいた。
魔女は怒り狂って弟王子に魔法を掛けようとしたが、魔力が消えてしまっていた。

森に女巨人が現れるとジャックはすぐさま逃げた。
女巨人は自分の夫の巨人を殺したジャックを差し出せと言ってきた。

皆は嘘をついて女巨人を違う方向にやり、その間にジャックを探すことにした。
パン屋と妻は赤ん坊を赤ずきんに預け、反対方向に歩き、パン屋はシンデレラに出会う。
シンデレラは城の暮らしになじめず森に来ていたが、母親の墓が壊れてしまっていた。

一方、パン屋の妻は兄王子に会い、おだてられてのぼせ上り不倫する。
そして王子と別れて浮かれて崖から落ちてしまう。

ジャックはやがて見つかるが、女巨人が下りてきたのは誰のせいだの言い争いになり、
結局魔女が悪いとなって、魔女は持っていた魔法の豆を撒いて逃げようとするが、
土に取り込まれて消えてしまう。

ジャックとパン屋は木に登って女巨人に投石し、タールの沼におびき寄せて倒し殺す。
身寄りのなくなったジャック、赤ずきん、シンデレラはパン屋の家に身を寄せることになる。

一件落着に思えたが、パン屋はジャックが妻のスカーフをしているのを見て妻が死んだことを知り、
育てる自信が無くなり子供を捨てて去ろうとするが、それでは自分を捨てて逃げた父と同じだと悟り、
戻って子供をあやし、今までの話をおとぎ話にして聞かせるのだった。

**

パン屋とラプンツェルの年齢が設定と逆なのは気になるが、もともとは関係のない童話が絡み合い
全体として一つの物語を成しているのは面白い。

ミュージカルなので「歌」で展開がやや中だるみするシーンもある。
(歌って躊躇している場合かよ、みたいな)

登場人物はディズニーアニメにあるようないい人物ではないし、
各童話もディズニーアニメよりオリジナルの童話の設定、展開に近い。

みんな歌がうまい。
ミュージカル映画でたまにあるちょっとどうかな、と思う人はいなかった。

メリル・ストリープは汚いままでは終わらないだろうと思っていたがその通りだった。
ジョニデはチョイ役でした。
シンデレラの継母は「マンマ・ミーア」でメリル・ストリープの旧友の大きい方。
パン屋は「ワン・チャンス」のポール・ボッツ。

 

 

  

 

 プリデスティネーション  

イーサン・ホーク、サラ・スヌーク、ノア・テイラー。

ある男がバイオリンケースとアタッシュケースを持って駅構内を歩いていた。
男は通用口から地下の機械室に入り、爆弾が仕掛けられた場所に近づく。

男はアタッシュケースを変形させ、仕掛けられた爆弾を取り出そうとする。
その時、背後に忍び寄る影。
男は銃を放ち、その隙に爆弾をアタッシュケース(爆弾転送装置)に嵌めるが、
ギリギリで間に合わず、爆弾の炎を浴び、顔に大やけどを負う。
男がバイオリンケースに手を伸ばすとどこからともなく現れた別の男がバイオリンケースを足で押して渡し、
男はタイムジャンプしてどこかに消える。

時空局で治療を受けて、男は全く別人の顔(イーサン・ホーク)になる。
男は傷も癒え、やがてフィズル・ボマーと呼ばれる爆弾魔を捕えるため、新たなミッションに飛ぶ。

1970年11月、ニューヨークの場末のバー。男はバーテンダーとしてカウンターの中にいた。
そこにちょっと場違いのヤサ男が入ってきた。

ヤサ男は「アンマリード・マザー」(未婚の母)のペンネームで女性誌に人生相談物を書いていると言い、
バーテンと酒を賭けて面白い話を披露する。

When I was a young girl, ヤサ男は数奇な運命を語る。
生まれた直後に孤児院の前に捨てられた「男」は実は「女」でジェーンと名付けられた。
ジェーンは小さいころから頭がよかったが友達はおらずいつもひとりぼった。
学校では苛めにあったが、力もあり、喧嘩も強かった。

大きくなって女性宇宙飛行士の募集に応募、身体能力、学習能力でも抜群の成績をだし、
常にトップクラスだったが、同僚とのいさかいで喧嘩し、首になってしまう。

その後は家政婦として住み込みで働くが、素養を身に着けようとマナー教室に通うことにした。
ある日、マナー教室の帰り雨に降られ、たまたまぶつかった男性と恋に落ちる。
全く初めての異性との逢瀬に心ときめくが、ある夜男性は「すぐ戻る」と言って席を立ち、
そのまま戻ってこなかった。

男とはそれっきり。
しかし、ジェーンは妊娠しており、そのまま元気な女の子を出産することになった。
悲劇は続く。
帝王切開で赤ん坊は無事に生まれたものの、ジェーンは子宮と卵巣を摘出、
二度と子供をもうけられない体となった。
さらにせっかく産んだ子供は間もなく産院から誘拐され、ジェーンはまたも孤独になってしまった。

医者の言葉はそれですまなかった。
ジェーンは両性具有であり、女性としての機能は失ったものの、男性の機能は生きており、
乳房を切除、男性器の整合手術により、見た目も男性にさせられてしまった。

ジェーンは女性誌の人生相談の欄を見て、自分にもできると考え「未婚の母」のペンネームで
人気を博するまでになった、というのだ。

バーテンダーはジェーンに思わぬ提案をする。
「もし君の人生を台無しにした男を差し出すと言えば君はその男を殺すか、しかもお咎めはなしだ」
ジェーンは冗談じゃないと怒るが、バーテンダーは「今の名前はジョン」など知らないはずの話をし、
ジェーン(ジョン)をバーの地下に連れて行く。

そしてバイオリンケースを出し、ジョンとともに1963年にジャンプする。
時空ジャンプで気分を悪くしたジョンをジェーンが男と会った場所に連れて行く。

ジェーンはマナー教室から出てくると、なんとジョンにぶつかったのだ。
ジョンが咄嗟に語った言葉は7年前にジェーンだった自分自身が聞いた言葉だった。

そう、ジェーンが出会った男とは男になった自分自身だった。
ジェーンとジョンはすぐに親しくなり、ある夜、ジョンは自分たちを見つめるバーテンダーの視線に気づく。
「すぐに戻る」と言ってジェーンと別れたジョンはバーテンダーに会い、自分を嵌めたと怒り狂うが、
バーテンダーに説得されてその場を去る。

ジョンは時空局に採用され、タイムジャンプで事件を未然に防ぐようになる。

その間にバーテンは新生児室からジェーンの子供を誘拐し、孤児院の前に放置する。
つまり、ジェーンは自分の産んだ子供そのものだったのだ。

ジョンはやがてフィズル・ボマーの爆弾テロ阻止を命令され、
1970年3月に飛び、冒頭の爆弾処理に向かう。

そして、フィズル・ボマーには逃げられるが爆弾を処理しようとして失敗、大やけどを負う。
そして治療時に整形を受けてバーテンだーの顔になる。つまり、バーテンダーはジョンその人だった。

バーテンダーに成りすましていたジョンはバーを辞め「未婚の母」の名でコラムを書き続けていた。

時空警察の追尾を逃れて多くの爆弾テロ犯罪を繰り返していたフィズル・ボマー。
後に1万人の被害を出した爆破事件が近づいていた。

ジョンはフィズル・ボマーの居場所を突き止め、そのコインランドリーに向かう。
そこにいたのは、何と爆弾犯となった将来の自分自身。
多くの事件を起こしておきながら、自身を正当化していた。
つまり、爆弾事件によって例えば工場が停止して毒の垂れ流しが阻止されたとか、
地下鉄が停止して起こるはずの別の大惨事が起こらず、多くの人が助かった、というのだ。

ジョンはそうだとしてもNYでの1万人の被害は正当化できない、として
フィズル・ボマーである将来の自分自身を射殺する。

こうして1万人の被害は未然に防がれるが、それもまた史実通りだった。

**

男がいなくなったのは過去に行った自分が殺したからで、自分が殺したことで自分に不幸になる話かと思っていた。

「ウロボロスの蛇」

タイムパラドックスを扱った映画としては、物語は一応完結している。
過去の自分と未来の自分が絡み合い、自分で自分を不幸にする因果応報的な話かと思っていたが
あそこまで全部が自分だったのは意外だった。

「犯人は自分」系映画の場合、よほどの間抜けか、特異な精神構造の設定でもない限り、
過去のことを知らないのは変で、矛盾や穴、論理破綻も起こりやすいが、
本作の場合は未来の自分は過去のことを知っているが、過去の自分は未来のことは知らないので、
特に論理破綻するでもなく閉じている。

「ドラえもん」にタイムマシンで犯人を捜しに行ったら自分だった物語があったのと、
自分が自分を殺す輪廻的なものは「火の鳥」の「八百比丘尼」を思い出した。

物語と直接関係はないが、ジェーン、あるいはジョン自身のDNAはどうなっていたのか。
生物学的には興味深い。

本来XX、またはXYである性染色体がまれにXXYとなることがあり、
クラインフェルター症候群と呼ばれるらしい。
ただ、その場合、見かけは男となる。

また、男性ホルモン受容体の機能不全(アンドロゲン不応症)により、見かけは女性となるが、
染色体上は男性と言うこともあるようだ。(男性なので妊娠はしない)

ただ、クラインフェルター症候群の場合は、XXYだけでなく、XXXY、XXXXYなどのケースもあり、
また、XXYとXXが混在するXXY/XXモザイクと呼ばれるケースもあるそうで、モザイク率によって
見かけは男性だったり女性だったり、いわゆる半陰陽(両性具有)のこともあるらしい。

いずれにせよ、ジェーンとジョンとその子はすべて同一DNA=クローンであり、
まさに「ニワトリが先か、卵が先か」だが、「雄鶏が最初」は回答になっておらず、
本作の場合、どの個体が先か、どのようなDNA構成になっていれば起こり得るのかはちょっと思いつかない。

タイムジャンプによって精神に異常をきたすこともあるとの設定だし、
ジェーンにも多少その兆候があるとされていたから、もしかしたら、
どこかは妄想だったのかもしれない。

 

 

  

  ソロモンの偽証 前編・事件

藤野涼子、佐々木蔵之介、尾野真千子、余貴美子、小日向文世、前田航基、田畑智子、夏川結衣。

物語は、一人の女性教師、中原涼子(旧姓:藤野、尾野真千子)が、江東区立城東第3中学に
新任の校長(余貴美子)を訪れ、歴代校長に受け継がれている「伝説」について語る所から始まる。

時代はバブルが終焉を迎えようとしていた1990年のクリスマスの朝。
江東区城東第3中学は終業式の日を迎えていた。
当時、同中の2年生だった藤野涼子(藤野涼子)は、夜勤明けの刑事の父、剛(佐々木蔵之介)と
入れ替わりに家を出て、降り積もった雪の道を同級生の野田健一(前田航基)と学校のウサギの世話に出かけた。

通用門から入った二人は、校舎脇に何かが埋もれているのを見つけ、掘り起こしてみると、
それは2年A組の同級生、柏木卓也の転落死体だった。

警察は自殺と断定。
担任の森内(黒木華)は自分が至らなかったと嘆き悲しむが、学校は冬休みに入り、
柏木の通夜告別式が厳かに行われた。

大勢の同級生が弔問に訪れる中に他校の生徒と思われる男子中学生も混じっていた。

しかし、冬休みに入って赤文字の告発文が藤野涼子の家に送られてきた。
差出人は同級生の三宅樹里(石井杏奈)。
友達の浅井松子(富田望生)と一緒に同じ内容の3通の告発文を投函していたが
この時点では三宅らが投函したことは分かっていない。

三宅樹里はニキビに悩む多感な女子中学生だが、母親の未来(永作博美)は
娘の悩みも軽く考えている能天気な性格だった。

浅井松子は父(塚地武雄)、母ともにおデブ一家だが明るい性格で三宅樹里だけが友達。

告発文の内容は、柏木卓也が自殺ではなく、学校の屋上から突き落されるところを見たと言うもの。
そして、突き落したのは、大出俊次(清水 尋也)、井口充、橋田祐太郎の3人だ、と言うことだった。

良子はすぐにその手紙を父、剛に見せるが、父も母(夏川結衣)も自殺と断定されているとして
取り合ってくれない。

しかし、同じ手紙が学校にも来ていたことから担当刑事の佐々木(田畑智子)は、
校長と相談の上、学年主任の反対を押し切ってそのことを非公開とし、
佐々木はカウンセリングの名の下、クラスメートにヒアリングを行い、
差出人の特定をしようと考えた。

そうこうするうち、TV局のHBSに告発文が送られてくる。
それは担任の森内に送られたもので破り捨てられていた、というのだ。
たまたまそれを見つけた誰かが学校の隠蔽体質に憤り、マスコミにリークしたのだった。

メディアに追い立てられるようになった森内。
HBSでは、事件の闇を追うとして告発文の内容や、それを隠蔽しようとしている
学校、担任を非難する番組を報道。

学校は大騒ぎとなり、職員会議では森内の吊るし上げが起こる。
森内は告発文を受け取っていないと言うが、強硬派の教師に信じてもらえず、
郵便物が盗まれたと警察に相談するが、森内の住む江戸川区は所轄外だと断られる。
結局ノイローゼ気味となった森内は年度末で学校を辞めることになった。

校長は、これ以上の騒ぎは避けたいとして警察によるカウンセリングを中止するよう依頼。
一方、告発文で犯人と名指しされた大出俊次は学校に来れなくなる。
大出の父はメディアの取材申し込みに暴力で応え、俊次の立場はますます悪くなる。
報道を見てひとりほくそ笑む三宅樹里。

保護者の間では学校に対する不信感が増大し、学校では説明会を行うこととなった。
大勢の父兄が罵声を浴びせる中、壇上に上がった佐々木は冷静に告発文の矛盾を突く。
「事件を目撃した」と告発文を書いた本人が何故その時刻に現場にいられたのかが不思議。
実際に事件だったとしたら、誰も騒ぎを聞いていないのはおかしい、等々。

父兄の多くは佐々木の説明に納得し、浅井松子の母もその話を家で夫に話す。
それを聞いた松子は樹里の思惑が外れて、告発が否定されそうになることに驚き、
家を飛び出して樹里の家に向かおうとするが、途中でバントラックにはねられて重傷を負う。

翌日、学校では松子の怪我の話で持ちきり。
中には大出の父が口封じに松子をはねさせたと言う者まで出る始末。

2年A組のクラスメートは3年になり、事件にわだかまりを持ちながら過ごしていた。
野田健一は柏木卓也の通夜に来ていた他校の生徒で柏木の小学校の同級生、
神原和彦(板垣瑞生)と知り合う。

入院していた浅井松子は治療の甲斐もなく死亡。
ショックを受けた樹里は声が出せなくなってしまう。
浅井家を弔問に訪れた校長は重圧で体調を崩し、学校を辞めてしまう。

一方、大出の実家も火災に遭い、逃げ遅れた俊次の祖母が亡くなる。

野田健一は、神原を藤野涼子に紹介、涼子は神原との会話から
事件に決着をつけるには自分たちで白黒はっきりさせるしかないと思い立つ。

涼子は自分たちで裁判を行い、告発文の真偽、そして柏木卓也の死の真実を
明らかにしたいと考えたのだった。

勿論、親にも反対されたが涼子の意志は固い。
意外にも体育教師の北尾(松重豊)は賛成し、開廷時期は8月15日、審理期間は5日間とアドバイス。

涼子は卒業文集のテーマ議論の集まりの前に、元2年A組のメンバーを集めて裁判の話をするが、
反対する教師の高木(安藤玉恵)と口論になり、平手打ちされる。

止めに入った井上康夫(西村成忠)の証言もあり、涼子の母は(新)学校内裁判を認めなければ
体罰を教育委員会に訴えるとして、校長に裁判を行うことを承諾させる。

北尾も退職して涼子らに加勢することとなり、学校内裁判の準備が進められることになった。
単独での判断は難しいとして陪審員形式の裁判とすることになり、
告発文の真偽を問うのだから被告は大出俊次。
弁護人は告発文に疑問を持ち、大出を犯人ではないと確信する神原和彦。
検事は藤野涼子が担当することとなった。
それぞれが助手をつけ、書記などの役回りが決まる中、最後まで決まらなかった判事は
当初、内申書や高校受験に不利として、裁判に反対していた井上が担うことになった。

被告として大出に出廷を求め、説得に当たる神原や藤野。
激昂して神原に殴りかかる大出。
神原は自分の父が母親を殴り殺して自殺した壮絶な過去を語り、大出の敵愾心を萎えさせる。

その頃、探偵事務所に郵便物の盗難調査を依頼していた森内は隣人の垣内美奈絵(市川美和子)が、
犯人だと知ることになるが、柏木の怨念のせいだと思ってしまう。

神原は大出俊次やその母に話を聞き、母にも証人としての出廷を求める。
母は一旦は承知するが、父が激怒して母を殴り、俊次も出廷しないと言いだしてしまう。

生徒たちは裁判ができないと落胆するが、神原は絶対に大出を出廷させると言い放つ。

果たして。
後編へ続く。

**

原作は宮部みゆきの同名小説。
小説は「事件」「決意」「裁判」の三部作となっている。
映画は「事件」と「決意」を合わせて前編、後編が「裁判」となっているようだ。

小説では「伝説」を知るのは、教師と成って城東第三中に戻った「野田」で、
成人した野田が登場するのは物語の最後とのこと。
藤野は弁護士になっていて、名前は「神原」になっているらしい。

映画では冒頭、伝説の説明に藤野涼子が中原涼子先生として登場し「小説とは違うよ」をアピールしている。
未読者にとっては無意味でも既読者にはインパクトがあると思われる。

後半の展開、そして結末は小説と同じなのか、映画化に合わせて改変がされているのか。
また、小説では重要な役回りの三宅樹里が、失声症(ストレスで声が出ない)のまま、
後半に突入してどうなるのか。興味のあるところ。

チラシの生徒が横に並んだ写真はダビンチの「最後の晩餐」を模した物だろう。
数を数えればわかるが全部で12人となっており、一人足りない。
中央のキリストの左側、左から数えて4人目にいるはずのユダがいない。

「誰が嘘をついているのかわからない」と言う意味合いだろうか。

生徒はほぼ本当の中学生で構成されている。
主人公である藤野涼子は本作が本格デビュー作で役名と芸名が同じ。
前田航基は「まえだまえだ」の兄。

丁寧に撮ろうとするのは分かるが、各シーンがやや冗長。
例えば、冒頭の尾野真千子登場のシーン。
通用門から入って「現場」で思いにふけるのはいいとして、違うアングルで3カットも要るか?
立ち尽くす(動きがない)のもだるい。

その割には、余貴美子とのやり取りでは、台詞が舌足らずで尾野真千子が余貴美子に
なぜならを伝えるのかがはっきりとは伝わらないのが惜しい。

劇中、「陪審制なんだから裁判長ではなく、判事。」と言うセリフがあるが、
日本の司法制度上は判事も裁判官の一種。
裁判官のうち、一定のキャリアを持つ人が判事と呼ばれる。
裁判官と判事の関係は、包含関係でいえば、警察官と刑事の関係に近い。

また、複数の裁判官がいるから裁判長なので、単独審(裁判官が一人)では、
本来裁判長と言う言い方はおかしい。

劇中の陪審制が法律に則った正式の物ではないので
「法的には・・」の指摘は意味がないが、敢えて言うとすれば
「アメリカの陪審制」は陪審員が有罪か無罪かを判断し、量刑は裁判官が決める。
これに対し「日本の裁判員制度」では、裁判員は裁判官と合議して判決の成立に関与する。

 

 

                   

 ミュータント・タートルズ    

ミーガン・フォックス、ウィル・アーネット、ウーピー・ゴールドバーグ。

TV局、チャネル6のリポーター、エイプリル・オニール(ミーガン・フォックス)は、
軽いニュースが担当で、コンビを組むカメラマン、バーン(ウィル・アーネット)の忠告も聞かず、
フット軍団が起こす凶悪事件を追っていた。

エイプリルは、バイクでコンテナふ頭に向かい、まさにフット軍団がコンテナから荷物を強奪している現場を発見。
そこに何者かが現れ、コンテナの上を飛び回って、フット軍団を次々とふっ飛ばすと軍団は逃げてしまう。

エイプリルはその何者かを撮影しようとするがうまくいかず正体はつかめない。
唯一「家門」の文字を残して。

翌日、社の編集会議でエイプリルは埠頭での出来事をトップニュースにしたいと進言するが、
事件にもなっておらず、証拠写真もなく、トンプソン編集長(ウーピー・ゴールドバーグ)に拒否される。

フット軍団のボスはシュレッダーの異名を持つ日系人。
部下の失態を叱責するとともに邪魔をした「人とは思えない何者か」を捕まえるよう指示する。

一方、NYPDもフット軍団一掃のためにサックス社と手を組み、
同社の社長エリック・サックス(ウィリアム・フィットナー)は、全力を尽くすと宣言。

エイプリルは感激してエリックに謝意を述べる。
かつてエリックはエイプリルの父カービーと共同研究をしていたが、火災でエイプリルの父は亡くなっていた。

フット軍団は地下鉄を襲い、大勢の乗客を人質に「何者か」をおびき出そうとする。
事件現場に向かったエイプリルは軍団に発見され、人質にされてしまう。

その頃、その何者か(=ミュータント・タートルズ)の面々は外に出るなとの指令を無視して
地下鉄構内に突入、あっという間にフット軍団を倒し、その大半を拘束して去る。

エイプリルは地下鉄構内から出て「何者か」を追ってビルの屋上に向かう。
姿をやっと撮影した、と思ったら背後から近づいたその姿は巨大な人語を喋る亀。

写真を消せと言いつつも互いの名前を呼んだりして去っていく。

エイプリルはラファエロやミケランジェロに覚えがあった。
子供の頃、父の研究所で飼っていた亀に着けた名前だった。
そして撮影したビデオの中に亀に注射するサックスの映像があった。
どうやら研究が頓挫した「ルネッサンス計画」に関係するものと思われた。

翌日、エイプリルは、編集長に「亀」の存在を語るが、信じない編集長はエイプリルを首にする。
悔しさに涙するエイプリルは、バーンの車でサックスの豪邸に向かう。

そこでエイプリルは「亀」の写真を見せ「ルネッサンス計画」について聞く。
サックスは自分の生い立ちや「ルネッサンス計画」についてエイプリルに教える。
元々は万能治療薬としての開発だったが、亀が突然変異したことも調べたいと言う。

一方、亀(=ティーンエージ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ=TMNT)が戻った先は下水道の中の空間。
彼らが先生(センセイ)と呼ぶネズミ、スプリンターはTNMTが外に出たことを叱る。

しかし、屋上で遭遇したのがエイプリル・オニールだと知るとスプリンターはエイプリルが危ないと言う。
TNMTたちはスプリンターの命に従い、エイプリルを隠れ家へ連れてくる。

スプリンターはエイプリルの記憶通り、かつて父の研究所で飼われていたこと、
父がサックスの研究の真の目的を知り、施設を破壊して火を放ったこと、
火事の際にエイプリルが自分たちを助けて逃がしてくれたこと、
そして下水道に逃げ込んだ後、薬の影響で変異を起こしたこと、
さらには体を鍛えて、数々の技を会得したことを話した。

エイプリルの父を殺したのはサックス自身であることも。

そう、サックスを助けて育てた日本人とはシュレッダーだった。
シュレッダーは全身を包む甲冑を身に着け、フット軍団とともにスプリンターを襲い倒す。

TMNTもスタンガンでやられて捕まる。
ラファエロは瓦礫に埋もれ死んだと思われるが死んでいなかった。
隠れていたエイプリルとラファエロはスプリンターを助けた後、バーンの車でサックスの屋敷に向かう。
TNMTの存在を信じていなかったバーンもラファエロを見て信じる。

一方、サックスはNYにウィルスを蔓延させ、TNMTの血液から抽出合成したワクチンを
高く売りつける計画で、ウィルス飛散の準備を開始、TNMTの血を抜きはじめる。

ラファエロがシュレッダーと対決、その間にエイプリルが3匹にアドレナリンを注射して救出する。
サックスは途中まで抜いた血を使ってワクチンを製造し、ヘリでNYに向かう。

バーンがコンテナトラックを盗んでTNMT、エイプリルらとともに逃走。
追うシュレッダー軍団との追走劇となる。

ギリギリでフット軍団を倒したTNMTとエイプリルらは下水道を滑走してNYに向かう。

その頃、ウィルスが仕込まれた電波塔ではシュレッダーがウィルス飛散の準備をしていた。
間に合ったTNMTはシュレッダーと対峙、機械の停止に成功する。

しかし、シュレッダーは電波塔をウィルスの容器ごと破壊、塔は倒れていくが、
TNMTの活躍で電波塔はゆっくりと降下、TNMT、エイプリルは助かる。
一方のシュレッダーは落下して地面に激突する。

こうしてNYの危機は去り、ワクチンでスプリンターは回復する。

バーンはTV局から新車を与えられてご満悦。
TNMTはカスタムカーでエイプリルに礼を言いに来て、操作をミスりバーンの車を爆破してしまう。
嘆くバーンをしり目にTNMTは去っていく。

TNMTはコミックから派生しTVシリーズ化、後に映画化もされ、’90、’91、’93の後、
2007年にアニメ版の「TNMT」が作られ、本作が都合5作目になる。

細かい設定は異なるようだが、ラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド、ドナテロの亀4匹に、
ネズミのスプリンター、エイプリン・オニールはお馴染みのキャラ。

また、シュレッダー、バーノン・”バーン”・フェンウィックはTV版ではおなじみのキャラのようだ。

「ミュータンジェン」によって突然変異を起こした亀、と言う設定自体が科学やSFを超越したものだが、
宇宙船を浴びて突然変異し、超能力を得る4人よりはましか。

まあ、その乗りで見れば、CGも素晴らしいし面白い。

 

 

  

 

 アメリカン・スナイパー 

ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー。

**

冒頭は予告編で何度も見た屋上から様子をうかがうクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。
親子連れが家から出てきて母親が少年に爆弾のようなものを持たせる。
司令部は確認できず、カイルに判断をゆだねる。

クリス・カイルは幼いころから父に狩りを教わり、その才能の片鱗を見せていた。
クリスの父は敬虔なクリスチャンで、世の中には3つのタイプの人間があるとかいるに教えていた。
一つはか弱い羊、そして羊を襲う狼、そしてその狼に立ち向かい羊を守る牧羊犬(シープドッグ)。
体の大きい友達にいじめられる弟を敢然と助けるカイルに父はお前はシープドッグだ、と言った。

成長したカイルは、弟のジェフとともにロディオのプロとして活躍していた。
多くの大会で優勝しているカイルだったが、家に帰ると恋人が男を連れ込んでいる最中だった。
怒り狂うカイルに放っておく方が悪い、気を引くために浮気したと逆切れする彼女を追いだした。

1998年、アフリカでのアメリカ大使館に対する爆弾テロのニュースを見たカイルは正義感に駆られ、
意を決して海軍に入隊、シールズの訓練を受けることになる。
厳しい訓練に耐えられず脱落する者も出る中、クリスは耐える。
訓練でカイルは特に射撃の能力に長け「紙の的」は外しても、毒蛇は狙い撃ちしてみせた。

ある休みの日、バーで偶然知り合ったタヤ(シエナ・ミラー)と恋仲になり、やがて結婚することになる。

2001/9/11、例のテロ事件が起こり、アメリカは「アフガニスタン侵攻」を決意する。
程なくカイルはタヤと結婚するが、その結婚式の式上、シールズに出動命令が下る。

イラクへの第1回の出兵。
クリス・カイルは狙撃兵として隊列の後方から敵を監視し、見方を守る役割。
冒頭のシーンに戻り、母親から爆弾を託された少年は、隊列に向かって走る。
カイルは止む無く少年に向かって発砲。少年はその場に倒れる。
母親が少年に駆け寄り、爆弾を取り上げて隊列に向かって投げようとする。
カイルは2発目を発射、母親は倒れ、爆弾は隊列の手前で爆発する。

最初の狙撃が少年と母親であったことに気が滅入る。

その後もカイルは着実に敵を倒していく。
まさに一撃必中。やがて仲間内でカイルを「レジェンド」と呼ぶものが出始める。

作戦中にカイルは衛星電話でタヤに連絡を取ることがあった。
当時、タヤは妊娠しており短い新婚生活に不満を持っていた。
タヤとの電話の中でカイルは弟のジェフも戦地に赴くことになったと知る。

カイルは屋上から狙撃するだけでは建物内に入った米兵を援護できないことが不満だった。
やがて、歩兵部隊とともに建物の捜索にも入るようになった。

イラク軍の中にも抜群の命中精度を誇る狙撃兵がいた。
その狙撃者はオリンピックチャンピオンだと言うことだった。
しかし、イラクには射撃でオリンピックに出た者はいないはずだ、とカイルは思った。

シールズにアルカイダ幹部のザルカウィ捜索命令が出る。
退避命令が出ているはずの建物でカイルは残っていた一家を見つける。
聖職者を名乗るその男は、10万ドルと引き換えにザルカウィのNo2で
ブッチャー(屠殺人)と呼ばれる男の居場所を教えると告げる。

基地に戻って上官に告げると許可が下り、カイルらは金を持って再び町に向かう。
しかし、例の狙撃手、ムスタファに狙われ、直前で足止めされる。
ムスタファの執拗な攻撃に手間取っているうちに、聖職者とその息子はブッチャーに惨殺される。

カイルは帰還し、タヤと再会する。
医師は順調なタヤよりもカイル自身の健康を心配する。
タヤはその日出産し、男の子を産む。

2度目の派兵、そして帰還。
タヤは女の子を産む。
カイルは平和な生活になじめず、またちょっとのことで苛立ちを見せるようになる。

3度目の派兵。
ブッチャーの捜索で怪しいレストランを監視することになった。
レストランの向かいの民家に陣を構えることになった。
家の主人はおとなしく米軍を迎え入れ、暫くのちには年中行事の祝宴に米兵を誘う。
その主人の肘の様子に不審を抱いたカイルは、トイレの振りをして家を捜索し、武器庫を発見する。

主人を囮にレストランに行かせ、その後からレストランに突入すると、
そこには惨殺された米兵の死体、敵と銃撃戦の末、ブッチャーには逃げられる。

ある日、仲間と敵の掃討に出たカイルは、屋上でムスタファに狙撃される。
弾は反れたが跳ね返り、婚約中だった仲間のビグルスの顔面を直撃する。
急いで基地に戻り、ビグルスは一命を取り留め、帰国する。

カイルは帰国し、ビグルスを見舞う。
ビグルスは失明していたが、元気で結婚すると言う。
仲間や家族のためにも敵を倒すと考えるカイル。
しかし、ちょっとした音にも過敏になり、息子や娘の危機にも過剰反応する。
タヤはカイルの心が戻ってこないと嘆き、もう一度戦場に向かえば、待っていないと告げる。

4度目の出兵。
基地で偶然弟のジェフに出会う。
帰国目前の弟は精神的に疲弊していた。

カイルのチームは米軍がコンクリート壁の建設をしている現場の援護に向かう。
技術者がムスタファと思われる狙撃者が1km遠方から狙い撃ちにしているらしい。

敵のど真ん中の建物の屋上に陣取り、ムスタファを探す。
砂嵐の近付く中、ムスタファは想定の反対方向から狙ってくる。
想定よりはるかに遠くからの射撃。

スコープの向こうに微かにとらえたムスタファの距離は1920m。
味方の援護を待てとの指令を無視し、カイルは弾丸を放つ。
その弾丸は確かにムスタファを捉えた。

発射音で周辺の敵が集まってくる。
基地へQRF(緊急対応部隊)を要請、到着まで約20分。

さらに攻撃ヘリによる援護を要請するが、近くまで来たヘリは砂嵐に阻まれ退避。
やがてカイルらのいる建物も砂嵐に覆われる。
QRFの装甲車が到着し、敵の薄い側から脱出。
カイルは銃弾を受け倒れるが立ち上がり、装甲車がスピードを落としてカイルは難を逃れる。

こうして4度目の帰還。
カイルは除隊するが、なかなか悲惨な体験から逃れられない。
軍医の診察でもっと多くの味方を助けられたと悔やんでいると語るカイル。
軍医はここには多くの助けが必要な帰還兵がいると語り、その集まりにカイルを連れて行く。

かつて自分が父から学んだように、息子に狩猟を通じて命の大切さを教えるようになる。
また、悩みを抱える帰還兵に射撃を通じて心の葛藤を癒していき、自身も平穏を取り戻していく。

しかし、2013年2月2日。
新たな帰還兵を射撃場に連れて行くカイル。
タヤは言い知れぬ不安を抱えて二人を見送るのだった。
(その日、クリス・カイルはその帰還兵に背後から射殺された)

近年の戦争映画の例に漏れず、リアリティ重視、悪くはないが、見て楽しい映画ではない。
良い映画とは思うが「アカデミー最有力候補」はちょっと言い過ぎ。

実在のSEALsのスナイパー、クリス・カイルの物語。
エンディングでは実際のクリス・カイルの葬儀の模様が映し出された。

結末をどう描くのか気になったが、字幕でのみの説明となっていた。
遺族に配慮して最後のシーンは描かなかったと言われる。

戦地と本国のギャップ、心を病み、平和な世界での疎外感から再び戦地に赴く。
「ハート・ロッカー」と同種の展開ではあるが、あちらはフィクション。

劇中、負傷失明して帰還しカイルの4度目の出兵時に死亡していたライアン・”ビグルス”・ジョブは
実際には結婚し、カイルの帰還後もしばらく交流があったらしい。
カイルが失明したビグルスの要望で車いすを押して星条旗の見える場所に連れて行ったこともあるらしい。
ビグルスはその後程なくして長女出産直前に死亡したそうだ。(Wiki参照)

アフガンやイラクを扱った戦争映画は「ハート・ロッカー」をはじめとしてヒット作が少ない。
本作の興収は3億ドルを超え、戦争映画、クリント・イーストウッド監督作品、
ブラッドリー・クーパー主演映画の歴代最高を記録している。

そのブラッドリー・クーパーはいつもの彼よりかなり太って見えた。
あまり詳しく語られていないが、恐らくは役作りのために体重を増やしたものと思われる。

 

 

  

  チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 

ジョニー・デッブ、グウィネス・パルトロウ、ユアン・マグレガー、ポール・ベタニー

インチキ画商、贋作も高値で売り飛ばす、と言っても全くのデタラメ詐欺師ではない、
審美眼と言うか美術品の知識はしっかり持っている、ギャラリー・フェイクの藤田玲司のよう。
とはいっても、キュレーターではないし、修復はしませんが。

そんな胡散臭いイギリス人画商チャーリー・モルデカイ(ジョニー・デッブ)。
今日も中国マフィア相手に高値でツボを売りつけようとして揉めて指を切られそうになる。
しかし、そこに助手と言うか使用人のジョック(ポール・ベタニー)が現れてモルデカイを助ける。

モルデカイの家は大豪邸だが、税の巨額滞納(800万ポンド)で破産寸前。
妻のジョアンナ(グウィネス・パルトロウ)は美術品を売ることで何とかしのごうと考えている。

そんなある日、オックスフォードでベテランの修復士ブロンウェンが殺され、修復中のゴヤの絵が盗まれた。
しかし、その強盗殺人犯エミールの上前をはねて絵を横取りした人物がいた。

MI5のエージェントでモルデカイの同級生だったマートランド(ユアン・マグレガー)は、
絵の捜査を裏社会にも通じるモルデカイに依頼する。

なお、マートランドはジョアンナを巡ってモルデカイと恋敵だったが、
今もジョアンナをあきらめきれていない。
モルデカイは金に困っているので、報酬を目当てに絵の捜査を引き受ける。

まずは、ゴヤ専門の画商でもあるグラハム卿(マイケル・カルキン)を訪ねると、
グラハム卿はブロンウェンが3カ月も前から修復に掛かっていたことに疑問を持ち、
何か秘密が隠されているのではないかと言う。

次に、売却予定のロールスロイスを預けている修理工で美術品密売人スピノザ(ホール・ホワイトハウス)の
ガレージに行くと「つけ」の件で散々嫌味を言われる。
そこにエミールが現れ、スピノザを撃ち殺してしまう。
モルデカイはジョックの手助けで逃げるがエミールに追われ、ドタバタ逃走劇となる。

ジョアンナはモルデカイとは別に捜査を進め、ボローニン公爵(マイケル・バーン)と会う。
公爵は頓珍漢な受け答えをしたが、絵はかつてナチに奪われた「ウェリントン公爵夫人」で
その裏にナチの秘密口座番号が書かれていると明かす。

一方のモルデカイはロシアンマフィアのの部下に捕まり、ロシアに連れて行かれる。
ボスは、ゴヤの絵を長年狙っていたロマノフ(ウルリク・トムセン)。
モルデカイがゴヤの絵を持っていると思い、拷問しようとする。

しかし、外からジョックが合図を送り、モルデカイはマフィアの手下ともども窓から飛び降りて、
ジョックのバイクで逃げる。

何とか逃げ切ったモルデカイとジョック。
イギリスに戻るとマートランドにアメリカ行きを指示される。
モルデカイのロールスロイスの買い手でもあるミルトン・クランプ(ジェフ・ゴールドブラム)が
絵を手に入れたらしいと言うのだ。

売却するロールスロイスとともにクランプ宅を訪れたモルデカイとジョックの目の前で、
クランプはロールスロイスの屋根に隠されたゴヤの絵を取り出す。
そう、エミルから絵を奪い、ロールスロイスに隠した人物こそスピノザだったのだ。

クランプは友人を招き、絵を披露すると言う。
クランプの娘のジョージナ(オリビア・マン)がモルデカイに接近するのを危惧したジョアンナは、
マートランドとともにクランプの屋敷に現れる。

モルデカイはジョックと一緒にクランプから絵を盗もうと考えるが、
クランプは殺され、エミルに絵が盗まれてしまう。

エミルはジョージナとグルだった。
マートランド、ジョアンナ、モルデカイ、ジョックはロールスロイスでエミルとジョージナを追う。
二人はモーテルに逃げ込み、絵の裏に隠された番号を溶剤を使って調べようとする。
そこにモルデカイらが乗り込むと、マートランドは秘密を隠すため絵に火をつけてしまう。
火は溶剤に引火、部屋が爆発するがモルデカイらは難を逃れる。

借金返済の目途が断たれ、屋敷を手放す覚悟のモルデカイに、ジョアンナは絵が贋作だと告げる。

ブロンウェンは修復でなく贋作を作っていた、そして残したメモ、I LOVE BUNNYとは、
ボローニン公爵のことだと気づいて公爵の屋敷を訪ねるが公爵は既に死亡。
以前会った時の会話をヒントにトイレで絵を探すもわからない。
結局は公爵夫人の手助けもあって絵を手に入れることができる。

絵を元々オークションに出すはずの絵の裏に隠し、ロマノフに競り落とさせる。
モルデカイはオークションの絵に「ウェリントン公爵夫人」が隠してあることを見せ、
ロマノフらをおびき寄せる。

一方、エミル、ジョージナも情報を聞きつけてオークション会場にやってくる。
また、モルデカイに復讐しようと考えている中国マフィアもやってくる。

一方、モルデカイは絵をすり替えてウェリントン公爵夫人をだまし取ろうと考えている。
エミルとの戦い、ジョックとチャイナマフィアの戦いも絡んでドタバタする。
オークション会場でモルデカイが高値を付けて絵を買い戻そうとしたことがきっかけで、
結局はグラハム卿と組んだロマノフが3千万ポンドで競り落とす。

ナチの口座番号は政府に渡し、3千万ポンドをまんまと手に入れたはずのモルデカイだったが、
手数料や運賃の他、政府の税滞納分も差し引かれて、手元に残ったのはほんのわずか(2600ポンドほど)

一方のロマノフは偽の絵を掴まされ、グラハム卿を拷問する。

全てが収まる所に収まり、モルデカイはジョアンナに懇願されてひげを落とすことを決意するが、
ひげより自分が大事と分かったジョアンナはひげを許す。
でもやっぱりひげアレルギーは直らなかったけどね。

全編にわたり、大いなる違和感。
それはイギリス的笑い、ブリティッシュ・ジョークとでも言えばいいのか、その違和感なのか。
「モネ・ゲーム」や「ジョニー・イングリッシュ」でも感じた笑いのツボの違いは如何ともし難い?

いや、きっとそれだけではない。
別に英語が得意なわけでも何でもないが、この違和感はイギリス訛りのせいに違いない。
ジョニデのセリフがどうにもこうにも鼻持ちならないのは、演技のせいではなく、
言ってみれば、全編にわたって下手な関西弁を聞かせ続けられるようなものなのかも。

粗筋を書いていて思ったのは、結構複雑で面白い展開になっていると言うこと。
何で映画は面白くなかったんでしょう。

ところどころに挟まれる下ネタや、昨年11月の「ハリウッド・フィルム・アワード」授賞式での
ジョニデの酔っ払い醜態ネタも全く笑えなかった。

「LADY MORDECAI」と呼ぶ台詞があり「モルデカイ夫人」と字幕が降られていた。
全くその通りで間違いではないのだが、この場合の夫人は単なる「奥さま」の意味ではなく、
「デビ夫人」の「夫人」と同じく貴族の妻の呼称であり、公爵が親しげに
「モルデカイ夫人」と言いつつも、電話で「知らん奴だ」と言い放つ微妙さが伝わらない。

また、「夫人」と呼ばれることはモルデカイがもともと貴族の出で、広大な敷地の馬鹿でかい屋敷に住み、
美術品の収集家で裏事情にも詳しい設定とつながって行くこともすぐには理解できない。

 

 

     

  ジョーカー・ゲーム   

伊勢谷友介、亀梨和也、深田恭子、小澤征悦。

第2次世界大戦前夜。

日本帝国陸軍の訓練施設で病気で歩行もままならぬ先輩兵士を助けた1兵士(亀梨和也)
それを罵倒し、病気の先輩を愚弄する上官に反発し、これをなぐり殺してしまう。

当然ながら逮捕され、処刑されるところを諜報機関であるD機関の創設者で
かつて自身が優秀なスパイでもあった結城中佐(伊勢谷友介)は彼の素質を見抜き、
D機関にリクルートする。

やがて厳しい訓練の後、嘉藤次郎と言う名と素性を与えられ、中国に赴くことになった。

D機関は対立する陸軍の武野大佐(島田久作)、矢島中佐(田口浩正)、笹原大佐(光石研)らに
「ブラックノート」を奪還するよう指示を受けていた。
「ブラックノート」はドイツ軍の科学者が開発した新型爆弾の技術資料で、
完成直後にアメリカ軍に強奪され、中国駐在のアメリカ大使が保管している。

嘉藤次郎はマカオと海南島の間にある島で写真館を開き、件のアメリカ大使グラハムに接近する作戦だ。
嘉藤はチェス好きのグラハム大使に取り入って大使館に出入りするのに時間はかからなかった。

嘉藤はある夜、大使館に忍び込み、大使の金庫からそれらしきノートを発見し写真撮影するが、
ページをめくるうちにノートが爆弾と関係ないことに気づく。

たまたま、グラハム大使に襲われそうになっているメイドのリン(深田恭子)を助けることになり、
大使館を辞めるよう言うが、リンはアメリカ国籍を得るためだと言って断る。

グラハム大使は急きょ予定を早めて帰国することになった。
陸軍中央は、アメリカ大使館に潜入し、大使を殺してでもブラックノートを奪う作戦を敢行。
精鋭部隊を大使館に突入させるが、嘉藤の同僚に一人ずつ倒され、作戦は失敗する。

嘉藤はチェス盤にブラックノートがあると考え、大使の帰国祝いのパーティでチェス盤を探るが
ブラックノートは見つからない。
ぎりぎりで、ナイトの駒にフィルムが仕込まれていることを知り、これを奪って脱出する。

嘉藤は後を追ってきたリンに色仕掛けでこれを奪われるが、追い詰めて奪取する。
しかし、リンが拉致され、嘉藤も仲間の逃走用の車が爆破され、イギリス軍に拉致される。

イギリス軍のマークス中佐に拷問され、嘉藤はついにブラックノートを差し出す。
嘉藤は処刑を免れるため二重スパイを申し出、マークス中佐はこれを受け入れたふりをして、
資料確認後、嘉藤を処刑するよう部下に指示する。

嘉藤は留置場から脱出、リンを解放し、ブラックノートを奪還して逃げようとするが、
偽の図面に騙されて行き止まりに追いつめられる。
しかし、そこにはチョークで「D」と書かれたドアがあり、そこに入って隠れ、難を逃れる。
実は「D」は敵に潜入しているスパイが非常手段として助けてくれる目印だった。

リンと合流し、再び出口を探す嘉藤。
階段を上った先は時計塔だった。
時計塔の天辺に追い詰められた嘉藤とリン。
追ってきたマークス中佐にリンは突き落される。
しかし、逃げる途中爆薬庫までの間に火薬を撒いており、マークス中佐のライターで火をつけ、
火薬庫を爆破。大佐は爆風に飛ばされて墜落する。

リンは時計の針に引っかかっていた。
ちょうどそこにかつてスパイ訓練施設で退去させられていた三好(小出恵介)が運転するクラックが突入、
リンと嘉藤はトラックに飛び乗って脱出する。

ブラックノートは無事に結城の元に届けられる。
資料を解析した結城は軍の重鎮の会議でその内容と開発にかかる費用を報告するが、
到底実現不可能なほどの高額であった。
これに言いがかりをつけてD機関をつぶそうと叱責する武野大佐、矢島中佐、笹原大佐に対し、
結城は彼らこそ大本営をバカにし暴走を企てていたと暴露して彼らを失脚させ、
D機関存続だけでなく予算増強を勝ち取る。

一方、現地では、爆死したと思われた小田切(山本浩司)、実井(渋川清彦)も生きており、
三好や嘉藤、リンとともに脱出するが、イギリス軍に発見され追跡される。

逃げる4人をしり目に途中で車を降りたリンはどこかへ去り、嘉藤は新たな指令書を受け取るのだった。

コミックでは上海が舞台だが、映画は架空の島。
各国が入り乱れて対峙する点では上海の方が現実味があったが、そこは許容範囲。

しかし、全般に浅い。
騙し騙され、誰が味方で誰が敵なのか、と言う割には複雑なひねりもない。
イギリスもアメリカも小物感満載で、強敵と対決している感がなく、緊迫感に欠ける。

頭脳戦の感じも諜報合戦の感じも全くしなかった。

あれはパンチテープではなくマイクロフィルムのつもりのようだが、到底そうは見えない。
何でああいう形にしたのか。せめて穴に見えるところが四角であれば・・・。

鞭打ちを受けた後での大活躍は不可能どころか、傷と痛みで服もまともに着れない。
大体、鞭打ちにウィップは使わない。

その他にも、言いだしたらきりがない。

訓練が全然役に立っていない。特に早着替えは何のため。
大使館突入部隊はその後どうなった、あのまま発見されたら大問題だ。
なぜフィルムだけを盗んでいかなかったのか、駒が無くなればばれるだろ。
時計塔の上から降りてきた連中は何故上にいたのか。

小出恵介は無駄遣い。
伊勢谷友介、小澤征悦も見せ場なし。
ただし、それらはキャストのせいではない。

 

 

     

  映画ST赤と白の捜査ファイル

藤原竜也、岡田将生、芦名星、志田未来、三宅弘城、窪田正孝、
瀬戸朝香、林遣都、田中哲司、渡部篤郎、ユースケ・サンタマリア。

百合根友久(岡田将生)がST(科学特捜班)を離れ警察庁に転属(出向?)するまであと2日。
相変わらず、赤城左門(藤原竜也)とはちぐはぐな関係。

犯人を護送して東京都江南区を行く警視庁の1ボックスカー。
信号待ちで停止し青信号になって発進した途端、左から交差点に進入してきた乗用車と衝突。
警察車両は横転して犯人が逃亡してしまった。

すぐさま、松戸紫織理事官(瀬戸朝香)を本部長とする捜査本部が設置され、
ほどなく逃走した3人は逮捕され、捜査本部は逃走犯の逮捕に喜ぶが、
その間に交差点の衝突シーン、その後逃亡者が近くのコンビニに押し入ったシーンの
防犯カメラの映像がネットに流出、ネットには警察に対する罵詈雑言があふれていた。

STの赤城は、事件を逃走犯の仲間によるものと判断する刑事連に対し、
犯人は逃走犯とは無関係のハッカーとして、罵詈雑言を浴びせたうえ、捜査を開始。
現場近くのコンビニにいた客の一人、鏑木徹(ユースケ・サンタマリア)と断定する。

赤城は筒井桃子(柴本幸)と牧村真司(水上剣星)には嘘の鏑木の情報を渡し、
自分は鏑木のアジトに向かう。

しかし、そこには火を付けられて燃える遺体があり、赤城はPCからデータを抜き、
到着した筒井と牧村に「鏑木の死体がある、火事を消せ」と言って去る。
検視の結果、歯の治療痕から焼死体は鏑木と断定される。

第一発見者である赤城の尋問中、赤城は鏑木を殺したのは自分だと告白し、自分を逮捕させる。
そして、鏑木のPCから抜かれたデータには、赤城が捜査費を横領していたデータがずらり。

鏑木は東南アジアでソフト開発会社に勤務中、不正に情報を取得するウィルスソフトを開発、
そのことを同僚の堂島菜緒美(安達祐実)にチクられ首になっていた。

赤城の推測では、鏑木はそのソフトを使って警視庁(もしくは警察庁)のデータを不正に取得。
護送車のルートを割り出し、信号システムのハッキングにより事故を演出した。
動機は自分の能力をアピールすること。

赤城の逮捕に松戸理事官の指示によりSTは解散させられてしまう。
しかし、赤城の犯行を信じられない百合根友久(岡田将生)は、
尋問中の赤城の「鏑木は許されないことをした」の発言が気になり、
面会を申し出るが拒否される。

そこで百合根は池田草介管理官(林遣都)を殴って自ら拘置所に入り、赤城に直接話を聞こうとするが、
赤城は「鏑木は死んでいない」とだけ言い、会話に応じない。

実は百合根は松戸理事官の指示により3日後にSTを離れ、異動することに決まっていた。
時間がない百合根は真実を明らかにし、STと赤城の名誉を回復したいと考える。

赤城は翌日、警護官に守られて検察に移送されるが、あっさりと警護官を倒し、警護官に化けて逃走する。

百合根は池田が告訴しなかったため拘置所を出て赤城逮捕の命を受ける。
松戸理事官は赤城の確保には元STメンバーの能力が必要とみて、
青山翔(志田未来)、結城翠(芦名星)、黒崎勇治(窪田正孝)、山吹才蔵(三宅弘城)
の4人を再招集し、赤城捜索を指示する。

百合根は鏑木のことを調べるため、ウィルスソフト開発を告発した堂島に話を聞くべく、
帰国してホテルに泊まっていた堂島を訪ねる。

その直前、ホテルの自室に戻った堂島を待っていたのは鏑木。
堂島は脅されて連れ去られてしまっていた。

廊下にカードキーが落ちているのを不審に思った百合根だったが、既に部屋は空っぽ。
戻ろうとすると部屋のチャイムが鳴り、そこには赤城がいた。

赤城は少なくとも4人がいた、と洞察。
落ちていた泥を採取し、隠れていた堂島の娘、椿(鈴木梨央)を発見する。
当初は訝しがって百合根を攻撃した椿だが、母親を助けると言う赤城を信じ、ついていく。

その頃、捜査本部で全く赤城の動向がつかめない捜査員たち。
STメンバーはツイッターに警官逃亡の情報を載せ、小出しにしてネットを煽り、
赤城と百合根の動きを割り出していく。

椿は鏑木の作った暴露ウィルスが「フギン」と呼ばれ、そのワクチンソフト「ムニン」も
存在すると話す。そのカギを握っているのがさらわれた椿の母、奈緒美と言うわけだ。

ネットには赤城、百合根、そして堂島椿の写真や位置情報が刻々と流され、
青山の推測でとある倉庫が限定される。

そこには赤城がかつて使っていたガッキー君の着ぐるみなどが置いてあった。
警察は倉庫を包囲、飛び出してきた「着ぐるみ」らと格闘になるが、何とか取り押さえる。
しかし、ガッキー君に入っていたのは赤城ではなく、筒井と元コンビだった菊川吾郎(田中哲史)。
赤城と百合根の消息は途絶える。

その後、鏑木はネット動画サイトに登場。
ホテルで開催されているワインオークション会場に乗り込み、参加者を人質に国に対し身代金を要求。
さらに人質を射殺する暴挙に出始めた。

ネットでは動画観覧者が激増。
この間も鏑木は人質を殺していく。
松戸理事官はオークション会場へSATを派遣するが突入は躊躇う。
しかし、赤城は鏑木のトリックを見破りSATの突入を指示、会場では普通にオークションが行われていた。

鏑木の目的は人質でも身代金でもなく、動画を見ることによって「フギン」に感染させることだった。
罠にはまり、世の中の膨大な数のPCがフギンに感染していく。

鏑木の目的は感染を拡大させた後、ムニンを高値で売ることだった。
本当のオークションが鏑木のアジトで行われていた。

堂島奈緒美誘拐時に採取した泥から、鏑木のいる工場を特定したSTのメンバー。
赤城は現場に急行。STメンバーとともに鏑木と対峙する。
一旦は鏑木の仲間を倒したものの、隠れていた大勢の仲間に逆に囲まれてしまう。
しかし、赤城を狙う鏑木の銃は物陰から狙っていた百合根の弾丸に弾き飛ばされる。
そして、警官隊も突入して一味は確保される。

堂島も解放され、母子は無事に再会を果たす。

赤城は鏑木の焼死体が別人であることに気づいていたし、鏑木のPCの横領データにも気づいていた。
しかもそれは赤城の物ではなく百合根を陥れるためのものだったが、メンバーに命じて赤城に改ざんしていた。
全ては異動になる百合根の経歴に傷をつけないため。

たとえ犯人の誤誘導によるものだとしても、百合根を巻き込みたくなかったのだ。
そうとは知らない百合根は赤城にひどいことを言ったとして落ち込む。

遂に百合根は警察庁に異動になる。
赤城は百合根にガッキー君のソフビ人形を餞別に渡し、百合根は感激する。
一方、交替でSTの長になった池田はこれからの自分の先行きに不安を感じつついるのだった。

**

TVシリーズからの映画版だということはもちろん知っていたが、
映画を見るまではTV版は全く見ていなかった。

TV版と映画版は同じキャストでキャラ設定もほぼ同じ。
映画はTV版を知らなくても各キャラの立ち位置が判るようにはしてあるが、
見ていた方がすんなり入れるのは言うまでもない。

それぞれのキャラにそれぞれの見せ場を用意できるのも映画の長さがあればこそ。
ただ、各自の見せ場を作りすぎることで散漫になる可能性もあったが、
うまくまとめられていて冗長感はない。

警視庁の屋上はTV版でも出てくるが、本物だろうか。
警視庁と警察庁は隣接する建物であり、その間に警視庁を見下ろせるような坂はない。
警視庁の裏手、国会議事堂側は国交省側に向かって緩やかな上りとなっており、
国会前庭庭園(元の井伊直弼の屋敷辺り)からはやや下に見える可能性はあるが、ちょっと違うかも。

 

 

                  

 ビッグ・アイズ 

クリストフ・バルツ、エイミー・アダムス、ダニー・ヒューストン

物語は、新聞記者、ディック・ノーラン(ダニー・ヒューストン)の語り口で始まる。
映像は大量にコピー印刷される大きい目の子供の絵。

1958年、DVに苦しめられていたマーガレット・ウルブリッヒ(エイミー・アダムス)は、
荷物をまとめ、娘ジェーンを連れて家を出た。

カリフォルニアに着いたマーガレットは、旧友のディーアン(クリステン・リッター)と再会、
女手で子供を養うため、職探しを始める。
絵を得意とするマーガレットだが、やっと手に入れた職は子供用ベッドにハンプティ・ダンプティの絵を書く仕事。
休みの日には広場で似顔絵を描くバイトをやっていた。

たまたま隣に自分の描いた風景画を販売していた男性、ウォルター・キーン(クリストフ・バルツ)が、
近づいてきて、マーガレットとその絵を散々持ち上げる。

マーガレットはウォルターに聞かれ、「目の大きい子供」の絵を書く理由を語る。
そこには自分の幼少期の思いが込められていた。
一方のウォルターは、本業が不動産屋で画家は副業的にやっていることが分かる。

やがて、マーガレットとウォルターは急速に親しくなるが、ある日、元夫からジェーンの親権を要求する通知が来た。
シングルマザーは養育に不適格だと言うのだ。
ウォルターは結婚すれば問題ないとし、咄嗟にマーガレットに求婚する。

こうして二人はハワイで結婚式を挙げ、マーガレットは新たな幸せをつかんだ、かに見えた。

ウォルターは、現代アートを中心に掲げる画廊に自身の風景画と持ち込むが、いずれもけんもほろろ。
ウォルターはバンドゥッチ(ジョン・ポリト)のバーで持ち前の口のうまさで絵を掲げる約束を取り付ける。
ただ、割り当てられた場所はトイレ前の狭い通路。

何とかマーガレットの絵が1枚は売れたものの、場所が悪いと逆切れし、バンドゥッチと喧嘩になり、
マーガレットの絵でバンドゥッチを殴ってしまう。

逮捕されたウォルターだが、保釈金を払って釈放され、バンドゥッチのバーに行くと
喧嘩が話題になっており、マーガレットの絵が飛ぶように売れていた。
このころ、ウォルターはノーランと知り合い、お互いを利用するようになる。

ウォルターは上機嫌で金をマーガレットに見せ、どんどん「ビッグ・アイズ」の絵を書くよう指示する。
マーガレットが新作の絵を持ってバンドゥッチのバーに行くと
ウォルターはマーガレットの意思に反し、彼女の作品を自分の作だとしていた。

言い争いになる二人だが、たまたま現れたイタリア人の実業家が「ビッグアイズ」に興味を示し、
連れが作者は誰か、と尋ねてくる。

言いよどんでいるマーガレットに、ウォルターは「私が作者です」と語り、
マーガレットは真実を話すチャンスを失う。
「ビッグアイズ」はたちまち人気となり、飛ぶように売れる。

相変わらず、マーガレットをゴーストライターとして作品を売りまくるウォルターは、
自分もキーン、マーガレットもキーン、KEANEのサインは嘘ではないし、男性作家の絵の方が売れる、
また画家が直接販売したほうが高く売れると言うのだ。

ウォルターは人気に乗じ、イベントごとに「ビッグアイズ」を贈呈するパーフォーマンス。
何かとマスコミに取り上げられ、絵はますます人気が上がる。

ウォルターは画廊を開く。
娘のジェーンは宣伝のチラシをママの絵だ、というがマーガレットは似ているだけと嘘をつき、
協会に懺悔に行くが牧師は夫に従いなさいと諭す。

家で屋根裏部屋にこもって絵を書き続けるマーガレット。
娘の世話も十分にできないし、嘘をつき続けるのも不安だが、ウォルターにうまく丸め込まれる。

画廊がオープンし大勢の客でにぎわう。
しかし、ウォルターは客になぜ子どもの絵なのか、なぜ目が大きいのかと聞かれてもうまく答えられない。
TVではニューヨーク・タイムズのジョン・キャナディ(テレンス・スタンプ)が、絵をこき下ろす。

ウォルターはTVのインタビュー番組で反論する。
かつて戦争直後のヨーロッパで戦災孤児たちの目に感銘を受けたからだと語る。

人気はますます上がり、ポスターまで剥がされる事態となるが絵そのものはなかなか売れない。
ポスターの人気に目を付けたウォルターは、作品を印刷して売ることを思いつき、販路を広げ大儲けする。

マーガレットは普通の人がビッグアイズに見えてくる。
精神的に追い詰められ、数字にこだわるようになり、今までと違う絵を書きたくなり、
MDH KEANEとサインしたモジリアニ風の大人の女性(自分自身)を書くようになる。

ウォルターはノーランを利用して画家一家として売り出すことにする。
人気画家のウォルター、絵を趣味とする妻と娘と言うわけだ。
ノーランは端から女性画家の絵は売れないと決めつけていたが、
マーガレットの絵の何枚かは画廊に置かれることとなった。

ウォルターはプール付きの豪邸を買い、マーガレットにアトリエを与え絵を書かせる。
ある日、ディーアンが訪ねてきて絵を見たいと言いアトリエに入る。
灰皿の吸いかけの煙草を見て疑問を抱くディーアンだが、丁度ウォルターが帰ってきてごまかし、
ディーアンを追い返してしまう。

マーガレットは新しいキャンバスを選んでいて木箱を見つける。
中にはCENICのサインのパリの風景画があった。
もしや、ウォルターの絵のKEANEをはがすと中からCENICの字が現れた。
問い詰めるマーガレットに結局ウォルターはサインの偽造を認める。
それ以来、夫婦は寝室を別にする。

ウォルターは画集の出版を進め、ニューヨーク万博の教育館に展示する
「傑作(masterpiece)」を書け、とマーガレットに指示する。

すぐには無理、と言うマーガレットだが結局は大作を描くはめに。
根を詰めて絵の前で寝るマーガレットを心配してアトリエに入るジェーン。
うろたえるマーガレットだがジェーンは代作を知っていたと伝える。

やっとの思いで完成した絵だが、またもジョン・キャナディに酷評される。
万博関連のパーティに意気揚々と出席したウォルターだが、新聞で酷評されているのを知り、
パーティに出席していたキャナデイに罵声を浴びせ、襲いかかろうとするが、論破されてしまう。
公募したわけでもなく、誰かが推奨したわけでもなく、ウォルター自身の持ち込みであることも災いし、
絵の展示は中止となる。

ウォルターは酔っぱらって暴れ、火のついたマッチを妻と娘に向かって投げる。
アトリエに逃げ込んだ二人をなおも追うウォルターにマーガレットは意を決してハワイに逃げる。

ハワイでは周囲との関わりを避けて暮らしていたマーガレットは、ウォルターに離婚を要求するが、
ウォルターは過去の作品の全権利と、新作100枚を条件に応じると言う。

マーガレットは渋々応じ、新作をウォルターに送り続ける。
そんなある日、日系人で「エホバの証人」の信者が入信を進めてくる。
「自分に正直に真実を語る」点に惹かれたマーガレットはエホバの証人を受け入れ、
絵にMDH KEANEとサイン、ハワイのローカルラジオ局でウォルター・キーンの絵は
自分が書いていると告白する。

ノーラン記者は怒るがマーガレットが真実を語ったからではない。
自分がスクープ記事を逃したからだった。

すぐさま、ウォルターはノーランを利用して反撃する。
いわく、作者は自分自身であり、マーガレットは錯乱している。
マーガレットは友人たちの後押しもあってついに訴訟を決意する。

ハワイで行われた裁判。
虚偽の報道で訴えられた新聞社は、ビッグアイズをウォルターの作であるとしたことには
過失はないと反論、法廷でも認められたが、直後ウォルターを見捨てて法廷を去っていった。

後ろ盾に逃げられたウォルターは自分で自分を弁護することとし、
ペリー・メースンよろしく陪審員に訴えるウォルターだが、裁判官は冷ややかだ。

遂には、両名に同じ道具を渡し、1時間で絵を書けと命じる。
さっさと書きはじめるマーガレットに対し、ウォルターは意思を集中していると言って書きはじめず、
最後には腕を怪我していて描けないと言い訳する。

裁判はマーガレットの勝訴となり、物語は終わる。

その後もウォルターは、ビッグアイズは自分の作だとしていたが、新作は1枚も書かず、
2000年に無一文で亡くなった。
マーガレット・キーンは後にロサンゼルスに戻って再婚し、現在も絵を書き続けている。
映画の最後にはウォルター自身の写真と、エイミー・アダムスと並んで写真に納まる
マーガレットの写真が映し出された。

伝記物は難しい。
特に実在の人物の長期にわたる紆余曲折を2時間ほどの中に凝縮して描くのは
ただ時系列に流れを追うだけになりがち。

ティム・バートンにしては毒が少なく、淡々と進む感じだ。
どこが「山」なのか、いまいち盛り上がりに欠ける。

ディック・ノーランの語り口を使ってはいるが、彼の見たキーンの物語でもないし、
展開をノーラン目線で進めるように徹底されているわけでもなく、
なぜそういう構成にしたのかはよくわからない。

気になったのはタバコ。
当時としては普通なんだろうが、多くの人が様々な場所でタバコをくゆらす。

マーガレットの作品「ビッグアイズ」は芸術的な絵画と言うよりもいわゆるポップアート。
法廷で書いた絵はコピーだろうが本物と同じもの、チラシに使われている絵も彼女の代表作のひとつ。
ただ、個人的には好きになれない。
バランスがどうのこうの言うつもりは全くない。
日本の少女マンガのように(それが好きなわけではないが)目がキラキラと大きいのではなく、
暗くおどろおどろしい感じで、時に骸骨のようにさえ感じるからだ。

画材については疎く、アクリル画と油絵の違いもわからないので、
見た目で区別がつくのかどうかもよくわからない。

ただ、アクリル絵の具には水溶性のものと溶剤型があるそうで、映画ではアトリエで溶剤が倒れて、
火事になりそうになるシーンがあったので溶剤型アクリル絵の具を使っていると思われる。

また最初の頃の似顔絵のシーンでは完成した絵にスプレーを吹き付けていたが、
鉛筆画が消えたりかすれたりしないための定着液のようだ。

当時のアメリカの物価水準からみて似顔絵1枚1ドルが安いのか高いのか。
大した金にはならなかったと言うエピなので安いものだとは思うが程度が分からない。

 

 

 

 スパイ・レジェンド   

ピアーズ・ブロスナン、ルーク・ブレイシー、オルガ・キュリレンコ。

あるカフェでCIAの古参エージェントのピーター・デベロー(ピアーズ・ブロスナン)は、
女の子と仲良くしている若いエージェントのメイソン(ルーク・ブレイシー)に
誰とも親しくなるな、と忠告する。

デベローの今日の仕事は米大使の暗殺計画を阻止すること。
米大使の身代わりとなって式典会場に向かう。
会場を見渡す位置にメイソンが待機。
暗殺実行犯がデベローに近づき銃を放つ。
デベローの「撃つな」の指示に反して犯人を射殺したメイソンだが、
巻き添えで少年が凶弾に倒れる。

5年後、CIAを引退し小さいカフェを営むデベローをハンリー(ビル・スミトロビッチ)が訪ね、
ロシアの次期大統領候補のフェデロフ(ラザル・リストフスキー)が辣腕の殺し屋、
アレクサ(アミラ・テルツメヒッチ)によってかつてフェデロフに関連したエージェントを
次々と始末しているという。

今、秘書として潜入しているナタリア・ウラノワ(メディハ・ムスリオビッチ)が、
フェデロフをつぶす情報を握っていて、脱出にデベローを指名したと言うのだ。

当のフェデロフが議会で演説している間、ナタリアは彼の事務室の隠し金庫を開け、
中に隠された写真を撮影、ギリギリで金庫を締めて脱出し、車で逃亡を図る。

しかし、金庫の鍵を外し忘れてフェデロフにばれ、保安局に追われることになる。
ナタリアはCIAとの合流地点に着く前に見つかり、合流地点を破棄して逃げる。

いよいよ、追い詰められたナタリアの前に現れたのはデベロー。
保安局のエージェントを射殺してナタリアを車に乗せる。

指名を受けてきたはずのデベローを見てナタリアは驚き、娘の様子を聞く。
一方、救出作戦を実行するはずのメイソンら現地のエージェントはデベローだと気づかずに追う。

そうこうするうち指令室では部長のワインスタイン(ウィル・パットン)が
反対するハンリーらを無視して指令42を発令。
指令は直ちにメイソンに伝えられる。

メイソンらはデベローの先回りをしてビルの屋上に待機。
デベローはナタリアから聞いた「ミラ・フィリポワ」の名をハンリーに伝えるが、
次の名前を伝える前に、メイソンの放った弾丸はナタリアの胸部を直撃、
ナタリアはデベローにさっき撮った写真の入ったスマホを渡して絶命する。

デベローは狙撃チームに逆襲、あっという間に3人を射殺してメイソンと対峙するが、
ここで初めて互いの存在を知ったメイソンとデベローは睨みあったまま動けず、
メイソンはデベローに逃げられてしまう。

メイソンはCIAの車を爆破して証拠を隠滅、
デベローはスマホからマイクロSDカードを抜いて捨て、タクシーで空港へ向かう。

ハンリーはナタリアを射殺させたことでワインスタインを責めるが、
ワインスタインはフェデロフにばれた時点で死んだも同然だと吐き捨てる。

ハンリーが帰宅し、自宅のPCで「ミラ・フィリポワ」を調べていると、
CIAエージェントが突入、PCを撃つハンリーだったがスタンガンで気絶させられる。

本部に戻ったメイソンはワインスタインにデベローを撃たなかったことを問い詰められるが、
危険はなく、お互いに撃つ気はなかったと反論する。
しかし、ナタリアはデベローの元恋人であり、デベローの個人的復讐が始まるとみたワインスタインは、
メイソンにデベローを排除する(殺す)よう指示する。

デベローは、ハンリーの自宅を訪ね、エージェントがハンリーのPCを修復している現場を襲い、
2人のエージェントを確保してPCを操作、エージェントの振りをして
ミラ・フィリポワと接触した難民救済センターのアリス・フルニエ(オルガ・キュリレンコ)の
携帯を追跡するよう指示、アリスがとあるレストランにいることを突き止める。

一方、フェデロフの命を受けたアレクサもミラ・フィリポワを探していた。
ネットカフェで落ち合った情報屋からアリスの情報を得てレストランに向かう。

難民救済センターで働くアリスに近づく男がいた。
男はエドガー・シンプソン(パトリック・ケネディ)と言うジャーナリストで
フェデロフのチェチェンでの悪行を暴くため、アリスに協力を求めてきていたのだ。
アリスはそのカフェでケネディと待ち合わせしていた。

メイソンはハンリー宅からの電話に疑問を感じ、デベローの存在に気づく。

ウェイトレスに化けたアレクサは店に電話が入っていると装ってアリスを連れ出そうするが、
外からそれに気づいたデベローはアリスの携帯に電話しとどまらせる。
ちょうどその頃、メイソンらCIAエージェントがカフェに到着し突入。

デベローはアリスに逃げろと指示して一緒に逃げる。
デベローとアリスはメイソンらCIAに追われる。

予告でも出たデベローとメイソンの電話のやり取りはこのシーンである。
デベローは電話の転送を使ってメイソンらを混乱させ、駐車場に入り込む。

駐車場で車を爆破してメイソンらを巻いたデベローとアリスは電車で移動する。

デベローはアリスに事の次第を説明する。
フェデロフの悪事を知っているミラをフェデロフとCIAが追っている。
ミラの所在がはっきりしない今、接触した人物としてアリスが狙われている。

アリスはミラの所在を知らないと言う。
チェチェンで両親や家族を殺されたミラはろうあ者の振りをして殺害を免れ、
フェデロフの慰み者になっていたと言う。

何年かのちにフェデロフから逃れ、難民救済センターに現れてアリスが担当したが、
程なく行方が分からなくなってしまったと言う。
壁に貼ってあった1枚の写真、ポンビキだというアリスにデベローは本名はデニソフで、
チェチェンでフェデロフの右腕だったと告げる。

デベローはデニソフのナイトクラブに行く。
デベローはフェデロフがチェチェン時の関係者を始末している、次はお前だろう、と言い、
デニソフはフェデロフがチェチェンでCIAと結託して、ロシア軍のいるビルを爆破、
ロシアがチェチェンから攻撃を受けたとして介入し、結果として石油利権を奪取したと告白する。

メイソンはワインスタインに失態を責められ、デベローの評価だ、としてUSBメモリを渡す。
そこにはデベローとナタリアの仲睦まじい写真の他、デベローの書いたメイソンに対する報告書もあった。
報告書ではメイソンは「不合格(DROP)」となっていた。
自身は恋人がいながら他人にはきつく当たり、挙句不合格にしたデベローにメイソンは激怒する。

その頃、デベローはメイソンのアパートに行き、不在で向かいの家に侵入する。
そこでメイソンを張り込み、アリスがピアノがうまくロシア語をしゃべることを知る。
デベローは夜、メイソンがネコを飼っている隣家のサラと出かけ、帰宅するのを確認した。
デベローはアリスに金と携帯を渡し、一人で逃げるよう指示する。

翌朝、ベッドで寝を覚ましたメイソンだが、サラはいない。
引き出しの拳銃もなくなっている。
調べるメイソンの前に現れたのはサラの頭に銃を突きつけたデベロー。
メイソンに女を助けるか犯人を追うかと問い、サラの太ももを切って逃げる。

メイソンはデベローを追わず、大出血するサラを助け救急車を呼ぶ。

デベローはCIAの秘密のアジトでエージェントを倒して、監禁尋問されているハンリーを助ける。
チェチェンでのビル爆破に加担したCIAエージェントは誰だ。
詰問するデベローにハンリーはワインスタインだと告げる。
そしてミラはロシア度と英語が得意だとも教える。
つまり、アリスこそがミラだったのだ。

その頃、アリスはシンプソンに近づき、フェデロフのすべてを話すと告げる。
意気揚々と家に帰るシンプソンだが、待ち伏せしていたアレクサがシンプソンをめった刺しにする。
アリスは驚いて逃げ、瀕死のシンプソンがアレクサの足を引っ張りアリスは逃げおおせる。

メイソンはデベローの書類をチェックしていて小さい少女の存在に気づく。
ナタリアとの間に生まれた娘・・メイソンは早速ワインスタインに報告する。

また、分析官のセリアと情報を洗い直し、アリス・フルニエがすでに死んでいること、
アリスは整形して顔を変えたミラだと判る。

アリスはデニソフのナイトクラブに行き、デベローからの指令だと言ってデニソフに依頼をする。
その頃、フェデロフは会議出席のためホテルのスイートルームにいた。

アリスはデベローからの電話にフェデロフを殺すと言い、説得するデベローを無視してホテルに入る。
アリスはデニソフからの娼婦を装ってフェデロフの部屋に入り、トイレに入って鏡を割り、凶器を作る。

ベッドで鼻の下を長くして待つフェデロフに襲いかかったアリスだが、フェデロフにミラだとばれ、
一思いには殺せないで、フェデロフの反撃にあう。

一方、デベローもフェデロフのホテルに侵入、部下をあっさりと倒してフェデロフの部屋に入り、
アリスを助け、フェデロフの自白を録画しようとアリスに携帯を持たせる。

デベローはチェチェン時代の写真、自分とワインスタインとハンリーの兵隊姿の写真を見せ、
紛争の原因となったビル爆破に協力したのはワインスタインか、と迫る。

押し問答の末、フェデロフはハンリーだと白状する。
アリスが、このハゲ男を知っている。彼がフェデロフと会っていたと叫ぶ。

その頃、メイソンらがホテルに到着、フェデロフの居室に突入する。
デベローはスタッフ室に入って業務用エレベーターでアリスを逃がし、自分は階段で降りていく。
他のCIAエージェントを倒し、地下機械室に逃げ込むデベローと追うメイソンの格闘となり、
デベローはメイソンを倒し、携帯を渡して逃げていく。

メイソンはCIAの事務所に戻り、セリアとともに携帯の動画を見て黒幕がハンリーだと知る。
しかし、ワインスタインは既に帰国、ハンリーが後釜になっていた。
ハンリーはCIAがフェデロフの弱点を握り、操るためにデベローを利用していると語る。

デベローはアリスと合流、デベローはアリスに正体を明かし、元CIAエージェントで
引退してカフェを営んでいること、娘ルーシーがいること、母親のナタリアが死んだことなどを告げる。

デベローはルーシー(タラ・ジェフロシモビッチ)に電話をするが出たのはハンリーで、
ルーシーは拉致されており、ハンリーはルーシーとアリス(ミラ)を交換すると申し出る。

デベローはアリスに3枚の切符を買って駅で待つよう言い、ハンリーとの約束の場所に向かう。
一方、アレクサは情報屋からアリスが切符を買ったことを知らされ、情報屋を始末して駅に向かう。

アリスは駅の端末からシンプソンとミラの共同名でフェデロフの悪事を暴露する記事を書く。
しかし、書き終わらないうちにアレクサに見つかり逃げるが、階段上で反撃してアレクサを倒し、
端末に戻って記事を書き上げ、メディア宛てに送信する。

一方、デベローはハンリーと合流。
ハンリーはフェデロフを牛耳り、ロシアを牛耳り、NATOに組み入れて協力させるという。

デベローは携帯でルーシーの安全を確認してアリスがバス停にいると告げる。
現場に急行するメイソンら。
そこにセリアから携帯の場所の連絡が入る。
メイソンは車をぶつけて同乗のエージェントを怪我させ、ルーシーを助ける。

戻ってきたメイソンはハンリーの部下を倒してハンリーを確保、デベローを逃がす。
デベローは娘とともにアリスの待つ駅に向かい逃走する。

後日、アリスは本名のミラ・フィリポワとして証言台に立ち、フェデロフの悪行と
CIAのハンリーの共謀を暴露。
フェデロフは政治生命を失い、ハンリーは逮捕監禁される。

しかし、フェデロフは釈放されて大型クルーザーに乗って地中海辺りで豪遊、
次の機会を狙っていたが、一発の銃弾がフェデロフの額を貫通、命を奪った。

一言で言えば、ご老体スパイものシリーズ。
「96時間」のリーアム・ニーソン(1952年生)、「ラスト・ミッション」のケビン・コスナー(1955年生)
に負けじと頑張るピアーズ・ブロスナン(1953年生)といったところ。
このお三方は残念ながらいずれも「老いたな」感は否めない。
動きがやや鈍いと言うか、口だけは達者だが、と言う感じか。

アレクサのアミラ・テルツメヒッチはボスニア・ヘルツェゴビナの新体操チャンピオン。道理で。

登場人物が複雑に入り組んではいるが、そこここにヒントがちりばめられており、それほど判りにくくはない。
逆に言うとIT的な新鮮味はあっても、だまし、だまされはやや単純。

それぞれのイベントの発生する場所の位置関係がややわかりにくい。
ロシアなのか、ヨーロッパのどこかなのか、アメリカなのか。
事件の起こる場所が近いのか遠いのかもよくわからず、移動に掛かる時間的なものがよく把握できない。

邦題の「スパイ・レジェンド」はよく思い切って恥ずかしくもなくつけたものだ。

IMDBによれば、原作はビル・グレンジャー(Bill Granger、米、1942-2012)の「There Are No Spies」(1987)
ところが同氏の作に原題と同じ「The November Man」(1979)があり、混乱する。
ビル・グレンジャーと言えば、1969年生のイケメン料理研究家がいて、これもまた混乱の要因。

スパイ小説の「The November Man」と言えば、ブラアン・フリーマントル(Brian Freemantle、英、1936-)が、
1976年に書いており、こちらの方が有名らしいのと米ソが全く逆ながらプロットがよく似ているため、混同されているようだ。
(次期アメリカ大統領候補がソ連に巨額の援助をして世界平和を実現すると主張。
 しかし、その裏にはアメリカを牛耳ろうとするソ連の陰謀があり、
 東側の命令で工作活動していた主人公がKGBに疑われていることに気づく、と言うもの)
「十一月の男」の邦題で訳本が出ている。

 

 

 

 96時間 レクイエム  

リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレース

3作目。人物関係を整理しておこう。

主人公、ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン):元シールズの凄腕、前作、前々作ではバイトで要人警護をしていた。
娘、キム(マギー・グレース):父親を慕いながらも反発する普通の娘。前々作では誘拐され、前作では父の手助けをする。
元妻、レノア(ファムケ・ヤンセン):家庭を顧みない夫に嫌気がさして離婚、富豪と再婚、前作では誘拐され危機に。
スチュアート(ダグレイ・スコット):レノアの再婚相手で富豪。前作ではレノアと不仲が伝えられるが出番なし。
 前々作ではサンダー・バークレイが演じた。
サム(リーランド・オーサー):ブライアン・ミルズの元同僚。今もいろんなつてを持っていて、ブライアンに協力する。
 ブライアンの元仲間はサム以外に複数人登場する。

さて、ブライアン・ミルズは娘キムの誕生日プレゼントを買って誕生日の直前に娘を訪ねる。
本人はドッキリのつもりだが、パンダのぬいぐるみは拒否され持ち帰る。
帰宅途中、元妻のレノアから電話があり、食事に誘うがこれも断られる。

しかし、レノアは突然ブライアンの家を訪ねてきて、スチュアートとうまくいっていないと告げ、
ブライアンとよりを戻したそうにするが、ブライアンはスチュアートとの関係を整理するのが先だとする。

キムは妊娠検査薬で陽性となり、悩んだ末ブライアンに相談しようとするが、言いだせない。
この時点で親子関係は修復され、かなり良好であることが示唆される。

暫くして、スチュアートがブライアンを訪ねてくる。
スチュアートはレノアとの仲が整理がつくまで会わないでほしいと申し出、ブライアンは承諾する。

ところが、翌日。
ブライアンが朝のジョギングをしているとレノアからベーグルを買ってきてほしいとのメールが入る。
家の近くまで戻っていたブライアンはベーグルを買いに行く。
戻ると家の前にはレノアの車が止まっていた。
部屋に入ると返事はなく、廊下に血痕とナイフ。
レノアはブライアンのベッドの上で息絶えていた。

突然の出来事にうろたえるブライアン、突然2人の警官が踏み込んできた。
私じゃないと言うも手錠を掛けられそうになり、咄嗟に反撃して脱出。
追う警官、外にいたパトカーやヘリの追跡も振り切り、どこかのガレージの床下から下水道に入って逃げる。

ブライアンは公衆電話でキムに電話し、レノアが殺害されたと話す。
その後、サムに電話して事情を話し協力を頼む。

ブライアンが廃材処理工場の地下に入ると、そこはサムの隠しアジトになっていた。
レノア殺害犯を突き止めるためにいろいろと調べ始める。

一方ロス市警はフランク・ドッツラー(ホレスト・ウィテカー)をチーフに捜査本部が置かれ、
キムを警護し、接触してくるブライアンを探る方針だ。

遺体安置所に訪れたスチュアートはレノアの遺体を見て泣き崩れる。
その後、密かに遺体安置所に侵入したブライアンはレノアの遺体を確認、髪の毛を取って逃げる。

ブライアンがサムのアジトに戻ると昔の仲間が数人集まっていた。
まずは、レノアの葬儀。
参列したサム以下の昔の仲間が見守る中、厳かに式が行われ、サムはキムにブライアンは無実だと告げる。
そしてキムを見守っている、と。実際サムのボタンに遠隔のカメラが仕込まれており、キムの様子が伝わっていた。

ドッツラーはレノアの死体のそばにあったベーグルが暖かかったことから
ブライアンが犯人ではないかもしれないと思っていたが、確証がなかった。

一方のブライアンは警察の一歩先を行き、レノアの車の保管所に侵入し、カーナビのデータを抜き取る。
その結果、殺された前日の夜に郊外のスタンドに行ったことを知って探りを掛け、
スタンドの防犯カメラでレノアの到着を確認。拉致された瞬間と拉致犯の入れ墨を確認する。
LAPDの刑事らは一歩遅れてスタンドにたどり着き、ブライアンに気づいて確保する。

ブライアンは意外とあっさりと逮捕され護送されることになるが、
連絡を受けたドッツラーはすぐに車を止めろと指示する。

ちょうどその時、ブライアンは手錠を外し、刑事に反撃、別のパトカーとの激しいカーチェイスとなる。
事故を誘発しながらも警察を振り切ったブライアンは、パトカーから警察のDBにアクセスする。

暫くして、キムが通学時にいつものにコンビニでいつもの場所のドリンクヨーグルトを取ると
「すぐに飲め」との紙があり、指示に従ってから大学に行く。
刑事も尾行し、教室の外で待機するが、キムは途中で気分が悪くなってトイレに行く。
トイレにはブライアンが隠れていてキムに接触、ヨーグルトに混ぜた薬を解消する薬を飲ませる。

尾行刑事とは別にブライアンを追っていたドッツラーはキムの行動から大学にブライアンがいると考え急行。
ブライアンを発見するが、ブライアンは閃光弾でスプリンクラーを作動させ、
混乱に乗じてキムとともに逃げる。

スチュアートは仲間とともにマリブの別荘に向かう。
車で後を付けるブライアンだが、さらに後ろから来た車に押されて崖に落とされてしまう。
うまく脱出していたブライアンは通りすがりの車に乗って落とした車を追う。
コンビニでその車を見つけ、銃撃戦の末、4人を殺害。

別荘に乗り込んでスチュアートを拉致、拷問してレノア殺しの真相を吐かせる。
スチュアートの弁によれば事情はこうだ。
冷酷なロシアンマフィアのマランコフ(サム・スプラエル)に資金を借りて商売をしていたが、
それに失敗し、多額の借金を抱えてしまった。
金を返せないでいると見せしめにレノアが殺された。
その際、レノアが密会している相手が凄腕の元エージェントのブライアンだと知ったマランコフが、
復讐をさせないためレノア殺しの濡れ衣を着せることで一石二鳥を狙ったものだと言う。

マランコフは厳重に警戒されたビルの最上階におり、専用の直通エレベーターに警備員を配し、
武装した配下が詰めているとのこと。

ブライアンはスチュアートを仲間に引きずり込んでマランコフをつぶすことにした。
ブライアンの仲間はデリバリを装い、スチュアートは借りた金を返す名目でマランコフのビルに侵入。
エレベーターの監視カメラをハッキングして、ブライアンが警備員を倒して最上階に。
ここでも警備員を倒すと武装したやくざと撃ち合いになり、結局全員倒してマランコフとの一騎打ち。

これも制してマランコフを倒すとレノアの仇だと言うが、マランコフは知らないと言い、
二人ともスチュアートに嵌められたと言う。

その頃、スチュアートの携帯を検知した警察もマランコフのビルに急行。
スチュアートとレノアに1200万ドルの生命保険が掛けられていたこともわかる。

サムの車では、携帯の解析を行っていたが、ブライアンの携帯からレノアを呼び出すメールが
発信されていた突き止めたキムがブライアンに連絡する。
しかし、先に地下駐車場に降りたスチュアートがサムを撃ってキムを拉致して逃げ、
その後到着した警察がビルを封鎖する中、ブライアンはマランコフの車を使って脱出しスチュアートを追う。

スチュアートはプライベートジェットで逃げようとするが、滑走路に入り込んだブライアンが、
離陸直前に飛行機の脚を車でぶち壊して離陸を失敗させる。

スチュアートを引きずり出したブライアンだが、警察が近づいてきて殺せないだろうとうそぶくスチュアート。
どうせ5年程度で出所するだろうがその時は覚えとけ、と捨て台詞を吐いたブライアン。

事件解決でめでたしめでたし

ドッツラーはベーグルの件でブライアンが犯人ではないと分かっていたと語り、
ブライアンは無罪放免となって、娘は結婚と出産を決意し、女の子ならレノアとつけると宣言して物語は終わる。

原題は「TAKEN3」もともと96時間は第1作目の台詞に出ては来るものの、
大した意味合いはなく単なる目安時間(4日間=96時間)に過ぎない。

それを考えないで邦題を「96時間」としてしまったものだから、
2作目も今作も「96時間」で押すしかなかった。

だから、第1作を見てない人には何が96時間なのかさっぱりわからない状態になっている。

1作目でキーとなった「GoodLuck」のセリフをブライアンに言わせたところは
気が利いているが、キーにはならない。

ドッツラーは切れ者の設定だが、終始ブライアンに裏を掻かれ、気付いてもあと一歩で逃す、
よく考えればちょっととんま。

それに最初から分かっていたのなら、もう少しブライアンに近づく方法があったろうに。
警察内部にブライアンが犯人ではないと睨む人物がいて、密かにブライアンと接触し協力する、
と言う設定もありえたが、ブライアンには既にサム以下の強力な仲間がいるので、
排除されたんでしょうね。

リーアム・ニーソンは緩めのアクションだったものが、最近は暴走する役回りが多い。
ただ、1952年生まれにしてはやや老けた感じでアクションはやや痛々しい。

ピアーズ・ブロスナン(1953年生)、ケビン・コスナー(1955年生)らの
古参エージェント役がはまる俳優と比べてかなり年上に見えるし、
古参引退エージェント役のブルース・ウィリス(1955年生)、ジョン・マルコビッチ(1953年生)ら
御髪の寂しい方々よりも老けている感じだ。

 

 

 

   

 

 

 

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