スター・トレック:BEYOND
クリス・パイン、ザッカリー・クイント、カール・アーバン、ゾーイ・サルダナ、ジョン・チョウ、イドリス・エルバ。
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宇宙船、エンタープライズ号の艦長、ジェイムズ・タイベリアス・カーク(クリス・パイン)は、
単身和平交渉特使としてある星の会議に出席していた。
敵対関係にある星からの和平の贈り物として預かったものを見せるが、会議の出席者(異星人)たちは
それを危険なものとみなし、カーク艦長を攻撃してくる。
手に負えないと思ったカークはエンタープライズ号に転送されて戻る。
今の任務は5年の任期で、既に3年が経過し、そろそろ飽きが来ている。
カークが一人で密造酒を飲んでいると、船医のマッコイ(カール・アーバン)が時代物のウィスキーを持ってくる。
カークはあと2日で誕生日だが、生まれた日に父親(クリス・ヘムズワース、未出演)が死んでおり、
当日に祝う気にはならないので、マッコイが気を利かせて早めに祝福する。
エンタープライズ号は惑星連邦の宇宙基地であるヨークタウンに到着する。
直前にスポック副艦長(ザッカリー・クイント)は、(オリジナルの)スポック(レナード・ニモイ)の訃報を
受け取っていた。 操縦士のスールー(ジョン・チョウ)は、家族との再会を喜ぶ。
(相手は男性と小さい娘、スールーはゲイで男性はパートナーの設定らしい)
ウフーラ通信士(ゾーイ・サルダナ)は、スポック副艦長のプレゼントである彼の母の形見の
ネックレスを返そうとするが、スポックはバルカン星人の流儀に反するとして受け取らない。
カーク艦長はヨークタウン総督のパリス(ショーレ・アグダシュルー)と面会、艦長退任を申し出る。
カークの推薦する後任はスポック副艦長だが、当のスポックは艦隊を辞めて(オリジナルの)スポックの後を継ぎ、
バルカン星の大使になりたいと考えている。
カークとスポックはお互いに考えを伝えきれないでいた。
そんな中、カララ(リディア・ウィルソン)が救援依頼を申し出てくる。
彼女によれば、宇宙船が故障して惑星に不時着しているというのだ。
カークは救出を引き受け、早速当該星雲に向かう。
不時着地域周辺は小惑星群に覆われていたが、エンタープライズ号は無事にすり抜けて惑星に接近する。
ところが小型の攻撃機が大挙して襲来、エンタープライズ号に攻撃を仕掛ける。
なぜか、シールドもワープ装置も起動できず、武器も効かない。
攻撃機は艦壁を突き破り、武装兵が乗り込んできて戦闘となる。
そうこうするうちに艦は大破し、カークは総員退艦を指令する。
緊急脱出ポッドで次々と脱出する乗員たちだが、多くは敵攻撃機にとらえられてしまう。
推力保持のため艦の円盤部を切り離す必要がありカークが手動で切り離しに向かう。
しかし敵の首領との戦いとなり思うように操作できない。
敵の首領の狙いは冒頭の「和平の贈り物として預かったもの」(=生物兵器、アプロナス)だった。
カークはチェコフ副操縦士(アントン・イェルチン)と逃走し、カララとともに脱出ポッドで逃げる。
カークが戦っているうちにウフーラが手動で円盤部の切り離しに成功したものの、ウフーラは敵に捕らわれる。
惑星に落下した各ポッド。
モンゴメリー・スコット機関士=スコッティ(サイモン・ペグ)は、ぎりぎりで助かったものの宇宙人に囲まれる。
そこにジェイラー(ソフィア・ブテラ)という女戦士が現れ宇宙人を撃退。
スコットが機関士だと知ると、ジェイラーは自分の家だという宇宙船の修理に協力するよう頼む。
ジェイラーの家とは1世紀以上前に行方不明になっていた宇宙艦船のフランクリン号だった。
スコットはフランクリン号の修理を進める。
スポックとマッコイは敵戦闘機を強奪してそれに乗って不時着したが、スポックの腹には鉄片が刺さっていた。
なんとか鉄片を抜き、応急処置で止血はしたが、スポックのけがは重い。
マッコイは通信を試みたが失敗、逆に敵に所在がばれ囲まれる。
すると、スポックが転送されて消滅、つづいてマッコイも転送され、フランクリン号に入る。
実は転送装置が不完全で1体ずつしか転送できなかったとスコットが説明する。
マッコイはフランクリン号の医療装置でスポックを治療する。
さて、カークとチェコフ、カララも惑星に不時着。
カークはカララが敵の待ち伏せを知りながら艦が不時着したと嘘をついた、となじる。
カララは艦の乗組員が敵に捕虜になっており、やむなく嘘をついたと白状する。
カークはカララを許し、チェコフとともに円盤部の捜索に向かう。
一部でも機能が残っていれば乗員の救出に役立つかもしれない。 なんとか円盤部を見つけ、内部に入る。
カークは「アプロナス」の隠し場所にカララを連れていくが、カララは突然裏切る。
もともと敵の先兵で首領のクラルの命令で「アプロナス」を探していたらしい。
しかし、カークはカララの嘘を見抜いており、そこに「アプロナス」はなかった。
カララの連絡でクラルの手下が到着。
カークとチェコフは艦内を逃げ、エンジンを始動して艦の円盤部を動かそうとする。
艦下部の推力エンジンが作動し、円盤部は裏返ってカララは下敷きになって死ぬ。
カークとチェコフは間一髪脱出し、またさまようことになった。
一方、他の乗組員とともに捕まっていたウフーラ。
クラルは乗組員の生命力を吸い取って若返り、顔の外観の凸凹が減るところを見せる。
そして大勢の乗組員の前にいって「アプロナス」を出すように脅す。
乗組員を助けるため、シル大尉(メリッサ・ロックスバーグ)が「アプロナス」を渡す。
クラルは「アブロナス」を始動させ、シルがばらばらに分解されて消えてしまうところを見せる。
アブロナスは生命体にとりつき分解してしまう兵器だった。
クラルは戦闘機隊を率いてヨークタウンに向かう。
アブロナスを使ってヨークタウンを壊滅させる気だ。
徘徊していたカークとチェコフはジェイラーの仕掛けた罠に捕まってしまう。
二人がスコットの仲間とわかったジェイラーは彼らを解放してフランクリン号に入れる。
そこでみんなで作戦を練り、敵基地に侵入して乗員を助けることにした。
敵基地の所在はスポックがウフーラに渡していたネックレスを検知して判明した。
フランクリン号に残されていた旧式のバイクとジェイラーのホログラム装置を使って、
カークがおとりになっている間にジェイラーやスポックが敵を倒し仲間を助けていく。
乗員は少しずつフランクリン号に転送され、最後にジェイラーとカークが残される。
ジェイラーは敵の一人と格闘中。
カークがギリギリでジェイラーを助けてフランクリン号に転送された。
レギュラーメンバーが戻ったフランクリン号はスールーの操縦で離陸し、ヨークタウンに向かう。
敵戦闘機隊は連携してヨークタウンを攻撃、外壁を破壊し始める。
フランクリン号がクラルの艦隊を攻めるが、あまりにも数が多く壊滅させられない。
敵がたがいに交信しつつ連携を取っていることに気づいたカークらは
通信を混乱させるため、ジェイラーが持っていたラジカセ(風音響機器)で、
ロックをVHF帯で(たしか57.7MHz)発信する。
敵艦隊は通信が邪魔されて互いの位置がわからなくなり、衝突自爆していく。
ほとんどは自爆したが、クラルの機を含む3機がヨークタウン内に入る。
スポックとマッコイが確保していた敵機で追う。
フランクリン号も下方から追う。
そして敵の直前に一気に浮上して衝突させ、敵機を突っ込ませて停止させる。
クラルは姿を変えて人間に紛れ込む。
逃げ惑う人々のビデオを繰り返し見ていたウフーラは、その中の一人(イドリス・エルバ)が、
フランクリン号の乗組員だと気づく。
その男こそフランクリン号の元艦長、バルサザール・エジソンだった。
しかし、エジソン艦長はフランクリン号とともに消息を絶ち、死んでしまっているはずだった。
エジソン艦長が時を経て変化を起こしクラルとなったのだった。
クラルはヨークタウンを壊滅させるため、換気システムの中枢に起動したアブロナスを投入するつもりだ。
カークは、ヨークタウンのコア付近にある換気システムの中枢に向かい、
人間の姿からまた少しずつ変化し始めていたクラルとタイマンの対決となる。
クラルはフランクリン号で遭難し、救難信号を出したが救助は来ず、恨みを抱き、
異星人のテクノロジーで命を長らえ、復讐の機会を待っていたという、完全な逆恨み。
クラルとアブロナスを宇宙に放出しようとするカークだが、クラルがアブロナスを起動してしまう。
アブロナスの破壊機構がクラル自身を包み、カークが開けた扉からアブロナスとともに宇宙空間に放り出される。
クラルはアプロナスによって分解されてしまう。
カークも宇宙空間に放り出されそうになるが、ぎりぎりで間に合ったスポックがカークを助ける。
こうして事件は解決し、艦長退任と副総督への就任を打診されたカークだが、エンタープライズ号への乗艦を捨てきれず、
退任の申請はあきらめる。
マッコイとゆっくり飲もうと考えていたカークは、サプライズ誕生パーティを開催されて感激する。
一方スポックも大使への転身はあきらめて艦隊に残る決意をする。
ウフーラとの仲も元通りになる。
家としていたフランクリン号を失ったジェイラーは、宇宙艦隊への入隊を打診され新たな居場所を見つける。
全てが丸く収まり、めでたしめでたし。
今作で破壊されつくしたエンタープライズ号だが、最新艦として建造され直し、新たな探索へと旅立っていく。
「宇宙、それは最後のフロンティア」 **
勧善懲悪のわかりやすい展開。
敵は大軍団だが、ほとんどは雑魚キャラのクローン兵のようなもので、敵の主要キャラは3人だけ。
雑魚キャラのほとんどは、カークらのかき回し作戦で自滅させられるろくな死に方ではない。
いや、むしろ「ロック」な死に方かも。
最後にオリジナルのスタートレックメンバーの集合写真が出てくる。
設定上はクリス・パイン版スタートレックはパラレルワールドなので、オリジナルとクリス・パイン版で
同姓同名同役職の別人がいてもおかしくはないが、本作との関係について一切の説明がないので、
オールドファンには懐かしい顔ぶれと思うだけでなく、時系列の前後関係がどうなっているんだと混乱させる。
*
見ている間は気にならなかったが、最後にアプロナスが起動したままになっているのはまずくはないのか。
タイマー機構でもついていて自動的に停止するのならいいけど。 *
白塗りに黒いストライプのジェイラーは、ソフィア・プテラ。
アルジェリア生まれのフランス国籍のモデル出身。
濃い眉で、ブレントン・スウェイツ(「キング・オブ・エジプト」「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」)を
女性にしたような風貌。165cmではあるが、小さい頃は新体操の選手でもあったバランスのとれた美人である。
アブロナスを隠し持っていたエビ頭のシルはメリッサ・ロックスバーグ。
メーキャップはとてもおぞましいが、リリー・コリンズに似たカナダ生まれの美人。
ジャスティン・リン監督の趣味なのか、プロデューサーのJJエイブラムスの趣味かは知らんが、
美人を似ても似つかぬメイクにするるのが好きらしい。 |