2011/7-9鑑賞
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今年の累計:51(32)[11] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:17(12)[2]本 、4−6月期:16(8)[7]本、7−9月期:18(12)[2]本、10−12月期:20(11)[4]本  
7月:5(3)[0]本、8月:9(6)[1]本、9月:4(3)[1]本、
7−9月期:18(12)[2]本
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 カウボーイ&エイリアン   

ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード、オリビア・ワイルド。

炎天の荒野で一人の男(ダニエル・クレイグ)が目を覚ます。
右わき腹に怪我をし、左腕に金属の腕輪のようなものがはまり、取ろうとするが壊すこともできない。
そこへ馬に乗った3人の男が現れる。
3人は男を賞金首だと思い狙いをつけるが逆にあっさりやられて、服や銃や馬を奪われる。

男は町へ戻り、医師の家に入って傷口を縫ってもらう。
外で様子を見ているとどこかのばか息子、パーシー(ポール・ダノ)が暴れている。
たしなめる男にイラついたパーシーは保安官助手を撃って逮捕される。

男はジェイク・レナガンというお尋ね者だった。
酒場で飲んでいるところを逮捕され、パーシーと一緒に留置所に入れられる。

パーシーの父、ウッドロー(ハリソン・フォード)は牧場を営む有力者、
ジェイク・ロナガンともひと悶着あるようだった。

夜になり、配下を連れて町に乗り込んできたウッドロー。
強盗、放火、殺人の罪で連邦保安官のいる町まで馬車で護送されるジェイクと
自身の息子のパーシーを奪うのが目的だった。

しかし、その時、遠くから不思議な光とともに謎の飛行物体が町を襲い、
破壊とともに次々と人々を拉致し始めた。

逃げ惑う人々をよそにジェイクの腕輪は起動し、飛行物体を攻撃し墜落させる。
飛行物体に人(生命体)は乗っていなかった、と思いきや「何か」が人を襲って逃げさった。

息子パーシーをさらわれたウッドローやかみさんをさらわれたドック(サム・ロックウェル)など、
何人かがジェイクとともにその「何か」を追うことになった。

家人をさらわれたとして当初からジェイクに付きまとっていた不思議な女、エラ(オリビア・ワイルド)も一緒。

ジェイクは徐々に記憶が戻ってくる。
殺したとされる女は自分の愛人だったこと、一軒家に住んでいたが女は不思議な光とともに連れ去られたことなど。

何日かのち「何か」のいる谷に近づいたとき、強盗一味に襲われるが、それはかつてのジェイクの仲間だった。
ジェイクは仲間とともに馬車を襲い、金貨を持ち逃げしていた。
そしてその金貨はウッドローの持ち物だった。

ジェイクは仲間をなだめてアジトに行くが、新しいボスがジェイクを叩きのめす。
しかし、そこに例の飛行物体が表れて攻撃してきて、エラをさらっていく。
ジェイクは飛行物体を損傷させて追い、墜落させてエラを奪還する。

しかし、その時の傷がもとでエラは死に、残りの仲間もインディアンに捕まってしまう。
インディアンの部落で荼毘に付されたエラは炎の中から復活再生し、
実は自身も別の星から来たエイリアンだったと告げる。

そして彼らの目的は金の採掘で、邪魔な人類は抹殺すると言い、
人を拉致するのは弱点を調べるためだという。
ジェイクは自分も拉致され、愛人が殺されるのを見たこと、
たまたまエイリアンが外した腕輪を手にしエイリアンを攻撃して逃げたことなどを思い出した。

ジェイクは残った部下をなだめてエイリアン退治に協力させる。

ジェイクの記憶にあった岩山のようなものはエイリアンの基地(宇宙船、採掘装置)だった。
インディアン、ウッドローと町の人々、そしてジェイクの配下など数十人はエイリアンに攻撃を仕掛ける。

エイリアンをおびき出しているすきにジェイクが拉致された人々を解放する作戦は、
圧倒的な物理的力と火器をもったエイリアンに歯が立たないが、肉弾戦で少しずつ倒すこともできた。

その隙にジェイクはエラとともに自分が逃げてきた洞窟を逆にたどり、拉致された人々を発見解放する。
エイリアンは腕輪で倒すことに成功するがそのうちの一匹(一人)につかまり、
殺されそうになるが、エラが助けてくれる。

エラはジェイクの腕輪を外させ、爆破するといって宇宙船内部に入り込んでしまう。
ジェイクは助けに来たウッドローとともに洞窟から脱出。
宇宙船は飛び立つがエラの活躍で空中で爆破、エイリアンは死滅する。

町はエイリアンの見つけていた金鉱のおかけで活気を取り戻し、
お尋ね者のジェイク・ロネガンは死んだことにされ、ジェイクはいずこかへと去っていくのだった。

***

西部劇とエイリアンという珍しい組み合わせでなかなか面白かったが、
オリビア・ワイルドの正体にはちょっとがっかり。

エイリアンの形状は興味深かったが、いつも気になるのは彼らが何を着ている設定なのかということ。

「スーパー8」にしろ「サイン」にしろ、エイリアンが他の惑星で生身で行動することはちょっとおかしい。

「インディペンスデイ」では、生身に見える外観が、彼らの宇宙服っぽいものだったので、
あの容姿、風体が実は彼らの宇宙服なのかもしれない。

3Dではないが、遠景の使い方、縦横(奥行き方向)を意識した演出など、最近の流行か。

なお、ボーダー・コリーはなかなか可愛かった。

 

 
 DOG×POLICE 純白の絆   

市原隼人、戸田恵梨香、カンニング竹山、時任三郎、きたろう、伊武雅刀。

**

警視庁管内のあるショッピングモールで、ゴミ箱に仕掛けられた爆弾が爆発。
清掃員が死亡、重軽傷者多数が出る。

その捜査の警備についていた早川勇作(市原隼人)は、野次馬の中に怪しい男を見つけて追う。
格闘の末、男の確保に成功するが男は爆弾と関係ない麻薬の売人だった。
また、逮捕の途中で偶然通りかかった獣医(きたろう)とシェパードのお産に立ち会う。

早川は逮捕の功績で昇格を期待していたが、言い渡されたのは警備部警備二課への配転。
そこは「警備犬」の所属部署、すぐに単独行動に動きがちな早川にとっては左遷だった。

警備犬とは言いながら、過去一度も警備出動のない部署で本庁では「犬屋」と卑下されていた。
転属を希望する早川に係長の向井(時任三郎)は、民間の警備犬養成施設(所長が伊武雅刀)で、
早川はかつてお産に立ち会って、アルビノ(いわゆる白子)として生まれたシロを
バディ(相棒)犬に指名する。

早川は当初、先輩の水野夏希(戸田恵梨香)の厳しい指導に訓練を嫌々やっていたが、
水野とバディ犬の絆に触発され、シロとの訓練に励むようになる。
水野の発案によるSATとの合同訓練も成果を上げ、警視庁内で警備犬の評価は高まる。

一方、冒頭の爆弾犯は連続爆破事件を重ね、ついには警視庁に爆破予告をしてくる。

第4係は3匹の警備犬とともに予告場所のモールに爆弾探査に出動。
見事モール内の爆弾を発見するが、水野と早川は駐車場でさらに怪しい車を発見する。
しかし、車は爆破、水野のバディ犬は吹き飛ばされて重傷。
早川は警備員に化けた怪しい男を見つけるが車で逃走されてしまう。

早川と水野は捜査中の刑事への連絡を怠ったとして叱責され、
刑事(松重豊)に10年前と変わってないと馬鹿にされる。

実は10年前、立てこもり事件で一度だけ警備犬が出動したことがあり、
警備犬が犯人と人質を勘違いして人質に噛みつくという失態があったのだった。

犯人を取り逃がしたことを警察の失態と非難するマスコミ。
営々と積み重ねてきた実績がふいになったと嘆く水野を、早川が逆に力づける。

早川は、アルビノに警備出動は無理とする仲間を抑えて、シロへの臭気訓練を嘆願する。
仲間も早川の熱意に押され、同調する。
果たしてシロは臭気訓練で抜群の才能を見せる。

一方、爆弾犯は水で臭いを遮蔽した爆弾を作り、IT系講演会の行われる会場に仕掛け、
またも予告電話をかけてくる。

刑事部は、この時すでに早川の目撃情報をヒントに犯人を特定しており、
その人相も手配していた。

しかし、会場では大勢の観客を退避させることができず、講演開始が迫っていた。

向井は単独行動をとろうとする早川をたしなめ、総員出動をかける。
現地ではシロが活躍し、爆弾を発見するが、すでに解体処理の時間はなく早川が爆弾を運んで
ギリギリ処理用タンク(たぶん液体ヘリウム入り)に入れ、爆破の被害は最小で済んだ。

犯人の耳が不自由なことを利用して、群衆の中から犯人を特定した早川とシロは犯人を追う。
犯人は地下鉄線路内に入り込み、資材置き場に逃げ、早川とシロが追いつめる。
犯人の銃撃で、資材の可燃物が発火爆発し、倒れた資材で犯人は死ぬが、早川は鉄骨の下敷きになる。

そして犯人の残した最後の時限爆弾の爆破が迫る中、シロは水野に早川の急を知らせ、
水野は向井の制止を無視して早川救出に向かい、ぎりぎりで鉄骨の下から早川を救出、
爆破に巻き込まれたものの、無事脱出する。

水野をかばった早川は入院するが、水野とはいい仲となり、仲間連中も早川の復帰を願う。
めでたし、めでたし。

**

全体があまりにも安直で予想通りに進み、意外性全くなし。
唯一意外だったのはきたろうが獣医だったことくらい。

設定、展開、演出がすべて想定内。
戸田恵梨香はずっとしかめっ面してて、感情の揺らぎとか起伏を感じられない。
堀部佳亮や松重豊の立ち位置も全く想定内で警察内部の反目の構図があまりにも陳腐。

犯人を取り逃がした後のマスコミの反応もそうはならないと思うけどね。

行軍の野営で酔っぱらう演出もなんだかなぁ。

まさかここでボール咥えるシーンをスローにしないでしょうね、と思ったら案の定スロー。
「252」を思い出しました。

細かい点でも、例えば冒頭は犬のお産だというのに診察台に寝ている犬のおなかはペッタンコ。
無駄吠えしない犬たちなので、鳴き声の半分ほどは効果音で鳴き声の調子が不自然。

車が大破する威力の爆発で犬が炎に包まれて吹っ飛ぶのに、なぜ火傷もせずに前足骨折だけ。
警備犬はいつかは引退するし、何匹もの犬と別れるはずなのにいちいち泣いてちゃキリがない。

H字鋼は映画のサイズなら、50kg〜70kg/mぐらいあるので、
1本あたり200〜300kgとしても、数本あれば1t〜1.5tはある。
倒れてきたら、動けないどころの騒ぎじゃなくよくて粉砕骨折、悪けりゃ死亡。
鉄パイプで車ひっくりかえせるくらいの力でもなけりゃ持ち上げるのは不可能。

地下鉄の駅間の空間からモールの広場までどう考えても6分で往復は無理。

最後にこう言う事件物でいつも思うのは、犯人の金はどこから出ているのか。
派遣社員だか契約社員だか知りませんが、理不尽な対応で首切られ、
恨みを持つまではいいとして(よくないけど)その後の暮らしにも金はかかるし、
あれだけの機材と、警備員の服や隠ぺい工作にも金はかかるわけで、
爆弾の材料もただではない。(簡単に手に入るのかは置いといて)

結論。2時間ドラマで十分。

 

 

 

 

 ラスト・ターゲット 

ジョージ・クルーニー、ビオランテ・プラシード、テクラ・ロイテン、パオロ・ボナッチェリ。

冒頭は冬のスウェーデン、湖畔の小屋。
男(ジャック:ジョージ・クルーニー)と女(イングリッド:イリーナ・ビヨルクルンド)は、
小屋を出て凍った湖の上を歩く。
そこにあった足跡に何かを察したジャックは岩陰に身を潜めるが狙撃され、反撃して倒す。
驚く女に警察に電話しろと言いつつ、後ろから射殺してしまう。
そしてもう一人、車で待機していた男も射殺して去る。

舞台は変わってローマ。
列車から降りたジャックは、どこかに電話して待ち合わせ場所に行き、
現れた男(パベル:ヨハン・レイゼン)から車のキーを受け取る。

そして、隠れろと指定された町に行くが、そこにはとどまらず、別の町「カステル・デル・モンテ」に向かう。
そこでは風景カメラマンのエドワルドと名乗って部屋を借り、鍛錬を怠らず、
バベルとの連絡はわざわざ指定された町まで行き、公衆電話から行う。

バベルはジャックに身を潜めてできる仕事を指示する。
ジャックはマチルダ(テクラ・ロイテン)と会い、狙撃銃の製作を依頼される。

改造のもとになるM14ライフルを写真道具として郵送。
依頼内容に合わせた改造/製作を行っていく。

ジャックは町で唯一知り合いになった神父(パオロ・ボナッチェリ)に意味深な嫌味を言われながらも、
自動車修理工のファビオ(フィリッポ・ティミ)から部品を調達し、
時々売春宿に女を買いに行ったり、しかし、自分自身を狙う殺し屋の影におびえながら、
改造/製作を進めていく。

ジャックは一旦出来上がったライフルをマチルダに試射させ、微調整を依頼される。

ジャックは売春婦のクララ(ビオランテ・プラシード)と食事に行ったり、
ピクニックに行ったり、徐々に入れ込んでいく。

そんなある日、後をつけてきたスウェーデン人の殺し屋と思われるを倒したジャック。
隠れ場所が見つかったこともバベルは感が鈍ったと吐き捨てる。

ジャックはクララと2日後の聖人行列祭での再会を約束し、
バベルに銃の引き渡しを連絡する。

偽装したアタッシュケースにライフルを仕込み、マチルダと合って渡す。
周りの男たち、待ち合わせた店の女主人、そしてマチルダ、皆が怪しい。
しかし、そこでは何事もなかった。

聖人行進祭の日、クララと再会したジャックを物陰から件のライフルで狙うのは、マチルダだった。

トリガーを引いた瞬間、ジャックが細工していた銃は暴発し、マチルダは倒れる。
ジャックはクララに金を渡し、ピクニックに行った場所で待つよう指示して、
バベルを探す。

そしてバベルと対決し、射殺、車を飛ばす。

ジャックの苦悩の表情、バベルの銃弾はジャックの左わき腹に当たっていた。
何とか苦悶に耐えながらも、クララの待つ場所へと着いたジャックだったが、
その瞬間には意識を失っていた。

**

ざっくり粗筋は知っていたが、あのままでラストまで引っ張っていくとは思わなかった。

タイトルの「ラスト・ターゲット」は自分だった、と言う落ち。
途中からボスが自分を始末しようとしている伏線見え見えなので、このタイトルはまずい。

有能な殺し屋ながら、常に自分も狙われているかもしれないと怯え、
近づいてくる人間、近くにいる人間のすべてを疑ってかかる心情は良く表現されていた。

ラストはどう転んでも意外性はないし、ある意味想定内だが、死んだかどうかはぼかし、
余韻を残す形となっている。

こういう展開の場合、どうしても徐々に強力な敵が現れ、
最後にボスとの対決となるわけだが、なぜボス直々お出ましになるのかは疑問だ。

 

 

     

 スリーデイズ   

ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス、ブライアン・デネヒー。

**

冒頭、男(ラッセル・クロウ)が車を疾走させている。
どうやら後部座席には怪我をした男がいるようで「苦しい、息ができない」と呻いている。
やがて、後部座席の男は声を出さなくなり、運転していた男は車をゆっくりと走らせる。

3年前(THE LAST THREE YEARS)
一人の女性がレストランに入っていく。
待っていたのは女性(ララ:エリザベス・バンクス)の夫(ジョン・ブレナン:ラッセル・クロウ)と、
ジョンの弟、ミック(マイケル・ビュイエ)とその彼女。
上司が男か女かで揉めた挙句、女同士の口げんかになり、気まずい雰囲気で別れる。

翌朝、朝食の支度をするジョンとララ。
昨日、女性の上司と口げんかしたと愚痴るララ。
そこへ、警察が乗り込んできて、泣き叫ぶ息子のルークの目の前で、ララを殺人容疑で逮捕。

ララは上司と口げんかした挙句、駐車場で消火器で上司を撲殺、そのまま逃げた、と言う容疑だった。
凶器の消火器にララの指紋、現場から車で去るララを目撃した同僚の証言、ララのコートに被害者の血、
駐車場で(犯人と思われる)女とぶつかったと言うララの供述もむなしく有罪となる。

ララは有罪となって郡の刑務所に収監され、2年経った今もジョンがルークを連れて面会に行く日々だった。

3か月前(the last three months)

ジョンは控訴/上告を求め手を尽くすが、弁護士すらララの無実を信じておらず熱心に対応してくれない。
結局、上告は棄却され、それを告げに行ったジョンの姿を見たララは絶望のあまりリストカットに至る。

病院に見舞いに行ったジョンは面会謝絶を押し切って妻に会い、必ず救い出すと心に誓う。

それからは非合法な手段を使ってでもララを奪還するための行動に出る。
7回も脱獄したことを本にしたデーモン・ペニントン(リーアム・ニーソン)に会って話を聞き、
綿密な計画を練ることにした。

ベニントンによれば、脱獄はさほど難しくない。
刑務所内、その周辺、出入りする人、車、わずかな変化、キーになる事象を見つけ出せ、
ヒントはそこにある。

しかし、問題はそのあと。
どうやって逃げるか、どこへ行くか、そのために何を用意しておくか。
ピッツバーグなど主要都市では、15分で市内の主要道路の封鎖、35分で空港の封鎖、
駅、空港、主要ターミナルに、特徴、似顔絵、写真が配布され、検問が行われる。

アメリカ人観光客のこない海外へ逃げるためのパスポート、ID、クレジットカードが必要。
銃や機材なども必要、最低3年は暮らせるだけの金、、、、、全てに金がかかる。

銃は簡単に手に入ったものの、偽造パスポートはなかなか手に入らない。
違法ドラッグの売人に声をかけるが、相手にしてもらえない。
そのうち、あるバーへ行けと声をかけられるが、それは騙し。
タコ殴りされた挙句、金を奪われてしまう。

それを見ていた別の男が、偽造を高額でもちかけてくる。
渋々応じ、後日約束の場所に出かけるが、男は約束の時間に現れない。
近くの車が去った後、男が現れID/パスポートは手に入れるが、
「近くの車にいたのは刑事、あんたは必死過ぎて失敗する。」と言い残して去る。

ジョンはバンプキーを作って、刑務所内のエレベーターで試すが失敗、危うく逮捕されそうになる。
しかし、その後も観察の結果、刑務所での健康診断カルテを運ぶ病院の車に目をつけ、
ララの持病である糖尿病悪化偽装を思いつき、車に侵入してカルテを撮影し偽造する。

一方、生活では実の両親もララの無罪を信じておらず、ルークを預けるのを止め、
一人で公園に連れて行く中で、娘を連れてくるニコル(オリビア・ワイルド)と知り合い、
娘の誕生パーティに誘われ、つい、妻が入獄中だと明かしてしまう。

3日前(The Last Three Days)

そして準備に余念がないある日の面会で、ララはある書類をジョンに見せる。
それは、3日後に、より警備が厳しい長期囚の収監される監獄への移送の通知だった。

余裕は3日。
ジョンは資金繰りのために売り払う予定の家の入金を急がせるが、それは無理だった。
ジョンはついに銃を手に一気に大金を手に入れる算段を考える。
銀行強盗?
しかし、それは直前で思いとどまる。
以前ドラッグを買った売人を見張り、薬の元売りの家を突き止める。

次の日、再びルークを両親に預け、ジョンは行動に出る。

夜、雨の中、ジョンは銃を手に元売りの家で待ち伏せ、売人の到着とともに家に押し入る。
犬と用心棒を物置に押し込み、元売りに金を要求するが相手もジョンを見透かして応じない。
ジョンは家に火をつけると脅すが、上に子供がいると聞いて一瞬ひるむ。

しかし、それは嘘で元売りは2階に逃げ、売人を盾に2階に上がったジョンに銃を撃ち、
弾は売人に当たり、ジョンは応射して元売りを射殺する。
部屋に子供はおらず金庫にはおびただしい金が入っていた。

ジョンはそれを盗み、助けてと懇願する売人を連れて逃げようとするが、
物置を破って出てきた用心棒と犬に追われ、車をぶつけて逃げる。

ここで冒頭の時間に戻る。
呻く男は売人、やがて死に絶え、バス停のベンチに遺棄される。

ジョンは、ルークを連れ戻し両親に別れを告げる。
家に戻って支度をし、計画図や写真などをごみ箱に捨て、ついに脱獄を仕掛ける。

翌朝、病院の電話回線を切断して、病院車に侵入、用意しておいたララの偽造カルテを本物とすり替える。

その後、ルークをニコルの娘の誕生パーティに預けて、病院前で待機する。
やがて、カルテを見た医師は、ララの容体急変と思い、電話が通じないため、
直接刑務所に行ってララを病院へ搬送させる。

その頃、警察では麻薬元売りの殺害と放火の捜査をしていた。
現場には、車のライトの破片が落ちており、それが手掛かりだった。

車の種類はプリウス、そこから絞り込んで、収監中のララ・ブレナン、
そして旦那のジョンと調べ上げられた。
しかし、家はもぬけの殻、壁に何かを剥がした後を見た捜査官は脱獄計画を察知、
ララが刑務所から病院に搬送されていると知って病院に向かう。

ジョンは、病室に押し入り、警備員を縛り上げて、渋るララを説き伏せて脱走させる。
その頃、捜査官たちは病院に到着、逃げようとしているジョンと遭遇するが、寸でのところで逃す。

プリウスのある地下駐車場に向かうと見せ掛けて外ににげた二人はデモ隊に紛れ込んで地下鉄に向かう。
捜査官はすぐに気が付き、追うがぎりぎりで二人の乗った電車を逃す。

警察は次の駅に急行、捜査官は地下トンネルを走って追う。
ジョンは、途中で非常ブレーキを引いて電車を停めて降り、
あらかじめ破っておいた金網を潜り抜けて、駐車場に止めておいた別の車で逃げる。

少々荒っぽい運転で15分の壁は何とかすり抜けたジョンだったが、
ニコルの家にはルークはいなかった。
動物園パーティと知って、迎えに行くが、次の区切りの35分は刻々と迫る。

ルークををあきらめ、このまま脱出するというジョンにララは身を挺して止め、
ついに35分が過ぎてしまった。

ジョンは時間をあきらめ、ララとともに動物園にルークを迎えに行く。
ニコルは一瞬ララの姿を見る。

捜査官は高速の検問で夫婦と子供の車を止めさせるが、ジョンは老夫婦を拾って検問を逃れる。

一方、ジョンの家のごみから脱獄計画資料の断片を見つけた捜査官らは、
州外から海外への脱出を読み取り、出国審査でのチェックを指示するが、
ジョンらはぎりぎりですり抜ける。

そして計画書に貼られた写真からタヒチへの逃亡を感知し、
タヒチ便全乗客のチェックを指示するが、そこにジョンらはいなかった。

ジョンらの行先はベネズエラ。
発見されたごみは囮のために用意されたものだった。

ベネズエラでララは再びルークを抱きしめた。

その頃ピッツバーグではララの事件を担当した刑事が、
本当はララは無実だったのではないかとの疑念を持ち、
実家ではジョンの父(ブライアン・デネヒー)がベネズエラの地図に思いを馳せていた。

***

まずまず面白かつた。
中盤までは、ラッセル・クロウの思惑はことごとく外れ、仕掛けは失敗し追い詰められていくが、
最後に畳み掛けて伏線を回収しつつ、捜査官との駆け引きが繰り広げられる。

どうやって網を潜り抜けていくのか、偶然やラッキーではなく、
計算された囮情報で時間を稼ぎ、捜査の裏をかくところが面白い。

**

ジョンの父、ブライアン・デネヒーは、「ランボー」の保安官。
寡黙なオヤジながら、息子(ラッセル・クロウ)の決意を察するところなど好演。
マイケル・ビュイエは、「ミステリー・アラスカ」でもラッセル・クロウと共演しているが、
どことなく兄弟っぽい感じが出ていた。

3歳児のルークの出番はとても少ないのに双子を使っているようだ。

邦題を原題に合わせて「ネクスト・スリーデイズ」とする必要はないと思うが、
字幕で「The Last Three XXXX」と出すこととの語呂合わせと言うか、
合わせ方は邦題からは思いつかない。

 

 

    

  ホームランが聞こえた夏   

中学校野球部の天才ピッチャー、ミョンジェ(チャン・ギボム)は、突発性難聴から突然聴力を失い、
忠州(ソンシム)聾学校に進学するが、野球は辞めてしまう。
その学校には野球部はあるものの部員はわずか10人。

そんな中、韓国LGツインズのスター投手、キム・サンナム(チョン・ジェヨン)は、酔って暴行事件を起こし、
謹慎処分となり、マネージャーのチョン・チョルス(チョ・ジンウン)の発案で、点数稼ぎのために
ソンシム聾学校野球部の指導に当たることになった。

全国大会(鳳凰杯)で1勝を目標に掲げることを目標に掲げる野球部は教頭先生(カン・シニル)と
国語と音楽を教えるナ・ジュウォン先生(ユソン)が指導者だが、無理させず褒めるだけでうまくなれない。

キム・サンナムに実力を見せるとして行った中学生との練習試合でも打てない、守れない、
挙句、一人しかいないピッチャーがデッドボールを受けて退部してしまう。

キム・サンナムも当初はバカにしていたが、生徒たちの熱心さにほだされて段々とやる気になってくる。

野球はやらないと言っていたミョンジェが夜中投球練習をしているのを見たキム・サンナムは、
ミョンジェを野球部に誘い、ミョンジェは母の反対を押し切って野球を再開する。

キム・サンナムは特訓を開始するが、教頭やナ先生が大会を甘く見ているとして
全国大会4位の強豪校と練習試合を組む。

ミョンジェは他の選手を信頼せずに打たれる。
相手チームはソンシム校を舐め、わざとアウトになって試合を進行させる。
これに怒った両軍監督、キム・サンナムは相手チーム選手を叱り飛ばし、全力で戦うように言う。
反省した相手校は全力をだし、試合は32対0。
帰路走って帰る、キム・サンナムと選手たち。
疲れ果てて倒れる選手に向かってキム・サンナムは気持ちで負けるな、心から叫べと諭すのだった。
それからは、選手一丸となって猛練習に励み、めきめきと力をつけてくるようになった。

また、野球部を応援しようと他の生徒もチア・リーダーを結成したりして頑張っていた。

しかし、プロ野球の懲罰委員会は、キム・サンナムを除名追放することに決め、
せっかくの点数稼ぎも無駄になったとしてチョン・チョルスはキム・サンナムにコーチを辞めることを伝える。

おりしも、学校では校長や理事らが集まって「危険な」野球を生徒にやらせるかどうかの議論をしていた。
その会議に乗り込んだキム・サンナムは生徒を安全な檻に入れ、自立心を奪うような教育なんかくそくらえ、
と言い放って部屋を後にする。

校長以下理事が散会しようとしたとき、野球部の生徒が出てきて廃部しないよう嘆願、
キム・サンナムに対してもコーチを続けるよう懇願する。
これに打たれた校長は、野球部存続と全国大会出場を許可し、キム・サンナムも残ることになった。

やがて全国大会の日。
ソンシム高校の初戦の相手は何と練習試合で大敗を喫した強豪校。
初回に点は入れられたものの、なめてかかる相手に対し精一杯反撃し、大接戦となる。
一旦は捕手のチャン・デグン(キム・ヘソン)のホームランでリードしたものの、
追いつかれ、試合は延長戦となる。

ミョンジェは豆がつぶれ、肩を痛め試合続行は不可能と判断したキム・サンナムだったが、
どうしても試合を続けたいとの皆の熱意に打たれて試合を続行する。

そして延長、12回だったか13回の裏、2死満塁からバッターは強打者。
バッターボックスで足馴らしをした土が目に入り、思わず拭ったチャン・デグンの動作を
一塁牽制のサインだと思ったミョンジェは一塁に投げようとして動作を中断し、
サヨナラボークとなってしまった。

選手全員が突然の出来事に落胆、ミョンジェ、チャン・デグン、一塁手が自分を責めて嘆く中、
キム・サンナムはよくやったと選手をねぎらうのだった。

キム・サンナムは、チョン・チョルスの働きもあって、日本のプロ野球で再びユニフォームを着ることになった。
空港に見送りに来た生徒たちと教頭、ナ先生。
何となく気恥ずかしい和やかな雰囲気の中、物語はおしまいとなる。

**

野球スポ根物。
新参のぐうたらコーチ、ダメダメ選手、野球に反対する校長、熱心さ空回りの先生。
コーチも自分を取り戻し、生徒にやる気を持たせ、周囲もついには協力して応援する。
ありきたりと言えばありきたり、先が見えると言ったらその通り。
しかし、盛り上がりは「インビクタス」並みか、それ以上と言ったら言い過ぎか。

キム・サンナムの台詞はくさいけど、結構いい線いってました。

野球は良いねェ。

実在の忠州(ソンシム)聾学校は、全国大会でまだ勝利したことはないそうだが、
2010年には聾唖者の全国野球大会では優勝するなど力をつけてきている。
いずれ勝てる日も来ることだろう。

尚、韓国の高校で野球部のあるのは数十校にとどまり、その大半がプロを目指しているらしい。
少数精鋭ということで、部として正式に認められれば全国大会(鳳凰杯)に参加できるそうだ。

ちなみに日本では高野連傘下の男子硬式野球部は4千校を超え、部員数は16万人を超える。
甲子園大会には地方大会で優秀な成績を収めた全体の数十分の1の学校しか出ることができない。

 

 

   

 

 鉄拳 ブラッド・ベンジェンス 

3DCGアニメ。
元々は対戦格闘ゲーム。

主な登場人物:三島平八、三島一八、風間仁、神谷真、凌 暁雨(リン・シャオユウ)、厳竜、
ニーナ・ウィリアムズ、アンナ・ウィリアムズ、アリサ・ボスコノビッチ、李 超狼(リー・チャオラン)。

冒頭は、ニーナとアンナの姉妹対決。
アンナはニーナをわざと逃がし、餌を撒いたとうそぶく。

リン・シャオユウは、三島高専に通う女子生徒。
校長の厳竜に呼び出され、退学転校を告げられる。

転校先は京都国際高校、担任がリー・チャオラン。
ここでコミックみたいな出会いを期待したが、会ったのはアリサ・ボスコノビッチ。
彼女が好きだと言う神谷真を助け、その身辺に近づく。

いろいろあって、シャオユウは三島一八のGコーポレーションから、神谷真を探るよう依頼されていて、
それが風間仁の三島財閥から神谷真を探るよう指示されていたアリサにばれて対決となる。

二人は結局は仲直りしてリー・チャオランの館に隠れるが、神谷真は何者かにさらわれる。

神谷真が京都城に幽閉されていることを知ったシャオユウとアリサは、救出に向かうが、
そこに風間仁、三島一八が現れ、さらに三島平八が現れる。

神谷真はM細胞によるDNA改造の生き残りだと分かるが、神谷真は平八によって殺され、
三島平八、三島一八、風間仁の親子三代にわたる決戦となる。

三島平八が倒れ、一八はM細胞のデビル因子によって変身、風間仁もデビル因子が発動して変身。
壮絶な戦いの後一八は倒れる。
しかし、死んだと思われた平八は崩れた京都城の地下古墳の木人群を使った巨神兵の中核となって、
風間仁に襲いかかる。

絶体絶命のピンチの中、破壊されターミネーターの最後のような形になったアリサの
必殺のロケットパンチで木人兵は崩れ、風間仁デビルによって抹殺される。

風間仁はデビルの姿で去っていき、復活したアリサとシャオユウには明るい学園生活が待っていた。

**

ストーリーはあってなきがごとし。迫力ある映像を楽しむもの。

人物の表情を含めとてもリアルに表現されていて、モーションキャプチャーによる動きも自然で違和感なし。

パンダはまだいいとして、デビルに変身してしまっては対戦型格闘ゲームの本質から外れてしまっているのではないか、
といっても元のゲームがそうらしいからしょうがないか。

リー・チャオランの格闘家としての出番がなかったのは物足りない。

 

 

   

 

 レイン・オブ・アサシン  

ミシェル・ヨー、チョン・ウソン、ワン・シュエチー、バービー・スー、ケリー・リン。

**

冒頭、物語の設定説明が入る。
すなわち、武術の奥義を極めた達磨大師は、死んでミイラとなり2分割されて
それぞれが別人によって保管されている。

そしてこれを手に入れたものは武術界の覇権を握り、絶大なる力を得るという。
その上半身を持つ張海端(チャン・ハイドァン)とその息子、張人鳳(チャン・レンフォン)は、
暗殺軍団黒石に殺害されてしまうが、上半身のミイラは黒石軍団の一人の
細雨(シーユー、キャストはケリー・リン)に奪われる。

細雨は陸竹(ルージュー、キャスト:李宗輸=リー・ゾンファン)の元で修業を積み、
整形手術によって顔を変え、曽静(ザンジン、キャスト:ミシェル・ヨー)として、
平凡な一市民の道を歩み始める。

細雨の裏切りによって達磨大師の上半身を奪いそこなった黒石の親玉、輪転王(ワン・シェチー)は、
細雨の捜索と達磨大師のミイラ奪還に、手練れを集めるなどしていた。

曽静は移り住んだ町で、布地の販売などをして自活していたが、
私設郵便配達人の阿王(アシャン、キャスト:チョン・ウソン)に見初められ、
紆余曲折の後に阿王と恋仲になり結婚することになった。

一方、達磨大師の遺体を手に入れて、その力を得ようとするものは大勢いて、
達磨大師の下半身を持つと噂される銭荘王も狙われる一人だった。

たまたま、曽静と阿王が銭荘を訪れた際、達磨大師のミイラを狙う武装集団の襲撃に遭遇、
曽静は彼らを撃退するものの、そのあとで輪転王にその正体がばれてしまう。

輪転王は曽静、すなわち細雨を追い詰めて達磨大師のミイラを手に入れるべく、
雷彬(レイビン、キャスト:余文楽=ショーン・ユ)、彩戯師(戴立忍=レオン・ダイ)、
綻青(シャンチン、キャスト:徐熙媛=バービー・スー、お色気担当)を呼び寄せる。

曽静は阿王に元暗殺者だとばれないように黒石軍団と対峙する。
いろいろあって、彩戯師は輪転王にたおされるが、
曽静は逃れたものの輪転王との対決で傷を負い、阿王を逃がそうとして昏睡する。

雷彬と綻青は曽静のとどめを刺しに来るが阿王に阻まれる。
じつは、阿王は張人鳳だった。

細雨が曽静として過去を捨てようとしていたことも全部知っていて、
自分の顔を変え、阿王と名乗り、親の仇に近づいたと言う。
全てが偽りの愛だったと。

曽静は阿王を倒し、輪転王との戦いに挑む。
輪転王は、曽静にすべての武術を教えておらず、曽静には弱点があったが、
曽静は陸竹との訓練でそれを知っており、結局は傷つきながらも輪転王を倒す。

しかも阿王の死は薬剤による曽静の偽装で、阿王は息を吹き返し、
親の仇でもある曽静を助けて去っていくのだった。

**

チョン・ウソンが出ている段階で既にただのノー天気田舎者ではないはずと思ってしまうが、
やはりその通りだった。
当初は黒石の送り込んだ草(地元に潜伏する間者)かと思っていたが、張の息子は意外だった。

騙された曽静も騙した阿王が、お互いの素性を知った後、
表面上は憎しみ合いながらお互いを愛し合う矛盾と言うか葛藤と言うか、
どう纏めるのかなと気になったが、平凡ながらまずまずの締め方でこれはこれでよかった。

剣と刀の違いと言われても具体的には理解できないが、剣をフェンシングのフルーレのように使うアイデアは斬新。
ただ、それほどしなやかや剣をいくら縦方向とはいえ、刀との鍔迫り合いに使えるのかはよくわからない。

ジョン・ウーがプロデューサー兼共同監督に名前を連ねている。

 

 

   

 メカニック 

ジェイソン・ステイサム、ドナルド・サザーランド、ベン・フォスター。

**

冒頭、厳重な警備に囲まれて外出先から帰ったやくざの親玉は、着替えて自宅内のプールに入る。
プールの底に何かを見つけて塔路とした瞬間、潜んでいた暴漢に襲われて溺死。

護衛が慌てる中、暴漢のアーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)は使用人に化けて
あっさりと脱出し、ニューオーリンズの隠れ家に戻る。

事件は単なる事故死として扱われ、殺人を依頼したハリー・マッケンナ(ドナルド・サザーランド)は、
アーサー・ビショップに報酬を支払う。

アーサーに対する次のターゲットはそのハリーだった。
ハリーと同じ組織のボス、ディーン(トニー・ゴールドウィン)によれば、
ある仕事に派遣した5人の殺し屋が抹殺されたが、その仕事の詳細を知るものはただ二人、
自分自身とハリーだったと言う。

つまり、ハリーが組織を裏切ったと言うのだ。
アーサーは、ハリーに刺客が襲うと連絡をしてハリーを地下駐車場におびきだし、
覚悟を決めたハリーを彼の愛用の銃で射殺する。
ハリーの死はカージャックの仕業とされ、ハリーの息子、スティーブ(ベン・フォスター)は復讐を誓う。

そして、夜の町でカージャックをするチンピラを殺そうとするが、アーサーに止められる。
アーサーはスティーブを「メカニック」に育てる決意をして訓練を始める。
そして、犬(チワワ)を飼わせ、毎日定時に散歩するように言う。

ある日、アーサーはスティーブを連れてある男のアパートに行き、交渉をするふりをして絞殺、
事故死に見せかけて去る。男は武器の密売人だった。

次のターゲットはスティーブが毎日犬の散歩で立ち寄る喫茶店の常連だった。
ターゲットは、別組織のメカニックで2mの大男、バーク(ジエフ・チェイス)。
彼が犬好きのゲイであることを利用して、スティーブに近づかせたのだ。

バークは予想通り、スティーブに近づき飲みに誘う。
アーサーは薬品を用意、バーでバークに飲ませるようスティーブに指示するが、
スティーブはそれを無視してバークを絞殺しようとして失敗、乱闘となり、
何とか殺害に成功したものの怪我を負い、アーサーはディーンからも睨まれる。

次のターゲットは高級マンションの上階に住んでいるデブの怪しい宗教家。
神の啓示に名を借りて私腹を肥やし、女性に手をかける不埒者。

アーサーの作戦はアドレナリンを大量に注射して突然死させると言うもので、
アーサーとスティーブはマンション屋上から壁裏を通って侵入し、襲うタイミングを計る。

しかし、男はアドレナリンを中和する効果のある麻薬の点滴を始めてしまった。
アーサーは作戦を変更、護衛が席を外した時に壁から部屋に突入し、男を窒息死させる。

すぐに壁に隠れて息を殺していたが、ナットを落として戻ってきた護衛に発見され銃撃戦となる。
何とか二人とも敵を倒して脱出に成功したものの、仕事は明らかに歯車が狂った。

ニューオーリンズの隠れ家に戻る途中、アーサーはハリーが始末したはずの5人の刺客の一人に遭遇。
男を問い詰めて、全てがディーンの策略だったことを知る。

アーサーはディーンに反撃すべく、ニューオーリンズの隠れ家に戻るが、そこにはディーンの部下がいた。
アーサーとスティーブはこれをすべて倒して、ディーンに反撃を計画する。
その時スティーブは偶然ハリーの愛用の銃を発見、アーサーがハリーの刺客だったことを知る。

アーサーは、スティーブとともにディーンのマンションを襲い、ディーンをおびき出して襲撃する。
激しいカーチェイス、カーバトルの末、二人はディーンを抹殺、その場を去る。

途中、アーサーはスティーブがハリーの銃を持っていることに気づく。
スティーブはガソリンスタンドで給油のふりをしてガソリンを撒き、アーサーを車もろとも爆破する。

スティーブはアーサーの隠れ家に戻り、アーサーよろしくレコードをかけ、
アーサーがレストアしていた車に乗ってドライブに出かける。

助手席には「これを読んだものは間もなく死ぬ」とのメモがあり、スティーブは高笑いするが、次の瞬間、車は自爆。
レコードプレーヤーも仕掛けが作動して隠れ家は大爆破炎上する。
全てはアーサーが緊急事態に備えて用意していたものだった。

またアーサーはスティーブの復讐に気づき、間一髪、車から逃れ、事なきを得ていた。

最初の3件、アーサーが自身で計画し実行した殺しは完ぺきに事故を装うが、
スティーブを作戦に加えたところから徐々にほころびが出てくる。

街中での行動は今となってはそこらじゅうにある防犯カメラによって
すぐに犯行が特定されてしまう可能性大で、映画のようにいくはずはないが、
そこはMI張りのスタントアクションで切り抜けていく。

車を使った仕掛けもなかなかのもので、あり得ないカーチェイスよりもむしろ真実味がある。

ラストはどうするのかなと気になっていたが、これはこれで面白く、落ちとしてはまずまず。
ただ、ガソリンスタンドのカメラの映像は二度流す必要はない。
無くてもいいくらい。

現金主義なんだろうけど、キャッシュはどうしたのかなとか、どうでもいいことが気になった。

1972年、チャールズ・ブロンソンの同名映画のリメイク。
オリジナルはDVD/ビデオの情報もなく、日本公開があったのかすらよくわからない
(一説には1973年6月公開)

アーサー・ビショップが古くからの友人ハリーを殺し、その息子スティーブを殺し屋にするのは同じだが、
オリジナルは組織からスティーブにアーサー殺害指令が出たのをアーサーが知ると言う展開のようだ。

 

 

  

 トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン    

シャイア・ラブーフ、ジョシュ・ダハメル、ジョン・タトゥーロ、ロージー・ハウンティントン=ホワイトリー。

**

1961年ごろ、トランスフォーマーの故郷の星での最終戦争の末期、脱出した宇宙船は攻撃を受けて月に不時着する。
それを察知したNASAは極秘裏に月探査計画を進め、ついにアメリカは1969年、月に有人飛行を敢行し、
宇宙船の探査を行った。

前作、前々作と地球の危機に活躍したのに、就職すらままならないサム(シャイア・ラブーフ)。
オートボット連中は地球の防衛や紛争処理に忙しく、サムと一緒に過ごす暇もないが、
新恋人のカーリー(ロージー・ハウンティントン=ホワイトリー)の手前もあって、何とか仕事に就きたい。

いくつも受けた会社はことごとく失敗。
やっとメールボーイの仕事に就くが、社長(ジョン・マルコピッチ)は変人。

カーリーの仕事先の社長ディラン(パトリック・デンプシー)は、かなりのイケメンで豪勢。
カーリーに何十万ドルもする車をあげたりして、サムの嫉妬を買う。

やがてオートボットの敵であるディセプティコンが活動を開始。
サムは福祉保健省=国家情報局の長官メアリング(フランシス・マクドーマンド)に告げるが相手にされない。

オプティマムはアメリカが月に不時着した宇宙船の件を隠していたことをなじるが、
結局は月に向かいセンチネルを確保して地球に戻る。

オプティマムは、センチネルを蘇生させ、再び師と仰ぐが、実はセンチネルはメガトロンと結託、
サイバトロンの復興に地球を利用する計画だった。

ディランも実はディセプティコンの手先でサムをオートボット攻略に利用する。

人類はこの計画に気付かず、ディセプティコンの申し出を信じてオートボットを宇宙に帰還させる。
多くのオートボットを載せたロケットは、飛行中に攻撃を受けて破壊されてしまう。

しかし、ディセプティコンは地球を去るどころか人類を殺戮し、サイバトロンを地球まで転送する装置を作動させる。
そこに現れたのがオートボットで、去るふりをして隠れていた。

かくして、オートボットとディセプティコンの戦いは、地球人類を巻き込んで壮絶なものとなる。

結果は、傷つきながらもオプティマムが勝利。
センチネルもメガトロンも破壊されて平和が訪れる。

**

映像はIMAX3Dで鑑賞したこともあって大迫力。
最初から最後までド派手なCG、VFXは驚異の一言。

しかし、結局は相いれない敵を殲滅することでしか平和が達成されないわけで、何となく違和感。

もともとトランスフォームは金属生命体、超生命体が、人間の市民生活の中でその姿を隠すためだったはず。
確かにトランスフォームシーンは見ごたえがあるが、今作に至っては、
彼らがなぜいまだに車や航空機の形をしていなければならないのか不可解としか言いようがない。

また車が変形してロボットになること自体は楽しいけど、肩のあたりにタイヤがあったり、
胸がドアになっていたりする必然性は全く考えられない。

超大作娯楽作品ではあるがSFであってSFでない。

 

 

  

 アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!   

誰が名づけたのか知らないが「俺たち」と言えばウィル・フェレル。
製作はコロムビアだが、配給は日活。
過去の「俺たち」はソニー・ピクチャーズだったり、GAGAだったりいろいろ。

尚、「俺たち」は良いとして踊りません。ん? いや、踊るか。

**

ウィル・フェレル、マーク・ウォルバーグ、マイケル・キートン、エバ・メンデス。

クリストファー・ダンソン(ドゥエイン・ジョンソン)とPK・ハイスミス(サミュエル・L・ジャクソン)は、
ド派手な逮捕劇を演じ、NYPD(ニューヨーク市警)では英雄視されている。

一方、書類作りに没頭し危険な仕事をしないアレン・ギャンブル(ウィル・フェレル)と、
目立つ仕事が回ってこず愚痴ばっか言ってるヘタレのテリー・ホイッツ(マーク・ウォルバーグ)は、
ダメダメコンビで刑事仲間の鼻つまみ。

今日もクリストファーとPKの逮捕劇の後始末の報告書作りを引き受けるアレンと、
それに対しても文句ばっか垂れるテリー。

そこへ、ビル取り壊し用の鉄球を使った宝石店強盗の連絡が入る。
現着一番はまたしてもクリストファーとPK。
しかしヤマカシ風の賊は、ビルの20階からロープを伝って逃走。
後を追ったクリストファーとPKはあろうことかビルから転落死してしまう。

後釜を狙う刑事たち。
例えば、マーチン(ロブ・リグル)とフォッセ(デーモン・ウェイアンズJr)のその一組だし、
テリーもアレンを脅しすかして捜査に引っ張り出そうとする。

コカイン押収現場に、愛車、真っ赤なプリウスで駆けつけるアレンとテリー。
テリーにせっつかれたアレンは暴走してコカインに突っ込む。

アレンは、ビル建築現場の足場設置許可を取っていないとして
投資家のデビッド・アーション(スティーブ・クーガン)を逮捕すると言う。

その頃、アーションは投資で開けた大穴、320億ドルの損失補てんを迫られていた。
アレンとテリーはアーションを逮捕するが、アーションの監視役の
ロジャー・ウェズリー(レイ・スティーブンソン)らにあっさり奪還される。

アレンとテリーは険悪になるが、いったん仲直りをしてアレンの家に行くことに。
そこにいたのは飛び切りの美女でアレンの妻シェイラ(エバ・メンデス)に、テリーはびっくり。

2日後、アレンの車が見つかり、残された携帯の通話記録からアーションが偽の投資話で金を集めて、
損失補てんをし、不正経理でごまかそうとしていることを知る。

アレンとテリーはアーション逮捕をもくろむが、市の幹部から横やりが入り、
集めた資料を金融監視局に持ち込むが、担当の監査役が自殺してしまう。

証拠を失い部長(マイケル・キートン)からも信用されず、テリーは配転、アレンは一人で再び証拠集めを始める。

そして、ついにアーションが警察の年金を原資に損失補てんしようとしていることを突き止め、
アレンとテリーはコンビ復活、アーションを確保して損失先への送金を停止させようとする。

二人はアーションが損失を与えたほかの国や団体の追及をかわしながら、
部下が送金する直前に乗り込んで、当初の監視役らとの戦いになる。

しかしその攻撃もむなしく、アーションが奪還され、アレンとテリーの命が危機一髪の時、
部長を始め、武装チームが乗り込んできて全員逮捕、事件は落着する。

**

ウィル・フェレルは堅物でITオタクの設定。
正面の顔から後から見た姿をシミュレートするソフト「フェイスバック」を発明してたり、
情報整理が非常に得意。
しかし、なぜかホットな女性に大もてで、学生時代は美女のガードで手数料を稼いでいたろくでなし。

マーク・ウォルバーグは、ITオンチで空回り熱血漢ですぐ頭に血が上る。
そのくせ、実は一人の女にぞっこんで女々しくて、ダンスやピアノがうまい。

一見、典型的なコンビ像を作っておいて、実は正反対の性格だったと言う設定で観客を外す。
口汚くののしり合ったり揶揄したりする場面が多かったが、わかりにくいダジャレは少なかったし、
結構台詞が面白かったです。ライオンとマグロの件なんかも。

デーモン・ウェイアンズJrは、ウェイアンズ兄弟のデーモン・ウェイアンズの息子。
ショーンやマーロンから見れば甥っ子になる。

ロイ・レイノルズはこわもて役が多い「パニッシャー2」では主役のフランク・キャッスル。
マイケル・キートンは最近は「トイ・ストーリー3」のケンなど、優しい役が多いが
「バットマン」を演じたこともある。

バスケの試合でウィル・フェレルの隣に座ってた美女はブルック・シールズ。
そしてその隣は、トレーシー・モーガンだった。

また、マーク・ウォルバーグに球場で撃たれたヤンキースのデレク・ジーターは本物。

などなどカメオ出演が多かったようだ。
 

 

 

   

 シャンハイ   

ジョン・キューザック、渡辺謙、コン・リー、チョウ・ユンファ、菊地凛子

1941年12月、シャンハイ。

日本兵に拷問されるジョン・キューザック。
拷問は一時中断、ジョン・キューザックは渡辺謙の元に連れていかれ「あの女はどこだ」と聞かれる。

その2か月前、ポール・ソームズ(ジョン・キューザック)は、シャンハイ・ヘラルドの記者として赴任。
その実は、アメリカの諜報部員だ。

彼が上海に来たのは、親友でもある諜報員のコナー(ジェフリー・ディーン・モーガン)が
何者かに殺害されたからでもあった。

当時の中国は日本軍に占領されていたが、上海だけは列強がその支配力を維持していた。
日本のほか、アメリカ、イギリス、そしてドイツ。それぞれが街区を形成し、治外法権となっていた。

お互いは深く立ち入らないと言う約束事があったにせよ、
あちこちで繰り広げられる反日勢力とそれを取り締まる日本軍の戦いは日常だった。

ソームズにはドイツ人のレニ(フランカ・ポテンテ)という知人もいた。
ソームズは彼女を利用していろいろとドイツの動向にも探りを入れていた。

コナーは、日本人娼婦のスミコ(菊地凛子)を利用して日本軍の情報を仕入れていた。
スミコを愛人とする日本軍将校、タナカ少佐(渡辺謙)がその調査対象でもある。

アメリカのこの時の立場は、日中間の争いには加担せず、できるだけ中立を保つものだった。
ソームズの上司は日本の動向に深く立ち入ろうとするソームズを常に牽制する。
コナーも余計なことをし過ぎて殺されたとの感覚だ。

一方日本軍の上海での極悪非道ぶり、特に反日勢力に対する仕打ちは目を覆うばかりだったが、
アメリカは目をつぶっている状態だった。

日本軍が利用する中国人マフィアの親玉はアンソニー(チョウ・ユンファ)、
その妻はアンナ(コン・リー)だった。

ソームズは、コナー殺害の真相を探るべく、タナカ少佐、アンソニー・ランティン、そしてその妻アンナに近づく。
上司のアスター(リチャード・モース)はソームズの進言をことごとく退ける。

スミコがコナー殺害の真相を知ると見たソームズはスミコを探すが、その行方は知れない。

やがて、アンナが反日勢力の首謀者でスミコを利用して仲間の釈放を考えていることが判明、
タナカ少佐とアンソニーを含めたの駆け引きが繰り広げられる。

ソームズは、日本海軍の主力艦隊のうち、空母加賀を含む主力艦9隻が行方不明になっていることを突き止める。
コナーは加賀他の軍艦が単に休暇のために上海に立ち寄ったのではないことを知り、殺されたと考えた。

ソームズは、アンナがスミコをかくまっていることを知り、アンナを追求、ついにはスミコの居場所に到達するが、
アンソニーによって情報が洩れ、すべてばれてしまう。

そして激しい銃撃戦の末、アンソニーとタナカは倒れ、ソームズはアンナを連れてシャンハイ脱出を図る。
おりしも、日本がアメリカに対して宣戦布告、真珠湾攻撃を行った直後であった。

日本軍は上海に対しても攻撃を行い、這う這うの体で港まで逃れたソームズとアンナは、
夫婦のふりをしてアメリカの臨時旅券を手に入れる。

しかしそこには命は取り留めたタナカがいた。
万事休すと思った瞬間、タナカは二人を見逃すのだった。
一旦は戦火の上海から逃れたソームズとアンナだったが、アンナは反日闘争のため香港から上海に舞い戻り、
ソームズにも再び上海を訪れる日が巡ってくるのだった。

**

緻密な情報合戦、巧みな心理戦と思いきや、コナーが殺されたのは、単にタナカの嫉妬が主因で、
タナカはコナーがアメリカの諜報員であることすら知らなかったと言う落ち。

そして、コナーは日本軍の真珠湾攻撃を事前に察知していながら無能な上司によって、
その情報を握りつぶされた上の犬死にだったということ。

さらに言うと、日本軍少佐ともあろう軍人が日米開戦情報も知らされておらず、
ヘロイン中毒の娼婦に入れあげて、嫉妬の挙句
アメリカ人ジャーナリスト(に扮した諜報員)を殺害するなんてどうなんでしょう。

また、書きませんがアンソニーとアンナの夫婦愛もなんだかなぁでした。

つまりは日米開戦前夜の列強の軋轢の中で暗躍する情報部員の物語が、
男女がらみの愛憎の中に埋没すると言うアメリカ的と言えばアメリカ的な展開でした。

そうそう、日本軍の極悪非道ぶりは際立ってました。

 

 

 

 カンフー・パンダ2    (

パンダのポーにジャック・ブラック(吹替え:山口達也)、
マスター5はトラのアンジェリーナ・ジョリー(木村佳乃)、猿がジャッキー・チェン(石丸博也)、
蛇にルーシー・リュー(MEGUMI)、カマキリにセス・ローガン、鶴はデビッド・クロス、
シーフー老師にダスティン・ホフマン(笹野高史)など、主要声優/吹替えは続投。

敵役はクジャクのシェン大老にゲイリー・オールドマン、予言おばばにミシェル・ヨーなどビッグネームがずらり。
尚、吹替えは公式ページやチラシ以上は確認しなかった(エンドロールには表示される)

冒頭、クジャク一族の物語が影絵風に示される。
ゴンメン市を統治するクジャクの王と王妃。
息子のシェンに王位を譲ろうとしていたが、シェンは予言おばばの「白と黒のものに滅ぼされる」を信じ、
城下のパンダ一族を抹殺する。
そして再び城に戻るが王はシェンの非道を諌めて追放、シェンは復讐を誓い国を出る。

何年かのち、シェンは大老となり、狼族を部下にカンフーを打ち破る武器を製造していた。
武器製造のための鉄が不足して、シェンは狼に鉄の徴収を命じる。

一方「平和の谷」で龍の戦士として、マスター5とともに日々訓練に明け暮れていたポー、
相変わらず食い意地だけは直っていなかった。
シーフー老師に「内なる平和」を指導されるが、よく理解できない。
そんな中、鉄を奪うため村を襲った狼一族を撃破するが、紋章を見て一瞬躊躇し逃がしてしまう。

シェン大老は武器を完成させ、それを手に現在の王であるマスターサイに立ち向かい、
これを抹殺、王として君臨する。

程なくシーフー老師にマスターサイの死去のニュースが届けられる。
それにはカンフーを打ち破る武器によってカンフーが敗北したと伝えられた。

シーフー老師はポーとマスター5に真相を確認し武器を打倒するよう命じる。

ポーたちはシェンの町、ゴンメン市に到達するが狼の警備が厳しくて近づけない。
マスターサイの部下で手練のマスターウシとマスターワニに協力を願い出るが、
武器によって町が危険に晒されるとして協力が得られない。

すったもんだの挙句、シェンの住む塔の最上階に到達、シェンは逃がしたものの、武器は破壊した、
と、思いきや、シェン大老の武器は大量にあり、ポーたちのいる塔に向かって爆弾を発射、
塔ごと破壊してしまう。

ポーらは寸でのところで逃げ、マスタータイガーはシェンにひるんだポーを残し、
マスター5でシェンの武器工場に乗り込んでいく。

しかし、結局は5人(匹?)ともつかまり、ポーは武器に倒される。

ポーは瀕死のところを予言おばばに助けられ、治療を受けるとともに、
ひるんだ理由=シェンが町を破壊しパンダを殺戮したこと、そして母がポーを逃して、
今の(ダチョウの)父に拾われたことなどを思い出し「内なる平和」を修得する。

武器は完成、シェンは予言おばばの言葉を無視して船団を船出させる。
復活したポーは、シーフー老師とマスターウシ、マスターワニの助力も得てマスター5を救出、
これを阻止しようと頑張るが、シェンの武器によって跳ね返されてしまう。

しかし、仲間を助けながらも立ち上がったポー。
「内なる平和」によってシェン大老の放つ爆弾をやり過ごし、進路を変え、ついには反撃に利用、
武器そのものを破壊してしまう。

そしてついにシェン大老との一騎打ち。
激しい戦いの末、ポーはシェン大老を倒し、町には平和が戻ってくる。

ポーは「平和の谷」に戻り、ダチョウの父と再会する。

その頃、どこかの村でポーの父と思われるパンダが息子の生存を確信する。
そこにはポーの母と思われるパンダなどパンダ一族が隠れ住んでいた。

物語は続く、のかもしれない。

**

面白かった。
吹替え版だったが、口とセリフはぴったり合っていた。

映像はきれいで、奥行き感たっぷり。スピード感もあり、91分とは思えない中身の濃さ。
都合上2D鑑賞となったが、是非とも3Dで見たい作品だ。

毛の表現、濡れた感じは「シュレック」シリーズでもおなじみだが、
水の表現なども含めドリームワークスやるじゃん、と思わせた。

次回作を臭わせる終わり方でした。

**

試写は2D、その後劇場にて3D版を鑑賞。
縦方向の演出が多かったため、思った通り前後のスピード感にあふれていた。
オープニングやエンディングの影絵風演出も立体感が効果的だった。

 

 

 カーズ2   

5年ぶりの続編。

ライトニング・マックイーン(声:オーウェン・ウィルソン、吹替え:土田大)、
メーター(声:ラリー・ザ・ケーブルガイ、吹替え:山口智充)、
サリー・カレラ(声:ボニー・ハント、吹替え:戸田恵子)、
ルイジ(声:トニー・シャルーブ、吹替え:パンツェッタ・ジローラモ)など、
主要登場人物と声は続投。

**

イギリスのスパイカー、フィン・マックミサイル(声:マイケル・ケイン、吹替え:大塚 芳忠)
は海上石油基地に潜入、組織のザンダップ教授(声:トーマス・クレッチマン、吹替え:青山 穣)らが、
怪しいテレビカメラを犯罪に利用する計画を知る。
日本でアメリカのスパイカーと落ちあい、さらに詳しい情報を得ることにする。
マックミサイルは日本に移動して、技術部のホリー・シフトウェル
(声:エミリー・モーティマー、吹替え:朴璐美、璐は王偏に路)と接触する。

一方、ラジエーター・スプリングでサリーやメーターと休暇を楽しむマックイーン。
マイルズ・アクセルロッド卿が新燃料アリノールを指定燃料にしたワールド・グランプリを開催し、
マックイーンのライバルでもあるF1のフランチェスコ・ベルヌーイが出場することになっていた。
マックイーンは休暇を優先して出場を辞退していたが、メーターのせいで急きょ出場することになる。

レース会場は、日本、イタリア、そしてイギリス。
マックイーンは初めてレースにメーターを同行させるが、メーターのせいで恥かきっぱなしになる。

アメリカのスパイは組織に発見されるが、メーターの車体に情報を隠す。
ホリーは信号を発するメーターをアメリカのスパイと勘違いする。

いよいよ、日本でのレースがスタート。
マックイーンは後れを取ったもののダートセクションでメーターの指示通りドライブしてトップに立つ。
しかし、最終ラップでメーターとホリーの通信を自分への指示だと勘違いしてインを開けフランチェスコに敗れる。

ザンダップ教授らのテレビカメラはアリノールに特殊電波を照射し、爆破させるものだった。
何台かのレースカーがその餌食になっていた。

マックイーンはメーターを叱責、メーターはアメリカに帰ろうとする。
しかし、まだメーターをスパイと信じるマックミサイルとホリーに情報提供し、3車はフランスへ飛ぶ。
そして、情報屋とコンタクト、イタリアに向かう。

イタリアのレースでは、フランチェスコをかわしてマックイーンが優勝したが、さらに何台かが特殊電波の犠牲になる。

アクセルロッド卿はアリノールの危険性にも言及し、指定燃料を外すが、マックイーンはアリノールを使うと宣言する。

ザンダップ教授の一味はロンドンで集会を開き、マックイーン抹殺を宣言する。
マックミサイル、ホリー、メーターは一味の集会に潜入するが、大ボスの正体は解明できず逆に拘束される。

いよいよロンドンでのレース。
一味は特殊電波をマックイーンに浴びせるが、爆破に失敗。
プランBとしてマックイーンのピットに爆弾を放り込むと宣言して逃げる。

ロンドン塔に監禁されていたメーターは見事脱出に成功し、マックイーンを助けに行くが、
実はメーターに爆弾が仕掛けられており、マックイーンをさらに危険にさらすことになる。

マックミサイルとホリーはロンドン塔から脱出し、ザンダップ教授を確保、
爆弾の時限装置解除を指示するが、音声認識不一致で解除できない。

その時、爆弾を止めたネジの特殊性からアクセルロッド卿を大ボスと決めつけたメーターが、
レース会場に乗り込み、爆弾解除とともにアクセルロッド卿の陰謀を暴く。

実は一連の騒動は海上油田の発見によって、ガソリンによる利益独占をもくろむため、
新燃料の危険性を認識させるためにアクセルロッド卿がうった大芝居だった。

アリノールはただのガソリンに特殊電波で爆破するよう細工をしたもので、
マックイーンのクルーが怪しいとにらんでただのガソリンに入れ替えていた。

マックイーンはイギリス女王から「サー」の称号を受けアメリカに帰還。
あらためて、ラジエーター・スプリングでフランチェスコや他のレーサーたちトレースを行うのだった。

**

前作は天狗になったマックイーンがラジエーター・スプリングで人々(いや、車々)の愛情に触れ、
人間性(いや、車性)を取り戻していくと言うものだった。

今作は、世界を転戦するレースとその裏に隠された陰謀、それを暴くスパイらの活躍、
そしてマックイーン、メーター、ラジエーター・スプリングのみんなとの愛情を描いたもの。

前作以上に車は精緻に描かれ、レースの模様も迫力満点でリアルで面白かった。
4つの都市、東京、パリ、モナコ+ローマ、ロンドンの中で、東京は光あふれる近代テクノ都市として描かれているが、
枯山水、相撲などの伝統文化も描かれる。
また富士山、東京タワー、歌舞伎座、レインボー・ブリッジなども登場。
ウォシュレットがコミカルに描かれるなど面白い。

吹替え版では例によって看板やテロップ、メーターの置手紙など、主要な部分は日本語で書かれ、
PIXARの芸の細かさには敬服させられる。

惜しむらくは敵一味をペッパー(胡椒=故障)としたこと。
元々はレモン(=ポンコツ車の意)となっていて、ペッパーでは敵の集結した場所に
レモンがうずたかく積まれていた意味が取れない。

同時上映される短編は「トイ・ストーリートゥーン ハワイアン・バケーション」
人形たちを譲り受けたボニーがハワイに旅行するので、一緒に行こうと画策したバービーとケン。
結局はウッディたちがいるボニーの部屋に来ただけ。
がっかりするケンとバービーを慰めるため、ウッディたちがハワイの休日を演出するのだが、、、。
到底6分とは思えない中身の濃い作品でした。

 

 

  

 ツリー・オブ・ライフ   

ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャステイン

頑固、亭主関白な親父(ブラッド・ピット)、優しくて寛容な母親(ジェシカ・チャステイン)には、
3人の息子がいました。
二男は若くして(19歳で)死んでしまいました。
長男(ジャック、ショーン・ペン)は大きくなって実業家として成功し重責を担っています。

子供の頃は、弟との軋轢、厳しい父への反発、いろんなことがありました。
一緒に遊び、けんかもしたし、和解もした。
それらはジャック目線で語られます。

そして今は何か知らんけど、悩み、考え、父や母や弟たちへの思いを馳せるのでした。

**

宇宙創生、地球形成、生命誕生、そしてはるかな生命の歴史を思わせるシーンはきれいだった。
やがて一組の男女(ブラッド・ピットとジェシカ・チャステイン)の結婚と子供の誕生、そして成長。
二男の誕生、成長、そして、三男を加えた一家5人での生活。

ところがここで時間の流れは止まってしまう。
別に際立って特異なこととは思わないが男の子なら誰でもありそうな父への反発、
仲間同士との悪戯や隠し事、などと傲慢な父の成功と失敗、挫折は描かれるものの、
二男の死が明らかにされるまでの部分は描かれないし、
その頃の長男の言動についても明らかではない。
三男の姿についても全く見えてこない。

さらに時間が飛んだショーン・ペンの「現在の」葛藤についても何もわからないし、
ラスト近くのまたしても彼岸と此岸の狭間みたいなところでの家族との出会いが、
何を意味するのかもよくわからない。

何か壮大な思いがあったのかもしれないが、結局わかる人に分かれば良い的な感じがした。

カンヌでバルム・ドールを取るくらいだから素晴らしい映画なんだろうけど、
私のような凡人にその良さは理解できなかった。

 

 

 

 モールス   

クロエ・モレッツ、コディ・スミット=マクフィー、リチャード・ジェンキンス、イライアス・コティーズ。

**

1983年冬、雪の中のニューメキシコ州、ロス・アラモスの片田舎。
強酸でやけどを負った一人の男が搬送されてくる。
身元は不明、刑事(イライアス・コティーズ)が尋問しようとするが、喉まで火傷を負い喋ることができない。
受付から刑事に電話があり、それに出ている間に男は窓から身を投げて墜落死してしまう。
「ごめんね、アビー。」と書き残して。

2週間前。
いじめられっこのオーウェン(コディ・スミット=マクフィー)の隣に一組の親子が越してくる。
オーウェンのうっぷん晴らしは隣を覗いたり、ナイフで木を小突いたりすること。

少々禿げ上がった親父(リチャード・ジェンキンス)は、夜出かけていき、
スーパーの駐車場で一人で買い物に来た男の車に入り込み、身をひそめる。
そして、踏切で止まった途端、飛び出して男の首を絞める。
親父は、男を木に逆さにぶら下げて、首を切り、血をボトルに集める。
そして帰ろうとして躓き、血をこぼしてしまう。
親父はアパートに戻るが、怒鳴り合いがありその騒ぎはオーウェンにも聞こえる。

ある夜、オーウェンがいつも覗いているマッチョな男がジョギング中、
迷子になったというアビーを見つけ、アパートへ連れて帰ろうとした瞬間、
アビーに襲われて息絶える。

親父は、アパートに戻ったアビーと口論の末、放置されていた男の死体を川に沈める。

オーウェンは虚弱な体質で体育も休みがちだ。
ガキ大将のケニーとその仲間にホントは女だろ、女々しいやつだといじめられる。

一人で自宅前の公園で遊んでいる夜、雪の中を裸足で隣の女の子が近づいてくる。
名前はアビー(クロエ・モレッツ)年は12歳くらい(「Twelve, more or less」)だという。
オーウェンの持つルービック・キューブに興味を示し、それを借りるが「友達にはならない」という。

翌日、完成されたルービック・キューブが公園に置かれていた。
オーウェンはやがて現れたアビーにすっかり夢中になる。
ゲーセンに連れて行ったり、ガムを奢ったりするが、アビーはガムを噛んで吐いてしまう。

オーウェンはアビーと壁越しの通信をするため、モールス符号を書き記し、
アビーに渡そうと考えるが、ケニーに見つかってまたいじめを受ける。

その夜、アビーはオーウェンの傷を見て、仕返しをするべきだと激しく訴える。
仕返しすれば2度と手出しされない、と。
そしていざとなったら私が手助けする、と。

屋外の凍った池でのスケートの授業の時、ケニーはまたもオーウェンを苛めようとするが、
オーウェンは柵の鉄棒でケニーを殴りつけて大けがをさせる。
同じ時期、その池の中から隣のマッチョマンの遺体が発見される。

アビーの親父はまたスーパーで一人乗りの車を物色していた。
そして、首尾よく乗り込んだものの、友達が乗ってきて動きが取れなくなる。

親父はガソリンスタンドで車に残った友達に見つかり、何とか友達をやっつけたものの
逃げようとして運転を誤り、車は陰から転落、怪我をして動けなくなり、
身元を隠すため、自ら用意した強酸を浴びる。
そして冒頭につながる。

ニュースで強盗未遂と犯人がやけどをしたことを聞いたアビーは、病院に行き、病室を聞く。
看護婦はアビーが裸足なのを見て追うが、アビーはもういなかった。
看護婦が刑事に電話している間に、アビーは壁をよじ登って病室に行き、
親父と思われた男の差し出す首から血を吸う。
男は転落死、アビーはアパートに戻る。

オーウェンは、アビーを秘密の部屋(子供たちの隠れ家)に連れて行き、友達の血判を迫る。
血を見て正気を失ったアビーは、オーウェンを突き飛ばして外に飛び出し、
散歩していた隣の夫婦の女を襲って逃げる。

アビーはオーウェンに部屋に行き、バンパイアと白状する。
そして招かれずに部屋に入って流血し、オーウェンはアビーのすべてを受け入れる。
その後、オーウェンは帰宅したアビーの部屋を訪れる。

一方、襲われた女は瀕死の重傷だが一命は取り留めて病院に。
刑事は旦那から襲ったのが金髪の少女だと聞き、アビーを思いつく。
朝になって女は気が付き、自分の血を吸い始める。
看護婦がカーテンを開けた途端、陽に照らされた女は燃え上がってしまう。

刑事はアビーの家を訪れる。
そこではオーウェンが隠れていた。
アビーの浴室にいるけど覗かないで、というメモを置いたまま。
刑事は部屋に突入、メモを見て浴室に行き、浴槽の中に隠れ、寝ているアビーを見つける。

そして、窓の目隠しを外そうとし、漏れた光がアビーの足を焦がし始めた瞬間、
オーウェンが飛び出し一瞬たじろいだ刑事をアビーが襲う。
もうここにはいられない。
アビーはその夜、荷物をまとめてタクシーでアパートを出て行ってしまった。

ケニーは怪我の仕返しを兄貴に頼む。
夜のプール授業の時、外で火事を起こして先生をおびき出し、
体育館にオーウェンを閉じ込めて、プールに押し込む。
息が続かないオーウェン、びびるケニーらをよそに兄貴はオーウェンを水の中に押し込め続ける。

その時、水中で苦しむオーウェンの目の前に兄貴の首が沈んできた。
あっという間にケニーとその仲間も惨殺され、プールは血の海になった。

次の日、オーウェンはでかいトランクを持って、列車でどこかへ向かっていくのだった。
トランクの中からはモールスでの通信が聞こえ、オーウェンはそれにこたえるのだった。

**

スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッド・リメイク。
場所や名前は変えてあるが、ストーリー展開はほぼオリジナルと同じらしい。

展開は非常にゆったりしていて、とろく感じるくらい。
でもこれはこれで雰囲気は出ていたし、なんか不思議な魅力があった。

惜しむらくはCGの稚拙さ。
アビーの暴れるシーンはちょっとひどい。
「カムイ外伝」の崖登り、「キャット・ウーマン」の走るシーンなどを思い出した。

評価はそのせいで1ダウンですが、そこが良ければ文句なし。

主人公のアビーは「キック・アス」のヒットガールでブレイクしたクロエ・モレッツ。
全米公開は同じ2010年だが「キック・アス」が半年ほど早い。
1997年2月生まれなので、公開時13歳。
関係ないけど、アヤカ・ウィルソン(1997年8月生まれ)と同年代。
日本風に言えば、アビゲイル・ブレスリン(1996年4月生まれ)と同じ学年。

オーウェンのコディ・スミット=マクフィーは、「ザ・ロード」でヴィーゴ・モーテンセンの息子役。
1996年6月生まれなので、彼もクロエ・モレッツと同学年。

しかし、ハリウッドの子役、恐るべし。
今作では二人の子供と刑事くらいしかまともに映っていないけど、存在感たっぷりでした。

親父(実はかつて少年時代にアビーに恋した男)にリチャード・ジェンキンス。
こんな役、良くやりましたな。

**

アビーとオーウェンがモールスでやり取りするけど、会話の最初はHi(・・・・ ・・)
最後のシーンは意味がわからなかった。
(・・ ・−・・)=ILのはずだが、アメリカでは○×でKiss&Hugの意とする書き込みもある。

 

 

 復讐捜査線   

メル・ギブソン、ボヤーナ・ノバコビッチ、レイ・ウィンストーン、ダニー・ヒューストン。

**

冒頭、ある川に3つの死体が浮かぶ。
この時点でそれが何を示すのかはわからない。

可愛い女の子のビデオ、撮っているのは親父のトーマス(トム)・クレイブン(メル・ギブソン)、
女の子は娘のエマ(ガブリエル・ポーパ)だ。

成長したエマ(ボヤーナ・ノバコビッチ)が休暇で家に帰ってきた。
トーマスは駅に出迎え、雨の中、車で帰宅する。
途中、吐くエマ。父の問いに妊娠はしていないと答える。
家で食事の支度をしていると、エマは気分が悪い、感染症かも、と言い出す。
鼻血、そして突然の吐血。
病院へ行きたい、と言うエマを連れて玄関を出たところ、
外にいた男が「クレイブン」と叫び、散弾銃をぶっ放した。
散弾はエマの腹部を直撃、反動で家の中に飛び込んだエマは絶命、犯人は車で逃げる。

トム・クレイブンは腕利きの刑事だったので、犯人はトムを狙ったが誤ってエマを撃ったと思われ、
捜査はその線で行われることとなった。

しかし、トーマスには犯人の心当たりがなかった。
あるのは娘を失った寂しさ、悲しさ、犯人に対する憎しみだけだった。

一応捜査チームには残ったものの単独行動で犯人捜しをするトム。
警察は再びトムが狙われないよう護衛を付けた。

トムはエマの所持品を調べ弾丸の装填された拳銃を見つける。
標的はエマ自身だったかもしれず、拳銃の登録記録を調べ、エマの携帯の通信記録を調べさせる。
拳銃の持ち主はエマのボーイフレンドのデビッドだった。

トムはデビッド(ショーン・ロバーツ)を訪ねるが、デビッドはトムを撃退しようとする。
そして、エマの秘密を知っているが喋れない、監視されている、殺されると言う。

エマの通信記録からは一人の女性が浮かび上がる。
その女性、雑貨商を営むメリッサ(カトリーナ・スコーソン)も何かを知っているようだった。

やがて、名うての殺し屋が射殺死体で発見される。
エマの殺人犯としてのあまりにも都合の良い死。

その頃、政府関係者の一人が、ジェドバーグ(レイ・ウィンストーン)と接触する。
政府から研究を請け負っている一民間企業であるノースモア社に何者かが潜入し、そして溺れ死んだ。
働いていた若い女性も死んだ。
そして、その父である刑事が事件を追っているが、事は闇に葬られなければならない、と。

ジェドバーグは、トムに接触し、事件の概要をリークする。
トムはエマが核テロリストとしてマークされていたと聞かされる。
ノースモア社、溺死した活動家たち、上院議員への接触なども。

トムはそこから捜査を行い、事態を明らかにしていく。

トムはエマが相談していた弁護士とも接触、何かを訴えようとしていた上院議員にも面会し、
さらには、エマが働いていたノースモア社の社長のベネットにも捜査の手を伸ばす。
勿論、表向きはエマの生前の様子が知りたい父として。

その間に、トムはメリッサと接触してエマから渡すよう頼まれたDVDを受け取るが、
直後にメリッサははねられて死亡、デビッドも射殺されてしまう。

トムはベネットを尾行するが、デビッドを監視していた男たちにつけられる。
トムは逆襲して男たちを逮捕させ、ベネットを追尾して脅す。

事件の構図はエマのDVDで明らかになる。
すなわち、ノースモアはアメリカ製以外の部品を使って核兵器を製造していた。
もし仮に核兵器を使用してもアメリカ製だとばれないように。
エマはそれをリークするため、弁護士や議員に接触したが無視され、
メリッサのつてで活動家と知り合い、図面や写真だけでなく決定的証拠を入手するため、
活動家をノースモア社に潜入させた。
しかし、それは発覚し、活動家らは大量の毒物を浴びせられて溺死、エマも毒物を盛られた。

一方、弁護士は議員だけでなくノースモア社とも関係、議員も多額の献金と引き換えに
ノースモアを擁護する立場だった。

トムは、脅された同僚のホワイトハウスの手引きでノースモアの男たち二人に捕まり、
ノースモアに連行される。
しかし、寸でのところで逃げて脱出、逆襲に打って出ようと考える。
このころ、トムは体調に異変をきたし、エマと同じような吐き気、眩暈をするようになった。
エマの残した放射線測定器は冷蔵庫の牛乳に大きく反応した。

トムは、ベネットの邸宅に乗り込み、出てきた男を射殺。
もう一人の男に「クレイブン」と叫ばせる。
それは紛れもなくエマを撃った男の声だった。
男はトムの銃弾に倒れた。

反撃するベネットに撃たれたトムは、ベネットを撃ち、冷蔵庫から持ち出した牛乳を無理やり飲ませる。
焦って解毒の錠剤を飲もうとするベネットをトムは容赦なく射殺する。

トムは復習は果たしたが、放射線障害と撃たれたことで重体となる。

上院議員やジェドバーグに依頼した政府関係者が一堂に介し、事件の後始末を考えていた。
ジェドバーグは事件を闇に葬るための筋書を説明していたが、議員たちのあまりの劣悪さに嫌悪し、
政治家を変えないとダメだと言って3人を射殺してしまう。
しかし、自身は警備の警官に射殺される。

その頃、トムは黄泉の国から迎えに来た娘のエマとともに病院を去っていくのだった。
そして、エマがトムに託したDVDはトムを取材しようとしていたTVクルーに送られ、
日の目を見るかも知れなかった。

**

全体としてはなかなか面白かったけど、ジェドバーグは死なない方が良かった。
自分自身も死期が近いことはほのめかされていたが、これじゃほんとにすべてが闇の中、
真相を知る者が一人くらい残ってもよかった。

物語の中心となっているのは政治家と軍需企業との結びつき。
いわゆる巨悪だが、主人公にとっては、私利私欲のために娘を殺した極悪人。
さらに証拠隠滅のために関係者を次々と抹殺する悪行を重ね、
最後には主人公によって天誅が下るが、悪いやつが死んで爽快というわけでもない。

放射線については、見ていた時はそんなにすぐ死ぬもんか、と思った。
しかし、それは私の勘違いで、映画ではよくわからなかったが、
IMDBによれば放射性タリウムによる毒殺としてあった。
しかし、放射性元素としては、タリウムよりもポロニウムの方が効果的で即効性があるようだ。
反体制活動家のアレキサンドル・リトビネンコは、2006年にポロニウムを盛られて直後に入院、
約3週間後に死亡している。

 

 

 

 ハリー・ポッターと死の秘宝Part2    

いよいよ最終章後半。
映画のシリーズはこれで終わり。

主要キャスト(過去作で死んだ人も含む)総出演。

前作までにヴォルデモート(レイフ・ファインズ)を倒すには、
魂を分割しておさめた分霊箱(ホークラックス)を壊すことだと判明。
これまでに「トム・リドルの日記」「ゴーントの指輪」「スリザリンのロケット」を破壊。
ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は残り4つを探すことになる。

一方、Part1では死の秘宝が「透明マント」「ニワトコの杖」「蘇りの石」の3つであることが判明。
「透明マント」はハリーが父親からもらったまま、「蘇りの石」は所在不明、
そして「ニワトコの杖」はスネイプに殺されたダンブルドアの棺に入れられる。
この最強の杖は、Part1の最後にヴォルデモートの手に入ってしまう。

ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)はトビーの死後、
ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)と隠れていたが、
オリバンダー老人(ジョン・ハート)から、杖には忠誠心があり、ハリーが奪ったドラコの杖は、
心変わりしてハリーに忠誠心を持つようになったなどの話を聞く。

ハリーは、グリフィンドールの剣と引き換えにグリップフックと取引して分霊箱の一つを金庫室に探しに行く。
ハーマイオニーはベラトリックス(ヘレナ・ボナム=カーター)に化けて、
ロンとハリー、グハッフルパフリップフックとともに、グリンゴッツ魔法銀行の金庫室に潜入する。
魔法を使ってジェットコースター様の乗り物で金庫室に行く途中、呪文を消す滝に打たれて正体がばれる。
金庫室では双子の魔法に遮られながらも分霊箱の一つ、「ハッフルパフの(金の)カップ」を手に入れる。
3人は警備員に追い詰められるが、拘束されていたドラゴンを解き放ち、それに乗って脱出する。
途中湖でドラゴンから飛び降ると、ハリーは水中でヴォルデモートの意識と同化し、
ホグワーツに分霊箱があることを知る。

ホグワーツ魔法学校はスネイプ(アラン・リックマン)が校長となり、体罰が行われるひどい学校となっていた。
また、デスイーターが周辺を警護し、ヴォルデモートの手先が町にもいっぱいいて容易に近づけない。
ハリーたちはアルバス・ダンブルドア元校長の弟、アバフォース(シアラン・ハインズ)に助けられる。
彼は、ダンブルドアの割れた鏡を利用してハリーを見守っていた。
そして、死んだ妹のアリアナの協力を得、ネビル・ロングボトム(マシュー・ルイス)によって、
ホグワーツに潜入する。

ハリーは皆に分霊箱捜索の協力を要請するが、その正体はわからない。
ルーナ(エバンナ・リンチ)はそれが「レイブンクローの髪飾り」だと見破るが、在処を知っている者はいない。

スネイプは全学生に招集をかけ、ハリーが潜入してことを告げる。
ハリーは自ら姿を現し、ミネルバ・マクゴナガル(マギー・スミス)の助けを借りて、スネイプを追い出す。
ヴォルデモートの一味は、ホグワーツに一斉攻撃をかけ、教職員らと戦いになる。

ハリーは、その間にルーナの意見を聞いてレイブンクローの娘の霊「灰色のレディ」エレナを説得、
それが「必要の部屋」にあると聞く。
ロンとハーマイオニーは分霊箱がバジリスクの牙で破壊できることに気づき、秘密の部屋で、
「ハッフルパフのカップ」を破壊する。

「必要の部屋」では、ハリーは「レイブンクローの髪飾り」を見つけるが、
追ってきたドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)らと戦いになり、ロン、ハーマイオニーも加わる。
ドラコの仲間が「必要の部屋」に火をつけて1人が死ぬが、ハリーらは残ったドラコともう一人を助けて脱出する。

ハリーは、ヴォルデモートの心を読んで居場所を知り、その場所へ行く。
ヴォルデモートは、スネイプを呼び、ニワトコの杖が自分に忠誠心を持っていないと問い詰める。
そして杖は持ち主を殺した人物に忠誠心を持つので、ダンブルドアを殺したスネイプを殺して自分のものにする。

ハリーは瀕死のスネイプから涙を取り、その記憶からスネイプとダンブルドアの秘密を知る。

ダンブルドアはゴーントの指輪の呪いで死ぬ運命にあり、スネイプに助けられたものの、
ドラコに殺される前にスネイプに殺されることでヴォルデモートを油断させる作戦だったこと。
ハリーの母リリーとスネイプは幼馴染でともにホグワーツに進んだ仲でもあり、
リリーの死んだあと、ハリーを命を懸けて守ろうとしていたこと。
ヴォルデモートがリリーとハリーを殺そうとしたとき、リリーが放った防御呪文でハリーは助かるとともに、
ヴォルデモートの魂の一部がハリーに入り込み、ハリー自身が分霊箱になってしまったこと。
つまり、ヴォルデモートを殺すにはハリー自身がヴォルデモートによって殺されなければならないことを知る。

ヴォルデモートはホグワーツへの攻撃を止め、ハリー・ポッターに森へ来いと呼びかける。
ハリーはみんなの制止を振り切って森へ行く。
ハリーが前作でダンブルドアからもらったスニッチは「終わりの時に開く(It will open when it closes)」
の文字とともに開き、中から蘇りの石が現れる。
ハリーはそれをその場に置き、死んだ父母やシリウス・ブラックと話をしてヴォルデモートに立ち向かう。

ヴォルデモートの死の呪文はハリーを直撃し、ハリーは昏倒する。
ハリーは死の世界で再びダンブルドアと会い、言葉を交わしてこの世に戻る。
(実は「炎のゴブレット」でヴォルデモートが甦る際、ハリーの血を使ったため、
 リリーの防御呪文まで取り込んでいたので、ハリー自身は死なず、
 ヴォルデモートの分霊箱としてのハリーの部分と魂が破壊され、ヴォルデモートも倒れた)

ハリーの生死を確かめた、ナルシナ・マルフォイ(ヘレン・マクローリー)は、ドラコは生きているかと聞き、
かすかにうなづいたハリーを見てハリーは死んだと告げる。

ヴォルデモート一味は、ハリーの遺体(と思われている)をハグリッド(ルビー・コルトレーン)に運ばせ、
ホグワーツに乗り込んでくる。

ヴォルデモートはホグワーツの生徒たちに仲間になれば許すとしてドラコが父母の元に歩み寄り、
ついでネビルが組み分け帽子とともに進み出る。
しかし次の瞬間、帽子の中から取り出したグリフィンドールの剣で襲いかかる。
同じくしてハリーは立ち上がり、ヴォルデモートの軍団を蹴散らす。

皆が戦う中、ハリーはヴォルデモートと一騎打ちになり魔法の浴びせ合戦となる。

一方、ホグワーツの学校の中ではロンとハーマイオニーが、余分に持っていたバジリスクの牙で
最後の分霊箱であるヴォルデモートの蛇のナギニを倒そうとするが、失敗して果たせない。

そしてナギニがロンに襲いかかろうとした瞬間、ネビルがグリフィンドールの剣でその首を切り落とす。
かくしてすべての分霊箱が破壊されたヴォルデモートの魂は死に、ヴォルデモート自身も粉々に砕け散る。

戦いは終わり、ぼろぼろにはなったホグワーツにも安寧が戻る。
ヴォルデモートは、ニワトコの杖の忠誠心がダンブルドアからそれを殺したスネイプに移ったと考え、
自分に移すためスネイプを殺した。

しかし、実はダンブルドアを殺す前にドラコがニワトコの杖の武装解除呪文で自分に忠誠心を移しており、
ドラコはハリーとの戦いで杖の忠誠心を全部奪われて、ニワトコの杖の忠誠心も失っていた。
つまりニワトコの杖はハリーに忠誠を尽くしており、ヴォルデモートの思い通りにはならなかった。

ハリーは実は自分を助けたことになる最強のニワトコの杖を折り、捨ててしまい、杖を巡る争いにも終止符が打たれた。

19年後、ハリーとジニーは結婚し、息子が9と3/4番線からホグワーツに向かう時が来た。
ロンとハーマイオニーの長女、ドラコの息子も同じだ。

ダンブルドアとスネイプから名前をもらった、ハリーの息子、
アルバス・セルブスはスリザリンになったらどうしようと心配するが、
それならそれでいいし、どうしてもグリフィンドールが良ければ、
組み分け帽子が気を遣ってくれると諭すのだった。

**

これで完全に終わり。
まさにシリーズ集大成で、いわゆる大団円に向かって、今までに散りばめられた伏線を回収していく。
ハリーの新たな物語はもう必要ないし、スピンオフ物語も期待しない。
もうこれで十分です。

19年後はちょっと笑った。

各アイテムの相関が複雑で、登場人物も立場や背景の説明なしの人が多いので、
シリーズを見ていない人にはわかりにくい。

「死の秘宝」もそうだが数々のアイテムも仮に初見だとどういうものかわからないのではないだろうか。
小説ではニワトコの杖はダンブルドアの棺に戻すらしいが、折ってしまうのはちょっと違うのでは。

 

 

 

 マイティ・ソー   

クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、アンソニー・ホプキンス、浅野忠信。

ジェーン(ナタリー・ポートマン)は宇宙物理学者。
毎夜起こる不思議な天体現象をとらえるべく、エリック・セルビグ教授(ステラン・スカルスゴード)、
助手のダーシー(カツト・デニングス)の運転する実験車で砂漠に向かう。

なかなか事象が起こらない中、予想の反対側で天空からの光を見つけ、その方向に向かう。
そして現場近くで、車は一人の男と衝突してしまう。

その男、ソー(クリス・ヘムズワース)は、天空アスガルドに住む一族だった。
王のオーディン(アンソニー・ホプキンス)は長兄であるソーに王位を譲ろうとしていたが、
王宮に侵入者があり、王位継承の儀は中断される。

侵入者は警備ファイアーロボによって倒されるが、狙っていたものは、氷の巨人の持っていた箱。
かつて王であるオーディンが氷の王ローフェイとの戦いで奪い取ったものだ。
それが休戦の象徴であると考えるオーディンは無事であったことに安堵するが、
ソーは巨人の侵入に怒り、部下の四天王を従えて、巨人の星
ヨトゥンヘイムに出向く。

巨人との折衝で切れてしまったソーは大暴れし、大勢の巨人をやっつけてしまう。
それがオーディンの怒りに触れ、ミョルニール(ムジョルニア)を取り上げられて、
パワーを奪われ、追放される。

そして地球に落ちてきたところを、ジェーンの車に跳ねられたと言うわけだ。

ジェーンに介抱され一旦は入院するが、暴れまくり追い出される。

一方、ミョルニールもソーの落ちた近くに落下してきて、SHIELDの監視下に置かれる。
ソーは、自分のものであるミョルニールを取り返すために、SHIELDの野営地に入り、
あっさり逮捕されるが、暴れてエージェントのコールマンに怪しいと思われる。

ソーのいた王国では、弟のロキが実はローフェイの息子で、
オーディンとの戦いの際に誘拐されていたことを知りオーディンを罵る。

しかし、オーディンは突然の眠りにつき、ロキは王を名乗って王国を支配する。

四天王はソーを探そうとロキの命令に違反して地球に向かう。
ロキは地球に姿を現し、オーディンが死んだとソーに伝える。

失意のソーはそれまでの身勝手な行動を反省し、すっかり良い子になるが、
四天王によってロキの嘘はばれる。

ロキは地球にファイアーロボを送る。
四天王とソーはそれに立ち向かうが歯が立たず、ボコボコにされ、ソーは殴り殺される。

その時眠りについていたオーディンの念力でソーは蘇り、ミョルニールを手にファイアーロボを倒し、
王国に戻って、地球との懸け橋であるビフロスト(虹の橋)を壊し、ロキを倒す。

王国には平和が戻り、ソーは次期王としての立場に復帰する。

**

エンドクレジット後にまたしても「アベンジャーズ」のちら見せがある。
SHILEDはアベンジャーズを統括する組織として登場する。

ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)がセルビグ教授を基地に招くが、
教授には死んだはずのロキの影が映り込むのだった。

なんか普通だった。
ソーは乱暴者で度が過ぎて追放されてしまうが、あっさり改心するし、ロキも最初から怪しいし、意外性は乏しい。

むしろ、ソー、結構いいやつじゃやんくらいの勢いだった。

しかし、この先の「アベンジャーズ」メンバーの成り立ちや背景が全く違うのに、
もっと言えば物語の設定が到底相容れると思えないのに、チームを組んでしまうところのすごさというか、楽しみである。

ソーは北欧神話のトール(Tor、本来はソール=Thorらしい)ソーはトール(Thor)の英語読みだ。

ムジョルニアはミョルニール(Mjornir)の英語読み。
字幕はムジョルニアだが、そう喋っているようには聞こえなかった。
ダーシーも「ミョムミョム」とか言ってなかったっけ(「ムミョムミョ」かも)

 

 

 

 

 

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