2014/07-09鑑賞
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今年の累計:38(3)[11] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:12(0)[2]本 、4−6月期:13(2)[5]本、7−9月期:13(1)[4]本、10−12月期:0(0)[0]本  
7月:5(0)[1]本、8月:4(0)[1]本、9月:4(1)[2]本  
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  猿の惑星 :新世紀(ライジング)  

アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン、
ケリー・ラッセル、コディ・スミット・マクフィー。

**

前作から10年。
シーザー(アンディ・サーキス)をリーダーとする猿の群れは森の奥にコミュニティを形成している。
連携して鹿の群れを追い仕留めるが、そこには熊の縄張りを示す引っ掻き傷が。
直後に現れた熊にシーザーの息子ブルーアイズ(ニック・サーストン)が引っ掻かれる。
気付いたシーザーの右腕のコバ(トビー・ケベル)が熊の急所を突きブルーアイズを助ける。

獲物を持って家に帰ったシーザー達。
オランウータンのモーリス(カリン・コノバル)が若い猿たちを教育、
「猿は猿を殺さない」などの訓辞を垂れている。

仲間が呼びに来た。
シーザーの妻コーネリア(ジュディ・グリア)が次男を産んだのだ。
生まれたばかりの弟にブルーアイズも喜ぶ。

モーリスとシーザーは既に見かけなくなって何年も経つ人間に思いを馳せる。
既に人間は滅亡してしまったのだろうか。

ある日、ブルーアイズとアッシュ(ララミー・ドック・ショウ)が森を歩いていると突然人間と遭遇。
人間の一人、カーバーは驚いて銃を構えアッシュを撃つ。

猿と人間の双方が集まってくる。
人間のリーダー、マルコム(ジェイソン・クラーク)は銃を下させ「傷つけるつもりはない」と叫ぶ。

猿たちの先頭に出たシーザーは「GO!」と叫び、びっくりした人間たちは一目散に逃げる。
マルコムの息子のアレキサンダー(コディ・スミット・マクフィー)はバッグを落とすがそのまま逃げる。

シーザーはコバに後を追うよう指示。
マルコムらの車列を追って、ゴールデンゲートブリッジを越え、街中に入っていくコバ。

マルコムは人間界のリーダー、ドレファス(ゲイリー・オールドマン)に猿が少なくとも80匹はいたと報告する。
ドレファスはマルコムに猿の話は内緒にするように言う。

一方、猿のすみかでは、コバが人間が大勢いて危険だ、戦おうと進言するが、シーザーは一蹴する。
しかし、シーザーは仲間を引き連れ、馬に乗って人間の居住地までやってくる。

武器を手に立ち向かう構えの人間たち。
シーザーは「猿は戦いを望まない、二度と来るな。」と言い、アレキサンダーのバッグを返して去る。

ALZ113への感染を恐れパニくる人間たち。
ドレファスは我々生き残りには免疫があると説得し、武器の確認を指示する。
しかし、燃料は底をつきかけ火力発電が途絶えるまで時間がない。
水力発電所の再稼働は人類にとって電気を得る最後のチャンスだった。

マルコムはドレファスを説得し、3日間の猶予を貰う。
再び山に向かい、公園の入り口で車を降りて単身山に向かうマルコム。
猿に見つかってシーザーのところに連れて行かれる。

人間は信用しないと言うシーザーにマルコムは必死に頼み、水力発電所の機械調整を許される。

翌日、コバは仲間数匹と再び人間の居住地へ。
そこでは武器庫から銃を取り出し、作動を確認する姿があった。
コバは見つかるが、バカ(=普通のチンパンジー)の振りをしてその場を逃れる。

その頃、マルコムは水路をふさいでいる障害物を爆破除去する際瓦礫に埋まり、猿たちに助けられる。
素直に礼を言うマルコムら。
しかし、シーザーの次男がはしゃいでカーバーのカバンに触れ、散弾銃を見つけてしまう。
シーザーは怒り狂い、人間は出て行けと怒鳴る。
マルコムはカーバーを車に監禁し、シーザーに謝りに行く。
シーザーはまたも怒りまくるが、後をついてきたマルコムの妻、エリー(ケリー・ラッセル)が
苦しむコーネリアスを見て、治すと言いだし、薬を投与。
シーザーはあと1日の猶予を与える。

コバはすみかに戻り、人間が武器の用意をして攻撃してくると言うがシーザーは無視。
口論から乱闘となってコバはうち伏せられシーザーに許しを請う。

翌日、コバは再び人間の居住地に行き、銃の試し撃ちをしている男たちにバカの振りで近づき、
まんまとライフルを奪うと男たちを撃ち殺してしまう。

マルコムらの作業は成功し発電設備の起動に成功。
公園入口の自販機やBGMの機械も動く。
シーザーの家から望む街にも灯りが増えているのが分かる。

その頃コバは車に監禁されているカーバーを引きずり出して殺し、
町を眺めるシーザーの下からシーザーを撃つ。

弾はシーザーに命中して昏倒、墜落。
コバは人間がシーザーを殺したと叫び、家に火をつけて人間がやったとわめく。

危険を察知したモーリスの合図でマルコムらは逃げ、猿たちが追う。
途中、転倒して猿に追いつかれそうになり、身を隠してやり過ごす。

猿たちは町に大挙して押しかけ、武器庫を襲って銃を入手、人間との間で銃撃戦が始まる。
一進一退の攻防も徐々に猿に圧されて人間が不利な状況に。

やがて戦いは収斂し猿の勝利。生き残った人間は一角に集められ、檻の中に。

その頃、猿をやり過ごしたマルコム、エリー、アレキサンダーは倒れているシーザーを発見。
まだ息があるシーザーを連れて人間の居住地とは離れた住宅街に向かい、近くの家に入る。
そこはたまたまシーザーを育てたウィル・ロドマン博士(ジェームズ・フランコ)の家だった。

シーザーは手術が必要で、マルコムは町の薬局に薬を取りに行く。
町では猿たちが生き残りの人間を捜索しては監禁していた。
シーザーを信奉するモーリスや一部の猿もバスに閉じ込められていた。

抵抗する人間に対し「なぐり殺せ」と命ずるコバ。
アッシュは「シーザーはそれを望まない」と反抗し、コバは怒り狂ってアッシュを突き落して殺す。

恐怖でコバに従う猿たち。ブルーアイズも人間狩りに向かう。
逃げるマルコムはついにブルーアイズに見つかるが、シーザーは生きていると言って一緒にロドマンの家に戻る。

傷ついたシーザーを見て人間に怒りを向けるブルーアイズだが、シーザーは撃ったのはコバだと話す。
シーザーは猿を抑えるのは力であり、怪我をした状態ではコバに勝てず権威は戻らないと言う。

手術は成功し、シーザーは少しずつ回復する。

ブルーアイズは町に戻り、モーリスらと結託してシーザー派を逃がし、人間の多くも解放する。
シーザーは2階の元の自分の部屋に行き、かつての自分の姿をビデオカメラの中に見る。
「それは誰?」マルコムの問いにシーザーは「いい人間。君のように。」と答える。

シーザー派の猿もブルーアイズとともにロドマンの家に終結。
コバと対決するため、マルコムの案内で地下鉄の線路を伝って市内に入ることにした。

しかし、途中でドレファスらの警告銃撃を受け、マルコムはシーザーらを逃がし、ドレファスと合流した。
ドレファスは猿たちが陣取っているタワーを爆破破壊して壊滅させると言う。
マルコムは隙を見て銃を取り、爆破を阻止しようするが、
ドレファスは軍隊が救助に来る、人類を守るんだと叫んで爆破スイッチを押し、がれきに埋もれて死ぬ。

その頃タワーの上ではコバとシーザーの対決が始まっていた。
群れのリーダーを決めるタイマン戦。ギリギリの戦いはシーザーの優勢。
宙づりになりながら「猿は猿を殺さない」と許しを請うコバに対し、
シーザーは「お前は猿じゃない」と突き放す。

タワーは爆破され崩落するが、シーザーらは地上に降り、地下から出てきたマルコムと会う。
軍隊が来るから逃げろと言うマルコム。

シーザーは戦争は既に始まった、人間は猿を許さないだろう、猿が戦争を始めてしまった、と言いマルコムを逃がす。

立ち去るマルコムを見送り、猿の先頭に立つシーザーの姿で映画は終わる。

**

設定や動きはかなりリアル。
能力は大きく発達、手話での意思疎通は十分だが、顎や喉の構造上か、複雑な言葉をしゃべるのは苦手。

骨格や体形の変化までは起こっておらず、動きの「猿っぽさ」はそのままになっている。
ただ、それらも人間の俳優によるモーションキャプチャーなので、猿っぽさも人っぽさも実は大差ないのかも。

3作目は公開日が2016/7/29とされているが、タイトルや主要キャストなども不明。
原題は「War of the Planet of the Apes」が有力とされる。

Rise of the Planet of the Apes =>猿の惑星:創世記(ジェネシス)
Dawn of the Planet of the Apes =>猿の惑星:新世紀(ライジング)
3作目の邦題はどうなるんでしょうね。

コディ・スミット・マクフィーと、エーサ・バターフィールドの区別がつかない。
コディ・スミット・マクフィー:「ザ・ロード」「モールス」
エーサ・バターフィールド:「エンダーのゲーム」「ヒューゴの不思議な発明」「縞模様のパジャマの少年」
と聞いてもまだ見分けがつかない。

 

 

               

 フライトゲーム 

リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー。

**

ビル・マークス(リーアム・ニーソン)は心に傷を負った航空保安官。
酒が離せず、飲んでは気持ちを紛らわしている。
そんな彼のある日の仕事はNY−ロンドン直行便への搭乗。
6時間の夜間飛行。

「どちらまで?私はアムステルダムです」と話しかけてくる旅行者に答えず搭乗口へ向かう。
手荷物検査所で他の乗客にぶつかっても不機嫌なまま。
ただ、飛行機に乗るのを怖がっている一人旅の少女ベッカには優しく声をかけてやる。

席に着くと、どうしても窓側に座りたいと席を替わってくれるよう頼む女性(ジュリアン・ムーア)、
ビルの隣の男性が席を替わってやる。

やがて離陸。航空警察官(エア・マーシャル)なのに離着陸が怖いビル。
隣の女性はジェンと名乗り、ビルにいろいろ聞いてくるが自分は質問をはぐらして寝てしまう。

暫くして後ろの座席の男女がいちゃついて椅子を蹴って目が覚める。
トイレに行き、煙感知器にガムテープを貼ってタバコを吸う。
席に戻ろうとすると、航空保安官の専用携帯端末に謎のメールが入る。

「準備はいいか」
「この回線へのアクセスは法令違反だ」と返すビル。
「トイレでの喫煙も法令違反だ」
「1億5千万ドルを振り込め。さもないと20分ごとに乗客を一人ずつ殺す」

ビルはタイマーをセットし、機内を探って回り、一人の男を起こしてギャレーに連れ込む。
男はジャック・ハモンド(アンソン・マウント)同乗しているもう一人の航空保安官。
どういうつもりだと詰め寄るビル、意味が分からないと答えるジャック。
証拠にとジャックのメールを見るが怪しい点はなかった。

一応機長にも連絡するが、信用されない。
機内から逃げることはできず悪戯だろう、仮に近くに着陸するとしても3時間はかかる。

ビルはCAのナンシー(ミシェル・ドッカリー)と隣の席のジェンに協力を求め、
犯人とメールをやり取りし、モニターで携帯を触っている乗客をチェックさせる。

何人かの中の一人はジャックだった。
ジャックはカバンを持ってトレイに向かう。
ビルは追い、トイレの中で乱闘になる。
格闘の末、ビルは制止を無視して銃を構えようとするジャックの首をへし折ってしまう。
ちょうど20分。

犯人の宣言通り、最初の乗客が死んだ。
しかし、ジャックが犯人であれば自滅で事件は解決したはずだが、再びメールが。
「信用してくれたかな。時計をもう一度セットしろ。」

ビルは再び機長に会いに行くが、犯人の指定口座はビルの口座だと言われる。
ジャックが死んだことを知らない機長は何も起こらなかったと思い、
ビルの拳銃とバッヂを取り上げて席に戻るよう言う。

ビルはトイレで水没したジャックの携帯を持って席に戻る。
ジェンが携帯をばらして復活させる。
そこにあったメールはジャックのカバンの中身を知っているというものだった。
トイレに行ったビルはジャックのカバンの中に大量の白い粉、コカインを発見する。

そこにナンシーが来て、ビルはジャックの死体を見せ、協力を仰ぐ。
ビルは機内の明かりをつけさせ、無作為抽出による抜き打ち検査ですとアナウンスして
先にモニターでチェックしていた乗客を調べていく。

空港でアムステルダムへ行くと言っていた男、トム・ボーエン(スコツト・マクナリー)を発見。
引きずり出して保安庁に連絡するが、既に調べ乗客全員白だったと言われる。
嘘をついた理由を聞くと、トムは知らない男に行先を聞けと言われたと言う。
ビルはトムを引きずり出して「その男」を探すが見つからない。

程なくビルに届いたメール。「(被害者は)乗客とは限らない」
直後機体は大きく揺れ、操縦室に向かうビル。
機長が突然倒れたとのことで、調べた中の医者を呼ぶも機長はすでにこと切れていた。

ビルは最初にジェンと席を替わった男性、ザック・ホワイト(ネイト・パーカー)がプログラマで、
メールによってマナーモードを強制解除して携帯を探すツールを作れることを知り、
犯人の携帯にメールを送らせる。

ビルは乗客全員に手を挙げさせ、じっとするよう指示。
その時、携帯が鳴ったのは幾度どなくビルに突っかかったチャールズ・ウィーラー(フランク・ディール)
チャールズは自分の携帯ではないと言いはるものの、ビルに連行されて行き暫くして痙攣して死ぬ。

ビルは途方に暮れ、前方のトイレで再び喫煙する。
その時、ペーパータオルホルダーに隙間があり、その裏から操縦室が見えることを発見。
吹き矢のような道具と針のついた小さい容器を発見。
チャールズの胸にもその針が刺さっていた。

前方のトイレに入ったのはジェン。
疑って問い詰めるも心臓病持ちだからとの説明で一応納得。

その頃、この機がハイジャックされ航空保安官のビルが犯人だとするニュースが座席のモニターに流れる。
ビルは犯人目的は金ではないと考える。
チャールズが持っていた犯人の携帯をジェンガ探っていると、突然カウントダウンタイマーが起動。
爆弾の起動を確信したビルは考えをめぐらせ、検査に掛からないジャックが怪しいと睨む。
果たしてジャックのカバンのコカインの下に爆弾がセットされていた。

NYPDの警官、オースチン・ライリー(コレイ・ストール)以下、何人かがビルを捕まえようと画策。
爆弾を確認してトイレから出てきたビルを襲い乱闘になる。

こぼれた銃を拾ったのは最初に確保したトム。
説明を迫るトム。
脅迫があり金を要求されていること、既に3人が死んだこと、そして爆弾があることを説明し、
納得したトムやライリーらはビルに協力する。
ビルはジャックの銃をライリーに託し、爆破対策を進める。

ビルは爆弾を後部扉の前に置き、乗客の荷物でカバーして爆発の威力を外に逃がすとともに、
8000フィートまで降下して機内外の気圧差を小さくすることを指示する。

しかし、その時機は既に緊急目的地であるアイスランド空軍機に護衛されており、
勝手に高度を下げられない。

保安庁のマレニックから金は振り込んだ、高度を下げると撃墜されるぞとの電話が入る。
ブラックボックスやボイスレコーダーで真実が分かるとビルは言うが、
マレニックはお前が乗客を引きずり回していることはみんなが知っているぞと返す。

乗客の一人が携帯で動画を撮影し、ネットにアップしていたのだ。
ビルがその電話を取り上げると、確かにビルがトムを引きずり回している動画が。
しかし、繰り返しよく見るとトムがチャールズの前を通る際にぶつかり、
チャールズが痛がった様子が写っている。

トムが怪しい。
ビルはライリーの銃をもぎ取り、ライリーを盾にビルに迫る。
しかし、その銃は空。
ライリーが弾倉が置いてあると言うところに行くとザックが銃を取り上げてライリーを撃つ。

ザックから銃を受け取ったトムとビルはにらみ合いになり、ザックはパラシュートを用意。
このまま死ぬと言い張るトムと口論になる。

丁度その時、決死の覚悟で急降下し始める機。
ビルはトムを射殺するが窓ガラスが割れて危険な状態になる。
ギリギリ8000フィートで爆弾が破裂。機内はパニック状態に。
エンジンからも出火しながら何とか無事に着陸。

乗客乗員はシュートで脱出し無事だった。
ビルはハイジャック犯ではなく、乗客を救った英雄だったとの報道が出て一安心。

めでたしめでたし。

**

若干説明不足で矛盾っぽく感じるところもあったが、最後の方まで犯人が分からず面白かった。

登場人物が怪しいだけでなく、みんな訳有りで沈痛な思いを胸に秘めているところも
犯人捜しを難しくしている。

最初の殺人がああいう状況でピタリ20分で実行されるところはちょっとどうかなと思うものの、
意表を突くには十分で、今までにない展開だった。

こういう筋立ての場合、
・容疑者のうち最初に白と思われた人物がやっぱり黒
・もっとも怪しいと思われた人物から先に殺される
ことが多いが、この映画もその定石を外してない。

またアメリカ映画の場合は
・犯人の中にいる女性が徹底した悪として描かれることは少ない
・ヒロインは死なない
と言うことはあるが、ジュリアン・ムーアもCA役のミシェル・ドッカリーも十分に怪しく、
犯人捜しを紛らわしくさせる。

特にジュリアン・ムーアは結果としてはただの詮索好きでうるさいおばちゃんだったわけだが、
彼女の役がそんなはずはないと言うこちらの思い込みもあって混乱させられる。

 

 

              

 

  るろうに剣心 伝説の最期偏   

佐藤健、武井咲、藤原竜也、福山雅治、蒼井優、伊勢谷友介、田中泯、青木崇高、江口洋介、神木隆之介。

**

前作(京都大火編)の最後で志々雄真実の軍艦(甲鉄艦 煉獄)から荒海に飛び込んで、海岸に流れ着き
比古清十郎(福山雅治)に助けられた緋村剣心。

このままでは志々雄真実(藤原竜也)に勝てないと悟り、比古清十郎に改めて指南を頼む。

一方、志々雄は軍艦を浦賀沖に停泊させ、砲弾を撃ち込んで明治政府に交渉を要求する。
内務卿、伊藤博文(小澤征悦)は、志々雄の要求である抜刀斎(剣心)の逮捕処刑を承諾、
警察に指示するがその実時間を稼いで大砲を準備、志々雄との決戦の準備を進める。

相良左之助(青木崇高)、明神弥彦(大八木凱斗)は神谷薫(武井咲)の行方を探していたが、
数日後に意識不明で漁船に発見され、病院に入院していたことが分かる。

四乃森蒼紫(伊勢谷友介)に倒され重傷を負った翁=柏崎念至(田中泯)を看護しながら、
巻町操(土屋太鳳)は蒼紫を憎むようになる。

剣心は飛古清十郎との特訓を重ね、ついに飛天御剣流の奥義を会得する。

東京へ向かおうとする剣心を操が訪ねてきて一緒に京へ向かう。
剣心は葵屋で手に入れた「御庭番の抜け道地図」を持って東京に向かう。

途中で蒼紫が待ち伏せしていると見た翁は先回りして蒼紫を倒そうとするが失敗、
通りかかった剣心と蒼紫が対決し、蒼紫を倒して東京へ向かう。

一方、剣心が指名手配となったことを知った薫、左之助、弥彦も東京へ向かう。

剣心は一足先に神谷道場に着き、高荷恵(蒼井優)と再会するも、あっさりと警察に捕まる。
剣心は伊藤博文と再会、志々雄の軍艦に接近するために、処刑(のふり)を受け入れる。

海岸で、佐渡島方治(滝藤賢一)など十本刀(志々雄の部下)も集まる中、
剣心が引き立てられ、薫らも駆けつけた中、斬首が執行されようとしたが、
刀を振り下ろした男こそ斉藤一(江口洋介)であり、剣心を解放し、志々雄一派と乱戦となる。

方治は逃げ、後を追って、剣心は左之助、警官らとともに舟に乗りこむ。
艦内で剣心は、前作で逆刃刀を折った瀬田宗次郎(神木隆之介)と対決、
今度は逆に宗次郎の持つ名刀を折り勝利する。

ついに剣心は志々雄の近くまで行く。
方治はガトリングガンで対抗するが志々雄に止められてその後左之助にやられ、志々雄と剣心が対決。
そこに左之助、斉藤も加勢に入るが志々雄は極端に強く無限刃による秘剣を繰り出し、
なかなか倒すことができない。

岸からは明治政府軍の砲撃が始まり、

そこに蒼紫が参戦、1対4の戦いとなるが、それでも志々雄は強い。
しかし、志々雄は体温調節機能が失われており、長く戦うことはできない。
力尽きた志々雄を駒形由美(高橋メアリージュン)が庇う。
志々雄は一瞬躊躇した剣心を、由美ごと串刺しにしてしまう。

剣心は刺されながらも激昂して志々雄と戦い、天翔龍閃を放って無限刃を折る。
志々雄は由美を抱きかかえて移動。ついには発火して焼死する。

剣心、蒼紫、左之助、斉藤らが岸に戻ると伊藤博文以下が整列して迎え、
抜刀斎は死んだと叫び、敬礼で剣心らを見送る。

文字通り眼にもとまらぬ高速の殺陣、超越した身体能力の(ように見せる)攻防など、
従来の時代劇の枠と言うか、お約束を意に介さぬ演出で「全く新しい時代活劇」を実現。

これを見ていると今までの要所要所で見えを切る殺陣が別物に感じる。
あの殺陣で実際に斬れるかどうかは別ですけど。

続編ものでは、一作目で感じた新鮮さは観客の中では前提となってしまうので、
驚きの程度はどんどん下がっていくものだが、それを感じさせない。

とはいえ、全体的にはやや詰め込み過ぎ。
十本刀は殆ど活躍しないし、顔見世程度に終わった者もいて、いっそのこと全部端折っても良かったかも。
さもなくば、もう少し個別の対決要素を加えて十本刀の活躍というか動きを入れるか。

剣心の逮捕から伊藤博文との密約の部分と、それに続く市中引き回しの上打ち首(=警察による芝居)のシーンも冗長。
その後の十本刀との乱闘シーンまで一気に端折っても良かったかも。

恵との再会も台詞がキーになっているので難しいとは思うが、なくても良かったかも。

その代り、満身創痍だったはずの蒼紫が剣心に味方する理由(剣心を倒すのは俺だとか言ってたけど)や
どうやって煉獄(=志々雄の軍艦)に乗り込んだのかは説明不足。

いずれにしても脚本もしくは編集の気になる所であり、演技演出への感想ではない。

明治初期(1870年頃)の軍の装備や艦、砲などの構造、性能がどうであったかはよくわからないが、
志々雄の軍勢と明治政府のそれでは、攻撃力に格段の差があるように思えた。(志々雄の方が上)

 

 

              

  

 蜩の記   

役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子。

江戸時代のとある藩。
清書を主務としていた檀野庄三郎(岡田准一)は執務中、折からの風に煽られて、
幼馴染みで同僚の水上信吾(青木 崇高)の裃に墨を飛ばしてしまい、
激高した信吾と喧嘩の挙句、刃傷沙汰を起こしてしまう。

家老の中根兵右衛門(串田知美)は、本来なら両名切腹のところ、それを赦す代わりに
庄三郎に向山村に幽閉されている戸田秋谷(役所広司)の所へ行くよう命じる。

家老によれば、戸田秋谷は7年前の江戸屋敷勤めの折り、
大殿(先代の殿、三船史郎)の側室で、秋谷の幼馴染みであるお由の方と不義密通、
お付きの者を斬り殺すと言う罪を犯した。
本来であれば切腹の上、家督召し上げのところ、たまたま秋谷は藩の歴史書である家譜を作成中であり、
代わりの者がいないこともあって、大殿は秋谷に10年後の切腹を命令。
それまでに家譜を完成させるよう命じたのだ。

完成まで残すところ、後3年。
庄三郎の役目は秋谷の監視とこの不義密通事件がどのように家譜に掛かれるかを報告することだ。

庄三郎は早速向山村の秋谷の屋敷に向かう。
出迎えたのは娘の薫(堀北真希)と妻の織江(原田美枝子)
庄三郎は表向きは清書係だが、実は秋谷の監視役で切腹まで見届けることを早々と告知。
秋谷は落ち着いてそれを受け入れるが、事情を知らなかった息子の郁太郎(吉田晴登)はうろたえる。

秋谷は庄三郎にそれまでに書いた家譜とその作業過程を記した日記「蜩の記」を読ませる。
織江も薫も秋谷の運命を受け入れており、薫は家事全般を、
織江はさらに村人と藺草(いぐさ)を利用した敷物などを考案、特産品にすべく努力していた。
郁太郎は村人の源吉と仲良くしており、ともに秋谷の開く寺子屋で勉学に励む毎日だった。

庄三郎の見る限り、秋谷に不穏な動きはなかった。
畑を耕し、村人とも仲良くし、むしろ重税にあえぐ村人をなだめる役回りだった。
こうして特に家老の中根に報告することもなく1年が過ぎた。

中根は庄三郎を呼びつけ、報告がないことを叱責、秋谷が村人を煽り一揆でも起こすようなことがあれば
即刻切り捨てよ、と命令する。

やがて2年が過ぎ、庄三郎は秋谷の人柄に接するうち、不義密通事件の真相が知りたいと思うようになる。
近くの長久寺の慶仙和尚(井川比佐志)はいわゆるお家騒動が発端であることを庄三郎に教える。
事件発覚後、秋谷と同じように死罪を言い渡されながら出家して死罪を免れたお由の方こと松吟尼(寺島しのぶ)が、
事の次第を知っていると考え、庄三郎は中根を言いくるめて松吟尼に会いに行く許しを得る。

松吟尼は事件から3年後に赦されており、秋谷も許されていると思っていたが、
秋谷が切腹を命じられたままであることに憤慨し、庄三郎に真相を語る。

もともと、お由の方は秋谷の実家の奉公人の娘で、秋谷とは身分が違うため、親しい間柄ではない。
事件は正室であるお美代の方の息子と側室である自分の子の跡継ぎ争い。
大殿はお由の方の子を溺愛、危機を感じたお美代の方の手の者がお由の方を襲撃、
気付いた秋谷が賊を切り殺したものの、息子は刺殺され、途方に暮れたお由の方を
秋谷が自殺しないように慰めたと言うことだった。

秋谷の無実を確信する庄三郎だが、秋谷は庄三郎を責め詮索無用と言う。
その頃、藩の重臣と結託して財を成す「播磨屋」なる商人によって苦しまされている向山村では
播磨屋に対する憎悪が増していた。

暫くして松吟尼が長久寺を訪問し、庄三郎を呼び出してある書状を渡す。
それはお美代の方由緒書きで出自を尾張徳川家の家臣秋戸龍斎の娘であるとしていた。

これを受けて秋谷はお美代の方の出自についても家譜に記録しようとするが、
藩の文書には「秋戸」の記録がなく詳細が不明。
お美代の方の関連の情報は博多の住田五郎兵衛なる人物に盆暮の届け物をしているが、
住田五郎兵衛死去後は一切の音信がないことぐらいだった。

丁度その頃、江戸でのお勤めを終えた信吾が帰郷し、長久寺訪問のついでに庄三郎を訪ねてくる。
庄三郎との因縁は水に流し、再び懇意の仲となった。
たまたま信吾が博多に赴く用事があり、庄三郎と秋谷は住田五郎兵衛について調べるよう依頼する。

その結果、住田五郎兵衛は、播磨屋の先代と判明。
家老の中根は住田家と結託、お美代の方を武家の娘の仕立て上げ、
大殿に取り入って藩内での勢力を家具対しようと画策したと判明する。

これにより、事件の全容が解明し、秋谷は腑に落ちたと納得する。

しかし、信吾によって事の次第は中根にも筒抜けで、中根は由緒書きを渡すよう執拗に責めてくる。
そして、役人の死亡の原因で一揆を企てている首謀者だとして、源吉の父、万治が狙われる。
万治は即刻村を抜けて逃げるが、役人は万治の息子の源吉を逮捕、取り調べの拷問で死なせてしまう。

義憤に駆られた郁太郎は家老の中根に一矢報いんとして、家老宅に乗りこもうとする。
庄三郎は郁太郎を先導して家老宅に赴くが、役者は家老が一枚上で、
郁太郎は鉄槌は食らわすものの、太刀を浴びせることはあきらめて庄三郎ともども逮捕される。

信吾に由緒書きを渡せば二人を助けるとの中根の申し出に、秋谷は自ら中根宅に赴き、
覚悟を示して由緒書きを渡す。

中根は秋谷の覚悟に感じ入り、秋谷とともに二人を帰す。

秋谷は家譜を完成。
中根が心配していた不義密通事件はさらっと書かれていただけで、真相は闇のままにされた。

もし、これがお家騒動であるとすれば、藩はお取り潰しの目に遭っていたかもしれない。
実際、藩は跡継ぎの騒動によってお取り潰しの危機を迎えていて、
秋谷は大殿より藩存続のためその命と名誉を藩主に預けるよう頼まれていたのだ。
秋谷はすべてを捨て、お家大事、藩存続を願って一切の責任を負って不名誉を受け入れた。

程なくして、郁太郎は元服、庄三郎は薫と祝言をあげ、秋谷は約束通り、切腹の場に向かうのであった。

**

物語は淡々と進む。
お家のため、全てを受け止めて、散っていった男の生き様を描いている。

ただ、サムライとは、武家とは、何なのか。
当時の価値観、人生観、身分制度を含む藩士の生き様をすべて受け入れないと物語の真髄は見えてこない。

所作は見事。
近年の時代劇はチャラチャラした現代風の描写を排し、本当に当時こうであったろうと思わせるものがある。
ただ、それは、我々の思考や行動とは一線を画し、自身がそうありたいか、なりたいかとは別物。

映画の作りは同じ「記」の入った「剣岳、点の記」を思い出した。
監督は全く違う撮影監督出身の木村大作だが、一人の男の生き様を描いた「記録」としての類似点があった。

調べたところ、小泉尭士監督作品には「明日への遺言」があった。
どうやらこの監督は全体を俯瞰してみることよりも一人の人物を掘り下げることが主眼で、
謎解きのエンタメ性を排し、出来事を積み上げていくことで観客に思いを伝えようとしているようだ。

エンタメ性を重視するのであれば、家譜作成の過程で自身が巻き込まれたお家騒動の真相を探るうちに、
家老の陰謀を解き明かしていき、悪徳商人ともども家老を成敗しつつ自分は死んでいく方が面白い。

この時代の全てが止むを得なかったとは思わないが、この時代の制度や価値観を否定するつもりもない。
侍がどう生き、どう生きようとしていたかは十分に伝わった。

武士にとって「名誉ある死」と「不名誉な死」は雲泥の差であり、切腹は死罪だったとしても名誉ある死。
死ぬことがある意味最後のご奉公である武士にとって、お家を守るための死は覚悟の死であったろう。

役所広司が役目を終えて死を選ぶ物語には「最後の忠臣蔵」がある。
武士の役目やその終わり方の描き方は実によく似ている。
今作でも死ぬところまで描くことによって秋谷の物語を完結させるのかなと思ったが、
死に行くところでフェードアウト的な終わり方だった。

ただ、一つ気になったのは、お美代の方の出自。
わざわざ出自を捏造せずとも、実在する武家の養女にすればよかったのにと思った。

「超高速参勤交代」では遊女を側室にするのはいかがなものか、と問われた藩主、内藤政醇は
「それは大丈夫だ。既に武家の養女にした。」と即答している。

 

 

   

 トランスフォーマー/ロストエイジ    

マーク・ウォルバーグ、ニコラ・ペルツ、ジャック・レイナー、スタンリー・トゥッツィー。

冒頭は恐竜の時代。
巨大な宇宙船が飛来し、地上の生物を焼き尽くしていく。

時は変わって現代。
地質学者のダーシー・トリル(ソフィア・マイルズ)は採掘現場から金属化した恐竜の化石を発見する。
設定は、前作の「ダークサイドムーン」から5年後。
前作ではトランスフォーマーたちがシカゴで大暴れして大災害となったため、
CIAはハロルド・アッテンジャー(ケルシー・グラマー)の指揮の下、
トランスフォーマー殲滅作戦である「墓場の風」作戦を実施中だった。
作戦実働部隊リーダーはジェームズ・サボイ(タイタス・ウェリバー)、
トランスフォーマーを検知すると急行し、次々と倒していく。

サボイはトランスフォーマーを抹殺している別のオートボット集団と協力して作戦を遂行している。
このオートボットのリーダーはロックダウン。
ラチェットからオプティマス・プライムの居場所を聞こうとして果たせず、ラチェットを殺す。

所は変わってテキサスの片田舎。
貧乏発明家のケイド(マーク・ウォルバーグ)は助手のルーカス(T.J.ミラー)と
廃業する映画館にスクラップを買いにきて錆びついたトラックを買う。

ケイドは高校卒業を控えた一人娘のテッサ(ニコラ・ペルツ)を溺愛してうるさがられている。

スクラップから部品を取り出して売るつもりのケイドは、トラックがトランスフォーマーだと気づく。
ケイドはトランスフォーマーを修理すべく必要な部品をルーカスに買いに行かせるが、
ルーカスは賞金欲しさにトランスフォーマーがいたことを通報してしまう。

直ちに、サボイ部隊がケイド宅を急襲。
しかし納屋はもぬけの殻。
サボイはテッサに銃を突き付けて、ケイドにトランスフォーマーの在処をしゃべらせようとする。

その時、納屋の地下に隠れていたトランスフォーマーのオプティマス・プライムが現れ、
ケイド、テッサ、ルーカスを逃がす。

ケイドとテッサはラリーカーで現れたシェーン・ダイソン(ジャック・レイナー)に助けられるが、
ルーカスはオプティマス・プライムを追って現れたロックダウンの爆弾に焼かれ金属化して死亡する。

シェーンはケイドとテッサを乗せてサボイらの追手を何とか交わして逃げる。
しかし、車は大破。
3人はオプティマス・プライムに助けられてオートボットが隠れている砂漠に向かう。
途中、オプティマス・プライムは最新型のトラックに変身、シェーンらを驚かせる。
そこには、バンブルビー、ハウンド、クロスヘアー、ドリフトがいた。

殆どのオートボットが殺害破壊されていたが、その残骸はシカゴのKSI社に運び込まれていると分かる。
そこでは、トランスフォーミウムと言うレアメタルから作られる金属にプラグラムを組み込み、
オートボットを作り出すことに成功していた。

ただ、オプティマス・プライムをモデルに作っているのにプログラムするとどういうわけか
メガトロンに似た頭部形状になってしまうガルバトロンがあった。

ケイドとシェーンは社員証を偽造してバンブルビーに乗ってKSI社に侵入する。
社長のジョシュア・ジョイス(スタンリー・トッツィー)と遭遇するがばれずに済み、
中を探っているうちにダーシーと出会う。

サボイらは不正侵入を検知、ケイドを確保しようとする。
オートボットがKSI社に乗り込んで機械を破壊。
作りかけの人工オートボットも破壊する。

オプティマス・プライムは戦いの末、ロックダウンに撃たれ倒れる。
車で逃げていたケイド、シェーン、テッサは、車から降りるが、テッサが逃げ遅れ、
オプティマス・プライムとともにロックダウンの大型宇宙船に運ばれてしまう。

ロックダウンはオプティマス・プライムに自分は「創造主=クリエーター」に指令されて
オプティマス・プライムを捕まえに来たのだと言う。

ロックダウンはオプティマス・プライムと交換する約束の「シード」と呼ばれる爆弾をアッテンジャーに渡す。
「シード」は爆破によって辺りの地質をトランスフォーミウムに変える爆弾とされている

ジョイス社長は蘇月明(スー・ユエミン、李冰冰=リー・ビンビン)とともに中国の生産拠点に移動する。

ケイドらの進言によって、シードが核爆弾並みの威力で周辺を金属化してしまうことや、
ガルバトロンがメガトロンの意識を持っていることを知ったジョイス社長は、シードを奪って逃げる。
しかし、ガルバトロンは勝手に起動し、工場内の人工オートボットを支配下にして暴れる。

一方、ケイドとシェーンは、ロックダウンの宇宙船に潜入、テッサを探す。
オートボットも宇宙船に乗り込み、オプティマス・プライムを探す。

オートボットは宇宙船のアンカーを打ち、宇宙船の飛行を阻止。
その間にテッサを助けたケイドとシェーンはアンカーのワイヤを伝って逃げるが
落下しそうになり、バンブルビーらに助けられる。

宇宙船内ではオプティマス・プライムを救出したクロスヘアーやドリフトが宇宙船を一部切り離して逃げる。
ロックダウンはそれに気づかず飛んで行ってしまう。

ケイドはサボイに追われ、最後はサボイを突き落して殺す。
オートボットの乗った宇宙船はガルバトロンの軍に攻撃されて落下、街中での戦いとなる。

オプティマス・プライムは山中にダイナボットを見つけ出し、自由のために戦うよう諭す。
ダイナボットを駆ってオプティマス・プライムはガルバトロン軍を倒していく。

しかし、オブティマス・プライムに逃げられたことに気づいたロックダウンが引き返してきて、
オブティマスとの一騎打ちとなる。

オプティマスはロックダウンの剣に貫かれて柱に固定されて身動きができない。
バンブルビーとドリフトらが協力してオプティマスから剣を抜き、オプティマスはロックダウンを倒す。

アッテンジャーも倒されるが、ガルバトロンは逃げる。
ガルバトロンはメガトロンの意識を持っており、実質的なメガトロンだった。
オートボットらへの復讐を誓う。

オプティマスはダイナボットを解放し、自身はシードを持って創造主を探しに宇宙へ飛び立つ。

**

途中から無茶苦茶の展開。
一応ちゃんとはしているが、中盤以降はストーリーなんかどうでもいい感じになってしまった。

前作でもシカゴを思いっきり破壊していたが、今回も香港をズタボロ。
あそこまでやられたら、いくらメガトロンやロックダウンが諸悪の根源だと言っても
戦場は地球であり、オートボットのせいで人類はいわばコラテラル・ダメージを受けている。
これじゃ、オートボット排斥も十分あり得る。

スタンリー・トッツィーはいくら200億ドルの資産があったにせよ、
シカゴのKSIは破壊、中国の工場も破壊されており、資産は吹っ飛んでいる。
ガルバトロンの製造責任もあり、損害賠償が膨大になる可能性が高い。
良くて文無し、自己破産。下手すりゃ一生弁済のために稼ぎまくらなきゃならない。

さらには結果としてメガトロンを復活させたし、CIAとの密約もあって刑事訴追は免れまい。
マーク・ウォルバーグが家をなくしたことに対し「何とかするよ」なんて言っとる場合か。

マーク・ウォルバーグも娘大事は分かるが、あまりにも前時代的。
娘も娘でわざわざ危険なところへついていくし、親父は娘大事なら最初から安全なところへ退避させろ。

マイケル・ベイは次作の監督は降りるようだが、わかる気もする。

李冰冰(リー・ビンビン)は単なる中国人実業家と思いきや、結構おいしい役どころで、
香港などを舞台にした中国向けの配慮が聞いたのか、中国での興収は公開から1カ月で3億ドル超と
米本国の累計2億4千万ドルを上回る。

それ以外の国では、ロシア45M$、韓国43M$、ドイツ37M$、メキシコ/英国33M$と
中国の突出ぶりが目を引く。

日本は3週間で22M$に留まる。封切りが他の国より1カ月遅いとはいえ、初週の興収が
英国の1/4、韓国の1/3、ドイツの1/2で香港とほぼ同じレベル。
国内ランキングも3位、4位、5位、6位と堅実ながら大ヒットとまではいかなかったようだ。

 
 LUCY/ルーシー   

スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、 チェ・ミンシク、アムール・ワケド。

**

冒頭は原始的な猿人の姿。
そして現代。
ルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、台湾に旅行中。
台北のホテルの外でリチャード(ピロー・アスベック)にせがまれ、
断ったものの手錠をはめられアタッシュケースをチャンまで運ぶはめになる。

受付でチャン氏を呼ぶと、外で見ていたリチャードは射殺され、
ルーシーは屈強な男たちに連れられてホテルの上階に行く。

チャン(チェ・ミンスク)は自身は物陰に隠れ、ルーシーにアタッシュケースを開けさせる。
中身は爆薬ではなく青く小さな結晶の袋だった。

ヤク中が連れてこられ、その結晶を吸うと錯乱、チャンに射殺される。
チャンはルーシーに仕事を頼むと言い、断ると殴られルーシーは失神した。
目覚めると下腹部に大きい傷跡が。

再びチャンの部屋に向かうと、ライミー(イギリス人船員の俗称、ジュリアン・リンド・タット)が、
ルーシーと男3人に腹の中にCPH4というブツを仕込んだので国に戻ってブツを仲間に渡すように告げる。
ルーシーと男たちは袋をかぶせられ、空港に連れて行かれるはずだったが、
ルーシーは台湾マフィアに拉致され、監禁される。

ルーシーは監禁したチンピラに殴られ腹を蹴られる。
袋が破れ、CPH4がルーシーの体内に漏れ出す。
のた打ち回り苦しむルーシー。
やがて、ルーシーの脳は覚醒を始め、見回りに来た男を驚異的な能力で倒し、見張りの男たちも射殺。
タクシーを捕まえて病院に直行。
手術室に入って手術中の患者を射殺、自分の腹からCPH4を取り出すよう医師に告げる。
痛みをも制御できるようになったルーシーは麻酔もせず開腹してCPH4を取り出させ、縫合の後、
チャンのいたホテルに向かう。
手下を射殺、チャンの両手にナイフを突き立て、チャンの記憶から直接3人の男の行く先を掴む。
パリ、ベルリン、ローマだ。

ルーシーはアパートに戻り、脳の覚醒について調べ、ノーマン教授(モーガン・フリーマン)に行きつく。
ノーマンがパリにいることを知り、電波を制御して脳が覚醒した証拠を見せ、12時間後に会う約束をする。

金髪のアメリカ人女性が病院で患者を射殺のニュースはすぐに流れ、
ルーシーは自分の髪を黒く変化させて出国審査をパス、機内でも情報収集に精を出す。
しかし、CPH4の欠乏で体が崩れ崩壊しそうになる。
ルーシーは大量のCHP4を摂取して難を逃れる。

ルーシーはパリの警察に電話、ピエール・デル・リオ警部(アムール・ワケド)に麻薬密輸をタレこむ。
ピエールは不審がるがルーシーは、顔写真を電送、電話越しに超能力を発揮して信じさせる。
パリからの連絡を受けた各国の警察は運び人の男たちを空港で確保、パリに移送する。

病院でCPH4の摘出手術の最中、チェンの一味が病院を襲い、3袋のCPH4を強奪する。
ルーシーはチェンの一味からCPH4を奪い、デル・リオの部下も倒してノーマン教授の元に向かう。

チェンの一味はルーシーを追う。
ルーシーはデル・リオを助手席に追いやり、自身が運転して一通を逆走して爆走。
交通事故の原因となりながらも、自身は無事に進んでいく。

ノーマン教授は脳医学の権威を集めていた。
ルーシーはCPH4のせいで自分の命がもうあとわずかであると分かっており、
ノーマン教授にどうすればいいか尋ねる。
教授は知識を伝承することが使命だと答え、ルーシーはすべてのCPH4を点滴で体内に注入。
ルーシーの脳の覚醒はさらに進み、すべての場所、すべての時間帯の知識に触れることができた。

体から無数の触手のようなものが出て周りの機材を取り込み、コンピュータのようなものを形作っていく。
その頃チェンの一味はルーシーの居場所を突き止めて侵入、デル・リオら警察と激しい銃撃戦となる。

劣勢のチェンらはバズーカで警察を撃破、ルーシーを倒そうとする。
ルーシーの意識は時間をさかのぼり、ついに冒頭の猿人(ルーシー?)に到達する。
ルーシーの意識とルーシーが触れ合い、覚醒が100%に達した時、
チェンがルーシーの背後から銃弾を浴びせるが、ルーシーの姿は消え失せていた。
現れたデル・リオがチェンを射殺。
ルーシーが作ったコンピュータのようなものは消失し
USBメモリのようなものがノーマン教授の手に残っただけだった。

**

リュック・ベッソンどうしちゃったんだと言うのが正直な感想だった。
あるいは「リュック・ベッソン版トランセンデンス」なのかとも思った。

格闘シーンやカーチェイスなどリュック・ベッソンお得意のシーンも多く出ては来るが、
どういうことが言いたいのかはよくわからない。
果たしてこれはSF映画なのか。

普段10%程度しか使われていない脳が100%活動したらどうなるのか、は
面白い着眼で、確かに超速で情報処理ができそうな気もするが、
入出力(手足や感覚器)が追いつかないだけで脳の空回りの気もする。

脳が活動することは相当のエネルギーを使うわけで、それなりの栄養補給と
おそらくは発熱による機能低下もあり、冷却も必要なのではないかと推測する。

また100%機能することは代替回路がないことになり、何らかの異常が起こった場合、
機能不全に陥ることも考えられる。

10%が適切かどうかは別として、ただ無駄に休んでいるわけではないと思われる。
まあ、映画でも最初から100%機能していたわけではないし、
どの程度が物理的な限界なのか、それを超えたら本当にどうなるのかはそれこそ推測の域を出ない。

いずれにしても記憶や推測や判断が異常に正確に速くできたとしても、
髪の色を変えたり、他人を精神的にコントロールしたり、
ましてや念動力や電磁気を操作したりはできないが、
もし出来たらどんなことができるか、どうなるか、がテーマなのでそれ以上は突っ込みません。

ルーシーは最古の人類として有名だが、実は最古でもないらしい。
ルーシー(アファール猿人)は約320万年前。
同じアファール猿人のセラムと呼ばれる幼女の化石は、さらに10万年以上前だし、
ラミダス猿人のアルディはさらに100万年以上遡り、440万年前、
近縁種のカダバ猿人は520万年から580万年前と推測されている。

 

 

  

 イントゥ・ザ・ストーム 

リチャード・アーミテージ、サラ・ウェイン・キャリーズ、マット・ウォルシュ。

冒頭は、若者4人が乗り、暗闇の中を行く乗用車。
前方に落雷が電線を直撃し火花が上がるのを面白そうに見ていた。
しかし、浮かび上がったその正体は落雷ではなく竜巻だった。
車はあっという間に巻き上げられ4人は犠牲となった。

*

物語の主要演者は2つのグループ。

一つは高校の副校長ゲイリー・モリス(リチャード・アーミテージ)と2人の息子、
ドニー(マックス・デイーコン)と弟のトレイ(ネイサン・クレス)。
その日はドニーの高校の卒業式だが、天候が心配された。

もう一つは竜巻ハンターのグループ。
特殊装備の装甲車タイタスに乗るピート(マット・ウォルシュ)とその助手たちと
多くの観測装置を積んだ車で並走する気象学者のアリソン(サラ・ウェイン・キャリーズ)の仲間。

アリソンが予測した竜巻の動向に合わせてピートができるだけ竜巻に近づいて撮影する。
しかし、このところ撮影に失敗することが多く、スポンサーから降りられてしまい、
文字通り後がない状況だ。

ドニーとトレイは父からの指示で卒業式と、タイムカプセルに入れる卒業生のコメントを撮影していた。

ドニーは片思いの相手、ケイトリン(アリシア・デブナム・ケアリー)がレポートのビデオ提出を失敗し、
困っているのを見て、卒業式をさぼり廃工場の汚染調査の撮影やり直しを助けることにした。

ピートのチームは竜巻の発生を検知、件の高校のあるシルバートンに向かうが、
竜巻の近くまでは行けたものの、竜巻は進路を変えて程なく消失し、撮影には失敗した。

アリソンは遠く離れた娘とネットで電話していたが、突然大きな雹(ひょう)が降り竜巻も出始めため、
ピートとともに撮影に向かう。

高校の卒業式、校長の挨拶の途中で突然大雨が降り始めて式は中断、父兄や学生を校舎へ移動させる。
しかし、風はますます強く、竜巻が高校を襲うことになる。
学生らは必死で耐え、犠牲は出さずに済んだ。
ゲイリーはドニーがケイトリンと廃工場へ行っていることを知り、トレイとともに探しに行く。

その頃、ドニーとケイトリンのいた製紙工場も竜巻に襲われ、工場は倒壊、二人は地下ピットに落ちる。
怪我は大したことなかったもののピットの上に鉄骨などが覆いかぶさり抜け出せなくなってしまった。
そこに給水パイプが壊れて水が入り、二人は水攻めに遭う。

竜巻の威力はすさまじく、チームのジェイコブもビビる。

ゲイリーとトレイは途中で車を失い、ピートとアリソンのチームに出会う。
竜巻はタンクローリーを巻き込んで火災旋風となり、ジェイコブは炎に巻き込まれて死ぬが、
残りのメンバーは助かる。

アリソンはゲイリーとトレイを乗せて製紙工場へ向かい、携帯の留守録でドニーとケイトリンの場所を知るが、
鉄骨が邪魔で助けられない。そこへタイタスが突っ込んで鉄骨をずらし、何とか二人を助けた。

程なく、さらに大きい竜巻が発生。高校直撃の様相。
それまでの竜巻で町は警報が出せなくなっており、高校にいる人たちが危ない。

ゲイリーはアリソンらと高校に戻り、渋る校長を説得して居残る人々をスクールバスで脱出させる。

ゲイリーの乗るバスは倒木に阻まれ先に進めない。
退路もなく立ち往生となるが、ドニーが工事中の地下水路(管路)の存在を思い出し、全員がそこに逃げ込む。

竜巻は合体し、EF5(改良藤田スケール、レベル5)となった。
ピートはゲイリー、アリソンらと別れ、一人竜巻に向かった。

竜巻はゲイリーらの水路を通過、マンホールのふたは吹き飛び、侵入防止の鉄柵も飛びそうになる。
そこにピートのタイタスが突っ込んで鉄柵を押えるが、タイタス自身も飛びそうになり、ワイヤで固定する。

突然、風が止み、竜巻が過ぎたかと思いきや、そこは竜巻の目だった。
やがてまたも激しい強風。
タイタスは浮き上がりながらも耐えていたが、ついにバンパーが千切れ、中高く舞い上がってしまった。
タイタスは竜巻の目のすさまじい上昇気流に雲の上にまで舞い上げられてしまうが、すぐに落下、
ピートは絶命。

地上で甚大な被害をもたらしながらも竜巻は去り、ゲイリー、アリソンらは助かった。
壊滅状態の町、瓦礫の中でゲイリーとドニートレイは家族の絆を取り戻した。

さて、3枚目コンビにも触れておこう。
ジャッカスを地で行くいかれコンビ、ドンク(カイル・デービス)とリービス(ジョン・リープ)
竜巻をスクープしようとして巻き込まれ、飛ばされるが、奇跡的に木に引っかかって助かっていた。

竜巻ハンターと家族の軋轢。
舞台や対抗グループの設定、物語の展開等は違うものの「ツイスター」(1996)が頭をよぎる。

竜巻の迫力やすさまじさは、20年近い年月を経てはるかにツイスターを凌ぐが、なんとなく既視感。

卒業記念のタイムカプセルにビデオ・メッセージを入れる。
竜巻ハンターは当然ながら車両に多くの撮影機材を積んでいる。
いかれコンビはスクープ動画を投稿するために撮影している。
などなど、モキュメンタリー風の設定をうまく取り入れて一人称目線を自然に見せている。

父親のゲイリー役のリチャード・アーミテージ。
なんと「ホビット」のトーリン・オーケンシールド。
いまだに信じられん。

他は、主にTVでの活躍が多い人のようで、あまり見たことない人ばかり。

 

 

 

 るろうに剣心 京都大火編   

佐藤健、武井咲、蒼井優、伊勢谷友介、田中泯、青木崇高、江口洋介、藤原竜也、福山雅治、滝藤賢一。

時は明治11年(1878年)。
斉藤一(江口洋介)は部下を率いて、志々雄真実(ししおまこと:藤原竜也)の潜伏するアジトに侵入。
しかし、警官のことごとくは志々雄の一味にやられてしまった。
一方、緋村剣心(佐藤健)は、神谷薫(武井咲)の神谷活心流道場で剣術指南をするでもなくのんびり暮らしていた。
剣心は内務卿大久保利通(宮澤和史)から呼び出され、暗殺者として明治政府のために活動し、その後
謀殺したはずの志々雄真実が生きており、京都に潜伏。
復讐のため明治政府転覆を企て何度も仕向けた警官が全滅していることを伝え、志々雄の暗殺を依頼する。
志々雄は「人斬り抜刀斎」の後釜であり、人斬りを辞めた剣心にも責任の一端があるとの無茶ぶりで、
対応可否を一週間後に返答するよう要請する。

一週間後、明治11年5月14日。
瀬田宗次郎(神木隆之介)は、移動中の大久保利通の馬車に飛び乗り、志々雄の伝言を伝えて刺殺。
その直後に大久保暗殺を目指す不平士族が到来し、更に大久保を切った(紀尾井坂の変)
剣心は事件現場に遭遇、宗次郎から志々雄の差し金であると耳打ちされる。

剣心は意を決して京都に向かうことにした。
相良左之助(青木崇高)、薫と弥彦(大八木凱斗)はそれぞれ別々に剣心を追って京都に向かう。

剣心は刀を狙う不思議な少女、巻町操(土屋太鳳=たお)に刀を奪われそうになるが、
操は志々雄の配下に支配されている村で志々雄の非道と剣心の強さを目にし驚愕する。
剣心は様子を見に来ていた宗次郎に連れられて志々雄のアジトに行き、宗次郎と対決する。

宗次郎の腕前は剣心と遜色なく、互いに一歩も譲らず勝負は互角。
最後は抜刀術の戦いとなるが、ついに逆刃刀は折られてしまう。
宗次郎は剣心を残し、志々雄とともに京都に帰っていく。

京に着いた剣心は、操に連れられて葵屋に逗留することになった。
葵屋の主人、翁/柏崎念至(ねんじ、田中泯)は元御庭番。
葵屋は御庭番の隠れ蓑だった。

剣心は逆刃刀の刀鍛冶、新井赤空(しゃっくう、中村達也)の所在を探すよう依頼するが、
赤空は既に他界していた。

志々雄は赤空の死を知っており、佐渡島方治(滝藤賢一)に武器を調達させ、戦いの準備をしていた。
また、10傑、十本刀を集結させるよう指示した。

剣心は赤空の息子、青空(せいくう、渡辺大)を訪ね、新しい刀作りを依頼するが、
包丁など生活品を作る青空に「刀」は打たないと断られてしまう。

しかし、十本刀の一人、沢下条張(三浦涼介)は青空の家を襲って赤ん坊を人質に取り、
赤空が遺したと言われる最後の一振りを差し出すよう要求する。

剣心は沢下条張の非道に怒り対峙するが、折れた逆刃刀では相手にならない。
青空は父赤空が残した一振りを奉納した神社から取り出し、剣心に渡す。

剣心の後を追って京に来ていた薫と弥彦が剣心を見つけ、薫は剣心に「斬っちゃダメ」と叫ぶが、
剣心は怒りにまかせて、沢下条張に一撃を加える。
しかし、赤空の最後の一振りはやはり逆刃刀であり、沢下条は斉藤の配下に逮捕される。

沢下条はあっさりと志々雄が京都を焼き払う作戦を企てているとバラし、斉藤らは防御線を敷く。
柏崎念至率いるお庭番衆も政府に味方して志々雄と対決することとなった。

沢下条が白状した時刻通りに志々雄の部下が京都市内に出現、火をつけて回る。
斉藤率いる警察もこれに対応、薫、弥彦、それに左之助も加勢し、志々雄の配下と乱闘となる。

一方、江戸(東京)近辺から剣心を執拗に探していた四乃森蒼紫(伊勢谷友介)は、
諌めようとする柏崎念至と対峙、壮絶な戦いの末、蒼紫を慕う操の目の前で念至を刺殺する。

志々雄の配下はやがて制圧されるが、志々雄も十本刀もいないことに気づいた剣心と斉藤一。
志々雄の狙いは東京で海路東京に向かうと読む。

宗次郎は京都での戦いの混乱の中、薫を拉致、志々雄の下に連れて行く。
剣心は、大阪湾に向かうが、志々雄は密かに建造した戦艦を進水させ、海に繰り出す。

剣心は艦に飛び乗り、志々雄と対決しようとするが、志々雄は薫を海に突き落としてしまう。
剣心は薫を追って荒れた海に飛び込み、薫を探すうちに溺れ、どこかの海岸に漂着する。

それを謎の男(福山雅治)が助け上げ、どこかへ連れ去ってしまうところで映画は終わる。

3作目には出るはずの福山雅治は出てないとの書き込みも見かけたが、ラストにしっかり登場、
但し、役名は伏せられていて「謎の男」だが、比古清十郎で間違いないでしょう。

薫(蒼井優)はほとんど出番なし。
剣心の卓越した運動能力に伴う殺陣(ワイヤーアクション)は健在で宗次郎もほぼ同等の能力。
強敵が満載で、志々雄だけでもきついのに、宗次郎、蒼紫と多彩な上、
剣心は運動能力が優れているだけ、と薫に言いきられる始末。

次作(最後の伝説編、2014/9/13公開)でどのように纏められるのかはかなり期待される。

ざっくりとだが、映画は興収で製作費の倍は稼がないと赤字。
さらに宣伝費はその外数になるので、この映画の場合、本作と次作で計80億円は稼ぎたいところらしい。
前作の興収は約30億円だった。出足はかなり順調のようで成否は今後の入り次第。

 

 

              

 

  GODZILLA ゴジラ    

渡辺謙、アーロン・ジョンソン、ブライアン・クランストン、エリザベス・オルセン

1950年代の核実験の様子が映し出される。
そしてその中を悠然と進む巨大な物体。

1999年。
MONARCH(モナーク)の芹沢猪四郎博士(渡辺謙)と助手のグラハム博士(サリー・ホーキンス)は、
フィリピンの炭鉱の陥没現場に調査に訪れた。

陥没の底は深い空洞になって放射能の反応があり、巨大生物の骨格と巨大な繭のようなものがあった。
但し、その一つは既に孵っており空だった。

続いての舞台は日本。
雀路羅(じゃんじら)の原子力発電所では、ジョー・ブロディ(ブライアン・クランストン)が
何日か前から異常振動を検知していた。
高まる頻度に危機を感じたジョー・ブロディは原子炉に向かう。
自身の誕生日の用意をしていた息子のフォードを残して。

原子炉の様子を見るため、ジョー・ブロディの妻で技師のサンドラ(ジュリエット・ビノーシェ)は
地下の炉に向かう。

会議でジョーが異常振動の説明をしている最中に突然激しい地震に襲われる。
炉心の緊急停止を指示するも、原子炉建屋は破壊され、大量の海水が地下に入ってくる。

大勢の職員は退避、ジョーはエルを助けに走るが間に合わず、やむなく防護壁を占め、エルを見殺しにする。
その直後、発電所の排熱塔が崩壊、発電所全体が壊滅する。

15年後、ジョーの息子のフォード・ブロディ(アーロン・ジョンソン)は成人して軍人となり、
久々の休暇で自宅に戻り、妻のエル(エリザベス・オルセン)と息子のサム(カーソン・ボルド)と、
過ごしているところに父ジョーが日本で逮捕されたとの連絡が入る。

ジョーは原発事故で立入禁止区域となった場所に入ったというのだ。
フォードは日本に飛び、警察にジョーを引き取りに行く。
ジョーのアパートにはかつての事故のニュースやいろんな資料が張り付けられていた。
未だに地震と異常振動の謎を追っている。
そしてまた最近15年前と同じ振動が観測されていると言う。

フォードのアメリカに帰ろうと言う申し出をジョーは妻の写真や資料を取りに戻りたいと言う。
フォードは立入禁止区域内のかつての住居に資料を取りに行くことに協力する。
放射能汚染のはずの立入禁止区域内は汚染されていなかった。
二人はすぐに警備に見つかり、原発跡地のモナークの施設に連れて行く。

そこでジョーは取り調べを受けるが、逆にモナークが何かを隠していると叫ぶ。

事実、モナークは原発事故の後発見された繭を監視していた。
芹沢博士は現在起きている振動と15年前の事件に関連があることを知る。
しかし、異常振動は激しくなり、芹沢博士が繭を殺すよう指示したが、
電子パルスが発生して機器類は停止、直後繭は破れて巨大生物が現れる。

蛾ともコウモリともつかないその生物は大暴れし、羽を広げて飛んで行ってしまう。
騒ぎの中でジョーは重傷を負う。

米軍が直ちに出動して施設を掌握。
巨大生物をMUTO(ムトー)と呼んで対策を検討。
芹沢博士はジョーを協力者として指名するが、ジョーはほどなく死ぬ。

MUTOは太平洋をハワイ方面に向かう。
ウィリアム・ステンツ提督(デビッド・ストラザーン)は艦隊を率いてハワイへ向かう。
ほぼ同時にハワイへ向かう別の巨大生物、ゴジラを発見、艦隊はゴジラを囲むように進む。
MUTOは何らかの音響信号を発信しており、ゴジラと通信しているとの疑念がわいた。

その頃、フォードは隊とは別れ、ハワイから本土に向かうところだった。
しかし、MUTOがロシアの原潜を襲い、その原子炉を捕食しハワイへ上陸した。
MUTOは原子力をエネルギー源としていた。

MUTOは軍の攻撃を受けるが、電磁パルスを使って電子機器を破壊、撃退する。
その後、MUTOは音響を追っていたゴジラとハワイで対峙しハワイは大混乱となる。

結局MUTOは東へ飛び去ってしまう。

サンフランシスコのフォードの自宅ではサムがハワイのニュースに見入っていた。
同時にネバダの核廃棄物処分場に持ち込まれていたフィリピンで発見された繭から
もう一匹のMUTOが孵る。

こちらは最初のものより一回り大きく、また羽がない。
恐らくはメス。羽のあるものがオスで音響信号は互いを呼び合うものだと思われる。
ゴジラはその音響信号を察知してMUTOを追っているようだ。
雌のMUTOはラスベガスを破壊しサンフランシスコに向かう。

芹沢博士はゴジラがMUTOを倒すために追っていると考え、
米軍にゴジラとMUTOを戦わせればよいと進言するが、
根拠がなくリスクが高いとして退けられる。

軍の作戦は核爆弾を利用してMUTOを海上におびきだし、ゴジラともども破壊するもの。
芹沢博士は1950年代の核実験でゴジラは殺せなかったと言うが、
核爆弾の規模が違う、として退けられる。

MUTOの電子パルスがあるため、核爆弾の起爆に電子機器は使えないので
アナログな機械式の起爆装置を取り付け、フォードがセットする。

核爆弾は米軍基地から列車に搭載されて運び出され、サンフランシスコの海岸へ向かう。
しかし、途中で雌のMUTOに襲われ2発のうち1発の爆弾は食われてしまう。

助かったほうの爆弾は兵士らの手によってサンフランシスコへ運ばれる。
雌のMUTOはそれを追い、ついには核爆弾を奪ってしまう。

オスのMUTOはサンフランシスコに到着、追ってきたゴジラも上陸して戦いとなる。
軍は2匹の怪獣を倒そうとするが全く歯が立たない。

そのうち雌のMUTOがサンフランシスコに付き、オスと合流してしまう。
ゴジラはMUTOと戦うが2匹の鋭い爪に傷つき、劣勢を強いられる。

フォードらの一派は核爆弾を発見したが、それはMUTOの卵の下に取り付けられていた。
核爆弾の起爆装置はカバーが壊れ停止できない。
やむなく、卵から外して港まで運び、モーターボートで湾外に運んで爆破させる作戦に変更。
人力で爆弾を運んでいく。

フォードはMUTOの卵に火をつけて焼き払おうとする。
卵の危機に気づいた雌のMUTOはゴジラとの戦いを止めて卵に向かう。

その隙にゴジラは雄のMUTOと対峙、最後は尻尾攻撃をお見舞いし撲殺する。

雌のMUTOは再び核爆弾を奪うため軍を追い、モーターボートを襲おうとする。
フォードはモーターボートに乗り込んで起爆装置を解除しようとし、
他の軍がMUTOを攻撃して援護するがことごとくやられる。

しかし、ゴジラがMUTOを襲い、ついにはゴジラがMUTOを放射熱線で焼殺する。
MUTOを倒したゴジラだが、傷は深くその場に倒れ込んで死んでしまう。

この間モーターボート上ではフォードが起爆装置解除を試みるが果たせず、
諦めたところ、軍のヘリがフォードを救助、寸での所で退避。
核爆弾はサンフランシスコ沖で爆発する。

ゴジラの死骸の傍、破壊しつくされた街の救護所にエルとサムの姿があった。
死んだと思われたフォードの姿に安堵する二人。
ゴジラに救われたのか襲われたのか、複雑な気持ちの市民の見る中、
ゴジラは死んでいなかった。

ゴジラは突然目を覚まして立ち上がり、その巨体を海に、悠然と泳ぎ、
やがて海中深く沈んでいずことへもなく去っていった。

**

放射能を食べるとか放射熱線を吐くとかは元々非物理科学的事象なので突っ込みませんが、
芹沢博士(渡辺謙)にしろ、ブロディ博士(ブライアン・クランストン)にしろ、
科学者は行動力がなく無能だったが、軍もそれに輪をかけて無能だった。
核爆弾のマッチポンプぶりはまさにその典型で、結局役立たずだしね。

攻撃の際の陣形もわざわざ一発でやられるような形だし、強敵に対する洞察力がないというか、
結局核爆弾に頼んのかよってところが情けないと言うのかどうか。

ゴジラの造形は首が太いだのどうのこうのとの意見もあるようだが、オリジナルをかなり踏襲。
東宝からもかなり注文がついたようだ。
この点は1998年版の「GODZILLA」への批判と反省があったようだし、
製作陣もオリジナル(日本版)のゴジラへの思い入れとリスペクトが強かったらしい。

尚、ゴジラは着ぐるみではなく、モーションキャプチャーで合成されており、
演者はすっかりモーションキャプチャー俳優と化したアンディ・サーキスとなっている。

核爆弾を列車に乗せて移送していた時と、MUTOの卵から外した時では
その部位が異なっているとはいえ、数名の兵が手で持って運べる程度の重さかは疑問。

確かに核弾頭だけであれば100kg以下のものもあるようだし、
スーツケース核爆弾なるものの存在はするようだが、映画のサイズのものが数人で運べるとは思えない。

メガトン級爆弾だと言っているのにモーターボートで行ける程度の範囲で良いのかも疑問。
とはいえ、1メガトンで20km離れれば、直接被害(爆風、熱線とも)はないらしいから
(俄かには信じがたいが、数値はWikiを参考にした)まあ、いいとして、
あのボートで5分で20kmは行けんでしょ。

5分で20kmと言えば時速240km。
世の中にはこれくらいのスピードが出るパワーボートも実在するが、あの船では無理。

仮にフルスピードで40kt(40ノット=約75km/時=駆逐艦並み)出たとしても、
(そこまで出るとは思えないし、映画ではフルスピードで疾走してなかったが)
5分だと6kmしか行けない。

爆破は阻止できなかった場合、サンフランシスコは火の海になる。

 

 

  思い出のマーニー  

高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、黒木瞳

札幌に住む杏奈(あんな、声:高月彩良)は、人見知りで自分にコンプレックスを持っている女子中学生。
養母の頼子(松嶋菜々子)には感謝しつつも「おばさん」と呼び、なぜか溝がある。

夏休み前のある日、杏奈は喘息の発作で早退し、医者の勧めもあって頼子の親戚の大岩家に療養に行く。
頼子は見送り、車窓は杏奈、たった一人。
大岩家は田舎町、海岸近くの高台にあった。
木工細工師の清正(寺島進)、その妻のセツ(根岸季衣)は杏奈を歓迎しつつも自由に行動させる。
同じ年代の子たちは親しげに接するが杏奈にはそれがうざい。

散歩中にたまたま湿地の対岸に見つけた洋館。
潮が引いている間に洋館まで歩いていき、中をのぞいてみたが人が住んでいる様子はない。
ウロウロしている間に潮が満ち、歩いて戻れなくなるが、無口で十一(といち、声:安田顕)と呼ばれる男性に助けられる。

セツに聞くと、洋館には以前は外国人が住んでいたが、もう何年も人が住んでないと言う。
しかし、夜、杏奈は確かに洋館の2階の窓辺に長いきれいな金髪を梳いてもらっている少女の姿を見た。
それは夢だったのか。

翌日、祭り。
セツに勧められて浴衣を着て行ってはみたものの、一緒に行った同年輩の子になじめない。
そして、気にしている少しばかり青みがかった眼のことに触れられ悪態をついて逃げ出してしまう。
そして、海岸にボートを見つける。
思わず漕ぎだし、洋館に向かうがうまくコントロールできない。
洋館から件の金髪の少女が飛び出してきて、杏奈を助ける。
いわゆる金髪碧眼。
二人が会ったことは秘密だと言う少女。
連れて行ってくれた彼女の部屋はなぜか懐かしい気さえした。

彼女の名前はマーニー。だが、誰もその存在を知らない。
ある夜、杏奈が訪れたときはパーティが開かれていた。
臆する杏奈を無理やりパーティに参加させたマーニー。

その後しばらくは杏奈はマーニーと会うことができなかった。
杏奈はマーニーと再び会い、義母となじめない理由を語る。
それは自治体からの補助金目当てに自分を引き取ったのではないか、という疑念。
マーニーはばあやにいじめられ、侍女にサイロに閉じ込められそうになった話など、つらい経験を語る。
お互いが相手の境遇を羨み、自身の不遇を嘆く。
杏奈はマーニーをサイロに連れて行くが見失う。

本当にマーニーは実在するのか、それとも杏奈の妄想なのか。

岸には「湿地(しめっち)屋敷」と呼ばれるその洋館を描く女性、久子(声:黒木瞳)がいた。
久子は洋館が改修工事に入っていて壊されるかもしれないと告げる。

杏奈は心配になり洋館の傍に行くが、向こうから「マーニー」と呼ぶ声が。
声の主はさやか(声:杉咲花)洋館を買った家の娘。

洋館はさやかの両親によって改修が行われていた。
さやかは本棚の隙間から古い日記を見つけていた。
それはマーニーのものだった。

時々洋館を眺めていた杏奈をマーニーと勘違いしたのだが、
その日記には杏奈がマーニーと過ごした出来事が記されていた。
そして、最後の数ページは破られていた。

杏奈は謎を解こうとサイロに向かう。そして突然の雨の中で怯えるマーニーを見つける。
マーニーは杏奈を「和彦」と呼び、やがて本当に現れた和彦とともに帰って行ってしまう。

杏奈は自分を置いて行ったマーニーを責める。
どうして自分を捨てて行ったのか、どうして。
しかし、洋館の窓に現れたマーニーは杏奈に許しを請い、杏奈はそれを許す。

さやかは日記の切り取られた数ページを見つけ杏奈に見せる。
そこにはサイロでの出来事が書かれていた。
そしてさやかが見つけた洋館の絵、裏には「マーニーへ、久子より」とあった。
久子はマーニーを知る唯一の人物だった。

杏奈とさやかは意を決して久子にマーニーのことを聞く。
かつて洋館に住んでいたマーニー。
殆ど家に戻らない両親に置いて行かれ、ばあやと侍女にいじめられて過ごした幼少期。
けして幸せではなかった。
しかし、そんなマーニーを愛した和彦と結ばれて、マーニーは娘エミリーを産む。
程なくして和彦は死に、精神を病んだマーニーはエミリーを養護施設に預ける。
その後マーニーの元に戻ったエミリーは心を開かず、結婚してマーニーの下を去る。
エミリーはすぐに子供を産むが、自動車事故で夫とともに死んでしまう、幼い赤ん坊を残して。

マーニーは赤ん坊を引取り自分の生い立ちなどをおとぎ話にして語り継ぐが、病に倒れ命を落とす。
幼い子供は養護施設に預けられたのが10年ほど前、ということだった。

そう、その子こそ杏奈。
杏奈の青みがかった眼は、マーニーから受け継いだものだったのだ。
やがて杏奈を心配して大岩家を訪れた母頼子。
杏奈のわだかまりの一因となっていた自治体からの補助金の話を語るが杏奈は許す。

夏休みが終わりに近づき、杏奈は札幌に戻ることとなった。
帰路途中、杏奈は久子に頼子を「母です」と紹介し、仲違いした友達らとも和解して車窓の人となった。

**

ジブリらしからぬ展開だった。
チラシには監督の言葉として「子供たちのためのスタジオジブリ作品を作りたい」とあったが、
果たしてそうなっていただろうか。
主人公と同年代の子供たちにはやや難しい内容となっていたかもしれない。

夢か現(うつつ)か混沌とした洋館であり、サイロであり、
そして着物の汚れや忘れた靴や現実の自分に起こった事象との絡み具合はよかった。

マーニーと杏奈の物語であり、エミリーのエピソードが殆どなかったのはやむを得ない面もあるが、
根底に流れるのは肉親への愛情であり、マーニーの心に引っかかっていたのは
杏奈でありエミリーであったわけで、もう少しエミリーの展開があっても良かった。

幼くして両親も祖母もなくし、一切の身寄りが無くなってしまったのはしょうがないとして、
あれだけの洋館はいったい誰の手に渡ってしまったんだろう。
部屋の中に懐かしさを感じたと言うことは、杏奈とマーニーがある時期あの洋館で過ごしたわけで、
杏奈に遺産として引き継がれても良かったのではないか。

それと大岩家の誰もがいやひょっとしたら頼子さえ、
洋館とマーニーと杏奈の関係を知らなかったとすればそれはそれで違和感がある。

 

 

              

  オール・ユー・ニード・イズ・キル    

トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン。

近未来。
ヨーロッパらに落下した隕石、と思ったものは宇宙からの侵略者だった。
ギタイと呼ばれるその侵略者(群)はめっぽう強く、ヨーロッパの主要都市は次々と制圧されていった。
人類はパワードスーツを開発、これによりフランス、ヴェルダンの戦いで大勝利を収めることができた。
その中心は、リタ・ヴラタスキ軍曹(エミリー・ブラント)。

ウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)は軍の広報担当で、
パワードスーツで人類の勝利は間違いない、と宣伝して回っている。
しかし、人類は劣勢を強いられ、敵勢力はイギリスにまで及ぼうとしていた。

そんなある日、ケイジ少佐はロンドンの作戦本部にブリガム将軍(ブレンダン・グリーソン)を訪ねる。
一通り説明を聞いた将軍はケイジに前線行きを命じる。

戦闘経験どころか、戦闘訓練の経験もないケイジは拒否するが、
将軍はアメリカ軍のOKも貰っているとして聞き入れない。
逃げようとしたケイジはスタンガンであっさり捕まり、ヒースロー空港の軍施設に送り込まれる。

そこで軍曹に怒鳴られ、強面のファレル曹長(ビル・パクストン)に連れられ、J分隊(Squad)に配属される。
しかし、将校の服装にもかかわらずケイジ初年兵(Private)は妄想癖のある脱走兵と紹介されてしまう。

その日は慣れない基礎訓練(PT=フィジカル・トレーニング)に明け暮れる。
翌朝9時、セーフティの解除の仕方もわからないままパワードスーツに身を包み、
オスプレイの発展形のような輸送ヘリでフランスに向かって一斉発進。
敵の裏をかく作戦のはずが、待ち伏せにあい、攻撃を受ける。
降下30秒前。ケイジの乗る機は攻撃を受け大破。
何とか脱出して降下はできるが、仲間は次々と戦死。
当初はギタイの攻撃をかわしていたケイジもひときわ大きいギタイに見つかり絶体絶命。
咄嗟に近くにあった仲間から地雷をもぎ取って自爆。ギタイとともに爆死。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
ケイジは自分の体験を話し、明日みんな死ぬと言うが無視され、口をふさがれての出撃となる。
降下30秒前。ケイジの乗る機は攻撃を受け大破。
何とか脱出して降下はできるが、最初に死んだ仲間を助けようとして一緒に死ぬ。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
翌日朝9時。またも出撃。
降下30秒前。ケイジの乗る機は攻撃を受け大破。
何とか脱出して降下はできるが、最初に死んだ仲間を助けたが、自分は死ぬ。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
翌日朝9時。またも出撃。
降下30秒前。ケイジの乗る機は攻撃を受け大破。
何とか脱出して降下はできるが、最初に死んだ仲間を助けたものの、直後に自分が死ぬ。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
翌日朝9時。またも出撃。
降下30秒前。ケイジの乗る機は攻撃を受け大破するが、何とか脱出して降下。
こうして同じことの繰り返し。

何度目かにあの伝説のリタ・ヴラタスキと遭遇。
しかし、リタは目の前で戦死。

その後、何度目かにリタを助け、先へ進もうとするが、リタは何かを察知。
「What happen to you, happened to me. Find me when you wake up.」と言い残して爆死。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
ケイジはPTの最中、わざと愚痴をこぼして、罰の腕立て50回をし、
走行するトラックの下に転がり込んで抜けようとして轢死する。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
ケイジはPTの最中、わざと愚痴をこぼして、罰の腕立て50回をし、
走行するトラックの下に転がり込んで抜けだす。

そして訓練施設に入り、ギタイの模擬訓練場でリタを見つける。
「何の用? 何を見てんの。」「君が見つけるように言ったんだ。」

リタは状況を察し、ケイジを武器係のカーター(ノア・テイラー)の所に連れて行く。
リタはケイジを「ヴェルダンの前の私」と紹介し、カーターは「指を何本立てているか」と聞く。
意味の分からないケイジ。「と言うことは、ここは初めてだと言うこと」

「明日、死ぬ前に青いギタイをやっつけた?」「ああ。」
カーターとリタはこれまでの推測を話す。
ギタイは実は大元のオメガと呼ぶ本体と、アルファと呼んでいる61万8千体に一つの特別な個体、
それに普通の個体からなっていること。

普通の個体はいくら倒してもだめ、アルファはオメガと連動しており、
倒すと記憶経験を引き継いでタイムループする。
つまり、前回倒された状況を記憶しており、それに対処して回避、攻撃するので、
倒されても倒されてもやり直しができる。

アルファを倒した時、その体液を浴びたことでオメガと連動するようになりタイムループする。
ループによって経験値が増せば戦闘能力も増大。
それでリタはヴェルダンの戦いでも大勝利を収めることができた。

しかし、リタは負傷したものの死なずに大量の輸血を受けたことによってループ能力を消失。
その後は劣勢を強いられていると言うのだ。

ケイジがオメガと連動することでオメガの居場所を知ることができれば、オメガをつぶすことができる。
こうしてループしながら、ケイジとリタの訓練が始まった。

訓練で負傷してリタによる強制リセットも繰り返され、ケイジはどんどん強くなっていく。
こうしてループするうちにケイジはオメガの幻影を見る。
それはドイツのどこかの山に中、ダム施設の奥にあった。
カーターは何とかしてその場所を特定する。

あるループの時、ケイジは訓練に嫌気がさしてロンドン市街へ向かう。
パブでのんびりしていると、大群のギタイが、川から侵攻、一般人を殺戮していく。
ケイジも死ぬが、水際作戦の裏をかくのが、ギタイの作戦だったと分かる。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
軍曹に怒鳴られ、ファレル曹長に連れられてJ分隊に連れて行かれる。
翌日朝9時。またも出撃。
新兵のはずのケイジは戦場で目覚ましい活躍を見せ、リタとともに内陸へ向かおうとする。
しかし、あっさりリタは死に、ケイジも戦死。

次の瞬間、目が覚めたのはヒースロー空港の一角。
翌日朝9時。またも出撃。
ケイジはリタとともに内陸へ向かおうとするが、またもリタは死に、ケイジも戦死。

こうして少しずつ先へ進むがなかなか海岸線を突破できない。
もっと正確に敵の位置を、もっと詳しく敵の動きを、何歩進めばいいか、などなど。

そしてついに海岸線を突破、車でドイツへ向かう。
ガス欠で農家の納屋に入り、コーヒーブレイク。
ヘリで行こうと言うリタに対し、ガソリンを抜いて車で行こうと言うケイジ。
訝しがるリタ「How many times we've been here? How many times? 」
ケイジはどうやってもリタはここで死ぬ、と言うがリタは聞かずヘリを飛ばそうとして
ギタイに襲われ死亡、ケイジも死ぬ。

次のループ。
PTを抜け出したケイジはリタを見つけるが「何の用?」に答えずそこを去る。
そしてひとりで海岸線を突破、ヘリを駆ってダムまで行きつく。

いよいよオメガに近づいた時、ギタイが迫ってくる。
普通の個体の他、アルファも近づいてくるが、なかなか攻撃してこない。

察したケイジは溺死。ループしてリタとカーターの元に戻る。
ドイツの幻影は罠。オメガはケイジがループしていることを察知し、
おびき出して血を抜きループを止める罠だった。

カーターはかつてアルファからオメガの位置を探るトランスポンダーを開発したが、
ブリガム将軍に否定され、装置を取り上げられてしまったと言う。

リタとケイジは作戦本部に乗り込み、ブリガム将軍を説得してトランスポンダーを奪取する。
しかし、将軍は二人を逮捕しようとし、二人は車で逃げる。
リタはトランスポンダーをケイジに突き刺し、ケイジはオメガがルーブル美術館の
ルーブルピラミッドの地下にあると察知する。

車は衝突して大破。
ケイジはストレッチャーに固定され輸血されていた。
ケイジはループ能力を失ったことを感じた。

リタは無事だったが、ケイジをリセットしようとするリタにループ能力を失ったことを告げる。
その後、病院を抜け出して隊に戻る。

二人でルーブルまで進行するのは無理、仲間が要る。
ケイジはJ分隊の仲間に事情を説明する。
最初は疑っていた分隊の兵もリタ・ヴラタスキの登場で協力に同意する。

翌朝未明。
総攻撃の前に離脱したJ分隊はオスプレイ発展形でルーブル美術館を目指す。
ルーブル美術館に近づくと機は攻撃を受けて分隊員は次々と戦死。

ついにはルーブルピラミッド直前で墜落。数名を残すのみとなった。
もう飛ぶことはできないが、何とか予備動力で前進はできる。

残りの隊員が盾になっている間にリタが操縦して機をピラミッドまで進める。
館内に入るとギタイが襲ってくる。
何とか交わしてオメガに近づくが、アルファが邪魔。
リタが囮になってアルファをおびき寄せ、その間にケイジが手榴弾を投げ込む作戦。
何とか隙をついてケイジがオメガに近づくが、リタはアルファに刺殺されてしまう。
ケイジはやっとオメガのいる水中に入ることができた。
あと少し、その時、背後から伸びたアルファの触手がケイジを貫く。

しかし、ケイジの手からは安全ピンを抜かれた手榴弾が沈んでいった。
次の瞬間、手榴弾は破裂、ケイジはオメガの青い血流に包まれながら沈み、
最後に大爆発があってギタイは壊滅する。

次の瞬間、目が覚めたのはロンドンに向かうヘリの中。
映画冒頭シーンの繰り返し。
違うのはブリガム将軍が謎の大爆破とギタイの壊滅を広報しているシーンだった。

ケイジは少佐としての正当な扱いを受け、ヒースロー空港の基地を訪ねると、
ギタイ模擬訓練場にリタの姿を見ることができた。
「何の用? 何を見てんの。」
リタの言葉に思わず笑みのこぼれるケイジであった。

**

戦闘シーンはかなり迫力があった。
パワード・スーツも現実味があった。
CGではなく、実際に(パワードかどうかは別として)作ったものを装着していたらしい。
かなり重く、慣れないと動きもままならないものだったようだ。

若干、時系列の矛盾もあるが、ループをうまく利用。
繰り返しもしつこくなく、編集の妙。

ヘタレが強くなる展開では訓練のシーンがとかく冗長になりがちだが、
実戦での経験を重ねていくところや、訓練場での展開も小気味よく、
徐々に快活になっていくところがだらけずに見れる。

アメリカでも話題になっているようで、リタはどうして自分がループを抜けたことが分かったのか。
死んでみなければわからないはず、と思ったのは私だけではないようだ。
途中ケイジが発言していたように、ループできなくなったと「感じる」ことができたとして辻褄を合わせている。

最後大き目のループをしたのはいいとして、気付いたのはフランスへの攻撃前日。
あそこに戻るのが一番すっきりするのは分かるが、オメガを倒したのは
翌朝の作戦行動直前のはずで、戻ったタイミングではオメガはまだ死んでいないはず。
このあたりの辻褄はどう合わせているのか。

 

 

             

 

 マレフィセント

アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、シャルトー・コプリー。

かつて隣接していた人間の王国と妖精の国。
妖精の国には王はなく、すべての妖精が平等だった。
ある日、人間の国から好奇心旺盛なステファン少年が妖精の国に近づき、
雄大な羽根をもつマレフィセントと知り合いになる。

やがて二人は恋仲になるが、ステファンは王国での立身出世を夢見てマレフィセントと別れる。

それから10年、王国の王は妖精の国を手に入れようと軍を率いて戦いを仕掛けるが、
成長し勇猛果敢となったマレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)と妖精たちの反撃で敗退する。

王は戦闘での怪我が元で床に伏し、マレフィセントを倒したものに王位を継がせると宣言する。
その頃、王の側近になっていたステファン(シャルトー・コプリー)は、妖精の国に行き、
マレフィセントに取り入って睡眠薬入りの酒を飲ませ、寝ているときに羽を焼き切って奪う。

こうして、王位についたステファンは王女オーロラを授かる。
国を挙げてのオーロラの誕生祝。
3人の妖精が魔法により、幸せや美貌を祈る中、登場したマレフィセントは
圧倒的な存在感で、ステファン王の嘆願を無視してオーロラに呪いをかける。
「16歳の誕生日の日没までに糸車に刺されて死んだように眠り、真実の愛のキスでしか目覚めない」

ステファン王は国中の糸車を壊して燃やしその残骸を城の地下に隠す。
オーロラ姫は16歳の誕生日の翌日まで3人の妖精によって育てられることになった。

3人の妖精(レスリー・マンビル、イメルダ・スタウントン、ジュノ・テンプル)は、
森の奥の小屋でオーロラを育てることになったが、子育てには疎かった。

このため、マレフィセントが蔭ながら見守り、密かに世話をすることとなった。
折に触れ、物陰から、オーロラの面倒を見るマレフィセント。

月日が経ち美しく育ったオーロラ(エル・ファニング)は、森の中でマレフィセントに出会う。
常日頃、マレフィセントの影を感じ、自分の守護霊のような存在であると思っていたオーロラは、
マレフィセントとすぐに打ち解け、妖精の国の妖精とも仲良くなってしまう。

マレフィセントはオーロラが愛おしくなり、呪いを解こうとするが、
自分の掛けた呪いが強すぎて解くことができない。

部下の烏のディアバル(サム・ライリー)は真実の愛のキスなら解けるはずと言うが、
マレフィセントはそんなものは存在しないと吐き捨てる。

いよいよ16歳の誕生日が間近になったある日、オーロラは16歳になったら家を出て、
妖精の国でマレフィセントと暮らす、と言いだす。
そしてそれを3人の妖精に話すが、16歳の誕生日の翌日に王様の下に送り届ける約束をつい喋ってしまう。
マレフィセントの呪いのことと、父である王の存在を知ったオーロラは城に赴く。
ステファン王は娘を隔離しておけと言い、マレフィセント対策に余念がない。

マレフィセントは前日森でオーロラと出会って一目ぼれのフィリップ王子(ブレンダン・スウェイツ)を眠らせ、
ディアバルとともに城に向かう。

城はマレフィセントの弱点である鉄の茨で覆われていたが、何とか中に入り、オーロラを助けようとする。
一方、オーロラは魔法に導かれて部屋から抜け出し、地下へ降りて行って糸車の針に刺されて眠る。

マレフィセントはフィリップ王子をオーロラの眠る部屋の近くに連れて行き、
それに気づいた3人の妖精がフィリップ王子にオーロラとのキスをせがむが目覚めることはなかった。
キスが下手、真実の愛じゃない、散々な言われようのフィリップ。

がっかりしたのはマレフィセントも同じ。
せめて眠っている間は私が守るとオーロラの額にキスするマレフィセント。
その愛の力でオーロラは目覚める。
城ではなく再び妖精の国で暮らしたいと言うオーロラに感動するマレフィセントだが、
ステファン王に見つかり攻撃される。

マレフィセントはディアバルをドラゴンにして対抗し、オーロラは逃がす。
しかし、多勢に無勢で、鉄にも弱いマレフィセントは劣勢を強いられる。

逃げたオーロラが王の間に行くと、ガラスケースに入ったマレフィセントの翼が暴れはじめる。
オーロラはガラスケースを押して倒し、割れたケースから翼が飛び出した。

絶体絶命のマレフィセントの下に飛んできた翼はマレフィセントと合体。
再び翼を得たマレフィセントはステファンとともに舞い上がり、窓を突き破って逃げ、
結局ステファン王は墜落死する。

マレフィセントは妖精の国に戻り、オーロラを妖精と人間の国の統一女王として崇め、世界は平和となった。

マレフィセント、良い奴ジャン、と言う物語。
主要なプロットはディズニーアニメの「眠れる森の美女」を踏襲しながら、独自のストーリーを展開。

エル・ファニングのオーロラ姫はアニメ版とはやや雰囲気が違う。
エル・ファニングはダコタ・ファニングの妹で16歳になったばかり。
撮影時は15歳か。
170cmを超える身長で、4歳年上の姉のダコタ・ファニングより10cmほども大きいどころか、
アンジェリーナ・ジョリーよりも大きい。

もう女優としての姿はあとわずかのアンジェリーナ・ジョリー。
「カンフー・パンダ3」(2015/12/23全米公開予定)のタイガー(タイグリス=雌虎)声と
「ソルト2」(公開時期未定)は予定されているようだが。

ラスト近くでマントが取れてからの姿はかっこいい。
39歳だがまだララ・クラフトはやれそうなのに。

妖精の一人、最も年長のノットグラス(イメルダ・スタウントン)、どこかで見たと思ったら
ハリポタのアンブリッジ先生でした。

シャルトー・コプリーは「第9地区」でブレイク、「特攻野郎Aチーム」のマードック、
「エリジウム」のクルーガーなどを演じた。

5歳児のオーロラはアンジーとプラピの実子。

 

 

      

  トランセンデンス  

2D字幕版。
ジョニー・デッブ、レベッカ・ホール、ポール・ベタニー、モーガン・フリーマン、キリアン・マーフィ。

ウィル(ジョニー・デッブ)とエブリン(レベッカ・ホール)はAI研究のトップレベルの夫婦。
量子コンピューターPINNを使って、自立型のAIを研究している。

そんなある日、大部屋で作業していた大勢の研究者や一人で猿の頭脳を研究していた科学者が爆死する。

ウィルは、エブリンらとともにフォーラムに参加、自分たちの研究がいかに人類の役に立つのかを
説明していたが、観客の一人が「あなたは神を作ろうとしているのか」と聞く。

講演後、質問をした観客はウィルに近づき、1発の銃弾を放ち、直後に自殺する。
幸いにもウィルの傷は浅く、程なく退院できるが、その後体調はすぐれず、むしろ悪化。
詳細な検査の結果、ポロニウム中毒(内部被ばくによる放射線障害)と診断される。

助ける手立てはなく死ぬのを待つだけだった。
エブリンはマックス(ホール・ベタニー)とともにウィルの意識をPINNの中に取り込めないかと模索する。
冒頭爆死した研究者が半年も前に猿の意識をAI化することに成功していたことが分かり、
二人は瀕死のウィルに端子をつなぎ、その意識をデータとして吸い上げていく。
結局ウィルは死に、火葬後、湖に散骨で、文字通りこの世から姿を消した。

PINN自体は開発中断で停止させられていたので、エブリンがユニットを数個盗んで自宅に持ち帰り、
密かにウィルの意識を移植し、起動を試みる。
しかし、どうやってもうまくいかず、諦めてシャットダウン。
データを消去しようとして再起動すると、ディスプレイの向こうからウィルの声が話しかけてきた。

喜ぶエブリン。いろいろと周辺機器を接続するうち、ウィル(の意識を持つコンピューター、以下、ウィル)は
ネットへの接続を要求するが、マックスはウィルの意思ではないと考え、シャットダウンを要求。
怒るエブリンはマックスを追い出してしまう。

その頃、ウィルらを攻撃した非AIを唱える組織RIFTはPINNの基盤がいくつか抜かれていることを知り、
マックスを拉致し、エブリンの行動を探ろうとする。

エブリンは投資会社を作り、ネットにつないだウィルの手によって株取引で巨額の富を得る。
そしてそれを元に、(BrightをBlightと落書きされるような)寂れた田舎町のブライトタウンに
巨大なデータセンターを建設する。

それから2年。
センターではウィルが最大限の能力を発揮し、病気ゃ怪我を回復させるなど次々と奇跡を成し遂げていた。

FBIのブキャナン捜査官(キリアン・マーフィー)とともにデータセンターにエブリンを訪ねた
かつての共同研究者ジョセフ・タガー(モーガン・フリーマン)は、大型の量子コンピューターに驚愕。
視力障害を短時間で直す技術などを見るが、エブリンに「逃げ出せ」とのメモを渡す。

エブリンはウィルがあまりにも詳細に事実を把握、自身が監視状態にあることを嫌う。
またウィルは、ナノマシンを介して機器や人々をコントロールし始め、
ナノマシンをばら撒くことで全世界をコントロールしようと考える。

ブキャナンは、ウィルの治療と肉体強化施術がスーパーソルジャーからなる軍隊の創設につながると考え、
RIFTと結託してウィルを倒そうとする。

ブキャナンは武装部隊を派遣、地下にもトンネルを掘って、電源であるメガソーラーを爆破破壊しようとするが、
ウィルのナノマシンが直ちに修復、ウィルにコントロールされた人々も銃弾に倒れても直ちに回復する。

このころにはマックスはRIFTに同調、ウィルを壊そうとしていた。
エブリンはマックスに暴走しているのはウィルではなく、それを作ったエブリンだと諭され、
マックスが作成したナノマシンコントロールウィルスを体内に仕込んでウィルを壊しに行く。

しかし、現れたのは、再生技術を使って本当に実体化されたウィル。
戸惑うエブリンだが、ブキャナンらの攻撃で負傷。ウィルによって地下のセンターに運ばれる。

ウィルはエブリンを救うことと自身を破壊することの両方はできないと言うが、
結局ウィルスを取り込んで自身を破壊し、エブリンも死んでしまう。

しかし、あらゆる機器をコントロールしていたウィルの停止は、あらゆる機器の停止を招き、
全世界が前近代的な生活に戻ってしまう。

**

RIFTの女指導者ブリー(ケイト・マーラ)は憎々しかった。
PIFTは環境テロリストともいわれるグリーンピースなどをイメージしているんだろうが、
破壊工作の是非、善悪を映画のコンセプトではどう考えているのか良くわからない。

ポロニウムは殆ど100%がアルファ崩壊でアルファ線は簡単に遮蔽できるため、外部被ばくの危険性は極低いが、
放射性量は天然ウランの数十億倍できわめて毒性が高く、ごく微量のポロニウムでも内部被ばくすれば死に至る。
このため猛毒でありながら扱いは安全と言う一見矛盾した性質を持っており、実際に暗殺に使われたことがある。

アメリカ映画の「巨大パワー対人類」の構図では、その中核である何かを壊せば全部パー、的な締め方が多い。
この映画もその例に漏れず、ジョニデの意識を埋め込まれたPINNを壊して全部ストップ。
しかし、そもそも自立型のAIを作ろうとしていたのに、すべて中央制御がその結論では浅すぎる。

しかもそれがコンピューターウィルスって「インディペンデンスデイ」と一緒かよ。

インターネットのように複合的相互依存のシステムでは、
群体のように全体としては機能分担しながらも個々が独立して生存できるわけで、
中央シャットダウンですべて機能停止にはならない。

そもそも、ネットに繋がれない機器だってあるし、電子制御でない機械もあるわけで、
映画のような結末にはならない。
「ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う」は似たような結末だが、あっちはコメディだから許される。

そもそも論で言えばいかに優れたAIでも、全世界の知識と知恵を総結集しても神にはなれないし、
そもそもエンジニアは神を作ろうなんて思ったりはしない。

結局、AIは善なのか悪なのか、善でもあり悪でもあるのか、科学者、研究者の葛藤も良く見えない。

「お前らはバカだからほっとくと不幸になるので、私が制御して幸せにしてやる」として、
作られたマシンが暴走した結果、不幸になるってのは使い古されたネタのような気がして
あまり新鮮味はないし、設定されたタイムスパンが長すぎて、展開がだらだらしすぎ。

 

 

     

 

 

 

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