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今年の累計:13(0)[2] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:13(0)[2]本 、4−6月期:0(0)[0]本、7−9月期:0(0)[0]本、10−12月期:0(0)[0]本  
1月:3(0)[1]本、2月:4(0)[0]本、3月:6(0)[1]本  
−−−−−−−−−−−−*−−−−−−−−−−−−  
 バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生    

ベン・アフレック、ヘンリー・カビル、ガル・ガドット、エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ、
ローレンス・フィッシュバーン、ダイアン・レイン、ケビン・コスナー、

スーパーマン(ヘンリー・カビル)はその圧倒的な力で、宇宙人(ゾッド将軍の軍隊)と対決。
街中を破壊しつくしながらも敵を撃退する。
しかし、その陰で大勢の一般市民が犠牲になり、ウェイン社の社員も死んだり、大けがをするものが多く出た。
その結果、ウェインはスーパーマンを人類に対する脅威だと考えるようになった。
上院議員のフィンチ(ホリー・ハンター)もその一人。

幼いころ、両親を暴漢に射殺されたブルース・ウェインは、葬儀の際に偶然落ちた空井戸の奥に蝙蝠の巣と施設を発見。
大きくなったブルース・ウェイン(ベン・アフレック)は、執事のアルフレッド(ジェレミー・アイアンズ)を助手に
バットマンとして悪の掃討に努力していた。
悪漢には蝙蝠マークの焼き印を押し、焼き印のあるものは刑務所で他の囚人になぶり殺しにされる運命にあったため、
クラーク・ケント(=スーパーマン)はバットマンの行為はやりすぎで止めなければいけないと考えていた。

デイリー・プラネット社のロイス・レイン(エイミー・アダムス)は、アフリカの武装勢力の取材に訪れていたが、
同行したカメラマン(多分、ジミー・オルセン、マイケル・キャシディ)が無線機を発見され、射殺される。
ロイスもあわや、というとき、スーパーマンが現れて救出するが、武装勢力の傭兵が仲間を撃ち殺して逃げる。
ロイスは取材ノートに引っかかった弾丸を持ち帰る。

ロイスは、現場にあった弾丸が軍用の試作品であることを突き止め、その供給元を探るため、
スワンウィック議員(ハリー・レニックス)に接近する。
議員からは、弾丸はレックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)の社の製造品であることが知らされる。

ゾッド将軍とスーパーマンの戦いの際、破壊された宇宙船から放出されたクリプトナイトの塊が、
アジアの海中から引き上げられていた。

レックス・ルーサーは、クリプトナイトの破片がゾッド将軍の遺体を切り裂くことができることを知り、
無敵のスーパーマンの力をそぐ兵器に転用できると考えるが、フィンチ議員は輸入を認めない。

ウェインはクリプトナイトのことを知り、ルーサーの屋敷に忍び込もうと考えていたが、
同社で行われるパーティに招待されたのをいいことに、サーバー室に侵入し、データを盗み出す。

しかし、データを取り込んだ端末はパーティに来ていた謎の美女(ガル・ガドット)に奪われる。
また、取材に来ていたケントにアルフレッドとの無線通信を傍受され、バットマンであることがばれる。

ウェインは謎の美女(=ダイアナ・プリンス)に接触して、端末を返してもらい、分析の結果、
ダイアナが100年近く前に戦争に参加していた記録などを発見、メールで転送する。
また、クリプトナイトの塊がルーサーによって貨物船で密輸されることを知り、
横取りしようと襲うが、事情を知らないスーパーマンに阻止される。

ゾッド将軍との戦いで両足を失い、腹いせにスーパーマンの像に偽の神(FAKE GOD)と書いて
器物損壊に問われた元ウェイン社社員のウォーラス・キーフ(スコット・マクナリー)に対し、
ルーサーは保釈金を出し、議会での聴聞に参加するよう仕向ける。

いよいよスーパーマンの聴聞の日。
スーパーマンを支持する者、非難する者が議会前に集まっていた。
関係者が待つ中、スーパーマンが登場し、議場に入る。
フィンチ議員が聴聞の開始を宣言する途中で、キーフの車いすに仕掛けられた爆弾が破裂、
離席していたルーサーとスーパーマン以外の人物が全員死亡する。

いよいよスーパーマンを倒すべきと考えるウェインはルーサーの会社に侵入しクリプトナイトの塊を入手、
アルフレッドとともにクリプトナイトを粉末や槍に加工し、自身も体を鍛える。

そして、強化金属によるバットスーツに身を包み、ビルの屋上からバットマンサーチライトを照射してスーパーマンをおびき出す。

ルーサーは配下にスーパーマンの母、マーサ(ダイアン・レイン)を拉致監禁させ、
ロイス・レインを誘拐してバットマンをおびき出す。
スーパーマンはロイスは救出したものの、ルーサーに母を助けたければバットマンを殺せと言われ、
バットマンと対決する。

スーパーマンはバットマンに簡単に勝てると思っていたが、バットマンはクリプトナイト粉末弾などで
スーパーマンの力を削ぎ互角に戦う。

激しい格闘の末、倒れたスーパーマンにバットマンは槍でとどめを刺そうとする。
スーパーマンが「マーサを助けて」と叫び、自分の母の名前を呼ばれたと思ったバットマンは動揺し、
駆け付けたロイスにマーサはスーパーマンの母の名だと聞かされて、急にスーパーマンを助けようと考える。

スーパーマンはちょうど異常な動きを見せていたゾッド将軍らの宇宙船の残骸に向かい、
バットマンはスーパーマンの母の救出に向かう。
ロイスは現場に残されたクリプトナイト槍を水中に放り込む。

その頃、ルーサーは、ゾッド将軍の指紋を使って宇宙船内に入り、ゾッド将軍の死体と自分の血を利用して、
ゾッド将軍をデーモンに再生していた。

宇宙船から飛び出したデーモンに対峙するスーパーマン。
スーパーマンの母を救出したバットマンも加勢するが、デーモンはかなり手ごわい。
スーパーマンはデーモンを宇宙に飛ばし、軍は核ミサイルで攻撃するも、スーパーマンを一時気絶させるだけで、
デーモンには効かず、地球に落下したデーモンはさらに狂暴になる。
その時、ニュースを耳にして駆け付けたダイアナはワンダー・ウーマンとして、盾と剣を駆使して戦う。
スーパーマンも気が付いて戦いに加わるが倒せない。
バットマンのクリプトナイト粉末弾がデーモンに当たり、パワーを削いだ隙に
ワンダーウーマンの剣がデーモンの右手首を切り落とすことに成功する。

ロイスは自分が捨てたバットマンの槍なら、デーモンを倒せるかもしれないと考え、水中に槍を探しに行く。
しかし、その上にがれきが崩れて閉じ込められるが、スーパーマンがロイスの危機を感じて助け、
さらに自身の危険を顧みず槍を水中から引き上げる。

スーパーマンはデーモンに向かって飛び、クリプトナイト槍をデーモンに突き立てる。
デーモンはワンダーウーマンに切られた手首を鋭利なものに再生し、逆にスーパーマンの胸を突き刺す。
スーパーマンとデーモンは互いに差し違え、共に絶命する。

スーパーマンの死は大々的に報道され、クラーク・ケントの死は小さい記事として掲載される。

レックス・ルーサーは逮捕され、丸刈りにされて収監される。

マーサ・ケントとロイス・レインは悲しみ、ブルース・ウェインとダイアナ・プリンスの見守る中、
クラーク・ケントの葬儀が行われる。
一方のスーパーマンは空の棺で国葬が行われる。

ブールス・ウェインは、ダイアナ・プリンスに対し、メタヒューマンを探し出し、
スーパーマンに代わる正義のチームを作ろうと呼びかけるが反応は薄いまま、ダイアナは立ち去る。

ロイスはクラーク・ケントの棺に砂をかけるが、棺は揺らぎ砂が舞い上がろうとするところで映画は終わる。

はっきり言って、ファン以外無視。
最低でも「前作の『マン・オブ・スティール』は見といてね」映画。

前作を知らないと冒頭のスーパーマンの戦いはいかにも唐突だし、
ゾッド将軍がどうのこうのも前作を知っていることが前提。
ロイス・レインはスーパーマンの正体をすでに知っているし、
ケビン・コスナーが突然現れたのも前作を見ていないと意味不明になる。

ジャスティス・リーグの他のメタヒューマンが出てくることは出てくるが、
レックス・ルーサーの資料の中の映像(写真または動画)のみであり、
実際の登場は次回作にゆだねられた。

また、それぞれのアイコンもファン以外には無縁で説明がないため、どれがどれかよくわからない。

多分ロビンは死んだ設定だと思われるが、落書きされたバットスーツはほんの一瞬しか登場せず、
細かい描写を見ることができない。

バットマンの装備が登場するシーンは全体に画面が暗いため、詳細がつかみにくい。
バットモービルは、ノーラン版のボディにオリジナルのキャノピーをつけた感じ。
但し、ドアはノーラン版のように斜め上に開放する。

バットウィングも新形状のように見えた。

前作「マン・オブ・スティール」の感想では
「戦いによる破壊はすさまじく、過去のヒーローものをはるかに凌駕する史上最大の都市破壊。
 あれだけのコラテラル・ダメージが必然であるとするならば、人類が絶対に共存できないレベルで、
 スーパーマン排斥運動が起こってもやむを得ない。」

今作もそれを上回る破壊力でメトロポリス、ゴッサム・シティとも壊滅的大打撃を受ける。
悪を倒すためとはいえ、何をやってもいいのか、大量の犠牲はやむを得ないものなのか、
果たして誰のための何のための正義なのか、スーパーヒーローの今後を憂うに足る展開であった。

 

 

 

 

 僕だけがいない街   

藤原竜也、有村架純、及川光博、石田ゆり子、杉本哲太、鈴木梨央、石川翼

2006年。
売れない漫画家として、ヒーローものを書き続ける藤沼悟(藤原竜也)。
宅配ピザ屋でバイトする毎日。

悟には不思議な体感というか、能力があった。
何か大きな事故が起こる直前、デジャブに襲われ、事故の前後が繰り返されるのだ。
悟はそれをリバイバル(再上映)と呼んでいた。

ある日、悟が配達中に暴走トラックが歩道に突っ込んで小学生をはねる事故が起こる。
その直前にリバイバルで戻った悟は、被害にあうはずの小学生を別の横断歩道を渡るよう指示、
暴走トラックに並走して運転手を起こそうとするが、事故そのものは防げず、
自分自身も乗用車と衝突してしまう。

病室で目覚めた悟。
ピザ屋のバイト仲間である片桐愛梨(有村架純)が見舞いに来ていた。
トラックの運転手は心臓発作だったらしい。
幸い、悟にはほとんどケガがなく検査結果も良好、すぐに退院することができた。

アパートに帰ると、北海道から母の佐知子(石田ゆり子)が来ていた。
暫く悟のアパートで世話をするという。

暫くして悟は佐知子とショッピングモールに買い物に行った。
たまたま愛梨が悟親子に気づき駆け寄ってきたとき、悟はまたあの違和感に気づいた。
繰り返される愛梨との遭遇シーン。
何が起こるのかと目を凝らす悟。
その時、佐知子もモールの近くに停まるワンボックスに何らかの異変を感じたが、
特に何も起こるでもなく、その場は収まった。直後、佐知子は誰かに電話した。

アパートで佐知子は悟がもう忘れてしまっていた18年前の事件について言及した。
それは北海道の地元で美琴で起こった小学生の連続誘拐殺人のことだった。

事件が気になった悟は昭和事件簿などの図書で調べてみた。
18年前の3月2日、悟の通う美琴小学校の同級生をはじめとする何人かが誘拐殺人の被害にあい、
白鳥潤という男性が逮捕され死刑囚として収監されている事件だった。

当時、白鳥潤(林遣都)のことを知っていた悟は「白鳥潤は犯人じゃない」と言い張ったが、
誰にも聞き入れてもらえなかった。

翌日、悟がアパートに帰ると佐知子は包丁で背中を刺され倒れていた。
悟は焦って救急車を呼ぶと、外で物音がし、その姿を犯人だと思った悟はその後を追った。

しかし、行方を見失い、途方に暮れていると警官に追われ、路地を逃げゴミ箱にぶつかって倒れた。
そのとたん、悟は1988年2月にタイムスリップした。

小学5年生になってしまった悟(中川翼)は、母の死の事件が小学生の連続殺人に関係があると感じ、
被害者である同級生の雛月加代(鈴木梨央)を救えば、母が助かるかもしれないと考え、加代に近づこうとする。
明らかに家で虐待を受けている加代。
気になって加代の家に様子を見に行き、ケガをして物置で休んでいる加代を見つけるが、
加代は自分で転んだと言い張る。

悟は担任の八代先生(及川光博)に加代の虐待の疑いを相談する。
八代先生は自分も児相に連絡しているが動いてくれない、そっと様子を見ていこうと答える。

悟は事件のあった3月2日に加代を身近なところに置けば事件が起こせないと考え、
誕生会に加代を呼ぶことにする。

加代の母(安藤玉恵)は当初反対するがしぶしぶOKする。
加代は悟のために手袋を編み始める。
誕生会前日、加代の母はまたも誕生会に反対するが佐知子に押し切られてOKする。
そして誕生会当日、実は同じ誕生日だった加代も祝い、悟は加代に手袋をプレゼントする。
佐知子と二人で送っていった悟に加代は手編みのプレゼントを翌日渡すと言って別れる。

翌日、加代は学校を休んだ。
加代の家に様子を見に行った悟。加代の母が加代の編みかけの手袋を捨てたのを見て
救えなかったと愕然としてその場を走って去るが、途中で転び、元の世界に戻る。

しかし、その場に警官はおらず、たまたま通りかかった愛梨が悟を自分の家に連れていく。
愛梨は悟が母殺しの犯人ではないと信じ匿う。

愛梨によれば、子供の頃、父が万引きの疑いをかけられ、あくまでやっていないとする父は
結局警察につかまり、仕事も辞め、離婚に至ったが、後に母は「どうして父を信じてあげられなかったのか」
と、自責の念に駆られたという。

悟は、図書館で新聞縮刷版を見て加代の殺人が3月3日になっていたことを知る。
事件は解決していない。
愛梨の家に戻る悟。ピザ屋の店長(高橋努)が物陰からその様子を見ていて愛梨にばれる。

翌日、悟は事件現場に落ちていた佐知子のメモにあった先に電話する。
その相手はかつて北海道で佐知子の同僚だったジャーナリストの沢田真(杉本哲太)だった。
沢田は白鳥潤の冤罪を信じ、事件を調べていたそうだ。
沢田の資料には事件の被害者や手口が書かれていた。
そして、あの日、佐知子から真犯人を知っているかもしれないと連絡があったという。

悟が愛梨の家に戻ろうとすると火事になっていた。
必死で家に入り、倒れている愛梨を担いで出ようとするもままならない悟。
そこに店長が飛び込んできて悟を手助けし、悟を裏口から逃がす。

愛梨は軽傷で入院となるが、警察は自宅放火の疑いもあるとみて愛梨を監視していた。
愛梨はすきをついて病室を抜け出し、悟あてにメールして落ち合う。

しかし、警察に追跡され、ついに悟は逮捕される。
連行される途中、悟はまたタイムスリップ(リバイバル)して、また1988年2月に戻される。

今度は失敗できないと思った悟は誕生会にも来るケンヤ(賢也)に相談を持ち掛ける。
そして誕生会。
前回と同じように加代にプレゼントを渡したところで賢也は中座する。
誕生会が終わり、前回とは違って一人で加代を送るという悟。
加代の家にはいかず、和泉小のホッケー部の廃バスの中に賢也が寝場所を作っていた。
学校に行かず、バスの奥に隠れる加代。夕方は賢也と悟と3人で過ごした。

こうして、誕生日から何日かが過ぎた夜、加代の寝るバスに一人の人物が入ってきた。
身を潜めた加代。
翌日、賢也と悟と再会した加代は昨夜大人が入ってきたので悟に泊まってくれと言う。
焦る悟。
果たしてバスの中には怪しい段ボールが。
目出し帽、ロープ、練炭、霧吹き、長靴、それらは大人の悟が見た沢田の資料にあったものばかりだった。

悟は、加代を自宅に連れていく。
佐知子は悟を叱らず加代を泊め、児相に連絡する。

翌日、佐知子は加代をつれ加代の家に行く。
怒り狂う加代の母だが、児相の職員が到着し、加代を一時保護して連れて行った。
八代先生は悟の行動を褒めた。

これで加代は助かったはずなのに、悟は現代に戻れなかった。
加代は助かっても犯人を捕まえなければ佐知子は助からないのか。

家に帰ると沢田が来ていた。
悟は沢田に別の誘拐殺人事件の状況を教えてもらう。
そして被害者の共通点を知る。

悟の疑念は八代先生に向いた。
学校でやはり一人浮いている美里に近づく八代先生。
ホッケーの試合を観戦に来るよう誘っていた。

悟もその試合に観戦に行き、偶然のふりをして美里に近づく。
途中で抜けた美里を追って悟が会場から出ると、白鳥食品の軽トラが出発したところだった。

心配そうに出てきた八代先生の車に乗って悟は白鳥食品の軽トラを追う。
車中、悟は八代先生が犯人でないことを祈りながら問い詰める。

八代先生は自分が犯人だと告白し、橋で車を止めて悟を川に落とし、町を出ていくのだと言う。

川に投げ落とされた悟。
気が付けば自動車事故直後の病院だった。

見舞いに来ていたのは愛梨ではなく大人になった雛月加代だった。

悟は弁護士になっていたケンヤこと、小林賢也(福士誠治)に会い、
八代先生の現在と、小学生誘拐殺人事件の調査を依頼する。

八代は、婿入りして姓を変え、西園学と名乗り、現在は市会議員をしていた。
また最近怒った小学生の誘拐殺人事件の手口は18年前と大差なかった。

西園は今も小学生を狙い、たまたまショッピングモールで佐知子に顔を見られ事件が未遂に終わった。
また、愛梨の働くピザ店にも顔を出しており、愛梨とも面識があったのだ。

悟は西園と対決する。
悟は西園が自首するよう諭すが西園はナイフを取り出し、自決するという。
止めようとする悟ともみあいになり、西園は悟を切りつける。
賢也とともに来た警察官が西園を逮捕するが、首を切られた悟は賢也の腕の中で息絶える。

10年後。
墓の前で賢也や加代を含む小学校時代の同級生、そして冤罪が晴れた白鳥潤が献花し、
悟を偲ぶのだった。

タイムスリップ、未来を変えるために過去を修正する、SFではありがちなテーマだが、
よくまとまっていたと思う。

ただし、犯人が明らかになってから、最後の対決まではやや唐突というか説明不足。
結末はあのままだとしても、もう少し丁寧に段取りを踏んでいく感じがあっても良かった。

ラストをどうするかはいくつかの選択肢があっただろう。
原作通りとするか、TVアニメに合わせるか、いずれとも違う結末とするか。
 

子役は皆うまい。

 

 

 

 

 アーロと少年     

PIXARの作品。

およそ6500万年前。
小惑星帯で起こった衝突で弾き飛ばされた1つの微笑惑星が、地球に向かって飛んできた。
この微笑惑星は地球の引力に引っ張られ、恐竜が跋扈する大気圏に突入して地球に激突・・
せずに過ぎ去った。

それから長い年月が経ち、恐竜たちは平和に暮らしていた。

川沿いの平地に住むアパトサウルスのパパとママは3つの卵の孵化を心待ちにしていた。
1つ目、2つ目と順調に孵り、最も大きい3つ目の卵から生まれたのは最も小さい子供だった。
長男はバック、長女はリビー、そして次男はアーロと名付けられた。
長男と長女は大きく育ち、両親の畑仕事を手伝った証として、穀物倉庫に足形をつけた。
アーロはまだだったが、倉庫からトウモロコシを盗む泥棒を捕まえて叩き潰す役割を担った。
アーロが見張る中、仕掛けにかかったのは小さい人間の子。これがタイトルの「少年」
臆病はアーロは叩き潰せずに逃がしてしまう。

パパはアーロを鍛えようと、一緒にその足跡を追うことにした。
川沿いに後を追う二人。
雨が降り、下は滑る。アーロは足を滑らせてくじいてしまう。
パパはここでアーロに無理強いをしていたことに気が付き、帰ろうとする。
しかし、雨が川に濁流を呼び、パパは焦ってアーロを高みに上げるが自分自身は逃げ遅れ、
濁流にのみこまれてしまう。

失意で家に戻るアーロ。
父を亡くした一家はそれでも畑仕事に精を出す。
暫くするとまたトウモロコシ泥棒が倉庫の中に。
アーロはそれを見つけ、追いかける。
そしてまた川沿いに後を追う。

またも雨。
上流で土砂崩れが起こり、濁流がアーロと少年を襲う。
あっという間に流れに飲まれたアーロは一気に下流に流されてしまう。

水か引き、気が付いたアーロ。
川から上がり、木を組んで急ごしらえの雨宿り。
暫くすると少年がアーロの食事のつもりかトカゲやら、昆虫やらを運んできた。
いずれも草食のアーロには食べられない。
そして木の実も。アーロは食べたが全く足りない。
すると少年はアーロを先導して崖っぷちを木の実のある所まで連れて行った。

アーロは少年を許し、一緒に家に帰ることにした。
川沿いにギサギザ山の見えるところ。

途中多くの動物を連れたスティラコサウルス(多角のケラトプス)に出会い、
少年の所有を巡って名づけ合戦があり、アーロが「スポット」と名付けて同行することになる。

ギザギザ山の方角を巡っては3羽のプテロダクティルス(あるいはプテラノドン、ニクトサウルス)に出会い、
スポットを奪われそうになるが、とっとと逃げる。

また、盗まれた牛と牛泥棒を追うティラノサウルスの兄妹弟に出会う。
彼らも肉食だがアパトサウルスや人間は襲わず、スポットが臭いを追跡して牛を発見。
牛泥棒のユタラブトル(あるいはベロキラブトル)と、戦いになりこれを撃破。
牛追いを手伝いながら途中までティラノサウルスと同行する。

この中で、弱虫のアーロは凶暴なティラノサウルスですら怖さを知っていることを知る。
やがてギザギザ山まであと少しのところに着くが、プテロダクティルスの一味が再び
スポットを狙って襲ってくる。アーロは意を決して戦い、一味を撃退する。

もうすぐ家に着くところまで来て、時々姿を見せていた人間の一家が姿を見せる。
スポットとは髪の色も目の色も違うが、同じ種であることは自明ですぐに打ち解ける。
しばしの交流の後、アーロと行動を共にしようとするスポットをアーロは静かに押し戻し、
スポットは人間の一家とともに去っていく。

アーロはついに家にたどり着く。
一瞬パパと見間違えたママもすぐにアーロに気づき、バック、リビーとともに再会を喜ぶ。

アーロも食糧倉庫に足跡をつける人ができ、一家にはまた平和な日々が戻ってくるのだった。

恐竜はすべてアニメっぽくディフォルメされているが、それ以外の部分は超リアルで、
特に水は美しいとしか言いようがない。
今までも水面や波や飛沫はすごかったが、水の中、水面からの水中の様子と水中の視点の両方だが、
実写と見まごうばかりで、アニメっぽいアーロやスポットらとも違和感が全くない。

ただ、物語はそれほど深くはないが吹き替えはよく合っていた。
アーロは石川樹(たつき)という子役が吹き替えで、声質は12歳なりだが違和感はなく、
他の吹き替えキャストもうまかった。

*

当初、2014年の公開予定だったが、いろいろあって2015年にずれ込み、
そのせいで2015年は「インサイド・ヘッド」と2本公開されることになった。

さらに「ファインディング・ドリー」の公開まで1年ずれることになった。

監督の交代、キャストの交代、脚本の見直し、公開時期の延期はいずれにしても
全米での前評判には良い影響を与えず、興収にも確実に影響する。

 

 

          

 

 
 マネーショート 華麗なる大逆転   

クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ブラッド・ピット、ライアン・ゴズリング

**

2005年頃、アメリカは住宅景気に沸いていた。
住宅価格は上昇を続け、住居としての需要だけでなく、投資の対象になっていく。
いざとなれば担保の家を取ればいいから、銀行は返済能力の怪しい人にも金を貸し、
どんどんと家を買わせる。それがサブプライムローン。

ローンの原資はモーゲージ証券で集める。
さらにスワップやオプションといった金融商品を組み合わせ、ディリバティブ証券に仕立て上げる。
それを銀行はガンガン市場で売り、投資家はバカスカと儲けている。

そんな日々が続くころ、一人の投資家、マイケル・バリー(クリスチャン・ベール)は、
格付けの高い多くのデリバティブが、実はずっとリスクの高い危ない商品であると考え、
主要な出資者のフィールズ(トレーシー・レッツ)に話を持ちかけるが相手にされない。

しかし、自分の説に確信を持つバリーは、デリバティブの値下がりを補填するスワップ商品、
CDS(クレジット・ディフォルト・スワップ)をデリバティブを扱う銀行に持ち掛ける。

バリーはデリバティブの破綻を山勘で言っているわけではなく、大辞典ほどもある目論見書を読破し、
組み合わされている金融派生商品の多くが、サブプライムローンの破綻に引きずられる構造になっており、
AAAの格付けが実態に見合わないことを見抜いていた。

普段はTシャツにスリッパのバリーがスーツに身を固めて銀行に折衝に向かうが、
ほとんどのところは、デリバティブの破綻などありえないと、けんもほろろに追い返す。

最初にバリーの要求に応じたのはドイツ銀行のジャレッド・ベネット(ライアン・ゴズリング)
バリーは、ここで莫大な金額のCDSを買うことに成功する。
さらに、バリーは多くの銀行を回り、CDSの購入を次々と契約していく。

若手投資家のチャーリー・ゲラー(ジョン・マガロ)と、ジェイミー・シップリー(フィン・ウイトロック)は、
自分たちの投資話を証券会社に持ち込むが、まともに会議室にも通されず、
お茶も出されずロビーで若手社員に体よく断られる。

二人の会社は若く小さいため、許認可の関係で大口取引ができない。
そこでかつて凄腕の金融マンで今は一線を退いている既知のベン・リカート(ブラッド・ピット)に
協力を依頼する。

ベン・リカートはオーガニック野菜を育てながら悠々自適の生活だったが、二人に協力する。

ゲラーとシップリーはやがてバリーがCDSの大量買いをしていることに気が付く。
そこでバリーの動きを調査し、サブプライムローンに絡むデリバティブがやばいことに気づく。

二人がCDSの買い付けを相談するとリカートは話に乗ってくるが、
なかなかCDSの取引に応じる相手は見つからない。

その頃、ゴールドマン・サックスのディーラー、マーク・バーム(スティーブ・カレル)の元に
ベネットがやってきて、CDSを買わないかと持ち掛ける。
バームのチームは、ベネットの話を保証料をせしめたいだけのインチキと決めつけるが、
バームは詳しく調べようと考える。

そして実際の住宅市場を調べて回り、既に住宅価格は高止まりしていて、
転売もままならず、空き家が増えていること。

ストリッパーでさえ、低金利ローンの借り換えを当てにして多額の借金をして家を買い、
10軒も20軒も投資目的で家を持っていること。

さらには、サブプライムローンの審査が実にいい加減で、
そのデリバティブもろくな審査もなくAAAに格付けされていたことを知る。

証券会社はサブプライムローンに絡むデリバティブをまとめて担保とし、
債務担保証券(CDO=コラテライズド・デット・オブリゲーション)に組み替えている。
CDOの格付けは高く、デリバティブのリスクは見かけ上回避されたかに見えるが
元の債権がクズなら、CDOは「クズを組み合わせた新たなるクズ」に過ぎない。

ついにバームはチームや上司の反対を押し切ってドイツ銀行を介してCDSを大量に買い付ける。
ドイツ銀行はデリバティブの破綻を予測しているわけで、CDSの売り手ではなく仲介。

この間、債券市場は全く混乱なく展開し、バリーは大量に買ったCDSの保証料支払いに追われる。

証券ディーラーのコンフェレンスがラスベガスで行われることになり、
バームのチーム、リカートとゲラー、シップリーらも参加する。

バームの目的は本当に証券会社やアナリストがクズなのか見極めること。
コンフェレンスの席で債券市場は底堅いとのアナリストの意見に散々ケチをつけるバームだが、
会場の雰囲気はアナリストに賛同していた。

リカートとゲラー、シップリーはCDSを買い付けることだった。
結局、ゲラーとシップリーは大量のCDSを手に入れ大喜びするが、リカートは
俺たちが儲かるということか大勢の人が破綻し、職を失い、資産や年金を失い、死ぬことだ、
そういう商品を買っているんだということをよく考えろ、とたしなめる。

やがて、サブプライムローンの破綻が増え、そのデリバティブも破綻するものが増えてくる。
しかし、債券市場に動揺は見られず、格付けも下がらない。

バリーはCDSの値上がりを見越し、投資家の資金引き上げを停止すると宣言するが、
フィールズはバリーの事務所に乗り込んで資金を引き揚げると言い放つ。

バリーは持っているデリバティブやCDOを処分し、CDSの保証料支払いに充てる。

バームは下がらない格付けに業を煮やしS&Pに乗り込むが、担当者はうちがAAAをつけなければ、
ムーディーズに客を取られるだけだと言い放ち、バームを呆れさせる。

その後もディリバティブの破綻は続き、CDSの市場価格が上がっていく。
バリーの投資会社はCDSを売って大きな利益を生むが、バリーは何かやりきれないものを感じていた。

ゲラーとシップリー、リカートもCDSを売りぬけて莫大な利益を手にするが、
リカートは金融から足を洗い、田舎暮らしに入ってしまう。

ベネットはCDSの仲介で、莫大な手数料収入を稼ぎ、巨額ボーナスを手にした。

一方、バームはまだCDSを保有していた。
ゴールドマンサックスの上司はバームを呼びつけて神妙な顔つきで説明を始めるが、
バームは自社が大きい損失を出していると気づいた。

ゴールドマンサックスはバリーが手放した大量のCDOを買っており、それが破綻していたのだ。

バームのチームは、CDSの売り抜けを迫る。
CDSが損失を補てんするものとはいえ、元の担保証券が完全に破綻すればCDS自体も紙くずになる。
バームもついに折れて、CDSの売りを指示する。

バームにとっても彼の社にとっても後味の悪い勝利だった。

サブプライムローンの破綻を予測してリーマンショックを切り抜け、
大儲けした人たちの話、といった単純なものではありません。

はっきり言って金融証券の仕組みがわからないと、難解な映画でした。
緊迫感があったなどと書いている人が多いですが、チラシにある「空売りとは」を読んで、
なるほど、などと思っている人に緊迫感が伝わるとは到底思えません。

私見ですが、映画にドキドキした人はよほどの金融通か、能天気な人です。

CDS、CDOは初耳でした。

大体、CDSを買っているわけで(CDSもデリバティブの一種)空売りなんかしてないし、
ましてや「華麗な」面は一つもなく、何が大逆転なのか不思議です。

また、彼らが一つの商品に固執して山を張っていると思っていたら見誤ります。
バリーですらCDOを持っていたし、他の金融商品をたくさん持っているはず。

バームの会社もCDSでは儲けたのにCDOで大損こいてますからね。

最低でもデリバティブ、ヘッジ、スワップ、オプションの意味くらいは分からないと
何を売り買いしているのかすらわからないと思います。

一般的な意味合いではなくデリバティブの個別商品の値付けの仕組み、
その売買(当初の売買だけではなく償還前の市場取引)がどのように行われるのか、
そもそも償還前の途中売買ができるのか、市場があるのかさえもわかりません。

デリバティブは多種多様多岐にわたり、デリバティブ証券の中身を十分理解してから
投資する人はそうはいないでしょう。
バリー(クリスチャン・ベール)が目論見書を全部読んだと言って驚かれますが、
バリーは、組み込まれた個々のデリバティブがどの程度危ないのかもきちんと吟味しています。

バブル崩壊前には、バブルの崩壊はもちろん、自分たちがバブルの真っただ中にいることも
予測できていなかったでしょう。

バブルがはじけるというと、一気に壊滅的な収縮を想像しますが、
実際には徐々に空気がけるようにしぼんでいき、気づいた時にはもう遅い。

実はサブプライムローンが破綻しても、住宅価格が上がり続ける限りモーゲージ証券は破綻しません。
値上がりした担保の家を売ればいいだけだから。
ローンの借り手は破綻するが、それは銀行にとってはどうでもいいことで、
顧客のことよりもどうやって稼ぐかの方が大事なんでしょう。
リカート(ブラッド・ピット)は銀行のやり口が嫌になったと言っています。

CDS、クレジット・ディフォルト・スワップとは、対象となる金融商品の価格が
下がったときに出る損害を補填するスワップ。
今は違うようですが、補填の対象や保証料の率なんかは相対でかなり自由に決められたようです。
いずれにしてもかなりのハイリスクハイリターン

対象の証券の価格が下がらない場合は一定の率の保証金を払い続けることになる、
いわば、損害補填保険で保証金はその保険料のようなものでしょう。

CDOはコラテライズド・デット・オブリゲーション、日本語では債務担保証券。
担保で債務を保証する証券。
債券を担保に資金を調達する債券ですが、その担保となる債券のリスクがもろにCDOのリスク。

ただ、個別の債券のリスクは様々でリターンも多様なので、うまく組み合わせれば、
ローリスクハイリターンにできそうな気もしますが、大元の担保証券/債券がクズなら
必然的にCDOもクズだと言うのはわかります。

住宅ローンが焦げ付けば銀行がやけどをすると思うのは早計で、そのためのモーゲージ証券であり、
リスクは銀行から投資家に移転されます。

さらにそれを担保にオプションやらスワップを組み合わせて、劇中でセリーナ・ゴメスが
解説していたように取引を何倍にも膨れ上がらせた結果、大元がこければ総崩れ。

なお、ライアン・ゴズリングが、ジェンガを使って説明していたとき、一旦は崩れたジェンガが出ますが、
次のカットではまだ崩れておらず、撮影の時系列が逆転しています。

 

 

          

 SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁   

ベネディクト・カンバーバッチ、マーチン・フリーマン、マーク・ゲイティス、

冒頭、この映画のセットについてスタッフの説明がある。
TV版、つまり現代版シャーロックのセットとの表現の違いを時代考証を踏まえながら解説する。

そして、今までのシーズン1、2、3のダイジェストともいうべきシーンが流れねいよいよ本編に入る。

時は1895年。
ビクトリア時代のロンドン。

ウェアディングドレス姿のリコレッテイ夫人が、バルコニーから外に向かって銃を乱射、
挙句、自分の喉を撃って自殺してしまう。

しかし、その数時間後、死んだはずのリコレッティ夫人が現れ、夫を撃ち殺すという事件が起こった。

シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチ)は遺体安置所に調べに行くが、
確かに遺体はリコレッティ夫人だった。
(遺体安置所のリーダーは口ひげを蓄えたモーリー・フーバー(ルイーズ・ブレアリー))
この事件は亡霊による殺人として、ロンドンの人々を震撼させる。

シャーロックの推理は、自殺は見せかけで血痕などを偽装。
あらかじめリコレッティ夫人とよく似た遺体を安置所に運ばせ、夫を撃ち殺した後、
本当に自殺して、替え玉の遺体とすり替わった、というものだった。

推理を証明するには替え玉の遺体を見つける必要があったため、墓をあばくが、
リコレッテイ夫人の棺には別人の遺体はなかった。

さて、事件は未解決のまま時間が経ち、シャーロックは兄のマイクロフト(マーク・ゲティス)を通じ、
カーマイケル夫人(キャサリン・マコーマック)から依頼がある。
それは夫のカーマイケル卿(ティム・マッキナニー)を守ってほしいというもの。
なんでも、夫は「オレンジの種」が入れられた自分宛ての封書を開けた途端、蒼白となり
屋敷に閉じこもってしまっているらしい。

シャーロックとジョン・ワトソン(マーチン・フリーマン)は、カーマイケル家を訪れる。
いろいろ調べた後、夫人にカーマイケル卿は必ず守ると言い、窓とドアを施錠するようメモを渡し、
シャーロックとワトソンは、邸宅の外で状況を見守る。

しかし、ガラスの割れる音がし、急いで邸宅内に入るとそこには、ナイフを突き立てられて倒れた
カーマイケル卿の遺体があった。

シャーロックを罵倒するカーマイケル夫人だが、時すでに遅し。
「オレンジの種」は復讐を意味し、カーマイケル卿はかつてリコレッティ夫人と関係があったため、
幽霊による復讐におびえていたのだった。

ワトソンの妻、メアリー(アマンダ・アビントン)は、マイクロフトの命を受けて、
シャーロックとは別に事件を探っていた。

そしてついに謎の集団が行っている集会に潜入。
覆面の下には、カーマイケル夫人、フーバーら女性の姿があった。

リコレッテイ夫人の事件はシャーロックの推理通りだった。
カーマイケル卿の事件はカーマイケル夫人の自作自演だった。

事件の裏にはジェームズ・モリアーティ(アンドリュー・スコット)がいた。
ライヘンバッハの滝にシャーロックとともに墜落し、死亡したはずのモリアーティの関与は、
シャーロックを驚かせるに十分だった。
ライヘンバッハの滝の途中の岩棚に落ちたシャーロックとモリアーティ。
加勢に来たワトソンがモリアーティを制するうちにシャーロックはモリアーティを滝つぼに蹴り落した。

シャーロックはドラッグの影響を受けて、意識が19世紀に飛び、事件に対峙していたのだった。
現代と19世紀を意識の中でタイムスリップしながら、シャーロックは事件の全容を解明した。

こうして現代のシャーロックは再び難事件に挑むのだった。

この後主要キャスト、製作/脚本を兼ねるマーク・ゲティスらのインタビューを含むメイキング映像が流れた。

**

「シャーロック」(BBCのTV版ドラマ)のシーズン3(2014年)が終わり、
シーズン4(2016年)へ向けてのスペシャル版として、BBCでTV放映されたものに
メイキングやら裏話を加えて劇場版に仕立てた作品。

本編は90分で前後合わせて2時間にかさ上げしてある。

完全にスピンアウトで同じキャストによる別ストーリー、というわけではなく、
現代と過去をストーリーの脈絡にあまり関係なくタイムスリップするもの。

現代版シャーロックを見ておいた方がいいというよりは、見てないとキャスト間の
関連など、物語の背景、設定がよくわからないのではないか。

劇場版としてみれば不親切極まりないが、TVスペシャルであれば前提知識の範囲。
シャーロック・ホームズの嫌味な性格やたたみかける語り口もTV版と同じ。
メアリー・ワトソン、フーバー、モリアーティなどもTV版と同じ。
違うのはマイクロフトのマーク・ゲティスが特殊メイクでデブっちょになっていたことか。

スタイルも別のホームズ映画のコピーの「鹿撃ち帽子は被らない、パイプも実は嫌いだ」ではなく、
オリジナル小説の挿絵を具現化した典型的なホームズの姿をしている。

現代版ではブロガーのワトソンは新聞小説の作者になっており、
シャーロックの活躍を脚色しつつ小説におこすので、それがもとで言い争いになったりする。

また、現代版では、部屋の髑髏の絵は「女性が鏡をのぞき込む絵のだまし絵」になっているが、
19世紀当時そういう絵の技法はなく「普通の髑髏絵」にしてあるとか、そのほか細かい点でも
シャーロック・ホームズファンにも納得してもらえる設定や作りをしてあるということだった。

いずれにしてもTV版と同じキャストの全くの別映画だと思うと肩透かし。
あくまでもTV版のファンを前提としたスペシャルドラマ。

 

 

         

 ヘイトフル・エイト  

サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロス、カート・ラッセル、

章仕立ての展開。

第1章
駅馬車が雪の中を行く。
前方に男が立ちはだかる。
男は賞金稼ぎのマーカス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)、南北戦争の北軍の元少佐。
御者のO.B(ジェームズ・パークス)は貸し切りだから乗客に聞け、という。
その乗客はハングマンこと賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。
死刑囚のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)を護送中だ。
やり取りがあり、結局マーカスの獲物(3人のお尋ね者の遺体)を屋根に積んで先に進む。

車中でルースはマーカスにリンカーンの手紙を見せてくれるよう頼む。
マーカスが個人的にエブラハム・リンカーンからもらったという手紙。
ルースは感激するが、ドメルグは手紙に唾を吐き、マーカスに殴られ、ルースともども馬車から落ちる。

マーカスは馬車を止めさせ、手紙を拾うため馬車を降りる。
雪の中に倒れていたルースとドメルグが立ち上がると、また別の男がこちらに向かっているのが見えた。

第2章
男はクリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)。
馬車の目的地であるレッドロックの新しい保安官だという。
ルースはマニックスが南軍の残党で強盗団のボスの末息子だと判って信用せず、
マーカスにマニックスを見張るよう指示して先を急いだ。

馬車の中ではマニックスがマーカスの「事情」について語り、反感を買う。

第3章
馬車はついに吹雪に追いつかれ、レッドロックまで行きつけない。
一行はミニーの店に停まることにした。
すでに1台の駅馬車が停まっていた。
店には店主のミニーはおらず、メキシコ人らしき男が留守を任されていた。

ドメルグとルースが店に入った。
マニックスとマーカスとO.Bは、店番の男、ボブ(デミアン・ビチール)と馬を馬小屋に入れる。
マーカスはボブとミニーの話をするが、マーカスは何故かボブを怪しんでいる。

ミニーの店には先の駅馬車で来たのだろう、先客がいた。
よくしゃべるイギリス訛りのオズワルド・モブリー(ティム・ロス)は死刑執行人。
レッドロックでドメルグの死刑を執行する予定だった。

奥にいたのはダミ声のジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)レッドロックが目的地ではなく、
カウボーイで稼いだ金をもって母親とクリスマスを過ごすために家に帰る途中だという。

もう一人はサンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)、元南軍の将軍だった。
ルースはそんな先客を信用せず、銃を取り上げて捨てる。

マニックスはスミザーズに気づき、ご機嫌を取る。

一行は揃ってボブの作ったシチューを食べる。
リンカーンの手紙が話題になり、マニックスはマーカスが持っているはずがないとののしる。
結局マーカスは手紙が偽物だと認め、ルースは激怒、ドメルグはマニックスは笑う。

マーカスは、スミザーズの傍らに銃を置いて、スミザースが探している息子を知っていると言う。
南軍が自分に掛けた賞金に目がくらんで追ってきたものの散々辱めて殺したという。

スミザースが怒りに任せて銃を取ったが、一瞬早くマーカスの銃が火を噴き、スミザーズは死ぬ。

第4章
スミザーズとマーカスがやりやっている間、ボブは店のピアノで「きよしこの夜」を弾いていた。
ドメルグはギターを弾いていいか聞き、ルースがいいと言うと弾き語りを始める。
ルースはコーヒーを飲みながら、別の歌を歌えと良い、ドメルグは「私はメキシコに逃げ、ルースは死ぬ」と歌う。

怒ってギターをぶち壊すルースだが、O.Bが血反吐を吐く。
ルースも血反吐を吐き、倒れながらドメルグを撃とうとするが、銃を奪われて撃ち殺される。

コーヒーを飲もうとしていたマニックスは驚いてコーヒーを投げ捨て、
マーカスは、ジョー、ボブ、オズワルドを壁際に立たせる。
そして、コーヒーを飲もうとしたマニックスは無実だと信じ、3人を見張らせる。

ここから、マーカスの謎解きが始まる。
みんなで食べたシチューは紛れもなくミニーの味だった。
だから、何日も前から店を空けたというのは真っ赤なウソ。
そして2年前に外されたという看板には「犬とメキシコ人はお断り」とあったという。
看板を外したのは犬を飼い始めたからでメキシコ人嫌いは変わらない。
だから、ボブに店を任せたのは真っ赤なウソ。
店の中では帽子はご法度、スミザーズの前の椅子はスイート・デーブの指定席で、
毛布などはかけていないはずだ、と。
果たして毛布の下には大きな血痕が。

マーカスはボブを撃ち殺した。
しかし、毒がコーヒーに入れられたのはボブがピアノを弾いていたとき。
だからもう一人、仲間がいる。
マニックスは不細工な方、つまりジョーが犯人だと決めつける。
マーカスがマニックスをなだめようとしたとき、地下に潜んでいた誰かがマーカスを下から撃った。
銃撃戦となり、ジョーは死に、オズワルドとマニックスは重傷を負う。

第5章
ルースらが着く5、6時間前。
1台の駅馬車が4人の客を乗せてきた。
オズワルド、ボブ、ジョー、それにジョディ(チャニング・テイタム)。

店にはミニー(ダナ・グーリエ)、手伝いのジェンマ(ベリンダ・オウィノ)と
チャーリー(キース・ジェファーソン)はいずれも黒人、
それにスミザーズとチェスをするスイート・デーブ(ジーン・ジョーンズ)がいた。

馬車の乗務員は6ホース・ジュディ(ゾーイ・ベル)とエド。
当初は温和な態度の4人は突然牙をむき、ミニー、ジェンマ、チャーリー、ジュディ、エドを射殺、
デーブを刺殺して、死体を井戸に投げ込み、現場をきれいにしてジョディは地下に隠れた。

ジョディはデイジーの弟で、一味の首領格。
逮捕された姉の奪還をもくろみ、持久戦のつもりで隠れていた。

最終章
マーカスとマニックスは重傷を負いながらも生きながらえ、ドメルグに銃を向けていた。
そして、地下に潜む男(ジョディ)に出てくるよう脅す。
しぶしぶ顔を出したジョディだがマーカスに頭をふっ飛ばされる。

怒り狂うデイジー・ドメルグはレッドロックにいる仲間がもうすぐやってくるとほざく。
マニックスにオズワルドやその他の仲間の賞金をやるから、マーカスを殺して、
自分たちを逃がすよう持ち掛けるが、マニックスは信用せずに断る。

そして自分たちも間もなく死ぬだろうから、ハングマン・ルースの遺志を継いで、
デイジーを吊るすことにし、デイジーを梁に吊るし絞首刑とするのだった。

**

タランティーノ節炸裂、と言いたいところだが、1シチュエーション・ムービーに近く、
セリフがものすごく多く、間もあって、まるで舞台劇のようだった。

グロシーン多し。差別シーン多し。

チャニング・テイタムの出番少なし。
予告でも出ていなかったので、オープニングタイトルに名前を見たときはちょっとびっくり。

ティム・ロスはクリストフ・バルツだと思っていた。
エド・ヘルムズとジェイソン・サディキスよりも似ているかも。

元々、クリストフ・バルツが「イングロリアス・バスターズ」に出たとき、
「ティム・ロスのそっくりさん」と言われていたらしい。
「猿の惑星」(2001年、マーク・ウォルバーグ版)のセード将軍だったとは全く知らなかった。

英語版にはロングバージョン(187分、70mm)とショートバージョン(167分、デジタル)があるが、
日本公開版は168分なので、ショートバージョン。
もともと70mm上映なんて一般のシネコンにはないし。
ただ、それでも全体には冗長で、長いな、と思われるシーンは結構あった。

 

 

         

 X−ミッション  

ルーク・ブレイシー、エドガー・ラミレス、テレサ・パーマー。

ジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)は、エクストリーム・スポーツのアスリート。
尾根伝いにバイクを走らせ、ヘリから撮影させているとき、離れた岩山に飛び移ったものの
後から追ってきた親友のジェフは失敗して転落死する。

それから7年。
FBIに入局したジョニー・ユタだが、上司のホール(デルロイ・リンド)はいまいちユタを信用できない。

そんな中、とんでもない事件が次々と起こる。
一つは地上100階で大量のダイヤモンド強奪事件が起き、犯人たちはバイクで窓を突き破り、
パラシュートを開いてそのまま逃走してしまった。
そしてその後ダイヤは貧民街にばらまかれたというのだ。

メキシコ上空では輸送機に積まれたドルの塊が、侵入した男たちによって機外に放出され、
男たちはスカイダイビングでそれを追って包みをバラバラにしてドルの雨を降らせた。
男たちはその後パラシュートを開かず、森に落下するのが目撃されているが、死体は発見されていない。
(実際には大穴に飛び込み、内部でパラシュートを開いて逃走)

もう一つの事件(失念)と合わせて3つの事件は、いずれもアメリカ企業が被害にあっており、
FBIが捜査に乗り出す。

ユタは3つの事件の関連を調べ、かつてカリスマ的Xスポーツ・アスリートだった
オザキの提唱する8つの試練オザキ8の達成を目指す同一犯と推測、
捜査会議で4つ目の試練と犯人の居場所を推定するが、あっさりと却下される。

しかし、ホールはユタの勘を信じ、4つ目の試練のポイントであるフランスへとユタを旅立たせる。

フランスでは、FBIのイギリス支部のパパス(レイ・ウィンストン)がユタと行動を共にし、
海のど真ん中のサーフィンスポットに連れていく。

でかいモーターヨットの周りに大勢のサーファーがビッグウェーブに挑んでいた。
若い女性、サムサラ(テレサ・パーマー)がパイプラインを見事通過に成功する。

続いてユタは、一人のサーファーと同じ波に入り、パイプラインに突入するが失敗し、波に巻き込まれる。
もう一人の男、ボーディ(エドガー・ラミレス)は自分のボードを捨てユタを助ける。

ヨットの上でボーディはユタに金儲けに興味はないと語る。
ボーディらの活動費はヨットのオーナーによるものだという。

ユタはボーディらの次の集合場所に行く。
そこは廃線のトンネルの中でベアナックルファイトが行われていた。

ユタはボーディと殴り合って倒されたものの、ユタに認められ次の場所へと誘われる。
5番目の試練の場所はスイスの山頂からのムササビスーツによる滑空。
ボーディら3人と一緒に飛び立ったユタは見事に滑空を成し遂げる。

ユタは完全に受け入れられ、チームは山小屋に戻り、サムサラも加わってしばらく過ごす。

6番目の試練は雪の山頂からのスノーボードによる滑走。
これまた4人は見事に滑走し、ここまで、という地点で止まりヘリを要請する。

しかし、ユタはもっと下まで滑ると言って先行し、ボーディらも追うが、
チャウダー(トビアス・サンテルマン)は、操作を誤り崖から転落する。

自分のせいだと悔やむユタにボーディはチャウダー自身の選択だと慰める。

山の別荘でチャウダーの追悼とパーティが行われる。
ここでもオーナーがボーディらのスポンサーだ。

ユタが一人沈んでいるとサムサラがやってきてオザキとの因縁を語る。
サムサラが小さいころ、両親は雪崩に巻き込まれて死に、オザキが引き取ってくれた。
オザキは3つ目の試練で死んだと思われているが、実は成功し、
そのお返しに小さいボートで捕鯨船を阻止しようとして捕鯨船にぶつけられて死んだという。

ボーディはオザキの遺志を継ぎ、8つの試練の完遂と自然への恩返しを続けているのだという。
ユタはサムサラと結ばれるが、翌日パパスからの呼び出しを受ける。
ボーディに洗脳されたのかと問うパパスにもう少しで犯罪の証拠がつかめるというユタ。

ボーディらはユタを連れて金鉱にやってくる。
金を奪うのではなく、金を開放し自然に返す、という。
バイクに乗ったグロメットとローチが崖にダイナマイトを仕掛け、
ユタとボーディは車で鉱石を積んだトラックを追う。

ボーディは警護車に体当たりして転覆させ、トラックを止め、崖を爆破しようとする。
FBIだ、と名乗るユタを無視してボーディは爆破、大量の土砂でトラックは大破する。

ボーディはバイクで逃げ、ユタもバイクで追う。
しかし転倒。銃を向けるユタを無視してボーディは逃げてしまう。

事態を収拾するとしてホールがヨーロッパに飛び、ユタは捜査本部にくぎ付けとなる。

ボーディのスポンサーの資産が凍結され、チームは金欠に陥っていると思われた。
これまでの試練が「下る」ことにあったのに、7番目の試練は「上る」
ユタは山頂にある銀行が襲われるとみて、警察と連携して捜査に向かう。

果たして銀行強盗が逃走を図ろうとしているところだった。
激しい銃撃戦の末、ローチが銃殺される。
逃げた犯人の一人を追ったユタはロープウェイに飛び乗って犯人を追撃。
犯人を射殺したが、ヘルメットの下から現れたのはサムサラだった。

最後の試練はズバリ、エンゼルフォールでのフリークライミングだと読んだユタは
パパスとともにベネズエラに向かう。

パパスと別れてエンゼルフォールに向かったユタ。
ボーディが上りはじめ、一旦は上るのをあきらめたグロメットだが、ユタが追ってきたのを見て上り始める。
ユタも後を追う。
グロメットは途中で力尽きて落下死してしまう。

ユタは何とか登り切り、ボーディを説得し確保しようとするが、ボーディは自ら身を投じる。
これが8つ目の謎の試練だった。
ユタも後を追う。二人は墜落死はせず滝つぼに落ちて流され、ボーディは行方不明になる。

これでボーディは8つの試練をすべて試みたことになるが、4つ目の試練はユタを助けたため失敗している。

ボーディはどうしても8つ目の試練を試すだろうと考えるユタ。
1年ほど後、台風の中で巨大波に挑むとみてフランスに向かう。
ヘリでボーディの船を見つけて説得に行くが、ボーディの意思は固くユタは説得をあきらめて去る。
果たしてボーディは波に挑み、飲み込まれてしまう。

こうしてオザキ8に挑んだ犯罪者チームは全員が死亡することとなった。

ストーリー展開はやや唐突で、試練とお返しの関連もはっきりしない。
8つの試練のどれがどれかよくわからなかった。
黒板には明記されていたが、はっきり確認できなかった。

とはいえ、試練どころではない、絶対にやりたくないエクストリーム・スポーツ。
気持ちいいだろうな、なんてのんびりと見てはいられない。
ちょっとミスれば確実に死に至るだろうに、ほとんどのスタントはCGなしでやっているそうだ。

とはいえ、墜落死のシーンはほんとに落下してしまったらどうしようもないので、
CGではなくても何らかの救護策、例えば命綱とか、が付いていると思う。

一番気になったのはエンゼルフォールの山頂からの落下。
あまりにも高すぎるため水が飛散してしまい、エンゼルフォールに滝つぼがないのは有名な話で、
落下したら滝つぼではなく地面に激突する。

また、約1000mもの落差があるため、自然落下では秒速100m(時速400km)を優に超えるが、
空気抵抗があるため、秒速55m(時速200km)程度でバランスすることができる。

とはいえ、仮に水面に秒速55mで激突したら、いかに滝つぼがあって水面が荒れていたとしても即死。
また、滝つぼがあったら水がかなりかき混ぜられていて空気をたくさん含むため浮力が小さく、
水流は渦を巻いているし、上からの水の圧力もあって浮き上がることはかなり困難になるはず。

実際、高々数十mの落差のナイヤガラの滝でも落下した場合、正存帰還はかなり困難。

余談だが、エンゼルフォールのエンゼルは天使ではなく、発見者の名前、エンゼルさん。

1991年制作の同名(Point Break)映画がある。
監督は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」の監督で、ジェームズ・キャメロンの元妻、
キャスリン・ビグロー。

ジョニー・ユタはキアヌ・リーブスが演じ、ボーディ、ローチ、グロメット、パパスらの名前がある。
ただ、元々はサーファーの銀行強盗団でサーフィンに特化した話のようだ。

 

 

        

  ザ・ウォーク    中

ジョセフ・ゴードン・レビット、ベン・キングスレイ、シャルロット・ルボン。

物語は自由の女神像の上からワールド・トレード・センターを望みながらの
フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン・レビット)の語りで始まる。

フィリップは大道芸人。
一輪車に乗りながらのジャグリング、綱渡りなどを披露して金を稼いでいた。

そして、ある日子供からもらった飴を噛んで歯を痛め、行った歯医者で見た雑誌に偶然にも建設中の
ワールド・トレード・センター(WTC)の記事を見て、渡るのはこれだ!と思い込む。

さて、幼少の頃、あるサーカスで綱渡りを見たフィリップはその魅力に見せられ、
綱渡りの練習を始める。

ある程度の力をつけたフィリップは大きくなってからもサーカスに勝手に入り込み練習していたが、
団長のパパ・ルディ(=ルディ・オマンスコスキィー、ベン・キングズレー)にばれてしまう。

しかし、その才能に感じるものがあったパパ・ルディはフィリップを許す。
フィリップは、パパ・ルディの指導の元、練習を重ね、湖の上を綱渡りで渡るパフォーマンスに挑戦するも失敗、
パパ・ルディから破門される。
同時に親からも勘当されて家を追い出されてしまう。
それでもなおフィリップは街中での綱渡りを披露していた。

ある日、綱渡りにいい木を見つけたものの、女性歌手がストリートライブをしており、
やむなく近くの街灯をベースにしてパフォーマンス。
おかげで彼女アニー(シャルロット・ルボン)の観客を奪うことになり、アニーにどやされるが、
それがきっかけでアニーと親密になり、最初の共犯者にする。
さらに、彼女の美術学校の中庭で綱渡りの練習ができることになった。

美術学校の生徒でカメラマンのジャン・ルイ(クレメント・シボミー)に出会い、2人目の共犯者とする。
練習中、ワイヤーの支えが外れ、フィリップは綱から落下する。

ワイヤーの張り方にノウハウが必要だと考えるフィリップはパパ・ルディを訪ね、
ノウハウごとに金を払う約束で教えを乞う。

1973年、フィリップはノートルダム寺院の塔の間を綱渡りすることを決め、
夜間屋上に忍び込み、ボールに糸を付けて投げて、糸、ローブ、ワイヤーとつなげてワイヤーを張り、
よく夜明けに、パフォーマンスを開始。
気づいた観衆の見守る中、無事にわたって見せるもすぐに逮捕されてしまう。
釈放されたフィリップは新聞にでかでかと載り一躍有名人となるが、同じ新聞にWTCの記事があるのを見て、
ある種運命的なものを感じる。

ジャン・ルイの連れてきた3人目の共犯者はジャン・フランソワ(=ジェフ、セザル・ドンボイ)。
高校の数学教師で高所恐怖症。

1974年、WTCの完成が近づき、フィリップ、ジャン・ルイ、ジェフは、アメリカに入り、
建設中のWTCに侵入し、そのあまりの高さに恐れおののく。

棟間は46m余。ワイヤーの補強線の張り方など解決すべき点は多々あった。
フィリップはパパ・ルディに教えを請い、計画を進めていく。
ただ、パパ・ルディは命綱をつけるよう主張してフィリップと対立してしまう。
フィリップは何とかパパ・ルディを説得し、許してもらう。

決行の日を1974年8月6日と決め、再びアメリカに乗り込んで資材の調達、
現場の確認などを進める。

無線機は傍受の危険があり、有線の通信機を仕入れるが、フランス語のわかる
ジャン・ピエール(=JP、ジェームズ・バッヂ・デール)に計画がばれてしまい、
仲間に引きずり込む。
JPの二人の仲間はちょっと怪しいが時間がなく、手伝わせることになった。
さらに調査を進めるうち、フィリップは廃材の釘を踏み抜いてしまい、ケガ。
みんなは計画延期を勧めるが、フィリップは聞き入れない。

ケガは思わぬ効用を生んだ。
松葉杖をつくフィリップをみんなが親切に手助けしてくれるのだ。
すでに完成していたノースタワーの82階にオフィスのあるバリー(スティーブ・バレンタイン)が、
偶然フィリップのノートルダムでのパフォーマンスを知っており、計画に参加することになった。

何とか準備は整い、決行間近となるが、フィリップは苛立ちを隠せず、アニーとぶつかったりする。

いよいよ、決行前日。
ノースタワーにはバリーを中心としたチームが入り込み、
工事中のサウスタワーには、資材を満載したフィリップらが入り込む。

貸し切りとなっていた工事用EVの管理者をJPがうまくとりなして、
最後に資材を110階まで運び込むことに成功する。
JPはEVオペレーターをうまく戻し、フィリップ、ジェフとJPの友人の計3人が残る。
しかし、JPの友人がビビったので帰し、フィリップとジェフは警備員から隠れて潜む。
深夜、計画から3時間ほど遅れて何とか資材を屋上まで運び、フィリップの合図で
ノースタワー屋上から、ジャン・ルイが弓で糸を渡す。

しかし、暗闇の中、弓の行方は分からずフィリップは焦るが、弓はかろうじて外壁のヘリに乗っていた。
弓についた糸を手繰り、ロープ、ワイヤーと進めていく。
ばれなかったものの途中で警備員が来たりして時間は大きくロス。
ノースタワーのJPのもう一人の友人も逃げ、夜明けが迫る。

いくつも計画通りにいかない状況が起こり、ジャン・ルイもあきらめようとする。
フィリップはやるだけやって間に合わなければやめると言って説得、
下では、JP、アニー、バリーらが見守る中、ぎりぎり設定が間に合う。

朝の巡回か、EVが動き出す。
ジェフは焦るが精神を集中したフィリップはついにその一歩を踏み出した。

フィリップは歩を進め、下にいるアニーらは通勤する人たちに綱渡りが行われていることを告げる。
こうして無事に綱渡りは成功。
フィリップはノースタワーに到着するが、余韻に浸るうちにサウスタワーに戻りたくなる。
そして再び、歩き始めるが、サウスタワー屋上に警官が到達し、ジェフは逮捕されてしまう。

サウスタワーに近づいたフィリップは再び向きを変えてノースタワーに向かうが、
そちらにも警官が到着、ジャン・ルイらはうまくすり抜けて逃げるが、フィリップは挟み撃ちとなる。

ワイヤーの真ん中でワイヤーに跨ったり、寝そべったり、カモメが飛んできてにらみつけたりとするうち、
ジェフが警官がワイヤーを切ろうとしていると告げる。
フィリップはそろそろ潮時と感じ、サウスタワーに戻ろうとして終わりの挨拶をするが、
あと3歩のところで落ちそうになる。
何とかタワーにたどり着き、逮捕されたフィリップ。

ワイヤーを切ろうとする作業員に「切ると危ない。緩めてはずせ。」と助言する。

確保されたフィリップ、もちろん違法行為なので逮捕はしょうがないが、
作業員も警官も惜しみない称賛を送る。

詰めかけたメディアにも平然と答えるフィリップ、喝采の群衆の中を連行されていく。
判決では、今後12ft以上の高さでの綱渡りを禁止されたフィリップ。
仲間は称賛してくれたが、それぞれの道を行くことになり解散。
アニーも一人フランスに帰ってしまう。

フィリップはNYに残り、快挙の成果としてビルのオーナーから屋上への入場許可書が送られた。
通常は期限付きの許可書だが、フィリップ宛てのものは期限が消され「永久」と記されていた。
その後もフィリップは時々屋上に来ては当時の余韻に浸るのだった。

**

実話。
フィリップ・プティは実在、存命で、WTCでの綱渡りは「マン・オン・ワイヤー」との自伝となり、
2008年にはドキュメンタリー映画化され、第81回のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞。
それほどセンセーショナルが事件だったようだ。

ご承知のように同ビルはすでに2001/9/11の同時多発テロで倒壊し残っていない。
WTCの棟間、その屋上からの俯瞰などは実在しない。
通常なら「・・たま縮み上がる」というところだが、あまりにも高いため、現実感がなく、
逆に怖い感じはしない。
東京スカイツリーの展望デッキのガラス床(340m)で下を覗いたことのある人なら、
恐怖感は増すかもしれない。とはいえ、迫力は満点で、これぞ3D。

1回渡っただけで満足しなかったのは心情としてわかるが、1往復でやめとけ、
と思ったのは私だけだろうか。

事実なのでしょうがないともいえるが、ジャン(Jean)が3人も出てくるのでややこしい。
ジャン・ルイ=ジャン、ジャン・フランソワ=ジェフ、ジャン・ピエール=JPと呼ばれている。

仲間は期限限定でもいいが、アニーとも別れてしまったのはなぜ。
アニーのその後はどうなった、と気になるのであった。

ジョセフ・ゴードン・レビットはフィリップ・プティ直々の特訓を経て撮影に臨んだらしい。
(さしづめ鈴木拓)

ただ、主要部分、特に導入部が語りで進められる作りはやや違和感。

また、語りは自由の女神の松明台座で行われているようだが、実際の自由の女神のたいまつは
金箔でおおわれているはずで、映画のように鉄枠が見えているわけではない。
(1886年の建設当時、元々は灯台の役目を予定していたので鉄枠があったかも)
また、あの位置から当時のWTCがあのように見えていたのかは不明だが、
違っていたとしても演出の範囲内だろう。

 

 

   
  オデッセイ   

マット・デーモン、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ペーニャ、ケイト・マーラ、クリステン・ウイーグ。

**

有人火星探査プロジェクトアレス3の乗組員が火星表面での作業中、
ベス・ヨハンセン(ケイト・マーラ)は砂嵐の接近を検知する。

キャプテンのメリッサ・ルイス(ジェシカ・チャステイン)は、作業を中断し、
火星離脱用のMVAへの退避を決断する。

予想以上の早く砂嵐が到達、MVAが傾き始め事態は一刻の猶予もない。
しかし、クルーがMVAに移動中に砂嵐で吹き飛ばされたアンテナが
マーク・ワトニー宇宙飛行士(マット・デーモン)を直撃、マークは遠方に飛ばされ、
信号もロストし、行方不明となる。

メリッサはマークを探そうとするが、MVAの転倒の危機により、やむなくあきらめ、
MVAで火星を離脱し、母船エルメスに戻る。

ミッションは中止となり、クルー5名はエルメス号で地球への帰路につく。
NASA長官のサンダース(ジェフ・ダニエルズ)はミッションの中止とマークの死亡を発表する。

砂嵐が収まった後、砂に埋もれたマークが息を吹き返す。
宇宙服内の酸素が欠乏し、アンテナのロッドが腹に刺さってはいたものの、歩いて作業用のハブに戻り、
自分でロッドを抜き、さらに体内に残ったバネも自ら取り除いて応急処置を施す。

何とか一命はとりとめたマークだが、次のミッションのクルーが来るのは4年後。
それまで生き残るには、水、空気、食料が必要だ。
そのうち、自分用の水と空気は何とかなるが問題は食料。
ミッションが途中で中止となったため、6名分の食料が半分ほど残っているものの、
取ってあったジャガイモなどを加えても400日約1年分の食料しかない。

植物学者のマークはビデオログをとりながら、知識を生かしてハブの中の一室にシートを敷き、
土を入れ、クルーの排せつ物を利用して肥料にし、ジャガイモを植えることにした。

ただし、そのままでは水が不足する。
そこで、燃料の水素を燃やして水を作る装置を作る。
うまくいったかに思えたが、吐く息の中の酸素が災いして爆発してしまう。
再度慎重に挑戦。今度はうまく行き、ハブ内のジャガイモ畑は見事機能し始める。

それから10日ほどしてジャガイモは芽を出し始める。
(後に400個ほどのジャガイモが収穫できる)

有人火星探査プロジェクトの責任者のカプーア(キェテル・イジョホー)は、
マークの遺体が映ることを危惧して反対する長官に内緒で人工衛星でハブ近傍を調べさせる。

指示されたミンディ(マッケンジー・デービス)はハブ近辺でローバーが動いていたのに気づき、
すぐさまNASAはマークの生存と救出計画を練ると発表する。

マークはアレス4の着陸予定地点にアレス4用のMVAが既に到着していることを思い出し、
その地点で待つことを計画する。

ただ、その場所までは3200kmも離れており、最低でも50日はかかる。
夜間ヒーターを使えばバッテリーは消耗するがヒーターを使わなければ凍え死ぬ。

マークはプルトニウムの排熱を利用してヒーター代わりにすること、
機材の太陽電池を利用してバッテリーを充電するなどして航続距離を伸ばすテストを繰り返す。

やがて、ハブ内の資料を調べるうち、マークはあることに気づく。
マークはいつもと違う経路を進み、NASAもマークの異常行動に気づく。
その目的は砂に埋もれたマーズ・パスファインダーだった。

パスファインダーを修理して起動し、カメラを利用して自分が生きていることを伝えようとするマーク。
地上でもJPLの協力を得てマークの行動を再現し、映像の受信に成功する。
マークへの送信はパスファインダーのカメラを利用した。

マークはデータの受信にパスファインダーのカメラを利用することを考えた。
パスファインダーの周辺に16個の旗を立て、0~Fまでの16進数を書き込む。
JPLでも再現し、マークの意図を理解した。
地球上からパスファインダーのカメラを操作し、ASCIIコードで文字を送るのだ。

こうして非常にゆっくりとスパイの暗号通信のような通信が可能となった。

JPLはマークにローバーのソフトを書き替える指示を出し、
ローバーのコンピューターで地球とのチャットができるようになった。

この通信で、初めてマークはアレス3のクルーがマークの生存を知らないことに気づく。

NASAはロケットを大急ぎで作らせ、救援物資を送る計画を立てる。
当初予定ではかなり頑張って、マークの食料の尽きる1か月ほど前に到着の見込みだった。

マークがハブで作業を進めているとき、ハブの入口与圧室外壁に生じた亀裂がもとで
与圧室が圧力に耐えきれず破裂して吹っ飛び、マークも吹き飛ばされる。
ヘルメットが損傷し、空気が漏れる中、ガムテで補修してマークはハブ内には戻れたが
爆発でハブ内に冷気が侵入、一瞬にして水分が凍り、ジャガイモは全滅していた。

マークは畑を処分、残りの食料をで食いつなぐことになった。
食料の増産が見込めなくなったため、NASAは補給ロケットのテストを省略しての突貫工事。
ロケットは何とか完成し、補給資材が積み込まれる。

いよいよ、補給ロケットの発射。
ロケットは予定通り離陸し、順調に飛行し始めたと思ったとたん、予想外の振動を起こし、
制御不能となって爆発してしまう。

これを見ていた中国の国家航天局では中国製ロケットの提供を考える。
NASAからの依頼もないのに、というミン局長の言葉に副長のタオは
NASAは我々のロケットの能力を知らないから、と言ってのける。

NASAでは中国の申し出を受け、救出か補給かの議論が戦わされる。
いずれにしても1基しかない中国のロケットを使うのだ。
サンダース長官は救出を却下。補給作戦を指示する。

その頃、エルメスではボーゲルが家族からのメールの写真が開けないと言ってくる。
確認したヨハンセンは写真がJPEGデータではなく文字コードだと気づく。

その内容はアレス3の責任者であるヘンダーソン(ショーン・ビーン)が、
秘密裏にマークの生存を伝え、クルーに救出の意思を問うものだった。

メリッサは危険なミッションであり、命令違反となるため、自身の意見だけでは決めずみんなの意思を問う。
クルーの意見は全員が危険を冒してでもマーク救出に向かうというものだった。
ただし、エルメスの帰還ミッションは地上からコントロールされているため、そのままでは救出に向かえない。
ヨハンセンらはエルメスのコントロールを遮断し、手動で帰還ルートを外れていく。
NASAは帰還ルートに戻そうとするが果たせず、戻す許容期間が過ぎていく。

ただ、現在の地球と火星の位置関係では救出には大量の燃料消費と長期間を要し、作戦は無理に思えた。

しかし、JPLのグローバーは地球をスイングバイ航法で加速し、火星に向かう案を提案する。
こうして作戦は救出に切り替えられ、エルメスは中国のロケットによって打ち上げられた補給船をキャッチし、
火星に向かっていく。

やがて、エルメスが火星に近づきつつある頃、マークはハブを出てローバーでアレス4の着陸予定地に向かう。
マークは大量に積んだ太陽電池を充電しつつ、休みつつ進んでいく。
そしてついにアレス4のMVAに到着する。

JPLでは新たな問題を指摘していた。
MVAは火星軌道にある母船に戻るパワーしかなく、エルメスの通過する高度に到達できない。
そこで5トンに上る減量をマークに指示。
マークの分以外の5つの座席を捨て、与圧装置、制御盤、窓、カバリングまで捨てるというのだ。
天蓋はシートで覆うというあばら家の姿になったMVA。
エルメスからのコントロールで発射される時間が近づいた。

MVAは無事に離陸、ブースターを切り離して火星上空へ飛んでいくが、
マークはあまりのGに失神してしまう。

しかもMVAは予想以上に空気抵抗を受け、思ったほどの高さに届かない上に、エルメスが速すぎて確保が困難な状態に。
メリッサはとっさに船内で爆破物を作らせ、先端の一部区画を吹き飛ばしてブレーキをかける、という作戦を指示。

エルメスとMVAの相対速度はかなり近づいたが、距離が届かない。
メリッサがロケットシートでMVAに近づこうとするが距離はセーフティロープの限界を超える。
気づいたマークは宇宙服の手の平を破り、漏れる空気圧で「アイアンマンのように」
宇宙空間を飛んでメリッサに近づく。

メリッサがマークをつかみ、無事にエルメスに戻り、世界中が通信に耳をそばだてている中で救出は成功した。

全員が地球に帰還して数年の時が経った。
マーク・ワトニーはNASAの新人指導教官としての任についていた。

ビンセント・カプーアとミンディ・パークは同じ仕事を続けていた。
テディ・サンダース長官と広報のアニー・モンテローズ(クリステン・ウィーグ)が見守る中、
リック・マルチネス(マイケル・ペーニャ)は再び宇宙飛行士として火星に飛び立っていった。
メリッサ・ルイスは退役し、家庭に入ってその打ち上げを見ていた。
アレックス・ボーゲル(アクセル・ヘニー)も家で打ち上げを見ていた。
ベス・ヨハンセンはクリス・ベック(セバスチャン・スタン)と結婚し、出産したばかりだった。

ミッチ・ヘンダーソンはNASAを辞め、ゴルフのインストラクターになっていた。

火星を舞台にほぼ一人芝居のマット・デーモンと、NASA、JPLなどの地上、
それにエルメスでの場面と、別々の3つのシーンが有機的に絡み合い、
タイムラグなどもうまく利用、表現されて、緊迫感とともに悠久の宇宙空間をうまく表している。

常にしかめっ面をしているだけでなく、絶望や怒りや笑いも混ぜているところはリアル。
ガリガリのマーク・ワトニーはボディ・ダブルかCGか。
ボディ・ダブルだとすれば、通常は体格や背格好が似ていることが条件だろうが、
あれだけ似てないことが条件になるのも珍しい。

もちろんフィクションなので、例えば火星での重力の表現など、実際とは違う部分もあるが、
NASA全面協力のもと、科学的見地から考証を十分に行ったということだから、
かなりの部分で現実的なSFになっていると思う。

あの「アイアンマン」は実現可能なのか。
宇宙服が破れても一瞬で宇宙飛行士が凍えることはないらしいが、思ったように進むのかはよくわからない。
理由は知らないが「ゼロ・グラビティ」での消火器はかなり批判があったらしい。
「WILL・E」も消火器を使っていたけどアニメだからね。

なお、凍り付いたジャガイモを捨ててしまうのはもったいない。
葉や茎、小さい芋は毒性があるからしょうがないにしてもある程度の大きさになっていれば
冷凍しても食べられるはず。(味や食感は悪い)
植物学者なのでそのあたりはわかっていたはずで食用に適さないと判断したのかもしれない。
但し、大きくなった芋でも長期保存しているのだから、皮は剥いた方がいいはずだ。
丸ごと食っていたのはいただけない。



原題は「The Martian」直訳すれば「火星人」で原作は同名の小説で、
訳本のタイトルは「火星の人」

「オデッセイ」にしたのは「長旅」「長い漂泊」の意味合いからだろうが
原題からは思いもよらないつけ方で、ある意味こちらも困惑する。

 

 

  
 ブラック・スキャンダル 

ジョニー・デップ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョエル・エドガートン、

**

冒頭は、ジョニー・デップが扮することになるジェームズ・”ホワイティ”・バルジャーの
手下、ケビン(ジェシー・プレモンス)が、FBIの取調室でバルジャーの悪事について自白する場面。
この後も、たびたび司法取引の条件でケビンとフレミ(ロリー・コクレイン)の自白シーンが挟まれる。

それによれば、ボストンの南地区(サウシー)のチンピラやくざだったバルジャーは、
悪の限りを尽くし、ボストン一の悪にのし上がっていくのだが、それもこれもFBIが
バルジャーを野放しにし、便宜を図っていたからだというのだ。

FBI捜査官のジョン・コナリー(ジョエル・エドガートン)は、
幼馴染のビリー・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)の兄ジェームズ(ジョニー・デップ)に
ある種憧れを抱いていた。

1975年、FBIのボストン支部担当になったコナリーは、ジミーを情報屋として使おうと画策、
昔の伝手を使ってビリーからジミーを紹介させようとする。
しかし、州議会議員のビリーは拒否、功を焦るコナリーは独自にジミーに近づき、情報屋として誘いをかける。

この頃のジェームズ(=ジミー)・バルジャーは南ボストンをシマとして悪事に手を染め、
反対する相手は容赦なく殺すような人物だった。

ジミー・バルジャーはボストン北部で幅を利かせているイタリア系マフィアが南地区にまで
触手を伸ばしていることに腹を立てており、イタリア系マフィアをつぶし、
北地区まで牛耳るために逆にFBIを利用しようと考え、情報屋となることを承諾する。

FBI内部にはコナリーの計画に強く反対する者もいたが、結局はバルジャーと
フレミ(ロリー・コクレイン)を情報屋として採用する。

ある日、バルジャーの乗った車を止めた警官がイタリア系マフィアがお前をつぶすと言ってくる。
同乗していたトミーは激高し、その後も怒りが収まらず、バルジャーを弱腰だと食って掛かる。

その後謝るトミーを連れ出したバルジャーは気にするなと言いつつ、手下に後ろから射殺させて埋めてしまう。

バルジャーは小さい家に愛人リンジー(ダコタ・ジョンソン)と息子ダクラス(ルーク・ライアン)と暮らしていた。
学校でからかう級友を殴ったダグラスを叱ってほしいと頼まれたバルジャーは、みんなの前で殴ったのは悪い、
「誰も見てなければ、何もなかったことになる」と言い、ダグラスは今度はだれも見てないところで仕返しすると言う。

コナリーはバルジャーに殺人はするなと釘を刺すが、バルジャーにはどこ吹く風だった。
当然FBI内部でも問題になるが、コナリーはイタリア・マフィアをつぶすためだと言いくるめる。

ある日、ビリー家でのパーティの席でジミーに電話がかかってくる。
息子ダグラスが緊急入院したというのだ。
別の病気の発熱を風邪だと思い、医師に電話してアスピリンを飲ませたが、それがかえって悪く、
ダグラスは昏睡となり、脳死状態になってしまう。

リンジーは、もう生き返ることのないダグラスの生命維持装置を外すと言い、反対するジミーと喧嘩別れする。

バルジャーがFBIに情報提供を始めて数年経った1981年。
バルジャーからもたらされた情報のほとんどはコナリーが他の情報屋からの情報を操作したものだった。
上司のマクガイア(ケビン・ベーコン)はバルジャーを切ると宣言する。

焦るコナリーはバルジャーにイタリアン・マフィアのアンジェロ・ファミリーのアジトを教えるよう迫る。
FBIが内偵を続けながらも肝心のアジトがはっきりしていないのだ。
バルジャーはコナリーにアンジェロ・ファミリーの大物が出入りしているアジトの場所を渡す。
コナリーはマクガイアにそれを叩き付け、FBIは盗聴器の設置に成功する。
そして、犯罪の証拠を録音、アンジェロ・ファミリーを逮捕することができた。

この成果でコナリーは昇進、コナリーを後押ししていたモリス(デビッド・ハーバー)も
バルジャーと付き合い始めるが、コナリーの妻、メリアン(ジュリアンヌ・ニコルセン)は、
バルジャーを毛嫌いしていた。

バルジャーはマイアミのスポーツ賭博にも手を出し始める。
ハイアライの新オーナーのロジャー・ホイーラーは実業家でまじめだった。
バルジャーは、マイアミ・マフィアのキャラハンと結託し、ホイーラーの排除(=殺害)を計画。
指示されたハロラン(ピーター・サースガード)は殺しをビビったので、
バルジャーは口止めだと言って金を持たせてハロランを追い出す。

ホイーラーを撃ち殺したのはバルジャーの手下のモルトラーノ。
ハロランは自分の命の危険を感じ、FBIに駆け込むが、対応したコナリーは
薬中の妄想だと決めつけ、保護を申し出るハロランを返してしまう。

コナリーからホイーラー殺しの真相を聞かれたバルジャーはハロランのチクリと考え、
ハロランを撃ち殺してしまう。

邪魔者がいなくなって喜ぶキャラハンはバーでバルジャーを「ホワイティ」と呼び、
根に持ったバルジャーはキャラハンも殺してしまう。

その後、別件でフレミの妻の連れ子のデボラが警察につかまった。
バルジャーはフレミがマイアミでの所業をデボラに漏らしたことを聞き、
保釈されたデボラを匿うとだまして絞殺してしまう。

その頃、新任の検事、フレッド・ワイシャック(コーレイ・ストール)が着任。
取り入ろうとするコナリーを叱責し、バルジャー逮捕の証拠をつかめと迫る。

暫くしてバルジャーの母が死にバルジャーの凶悪さが増していく。
コナリーは、ビリーにバルジャーへの追及を緩めるよう圧力をかけろと頼みに行くが、
けんもほろろに追い返される。

バルジャーはIRAにも加勢し、武器や資金を提供していた。
ある日、バルジャーの提供した武器を積んだ船がイギリス当局に拿捕される。

バルジャーはコナリーから情報を聞いて仲間のマッキンタイアの裏切りを知り、絞め殺す。

ワイシャック検事の指示もあり、マクガイア捜査官らはバルジャーの証拠を固めていく。
もはやこれまでと思ったモリス捜査官は匿名を条件にボストン・グローブ紙に
バルジャーとFBIの密約についてしゃべる。

自分の記事がでかでかと新聞に載ったバルジャーはビリーに電話してから、姿を隠す。

ケビンとフレミが逮捕され、司法取引でバルジャーの悪事を洗いざらい喋る。
モリスも逮捕されるが、すべてを白状し免責される。

コナリーは逮捕され、40年の刑に服すことになる。
ビリーは州議会議員を辞職し、大学総長に転身するが、ジミーとの電話がばれて失職する。

バルジャーは16年の逃亡ののちイタリアのサンタモニカで逮捕され、終身刑2回+懲役5年の刑を言い渡される。

原題は「Black Mass」
この場合のMassが何を意味するのかよくわからなかったが、ミサ(missa、mass)のことらしい。
つまり「Black Mass」とは悪魔崇拝の「黒ミサ」のこと。

ジェームズ・バルジャーは1929年生まれの実在(2016年現在、服役中)の人物で、劇中の悪事もほぼ事実。
人の命を屁とも思っていない極悪人だが、殺人や悪事そのものを楽しんでいるわけではなく、
目的達成のためには殺人も全く意に介さない冷徹さ。

金に糸目をつけず多くの女を侍らせて・・といった典型的やくざ映画の世界とはちょっと違う。
その意味で「凶悪」より「アウトレイジ」

逃亡から逮捕に至る部分も撮影したがほとんどがカットされたようだ。
そのため、FBIとの癒着が明らかになってからの部分はやや唐突に終わる。

ジョニー・デップはバルジャーの凶悪さをよく表現しており、暴力だけで相手を支配するのではなく、
暴力的存在感で相手を威圧圧倒する怖さがある。
子煩悩だったとか、家族思いだったとか、弟に対し一歩引く面を見せていたといっても、
共感できる部分は一切なく、悪い奴の物語に終始しているのはある意味潔い。

予告やチラシから受ける印象では、ジョニデ、カンバーバッチ、エドガートンの3人が互いに共謀して悪事を働く。
例えばカンバーバッチの政敵をジョニデが始末し、エドガートンガ見逃すことで、互いに利用しあう構図を予想した。
しかし、カンバーバッチはさほど悪いことはしていない。
どちらかというとエドガートンの誘惑を断っている。
ただ反社会勢力と付き合いがあった(兄弟だった)わけで、その意味で非難されてもしょうがないとしても、
自ら悪事に加担していたわけではない(少なくとも映画の中では。)

 

 

       

 エージェント・ウルトラ 

ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュアート、トファー・グレイス、コニー・ブリトン。

冒頭はどこかの取調室。
傷だらけの男、マイク・ハウエル(ジェシー・アイゼンバーグ)がつながれ、
入ってきた取調官に写真を見せられて何から喋るか、と聞かれる。

事の始まりは5年ほど前。
美人のフィービー(クリステン・スチュアート)と知り合って恋仲になった
マリファナ中毒で田舎のコンビニ店員、マイク。

フィービーにプロポーズしようと指輪まで用意したマイク。
そのタイミングとしてのハワイ旅行を計画するも空港でパニック障害を起こし、
飛行機に乗り遅れてすごすごと街に戻る。

なぜかいつも町を出ようとするとパニック障害を起こすのが常だった。

そんな彼の様子を遠隔から監視していたのがCIA。
チーフのエイドリアン・イエイツ(トファー・グレイス)はある作戦を指令するが、
前任のビクトリア・ラセター(コニー・ブリトン)は激しく反発する。

相変わらずのんびり暮らすマイクのコンビニに突然ビクトリアが現れ、
レジでマイクに何やら意味不明の言葉を話す。

訝しがるマイクに対し、ビクトリアは何度も同じフレーズを言い、結局あきらめたように去っていく。

マイクがビクトリアが買わなかったカップヌードルを食べていると、マイクの車に不審な男が。

男たちは声をかけたマイクに襲い掛かるが、マイクはあっという間に2人に反撃して殺してしまう。

マイクはパニクってフィービーに電話して呼び出し、便利屋のローズ(ジョン・レグイザモ)に助けを求める。

そのころ、エージェントがあっさり殺されたことを知ったイエイツは、
新たな刺客を送り込むとともに町を感染症が発生したと偽って封鎖。
マイクとビクトリアを保菌者に仕立て上げていた。
マイクを危険だと考えるローズは、マイクとフィービーを地下室に隔離する。

そこにイエイツのエージェントが有毒ガスを注入して侵入。
ローズはやられ、マイクは応戦するも毒ガスを吸ってしまう。

フィービーは咄嗟に倒したエージェントから解毒剤をとってマイクに注射。
マイクは息を吹き返すが、フィービーが毒ガスの名前を知っていたことから疑いの目を向ける。

実はフィービーはCIAのエージェントでマイクの担当だったと告白。
マイクはCIAの特殊プログラムで訓練された殺人兵器だった。
しかし、作戦は中止となり、マイクは記憶を消されて町に送り込まれ、
保護プログラムで監視下に置かれていたのだった。

マイクとフィービーはとりあえず一緒に車で逃げるが、
イエイツの刺客の一人、ラファー(ウォルトン・ゴギンズ)に襲われて橋の下に落下。

フィービーは連れ去られ、マイクは車ごと焼かれるが、ビクトリアがマイクを助け出していた。

イエイツはフィービーを裏切ったとののしり、マイクの家を捜索させる。
マイクは自暴自棄になっていたが、ビクトリアからフィービーが自分の意志で
町に残っていると聞かされて気を取り直し、フィービーを助けようとする。

マイクは町のスーパーを舞台にイエイツのエージェントと争う。
傷つきながらも次々とエイエイツのエージェントを倒し、最後にラファーとタイマンとなり、
傷ついて互いの境遇に同情しあう。

マイクはスーパーに来ていたフィービーと合流し、
照明の中でプロポーズし、見事OKをもらうが、その瞬間、スタンガンに撃たれて昏倒する。

そして冒頭の取り調べに戻る。

一方、イエイツとビクトリアは上司のクルーガー(ビル・プルマン)につかまり、
イエイツは責任を取らされて射殺され、ビクトリアはマイクの有用性を訴えて何とか難を逃れる。

半年後、有能なエージェントとして東南アジアに向かったマイクは
ビクトリアが監視する中、わざと中国マフィアにつかまった。

ここで本編は終わり、ゴリラが中国マフィアを倒すアニメでエンドロールとなる。

**

予告や映画の説明から思っていたものよりは多少ましだった。
「ジェイソン・ボーン」+「イコライザー」をB級テイストで仕上げたら
こんな風になりましたってところでしょうか。

ジェシー・アイゼンバーグは「ソーシャル・ネットワーク」が初見だが、
もっと前から知っていた気がする。

クリステン・スチュアートは「トワイライト」が有名だが未見で
「イントゥ・ザ・ワイルド」が初見。「ザスーラ」の姉だとは後で知った。

トファー・グレイスは「スパイダーマン3」のビラン、ベノム。

 

 

       

 ブリッジ・オブ・スパイ

トム・ハンクス、マーク・ライランス、エイミー・ライアン、スコット・シェパード。

1957年、東西冷戦の真っただ中、アメリカとソ連の双方は互いにスパイを送り込み、
諜報合戦を繰り広げていた。

ニューヨーク、ブルックリンブリッジの近くに住む一人の男、ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)は、
電話を受けると無言で部屋を出て地下鉄を乗り継いで、絵を描きに出かける。
男たちが数名、アベルを追う。

アベルは絵を描きながらイーゼルの脚を調節するふりをしてベンチの下に隠されていたコインを取り持ち帰る。
そしてコインを割って中から暗号表を取り出す。

アベルの部屋の前に数台の車が止まり、部屋に突入する。
アベルはFBI捜査官たちにソ連のスパイ容疑で逮捕される。
アベルは淡々と逮捕に応じるが、うまく立ち回って暗号表を密かに始末する。

ニューヨークで保険関係の仕事をする敏腕弁護士、ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)の
務める事務所にアベルの弁護依頼が入る。
いわゆる国選弁護人としてドノバンが推薦され、事務所の所長は名誉だとしてこれを受けたと言う。
ドノバンも当初は嫌々ながら、弁護を引き受けることになった。

ドノバンの家庭は妻、メアリー(エイミー・ライアン)、子供はキャロル、ロジャー、ペギーの1男2女。
助手のダグ・フォレスター(ビリー・マグヌッセン)も家に呼んで準備を進める。

ドノバンはアベルに面会し、アメリカ政府に協力する意思がないことを確認すると、
そのことは弁護士である自分以外には他言しないよう指示する。

ドノバンは押収された証拠などを確認、帰宅途中にCIAのホフマン(スコット・シェパード)に
掴まってアベルの情報を漏らすよう依頼されるが固く拒否する。

ドノバンがアベルの弁護をすることは新聞で報道され、ドノバンは人々の好奇の目にさらされる。
ドノバンは全米で一番嫌われているのはアベル、自分はその次だろうと自虐的に語る。

学校でもソ連の脅威、核攻撃の脅威が盛んに教育されていた。
ドノバン家の子供たちも核戦争の恐怖を感じている、そんな時代だった。

アベルの裁判に対してドノバンは真摯に対応するが、世間一般と同様判事も有罪を決めつけ、
端から死刑判決を出すつもりでいた。

ドノバンの弁護も虚しく陪審が3件の起訴内容に対してすべて有罪と判断して結審した。
後日、判決が言い渡されることとなったが大方の見方は死刑だった。

ドノバンは判事の説得に掛かる。
もし、今後、米軍のスパイがソ連に逮捕された場合、アベルは捕虜交換要員としての切り札となる。
生かしておいて損はない、と。

判決は懲役30年。
電気椅子はない、とアベルは安堵するが、傍聴人たちは吊るせ、絞首刑だ、と口々に罵る。
憎悪の矛先はドノバン家に向かい、家に向かって銃を乱射する者まで出る始末だった。

皆がドノバンは十分義務を果たしたと考えたが、ドノバン自身は上告するつもりだった。
捜査手続きに誤りがあり、逮捕が違法だと訴えるつもりだった。
実際裁判は最高裁で審議されたが、判決は覆らなかった。
メディアの問いかけにドノバンは「疲れた」とだけ述べた。

一方その頃、米空軍ではパイロットの身辺調査、ポリグラフ検査などが行われていた。
フランシス・ゲイリー・パワーズ(オースティン・ストーウェル)もその一人だった。

検査に合格した彼らに対し、CIAの管理下で極秘任務を遂行することが伝えられる。
それは21000mという超高空を飛びながら超高感度カメラで地上の軍事施設などを撮影する
スパイ機、U2を駆ってソ連上空をスパイすると言うものだった。
対空砲射が絶対に届かない高さでの隠密行動であるが、万が一帰還不能となった場合、
自爆、自殺するように指示される。

そしてついにパワーズのスパイ飛行の日がやってくる。
ソ連上空を飛び、撮影の準備を始めたパワーズのU2機のすぐそばで高射砲が炸裂する。
対空砲火が絶対届かないはずだったU2はあっさり被弾してコントロールを失う。
墜落しながらも自爆を試みるパワーズだったが、ついに機から離れてしまい降下。
自殺もできずにソ連軍に捕まってしまう。

ソ連もパワーズを密かに処刑することなく裁判にかけ10年の刑を言い渡す。
収監中も拷問により機密漏えいを迫るが、パワーズは耐える。

1961年、米ソの緊張は高まり、東ベルリンから西ベルリンへの脱出が
後を絶たないことに業を煮やしたソ連/東ドイツは、西ベルリンを包囲する壁の建設を開始した。
それまで行き来が自由だった東西ベルリンは通行が遮断されることになり、
壁の完成前に慌てて西側へ逃げる人が続出した。

西ベルリン在住のアメリカ人留学生のフレデリック・プライヤー(ウィル・ロジャース)は
自転車で未完の壁の隙間から東ベルリンに入り、教授とその娘カーチェを西に連れ出しに行く。
プライヤーがカーチェ(ナージャ・ボビレワ)とともに西に戻ろうとしたとき壁は閉ざされてしまっていた。
カーチェは逃げおおせたが、プライヤーは不審なアメリカ人として東ドイツ公安に逮捕されてしまう。

ドノバンにアベルの妻からアベルの裁判についてドノバンに感謝する手紙が届く。
CIAはソ連からの捕虜交換の申し出だと読み、ドノバンに交渉の全権を委任する。
場所は東ベルリン。
治安はかなり悪いが表向き政府は関与しないことになり、CIAは西ベルリンまで同行。
東ベルリンに入り交渉するのはドノバンただ一人。

CIAは国家機密の塊であるパワーズを取り返すことが第一義目的だが、
ソ連がパワーズと称してプライヤーを出してくることを懸念していた。

ドノバンはパワーズもプライヤーも取り返したいと考える。
その時、パワーズもプライヤーも交渉相手はボーゲルと言う同一人物だったからだ。

家族にはクライアントの事情でスコットランドに釣りに行くと伝えて出発するが、妻は何となく気づく。

西ベルリンは周囲を壁で覆われてはいたが、西側諸国からは空路ではいることができる。
また西ベルリンと東ベルリンも一部道路と鉄道で入ることができたが、厳しい検問があった。

交渉場所は東ベルリンのソ連大使館。
ドノバンはアベルの家族と称する人たちと会うがボーゲルには会えない。
交渉相手はソ連大使館の書記官だった。
ドノバンは無駄な駆け引きを避け、アベルとパワーズとプライヤーの交換を申し出る。
書記官は本国に聞くと告げ、翌日にはOKが出る。

一方、ドノバンにはボーゲルが接触してくる。
ボーゲルは東ドイツの公安だった。ドノバンはここでもプライヤー奪還を念押ししOKを取る。

しかし、ソ連と東ドイツは1枚岩ではなく、ソ連は捕虜交換が目的だったのに対し、
東ドイツはアメリカによる東ドイツ承認が目的だった。
ボーゲルはドノバンがソ連とも約束していることを知って罵り、交渉はいったん決裂するかに見えた。

CIAのホフマンはプライヤーを諦め、パワーズの交換を目指すよう指示するがドノバンは断る。
結局東ドイツは折れ、アベルとパワーズの交換と同時にプライヤーの返還も認める。
ただし、場所は米ソの交換場所であるグリーニッケ橋ではなく、東西ベルリンの検問所C、
通称チェックポイント・チャーリーとされた。

米軍機で西ベルリン入りしたアベルはドノバンとの再会を果たし、ドノバンの熱意に感激する。
約束の時刻、グリーニッケ橋にはアベル、ドノバン、ホフマンと
パワーズの確認役としてのジョー・マーフィーが並ぶ。

やがてソ連の車が到着。
降りてきたソ連のエージェントとともにパワーズがいることをマーフィーが確認する。
交換を焦るホフマン。
ドノバンは検問所Cにプライヤーが現れるまで待つと言う。

じりじりと時間が過ぎる。
遅れて検問所Cに東ドイツの車が現れ、CIAのエージェントがプライヤーを確認。
アベルとパワーズの交換が行われた。

アベルの去り際、ドノバンはソ連当局がアベルを処刑しないか気になると聞いた。
それは向こうに着いた私をハグするか黙って車の後ろに乗せるかで決まる、とアベルは語り、
実際にアベルはハグなしで後部座席に座らされたため、ドノバンはその先が気になった。

ドノバンは帰国、無事に帰宅した夫に妻は安堵する。
ちょうどその時、TVニュースがソ連とアメリカの捕虜交換が行われ、
政府の特命を受けたNYの弁護士、ドノバンが交渉に当たったと報じる。

ねぎらいの言葉を掛けようと寝室に向かった妻が見たものは、ベッドに倒れ込んで眠る夫だった。

暫くして功績が報じられたドノバンを見る人々の目は優しかったが、
車窓から子供が塀を乗り越える姿を見たドノバンの脳裏には
ベルリンの壁を乗り越えようとして射殺された人の姿がよぎった。

後日談としてアベルは帰国し家族と再会したこと、パワーズは飛行機事故で死亡したこと、
プライヤーは大学教授となったことが伝えられる。
ドノバンはその後、ケネディ大統領の命によりビッグス湾事件での捕虜奪還を依頼され、
民間人を含む、9千余人のアメリカ人解放に成功したと伝えられた。

**

派手な撃ち合いも爆破もなく展開は淡々と進むが、そこここで垣間見せる緊張感が真に迫る。
ほぼほぼトム・ハンクスの一人舞台だが、対比するマーク・ライアンス(アベル役)の飄々とした感じが、
更にトム・ハンクスを際立たせている。

語りで説明をせず、表情で語り、状況を背景で見せるところなどはさすが。

ギリギリまで本当にうまくいくかどうかドキドキさせ、さらにその後の展開まで観客の脳裏に刻みこむ。
演技、演出、カメラワークがうまくマッチしている。

「事実に基づく」とあるが、英語字幕では「Based on a true story」ではなく
「Inspired by a true story」なので、事実からは多分に脚色されてますよ、というところか。
これもスピルバーグのお得意かな。

捕虜交換のグリーニッケ橋は実際の場所だそうだ。
チェックポイント・チャーリーは専門用語っぽく聞こえるが、単に「検問所C」の意味。
日本的言い方なら「第3検問所」といったところか。

チャーリーはCを聞き間違えないためのフォネティック・コードと呼ばれる言い方。
A:アルファー、B:ブラボー、などの決まりがあるが、違う言い方をすることもある。
例えば、戦争映画でよく無線通信の時に了解の意味で「ラジャー」と言うが、
「ラジャー」という単語があるわけではなく、無線通信で了解を表す略語が「R」であり、
「R」のフォネティック・コードは本来「ロミオ」だが「ロジャー」を使うこともあり、
それがアメリカ訛りで「ラジャー」と聞こえると言うわけ。

 

 

 

 海難1890 

内野聖陽、忽那汐里、笹野高史、竹中直人、夏川結衣、永島敏行、金子昇、ケナン・エジェ。

**

19世紀も末に近いころ。和歌山県串本町、潮岬の近くの島、紀伊大島に一人の医師がいた。
医師、田村元貞(内野聖陽)は、数年前にこの島に移り住み、治療を行っていた。
田村の友人の海軍軍人、藤本源太郎(小澤征悦)は貧しいものからは治療費を取らない田村に感心していた。
田村を手伝うハル(忽那汐里)は、恋人が近くの海で溺死したショックから言葉を失っていた。

一方、1889年、オスマントルコ帝国は皇族のイスタンブール歴訪の返礼として、
日本に親善使節団を派遣することになった。
やや老朽化していたが木造フリゲート艦、エルトゥールル号が派遣されることになった。
機関担当士官のムスタファ(ケナン・エジェ)はお坊ちゃまと思われ、機関兵の下士官らとは仲が悪かった。

1889年出帆したエルトゥールル号は大陸沿いに東進し、1890年6月に無事に横浜に入港。
明治天皇に謁見を果たした。
そのまますぐ帰路に着く予定だったが、船内でコレラが発生したこともあって足止めを食い、
出発が延び延びになった。

その間、船内ではトルコ相撲等を催し、乗組員の士気を鼓舞した。
この際の格闘でムスタファは下士官らに見直され、和解する。

資金不足などもあったが、エルトゥールル号には出来るだけ早く帰国することが求められていたため、
台風が接近していたにもかかわらず、9月15日に横浜を出発することとなった。

翌16日、案の定台風の真っただ中で翻弄されるエルトゥールル号は、
乗組員の必死の対応も虚しく、マストが倒れ、舵も効かなくなる。
燃料庫に浸水し石炭が使えなくなったエルトゥールル号は日本土産を含む可燃物をもやし、
必死でボイラーを炊き続けた。

エルトゥールル号は神戸港への避難を試みるが、台風に押されて串本町沖に座礁してしまう。
ボイラーにも浸水、爆発の危険を感じた機関兵の提言でムスタファが退艦を告げて回るが、
時すでに遅し、ボイラーが爆発、乗組員は荒れ狂う海に投げ出される。

その頃、紀伊大島の漁師たちは台風に備えて漁船を陸揚げし、飲み食いに興じていた。
中には太夫、お雪(夏川結衣)、金持ちしか見ない医師、工藤らもいた。

ボイラーの爆発音が漁師らの耳にも届いた。
嵐の中、爆発音の正体を見に行った漁師らが見たものは、海岸に打ち上げられたおびただしい数の水兵だった。
しかし、漁師らは後先考えずに崖を下り生存者を救い上げた。
田村の診療所に担ぎ込まれた負傷者たち。
その中には意識を失ったムスタファもいた。
心肺停止。
ハルが恋人の死を思いだしながら、必死で心臓マッサージを施したおかげでムスタファは息を吹き返す。

佐藤村長(笹野高史)らも呼び掛けて、村中総出で負傷者の救出と救護に当たる。
明りも足りない、湯も足りない。
低体温症になりそうな乗組員を裸で温めようとする村人。
「任せときな」とお雪が名乗り出て、工藤も手を貸し始める。
生存者に対しては村の乏しい食料、衣服などを与え懸命の救護を行った。
こうして69名が命を取り留めた。(死者行方不明者は587名)

ムスタファは生存した自分自身を呪い、助かった乗組員にも悪態をついたが、
貧しいながら漁を休んで行方不明者や所持品の捜索をする村人の姿を目にする。

連絡を受けたドイツ軍艦が紀伊大島に寄港して生存者を神戸まで送ることになった。
日本海軍はその後、生存者をトルコまで送ることになる。
別れる際にトルコ兵たちは感謝の気持ちでいっぱいだった。
ムスタファは死者行方不明者の確認、遺品所持品整理のために島に残った。

しかし、残留品の中から軍刀や軍靴、貴金属類が無くなっているのを知ったムスタファは激怒して村長に詰め寄る。
田村は怒り狂うムスタファを連れて作業場に向かう。
そこでは、遺留品を遺族に血や泥で汚れたまま返したくないとの思いから、汚れを落とし修復する村人が。
改めて村人の心根に触れて感動するムスタファだった。

やがて、エルトゥールル号の出来事も人々から忘れ去られていった1985年。
イラクがイランとの停戦合意を破棄、テヘランを攻撃し始めた。

イランの日本人学校教師、春海(忽那汐里)は、突然のことに慌てふためいていたが、
トルコ大使館員のムラト(ケナン・エジェ)と偶然出会い、別れ際にお守りを渡される。

日本大使の野村(永島敏行)は邦人の安全確保に奔走し、本国への救援要請を行う。
そんな中、イラクのサダム・フセインは「48時間後にイラン上空を飛行する航空機を無差別に攻撃する」
と宣言、事実上の空路封鎖である。
各国は救援機を派遣、次々と自国民を避難させる。

野村大使の救援要請はあっさりと拒否される。
日本航空等の民間機にはイラン便がなく、自衛隊機の派遣は国会承認等で時間がかかると言うもの。
大使館を訪れた春海はムラトのことを思い出し、トルコ大使館に救援を要請するよう進言、
野村大使も賛同してトルコ大使館に救助を要請する。

トルコ本国では、最後の救援機を出す算段をしていたが、日本大使館からの要請を受け、
急遽、トルコ航空による救援機を2機出すことにした。
危険を承知の任務にトルコ航空のパイロットたちはこぞって志願した。

要請が受け入れられた野村に春海らも協力してテヘラン在留邦人215人を空港に集結させる。
しかし、そこにはトルコ行きのチケットを求めて騒然となるトルコ国民が大勢いた。

半ばあきらめ気味の日本人たち。
ムラトはトルコ人たちの前に立ちはだかり、自国民より先に日本人を助けるよう説得を始める。
当初は当然のように反発するトルコ人たちだったが、ムラトの思いに応え、
日本人を飛行機に乗せることに同意、ほとんどの人は陸路でトルコに向かうことになった。

こうして、空路封鎖の直前、2機目の救援機はテヘランを発ち、邦人は無事に救出されたのだった。

**

大げさな感じも、わざとらしさもなく、淡々と進行する割には切迫感もあった。

生存(救出)者69名、死亡/行方不明者587名。生存率10.5%。
電子機器も水中探査技術も重機もない当時としてはこれでもすごかったのかもしれない。

艦船が地中海のイスタンブールからどうやってインド洋に進んだのかは気になっていたが、
1869年にはスエズ運河が完成しており通行は可能だったようだ。

エルトゥールル号は木造のフリゲート艦。
3本マストの全てに横帆を備える帆装形式としては「シップ」となる。
英語の授業では「シップ=船」と習うが、帆船では帆装の形式を示す。
当初は帆船として建造されたが、後に改装されて蒸気機関を備え機帆船となっている。

ただし、燃料の問題もあり、全行程を機関航行するのではなく、港内や沿岸では機関、
遠洋/外洋では帆走が主流だったようだ。

ちなみに、ペリー艦隊の黒船艦隊は一般には蒸気船として知られるが、
外輪機帆船と帆船の組み合わせ。
一方のエルトゥールル号はスクリュー船と思われる。

テヘランからの脱出で「日本の国は我々を見捨てた」的な発言があるが、
国会承認云々関係なく、邦人救出のために自衛隊機を派遣できないのは当時の自衛隊法の制限であり、
1985年のテヘランでのトルコ機だけでなく、1997年にはカンボジアでタイ軍用機、
1998年にはエリトリアで米軍機に邦人が救出されている。

他にも政府チャーター機(民間機)で法人を救出搬送した実績はあるが、自衛隊機は出せなかったのが実情。
仮に出せてたとしても、安全確保は自己責任、自衛隊機の所まで来たら助けても良いレベル。
到底自衛隊員が邦人の所在地まで救出に行き保護して連れてくるなんて不可能だった。
国内の救援活動はするが海外の邦人は助けたくてもできなかったわけで、そんな国、独立国家と言えるか。
国内でも阪神淡路の時は総理大臣はじめ地元の首長も自衛隊派遣をためらった。
要請がないと自衛隊は何もできない。これが実態。

安保法制の全てが正しいとは言わないが、反対する人は少なくとも邦人救出に関して
どのようなご意見をお持ちか聞いてみたい。

 

 

 

 

 

 

 

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