ボーン・レガシー
ジェレミー・レナー、レイチェル・ワイズ、エドワード・ノートン。
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時は「ボーン・スプレマシー」から「ボーン・アルティメイタム」に至る辺り。
ジェイソン・ボーンがモスクワに現れて姿を消してから6週間ほど経った頃。
アラスカの山中、CIAの訓練区域。
極寒の水中から地図と指令書を入手した一人の男(ジェレミー・レナー)は、
オオカミを撃退し、険しい雪山を越えをして地図に書かれた地点を目指す。
男の名前はまだ明かされないが、記述の都合上、ここでアーロン・クロスだと明かしておく。
定期的に青と緑の2種類の錠剤を服用し、採血してサンプルを格納しながら先へ進む。
そして、それまでの記録より2日も早く連絡員(オスカー・アイザック)のいる山小屋に到着する。
男が危険な山越えをした理由は「薬を落とした」からで、連絡員に薬を要求するが、
明日、出発時に渡すと突き放される。
その日は無人機に血液サンプルを託して床に就く。
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トレッド・ストーンを追っていたサイモン・ロス(パディ・コンシダイン)が
暴露記事を書くことをキャッチしたCIAは、ロンドン駅でロスを射殺する。
そしてパメラ・ランディ(ジョアン・アレン)がジェイソン・ボーンに情報を提供し、
ブラック・プライアー作戦をつぶそうとしていることに危機感を覚え、
作戦責任者のエリック・バイヤー(エドワード・ノートン)は同時進行していた
いくつかの作戦の一時中止を決断する。その中の一つに「アウトカム」があった。
数々の成果を上げたアウトカムのメンバーを排除することに反対する幹部もいたが、
バイヤーは作戦を強行する。
各国に潜伏しているアウトカムのメンバーがアジトに検査、採血に訪れた際、
薬が変わったとして、今までの2種類の錠剤に替えて黄色の錠剤を渡される。
そしてその薬を服用したメンバーは次々と死んでいく。
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検査に来れないアウトカムメンバーの中にアーロンと連絡員がいた。
山小屋に一泊したアーロンは出発しようとするが、外は吹雪で連絡員はとどまるよう助言する。
アーロンは外に出てかすかな飛行音に気づく。
飛行音は徐々に近づき、ミサイルを発射して山小屋を爆破する。
アーロンは小高い丘に登り、足の付け根を鉄製のふたで覆い、狙撃銃でミサイルを発射した無人機を撃ち落とす。
バージニアにある無人機の操作室では、電波の発信源を一時ロスト、再び電波を捉え第2攻撃を準備する。
電波はアーロンの足の付け根に埋め込まれたRFIDから出ていた。
アーロンは山小屋近くの倉庫から医療器具を取り出し、自ら足を切ってRFIDを摘出する。
そして、血の臭いでオオカミをおびき寄せ、1匹を罠で確保、RFIDを無理やり飲み込ませて逃げる。
その頃、基地から飛び出した無人機が再びアーロンを追撃。
RFIDを飲まされたオオカミを誤爆してアーロンを始末したと判断する。
アーロンは死亡偽装には成功するが、山小屋の破壊でもらえるはずの薬は無くなってしまう。
アーロンは飛行機を盗んで脱出。隠してあった自動車から偽造パスポートや身分証などを調達する。
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ある製薬会社の生化学研究所。
マルタ・シェアリング博士(レイチェル・ワイズ)が、いつものように研究室で作業を進めていると、
研究員の一人が、シェアリング博士のいる制限区画に入り込み、シェアリングの同僚を次々と射殺。
シェアリングはぎりぎり逃げまわり、守衛が制限区画に入ると男は自殺してしまう。
シェアリングは難を逃れたものの怖くなって、妹のいる外国に逃げようと考える。
人里離れた一軒家で荷物を整理していると、政府の関係者と名乗る4人がやってきて、最初は穏やかだったものの、
シェアリングの銃を見つけると自殺に見せかけてシェアリングを殺そうとする。
その寸前、アーロンが飛び込んできてシェアリングを助け、4人を次々と射殺、
シェアリングを説得して逃亡に同意させ、家に火を放って車で逃げる。
アーロンはシェアリングに過去4年間に何度も診断を受け、採血もされ、注射もされていたが、
シェアリングはアーロンを「5番」と呼んで名前すら知らなかった。
アーロンはシェアリングから薬を調達するためにやってきたのだが、
シェアリングは薬の保管は別の場所、フィリピンのマニラだという。
いろいろ話をしているうちに、ウィルス投与による遺伝子操作がうまく行けば薬は不要で、
既に緑の薬については服用中止になっていることが分かり、青の錠剤についても
ウィルスによる遺伝子操作ができることが分かる。
しかし、それもマニラの製薬会社の研究室にあるので、ウィルスの欲しいアーロンと
命を狙われるシェアリングの利害が一致、二人でマニラに向かうことになった。
アーロンはシェアリング用の偽造パスポートやIDを用意、別々の旅行者の振りをしてマニラに向け出国する。
その頃CIAは、シェアリング襲撃チームが殺され、シェアリングを逃がしたことに気付き、追跡を開始する。
衛星画像や、付近の監視カメラ、防犯カメラの映像から車での逃走と、仲間がいることを突き止め、
ついで、車種を特定、駅や空港を手配、監視カメラ映像をしらみつぶしに探し続け、
ついにケネディ空港にいたシェアリングの画像を発見する。
そして、搭乗者の写真を調べ、シェアリングとともに、死んだはずのアーロンも発見する。
しかし、その時機は既にマニラに到着していた。
アーロンはシェアリングの会社の身分証も偽造、シェアリングとともに研究室のあるマニラの工場に入る。
守衛はうまくごまかして研究室に入り、ウィルスをアーロンに注射に成功する。
その頃CIAはシェアリングの会社に連絡、工場の責任者に二人の確保を命じる。
アーロンは確保に来た守衛3人をあっという間に倒して、工場内にパニックを起こして、
シェアリングとともに脱出に成功する。
ウィルスはアーロンのDNAに作用し、アーロンは激しい発熱に襲われる。
フラフラになりながらも安旅館に宿泊した二人。
アーロンはシェアリングに金を持って逃げろと言って昏睡する。
CIAはマニラ警察に二人の手配写真を送り、確保を指示。
その一方、CIA幹部も知らない「ラークス」作戦の「3番」をタイからマニラに送り込み、
アーロンの抹殺を狙う。
翌朝、シェアリングが薬を買いに出たすきにマニラ警察が宿の突撃を準備。
気付いたシェアリングが外から警告を発して逃げる。
アーロンは窓から屋根を伝って脱出、ラークス#3も後を追う。
アーロンはその辺のバイクを強奪してシェアリングとタンデムで逃走。
ラークス#3はパトカーを盗んで追う。
マニラ警察の白バイとバイクも追ってきて激しいカーチェイスとなる。
ラークス#3はパトカーを大破させ、バイク、白バイと乗り継いで
警察を巻いたアーロンを追う。
狙撃され傷を負いながらも逃げるアーロン、最後はフラフラになったアーロンの背後で、
シェアリングがラークス#3を柱に激突させて難を逃れる。
そして漁師を買収して船での脱出に成功する。
アメリカ本国では、パメラ・ランディがマスコミに送ったブラックブライアーの情報は差し止められ、
ノア・ボーゼン(デビッド・ストラザーン)は危険分子であるジェイソン・ボーンを米本国に誘導した
裏切り者としてパメラ・ランディを告発、一転彼女は危機に立たされていた。
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バイク、車を使ってのカーチェイスのシーンはなかなか。
無関係の車やバスを相手を倒すために利用するアイデアは冷血であり、斬新でした。
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ジェイソン・ボーンを作ったのは「トレッドストーン」作戦。
その後の新しい作戦が「ブラックブライアー」作戦。
ここまでは、パメラ・ランディとジェイソン・ボーンが暴いた範囲だが、
そのほかにも彼らの知らない複数の作戦が存在しており「アウトカム」作戦もその一つという設定。
「アウトカム」は単なる「高スキルな暗殺者の製造」ではなく、
遺伝子操作を含む肉体改造もプログラムに入っており、瞬発力や判断力の改善も目指している。
これ以外に、「ラークス(LARX)」と呼ばれる未認可のプログラムも進行中で、
作戦遂行に矛盾を感じず、非情な殺人マシンの製造プログラムとなっている。
ジェイソン・ボーンは暗殺命令を躊躇して失敗、海に落ちて記憶喪失となり、
自分の正体を探るうちに自分を殺人兵器に仕立て上げたチームに復讐するのだが、
その過程で、別の作戦を含めた作戦内容の露呈とメンバーの暴露を恐れたCIAが、
作戦を一時凍結し、証拠隠滅を図ろうとしたため、そのあおりを食らって
「アウトカム」メンバーの一人であるアーロンも抹殺されそうになる。
「アウトカム」では、改造された肉体維持のための錠剤摂取が必須で
アーロンは薬を求めて危険に飛び込んでいく設定だ。
終わり方はやや「ボーン・アイデンティティ」をイメージさせる。
続編があるとすれば、どういうモチベーションをアーロンに与えるのだろう。
ジェイソン・ボーンは自我を取り戻してから贖罪の旅を行うなど、おセンチな一面もあって
それがまた作戦失敗の要因ともなっているが、アーロン・クロスはどうするのだろうか。
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射撃の腕前だけでなく、多言語、偽造、サバイバル術などにも長けている人物を
作り上げる作戦なり部隊なり組織が存在するのは、スパイ映画の常道で
その中で自分の被験者の人格破壊を伴い、敵味方が判然としなくなるのもよくある。
また、何らかの理由で排除されそうになった工作員が組織に反旗を翻すのも見たパターン。
とはいえ、場所や人物の背景や相関や理由等で、全体を盛り上げていけばいいので、
見たパターンでも十分面白い。
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