2012/1-3鑑賞
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今年の累計:13(6)[2] 本 ( )は試写会
[ ]は邦画
1−3月期:13(6)[2]本 、4−6月期:0(0)[0]本、7−9月期:0(0)[0]本、10−12月期:0(0)[0]本  
月:4(3)[1]本、2月:5(2)[1]本、3月:4(1)[0]本、
01−03月期:13(6)[2]本
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 長ぐつをはいた猫     

吹替え版の声優は、竹中直人、本田貴子、勝俣州和、山像 かおりなど。
オリジナルの声優は、アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ザック・ガリフィアナキス、ビリー・ボブ・ソーントンら。

**

長ぐつをはいた猫、ことプス(Puss、声:アントニオ・バンデラス、吹替:竹中直人)は、お尋ね者。
町の酒場で金目の話を探り、荒くれ夫婦のジャックとジル(声:ビリー・ボブ・ソーントンとエイミー・セダリス)が、
魔法の豆を持っていることを知る。

さっそく、ジャックとジルの泊まっている宿に魔法の豆を盗みに忍び込むが、
覆面をした黒猫と鉢合わせ、互いを牽制しているうちにジャックとジルにばれて逃げる。

収まらないプスは、黒猫を追い、追い追い追い、猫のたくさんいるアジトに紛れ込む。
そして、黒猫こと、キティ・フワフワーテ(声:サルマ・ハエック、吹替:本田貴子)と対決、
しかし、現れたのは、玉子人間のハンプティ・アレキサンダー・ダンプティ(声:ザック・ガリフィアナキス、吹替:勝俣州和)
プスとは互いに語りつくせない因縁があった。

ハンプティの一緒に魔法の豆を探そうと言う誘いにプスはけんもほろろに断るが、
キティにほだされ、ハンプティとの因縁を語り始める。

それは、町の孤児院での出来事。
ともに孤児だったプスとハンプティ。
夢想家で発明マニアだったハンプティと魔法の豆で巨人の城から金のガチョウを盗む夢は
豆探しから豆盗みをしてたびたび捕まっていたプスとハンプティ。

育ての親ともいうべきイメルダに諭され、悪いことしないと誓う。
しかし、今一ついい子になれない二人。
ハンプティのいたずらで牛が暴走し、署長のお母さんがあわや、の時、プスが身を挺して救う。
一躍プスは町の英雄になり、長ぐつを手に入れる。

しかし、あい変わらずハンプティは悪さを止めず、プスを騙して銀行強盗の片棒を担がせる。
そして二人で逃げる途中橋の上で転倒し、馬車と金は崖下の川へ。
追手が迫る中、プスはハンプティを見限って逃げる。
こうしてプスはお尋ね者になり、ハンプティは牢獄につながれた。

結局プスはハンプティを許し、町に金を返すことでジャックとジルから豆を奪うことにする。

追いつ追われつの果てに魔法の豆を手に入れた、プス、ハンプティ、キティは、
砂漠の真ん中に示された場所に豆を植える。
ダメかと思ったその時、豆は勢いよく天まで伸び、一緒に雲の上まで上がった一行。
巨人の城に入り込んで金の卵を産むガチョウの雛を盗む。

城には、巨人はいなかったものの巨大な魔物が住んでいて、3人はうまく逃げて地上に降りる。
ガチョウの雛が産み落とす金の卵を人々に配り、これで万事うまく行ったかと思ったら、
実はすべてハンプティのたくらみ。

プスは銀行強盗の罪で逮捕され、ハンプティは一躍町の功労者に。

しかし、牢内にいた老人から雛を連れ戻しに巨大ガチョウが来ると知らされたプスは、
キティの手を借りて脱獄し、ガチョウの雛をつれて逃げるハンプティを追って、
親ガチョウを誘導、町を救うが、ハンプティとガチョウの雛と宙吊りになる。

そして、町を助けるために自らがけ下に落ちたハンプティ。
割れた空の下からは大きい金の卵が現れた。
親ガチョウは雛を連れて元ハンプティの卵を加え、空の上に戻って行った。 

シュレックと出会う前の物語と言う設定だが、シュレックとの関連は全くない。
吹替え版でも口の動きに違和感は全くなかった。

映像はとてもきれい。
お話も深くはないものの面白く、縦横無尽の展開でスピード感もあり
とても90分と思えないほど盛りだくさん。

ギレルモ・デル・トロがプロデューサーに名を連ねているが、声優としても出演している。

ジャックとジルと言えばアダム・サンドラーのコメディだが、典型的な男女のコンビ名のようだ。

一説にはマザー・グースの歌にあるジャックとジルは、
断頭台の露と消えたルイ16世とマリー・アントワネットを示すと言う。

マザー・グースと言えば、ハンプティ・ダンプティもマザー・グースの歌にあり、
卵のなぞなぞ歌として知られる。

 

 

 

 ヘルプ 心がつなぐストーリー   

エマ・ストーン、ビオラ・デイビス、オクタビア・スペンサー、ブライス・ダラス・ハワード。

1960年代の南部。
スキーター・フェラン(エマ・ストーン)は、大学を卒業して故郷のミシシッピ州に帰ってきた。
そこでは、女性は早く結婚して家庭を持つのが幸せで、家事全般から子供の世話は、
黒人女性のハウスメイド、通称ヘルプに任せるのが常識とされていた。

スキーターは、ジャーナリスト志望でノンフィクションライターを目指していたが、
経験が必要とされ、地元新聞に雇われる。
しかし、そこでの仕事は読者からの家庭のお悩み相談コラムの回答で、いなくなった担当者の代わりだった。

スキーターの友人たちのほとんどは大学に行かず、結婚して子供を持ちながらも、
家事や子育てはメイドに任せ、ママ友との無駄話やトランプやパーティに興じていた。

友達の一人のヒリー・ホルブロック(ブライス・ダラス・ハワード)は、
中でも差別的考えの持ち主で、スキーターは彼女を嫌っていたが、
ヒリーはメイドのトイレは雇主と別にする法律の素案を作って請願するほどだった。

スキーターは友人のエリザベスに頼んで、彼女のメイド、エイビリーン(ビオラ・デイビス)に
コラムの回答の手助けをしてもらうが、実はメイドの抱える不平不満を本にしようと考えていた。

スキーターが当てにしていたのは、NYの編集者、エレイン・スレイン(メアリー・ステンバージェン)。
エレインはスキーターのドラフトに共感はしたものの、差別意識に強い南部で実現できるかと思っていた。

スキーターは手始めにエイビリーンに本当の話を語らせようとするが、
喋ったことがばれるのを恐れるエイビリーンはなかなか喋らない。

エイビリーンのメイド仲間のミニー(オクタビア・スペンサー)は、
ヒリー・ホルブロックの家で働いていた。

ヒリーの母、ウォルターズ夫人(シシー・スペイシック)の若いころからのメイドで、
料理の腕は一級だったが、ある雨の日、ヒリーの命に背いて、母屋のトイレを使ったことで、
ヒリーから首にされてしまう。

ある夜、エイビリーンの家を訪ねて彼女がスキーターに話しているのを知ったミニーは、
自分も加えろと言いだし、実情を話しはじめる。

スキーターは原稿をエレインに送るが、二人では少ない、自分の話も書け、と言われ困惑する。
二人の話を大勢の話に脚色しろと言うミニー。
できないと言うスキーターにエイビリーンは息子の死の訳を話し、後戻りはできないと言う。

ミニーは、奥さん連中から仲間外れにされているセリア・フット(ジェシカ・チャステイン)に雇われる。
セリアは南部に似つかわしくないほど明るく陽気で気さくでミニーを温かく迎え、
料理も家事もできないので旦那に内緒で料理を教えてもらいたいと言うのだった。

KKKによる黒人射殺事件が起こり、本の内容から個人が特定されると危険と感じたミニーは、
自分がヒリーにした復讐を本に載せ、ヒリー自身がこの町のことではないと言うよう仕向けようと
嫌がるスキーターを説得する。

ヒリーの家には後任のメイド、ユールメイ(アンジャンヌ・エリス)が雇われた。
ユールメイは双子の男の子の大学進学を控え、学費に困っていたが、
ヒリーは借金の申し出をあっさり断ってしまう。

そして、ユールメイは掃除の時に見つけた指輪をくすねてしまう。
質屋で換金をしたユールメイは仲間のメイドの目の前で逮捕されてしまう。

事情を知ったメイド仲間たちは、意を決してエイビリーンの家に集まり、
口々に事実を語り始める。
それは必ずしも雇主の悪口ではなかったが、薄給でこき使われるメイドの実態は明らかだった。

最後に残ったのは、スキーター自身の話。
幼いころから育ててくれたメイドのコンスタンティン(シシリー・タイソン)は、
スキーターが大学に行っている間にシカゴに帰ったと言う。

実は母の見栄で首になっていて、母からその理由を聞き、激怒するスキーターは、
シカゴに迎えに行こうとしたが、すでに死んでいると聞かされる。

こうして本は完成。
初版本の原稿料はスキーターから話を聞かせてくれたメイド全員に配られた。

ミニーはその金をもとに飲んだくれの夫から離れることができ、
また秘密のはずのセリアの旦那もミニーのことを気づいており、温かく受け入れてくれた。

しかし、一方でスキーターはやっと巡り合った男性に愛想を尽かされ、
ヒリーが怒鳴り込んでくるが、スターキーの母が毅然として追い払い、娘を誇りに思うと言う。

エイビリーンは、ヒリーによってエリザベスの食器を盗んだ言いがかりをつけられて首になり、
捨て台詞を吐いて立ち去る。
メイドたちにとって、まだまだ道は遠いのだった。

**

2009年に出版された同名小説の映画化。
作者のキャサリン・ストケットはこの映画の監督のテイト・テイラーの友人である。

白人と黒人の対立を煽る感じはしないが、法的にも差別が規定されていた頃の南部を描いている。
バスの乗る位置の区別、街中での白人と黒人の違いは示されていたが、
一般的な黒人差別については語られず、もっぱらメイド=ヘルプに焦点を当てて、
その屈辱的扱いを取り上げている。

問題を暴露したのはやっぱり白人女性であって、物語は白人目線。

最後にエイビリーンがヒリーに吐く捨て台詞は(少なくとも字幕では)
ヒリーからスキーターの存在を隠し通す意味もあったように感じた。

スキーターにとってもこの本は危険な賭けであったと思うが、その点はやや希薄だった。

 

 

        

 シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム 

ロバート・ダウニーJr、ジュード・ロウ、ノウミ・ラパス、ジャレッド・ハリス。

**

19世紀末期。
ヨーロッパでは、仏独の対立が激化、爆弾テロが行われるなど不穏な情勢にあった。
シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr)は、扮装して
アイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)の動きを追っていた。
彼女は、何やら包みを抱え、どこかへ向かう。
追手と思ったのは彼女の護衛で、ホームズは逆に彼らに襲われるが、
これを撃退して再びアイリーンを追う。

彼女はオークション会場で包みをホフマンシュタール博士(医師)に渡す。
博士からの手紙と交換の包みの中身は金のはずだったが、何と爆弾が仕掛けられていた。

割り込んだホームズは手紙を取り上げ、爆破を回避したが、会場の外で博士は毒殺される。
ホームズは、アイリーンと夕食を共にする約束をしてその場を離れる。

その後、アイリーンはレストランでモリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)と会うが
手紙を取られたことを責められ、挙句、毒殺されてしまう。

一方、ワトソン博士(ジュード・ロウ)は、結婚式を2日後に控え、
シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr)のアパートに行き、
ホームズが一連のテロの元凶をモリアーティ教授と見ていることを知る。

ワトソンがホームズとバチェラー・パーティのつもりで行った飲み屋には、
知人はシャーロックの兄、マイクロフト(スティーブン・フライ)しか来ておらず、
ホームズもワトソンのことは上の空で2階席の占い師シムザ(ノウミ・ラパス)を訪ね、
彼女の兄に会いたいと伝えるが、既に刺客がシムザを狙っており、
これを倒そうとするホームズと格闘になる。

争いはワトソンを巻き込んで熾烈なものとなるが、何とか勝利をおさめ、
二人はボロボロのまま、ワトソンの結婚式に向かう。
式は滞りなく終わり、ワトソンは新妻のメアリー(ケリー・ライリー)と、
新婚旅行の車窓の人となる。

ホームズはこの後、モリアーティ教授を大学に尋ね、対決を匂わせるが、
教授は逆にワトソンにも被害が及ぶと脅す。

その頃、ワトソンはメアリーと列車内で漢に襲われ、変装したホームズに
助けられて現れて暴漢は撃退するが、ホームズはメアリーを列車から突き落としてしまう。

その後も二人は敵の攻撃をかわし、事件の真相を突き止めるため、
フランスにいるだろうシムザとその兄を訪ねる。

なお、メアリーはホームズの計画通り川に落ち、兄のマイクロフトが予定通り助け、
彼の屋敷にかくまわれていた。

ホームズとワトソンは、シムザを訪ね、彼の兄が対独テロを仕掛ける過激派の仲間だと知る。
その過激派はモリアーティ教授に牛耳られており、シムザの兄が新たなテロを起こすことを知る。

ホームズは、次の標的がオペラ座だと読んで乗り込んでいったが、それは囮。
実は国際会議の行われていた会場が攻撃の目標だと分かるが、時すでに遅し。
爆弾と銃撃によりフランスの高官が暗殺される。

ホームズはモリアーティ教授が独仏戦争の開戦をもくろみ、武器製造会社を買収し、
過激派を使って危機感をあおっていると読み、ワトソン、シムザらとともにドイツに入る。

検問をかいくぐり、ドイツの武器製造会社に入ったホームズとワトソンは、
大量の銃器や重火器、砲弾を見つけるが、ホームズはモリアーティ教授に捕まり、
フックで肩を吊り下げられてしまう。

ワトソンはモリアーティ教授のたくらみをマイクロフトに打電してから、
監視棟を爆破して倒し、ホームズを救出する。

その後、ホームズらは仲間を失いながらも、砲弾の雨の中を逃げ延びた。
ホームズは助けを出さない英政府を非難するが、証拠がなく対応できない。

マイクロフトは、和平交渉の行われるスイスの城にホームズらを入り込ませ、
モリアーティによるテロの証拠であるシムザの兄を探させる。

しかし、モリアーティはシムザの兄に冒頭殺された博士による整形手術によって
顔が変わっており、シムザが見ても誰が兄かわからない。

ホームズは対応をワトソンとシムザに任せ、モリアーティ教授と単独で対決する。
ワトソンはついにシムザの兄を特定し、暗殺テロを阻止するが、
兄はモリアーティの部下によって毒殺され、証拠は消えてしまう。

モリアーティは今回のテロが阻止されてもいつか戦争が起こり、
自分の会社がぼろ儲けできるとうそぶく。

ホームズは密かに抜き取ったモリアーティの手帳をメアリーに渡し、
暗号解読の方法とともに資産の移動を指示していた。

肩の怪我の癒えないホームズはモリアーティと格闘になると負けることは自明だったが、
助けに来たワトソンの目の前で、モリアーティに抱き付いて道連れとし、
城のバルコニーから滝に身を投じて滝壺に消えてしまう。

こうして、モリアーティとともに遺体が発見されないままホームズは死んだと思われた。

ワトソンはホームズの物語を彼自身の死によって締めくくったが、
ワトソンのもとにマイクロフトの屋敷にあった酸素吸入器が送られてきて、
ホームズの生存を思わせた。

ワトソンが配達人を追おうと部屋を出たとき、カムフラージュして隠れていたホームズが現れ、
「終わり」に「?」を付けるのだった。

***

前作と同じく、ガイ・リッチー監督で作品の雰囲気もよく似ている。

謎解きや推理よりもアクションが中心で、前作にもましてアクション満載。
TVシリーズなどの落ち着いて静かに事件の謎を語るホームズとは一線を画す。
個人的にはこっちが好き。

セリフによる説明ではなく推理、推察のための情景や観察がフラッシュバックされ、
行動の先読みが目まぐるしく展開する上にスローも多用した演出となっている。

物語は基本映画オリジナルだが、登場人物の構成は原作シリーズを踏襲。

シャーロック・ホームズ最強のライバル、ジェームズ・モリアーティ教授が登場。
シャーロック・ホームズと直接対決する。
ラスト近くは原作シリーズの「最後の事件」に似せてある。

 

 

 

 ヒューゴの不思議な発明  

ベン・キングスレー、クロエ・モレッツ、エイサ・バターフィールド、サシャ・バロン・コーエン

**

1930年代、バリ。

駅の壁の中。
時計屋をしながら博物館でも働いていた父(ジョード・ロウ)を火事で亡くし、
飲んだくれのクロードおじさんの手伝いで時計のねじを巻いて回る
少年、ヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)

クロードおじさんは出かけたまま戻らず、もうかなりの日が経った。
ヒューゴは相変わらず時計のねじを巻き、店のパンや牛乳をくすねて暮らしていた。
唯一の友達は父が博物館で見つけた錆びたからくり人形(=オートマトン)。

二人で部品を直し、もうあと少しと言うところでの事故だった。
ヒューゴは今日も時計の裏から駅の様子を眺めていた。

おもちゃ屋のねじで動くネズミに興味を惹かれ、壁から抜け出してそっと手を伸ばす。
おもちゃ屋の主人ジョルジョ(ベン・キングスレー)は、寝たふりをしていた。
ヒューゴの腕をつかみ、泥棒と呼び、持っているものをすべて出させる。

ヒューゴの持ち物は、ねじや歯車のほかに細かい図面がぎっしりと書き込まれた小さい手帳。
父がからくり人形を直す際に調べ、丁寧に書き起こしたものだった。

ジョルジュはそのノートを取り上げ、焼き捨てると言った。
ヒューゴはその由来を説明せず、ただ返してほしいと言うだけだった。

ヒューゴはジョルジュの後を家までつけていった。
家の2階には駅で見た可愛い少女、イザベル(クロエ・モレッツ)がいた。
ヒューゴはイザベルを呼び出してノートを取り返したいと言ったが、
泥棒呼ばわりされるだけだった。

翌日、ヒューゴはジョルジュの店に行ってノートを返すよう頼んだが、
返されたものはハンカチに包まれた燃えカス、灰だった。

落胆するヒューゴに、物陰からイザベルがノートは燃やされていないと告げる。

ヒューゴは再びジョルジュにノートを返すよう迫る。
ジョルジュは店の手伝いをすれば許してやると言い、ヒューゴはねじ巻きの合間に店を手伝う。

駅には片足が不自由な公安保安官(サシャ・バロン・コーエン)がいて、浮浪児を逮捕、
孤児院送りにしていた。
ヒューゴは保安官に見つからないよう、いつもびくびくと暮らしていた。

ヒューゴはイザベルと友達になるが、冒険を夢見るイザベルは本の好きな多感な少女だった。
でも映画だけは、ジョルジュが反対して1回も見たことがないと言う。
ヒューゴは映画館の裏口から忍び込み、イザベルと映画を見るが、只見がばれてつまみ出される。

その時、ヒューゴはイザベルがハート形のキーを持っていることに気づく。
それは、あのからくり人形の背中についている鍵穴にぴったりに思えた。
そして、イザベルを壁の裏に連れて行き、人形の鍵穴にキーを入れた。

からくり人形は何かを書き始めた。
きっと父からのメッセージが書かれると思ったヒューゴの期待を裏切り、
人形はでたらめに何かを書いただけで止まってしまった。

落胆するヒューゴ、人形は直ってなんかいなかったんだ。
しかし、人形は再び動き始め、書き続け出した。

それは字ではなく絵だった。
人面をした月にロケットが突き刺さるあの「月世界旅行」の1ショットであり、
その下にジョルジュ・メリエスとサインがされた。

ジョルジュ・メリエス、それはイザベルの父(養父)ジョルジュの名前だった。

ヒューゴはイザベルとともにジョルジュに問いただすため家を訪れる。
ママ・ジャンヌ(ヘレン・マクローリー)もヒューゴを泥棒呼ばわりし、
追い返そうとする。
ヒューゴが「あの絵」を見せると、ママ・ジャンヌは驚きを見せるが、
そこにジョルジュが帰ってくる。

ヒューゴとイザベルは別室に隠れ、パパのノートを探そうとして、
タンスに隠されていた映画のシーンを書き記したスケッチを見つけ、
ばらまいてしまうが、それを見たジョルジュはショックを受ける。

その後、クロードおじさんがセーヌ川で水死体で見つかる。

ヒューゴは身元を証明する人を失い、ついに保安官につかまってしまう。
留置され、孤児院送りにされようとしたが鍵を開けて逃げ、
保安官と追いつ追われつとなる。

やっとのことで保安官をまいたヒューゴは、ジョルジュ・メルトンについて調べるため、
貸本屋のムシュー・ラビス(クリストファー・リー)に聞いて、
イザベルとともに図書館に行く。

そこで見た本には、ジョルジュ・メリエスが死んだと書いてあった。
その本の著者、ルネ・タバール(マイケル・スタルバーグ)は、
ジョルジュの存命を信じず、ヒューゴに1巻の映画を見せる。

戦争で焼失し、たった1巻残ったジョルジュ・メリエスの作品だと言う。
それは紛れもなく「月世界旅行」だった。

ヒューゴとイザベルはタバールを家に連れて行く。
一旦は追い返そうとするジャンヌ。
しかし、タバールがメリエスの映画について語るのにほだされ、
無くなったと思っていたメリエスの映画を見ることを承諾する。

ジョルジュに内緒で上映された「月世界旅行」
しかし、それはジョルジュの思い出を掘り起こす音だった。

ジャンヌはジョルジュに過去を捨てるのは止めようと告げる。
そして、ジョルジュ・メリエスは過去を語り始めるのだった。

もともと手品師とその助手だったジョルジュとジャンヌ。
彼のマジックは一世を風靡し、専門の劇場も持っていた。
そしてからくり人形を作り、人々を喜ばせていた。

ある日二人は、リュミエール兄弟の「工場の出口」と「ラ・シオタ駅への列車の到着」を見て、
感動し、自分たちでも映画を作ろうと考える。

からくり人形の部品を使ってカメラ/映写機を製作、「月世界旅行」をはじめとする
数々の冒険活劇、SFを製作した。

映画は隆盛を極めたが、やがて第1次大戦が起こり、人々は娯楽を忘れ、映画は衰退。
ジョルジュのスタジオも破産し、フィルムは溶かされてハイヒールのかかとになった。

唯一残ったのが部品を取られたからくり人形。
ジョルジュはそれを博物館に寄贈、後年ヒューゴの父が見つけたのだった。

ヒューゴはからくり人形をジョルジュに返そうと考えた。
急いで駅に行き、からくり人形を抱えて戻ろうとして再び保安官に追いかけられる。

先を急ぐヒューゴはからくり人形を線路に落とし、取ろうとして線路に降りる。
そこに機関車が入線、スンダのところでヒューゴは保安官に助けられる。
そして、保安官が留置施設に連れて行こうとしたとき、
ジョルジュ・メリエスがうちの子だ、と名乗りをあげたのだった。

やがて、タバールの強力で全国、全世界から無くなったと思われていた、
ジョルジュ・メリエスのフィルムが集められ、映画祭が行われた。

ヒューゴはジョルジュに引き取られ、からくり人形の見守る中、幸せに暮らしていた。

***

原作は「ユゴーの不思議な発明」、映画でもそうですが、ヒューゴ(ユゴー)は何も発明しません。

ヒューゴの冒険物語だと思っていたら、映画へのオマージュ、
映画創世期における偉大なる製作者ジョルジュ・メリエスへのオマージュ映画だった。
スコセッシ監督自身の気持ちの表れでもあると思う。

メリエスの「月世界旅行」は映画史の教科書に載るくらいの著名な作品で、
今から100年も前に特撮を駆使した冒険物語となっている。(現在はパブレック・ドメイン)


ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」の1ショット

なお、ジョルジュ・メリエスのからくり人形は彼の死後、博物館に寄贈されたが、
最終的には廃棄されてしまったそうで、著者のブライアン・セルズニックは
そこにヒントを得て原作を書いたそうだ。(by Wiki)

**

サシャ・バロン・コーエンは際物が多いが、こうして普通の役もやる。

エイサ・バターフィールドは「縞模様のパジャマの少年」「ナニー・マクフィー2」など。
ママ・ジャンヌのヘレン・マクローリーハリー・ポッターでドラコ・マルフォイの母親。
花屋のリゼッタのエミリー・モーティマーは「シャッターアイランド」のレイチェルの一人、
「ピンク・パンサー1、2」のニコル。

マーチン・スコセッシ監督が写真屋の役でカメオ出演している。

 

 

 

 ドラゴン・タトゥーの女 

ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、ロビン・ライト、クリストファー・ブラマー。

**

ミレニアム誌の記者、ミカエル・ブルムクウィスト(ダニエル・クレイグ)は、
実業家のハンス=エリック・ヴェンネルストレームの不正を記事にするが、
逆に名誉棄損で訴えられて敗訴し、多額の賠償金を命じられる。

ミカエルは不倫関係にあるミレニアム誌の編集長、エリカ・ベルジェ(ロビン・ライト)と相談し、
一時的に社を離れることにした。

その頃、ディルク・フローデ(スティーブン・バーコフ)は調査会社を通じて、
密かにミカエルのことを調べさせていた。
調査人は顔中にピアスを入れたリスベット・サランデル(ルーニー・マーラ)。
調査結果は正確で詳しいものだったが、その手法は必ずしも適法ではなかった。

ミカエルは、フローデを通じてヘンリック・バンゲル(クリストファー・ブラマー)に呼ばれ、
スウェーデンの北の街、ヘデスタット(Hedestad)に向かう。

ミカエルの表向きの仕事はヘンリックの評伝(≒伝記)を書くことであり、
その実は、40年も前に失踪した姪、ハリエットを殺した人物を突き止めることだった。

ヘンリックがミカエルに依頼したのは彼のジャーナリストとしての取材調査能力によるものだが、
もう一つ、ヘンリックがヴェンネルストレームを嫌っているからという理由もあった。

ハリエットは40年前のある日、行方不明となった。
しかし、誰も見た者がなく、死体も見つからず、行方知れずのままとなっている。

ミカエルは、昔の事件で解決は到底無理だと考えたが、
ヘンリックが持つヴェンネルストレームの不正の証拠を渡すという条件で調査を引き受ける。

失踪当日、ハリエットはヘンリックに相談があると言ったが、ヘンリックは後で聞くと答える。
この直後にバンゲル家の近くの橋の上で交通事故があり、それにみんなが掛かっているうちに、
ハリエットはいなくなってしまった。
そしてその後、警察による捜索も虚しく、遺体はおろか手がかりすら掴めないままとなった。

ヘンリックはそれ以来、自分の誕生日に送り続けられている差出人不明の押し花を
ハリエット殺人犯から送られたと信じている。

ここで、ミステリーに重要な登場人物の相関を説明しておこう。

ヘンリックは5人兄弟の末っ子。
4人の兄のうち、長兄リカルドと二男のハラルドはナチの協力者。
ハラルド以外の3人はいずれも死亡している。

リカルドの息子にゴットフリード。
一族の鼻つまみで、酔っ払って水死している。

そのゴットフリートの子供に、現在のバンゲル・グループ会長の
マルティン(ステラン・ステルスガルド)と、その妹で失踪したハリエット。

ハラルドの子供に市会議員のビリエル、その妹のセシリア、
さらにその妹で一族を嫌ってイギリスに住んでいるアニカがいる。

ミカエルは、ヘンリックから事件の捜査記録を含む膨大な資料を受け取り、
一族のほか、警察関係者などにも取材を試みる。

特に手がかりとなるようなものはなかったが、一つだけ気になるものが。
それはハリエットの残した手帳の最後に書かれたイニシャルと5ケタの数字。

当時、警察も調べたが、一部は市内の電話番号らしいということだった。
もちろん該当の番号は調査したが、誰もハリエットのことは知らなかった。

ミカエルは手不足を訴え、フローデはミカエルを調べた際に利用した調査会社ミルトン社を紹介する。
ミカエルはミルトン社に乗り込み、調査員のリスベットの所在を知る。

リスベットは幼いころの素行不良がもとで、弁護士のホルゲル・パルムグレンを後見人として、
世話になっていたが、パルムグレンが脳梗塞で倒れたため、後任の後見人になった
リスベットを異常者と決めつけるニルス・エリック・ビュルマンに性的迫害を受ける。

リスベットは自ら迫害シーンを盗撮しており、ニルスに豚野郎と刺青をして後見人を外すよう脅す。

その頃、ミカエルはリスベットの家を直接訪れ、調査への協力を依頼する。
リスベットは事件に興味を示し、調査を開始する。

ミカエルには別れた妻、モニカとの間に敬虔なクリスチャンのペルニラと言う娘がいた。
ペルニラは聖書の会の集会に出る途中だと言ってミカエルの滞在先を訪れる。
そして帰り際、キリスト教の悪口は書かないでね、と言う。
訝しがるミカエルに、机の横に聖書の言葉がメモられていた、と言い残す。

それは、例のイニシャルと5ケタの数字のことだった。
5ケタの数字は、聖書の章節を表すものだった。
そしてそれは、異教徒や異端に対する処罰の仕方が書かれている部分だった。

リスベットは、調査結果を持ってミカエルのもとを訪ねる。
それは連続殺人の手口と聖書の関連だった。
手帳に書かれた件数以上の残虐な殺人事件が起こっていて、すべてが聖書と関連していた。

ミカエルは失踪当日、パレードの写真の中からハリエットの写真を見つける。
雑誌社を訪ね、古い写真を調べてハリエットが何かを見て怯え、その場を立ち去ったと考える。

そしてハリエットの後ろからハリエットの視線の先を撮影している人物を突き止め、
ハリエットが何を見たかを調べ上げようとしたが、決定的なものはなかった。

そうこうするうち、ヘンリックが脳梗塞で倒れる。
ミカエルはフローデからヘンリックが約束したヴェンネルストレームを失脚させる資料を受け取るが、
既に時効になっているような古い事件の資料で、失脚させるには到底物足りないものだった。

一族の大半はミカエルに評伝の作業を止めて帰るよう言うが、マルティンは調査を続けるよう言う。
調べを進めるミカエルは、何者かに狙撃され、弾は額をかすめる。
さらにミカエルの小屋に居ついていた猫がばらばらに殺される。

リスベットは小屋に防犯カメラを仕掛け外敵に備える。

リスベットは、バンゲルの資料館の資料を徹底的に調べ始める。
そして状況証拠から、数々の猟奇的連続殺人事件が、ゴットフリートによるものだと知る。
しかし、ハリエットの事件はゴットフリートの死亡以降であり、犯人は依然として不明だった。

ミカエルはついに決定的な証拠を見つける。ハリエットが見たものは通りの向こうにいる青年、
そのブレザーにはマルティンの寄宿していた大学の紋章が入っていたのだ。

ミカエルはマルティンの家を探りに行く。
マルティンは不在で、何も見つけられなかったミカエルは
マルティンの帰宅で逃げようとして見つかりマルティンに捕まってしまう。

その頃、リスベットもマルティンのブレザーに気付き、
ミカエルに注意しようと戻り、防犯カメラに映ったマルティンに気づく。

マルティンはミカエルを吊し上げ、ハリエットの真相を問いただす。
お前が犯人だと言うミカエルにマルティンは落胆したと言う。

数々の殺人事件はマルティンの父ゴットフリードによるもの。
その後、自分は証拠を残さず殺人を続けてきたという。
すべてはユダヤ人狩りだった。

しかし、ハリエットはユダヤ人ではないし、何より自分の妹だ。
マルティンはハリエット殺害の理由がつかめないままのミカエルを殺そうとするが、
そこにリスベットが飛び込んでマルティンを一撃。
不意を食らったマルティンは車で逃げ、追うリスベットに気を取られて道路わきに激突炎上して死ぬ。

マルティンがハリエットを殺害したのは間違いかもしれない。
ハリエットは生きていてアニカがその所在を知っているかもしれないと思ったミカエルは、
アニカにマルティンが死んだことを告げ、ハリエットに連絡するのを待った。

しかし、ミハエルの見込みは外れ、アニカは一向に誰にも連絡しなかった。
考えられるアニカがハリエットに連絡しない理由は2つ。
一つはハリエットがすでに死んでいて連絡しようがない場合。
もう一つは・・・・・。
ミカエルは賭けに出て、再びアニカに会いマルティンに殺されかけたと言い、
あなたがハリエットですね、と聞く。

その間は当たっていた。
ハリエットは、幼いころから父ゴットフリードに乱暴されていた。
父は酔ってはユダヤ人狩りを自慢、ある夜酔ってハリエットを絞殺しそうになり、
逃げたハリエットは湖のほとりで父をオールで殴り倒し溺死させたのだった。

それを兄のマルティンに見られ、乱暴の相手が父から兄に替わっただけだった。
やがてマルティンは大学の寄宿舎に入り家を出たが、あの祭りの日、
町に帰ってきたマルティンを見たハリエットは、アニカに相談し逃げることを決意。
アニカの車に隠れて家を出たのだった。

イギリスにはアニカの夫と夫婦と偽って出国。
やがてアニカもアニカの夫も死に、自分はアニカとして生きてきた。
ハリエットばれないようにバンゲル家とは一切連絡を取らなかったのが真相だ。

命は取り留めたヘンリックはハリエットと再会、事件は結末を見た。

ヘンリックの疑問は解けたが、ミカエルの汚名は雪がれないまま。
リスベットはミカエルを調べたのと同じ方法でヴェンネルストレームを調べられるという。

ミカエルはリスベットの調査をもとに新たなヴェンネルストレームの疑惑を記事にする。
ヴェンネルストレームはすべて捏造だとするが、司法当局が調査に乗り出す。

リスベットは投資話があると言ってミカエルから大金を借りる。
リスベットはその金で偽装して、ヴェンネルストレームの海外の口座から資金を手に入れる。

メディアではヴェンネルストレームが正体不明の女性を使って資金を隠したと報道され、
ヴェンネルストレームはマフィアに始末されてしまう。

リスベットはミカエルに好意を寄せるが、ミカエルとエリカとの逢瀬を見てしまい、
失意のうちにその場を去って行くのだった。

***

スウェーデンの小説「ミレニアム3部作」の1作目のスウェーデン映画
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のハリウッド・リメイク。
2部目、3部目のリメイクはあるでしょうか。

オリジナルのリスベットはノオミ・ラパス。

人物の相関はセリフだけではわかりにくい。
ダニエル・クレイグじゃないけど、聞いただけでは何が何やら。
登場人物はそれほど多くはないが、謎ときに必要な部分、
特に家系図の部分はもう少し丁寧に描写してほしかった。

人物や場所の設定をオリジナルから変えてないのは好印象。
ただし、クローネでいわれても金額の多寡はよくわかりません。

ルーニー・マーラの体当たり演技は、とてもシャイな性格とは思えません。
カメラの前に立つと人が変わってしまうかのようです。

なかなかリスベットとミカエルの接点が交差しないのでやきもきしました。
二人の出会いはもう少し違う展開を考えてました。

ダニエル・クレイグの問題が解決してなかったからですが、
失踪事件が解決して終わりかと思いきや、そこからが長かった。

 

 

           

 TIME/タイム  

ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・サイフリッド、オリビア・ワイルド。

**

人類の成長が25歳で止まり、そこからの余命は1年。
腕に刻まれた残り時間は25歳に到達したと同時にカウントダウンを始める。

人々は命の残り時間そのものを労働の対価として手に入れ、売買に使う。
すなわち、余命が貨幣の機能を持っている世界。
人間同士の時間のやり取りもできる。

1年の残り時間はすぐに使い果たし、労働者階級の人間の残り時間は大体1日以内。

ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は、
スラム街(セリフではゲットー)の工場で働いているが、日々の生活に苦労している。
母親のレイチェル(オリビア・ワイルド)は見かけは若いが、今日が50歳の誕生日。
夕方ウィルと誕生日を祝う予定だ。

仕事を終えたウィルは花束を持って母の帰りを待つ。
ローンの支払いを済ませた後、レイチェルはバスで帰ろうとするが、
残り時間が不足してバスに乗れず、走ってウィルのところまで行こうとする。

バスに母のいないことに気づいたウィルが走り寄る母に手を伸ばしたその瞬間、
母の残り時間は尽き、母は絶命する。

翌日、ウィルは、バーで残り時間が100年を超す男に出会う。
スラム街で大幅な残り時間を晒すことは死を意味する。(強奪される)

案の定、フォーティス(アレックス・ペティファー)を頭とするギャング一味がきて男を狙う。
ウィルは隙を見て男を逃がし、空き事務所に隠れる。

男は永遠の余命は無意味、死にたい、時間は一部の人間が不当に独占しているなどと言う。

そのまま寝てしまったウィルに男は殆どの残り時間を与え「時間を無駄にするな」
と言い残してその場から去り、絶命して橋から転落してしまう。

ウィルは、残り時間の中から友達に10年を分け与え、リムジンで富裕層地帯へと移動する。
何度もゲートをくぐり、そのたびに何か月分もの支払いをして富裕層地帯にやっと着く。

高級ホテルに泊まるが、そこにはウィルに好奇の眼を向ける女性、
シルビア・ワイズ(アマンダ・サイフリッド)がいた。
ウィルは彼女が気になりながらもカジノへ向かい、ポーカーに興じる。
膨大な残り時間を持つフィリップ・ワイズ(ビンセント・カーシーガー)との競り合いで、
ウィルは1000年ほどの時間を得る。

シルビアはフィリップの娘だった。
シルビアはウィルを父の家で行われるパーティに招待する。

その頃、スラム街では100年以上の余命をなくし、時間切れで死んだ男の捜査が行われていた。
時間捜査官(タイムキーパー)のレイモンド・レオン(キリアン・マーフィー)は、
ウィルを容疑者としてあぶり出し、富裕層地帯にいることを突き止める。

ウィルがワイズの家のパーティでくつろいでいると、
レイモンドが乗り込んできて、ウィルを確保する。

そして、機械でウィルの時間を2時間を残しすべて吸い上げてしまう。
ウィルは、捜査官らを倒し、シルビアを人質に脱出する。

壮烈なカーチェイスの末、ウィルはレイモンドを撒き、スラム街までやってくる。
しかし、フォーティスの仕掛けた罠にはまり、車は大破、ウィルもシルビアも失神し、
フォーティスにほとんどの時間を盗まれてしまう。

困ったウィルは友達に分けた10年の一部を戻してもらおうとするが、
時間を浪費した友人は死んでしまっていた。

残り時間が殆どない2人は、シルビアのダイヤのイヤリングを質に入れて
なんとか2日分ほどの時間を得る。

ウィルはフィリップにシルビアの身代金として1000年を福祉施設に送るよう要求する。
娘の命と引き換えとはいえ、フィリップは、労働者階級に余命を与えることになるとして、
時間は送らなかった。

ウィルは時間を強奪することにし、ローン会社に突っ込んで金庫から時間の機械を大量に盗む。
そして、一般人にも時間を盗ませる。

一方、フォーティスもウィルを追い、ついに見つけてシルビアを一緒に確保する。
フォーティスはウィルに時間バトル(時間の奪い合いの腕相撲みたいなもの)を仕掛け、
勝つ寸前にウィルの作戦にはまって逆転され絶命する。

多くの労働者に時間=余命を分け与えるウィル。
いくつものローン会社や銀行を襲って時間を盗み、配っていくが、しょせん焼け石に水。
時間の制約を解き放つには100万年以上の時間が必要だった。

シルビアは降伏するふりをして父に近づき、ウィルとともに金庫から100万年を強奪する。
レイモンドはそれに気づいて追うが、ウィルは時間を福祉施設に渡し、混乱に乗じて逃走する。

その後もレイモンドは執拗にウィルたちを追い、3人とも残り時間が少なくなる中、
ついにレイモンドはウィルを追い詰めるが、自身も時間切れとなって絶命する。

ウィルとシルビアは残りわずかの時間をパトカーから時間をダウンロードして生き延びる。

ウィルが盗んだ時間を与えられたスラム地帯の人々は命のためにあくせく働く必要が無くなり、
ゾーンを超えて次々と富裕層地帯に入り込み、それまでの秩序は崩壊する。

ウィルとシルビアはさらに時間を強奪すべく、最大の銀行(おそらくはFRB本部)に向かう。

**

設定は面白い。
貧乏人は残り時間がないので行動がせかせかして走り、
金持ちは事故で死なないよう何事にも慎重だなども面白い。

とはいえ、脚本の粗さと言うか、編集の矛盾と言うか、展開にやや無理がある。
母親と今夜食事をと言っていたのに、ウィルはその夜バーで知り合った男を連れて逃げ、
一晩隠れている。母親に会うのは翌日の夜だ。
母との再会はセンセーショナルなシーンではあるが、母親の時間が合わない。

絶体絶命のタイムリミットを設けて、時間切れの恐怖を盛り上げるのはいいとして、
何度もやられると少し興ざめするし、緊迫感も薄れる。

貧乏人たちが大挙して富裕層地帯に入り込み、それまでの秩序が崩壊するのはいいが、
ゲートの開放と秩序の崩壊の順序が逆ではないか。

腕で時間のやり取りをするのはいいが、仕組みや時間をぴったりやり取りする仕掛けは不明。
また、貧乏人の余命を金持ちが搾取している社会構造はいいとして、
最初に余命を吸い取る仕掛けややり口はよくわからなかった。

フィリップ・ワイズの企業の位置づけもよくわからない。
大規模な独占的企業のようだが公的な部門ではなさそうだし、
一独占企業の仕業としては無理がある。

ハリウッド映画では良くあることだが、如何に巨大企業であったとしても、
政府との連携なくして社会システムの根幹に入り込むことは不可能だし、
全世界的にそのシステムが浸透しているとは考えにくい。
逆に言うと1企業の破綻が社会システム全体の崩壊をもたらすことは考えにくい。

理論的な裏付けは必要ないにしても、世界観にほころびがある。

 

 

       

 

 探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男   

ホン・ヨングン、チェ・ソンヒョン、ハ・ウンジョン、ペ・ヨングン。
2011年の「ゆうばりファンタスティック映画祭」でグラン・プリを獲ったオ・ヨンドウ監督が
グランプリの副賞でスカパーからの製作費の支援を受けて撮った作品。

**

冒頭、どこかの博物館で男性研究員が暴漢に襲われ、一人は倒すが別の暴漢に殺されてしまう。
死んだのはキム博士、右目に時計をはめられていた。
どうやらタイムマシンについて研究をしていたらしいことが分かる。

一方、探偵のヨンゴン(ホン・ヨングン)は、女社長のハ(ハ・ウンジョン)に多額の借金をしており、
その言いなりになって、カブトムシ探しも請け負わされる。

ある日、ヨンゴン探偵事務所に一人の美女がやってくる。
女性(チェ・ソンヒョン)は時計の写真を出し、
「この時計を持った男を探して殺してほしい。でないと私が死ぬことになる。」と言う。
違法なことはできないと断るが、女性が気になったヨンゴンは後を追う。
ところが、女性はヨンゴンの目の前でミニバンの一味に拉致されてしまう。
追うヨンゴン。
しかし、ミニバンは交差点で大型トラックと衝突。ヨンゴンの介護もむなしく女性は死ぬ。

責任を感じたヨンゴンは時計の主を探し、女性の行動の秘密を知ろうとする。
まずは時計屋を当たり、女性の残した写真の時計を探る。

ついにその時計を修理したという時計屋を見つけるが伝票は捨てた後。
リサイクルのゴミの山から何とかその伝票を探し当て、依頼者の電話番号を知る。

仲間に通話記録やメール記録を調べてもらい、博物館とチェ・ソンヒョンのヒントを得る。
その博物館に行って、チェ・ソンヒョンを訪ねると、なんとそれは、
探偵事務所に来て死んだはずの女性だった。
混乱するヨンゴン。
とりあえずその場を去り、外で張っていると帰宅するチェ・ソンヒョンが一味に拉致される。
ヨンゴンは一味の車に乗り込んで乱闘の末、何とかチェ・ソンヒョンを奪還し、探偵事務所に連れて行く。

ヨンゴンは、チェ・ソンヒョンに事情を話し彼女からも話を聞く。
その結果、事件はキム博士の殺人と関係があること。
ヨンゴンを訪ねたのはタイムマシンを使って過去に行った自分であることなどが分かる。

ヨンゴンは渋るハ社長をごまかし、チェを事務所に預けてタイムマシンを探しはじめる。
そんなヨンゴンを追う男がいた。
ヨンゴンは尾行に気づき男に反撃し、撃退する。
尾行男は逃げるが、ボスに尾行がばれたことがばれ、別の殺し屋に殺される。
その別の殺し屋はヨンゴンを始末しようと襲ってくるが、ヨンゴンは何とか殺し屋を撃破、
ボスの話を聞こうとしたが、殺し屋は自殺してしまう。

殺し屋の持っていたケータイから仲間に情報を調べさせるヨンゴン。
しかし仲間の存在はボスにばれ、ヨンゴンの仲間はそのボスに殺されてしまう。

ヨンゴンはチェに危険が迫っているとみて、事務所からハ社長とチェを連れ出し、
仲間の店に連れて行くが、時すでに遅く仲間は死んだあと。

そこにボスの命を受けたメジャー使いの殺し屋が襲ってきて格闘となる。
仲間の作った義手の銃を使い、なんとかかんとか殺し屋を倒したヨンゴン。
その後、逃げようとするヨンゴンに対し、ハ社長は掛かってきた電話に出ると、
急に機嫌がよくなり、あとは勝手にやってと言い残して去って行く。

その電話の様子はボスの監視に引っかかっていた。
ハ社長の行く先は町の骨董屋。例の道具(タイムマシン)を見つけたというのだ。

しかし、そこへ悪党のボスが乗り込んできて、乱闘の末、ハ社長を殺してしまう。
その直前にハ社長に電話、バックに流れる音楽から店の場所を察知したヨンゴンが乱入。
ハ社長は殺された後だったが、タイムマシン奪い、ボスと大乱闘になる。

圧倒的に不利なヨンゴン。
ついにボスの仕込み刀がヨンゴンの首に、と思った直前。
チェがタイムマシンを起動、ヨンゴンとともに過去に飛んでいく。

それは、5日前。
チェがヨンゴンを訪ねた日。
今、拉致一味を止めればチェの命は救われる。
先回りして車を止めるべく義手の銃を撃つがうまく行かない。
弾を撃ちつくしたヨンゴンは拉致一味の前に立ちはだかって、車を阻止しようとする。

それをチェが止め、車は未来のチェの拉致に向かう。
そして、未来のチェは拉致され、ヨンゴンの追跡むなしく事故に遭って死亡。
時同じくして今のチェも消滅してしまう。

事態を受け入れられないヨンゴンは、さらに過去に戻って美術館に行き、
ヨンゴンに会う前のチェに会い、キム博士殺人事件の状況を聞き、
さらに過去に戻って殺人現場に現れる。

そしてキム博士の殺人を阻止、ボスを骨董屋に連れて行き、ボスと一緒に
自分が殺されそうになった瞬間に戻った。

次の瞬間、ボスは過去の自分の首に切りつけ、過去のボスは死亡、ボスは消滅する。
その結果、ハ社長は死んでなかったことになり、ヨンゴンは一山当てて
(多分タイムマシンを使って宝くじで)ハ社長に金を渡して縁を切る。

キム博士は死んでなかったことになり、チェも死んでおらず、
その代りヨンゴンのことも知らない。

ヨンゴンはタイムマシンを壊さずに持ったまま、いずこかへ去って行くが、、、、。

**

後半のチェの事件を説明する動きは面白かった。
あの服装も面白かったし、こんなひょうきんキャラだっけ、と思ったのは
私だけではあるまい。

タイムトラベル、タイムパラドックスを扱おうとすると、
どうしてもどこかに無理が出てくるのはやむを得ない。

過去をいじった場合、未来に影響が出るのは当然と言えば当然で、
過去の自分が死んでしまうと、現在の自分もいなくなってしまうのは常道だが、
その逆は論理矛盾。

また、未来の自分が過去の自分の行動を知らないのはストーリー展開上やむを得ないとしても
との過去がどの未来にリンクするのかを端折ったのは、やっぱりちょっと苦しい。

時計の謎は解明されずじまい。
日本人やくざの親分もあまり深い意味はなかった。
もう少し義手の銃が活躍してほしかった。
などなどの不満はあるが、そういう点を除けば、スピード感あふれる展開で面白かった。

韓国語は全く分からないので、字幕を追うしかないが、
右手に縦に出る日本語字幕は読みづらかった。
センター下は英語字幕だったけど、そっちを見たほうが良かったかも。

カブトムシは最初字幕がクワガタだったはずでちょっと混乱した。
余談だが、カブトムシの成虫の寿命は60日程度。
クワガタは種類によっては数年生きるので、ずっと飼う気ならクワガタの方が良い。

 

 

       

 ものすごくうるさくて 、ありえないほど近い   

トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、ジェフリー・ライト、マックス・フォン・シドウ。

**

オスカー・シェル(トーマス・ホーン)10歳。
父、トーマス(トム・ハンクス)の大通りに面したジュエリー・ショップを手伝っている。
母、リンダ(サンドラ・ブロック)はキャリア・ウーマン。
オスカーの世話は近くに住むおばあちゃんの役回り。

物語はオスカーの視点で進行する。
あの日、登校して間もなく全生徒は帰された。
オスカーは家に帰ってから、事件の重大さに気づき、電話の留守録を聞く。
そこには照るはずのないWTCから掛かってきた父の声があった。

父はオスカーにテコンドーを教え、言葉遊びを仕掛け、
相当の努力をしなければ解けないクイズを出していた。

その頃の課題はかつて存在したニューヨークの第6区がどこにあったか、というものだった。
クイズの途中で父はいなくなり、遺体も見つからず、空っぽの棺桶で葬儀が行われた。

それから1年。
父の面影が忘れられない一方で父の部屋に立ち入れないオスカーは、
思い出が薄れていくことを恐れ、父の部屋に入り、思い出の品を探しているうちに、
クローゼットの上に置いてある青い花瓶を落として割ってしまう。
そしてその中から小さい封筒に入った鍵を見つける。

オスカーはそのカギをなじみの鍵屋(スティーブン・ヘンダーソン)に見せ、
金庫や貸金庫などの特殊な用途の鍵だと知る。
そして封筒に「Black」とあったのに気づき、鍵に合う錠を探そうと考える。

ブラックは姓に違いないと踏んだオスカーはニューヨークの電話帳から、
472件のブラックをしらみつぶしに調べようと考える。

地図にマークをつけ、分類わけして順番に調べていく。
母には嘘をついて、相手には迷惑がられたり、同情されたりしながら
調べていくが思うようには捗らない。

オスカーには「危険なもの」が極端に怖いという難点があった。
それでも一つずつ地道に調べていく。
しかし予定よりずっと時間がかかり、計算では全部回るのに3年もかかってしまう。

おばあちゃんはオスカーの心の支えだった。
でもある日からおばあちゃんちに老人の間借り人が入って、
おばあちゃんには止められていたのに、ちょっとしたことからその間借り人と出会って、
1年間の思いや鍵の正体を探していることを吐露してしまう。

間借り人は耳はしっかりしているが口がきけなかった。
筆談でやり取りするうち「一緒に探そうか」と言われ、意に反して承諾してしまう。

それからはオスカーと老人間借り人の鍵探し旅が始まる。
間借り人は少しずつオスカーの危険に対する恐怖心を取り除いていき、
以前よりは早く調べられるようになったが、それでも時間は思ったよりかかる。

ある日、オスカーの問いに間借り人は自分の過去を語る(筆談で)
戦争の時、ヨーロッパにいた彼は防空壕に避難していて、爆撃を受け、妻と子供を失った。
それ以来、言葉を失ったというのだ。

やがてオスカーは老人間借り人のちょっとした癖から彼がパパのパパ、
つまり自分のおじいちゃんではないか、と考えるようになる。
そしてあの日新品と取り換えて、隠していた電話機の留守録を間借り人に聞かせる。

そこには6つの留守録が入っていた。
最初は8時58分、北棟衝突の12分後だ。

「もう止めろ」と書く間借り人を無視してオスカーは再生を続ける。
しかし、6つ目の留守録の再生をためらうオスカーに間借り人は「もう止めろ」と再び書くのだった。

翌日、間借り人はおばあちゃんと口論になり、おばあちゃんちから出て行ってしまう。
オスカーを元気づけようとして傷つけてしまったという間借り人の乗るタクシーに向かって、
おじいちゃんだろ、と叫ぶオスカーの声はむなしく響いた。

オスカーは唯一の話し相手を失い、途方に暮れた。
父の残した新聞の切れ端の赤丸の中の「nonstop looking」を見ていたとき、
その裏に赤丸がにじんでいたのを見つける。
そこには遺品セールの告知と連絡先電話番号があり、それが丸く囲まれていたのだ。

電話に出たのはアビー・ブラック。最初に尋ねた黒人女性だった。
オスカーを待っていたアビーは、鍵を知っているかもしれない男の所に連れて行くと言う。
それは、アビーの元夫、ウィリアムの事務所だった。

ウィリアムは鍵の正体を知っていた。
ウィリアムの父は2年ほど前に亡くなり、彼は1年ほど前に父の遺品を売ることにした。
その中にオスカーの父にあげた青い花瓶があった。妻へのプレゼントにすると言っていたそうだ。
母の誕生日は9月14日。父は母へのプレゼントを用意していたのだ。
その後、ウィリアムはずっと読まないでおいていた父の手紙にこう書いてあった。
「青い花瓶の中にお前にあげるものがある、何かは見ればわかる」
ウィリアムは花瓶を渡した主を探そうとしたが、それは9.11の一週間もあとだった。

オスカーはウィリアムに秘密を語りだす。
それは6つ目の留守録、10時27分、北棟崩落の直前。
「Are you there?」「Are you there?」と繰り返す、父トーマスの声が入っていた。
そして9回それを繰り返した後、言葉は途中で途切れ音信は途絶えた。

慰めるウィリアムを振り切ってオスカーは家に帰る。
父との距離を詰めるため、父の悲しみを乗り越えるための作業のすべてが
無駄になった気がして、それまでの記録をすべて破り捨てるオスカー。

母リンダはそれを制し、すべて知っていたと話すのだった。
オスカーのいない間に資料を調べ、これから行くであろうブラックに先回りして、
無理を承知で対応をお願いしていたのだ。

オスカーは自分を放っていると思っていた母と仲直りし、
訪ねたブラックさんたちにお礼の手紙を書いた。
そして、間借り人にも戻ってくれるよう書いたのだった。
やがて間借り人はおばあちゃんの家に戻ってくる。

オスカーはかつて父が乗るよう勧めたブランコに最後の秘密を見つける。
そこにはNY第6区探しの旅の成功を褒めるメモが隠されていた。

オスカーはあれほど怖がっていた「危険な」ブランコに興じるのだった。

オスカーが母に渡した「ものすごくうるさくてありえないほど近い」と題した第6区探しの記録。
最後のページはWTCの惨劇の絵だったが、そこには落下する人が舞い上がって
またビルに入っていく仕掛けが作られていた。

**

ようやくWTCの悲しみを正面からとらえた映画が出てきたんだなぁ、というのが第一の感想。

「WTC」では奇跡の救出劇、「ユナイテッド93」ではハイジャックされた機の乗客が主人公。
この映画では、偶然WTCに居合わせた被害者の家族の心情、なかなか癒えない傷に向き合い、
多くの人が多くの物を失っていく人生の不条理を受け入れ、乗り越えようとしている姿を描く。

鍵はオスカーにとって父トーマスとの絆の象徴だったがそれは本人の勝手な思いで、
実は全く別人の父と子の絆の品だった。
一時は、父との絆を失って自暴気味になるオスカーも父の死を受け入れ、
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」母の存在に気付く物語だった。

トーマス・ホーンは頭はいいけど、人とのコミュニケーションに難がある役柄。
「モールス」のオーウェンの設定とちょっと似ている。

マックス・フォン・シドウは言葉を失った役柄なのでセリフは一切ないが、
表情、仕草で見事に演じ、第84回アカデミー助演男優賞にノミネートされた。

 

 

          

 キリンの翼  

東野圭吾作、加賀恭一郎シリーズ最新作「麒麟の翼」の映画化。

阿部寛、溝端淳平、黒木メイサ、新垣結衣、中井貴一、田中麗奈、山崎努、劇団ひとり。

**

中央区日本橋。
東海道など5街道の起点、日本国道路元標のある日本橋で、一人の男がよろけながら、
橋の中央まで歩き、麒麟の像の近くで倒れる。
男は青柳武明(中井貴一)。
左脇腹を刺されており、救急搬送されるが病院で絶命する。

その頃、若い男、八島冬樹(三浦貴大)は物陰から中原香織(新垣結衣)に電話していたが、
付近を緊急配備していた警官に見つかって逃げ、道路に飛び出してトラックと激突する。

被害者の家族、妻の史子、息子の悠人(松坂桃李)、娘の遥花(武富聖花)は、
武明の所持品を確認するが、デジカメ、ネットカフェの会員証、メガネケースは見覚えがないという。

一方、武明の所持品を持っていたのは、八島冬樹。
意識不明の重体のため、事情を聴かれた同居人の香織は、全く心当たりがないという。

事件の捜査は警視庁捜査一課、松宮脩平(溝端淳平)と日本橋署刑事、加賀恭一郎(阿部寛)が担当となる。

事件の大筋は、八島冬樹の強盗殺人。
半年前に派遣切りに遭い、以来無職の冬樹は、香織から家賃も滞ると強く責められ、
犯行に及んだと思われた。
しかし、冬樹と武明の接点、なぜ日本橋なのか、ナイフはいつ用意したのか等々が疑問だった。

青柳孝明は、家は練馬、会社は新宿、土日にはゴルフに行くと称し、
日本橋界隈、いわゆる日本橋七福神を巡って折鶴百羽を供え、
最後に水天宮でお焚き上げ料とともに奉納していたことが分かる。

八島冬樹は青柳武明が本部長を務める会社の国立の製造工場で働いていたことが分かり、
派遣切りの逆恨みの線が強くなった。

さらに、捜査を進めると冬樹は以前、作業中に怪我をしたが工場では届出せず、労災を隠していた。
そしてその指示が、青柳から出ていたというのだ。

冬樹は意識が戻らぬまま死亡。
捜査本部は被疑者死亡で事件を書類送検しようとしたが、
度重なる加賀の突っ込みで疑問が残り、捜査を続けることになる。

武明は善良なる被害者から一転、労災隠しの悪玉、事件も因果応報へとマスメディアの扱いも変わり、
青柳家は周辺から袋叩きに遭う。

妹の香織はいたたまれずリストカット。
悠人はそれまでとは一変して父の擁護に回り、
次の日、悠人は国立の工場長、小竹由紀夫(鶴見辰吾)を待ち伏せて殴りつける。

何が悠人の気持ちを変えたのか。
麒麟の翼の像の下で死んだ武明の意図はなんだったのか。
加賀の捜査は振り出しに戻る。

そしてついに加賀は事件の核心を突き止める。
発端は3年前、中学の水泳全国大会。
リレーメンバーに選出された悠人を含む3年生3人は、
リレーミスで失格となった原因の2年生、吉永に特訓と称して制裁を加える。

当時の水泳部顧問、糸川(劇団ひとり)に見つかって逃げようとするが、
吉永は溺れ、救護もむなしく意識不明=植物状態となってしまった。
しかし、事件は糸川の判断で、失格の責任を重く背負いこんだ吉永の単独事故で処理されてしまう。
この後、悠人は家族には理由を言わず水泳を止めてしまう。

やがて吉永は両親とともに長野に移転。
母親が息子の回復を願って立ち上げたブログが「キリンノツバサ」だったのだ。
友達から吉永の母のブログの存在を知らされた悠人は「東京のハナコ」と名乗って書き込みをはじめ、
罪の意識もあって水難予防のご利益のある水天宮に折鶴百羽を奉納していた。

武明は偶然息子が「東京のハナコ」と名乗ってメールを送っていることを見つけるが、
そのせいで悠人は水天宮参りを止めてしまう。

やがて、吉永は息子の事故前の元気な当時の写真をアップ。
武明はその中に息子がいることを知り、すべてを悟った。
自らが「東京のハナコ」と名乗り、日本橋七福神めぐりを引き継いだ。

そして、事件の真相を当時の水泳部仲間に聞き出そうと呼びだしたが、
彼は悠人が単独で吉永を制裁し、事故を起こしたと告げる。

武明は息子に事件の真相を明かすよう説得するつもりだったが、
それによって自身の加担がばれると思った友人が武明を刺してしまった。

さらに、香織と一緒に上京した原点である日本橋界隈で就職先を探していた冬樹は、
偶然武明を見つけ、後を追って事件に遭遇、武明の所持品を盗んでしまったということだった。

事件の謎が解明、真犯人もわかり、悠人はもう一人のリレーメンバーと吉永の家に向かった。
加賀は香織を見送り、脩平とともに日本橋を後にするのだった。

**

事件の真相や真犯人の目星が付くのがかなり終盤になってからで、
それまでの伏線がそれほど重要と思わなかったので意外でした。

しかし、物語は謎ときというよりは親子愛、特に子を思う親の愛情に重点が置かれ、
「親の心、子知らず」がバックボーンにある気がしました。

ミステリーだけあって設定はしっかりしていて破綻なく面白かったです。

阿部寛の前髪が少し気になったのは私だけでしょうか。

警視庁日本橋署はかつては実在しましたが、統合などにより今は存在しません。
日本橋の所轄は中央警察署になります。

冒頭の交番の位置から見て、青柳が倒れたのは日本橋の東側。
最後に中原が加賀らと別れるのは反対側の西側です。

日本橋は劇中でも語られたように日本の道路の中心。
言わば東京の中心(のひとつ)ですが、今は真上を首都高が横切り(それも低い)
由緒ある風情が台無しになっています。

首都高を地下トンネルにして、日本橋に青空を取り戻そうという運動があります。

あの界隈は知っているつもりでしたが、公園などはどのあたりなのかよくわかりませんでした。

日本橋七福神は七つではなく弁財天が二社、恵比寿神が二社、2神をお祀りする神社があり、八社になります。
一周すると結構な距離になります。

 

 

         

 4デイズ   

サミュエル・L・ジャクソン、キャリー・アン・モス、マイケル・シーン

**

展開は上にあげた3人だけ分かれば良い。

冒頭はスティーブン・ヤンガー(マイケル・シーン)が自分撮りをしているシーン。

場面は変わってFBI対テロ捜査班。
チーフのヘレン・ブロディ(キャリー・アン・モス)は的確な指示を出していく。
新人のフィリップスの不審人物の指摘には自宅の調査を命じる。

その人物はヘンリー・ハンフリーズ(サミュエル・L・ジャクソン)
妻のリナ(ローラ・コジョビック)は来訪者を監視カメラで確認するほど神経質。

そこへヘンリーを訪ねて、フィリップスがやってくる。
ヘンリーはCIA幹部に電話して理由を尋ねる。

その頃、TVではテロ犯としてヤンガーの顔写真や場所の写真が流され、
犯人を見た人、その場所を知っている人などの情報提供を求めていた。

ブロディの上司、ジャック・ソーンダース(マーティン・ドノバン)は、
ブロディに対し、ヤンガーの情報を求める。
ヤンガーはリストアップされていて、ジャクソン捜査官(ブランドン・ラウス)の担当だった。

ブロディに対し関係筋と名乗る男からヘンリーの捜査を止めるよう電話が入る。
不審に思ったブロディはヘンリー宅を訪ね、フィリップスを救出、ヘンリーを逮捕する。

しかし、尋問中CIA幹部を名乗る男が登場し、ヘンリーを解放して連れ去る。

ソーンダースは不審がるブロディと部下を連れて特別任務に赴かせる。
そこにはポールソン将軍(ホームズ・オズボーン)が指揮を執っている秘密の場所で、
ヘンリーも到着していた。

将軍はブロディやヘンリーにヤンガー(自称ヨセフ)の告白ビデオを見せる。
そこには要求に応じないと隠された3つの核爆弾を爆発させるというもので、
要求は示されず、土曜の正午に爆発するとだけ明かされていた。
その時すでに火曜日。残された時間は4日間だった。

実は既にヤンガーは逮捕されていて爆弾のありかを吐かせるため軍による拷問がされていた。
ヤンガーは元軍の特殊部隊で、爆破物や核物質に詳しく、ロシアの核施設査察経験があり、
イランの指示によってソ連から核物質を盗んだらしいこともわかっていた。
しかし、ヤンガーは核物質をイランに渡さず持ち逃げしていた。

ヘンリーこと「H」は凶悪犯専門の拷問屋。
ヤンガーに爆弾のありかを吐かせるのが目的で呼ばれた。

Hはいきなり斧でヨセフの小指を切り落とす。
ブロディは当然ながら拷問には反対でそれを止める。
そして、情報を調べ上げて爆弾のありかを突き止めようとする。

Hの拷問はどんどんエスカレートし、熾烈を極める。
後々Hを告訴するためだとしてブロディはそれを見続けることを指示される。

Hはブロディに「飴と鞭」でヤンガーを懐柔することを要求。
ブロディはHと交代しながらヤンガーに自白を求める。

ヤンガーの足取りから爆弾のありかは推察できても特定には至らない。

時間はどんどん無くなり、拷問はますますエスカレートする。
Hは吐かせられないかもしれないと弱音を吐く。
ひっょとしたら爆弾はブラフではないかとの思いがみんなの頭をよぎり始める。

ついにブロディは、ヤンガーに一つ目の爆弾のありかを吐かせる。
爆弾処理犯とともに現場に急行。
告白ビデオと同じ場所を発見、屋上に向かうとそこにヤンガーの写真が。
一人の兵隊がその写真を取ると、スイッチが入り近くのショッピング・モールで爆弾が破裂、
53人が爆死する。

通常爆弾でよかった、核爆弾なんかないんだ、と一同に安心感が生まれる。
ヤンガーも核爆弾はないと言い始める。

しかし、軍は確実な証拠を求め、Hは拷問を続ける。
Hは国外逃亡に失敗して逮捕されているヤンガーの妻を呼び、痛めつけると脅す。
みんなは反対し、妻を連れ出そうとするが、Hは妻を切り殺してしまう。

ヤンガーはそれでも爆弾のありかは言わない。
Hはついにヤンガーの子供たちを連れてこさせる。
ヤンガーは泣き叫ぶ子供に負けて3つの爆弾のありかをついに白状し、
直ちに軍が現場に急行する。

しかし、それでもHはあきらめない。
4つ目の爆弾はどこだ、と問い詰める。

ないはずの4つ目の爆弾、執拗な追求。
さらに子供を痛めつけて吐かせるというH。
みんなは反対し、尋問は終わりだと告げると、切れたHはヤンガーを解放する。
議員が一人だけHに銃を突き付けて尋問を続けろと言うが、ヤンガーがその銃を奪い、
ブロディに子供たちを頼むと言い残して自殺してしまう。

ブロディは二人の子供を連れてその場を去って行く。

爆弾はすんでのところで処理犯によって時限装置が解除される。
喜ぶ兵隊たち。
しかし、その陰で4つ目の爆弾が静かにカウントダウンを続けていた。
そしてそれはついに、0に到達する。

**

テロに対峙した場合、正義とは一体何なのか、を考えたんでしょうね。
ヤンガーの目的はアメリカ国民への復讐ではなく、
アメリカ軍やアメリカ政府に対する憎悪を発散させるもののようですが、
社会をパニックに陥れることもせず、目的は達成できたんでしょうか。

全米ではショッキングなラストが災いして劇場非公開になったということですが、
それほどショッキングとも思えません。
ほんとにヤンガーの思惑がうまく行ったかどうかはわからないから。

原題はunthinkable、想像できないようなこと、考えられないこと、
転じて、受け入れがたい、考えるに値しないこと。

「想定外」ってところですが、核テロがアンシンカブルだということではないようで、
劇中では拷問をこれ以上続けると、unthinkableなことをするぞとか言ってました。

**

映画の中で示された核爆弾は、1.5ポンドの核物質を入れた高圧ボンベを
3本用意し、これを起爆装置の周りに3本セットしたような形状になっていましたが、
これでは起爆装置の作動には成功しても核爆発は起こりません。

核爆発を起こすのに必要な核物質の最低量を臨界量と言い、
これより少ないと核分裂は起こっても爆発的連鎖反応には至りません。
それでも放射線(特に中性子線)を大量に出す危ない物質に変わりはありませんが。

核爆発を起こさせるには、臨界量より少ない核物質を複数個用意し、
それを通常火薬の爆発などで、一つにくっつけて臨界量を超えさせる必要があります。
つまり、核物質を通常火薬の周りにおいてもダメ。

あの状態で起爆装置にスイッチが入り、通常火薬が爆発しても
ボンベ内の核物質が周辺にばら撒かれるだけで核爆発は起こりません。

あのラストでは周りが放射性物質で汚染され、あの場所にいた兵隊が放射線障害で死んでしまうだけ。

それではどうすればいいでしょうか。
臨界量以下の核物質の周りに通常火薬を置いてその爆発で一気に押し固める(=爆縮)方法があります。
これは圧縮(=密度の上昇)によって臨界量を小さくすることができ、有効な方法ですが、
通常火薬の制御が難しく、また爆弾の形状は球状となります。
さらに容器は簡単に破裂しない強度が必要です。

また、複数の臨界量以下の核物質を並べて置き、直線状の外側に通常火薬を置いて
それを破裂させ、核物質を押す形で一つにし、臨界を超えさせる方法もあります。

比較的単純な方法で作れるし、ボンベ(=円筒形)の管内に核物質を仕込むのであれば、
この方式が合致すると思われますが、核物質が大量に要るのと、
爆発させる前に複数の核物質がくっついてしまわないような構造が必要です。

映画では最大18ポンド(8kg強)の核物質が紛失したといってました。
確かに現在の技術では2kgのプルトニウムがあれば、原爆が1個作れるらしいですから、
4つ作れる可能性はありますが、それには爆縮型の爆弾が必要で、
前述のように映画のような形の爆弾にはなりません。

 

 

      

 

 ペントハウス   

エディ・マーフィー、ベン・スティラー、ケーシー・アフレック、マイケル・ペーニャ、
マシュー・ブローデリック、ガボレイ・シデベ、ティア・レオーニ

**

高級賃貸マンション「ザ・タワー」。
マンションではあるが、ドアマンはいるし、コンシェルジュはいるし、
言ってみれば長期滞在型ホテル。

その最上階(ペントハウス)に住んでいるのは投資家のアーサー・ジョウ(アラン・アルダ)。
屋上の温水プールでひと泳ぎ。
かつてスティーブ・マックィーンが持っていたという真っ赤なフェラーリを部屋に置き、
リムジンで出勤する毎日。

ジョシュ・コバックス(ベン・スティラー)は毎日目覚ましに起こされて、
近所の不良おやじ、スライド(エディ・マーフィー)にからかわれながら、タワーに出勤。
ショウの出勤を見送る毎日。

妹の旦那のチャーリー(ケーシー・アフレック)は遅刻はするわ、
居住者の機嫌を取ろうとしては失敗ばかりで、コバックスから叱られる。

新人のエンリケ(マイケル・ペーニャ)は客のプライベートに近づきすぎ、
メイドのオデッサ(ガボレイ・シデベ)は就労ビザが切れそうで旦那を世話しろと言うし、
従業員を束ねていくのも大変な毎日。
支配人のサイモンは金が払えなくなった投資家のヒッツヒュー(マシュー・ブロデリック)を
追い出せと言うがそう簡単には行かない。

そんなある日、何とショウが投資詐欺の疑いで逮捕される。
投資に失敗して、集めた金の大半を失ったというがFBIは計画的な詐欺だとにらんでいる。

これを聞いたコバックスは青ざめる。
なんと、従業員の年金の運用をショウに委託していたからだ。
年金はほぼ消失。ショウの財産を取立てたとしても小口の債権は後回しになるからだ。

どうするか迷っているうちにショウは1千万ドルの保釈金を積んで「タワー」に戻ってくる。
証拠隠滅の恐れがあり、自宅軟禁が保釈条件となっていた。

やがて、間もなく定年だったドアマンのレスター(スティーブン・ヘンダーソン)が、
地下鉄で投身自殺を図る。
幸いにも近くにいた警備員に止められて軽症で済んだものの、年金とは別の老後資金を
ごっそりショウにやられてしまったというのだ。

コバックスはついにぶち切れ、最上階へ乗り込んでいき、ショウをなじり、
怒りにまかせて車の窓やランプ類を叩き割る。

支配人は、コバックスだけでなく、ついて行ったチャーリーとエンリケも首にしてしまう。
FBI捜査官のクレア・デナム(ティア・レオーニ)は、意気に感じたのか、コバックスと飲み、
2千万ドルの現金が見つかっていないと漏らす。

コバックスはショウのペントハウスに現金が隠されているとにらみ、チャーリー、エンリケ、
それにザ・タワーを追い出されたヒッツヒューを仲間に強奪を計画する。

しかし、所詮は素人集団、「盗みのプロ」に知り合いはない。
コバックスはスライドが窃盗のプロだと仲間を説得、収監されていたスライドの保釈金を積んで連れ出す。
当初はコバックスを全く信用しないスライドだったが、孤児院で一緒だっというコバックスを思い出し、
ひと肌脱ぐことになった。

着々と計画を進めるコバックス、チャーリー、エンリケ、ヒッツヒューにスライドの5人。
隠し金庫の位置を予想、金庫の型まで特定することに成功する。
しかし、コバックスは支配人のマネジャーにするとの言葉に乗って仲間を離れるし、
スライドはその型の金庫は難しくて開けられないという。

コバックスが思いついたのはオデッサ。
開けられるかと聞くと「この型は難しいのよ、15分は掛かっちゃうわ」と答える。

不正の決定的証拠が見つけられないFBIを横目に、ショウは告訴取り下げを画策、
裁判所への出頭はマスコミの目を避けるため、感謝祭の日と決まった。

これを聞き、コバックスらも感謝祭の日に強奪を実行することに。
しかし、決行当日。
予定では感謝祭のパレードに紛れ、ザ・タワーに侵入するはずが、スライドが単独行動。
ヒッツヒューの部屋を見る銀行員と偽って支配人をだまし、ザ・タワーに侵入した。
コバックスらは隙を見てザ・タワーに入り、オデッサがFBI捜査官をぶっとばして、部屋に入る。

コバックスは目星をつけた壁の中に隠し金庫を発見。
オデッサが開錠したが中身は空っぽ。

仲間割れが始まって放たれた銃がショウのフェラーリを直撃。
はげた塗料の下からは純金のボディが現れた。
そう、ショウは現金を金に代えて車に偽装して隠し持っていたのだ。
この車ごと盗み出すことにし、改装のためドアが外されているヒッツヒューの部屋まで
清掃のクレーンを使って車を吊り下げることにした。
屋上で操作するエンリケ、下の部屋で待つヒッツヒュー。
異常に気が付いたチャーリー。
危うく、落ちそうになったヒッツヒューをチャーリーが助け、
無事に車は部屋の中へ。
そして車のキーを探して隠された秘密のメモ、元帳を発見する。

一方、ショウを連れて裁判所に赴いたクレアは、裁判所は休み、判事は旅行中だと聞き、
ショウを連れだすための罠だったと気づき、ザ・タワーに戻る。
しかし、レスターが囮となってFBIをひきつけ、その隙に車をEVに隠す。

ペントハウスに戻ったショウは車が無くなっていることに気づき、怒りを隠さない。
しかし、コバックスらに暴かれた隠し金庫が保釈申請時の申告違反だとして保釈取り消しになる。

コバックスらは姿を隠すがあっさり御用になってしまう。
尋問ではホテル従業員だったイオベンコ(ニーナ・アリアンダ)が勉強の甲斐あって弁護士となって登場。
ショウの元帳をネタに交渉し、FBIもコバックスを自動車窃盗で他は釈放という司法取引を持ち出す。

ショウは重罪となって収監され、コバックスは2年の懲役となる。
件の純金カーは、仲間によってショウの屋上温水プールに隠されていて、
ばらばらにされて失った年金の代わりにホテル従業員に秘密裏に配られた。

**

おもしろかった。
ちょっとベン・スティラーがかっこよすぎるだろと思ったけど
エディ・マーフィーの軽妙さは失われていない。
あそこで財布を預けちゃまずいだろと思ったのは私だけではあるまい。

なんで窓やライトしか狙わないのか不思議だったけど、ちゃんと意味があったんですね。

同じビルの外壁を使ったスタントも「MI:4」とはずいぶん趣が違いました。
このシーンと続くEVのシーケンスが結構面白かったし、
中途半端かなと思ったのも、ちゃんと最後に回収されてました。

ティア・レオーニも久しぶりでしたけど、ちょっと老けたかな。

 

 

        

 

 ロボジー 

五十嵐信次郎(ミッキー・カーチス)、吉高由里子、浜田岳、川合正悟(チャンカワイ)

木村電器の落ちこぼれ三人組、小林(浜田岳)、太田(チャンカワイ)、長井(川島潤哉)は
木村社長(小野武彦)から二足歩行ロボット「ニュー潮風」の製作を厳命されていた。
それまでロボット製作の経験のない3人にわずか3か月での開発は到底無理。
昼夜を徹した作業を続け、ロボット博まであと1週間、何とか数歩、歩くところまでは来た。

社長は現場の苦労など知る由もなく、ロボット博のポスターを手に3人に激励に訪れる。
社長が帰った後、やけくそになった太田がKBにコーヒーをこぼし
ニュー潮風が動き出したはいいが、PCを引きずりながら勢い余って窓から転落してしまう。

機械もデータも失い、困った3人は「ロボット着ぐるみショー」と称してロボットの中に入る人を募集する。
もちろん内密に。

一方、妻を亡くし一人暮らしの鈴木重光(五十嵐信次郎)は、老人クラブの芝居で転んで腰を打ち
病院に行くが特に異常はなく、娘(和久井映見)に暇なら仕事でもしたらと言われてしまう。

老人クラブにも居場所がなく、鈴木は折り込みで見かけた着ぐるみショーのバイトに応募する。
ほとんどの応募者が若い男性。
身長や胸囲、座高など、体格に細かな規定のある募集で、ぴったりサイズの若い男性が合格となるが、
「ニュー潮風の試着」で金属アレルギーが出て大失敗となってしまう。

切羽詰まった3人は、もう一人のピッタリサイズ、鈴木を合格にして言いくるめ、
「ニュー潮風」に入れてロボット博会場に向かう。

着ぐるみショーだと信じている鈴木は、並み居る本物のロボットに対抗すべく、
小林らの制止を無視して踊りだす。

たまたま会場にいたローカルCATVの記者、伊丹弥生(田畑智子)と知り合った、
ロボットオタクの女子大生、佐々木葉子(吉高由里子)は
「ニュー潮風」を見ようと押し合う人々に巻き込まれて転び、
倒れかかった柱の下敷きに、と思ったところ、鈴木が佐々木を引っ張ってくれ、難を逃れる。

このことで佐々木は「ニュー潮風」と木村電器の大ファンとなってしまう。

たった1日だけの約束のはずのニュー潮風だが、社長が記者会見で大風呂敷を広げて
駅前でお披露目するといったからさあ大変。
小林ら3人は再び鈴木に登場してもらうべく頼みに行く。

TVのニュースで自分が入っていたのが実は「ニュー潮風」だと知った鈴木は激怒して太田と喧嘩。
挙句、全部暴露すると息巻いて老人クラブへ行き、ロボットは自分だと言って回るが、
ついに呆けたと思われるだけで誰も信用しない。

一方の3人は自暴自棄となり、車で陰から飛び降りようと考えるが、
たまたま通りかかった白バイに素性を知られ、駅前まで送ると言われる。

駅前では群衆が「ニュー潮風」の登場を待ちわびていた。
鈴木も近くまで来て3人の車と鉢合わせ、再びニュー潮風となって登場する。

その後、地方のイベント、ローカルTV局など出演依頼が殺到、
3人と鈴木の入った1台は全国を転々とすることになる。

このころになると、頭に乗った鈴木は贅沢を要求、嵩む経費に3人は頭を痛める。
そこへ、佐々木から大学での講演会の依頼が舞い込み、謝礼に目がくらんだ3人は軽く引き受けるが、
ロボットに関しては2歩も3歩も学生の方が上手。
3人は討論の形で学生たちからロボットの構造や計算式、具体的なパーツ名などを聞き、
本物のニュー潮風の製作を開始する。

その後も何度か3人は大学での討論会に臨み、ニュー潮風の設計が進んでいく。

ある日のイベント会場。
鈴木は娘や孫たちに「ニュー潮風」に会わせると約束して、会場に呼ぶ。
しかし、イベントの時間が延び、鈴木が約束の場所へ向かったときは
既に娘や孫は帰った後だった。

鈴木は小林ら3人をほったらかしにして、タクシーに乗って娘の家に行こうとする。
そこはコスプレーヤーの集まるイベントで、鈴木もニュー潮風のコスプレの一人と思われて、
マスクを取っても怪しまれなかった。

小林らは鈴木が事故に遭ったと思って探しまくっている間、鈴木は娘宅へ行き、
孫らのヒーローとなることができた。

やがて木村電器に就活で佐々木がやってくる。
佐々木が入社すれば絶対にばれると思った太田は佐々木に対して「向いてない」と罵倒し、
佐々木は研究室で泣きながらニュー潮風の資料を捨てはじめる。

そして最初のイベントで伊丹が録画に失敗したニュー潮風の映像を見て
マスクから出ている「髪の毛」を発見。
小林らの悪行に気づき、それを暴こうと奔走する。
そして、伊丹にそのことを告げに行くが、証拠写真がいると言われて、
小林らのあとをつけ、ついに鈴木の存在を知る。

佐々木は写真を撮って逃げようとして転んで車に轢かれそうになり、
ゴミ捨てに出てきた鈴木に手を引っ張られて助かる。

一方、木村電器は海外のネットでニュー潮風がインチキとの噂になっていることから、
緊急記者会見を行うことになる。

伊丹は、佐々木の撮った写真をもとに鈴木を説得、
記者会見場で伊丹のTVカメラに向かって正体を明かすよう依頼する。

木村電器を見限って就活を続けていた佐々木に同じサークルの学生が、小林が持ってきた資料を渡す。
それは本物のニュー潮風の設計図だった。

小林の本気を感じ、伊丹を止めようと木村電器に急ぐ佐々木。
しかし記者会見は始まり、鈴木のニュー潮風がついに登場する。
ニュー潮風は正体の暴露を迫る伊丹に追い詰められ、勢い余って窓から転落してしまう。

窓の下でビニールシートに紛れて動かなくなったニュー潮風。
恐る恐る取ったビニールシートの下からはバラバラになった基盤もあらわなロボットが出てきた。

太田が泣き崩れて覆いかぶさったニュー潮風のマスクの裏には
コスプレ会場で鈴木が知り合った「ニュー潮風のコスプレ」を作る会社のロゴがあった。

鈴木が伊丹から逃げる際にあらかじめ仕込んでおいたダミーとすり替わったのだった。

1年半後、佐々木の入社した木村電器は新型の「ニュー潮風2」の事前公開を行った。
ルームランナーで走るところを公開の予定だったが、ルームランナーの勢いが勝り、
ニュー潮風2は勢い余って窓から転落してしまう。

その夜、鈴木宅には小林、太田、長井、そして佐々木が「助けてくれ」と訪問するのだった。

**

なかなか面白かった。
最初はちょっとタルイかなと思うところもあったが、間延びの間もだんだんとツボに入った。

吉高由里子のオタクぶりもツボだった。
終盤ストーカーっぽくなって、目にくまを作ったメイクはドンピシャ。

五十嵐信次郎は腰痛でのロボットライクな動きはなるほどと思ったが、
ハエは笑わされたし、おならのシーンとか、トイレのシーンは散々予告で見たけど、
やっぱり笑ってしまった。

そのほかも伏線が無理なく回収されて、展開もよく考えられていた。

エンディングの曲はミッキー・カーチス自身が歌っているが、
クレジットは「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」

音楽の担当は「ゴダイゴ」のミッキー吉野だ。

 

 

        

 デビルズ・ダブル   

ドミニク・クーパー、リュディヴィーヌ・サニエ、ラード・ラウィ。

**

1980年代後半。
イラン・イラク戦争のさなか、イラク軍兵士、ラティフ(ドミニク・クーパー)は、
サダム・フセインの息子で、自身の級友であるウダイ・フセイン(ドミニク・クーパー、二役)に
王宮に呼び出される。

学生時代からよく似ていると言われたウダイとラティフ。
ウダイは自分の影武者としてラティフを呼び出したのだ。

ウダイは父が影武者であるファオアズを傍に置いていることを真似て、
自分も影武者がほしいと思っていた。

ウダイは嫌がるラティフを脅し、無理やり影武者に仕立てる。
ラティフにはムネムという監視役が付き、指導に当たる。

ウダイはラティフを弟だとして連れ歩き、生来の乱暴で自堕落な生活を続ける。
ラティフはウダイの車を駆って家族の様子を見に行くが、ウダイにばれて拷問を受ける。

1988年、イラン・イラク戦争の終結と相前後したある日のパーティで、
ウダイはサダム・フセインの侍従のカミール・ハンナと口論になる。

一旦は収まったが、カミールは酔って暴れ銃を発砲、騒ぎに激怒したウダイは会場に取って返し、
傍にあった刀を取ってカミールに切り付け、挙句射殺してしまう。

サダム・フセインはこれに激怒、睡眠薬自殺を図って入院したウダイを絞殺しかけるが、
自重してウダイは一命を取り留める。

ウダイの女癖の悪いのはどうしようもなく、町へ出てかわいい子をナンパ、
言うことを聞かない子は拉致して薬漬けにしたり、結婚間もない花嫁を手籠めにして死なせ、
金で解決したりしていた。

1990年、イラクはクウェートが石油を盗掘している、
クウェートはもともとイラクの一部であるなどとしてクウェートに侵攻し、
第2次中東戦争(湾岸戦争)が始まった。

ウダイはパーティの客の出迎えにはラティフを使い、安全な室内には自分が出ていた。
ある日も客の出迎えを終えたラティフが会場を去ろうとしたとき、ゲリラの襲撃に遭うが、
側近の対応でゲリラは排除され、ラティフは怪我をせずに済む。

湾岸戦争は1991年に連合軍が参戦したことでイラクの劣勢となり、
サダム・フセイン(の影武者ファオアズ)はウダイ(の影武者ラティフ)にバスラ視察を命じる。
ウダイは危険を察知してバスラには行かず、ラティフが代わりに兵士たちに演説をぶった。

しかし、ある前線基地に向かう途中、イラク軍に変装したクウェート兵に待ち伏せされ、
ラティフは右手小指を大きく負傷、指切断の危機に陥る。
ウダイは怒り狂って病院に乗り込み、医師に指を救うよう厳命する。

ラティフはこの後も影武者を演じ続けるが、ウダイが拉致して殺した少女の父が苦情に訪れた際、
ウダイと口論になって両手首をリストカットしてしまう。

ラティフは実家前に捨て去られ、家族に助けられて一命を取り留める。

しかし、ウダイがラティフをあきらめたわけではなく、ウダイはラティフを誕生日パーティに呼ぶ。
ラティフの父は自身の身の危険を顧みず、ラティフに逃げるよう示唆する。
ウダイが誕生日パーティでまたしても乱痴気騒ぎを起こしていたところへ、
ラティフが到着、ウダイと口論になったうえ銃撃戦となってラティフは逃げる。

ラティフはウダイの情婦だったサラブ(リュディヴィーヌ・サニエ)と密通しており、
この時一緒に逃げる。
ラティフとサラブは何とか逃げおおせるがすぐに居場所をウダイに知られてしまう。

結局、サラブが自分の子供の安全と引き換えにラティフを売っていたことがばれ、
ラティフはサラブを遠ざける

ウダイはさらにラティフの家族を拉致、ラティフを脅迫するがラティフは屈せず、
ラティフの父は殺される。

ラティフはかつてウダイによって花嫁を死に追いやられた若者を訪ね、
ウダイ襲撃を持ちかける。

相変わらず能天気にナンパを続けるウダイにラティフらが銃撃を仕掛け、
取り巻きの邪魔で射殺には失敗するものの、ラティフは何発かウダイに撃ちこんで逃げる。

ウダイの側近はラティフを見つけるが確保せず逃がし、ラティフはいずこへともなく去って行った。

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ラティフはこの後、イラク北部に逃げ、クルド人部隊に拉致されるが、
偽者であることが分かり解放されて1992年にオーストリアに亡命した。

ウダイはその後一命は取り留めたものの不摂生を続けたため足が完治しなかったといわれる。
2001/9/11、アメリカで起こった同時多発テロを受け、アメリカはイラクに対する制裁を強め、
ついに2003年3月、イラク戦争が始まる。

ウダイはバクダッド陥落を受けて逃亡、北部に潜伏していたが、
2003/7/22にアメリカ軍の急襲を受け、銃撃戦の末射殺された。

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ドミニク・クーパーが狂気のウダイと正気のラティフの一人二役を演じる。
喋り方、物腰、仕草、表情など全くの別人に見える。
二人の重なりシーンも違和感なく本当に二人のドミニク・クーパーがいるようだった。

影武者であったラティフ・ヤフヤ本人が書いた自叙伝「デビルズ・ダブル」(1992)に基づく。
ラティフ・ヤフヤは実在の人物で存命。この映画のUKプレミアにも顔を出している。

ラティフ・ヤフヤの写真(IMDBへのリンク)

後ろの席のご婦人が終わった時に言われた言葉。
「あれだけ撃たれても死ななかったんだね。」

 

 

      

 

 

 

 

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