デス・ウィッシュ
ブルース・ウィリス、エリザベス・シュー、ビンセント・ドノフリオ、カミラ・モローン、ディーン・ノリス、キンバリー・エリス。
*
銃犯罪が横行するシカゴ。
毎日のように銃による殺人事件が起こっている。
そんな中、銃撃され、重傷を負った同僚警官を乗せたパトカーが救急病院に到着。
すぐさまポール・カージー医師が呼び出される。
手術中だったポール・カージー(ブルース・ウィリス)はその場を別の医師に任せ、瀕死の警官のもとに向かい対処するが、
そのかいもなく警官は死亡する。
直後、カージーは加害者の手術に向かう。
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カージーの自宅。
娘のジョーダン(カミラ・モローン)は大学合格通知に驚喜し、カージーと妻、ルーシー(エリザベス・シュー)も喜ぶ。
翌日、娘のサッカーを応援していると、口汚くヤジを飛ばす親父がいて、カージーが止めるよう言うと突っかかってきた。
手を出さず耐えるカージー。その後、家で弟のフランク(ビンセント・ドノフリオ)らにからかわれる。
娘の入学祝いに家族で予約していたレストランに出かける直前、病院からの呼び出し電話が入ってしまい、ディナーはキャンセル。
ルーシーとジョーダンは買い出しに。
二人が家に戻ったところを外から見ていた3人組が家に侵入。
一人が銃を片手にルーシーを脅し、金庫を開けさせる。
一方、2人はジョーダンは椅子に座らせて縛り付けようとしたがちょっとした隙にジョーダンが反撃、
犯人グループは逆上して銃をぶっぱなす。
カージーの病院に担ぎ込まれた二人。同僚医師がカージーを制止するもカージーはルーシーの死を知る。
ジョーダンは銃撃され、手術は成功したものの昏睡状態だった。
担当刑事はレインズ(ディーン・ノリス)とジャクソン(キンバリー・エリス)。
事情聴取で刑事たちに当たり散らすフランクをカージーがなだめる始末。
カージーはルーシーを故郷テキサスに葬ることにした。
義父のベン(レン・カリオ)は、カージーを車に乗せて帰宅中、ルーシーを連れ帰った礼を言うが、
突然車を止め、密猟者を見つけたと言ってライフルをぶっぱなす。
「みんな警察に頼りすぎている。警察が来るのは事件が起きてから。自分の身は自分で守るんだ。」
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TVで銃を宣伝する番組を見て、徐々に感化されていくカージー。
また、レインズ刑事に連絡するも事件捜査に進展はなく、警察を訪れたカージーはあまりにも多い未解決事件の数に愕然とする。
レインズ刑事は大半はギャング同士の抗争であり、カージー家の事件とは性格が異なると言ってなだめる。
銃を手に入れるべく銃砲店に出向くとノリのいいべサニー(カービー・ブリス・ブラントン)が手続きなどについて説明してくれたが、
店内にある防犯カメラに気づくと銃は買わずに店を後にする。
その夜、銃撃された男が病院に運ばれてくる。
見覚えのある顔、その腕にはMJの入れ墨、以前、家まで乗ったタクシーの運転手だった。
しかも、左手には誕生日プレゼントにもらった高級時計。
手術室に運ぼうとしたら男のポケットからピストルが落ちたので、こっそりとそれを隠し手に入れた。
男は死亡し、遺体安置室に運ばれた。
カージーは腕時計を取り返し男のスマホを見ると、自宅の住所が出ている写真があった。
カージーは、ネットで銃の分解掃除などメンテのやり方を参考に練習し、コンテナの中で銃の練習を重ねていく。
当初は全く当たらなかった銃も次第にうまくなったころ、病院の廃棄衣料の中からフード付きの服を見つけ夜の街に出かけて行った。
するとさっそく自動車強奪場面に出くわす。
犯人に声をかけるといきなり発砲してきた。
身をかわして走ってくる車に撃ち込むと、車は消火栓に衝突して停止。
一人が転がり落ちてきたのを、冷酷に撃ち殺した。
もう一人の犯人は助手席でカージーの見ている中、息を引き取った。
カージーは逃げ、途中で服をごみ箱に捨て電車で帰宅した。
しかし、銃撃の一部始終を室内から目撃し、スマホで撮影していた女性がいた。
レインズ刑事とジャクソン刑事はその動画を確認、男が銃の反動で(後退してきたスライドで)手を切ったため、
銃の扱いに慣れていないことを知る。
動画はSNSに既にアップされており、強盗に遭った黒人男女が命を助けられた、守護天使だと感謝したことからメディアでも論争が起こる。
ある日、足を銃で撃たれた黒人少年が運ばれてくる。
事情を聴いたカージーは「アイス」を売らなかったせいで撃たれたことを知る。
再びフードを身に着け、「アイス売り」を探すとすぐに見つかった。
相手も銃を隠し持ち、お前はなんだ、と聞くとカージーは「最後の客だ」と言うなり、「アイス売り」と仲間2人を撃ち殺して去る。
一見関連のない2つの事件。
レインズ刑事とジャクソン刑事は最初の事件で英雄気取りになった人物の連続犯行と推測するが、証拠は見つからない。
カージーはMJのスマホを確認し、盗品故買の酒屋を発見。またも病院の廃棄衣料からフード付きジャケットを見つけてその酒屋に乗り込む。
しかし、ジャケットに病院のタグが付いていたことから店員にばれ、店員は仲間のフィッシュに連絡し、銃を取ろうとするが、
カージーの反撃で盗品を見せることになった。
そこにフィッシュ(ジャック・ケーシー)が到着。気づいたカージーと撃ち合いになり店員は死亡。
フィッシュも撃たれて、仲間の自動車修理工のジョーの名前を吐くが、一瞬のすきに形勢逆転。
しかしボウリングの球が落ちて来てフィッシュを直撃し、はずみで誤射、フィッシュは死んでしまう。
カージーは店の防犯カメラのHDDを抜いて持ち帰り、ネットの動画を見て破壊する。
レインズ刑事は故買屋の事件で店に落ちていた(カージーが取り返したが落とした)指輪を持って病院を訪れる。
カージーは怪我をした左手を隠したまま、妻の指輪だと確認、レインズは捜査が進むと礼を言って帰る。
カージーはジョーの店を訪れ、ジョーをレンチで殴り、縛り付ける。
そして体をメスで切り、ブレーキ液を注ぐ。あまりの痛さにジョーはノックスが主犯だとしゃべる。
カージーはジョーを車の下敷きにしてつぶす。
ノックスはカージーのスマホ(MJかフィッシュのものかも)にクラブに来い、とメールを送る。
待ち伏せ承知でクラブに行ったカージー、トイレでノックス(ボー・ナップ)と撃ち合いになり、
右肩を撃たれるが、ノックスにも弾を浴びせて逃げ帰る。
警察がスマホの情報を確認していると知り、カージーは奪っていたスマホを叩き潰す。
犯人が左利きであることは最初の動画で分かっており、カージー事件の犯人が次々と死んでいることから、
カージーの家族が犯人ではないかとフランクを疑うが、逆にフランクは兄、ポール・カージーの犯行を疑う。
フランクの問い詰めにカージーは巻き込みたくないと答えるが、その時ジョーダンの意識が回復したとの連絡が入り、
病院に駆けつけるフランクとカージー。
フランクはジョーダンを守れ、とカージーを諭す。
病院にはノックスも入院しており、ジョーダンの退院と鉢合わせしてしまった。
カージーはあの銃砲店を訪れ、銃を買うことにした。
その夜、ノックスが仲間を連れてカージーの家にやってきた。
カージーはジョーダンを階段下の物置に隠して911に電話させる。
ノックスの仲間が家に侵入し、ベッドルームを襲うが、物陰から反撃したカージーに殺られる。
もう一人もカージーに撃たれ死亡。
しかし、ノックスも反撃しカージーを撃って追い詰める。
カージーは隠していた自動小銃で反撃、ノックスを撃ち殺す。
到着したレインズ刑事にカージーは左手の傷も撃たれた傷もすべて今日の銃撃戦でできたもの。
銃も今日買ったものだと証言し、レインズ刑事は怪しいとは思いつつも正当防衛でカージー事件も解決したとする。
後日、親友のソフィーとともにニューヨークの大学に向かうジョーダンを見送ったカージーは、
ひったくり犯に向かって指で撃つ真似をするのだった。
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チャールズ・ブロンソン主演、1974年公開の「狼よさらば」のリメイク。
舞台をニューヨークからシカゴに変え、建築士から外科医に仕事も変え、娘の年齢も若くなり、
銃もリボルバー(回転式拳銃)からオートマ(自動式拳銃)に変わり、装弾数も増えた。
また、ネット社会の現代事情に合わせて、展開を変えている。
但し、本作とは関係なく、オリジナルもシカゴが舞台だとずっと勘違いしていたのは私です。
オリジナルが妻と娘の復讐から段々と犯罪者の処刑が目的となってしまい、犯人一味はどうでもよくなっていくのに対し、
本作では、復讐が第一義であり、個人的な復讐と無関係な悪党を始末するのはたまたま。
そのため、殺しは結構残虐ではあるものの、ド派手な感じはしない。
警察も割とすぐ来るし、エンタメ性の中にもリアリティを感じさせるものだった。
オリジナルは第1作のヒットに気を良くし、続編が次々に作られ、主人公の攻撃性もエスカレート。
ついには警察からも犯罪グループの処刑を依頼されて暴れまくると言う、今にして思えば何ともはやの展開。
言ってみれば主人公こそ連続殺人、大量殺戮の極悪人でもある。
犯罪被害者屋その家族が自ら処刑人となって悪を退治する物語は数多くあり、ヒーローものでは「パニッシャー」、
女性記者のリベンジでは「ブレイブ・ワン」などがその例。
ただ、公開が銃撃事件のあった直後で時期が悪かったのか、犯人を撃ち殺すことなどが私刑礼賛ととらえられたのか、
アメリカでの受けはいまいちだったようだ。
劇中でも模倣犯(模倣処刑人)が犯人に撃ち殺される事案が発生しており、私刑を推奨しているわけではないと思うのだが。
個人で容易に短銃はもちろん、ライフルや自動小銃を手に入れられる社会、銃の扱いに不慣れだった外科医が
銃犯罪に手を染める怖さに何かを感じたのかもしれない。
もっともアメリカ映画から銃とカースタントを除いてしまえば、アクション映画は成り立たないかもしれない。
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銃の扱いなどは無知なので映画内の表現の信憑性について云々できる立場にないが、HDDの壊し方は的を得ている。
HDDは分解もできるので、ドリルがなければ分解して磁気ディスクを直接壊すことも可能。
ただ、スマホを壊しても位置情報を完全に消し去ることは難しい。
スマホ本体に持っている情報だけでなく、キャリア側で持っている情報もある。
また、通話記録や通信相手などは完全にキャリアに把握されているし、通信内容も把握されている可能性はある。
犯人グルーブがどのスマホ(端末ID)を持っていたかを知られていたとすれば隠すことはできない。
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エリザベス・シューはダコタ・ファニング、ロバート・デ・ニーロの「ハイド・アンド・シーク」のエリザベス。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」2、3のジェニファー。
ちなみに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1作目)のジェニファーはクラウディア・ウェルズ。
ビンセント・ドノフリオは、多くの作品に出ているが、「メン・イン・ブラック」のゴキブリ男ぐらいしか知らない。
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