2007/9-12 鑑賞
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この期間に鑑賞した映画の本数  
9月:7(7)本、10月:7(5)本、11月:7(5)本、12月:6(3)本、計:27(20)本 カッコ内は試写会
今年の累計  

1−4月期:18(12)本、5−8月期:17(10)本、9−12月期:27(20)本、年計:62(42)本

 
   
 ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 

ナショナル・トレジャーの続編。

ニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー、ジョン・ボイトら主要キャストは前作のまま。
前作ではいまいち影の薄かった、ジャスティン・バーサ、FBI捜査官のハービー・ケイテルも再登場。

前回のショーン・ビーンの役回りはエド・ハリス。ヘレン・ミレンも登場。

***

ジェリー・ブラッカイマーフィルムのロゴ・ムービー(というのかな)の例の道路わきの木が、
そのままオープニングのシーンになる。

南北戦争終了直後。
リンカーン大統領暗殺者の一味がベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジの)ひいひいじいさんである
トーマス・ゲイツに南軍の軍資金となる財宝のありかを記した暗号解読を依頼。

トーマスは命を賭してそれを阻止、北軍の勝利に貢献したとするベン・ゲイツに対し、
トーマス・ゲイツこそ、リンカーン大統領暗殺の首謀者であるとするウィルキンソン(エド・ハリス)。

互いに祖先の名誉をかけた証明合戦が始まる。
それは日記に隠された財宝のありかを読み解き、黄金都市を発見することだった。

パリの自由の女神、バッキンガム宮殿、ホワイトハウス、ラシュモア山(大統領の顔の彫刻がある)と、
我々にもなじみの深い名所旧跡を巡り、古代アメリカ文字の解析に歴史学者で、
旦那と25年間一言も口をきいていないという、パトリック・ゲイツ(ジョン・ボイト)の妻、
つまり、ベンの母エミリー(ヘレン・ミレン)も巻き込んで、黄金都市の謎に迫る。

はたして黄金都市は実在したのか、ゲイツたちはその謎を解くことができたのか。

***

アメリカ大統領に「13デイズ」でJFKを演じたブルース・グリーンウッドが登場している。

ヘレン・ミレンと言い、登場人物に大物が増えているし、本編で解決しない新たな秘密が見え隠れする、
続編の期待も見える終わり方となっている。

 

 


 

 ネガティブハッピー チェーンソー・エッヂ  

同名小説の映画化。かなり飛んだ内容。

市原隼人、浅利陽介、三浦春馬、関めぐみ。

***

冒頭は、日光江戸村風のオープンセットを逃げる女子高生と、それを追うチェーンソウ男。
そして、その二人の戦いに巻き込まれる男子高校生。

場面は変わって、肉を万引きして逃げる高校生、山本陽介(市原隼人)。

典型的なダメ男の不良高校生、陽介は、その晩、公園でたたずむ女子高生を発見する。
「何やってんの?」と聞く陽介に、「あんた死ぬわよ。」と答える女子高生、雪埼絵里(関めぐみ)

はたして、突如現れた謎のチェーンソウ男。
二人は戦い、巻き込まれた陽介はかすり傷を負い、チェーンソウ男は逃げていく。

翌日、陽介は絵里に会い、食事をおごる代わりに事のいきさつを聞く。
ともかく、絵里は毎晩チェーンソウ男と闘っているというのだ。

平凡な日常から逃れるべく、往き帰りの足(自転車)として重宝がられながら、毎晩絵里の戦いに付き合う陽介。

戦いでは全く役に立たないが、徐々に絵里の心も打ち解けてくる。

そんなある日、陽介にも転機が訪れる。
千葉の寮から、サッポロの両親のもとに引っ越すことになった陽介。

陽介と離れることを気にしつつ、チェーンソウ男に戦いを挑む絵里。
しかし、その夜のチェーンソウ男は、強大に変化していたのだ。

はたして絵里の運命は、陽介の運命はどうなるのか。

はたしてチェーンソウ男とは一体何なのか。
それを倒すことはどういう意味を持つのか。

***

陽介(市原隼人)とその仲間、渡辺(浅利陽介)能登(三浦春馬)。

能登役の三浦春馬は金髪で「恋空」を思わせる風体。
この映画ではガンではなく、バイク事故で命を落とすが、
陽介は能登を越えられないと悩んでいる。

平凡な日常と、突拍子もない夜の行動。
何が現実で何が虚構か。

ここまで、ぶっ飛んだ設定だと、かえって清々しいというか潔い。

CGはなかなか。
細かいパーツが多いCGは大変なはずだが、そこここでうまく使われ、きれいにまとめている。

 

 


 

 アース  

ドキュメンタリーです。
「WATARIDORI」とは違って本当にドキュメンタリーと思われます。
撮影は大変だったでしょうし、季節の移り変わりなどは、実際の映像をCG的につなげてあると思います。

また、実際には昼夜あるはずなのに、同じ明るさにしてあるのは少しすごいな、と思いました。

物語は前述の「WATARIDORI」と「ディープ・ブルー」を足して、
4で割って、それに地上動物の物語を付け加えたって感じです。

極端な言い方をすると、わざわざ映画館で見なくても、大画面テレビで十分。
なんとなく教育番組を見ている雰囲気でした、しかも「総集編」

ナレーションと動物の声以外の音声がなく、語りながら見たいので
むしろ、テレビかプロジェクターのほうがいいかも。
黙ってみるより「かわいい」とか言いながら見るほうがふさわしいかも知れない。

へーえ、そうなんだ程度の驚きはあっても、特段びっくりするような展開はない。

初めてみる映像も多数ありました。
ザトウクジラが、海面をひれでたたき、自分の子と位置を確かめ合いながら泳ぐとか、
セイウチの群れの遊泳のシーンとか、
ホウジロザメがアシカを捕らえてジャンプするシーンとか、
そのほかにもよく撮ったな、と感心する場面はたくさんありましたが、なんだかな。

最後の最後のナレーションはちょっととってつけたような気もした。
ナレーションの語りそのものはうまかったです、渡辺謙。

北極から始まって、地球を縦に南極までなめていき、それぞれの環境で生きる動植物に焦点をあわせた。
そして最後にまた北極に戻り、お説教をたれて終わる。

野生動物ですから、捕食、被食、の世界です。食べられたら死ぬし、食べられなくても飢え死に。
それにしては、捕食の現場でも血を見せることもなく、移動の途中で行き倒れになるシーンもほとんどない。

本当の野生はもっと厳しい、残酷なかわいそうなシーンもあるはず、
温暖化云々という割にはきれいごと過ぎるんじゃないの、と思わせる映画でした。

 

 


 

 アイアムレジェンド 


原作は、1952年のSFホラー小説で、3回目の映画化。
時代を現代のNYに置き換えてある。

***

2009年、癌の特効薬を開発し、1万人を超える癌患者を治療し、
全員を完治させた医師がTVに登場、癌は克服されたと語る。

しかし、その3年後、無人と化したニューヨーク。
ジャーマン・シェパードのサムとともにスポーツカーに乗り、街中を疾走する
ロバート・ネビル(ウィル・スミス)は、ライフルで武装し、野生のシカを追う。

日没が近付くと、ネビルは狩りをやめて自宅に帰り、分厚いシャッターを閉めてひきこもる。

自宅には何台もの発発(発動発電機)があり、家電はすべて動く。
食糧も備蓄しており、生活には困っていない。ただ一人きりだということを除いては。

舞台は3年前に戻る。
実は癌の特効薬と思われたウィルスは変異して、致死率の高い病原体となっていた。

政府は、NYを封鎖し、感染者を外に出さないようにした。
軍の医学研究者であるネビル中尉は、家族を送り出し、
一人NYに残って、ワクチンの研究を続けるというのだ。

しかし、そのもくろみは成功せず、3年経った今も治療薬が見つからないどころか、
世界中に広がった汚染でほとんどの人類は死んでしまった。

ネビルだけは、免疫を持っていて感染せずに済んでいて、
地下の研究室でワクチンのテストに力を入れている。
ネビルは街のあちこちに立っているマネキンにあいさつをしながら、
レンタルショップにDVDを借りに行ったり、
食料はスーパーから缶詰や瓶詰を調達、トウモロコシを植えたりもしている。

いるかもしれない生存者に向けてラジオ放送で呼びかけ、昼には、埠頭で今日も現れない人を待つ。
そして、鹿を追って街を疾走する毎日だった。

そんなある日、サムが鹿を追ってビルの中に入ってしまう。
そのビルの暗闇の中には、凶暴なゾンビと化した感染者のなれの果てが住んでいた。

ほうほうの体で逃げ出したネビルは、罠を仕掛けて女ゾンビを捕まえる。
多少は効果のみられるワクチンの効果を試すためだ。しかし、またも失敗。

ゾンビは毛が抜けおち、凶暴になり、ものすごい腕力で痛みを恐れない。
また、紫外線を浴びると皮膚が焼けただれるのだ。

翌日、ネビルはそこにいるはずのないマネキンを路上で見かける。
誰かがここへ持ってきたのだ。

マネキンに近づいたネビルは自分が仕掛けたのと同じ罠にかかって、失神、宙づりにされる。
しばらくして気がついた時には日没が迫っていた。
ゾンビの一味がネビルを倒すために罠を仕掛け、日没を待っていたのだ。

ネビルとサムはその場から逃れ、無事自宅に帰りつくことができるだろうか。
そしてその後の展開は、ゾンビとの戦いの結末は、、、

***

過去の2本は、1964年「地球最後の男」、1971年「地球最後の男 オメガマン」
最初の作品は原作に近く、またゾンビ映画の元祖としての評価も高いようだ。
オメガマンのほうはチャールトン・ヘストンの主演だが、B級との評判。

ジャーマン・シェパードは、右耳に傷がある。
手入れが行き届いていて、とても奇麗にトリミングされていた。

なお、「地球最後の男」とか、「地球上に人類は一人になった」とあるが、
違うじゃん、とか突っ込まないように。

**

そうそう、ひとつ書き漏らした。
ビル全体に工事の時のような大きな布がかけられているのがいくつも出てくる。
映画ではよくわからなかったが、チラシ写真を見ると、布には「28日後」と同じマークが描かれている。
あれは、バイオハザード・マークで、生物災害、有害生物汚染を示すシンボルマークだ。

 

 


 

 椿三十郎 

オリジナルは言わずと知れた黒沢明監督、三船敏郎、仲代達矢の代表作で、1962年の映画。

そして、今回、オリジナルの脚本を使い、織田裕二、豊川悦司の主演、
「失楽園」「模倣犯」などの森田芳光監督がメガホンをとってのリメイク。

オリジナルと同じ脚本を使うとはオリジナルに対するオマージュもあろうが、
比較されることは承知の上だろうし、相当の自信がないとやれないのではないか。

ストーリーは、脚本が同じだから、当然ながらオリジナルと同じで、セリフ回しも全く同じ(はず)

ここでまずオリジナルとの主要出演者を比べておこう。

椿 三十郎 :三船敏郎 − 織田裕二
室田 半兵衛:仲代達矢 − 豊川悦司
井坂 伊織 :加山雄三 − 松山ケンイチ

保坂 邦衛 :田中邦衛 − 一太郎
木村    :小林桂樹 − 佐々木蔵之助
睦田    :伊藤雄之助− 藤田まこと
睦田夫人  :入江たか子− 中村玉緒
千鳥    :団令子  − 鈴木杏

黒藤    :志村喬  − 小林稔侍
菊井    :清水将夫 − 西岡徳馬
竹林    :藤原釜足 − 風間杜夫

オリジナルを知っている人には、何をいまさら、ということになるが、
さらっとストーリーを述べておくと、、

***

とある町はずれのお堂に、井坂(松山ケンイチ)以下、若侍9人が集まっている。

井坂は、次席家老黒藤(小林稔侍)の不正を城代家老睦田に進言したが、
相手にされず、大目付の菊井(西岡徳馬)に相談したところ、
取り合ってくれ、全員集まれと言われたというのだ。

気勢を上げる9人の前に、奥で寝ていた男(織田裕二)が現れ、菊井こそ黒幕に違いないと告げる。
はたしてお堂は菊井の手のものに囲まれていたが、男の機転で事なきを得る。
このとき、男は菊井の部下の室田半兵衛(豊川悦司)と顔を合わせる。

男は、城代家老が危ない、と告げ、9人の若者とともに、家老宅へ行く。
予想通り、城代家老睦田は菊井に連行され、睦田夫人(中村玉緒)と娘千鳥(鈴木杏)も監禁されていた。

ここでも男の機転で夫人と娘を助け出し、見張りの一人木村(佐々木蔵之助)を捕虜にする。
9人組の一人で黒藤の隣家である寺田(林剛史)宅に集まり、策を練る9人。

ここで、睦田夫人に名を問われた男は「椿三十郎」と名乗る。
ここからは、菊井とその懐刀である室田半兵衛と椿三十郎の駆け引きが始まる。

色々あって、黒藤宅に睦田が捕らわれていることを知り、
椿三十郎の策略で警護を手薄にし、椿三十郎の合図で切り込むことになった。
しかし、ついに嘘がばれ、椿三十郎はつかまってしまう。

果たして、睦田を無事に助け出すことはできるだろうか。
そして、椿三十郎はどうなる、室田半兵衛との決着はつくのか。

***

コミカルな中に最後はシリアスに決めて、オリジナルがよみがえる。
(と言いつつも、オリジナルはリアルタイムでは見てません)
BGMの使い方も同じように思えた。
オリジナルはご承知のようにモノクロで、赤(例えば血や椿の色)を表現するのに黒沢流のやり方がとられた。
この映画はカラーのため、そういう意味での黒沢流とは違っている。

また、詳しく書いてしまうと叱られそうだが、
あれだけはさすがにそのまま描くことはできなかったんだな、
と思うシーンがある、とだけは書いておく。

オリジナルは、三船敏郎と仲代達矢のコントラストが見事で、
出会いから最後まで、表面上まったく正反対に見える二人。
今回の織田裕二と豊川悦司の対比とはかなり違っていた。
それが狙いと言えばそうかもしれない。

 

 


 

 

 エバン・オールマイティ   

スティーブ・カレル、モーガン・フリーマン、ローレン・グラハム。
登場人物やテーマは違うが、「ブルース・オールマイティ」の続編。

***

「ブルース・オールマイティ」でジム・キャリー(ブルース)にレロレロレロとやられたニュース・キャスター、
エバン・バクスター(スティーブ・カレル)。

「世界を変える」をスローガンに選挙に出馬、見事当選。議員に転身することとなった。
妻と3人の子供を連れて、新車で新居に引っ越し。

家族全員が神にお祈りする中、神には頼らないと強がりを言うエバンだが、実は不安で一杯。
こっそりと「世界を変える手助けをしてほしい」と祈るのだった。

果たして登院初日、7時に起きるはずが、6:14に目覚ましが鳴り、見知らぬ荷物が届く。

しかし、議会での執務室は実に立派、スタッフも大勢で意気揚揚。
大物議員から議案の共同提案者に誘われるなど仕事も大忙し。

おかげで子供たちとの約束のピクニックはご破算に。

翌日、またしても7時のはずが6:14に目覚ましで起こされ、今度は大量の建材が届く。

文句を言いに出ると、怪しい男が「世界を変えるなら方舟を作れ」と言い、方舟の作り方の本を渡す。
男(モーガン・フリーマン)は、誰なんだと問われ、「I'm God」と言い放つ。

もしや?
そのとおり、聖書の創世記第6章14節では、神がノアにゴフェルの木で方舟を作りなさい、と命ずるのだ。
ノアは神の言葉通り、妻と3人の息子とともに方舟を作るのだった。

このころから、鳥や獣や魚までもそれぞれが「つがい」となって、エバンの周りにうろつくようになる。
諦めたエバンは、息子を巻き込んで方舟作りにかかるが、
剃っても剃ってもひげが伸び、髪もぼさぼさになり、古いローブまで用意され、見かけもノアのようになっていく。

ついに議会からは停職を言い渡され、妻は子供を連れて実家に戻ろうとし、近所やマスコミのやっかみの中、
やってきた動物たちに手伝われながら、エバンは方舟を作り続けるのだった。

神の示した9/22の正午、果たして洪水はやってくるのでしょうか。
エバンはそれまでに方舟を完成させることができるのでしょうか。

***

やはり宗教色の強いものは受けないと見たんでしょう、劇場未公開、DVDのみになりました。

ゴフェルの木=Gopherwoodを電話番号でGO-4-WOODとするなども
一般の日本人にはつながりも由来もわからない。

一方、方舟はすごい。
どこまでが本物かはわからないが、全長約150メートル、全幅約25メートル、高さ約15メートルの、
巨大な建造物がもし本当に宅地造成地に出現したら圧巻でしょうね。
(方舟の大きさには諸説あって、正確な数値ではありません)

子供の一人、末っ子役のジミー・ベネットは「ホステージ」では人質に、
ポセイドン」では逃げる乗客の一人だった子、あまり大きくなってないね。

 

 


 

  マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋   

ナタリー・ポートマン、ダスティン・ホフマン、ジェイソン・ベイトマン、ザック・ミルズ

***

物語は、エリック(ザック・ミルズ)が絵本を読み聞かせるような形で始まる。

243歳、17世紀から生きていておもちゃの発明家にして大天才のMr.マゴリアム(ダスティン・ホフマン)

113年間続く彼のおもちゃ屋の今の店長(=Store Manager、字幕では支配人)で、
学生時代は天才ピアニストと言われながら伸び悩むモーリー・マホーニー(ナタリー・ポートマン)

友達がなく、サマーキャンプを一週間で切り上げてくる9歳のエリック・アップルバームは、
今日もマゴリアムの店を手伝いに来る。
マゴリアムの店は毎日子供たちで超満員だった。

ある日、マゴリアムは突然、店の資産状況がわからないので会計士を雇う、と言い出す。
やってきたのは、まじめ一本やりのヘンリー・ウェストン(ジェイソン・ベイトマン)
マゴリアムの「魔法の店」を「ただの(=just)」おもちゃ屋と言い放ち、モーリーに嫌われる。

マゴリアムが会計士を雇ったのは、店をモーリーに譲るため。
彼自身は「消える(=leave)」というのだ。

( leaveには、去る、出発するという意味もあるので )
モーリーは「いったいどこへ行くの?」と聞くが、
「この世から去るのさ」と返すマゴリアム。

マゴリアムは遺言でモーリーに店を遺す、その手続きのために会計士を雇ったのだ。

病気でも怪我でもないのに死んでしまうと言い張るマゴリアム。
何とか死なせまいとするモーリー。

しかし、その努力もむなしく、マゴリアムは去ってしまった。

おもちゃたちは意気消沈し、店はモノトーンになってしまう。

モーリーもやる気をなくし、店を売ってしまうと言う。
果たして、マゴリアムの店は、おもちゃたちの運命は、、、

***

うーん、いまいちです。

感じ方は人それぞれですから、全員が首をかしたわけではないでしょうが、
良くも悪くも後を引かないというか、残らない映画でした。

ダスティン・ホフマンの演技はさすがだし、ナタリー・ポートマンもいいけど、
95分と短い割には、話が散漫で、いま一つ乗り切れません。

113年間もおもちゃたちと暮らしていよいよ最期を迎えたマゴリアムなのか、
ピアノも中途半端、店をやっていく自信もないのになぜか強気なモーリーか、
子供のくせに実は魔法とおもちゃのことを一番わかっているみたいなエリック、
あるいは、堅物と思われていたが、子供心を取り戻したヘンリーなのか、
いったい誰が物語の中心なのか、何となくぼけてる、、、、

ストーリーは奇想天外さ、自由奔放さに欠けるし、演出も派手さが足りない。
マゴリアムは普通すぎる、というか演技が真に迫りすぎ。

ラストのナタリー・ポートマンはもっと走り回らなきゃ、あれじゃただの変なお姉さんです。

びっくりして階段から転げ落ちるとか、押しつぶされてペチャンコになるとか
アクションがもっと派手でないと、子どもも笑わないんじゃないでしょうか。

ところで、エリックを演じるザック・ミルズ、1995年生まれ。
シア・ラブーフとフジテレビの伊藤アナを足して子供にしたような顔で、
小さい頃からCMには何本も出ていて有名らしいです。

最後に、セリフで何度も「おもちゃ屋(=Toy Store)」と出てくる。
映画のタイトルからして「・・・おもちゃ屋」なのだから当然だが、
「ここは『魔法の店(=Magical Store)』で、おもちゃ屋じゃない。」
「おもちゃ屋だと言ったらおもちゃが怒る」だっけかな、
てなセリフは、邦題タイトルからは理解しづらい。でも、どうしようもないな。

原題の直訳は「マゴリアム氏の不思議大商店」(「不思議な」ではない。)
あるいは「マゴリアムさんのすごい大商店」

 

 


 

  俺たちフィギュアスケーター  

ウィル・フェレル、ジョン・ヘダーのお笑いコンビが送る爆笑スポコンドラマ。

邦題は勿論同じウィル・フェレルの「俺たちニュースキャスター」と同じ発想。

***

男子フィギュアスケートの大会で、優勝を分けあった、ジミー・マクエルロイ(ジョン・ヘダー)と、
チャズ・マイケルス(ウィル・フェレル)

幼くして、億万長者のマクエルロイ(ウィリアム・フィットナー)家の養子となり、
英才教育の末の潔癖壁の天才少年、ジミーと、
破天荒、セックスアピールで売るチャズ・マイケルス。

性格も真反対でお互いを毛嫌いしていた。

そんな二人が同点で両方優勝したのだからたまらない。
なんと表彰台の上での小競り合いから、殴り合いの大ゲンカを演じ、
スケート連盟から永久追放を言い渡される。

3年半後、
飲んだくれ、アイスショーで細々と食いつないでいたチャズは、ショーでの失態がもとで首になってしまう。

一方、養子縁組を解消され、一人ぼっちとなって、
アイススケートの貸靴屋で働くジミーも、下働きに嫌気がさしている。

そこへジミーのファンでストーカーのヘクター(ニック・ソードソン)が思わぬニュースを持ってくる。
なんと、ルール上、永久追放されたのはその種目、つまり男子シングルだけだというのだ。

ペアに出場すべく相手を探すジミー。
チャズと遭遇してまた大ゲンカになるが、それがもとでいやいやながらペアを組む決心をする。

最初はもめていた二人だが、徐々に信頼し合い、ペアでの活躍することができる。

一方、ペアの世界では、双子のウォーデンバーグ兄妹がのさばっていた。
彼らには、妹ケイティ(ジェンナ・フィッシャー)がいた。
ケイティは幼いころ両親と自動車事故に遭い、奇跡的に助かったが
それが負い目となって、兄姉にいいようにこき使われていた。

兄妹は、ケイティを使ってチャズとジミーに「ズル」を仕掛ける。

果たして、チャズとジミーペアの行く末に待つものは、、、

***

コメディと言うと、日本ではドタバタ、他愛もないばか騒ぎが主流ですが、
アメリカ映画のそれは結構きついです。

ただ、セリフは結構お下劣ですが、演出自体はそれほど下品極まりないというほどのものではありません。
若い女性なら「やだ、もうー。」てなところでしょうか、いや、もう少し引くかな。
女同士、男同士、それなりの夫婦づれなら相手を気にせず笑えます。若い二人ならデートでは見ないこと。

 

 


 

 サーフズ・アップ  

ペンギンアニメと言えば、「ハッピー・フィート」を思い起こす。

もちろんあちらもペンギンを擬人化しているが、こちらはもっと思い切って擬人化。

表現もいろいろと考えてあって、映画の出来としてはこちらのほうが上だと思うが、
全米での興行収入は、「ハッピーフィート」がほぼ2億ドル、こちらは6千万ドル弱と大差。

登場人物(正確には人ではなく、ペンギンほか)へのインタビュー形式を含めて物語が進む。
ちょうど「ポイント45」のような表現方法。

***

イワトビペンギンのコディ(小栗旬)は、南極で氷の板を使ってサーフィンを楽しむサーファー・ペンギン。
彼が子供のころ、伝説のプロサーファー、ビッグZ(ジー)が南極にやってきて、Zのペンダントをくれた。

コディは、魚の選り分けの仕事はやるが、卵の温めはさぼって、毎日サーフィンに明け暮れている。

そんなある日、ペングー・アイランドで開催されるサーフィン・ワールドカップのスカウトキャラバンに出会い、
無理やり参加をねじ込む。

ビッグZは大会中の不慮の事故で亡くなり、乱暴者のタンク・エバンスが9連覇中のチャンピオンだった。

コディは、ちょっとしたことから、タンクに挑むがあっさり破れて溺れる。

ライフセーバーのラニ(山田優)に助けられ、山の中にある
ジーク(Geek、チラシではギーク、マイク真木)の家に連れて行かれる。

いろいろあって、ジークは失意のコディにサーフボードを作ろうと誘う。
しかし、ボードにするコアの木をジークの家に運ぼうとして落とし、逆に海岸へ滑り落ちる。

そこにはサーフボード小屋があった。
実は今は太って見る影もないジークこそ、あの伝説のビッグZだったのだ。

また、いろいろあって、ジークの手ほどきを受けてサーフィンを楽しむコディだったが、
結局はサーフィン本来の楽しみより、大会での栄誉、タンクを負かすことを選ぶのだった。

はたして、コディは実力を発揮できるだろうか。
その大会は思いもよらぬ展開を見せるのだった。

***

吹き替えながら、声と映像はとてもよく合っていた。
日本語の看板の表示があったり、ちゃんと意識して映像を変えてあるといったイメージ。

歌のシーンもあるが、マイク真木が日本語で歌う。
ここも英語の歌を歌う「ハッピーフィート」とは違う点だ。

なお、英語版は、コディにシア・ラブーフ、ラニはズーイ・デシャネル、
サブ役のにわとり、チキン・ジョーにジョン・ヘダーなど。

***

ところで、水の表現はもう完璧です。
波が砕けるシーンや、泡、水しぶき、波、波打ち際のどれを取っても見事です。
いわゆるパイブライン、チューブの中の表現は、サーフィン映画の実写版と見まごうばかり。

なかなかでした。

 

 


 

 ボーン・アルティメイタム   

ジェイソン・ボーン・シリーズ、第3弾。
完結編、と言っていいのだろうか。

3作目だけでも楽しめるが、やはり前2作を見ておいたほうがいい。

話は、前作「ボーン・スプレマシー」からつながって始まる、
というか前作のラスト・シーンが、今作でも重要なシーンの一部となる。

それは、ニューヨーク、CIAのパメラ・ランディのオフィスにボーンから電話がかかってくる。
パメラは、ジェイソン・ボーンに、本名はデイビッド・ウェブ、誕生日は4/15/71と告げる。
ボーンは「少し休んだら?疲れてるように見える。」と言い放って、どこかへ消えていく。
というものだった。

***

前作では、ボーンを狙った銃弾でマリーが殺され、ボーン自身は助かる。
記憶が少し戻り、過去に自分が暗殺した政治家の娘をロシアまで訪ねて行くが、
ボーンはマリーを殺した相手(カール・アーバン)との壮絶な戦いの末、
満身創痍になりながらロシアから脱出する。

今作は、その続き。

前作で最後はニューヨークに姿を現すボーンだが、
ロシアからどうしてニューヨークに向かう必要があったかが焦点となっている。

ロシアで官憲の追及を逃れたボーンは、再び姿をくらまし、CIAもその所在をつかむことができない。

一方、イギリスのジャーナリスト、サイモン・ロス(パディ・コンシダイン)は、
CIAとジェイソン・ボーン、そして「トレッドストーン」を追っていた。

そして、情報提供者から「ブラックブレア」のことを聞き、それを記事に書こうとする。

サイモン・ロスがジェイソン・ボーンのことを調べていると知ったボーンは、サイモン・ロスにコンタクトする。

一方、CIAは通信傍受システム、エシュロンによって「ブラックブレア」と発した人物がいることを知り、
サイモン・ロスとその情報提供者を追い、ウォタールー駅でボーンを発見、ロスを殺害する。

CIAは、パメラ・ランディ(ジョアン・アレン)をボーン確保作戦に引き込むが、
パメラは次長のノア・ボーソンと捜査方法で対立する。

全ての鍵は「ブラックブレア」にあると見たボーンは、
ロスへの情報提供者をCIAのトリノ支局長ダニエルスと踏んで彼を追う。

CIAはトリノでダニエルスを抹殺しようとするが、ダニエルスは逃亡してしまい、
逆にボーンにエージェントをつぶされ、ニッキー・パーソンズ(ジュリア・スタイルズ)もボーンに捕まる。

ニッキーはボーンを憎めず、一緒にダニエルズを追う。
しかし、逃亡先のモロッコでエージェントに襲われ、ダニエルズは爆死する。

ボーンは、ニッキーを逃亡させ、自身は再びニューヨークに潜入する。

そして、前作の最後のシーンとつながっていくのだ。

果たして、「ブラックブレア」とは何か、そして、隠されたボーンの過去とは、、、

***

カメラワークはまたしても一人称的撮り方。
かなりの流行りです。

スリラーでは昔からよく使われた手法ですが、
俳優の動きや視線に合わせてカメラを振り、また表情にカメラを振り戻すなど、
カメラの視点で観客が同時にその場所にいたような撮影の仕方になっている。

わざとだが、カメラぶれと言えなくもない揺らぎも入れている。

また、ボーンが走ればカメラマンも走る、といったカメラマン体力勝負の様相もある。

また「ハンディ・カメラで、、、」と書く人が出るでしょう。
単なる手持ちではなくステディカムだと思われますが、ハイビジョンハンディカムでないとの保証はない。

いったいいつからこのような撮り方が流行り出したのだろう。
「ボーン・スプレマシー」でもそう言う撮り方が多い。
はやりすたりではなく、単なるテクニックの一つ?

ただ、アクションシーンでない場面でも多用するようになったのは最近だろう。

 

 


 

 

 ビー・ムービー  

ジェリー・サインフェルド、レニー・ゼルウィガー、マシュー・ブロデリックほか、
スピルバーグのドリームワークス製作。

***

まず、最初にお断りしておくが、アニメです。
ハチを擬人化していますが、科学映画でも教育映画でもありません。

映画中では働き蜂がオスだったり、一生同じ職業(作業)を続けるなど、
本当の蜂の世界とは異なりますし、もとよりハチが喋り、人とコミュニケーションをとるなど、
突拍子もない話ですが、そこはアニメの世界だということをご承知おきください。

***

バリー・B・ベンソン(声:ジェリー・サインフェルド)とアダム・フライマン(声:マシュー・ブロデリック)は、
学生生活を終え、卒業式を迎えた。
いよいよ、働き蜂として職につくわけだが、「一生同じ仕事に就く」と聞いて、バリーは腰が引ける。

職選びに迷いつつ「花粉バスター」の一員として巣の外に出ることになった。
外の世界は驚きの連続で、危ない目に遭い、雨に打たれて入り込んだアパートの一室で、叩き潰されそうになる。

それを助けてくれたのは、花屋のベネッサ・ブルーム(声:レニー・ゼルウィガー)
バリーは、礼を言うため蜂の掟を破ってベネッサに話しかける。

ベネッサは驚くが、すぐに受け入れて、バリーと友達になる。

バリーの職選びはなかなか決まらず、ベネッサに会いに出かける日々が続く。
そんな時、バリーはスーパーで売られている大量の蜂蜜を見つける。

バリーは「蜂蜜泥棒」の正体を探るため、蜂蜜工場に潜入、過酷な労働を強いられている蜂たちを発見。
彼らの解放と、蜂蜜奪還へ向けてある行動に出るのだった。

しかし、その行動の結末は、とんでもない結果をもたらしたのだ。

***

おもしろいし、絵も奇麗、飛行シーンなどは体が浮くような臨場感もある。
しかし、映画そのものもテーマはよくわからない。
あまり深く考えないで、ただ単におとぎ話として楽しめばいいのかもしれない。

レイ・リオッタ、スティング(ポリス)、ラリー・キングらが、人間、あるいは蜂として登場。
話にリアリティっぽさを加える。

BEE(蜂)に、「B」「be」などを絡ませたダジャレ連発。
字幕は大変だったと思われる。

蜂にしろ、人にしろ、表情や口の動きはごく自然。
セリフが先で、アニメは後(セリフに合わせて口の動きをつけている)と思われる。

でも、やっぱそれが自然だよね。

 

 


 

 マイティ・ハート 愛と絆  

アンジェリーナ・ジョリー主演、ブラッド・ピット製作。

副題は不要。

***

マリアンヌ・パール(アンジェリーナ・ジョリー)はフランスのラジオ局の記者、
夫であるダニエル・パール(ダン・フッターマン)は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者という
ともにジャーナリストの夫婦。

アフガン戦争に絡んで、パキスタンに駐在、マリアンヌが妊娠5カ月に入り、近々帰国する予定だった。

ダニエルは、靴爆弾犯のリチャード・レイドを調べていて、宗教指導者のジラニ師に会う約束をしていた。
しかし、その約束の日、ダニエルは帰宅しなかった。

心配するマリアンヌ。
パキスタンの対テロ情報局、アメリカ大使館、フランス大使館、FBI捜査官、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者らが、
マリアンヌの下に集まり、捜査を開始する。

10日ほどして、ダニエルが過激派に誘拐されたことが分かる。
ダニエルがユダヤ人で、モサド(イスラエルの秘密警察)の一員でCIAの諜報員だというのだ。
(ユダヤ人であることは本当、イスラム社会でイスラエル人であると思われるのは非常にまずい)

バシール、オマール、ザファー、シャビール、ナスリン、アズファー、アリフ、
誰が誰やら分らない複雑な人間関係を追い詰め、犯罪者一味を次々と逮捕しながら、
捜査はだんだんとダニエルに近づいていく。

ジラニ師との対談は「餌」でダニエルを誘拐する口実に過ぎなかったことが分かる。

本当の犯人一味は誰、誘拐の目的は、ダニエルの運命は、、、、

***

実話とそれに基づく「マイティ・ハート―新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死 」の映画化。

最近はやりの1人称的カメラワーク。
非常にドキュメンタリーを意識した作りになっているといえるだろう。

マリアンヌはフランス人であり仏教徒であるが、ダニエルはユダヤ人で当然ながらユダヤ教徒である。

一方で、パキスタンにはムスリム(イスラム教徒)が多く、タリバーンやアルカイーダに共感をもつ者も多い。
また、パキスタンはインドに対して敵対心を持っており、民族と宗教と政治の混沌とした世界での出来事。

愛と勇気がテーマであることは確かだが、ジャーナリズムとは何か、正義とは何かについては多くを語られない。

映画そのものも出来はいいし、問題提起にもなっているとは思うが、
「衝撃と感動のドラマに世界が絶賛」というキャッチコピーには、賛同できそうもない。

 

 


 

 ブレイブワン 

ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、メアリー・スティーブンバージェン。
メアリー・スティーブンバージェンは、バック・トゥ・ザ・ヒューチャー3のクララ先生。

***

ニューヨーク・ラジオ局のパーソナリティ、エリカ・ベイン(ジョディ・フォスター)、
街の音を録り続け、「ストリート・ウォーク(街を歩く)」という番組で人気を博している。

もうすぐ結婚を予定していて、お相手はインド系のディビット・キルマーニ(ナビーン・アンドリュース)
犬を連れて夜の公園を散歩していたら、暗がりから出てきた3人の黒人に襲われ、ぼこぼこにされる。

エリカは意識不明の重体になり、3週間の昏睡から覚めたとき彼女は婚約者を失ったことを知る。

退院して一人アパートに戻るエリカ、何のためらいもなく歩いていた街なのに、恐怖で外に出られない。
ついに意を決して外出したが、怖くてたまらず、護身のために銃を手に入れる。

ある日、コンビニで飲み物を選んでいると、女店主の元夫が乱入してきて店主を撃ち殺してしまう。
恐怖におののくエリカ、元夫がエリカを殺そうと近づいてきたとき、彼女は3発の弾丸を放った。
1発が元夫に当たり、男は即死、エリカは人を殺した罪悪感にさいなまれる。

何日か後の地下鉄、若い黒人男性2人が乗客にいちゃもんを付けて電車から追い出し、エリカに迫る。
男のナイフが彼女の胸に触れたその時、エリカの放った弾丸は全弾が2人を死に追いやった。

NYPDのマーサー刑事(テレンス・ハワード)は、この連続殺人を担当、現場を見にきたエリカと遭遇する。
マーサーは、別の事件を追っている途中、昏睡状態のエリカを見て覚えていた。

凶悪犯罪を求めて街をさまようエリカ。マスコミは、闇の処刑人ともてはやす。

マーサーはエリカにも疑いの目を向け始める。
たとえ親しい友人でも犯人であれば逮捕するというマーサー。
エリカは自首をしようとするが果たせない。

そして、エリカはついに最初の惨劇の犯人3人を突き止める。

そこからは怒涛の展開。そして、結末は?

***

役者の力量はもちろんありますが、映画の出来は脚本によるところが大きいことが証明されました。
同じジョディ・フォスターの力の入った演技だった「フライトプラン」に比べると、格段の出来です。

自己嫌悪、葛藤がわかりやすく描かれていて、エリカの苦しみがよく伝わってきます。

結末は、いくつかのシナリオが考えられて、もちろん映画のままのものもその一つです。
その意味では、意外な展開でも驚愕の結末でもありません。
しかし、現実には起こらないだろうと思いつつも、そうあってほしいと思う点では、
意外な結末であるのかもしれません。

多くの人が「狼よさらば」に言及されています。
かくいう私も、見る前には「女版、狼よさらば」だと思っていました。
と言っても、「狼よさらば」を知らない人のほうが多いでしょう。
チャールズ・ブロンソン主演の30年以上前の映画で、大ヒットして、続編が何本か作られました。

TVでも何度も放送された映画ですが、私自身、細かい点は忘れてしまいました。
しかし、こうやって、引き合いに出されるのは、それだけ人々の心に残っているからでしょう。
この映画もまた時を経て、人々の心に残ることができるでしょうか。

 

 

 


 

 グッド・シェパード   

マット・デーモン、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デ・ニーロ。

CIAにまつわるサスペンス。

映画は時系列には進行しない。
時間(年月日)が頻繁に前後するので、字幕に出る日付をよくチェックしておくこと。

***

まず、物語を読み解くのに知っておくといいのが「ピッグス湾事件」

1959年1月、キューバ革命が起こる。
1960年、キューバは国内のアメリカ企業を国有化しソ連に接近、
危機感を抱いたアメリカは、1961年4月、亡命キューバ人を組織して、
キューバのピッグス湾(スペイン語ではコチーノス湾)に上陸作戦を敢行。
しかし、情報が漏れ、キューバ軍の待ち伏せを受けた上、
アメリカの補給船、爆撃機が撃沈、撃墜され、作戦は失敗に終わった。

このことで、当時のジョン・F・ケネディは激怒し、CIAの解体に動く。
後のケネディ暗殺事件にCIAが絡んでいるといわれる所以である。

***

物語は、一人の男が出勤するところから始まる。
男は、エドワード・ウィルソン(マット・デーモン)、CIAの幹部である。

1961年4月、エドワードの指揮の下、キューバのコチーノスへの上陸作戦が実施される。
しかし、作戦は大失敗、CIAは事前に情報が漏れたと考え、CIA内部に内通者がいると考える。

作戦に関与した人物は全員怪しい、エドワードにも疑いの目がかかる。
そんなある日、自宅に投げ込まれた封筒に、1枚の写真と録音テープが入っていた。

不鮮明な写真は男女のベッドシーンのようだった。
テープはノイズが多く聞き取りにくいが、単なるピロートークではなかった。

エドワードは、写真とテープの分析を命じるが、分析は難航し、
少しずつ情報が見えてくるが、最後に驚愕の事実が明らかになる。

さて、時代は遡って、1939年ころのエール大学。
学生だったエドワードは、秘密結社スカル・アンド・ボーンズ(髑髏と骨)に入る。
ゼミのフレデリックス教授(マイケル・ガンボン)は、エドワードを「米独何とか」という組織に誘う。

それはナチ信奉組織であり、エドワードはFBI捜査官(アレック・ボールドウィン)にメンバーを探るよう依頼される。
結果、教授は追放され、エドワードは、サリバン将軍(ロバート・デ・ニーロ)にOSSにリクルートされる。

そのころ、エドワードには、耳の不自由な恋人ローラ(タミー・ブランチャード) がいたが、
エドワードは、スカル・アンド・ボーンズでの友人、ジョン・ラッセルの妹、
マッガレット・”クローバー”・ラッセル(アンジェリーナ・ジョリー)とねんごろになり、
妊娠させてしまったため、ローラを振って、クローバーと結婚する。

OSSは新設されたばかりの情報機関で、第2次大戦下の諜報活動を行う組織だった。
イギリスへ派遣されたエドワードは、フレデリックスがイギリスの諜報員だったことを知る。

第2次大戦は終結し、アメリカの敵はナチスからソ連へと変わった。
戦後、エドワードは活動をイギリスからドイツへ移し、6年の海外出張を経て帰国する。

6年の期間は夫婦仲を冷えさせてしまったが、エドワードの心の支えは息子のエドワードJrだった。

OSSは解散し、サリバン将軍らによってあたらしくCIAが作られる。
エドワードは、CIAに異動するが、機密保持のため夫婦仲はますます悪くなる。

そして、キューバ革命とキューバによるアメリカ資産の国有化を経て、
CIAはキューバに対する破壊活動を活発化させ、
ついに「ピッグス湾事件(コチーノス湾事件)」につながっていく。

はたして、情報漏洩の真相は、、、

***

3時間になろうかという映画、しかも淡々と進む展開だったが、
終わっても長い映画だったことに気がつかなかった。

マット・デーモンの老けメイクはいまいちだが、眼鏡を老眼鏡にすることで時間の経過を表している。
アンジェリーナ・ジョリーや、ケミー・ブランチャードは時間の流れを感じさせるのに成功している。

タミー・ブランチャードは、どこかで見たと思ったが、TVで活躍する全く知らない女優だった。
「ジュディ・ガーランドの生涯」(2001、TV)では、若いころのジュディ・ガーランドを演じた。

フレデリックス教授のマイケル・ガンボンはダンブルドア校長。

再会したローラの別れ際の一言、「海岸の日を返してちょうだい」はちょっと意訳過ぎ、単なる嫌味。
セリフは「海岸の日のことで、あなたは私に借りがあるわ」なので、
「海岸での事はまだ『貸し』よ」か「海岸の日は『貸し』たままよ」
「海岸の日の『借り』を返して」くらいのところか。

 

 


 

 恋空   

一言で言うと「女子高生の妄想物語」(開始15分くらいで妄想という言葉が頭を駆け巡った)

悲劇も喜びもとことん主人公に都合のいい展開。
どだい映画なんだから、ありえない話ではあるが、あまりにも現実離れしているというか、何かが欠落している。

とはいえ、途中から、男女を入れ替えたら、つまり、男が主人公の映画の多くが女性から見たら、
「なんて男に都合のいい映画なの!」と、思われているのかも知れん、と思いながら見ていた。

***

主人公の美嘉に新垣結衣、初恋のヒロに三浦春馬、ヒロの姉に香里奈、
美嘉の母、浅野ゆう子、父、高橋ジョージ。

美嘉はまじめな女子高生。
高1の夏休み直前に、ケータイを図書室に忘れたことがきっかけで、謎の男と電話で語り合う仲に。

夏休み明け、男は美嘉が不良だと思って避けていたヒロだった。
しかし、美嘉は徐々にヒロに惹かれて行き、すぐ男女の仲に。(早い話がHしたってことですな)

ところがある日、美嘉は暴漢に襲われ、レイプされる。
ヒロの元かのサキの指示で、彼女の取り巻きがやったことだった。

この事件をきっかけにヒロと美嘉はより親密になり、ついに妊娠する。
学校を辞めて働くというヒロ。
一方、サキは執拗に美嘉を追い、美嘉を突き飛ばして流産させる。

赤ちゃんの墓に見立てた花壇に毎年参ることを約束するヒロと美嘉。

しかし、程無くしてヒロは心変わりし、美嘉と別れることになった。

失意の美嘉、友達の紹介で大学生の恋人ができるが、毎年の墓参り(花壇参り)を欠かさない美嘉は、
ある日悲しい事実を知ることになる。

はたして、その真相は、、、

***

展開は妄想としか思えないけど、もとになる事実があるらしい。

もし、現実にケータイを拾った相手から電話がかかってきて迷惑なら、あっさり着信拒否でしょう。
もし、嫌がらせメールが何度も来るようであれば、即行着信拒否でしょう。
それでもかかってくるようなら、MNPを使わず機種変です。

まあ、それだと、物語はそれで終わりですからね。

しかし、あれだけの喧嘩をして、あれだけの被害に遭って、警察が全く出てこないのはなぜでしょう。
親も訴える素振りが全く見えないのはなぜでしょう。
泣き寝入りの根性無し一家です。

ヒロは普通の感覚でいえば不良です、それも札付き。
高1から授業に出ないで自分ちに彼女連れ込んでHして、セリフもジゴロじゃあるまいし、親も放任が過ぎます。
彼女に手を出した男をぼこぼこに殴り倒し、教室でおれの女に手を出すなとは、、それで感激しますか?
いくら図書室に人気がないとはいえ、学校でHして良いんでしょうか。
三浦春馬は芝居はうまいと思いますが、「14歳の母」でも父親だし、よくよくスケベな役が回ってきます。

先生が全く問題解決に乗り出さないのも不思議です。
生徒の妊娠、流産となれば表に出したくなくても無視はできないでしょう。

そのほかにも理解できない展開や行動は多々ありますが、きりがないし、言っても無意味なのでやめておきます。

とはいえ、女性陣には大好評、泣ける映画だったようですね。
若い女性の二人連れで見るにはお勧めかもしれません。

もし、デートムービーとしてこれを選んだ場合、
男性諸君は自分から先に感想を言わない方が賢明でしょう。
また、間違っても妄想映画などと言わないようにしましょう。
彼女が映画を楽しんでくれたら、それで十分ではありませんか。

時間の無駄とまでは言いませんが、男同士で見に行く映画ではありません。

 

 

 スターダスト  

冒頭は、イギリスの科学院だか何だかに送られてきた手紙。
字幕ではよく理解できなかったが、「壁」(ウォール)に囲まれたウォール村で、
禁断の壁の向こうに行った青年がいた。

そこには魔法の世界があって、
(有体にいえばワゴン車風俗店の)自称王女とひと夜限りの快楽の結果、
赤ん坊、トリスタンが送りつけられてくる。

18年後、トリスタン(チャーリー・コックス)は冴えない青年に。
ビクトリア(シエナ・ミラー)に恋しているが、金持ちのハンフリー(ヘンリー・ガビル)には敵わない。

うまくビクトリアを連れ出して求愛、たまたま見えた流れ星を取ってくれば結婚するとの約束を交わす。

流れ星は、実は大空から地球を眺めている星の精、イベイン(クレア・デインズ)だった。

 ウォール村を治める王国の王(ピーター・オトゥール)は、死に際し、王の印であるルビーを息子たちに託す。
多くの息子の中から生き残り、ルビーを手にしたものが王となる。

王の手を離れ、赤みを失ったルビーは大空に舞い、先の流れ星の原因となったのだ。

壁の向こうに行くことに失敗したトリスタンは、父から出生の秘密を聞き、
魔法で母のもとに行こうとするが、失敗して流れ星の精、イベインにぶつかってしまう。

イベインは超タカビーな女。
トリスタンは母に会う使命も忘れ、流れ星をビクトリアに届けようとする。

一方、魔女のラミア(ミシェル・ファイファー)は、星の心臓を手に入れて、
永遠の若さを得ようと、イベインを探す。

王の息子たちもイベインが手にしている王の印のルビーを求めて彼女を追う。

こうして、トリスタンとイベインの旅は危険極まりないものになるのだった。

ここに空中海賊シェークスピア(ロバート・デ・ニーロ)も絡んで、物語は混迷を増していく。

***

たまたま見たときの映写のピンボケを度外視してもなお、焦点の定まらない映画。

ファンタジーではあるが、子供向けというには現実的すぎるし、大人向けというには、ちょっと幼稚。
主人公の18歳前後をターゲットにするにしても、どこに思い入れをおいていいのかよくわからない。

物語は、前後の説明部分を除けば1週間のタイムリミットの中で展開されるはずなのに、
数週間から数か月はかかっているように印象を受けた。

面白いんだけど、物足りない、複雑な気持ち。

***

出演者についても一言。
流れ星のイベインを演じる、クレア・デインズ。
「T3」ではジョン・コナーの恋人ケイト。
「ショップガール」では、2人の男性から言いよられる主役のミラベル。

 
 

 

 オリヲン座からの招待状   

「鉄道員(ぽっぽや)」の最終篇にありながら、映画の「鉄道員(ぽっぽや)」には入らなかったエピソード。

オリヲン座という映画館を舞台にしたラブストーリーというか、ヒューマンドラマというか。

宮沢リエ、加瀬亮、原田芳雄、宇崎竜童、中原ひとみ、樋口可南子、田口トモロヲ。

***

冒頭は留吉(原田芳雄)がオリヲン座の閉館記念謝恩映画会の案内状を書いているところから始まる。
昭和25年の開館から57年、オリヲン座は閉館興行を行おうとしていた。

これがまさに「オリヲン座からの招待状」である。

そのうちの一通は、良枝(樋口可南子)の元に届く。
留吉とトヨ(中原ひとみ)に会いたいと願う良枝。
良枝は祐次(田口トモロヲ)を誘って映画会に行こうとするが断られ、
良枝はオリヲン座への思いを告げるが、祐次には袖にされる。

実は、トヨは入院しており、もう先は長くないのだった。

時代は遡って、昭和32年。
食い詰めたひとりの青年が、オリヲン座にやってくる。

青年(加瀬亮)の名前は留吉、映画の終わった後も帰らず、館主の松蔵(宇崎竜童)に頼み込んで雇ってもらう。
女将のトヨ(宮沢リエ)は半信半疑だったが、留吉は一生懸命映写技師の仕事を覚えようとする。

いろいろあって、そろそろ留吉も映写をやらせてもらえそうになったころ、松蔵は不摂生がもとで死んでしまう。

映写技師としてオリヲン座に残り仕事を続ける留吉と、松蔵の面影を忘れられず悲しみから逃れられないトヨ。

近所では、留吉とトヨがねんごろになっているなどと噂も立ち、TV時代の訪れもあって館はさびれていくが、
トヨと留吉は松蔵の心意気を忘れまいと貧乏に耐え、館の存続に奔走していた。

昭和40年ころ、子供の良枝と祐次も家庭不和な中にあって、オリヲン座を遊び場としていた。
恵まれない者同士のささやかな憩いの場、オリヲン座はこの4人の拠り所だった。

しかし、時代を経て、後継者もなく、ついに閉館の時を迎えたオリヲン座、
留吉の想いはかつてこの映画館を愛した人々に届くのだろうか。

***

感想を、最大限簡潔に言うと、「長い、重い、暗い」
映画に寄せる作者の想いというか、映画を愛する気持ちはわからないではないが、
いかんせん暗すぎる。

その点では、最近見た邦画では、
自虐の詩」「鳳凰 わが愛」「クローズド・ノート」「まゆ ココロの星」「眉山」「あかね空
暗い映画ばっかりが多い。

泣かせるのはいいけど、見終わった後すっきりした気分になれない映画ばかりでは気が滅入る。

 

 

 EX MACHINA  エクスマキナ    

アップルシードの続編。

前作では戦争の終結も知らずにゲリラ活動を続けていたデュナンが、
サイボーグと化したブリアレオスとともに、オリュンポスのESWATに入り、
オリュンポスの秘密を暴く物語だったが、その続き。

プロデューサーに、ジョン・ウーを迎えて、キャラ設定などを変更、
ストーリーも単純化されたと言っていいでしょう。

***

デュナンとブリアレオスは、中立都市オリュンポスのESWATの兵士。
今日もEU特使の誘拐テロ事件に出動する。

デュナンとブリアレオスの活躍で、人質は確保、犯人は殲滅させるが、
自爆のあおりでブレアリオスは重傷を負う。
不思議なことに犯人は全員がサイボーグだった。

治療中のブリアレオスに代わってデュナンのパートナーとなったのは、
人間の頃のブリアレオスそっくりのテレウス。

実はブリアレオスのDNAから作られたバイオロイド。

オリュンポスでは、テロ対策のために、世界の情報衛星のコントロールを画策。
世界安全保障会議を開催することに。

その会場へもテロ攻撃が仕掛けられる。
しかも、サイボーグだけでなく生身の人間も暴動に加担。
一連の騒動で、ESWATは優秀な隊員マヌエルを失う。

オリュンポスは、情報衛星の制御を握るが、
異常電波によりブリアレオスが暴走、逮捕される。

そして、情報衛星からの怪電波で、再び大暴動が発生、
オリュンポスは制御不能の状態に陥る。

テロに加担したサイボーグが残した言葉「ハルコン」を手がかりに、
巨大企業国家ポセイドンの秘密に迫っていく。
その過程で、隔離病棟から逃亡したブリアレオスも「異常」とみなされる。

はたして、ブリアレオスを異常行動にかきたてたものは何なのか、
テロ、暴動の真相は、オリュンポスのいく末は、
そして、デュナンとブリアレオスの将来は。

***

はっきり言っておこう。面白い。
CGは見事につきる。
金属だけでなく、布や革の質感は実写と見まごう程。
動きもモーションピクチャーで実写と変わりない。

輪郭を付けるなどしてわざとアニメ(セル画)風に見せていると言ってもよい。
ただし、髪の毛は1本1本でなく、塊単位の表現。

さて、今回の映画化に際し、細かい点でキャラ設定が変更になっている。
声優の入れ替えもその一つかも知れない。

まず、デュナンでいえば、顔つきに大きな変化はないが、眉が変わった。
声優は前作と同じ小林愛。

ブリアレオス・ヘカトンケイオス 、今回初めて人間だった時の顔が出てくる。
前作ではサイボーグと人間のブリアレオスに大きな体格差はないが、
今回は人間の方が明らかに小さい、というか大きい人間並み。
マスクの形状が変わり、特にあごの部分が小さくなり、口っぽくなった。
また、首などに生身の部分が露出している。
目(カメラ・アイ)の色が前回の赤から緑に変化。
声優も小杉十郎太から山寺宏一に交替。

アテナ・アレイアス は、赤毛の中年女性からブルーネットで明らかに若返った。
声は今回は高島雅羅(杉本彩だと思っていた)で、前回は小山茉美。

ニケも金髪は一緒だが、髪形も変わり、ティルダ・スウィントンそっくりに。
声優は山田美穂から五十嵐麗に変更。

ひとみは、黒髪は一緒だが、短髪で茶色の眼、すっきりした顔が、
長髪で黒い瞳の人形のようなベビーフェイスになった。
変化が大きすぎて、初めて登場した人物かと思ったほど。
声は松岡由貴から沢城みゆきに変更。

武器担当の義経は、やや面長の青い髪が黒髪のヤング織田裕二って雰囲気に。
声は森川智之が加瀬康之に変更。

隊長のランス・ロットも白髪の男から、黒髪にひげで若返った。

今回初登場、オリュンポスのサイボーグ専門医リヒャルト・ケスナー(土師孝也) と、
巨大企業ポセイドンの特使に吉野ハジメ(深見梨加)、ともに物語の重要な役回り。

 

 

  パーフェクト・ストレンジャー 

ハル・ベリー、ブルース・ウィルス

***

思わせぶりなオープニングタイトルに続いて、光彩(目の模様)のチェックを通るロウィーナ(ハル・ベリー)、
上院議員のセックススキャンダルをつかむが、記事はトップにつぶされる。

勢いあまって会社を辞めると宣言、そのあと、偶然会った幼馴染のグレースが
広告業界の大物ハリソン・ヒル(ブルース・ウィルス)と不倫していると聞く。

しばらくして、グレースは死体で発見される、それは残忍な殺し方だった。
ロウィーナは、グレース殺害犯をつきとめるべく、同僚のマイルズ(ジョバンニ・リビシ)と
ハリソン・ヒルのスキャンダルを暴くことにする。

偽名を使ってハリソン・ヒルの会社H2Aに就職、チャットで元H2Aの社員ヴェロニカを装って、
ヒルから証拠を引き出そうとする。

女にだらしないハリソン・ヒル、財産を握り異常なまでに嫉妬深いヒルの妻ミーア、
ハッキングにかけては一流ながら異常性癖を持つマイルズ、
元グレースの彼氏で今はロウィーナの彼氏ながら、グレースとも密会していたキャメロン、

みんながロウィーナに嘘をついていた。
ロウィーナは、ハリソンが犯人であることを確信していたが、
ついにロウィーナ自身に危機が迫ることに。

はたして、ロウィーナの運命は

***

ここで、犯人は誰々です、と書いてしまうとおそらく面白みが半減、いや1/3、1/4になってしまう映画。
その点では「ハイド・アンド・シーク」に近い。

キャッチコピーでは誰かが嘘をついている、とある。
そう言われればそうだが、物語の異常性でいえば「シークレット・ウィンドウ」の方が上。

結末は意外と言えば意外だが、それまでのストーリーで結末を予想するのは無理。
伏線はあるが、犯人が分かるまで明かされない事実が犯行の動機となっているので、
観客はそれを知りえることができない。

ところで、キャメロン役のゲイリー・ドゥーダンをショーン・ウェイアンズだと思っていた。
顔つきはショーンとマーロンの中間くらいだが、まぎれもなくショーンだと思ってしまったから情けない。

 

 

 自虐の詩    

同名の4コマ漫画のうち「幸江とイサオ」の物語。

大阪編
葉山イサオ:阿部寛
森田幸江:中谷美紀
幸江の父、森田家康:西田敏行
あさひ屋マスター:遠藤憲一
福本千春:カルーセル麻紀
組長:竜雷太

中学編
森田幸江:岡珠希
熊本さん:丸岡知恵
森田家康:西田敏行

このほか、名取裕子、斉木しげる、ミスターちん、Mr.オクレ、蛭子能収など。

***

雨の降りしきる中、新聞配達をする少女、幸江。

必死で新聞の濡れるのを防ぎながら配達するが、途中で幸せを祈る神社の鈴は縄が切れてしまうし、
突風で自転車は倒れるし、といいとこなし。

新聞に出ていた銀行強盗の写真で父親が犯人だと分かり逮捕されて、学校中の嫌われ者になってしまう。
友達は同じ貧乏仲間の熊本さんだけだった。

場面は変わって、大阪、通天閣の見える繁華街。
一人の男が、ゴミの山に突っ込んで倒れている。左手小指を詰めた男、イサオだった。

警察からの連絡で飛んでいく大人になった幸江。
死んだかと思いきや、かつ上げした金で飲んだくれて寝ていただけ。

イサオはいつもこんな調子。
今日もちょっとしたことに腹を立ててちゃぶ台をひっくり返す始末。

隣のおばちゃん(カルーセル麻紀)も幸江の不憫さに涙する。

寒い日も懸命に飯屋のあさひ屋で働く幸江についにイサオも働くことに。
しかし、元のやくざ仲間の言動に腹を立て喧嘩沙汰をおこして首になる。

そんなイサオにつくしながら懸命に働く幸江。
そこへ出所した父まであさひ屋に転がり込んできてしまう。

ある日妊娠が分かり、イサオに告白するが反応がない。
落胆する幸江は、出前の途中、歩道橋から転落して大けがを負い、自分も胎児も生命の危機に陥る。

はたして、不幸を絵にかいたような幸江に幸せは訪れるのでしょうか。
また、物語の途中途中で明らかにされる、中学時代、東京時代の幸江の悲しい過去とは。

***

業田良家の同名の4コマ漫画を原作とするシニカルなラブストーリー。

細かい点はともかく、人物設定はマンガとほぼ同じようだ。
一時期(立ち読みで)読んでいたことがあるが、すっかり忘れていて、
試写会のチラシを読むまで、あの漫画の映画化だとは知らなかった。

中学時代の貧乏友達の熊本さんはパッと見、沖縄出身。
設定が東北のはずなのになんで沖縄の子?と思っていたが、
物語の最後にその理由がわかる。
大人になった熊本さんはアジャ・コングだった。

なお、平成20年発行の硬貨が出てくる。
もちろんCGでしょうが、よくできてました。

 

 

  ヘアスプレー  

ジョン・トラボルタ、クイーン・ラティファ、クリストファー・ウォーケン、ミシェル・ファイファー。

メリーランド州、ボルチモアを舞台とした1960年代が舞台のミュージカルコメディ。

主役は、おチビでおデブな女子高生、トレーシー・ターンブレッド。
本当に18歳のチビデブ明るい女子高生、新人女優ニッキー・ブロンスキー。

***

まだまだ、黒人に対する人種差別が普通にあった、1962年のボルチモア。
歌と踊りの好きな、小さいけれど恰幅のいい(要はおチビでおデブな)高校生、トレーシーは、
友達のペニー(アマンダ・バインズ)と今日もローカルTVの「コーニー・コリンズ・ショウ」に夢中。

番組のメインキャストはコーニー・コリンズ(ジェームズ・マースデン)、
一番のお気に入りは、同級生でもあるリンク・ラーキン(ザック・エフロン)

番組のキャストの一人が辞め、運よくトレーシーがその後釜に入る。

黒人に対して何の偏見も持たないトレーシーは、番組のディレクター、ヴェルマ(ミシェル・ファイファー)から
疎まれるがへこたれず、人気を博する。

番組の「黒人デー」(字幕では、ブラック・デー、台詞や表示は二グロ・デー)が中止になり、
黒人キャスター、メイベル(クイーン・ラティファ)とともに、トレーシーは差別反対のデモに参加するが、
警察とのトラブルで逃げまわる羽目に。

しかし、番組の目玉「ミス・ヘアスプレー」に出場するため、なんとか警備をくぐってTV局に入り込もうとするが、

はたして、トレーシーの運命は、、、、。

***

字幕ではずいぶん柔らかい表現だが、差別的表現満載で、PG指定になっている。
セリフだけでなく、人種隔離政策的(白人/黒人の間に物理的な障壁を設ける)表現も一杯ある。

トレーシー・ターンブラッドのニッキー・ブロンスキーは、147センチの本物の女子高生。

トレーシーの父、ウィルバーにはクリストファー・ウォーケン、
そのビッグな母エドナにはジョン・トラボルタ。

1988年の同名映画では、トレーシーの父親、ウィルバー役だったジェリー・スティラーは、
今回、デブ専洋服店のオーナー、Mr.ピンキーとして登場している。
 

 

 

  キングダム−見えざる敵−  

ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー、クリス・クーパー。

オープニング・タイトルで、アラビア半島の政治的な経過が示される。
この地域の石油でアメリカが利権を握り、産油国の経済的発展があり、
湾岸戦争を契機にアルカイーダらの過激派とアメリカの対立が激化、ついには2001/9/11に至る。

サウジアラビア王国が主たる舞台。
タイトルのキングダムは、このサウジアラビア「王国」のことである。

***

サウジアラビアの首都、外国人居住区。
警察官と多くの警備兵に守られ、外界から切り離された地域。
多くのアメリカ人の家族がソフトボールに興じている中、
警察官の制服を着た2人組の男が、警官を射殺してジープを奪い、
車を走らせながら、機関銃を乱射し始める。
逃げ惑う人々、もう一人の偽警官が人々を誘導しながら自爆する。

最初の2人組は警官に射殺されるが、現場はパニック。
大勢のけが人が運び込まれたホテルの駐車場から、現地のFBI捜査官は
アメリカにいる捜査官フルーリー(ジェイミー・フォックス)に捜査に来るよう電話する。

しかし、ここまでがおとりだった。
けが人と救助隊でごった返す駐車場で大爆発が起こり、FBI捜査官を含む100人を超す死者を出したのだ。

アルカイダのメンバー、アブ・ハムサが首謀者と目されながら、アメリカ政府は腰が引けて手が出せない。

FBIは独自の手段を使って、フルーリーと、医学捜査官のメイズ(ジェニファー・ガーナー)、
爆発物専門官のサイクス(クリス・クーパー)、情報分析官のレビット(ジェイソン・ベイトマン)
の4人をリヤドに送り込んだ。

宗教や現地の捜査体制の壁、許された時間はたった5日間。
アルカイーダに心情的に賛同する人もおり、反米感情は強い。

はたして4人はアブ・ハサムを追い詰めることはできるのか。
任務を果たして無事に帰国することができるのか。

***

結末は内緒にしておくが、映画は
これらの地域とアメリカは永遠に理解し合うことがないだろうという
メッセージともとれるセリフで終わっている。

昔の戦争映画のようにアメリカ=かっこいい、相手=バカというだけのアクション映画ではありません。

カメラを振り回す撮影方法は、多分に一人称的撮り方。
長回しはないが、緊迫感は「トゥモローワールド」にも似ている。
ただし、派手さはこっちが上。

どこまでがロケでどこまでがセットなのかわからないが、
よくロケができたなと思えた。
ロケ先はサウジアラビアではなく、UAE、アブダビのようだ。

 

 

 鳳凰 わが愛   

舞台は1917年(1918年?)の中国。
恋人と映画を見に来ていた劉浪(=リュウ・ラン、中井貴一)は、
後ろの席の痴漢に激怒、彼に重傷を負わせ、15年の刑に処せられる。

中国北東部の刑務所、そこは男女の受刑者が入っていた(もちろん、房は別)
そこでは、受刑者は番号で呼ばれる。リュウ(中井貴一)は407号。

また、旦那殺しで死刑になりながら、妊娠を理由に減刑された女囚309号、周紅(=ホン、苗圃)がいた。
リュウの恋人は出所を待ち、リュウの母と共に暮らすが、ほどなくして、知人に辱めを受け自殺する。

訃報を聞いたリュウは荒れ狂い、脱走を試みるが失敗。
騒ぎに乗じてホンも自殺を試みるが失敗。
この瞬間に2人の数奇な運命が交錯する。

リュウはたびたび刑務所内でも諍いを起こし、刑期がどんどん伸びていく。
懲罰を受ける度にリュウとホンは心を通わせるようになる。

時代は下り、国民党政権、日本軍の侵略、満州国による統治、
再び国民党、そして中国共産党と、政権が変わるたびに、
刑務所にもその影響がやってくる。

そして30年以上にわたって、政治に翻弄されながら、
運命の糸を紡いでいったリュウとホンを待ち受けていたものは、、。

***

公式ホームページには、もっと詳しいストーリーが載っています。
90%書いてある、と言っても過言ではない。

中井貴一は、小さい頃事故で母を亡くした日本人。
この事故がストーリーの結末を暗示している。

公式ページによれば、中井貴一は、
>主演俳優として全編中国語のセリフをマスターするだけでなく
とある。

最初寡黙でセリフがないので、全編これで行くのか、と思ったら、
ちゃんと中国語のセリフはありました。

でもどう見ても(聞いても)吹き替えです。
あれが本人の声なら、私の耳は相当いい加減だということになります。

映画自体は派手さはもちろんないし、地味で淡々と進む。

それ自体を持って否定的な感想を言うわけではないが、
TVのメロドラマの思い出の場面を特集したみたいで、
「連綿と続く愛の物語」というよりは「ショートコント集」
と言った感じでした。

 

 

 ストレンヂア     

ストレンヂアは、ストレンジャーのこと。
アニメ。
声に、TOKIOの長瀬智也、竹中直人、知念侑李、山寺宏一ほか。

***

冒頭は、逃げる子供と僧侶。
僧侶(祥庵、竹中直人)は、子供(仔太郎、知念侑李)に石(瑪瑙?)を渡し、
遠方の寺まで逃げるように言う。
そして自身は、燃え盛る寺に安否を確認に戻る。

場面は変わって、武士と中国人らしき赤いマントの一軍。
何かの機材を運んでいるが、途中、野武士の攻撃に遭う。
しかし、たった一人が反撃して野武士を全滅させる。

仔太郎は、柴犬の飛丸と食べ物を盗みながら旅を続けていた。
ある海岸近くの廃寺で、食事をしようとして一人の浪人(長瀬智也)に出会う。

そこへ、武士と赤いマントの刺客がやってくる。
争いに巻き込まれた浪人は、仔太郎を寺へ連れて行く約束をする。

名もなき浪人はいったい何者なのか。
仔太郎はなぜ追われているのか。
仔太郎を追う赤いマントの中国人たちの目的は何か。
彼らを城下に引き入れてその手助けをしている「赤池の国」の城主の思惑は。

そして、剣に生き、強いものに憧れる「赤池の国」の虎杖(いたどり、大塚明夫)、
中国人の中の金髪碧眼の剣士、羅狼(山寺宏一)、それに浪人の意地がぶつかり合う
クライマックスへと物語は進んでいく。

***

痛快時代活劇、と言っていいんでしょうか。単純に面白い。

登場人物たちの思惑が絡みあってはいますが、
びっくりするようなどんでん返しや意外性はなく、
シンプルでわかりやすい。

音楽がいいですね。
特にパーカッション、太鼓ですが、迫力があってとてもよろしい。

アニメですから、それほどの残虐性を感じるわけではありませんが、
血がドバッ、首がスパーン、腕がブラーン、といった場面が続出します。

 

 

 クローズド・ノート    

竹内結子、沢尻エリカ、伊勢谷友介。

***

引っ越ししたばかりの女子大生、香絵(沢尻エリカ)は、残された1冊のノート、日記帳を見つける。
そのアパートを見上げる不審なイケメン(伊勢谷友介)は、香絵のバイト先に万年筆を買いにきた。
男の名は飛石リュウ。新聞小説に挿絵を書いたりする駆け出しのイラストレーター。
香絵は、少しずつリュウに惹かれていく。

アパートで見つけた日記帳の持ち主は、真野伊吹(竹内結子)、小学4年生の担任。
始業式からの日々の生活がつづられていた。

小学校教師としての伊吹の喜びや悲しみ、挫折、
そして、大学時代の同級生、隆との再会や恋などが書かれていた。

小学校教師を目指す香絵は、伊吹の日記を読むうちに、伊吹とその恋人、隆の姿を
自分自身と、リュウに重ねていくのだった。

日記に書いてあることをやってみたり、うんちくを語ってみたり。

リュウのアパートにも行ってみたが、そこには、
キャリアウーマンの山崎星美(板谷由香)が出入りしていた。

一旦は諦めかけた香絵だったが、日記から力を得てリュウに告白する決意をする。
しかし、再び行ったリュウのアパートで、香絵は驚愕の事実を知ることとなった。

果たしてこの恋の行方は、どうなってしまうのでしょうか。

***

前半はテンポよし。最後のほうで少しだれる。
2時間20分はやや長い。

個展での演説のシーンは、観客にはわかるが映画の設定では説明不足。
ほんのひと言でいいから、前置きがほしかった。
あれでは、みんなはなぜリュウが泣くのか理解できない。

ノートは実は最後の1ページが破られて終わっている。
これが明かされるのがかなり終盤になってからで、ちょっとわかりにくい。

最初に開いたときにわかる仕掛けがあってもよかった。
それから細かいことで申し訳ないが、ノートの破り跡がきれいなのとちょっと雑なのと。

破られる直前の出来事はもっと早く見せたほうが良かったし、
何で破らなければならなかったのかは理解できません。

最終的にノートがあそこに収まった前後関係も説明不足。

といろいろ書きましたが、女性ファンには受けること請負い。
ただし色恋沙汰というよりはピュアなプラトニック・ラブ。

恋に恋するんじゃなくて、本物の恋です。
でも、恋は切ないもの、ピュアなだけに悲しみも倍増、てなところでしょうか。

最後に、
肝心のところで「お亡くなりました」はまずいでしょう。
どうしても「お亡くなりになりました」と言えなかったんなら、
「亡くなりました」「お亡くなりに、、、」とするか、「天国に行きました」とか、
単純に「死にました。」「死んじゃったんです。」でもよかった。

***
実はこの映画にエキストラとして出演しました。
マンドリンの発表会で、大きな花束の右後ろ、2列目の客席に座っています。
もう少しはっきり見えるかと思ったけど、顔はわからない。
その場にいたから「どこにいたか知っているので分かる」レベルです。

 

 

 Mayu まゆ ココロの星    

実在の乳がん患者、大原まゆの闘病記「おっぱいの詩」の映画化。
21歳の若さで、20代の発病率が0%といわれる乳がんになり、
苦しみながらも家族や友人とのつながり、乳がん患者同士の連帯を
大切にしていこうとする女性の物語。

平山あや、三浦友和、浅田美代子。

***

家族(母、浅田美代子)にがん闘病患者を持つ竹中家。
娘のまゆ(平山あや)は北大の医学部に挑戦するが、3連続不合格。
ついには大学進学をあきらめて、地元の広告会社に就職する。

21歳の誕生日、早く帰って来いという父(三浦友和)と弟(若葉竜也)をよそに、
高校時代、星を見る同好会の部長だったまゆは、
当時の仲間で、引きこもりのあゆみ(於保佐代子=おほさよこ)、
歌手志望(Wooh)、豆腐屋の娘(芦名星=あしなせい)、
そして元彼で漫画家志望の優紀(塩谷瞬)と、誕生日を祝い、
来年のこの日に星を見に行く約束をする。

この日はまゆの誕生日であると共に、母が退院してきた日でもあった。

会社で彼氏もでき、順風満帆に思えたまゆの人生は、
右胸にできたしこりによって大きく狂わされていく。

気になるしこりは検査の結果、乳がんだった。
弱冠21歳、20代の発病率はほぼ0%のこの病気にかかった自分。

会社を辞め、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療と苦しいがんとの闘いに挑んでいく。
乳がん患者らで患者会を作ったり、HPを作ったり、乳がん検診の運動にも力を入れる。

1年後の誕生日には、星を見る会に参加できるまでに回復はしたが、
友人たちとも支え支えられ、まゆの戦いはまだまだ続くのだった。

***

本当に撮影中に痩せたという平山あや。
画面を通してもやつれぶりが見えるほどの熱演。
実際に(手術していない)胸の傷跡が痛んだり、吐き気がしたという。

ガン患者仲間に、京野ことみ、山村美智。

女性陣、号泣必至。
だらだらと暮らしている方はこれを見て泣いて反省してください。

 

 

  スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ   

どこまで、まじめなのか、よくわからんかったが、実験的映画とまでは言えない。
見ていて思ったのはこれって、やっぱコメディ?

***

赤富士をバックに、ガンマンたちの争い。
一人の男(クエンティン・タランティーノ)をめぐる争い、襲いかかる男たち(香取慎吾ほか)は皆殺しに。

舞台は変わって、馬に跨るガンマン(伊藤英明)。
村人とすれ違うが、何もない、といわれる村の方向へ。

村では、白ずくめの「源氏」と呼ばれる集団と、赤ずくめの「平家」と呼ばれる集団が反目しあっていた。
源氏の大将は義経(伊勢谷友介)平家(平氏)の大将は清盛(佐藤浩市)

力関係では源氏のほうが強そうだが、横から出てきた女、ルリ子(桃井かおり)に引っ張られ、
ガンマンは、中央の居酒屋に行く。

ルリ子はその村に起こった対立の話を延々と説く。
ルリ子は平家の末裔だったが息子のアキラ(小栗旬)は、源氏の末裔、静(木村佳乃)を連れて戻る。
村に昔から伝わるお宝をめぐってならず者が入り込み、最後に残った源氏と平家の争いに巻き込まれ、
アキラは死亡、静は源氏の囚われの身、残された孫は恐怖のあまりの失語症。

果たしてこの状況でガンマンは、お宝目当てにどちらかにつくのか、それとも、、、。

***

セリフは全編英語。
ちょっとだけ日本語も混ざる。
劇中の看板や文書は日本語、ただし読む時は英語で読む。

観客大笑いシーン続出。
その意味では、コメディとしても成功している。

香取慎吾登場で大爆笑とか、
村長に石橋連司、老齢でろれつがはっきりしないので通訳(代弁者)を連れているとか、
詳しくは言えないが、タイトルにもなっているすき焼きも笑いのネタ。

タランティーノ、やりすぎ。主題歌、北島三郎。

「平家物語」「ヘンリー6世」にも注目。

 

 

 

 

 

 

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